JP6241564B1 - 糖鎖捕捉性ポリマー粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】糖鎖捕捉性およびハンドリング性のバランスに優れた糖鎖捕捉性ポリマー粒子を提供する。【解決手段】本発明の糖鎖捕捉性ポリマー粒子は、糖鎖捕捉基を有するポリマー層、を備えており、水分散時におけるポリマー層の体積をV1(μm3)とし、乾燥時におけるポリマー層の体積をV2(μm3)としたとき、V1/V2が1.7以上12.2以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、糖鎖捕捉性ポリマー粒子に関する。
これまで生体高分子を捕捉する技術に関して様々な検討がなされてきた。生体高分子としては、糖鎖、糖タンパク質、タンパク質、核酸、脂質などが挙げられる。この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載されている。特許文献1には、シリカ粒子等の無機粒子の表面に、生体高分子と結合可能なアクセプター基を結合させる技術が記載されている。同文献によれば、シランカップリング剤を介して無機粒子の表面にアクセプター基が結合されている。また、アクセプター基として、アミノ基やアルデヒド基等が記載されている。
特開2009−281760号公報
本発明者が検討した結果、次のような点が判明した。
特許文献1に記載の技術は、シリカ粒子からタンパク質までのスペーサーが短いため、タンパク質の運動性が確保できず、運動性確保のための改善の余地があった。
本発明者はさらに検討したところ、糖鎖捕捉基を有するポリマー層を用いることにより、上記運動性を確保できることを見出した。これにより、糖鎖捕捉性を高めることができる。しかしながら、ポリマー層を用いた場合、乾燥時と水分散時においてポリマー層の膨潤度合いが変化する。この変化の度合いが大きすぎると様々な不具合があることが分かってきた。例えば、水分散時にポリマー層が過剰に膨潤した場合、糖鎖捕捉性ポリマー粒子のハンドリング性が低下してしまうことが分かった。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、水分散時と乾燥時におけるポリマー層の体積比率に着眼し、この体積比率の変化率がハンドリング性の指標となることが判明した。さらに検討を深めた結果、当該体積比率について所定値以上かつ所定値以下とすることにより、糖鎖捕捉性およびハンドリング性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
糖鎖捕捉基を有するポリマー層、を備える糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
水分散時における前記ポリマー層の体積をV1(μm)とし、
乾燥時における前記ポリマー層の体積をV2(μm)としたとき、
V1/V2が1.7以上12.2以下であり、
前記糖鎖捕捉基が、ヒドラジド基またはオキシルアミノ基のいずれかである、糖鎖捕捉性ポリマー粒子が提供される。
本発明によれば、糖鎖捕捉性およびハンドリング性のバランスに優れた糖鎖捕捉性ポリマー粒子が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子の概要について説明する。
本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子は、糖鎖捕捉基を有するポリマー層を備えるものである。当該糖鎖捕捉性ポリマー粒子において、水分散時におけるポリマー層の体積をV1(μm)とし、乾燥時におけるポリマー層の体積をV2(μm)としたとき、V1/V2が1.7以上12.2以下である事が好ましい。
本実施形態において、乾燥時に対する水分散時のポリマー層の体積比率V1/V2は、糖鎖捕捉性ポリマー粒子のハンドリング性を評価する指標に利用できる。
この点については、本発明者により見出された。具体的には次の通りである。すなわち、ポリマー層を用いた場合、乾燥時と水分散時においてポリマー層の膨潤度合いが変化する。この変化の度合いが大きすぎると様々な不具合があることが分かってきた。例えば、水分散時にポリマー層が過剰に膨潤した場合、糖鎖捕捉性ポリマー粒子のハンドリング性が低下してしまうことが分かった。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、水分散時と乾燥時におけるポリマー層の体積比率に着眼し、この体積比率の変化率がハンドリング性の指標となることが判明した。
本実施形態において、上記V1/V2を上記上限値以下とすることにより、水分散時における糖鎖捕捉性ポリマー粒子の体積変化を抑制できるので、ハンドリング性を向上させることができる。例えば、水に分散中の糖鎖捕捉性ポリマー粒子をピペットなどで吸引する操作が容易になる。また、カラム等への充填率のバラツキを抑制できるため、本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子を利用することにより、再現性に優れた糖鎖捕捉方法を実現することができる。
一方で、上記V1/V2を上記下限値以上とすることにより、糖鎖捕捉性ポリマー粒子の糖鎖捕捉性を向上させることができる。詳細なメカニズムは定かでないが、ある程度膨潤したポリマー層において、糖鎖を結合できる場をつくることができるため、糖鎖捕捉性を高めることができると考えられる。
ここで、上記特許文献1に記載には、タンパク質やヌクレオチドと結合可能なアクセプター基を表面に有するシリカ粒子が記載されている。このシリカ粒子は、ポリマー層(シランカップリング剤を除く)を有しない。このようなシリカ粒子の上記V1/V2は、シリカ粒子などの無機粒子は水分散時において膨潤しないとみなせるため、大きくても1.05以下であると推察される。
また、本実施形態においては、糖鎖捕捉基を有するポリマー層を用いることにより、水中での糖鎖捕捉基の運動性が向上するので、より効率的に糖鎖を捕捉することができるだけでなく、より製造プロセス上のバラツキを抑制できるため、糖鎖捕捉性ポリマー粒子の製造安定性を向上させる。
このように本実施形態によれば、糖鎖捕捉性、製造安定性およびハンドリング性のバランスに優れた糖鎖捕捉性ポリマー粒子を提供することができる。
次に本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子について詳細に説明する。
本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子は、例えば、試料中の糖鎖を捕捉することができる。
本実施形態の糖鎖とは、糖がグリコシド結合によって結合した化合物であればよく、糖タンパク質や糖脂質等の複合糖質の一部である糖鎖であってもよい。
本明細書において「試料」とは、複合糖質及び又は糖鎖を含む溶液であって、例えば、生体試料、食品、有機合成された試料等が挙げられる。生体試料としては、例えば、血液、尿、及びその他の体液等が挙げられる。複合糖質が有機合成物である場合、試料は、例えば、反応触媒や反応中間体等を含んでいてもよい。複合糖質が酵素合成物である場合、複合糖質を含む溶液は、例えば、合成酵素等を含んでいてもよい。
また「試料中の糖鎖」とは、試料に含まれる複合糖質に結合した糖鎖、複合糖質から遊離させた糖鎖、及び試料に含まれる糖鎖を含む。試料が複合糖質を含む場合、必要に応じて、公知の糖鎖遊離方法を用いて複合糖質から糖鎖を遊離させてもよく、複合糖質から糖鎖を遊離させた後の試料を、本明細書における試料とすることもできる。「複合糖質から遊離させた糖鎖」とは、複合糖質を酵素又は化学処理することによって複合糖質から遊離させた糖鎖の一部又は全部(以下、「遊離糖鎖」ともいう)、及び複合糖質を切断して得られた単糖、及び遊離糖鎖を分解して得られた単糖を含む。
本明細書において「複合糖質」とは、糖鎖と糖鎖以外の物質とが結合した物質のことをいう。本明細書において「糖鎖」とは、1以上の単糖及び又は単糖の誘導体が鎖状にグリコシド結合により結合した分子のことをいい、単糖であってもよいし、2糖以上の糖鎖であってもよい。複合糖質としては、例えば、糖アミノ酸、糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、グルコサミノグリカン、プロテオグリカン、グリコシルホスファチジルイノシトール、ペプチドグリカン、リポ多糖、及びそれらの誘導体等が挙げられる。複合糖質としては、例えば、生体由来物質、有機合成物、及び酵素合成物等が挙げられる。生体由来物質としては、例えば、組織由来物質、動物細胞由来物質、及び体液由来物質等が挙げられる。
本明細書において「試料中の糖鎖を捕捉する」とは、糖鎖捕捉性ポリマー粒子によって試料中の糖鎖を捕らえること、及び試料中の糖鎖を糖鎖捕捉性ポリマー粒子に結合させることを含む。中でも、試料中の糖鎖を糖鎖捕捉性ポリマー粒子に結合させることが好ましく、より好ましくは試料中の糖鎖を糖鎖捕捉性ポリマー粒子とヒドラゾン結合、オキシム結合又はアミド結合によって結合させることであり、捕捉効率及び収率の点からは、ヒドラゾン結合又はオキシム結合によって結合させることがさらに好ましい。
本明細書において「糖鎖を遊離させる」とは、糖鎖捕捉性ポリマー粒子に結合させた糖鎖を単糖に分解すること、また結合させた糖鎖を糖鎖捕捉性ポリマー粒子から切り出すことを含む。
本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子は、例えば、糖タンパク質の捕捉に用いることができる。これにより、効率的に糖タンパク質を精製することが可能となる。この場合、糖タンパク質を含有する試料とは、例えば、全血、血清、血漿、尿、唾液、細胞、組織などの生体試料を用いることができる。また、精製された、あるいは未精製の糖タンパク質を用いることができる。糖タンパク質における糖鎖は、O型糖鎖であっても、N型糖鎖であってもよい。上記試料は、脱脂、脱塩、タンパク質分画などの方法により前処理されていてもよい。
本実施形態の糖鎖捕捉基は、糖鎖や糖の誘導体を捕捉するための官能基であればよく、糖鎖を特異的に結合する点から、反応性の一級アミノ酸を用いることができる。反応性の一級アミノ酸としては、例えば、オキシルアミノ基、ヒドラジド基、アミノ基、及びセミチオカルバジド基並びにそれらの誘導体が挙げられる。これらの中でも、糖鎖還元末端であるアルデヒド基をより特異的に結合する観点から、オキシルアミノ基、又はヒドラジド基が好ましい。また、糖鎖を捕捉しやすいだけでなく再遊離もさせやすいことから、ヒドラジド基が好ましい。
本実施形態における糖鎖捕捉性ポリマー粒子において、乾燥時における糖鎖捕捉基の密度の下限値は、例えば、1nmol/mg以上でもよく、100nmol/mg以上でもよく、500nmol/mg以上でもよい。これにより、糖鎖捕捉性の効率を高めることができる。また、上記糖鎖捕捉基の密度の上限値は、特に限定されないが、例えば、4000nmol/mg以下としてもよく、3500nmol/mg以下としてもよく、3300nmol/mg以下としてもよい。これにより、糖鎖の捕捉性能を向上させることができる。測定方法としては、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸法(TNBS法)を用いたアミノ基の定量が挙げられる。
本実施形態において、糖鎖捕捉性ポリマー粒子は、糖鎖捕捉基を有するポリマー層を有する構造であれば特に限定されないが、例えば、糖鎖捕捉基を有するポリマー層からなる樹脂粒子、糖鎖捕捉基を有するポリマー層を表面に有する樹脂粒子、糖鎖捕捉基を有するポリマー層を表面に有する無機粒子のいずれかであってもよい。また、本実施形態において、ポリマー層は、架橋構造を有していてもよく、架橋構造を有していなくてもよい。
本実施形態において、樹脂粒子としては、特に限定されないが、例えば、アガロースやセファロース等の多糖類ゲルからなるゲル粒子、アクリル粒子、ポリスチレン粒子等の固体樹脂粒子が挙げられる。このような樹脂粒子は、ポリマー層の構成材料と同種また異種のいずれの樹脂材料で構成されていてもよい。この中でも、製造プロセス効率性の観点から、上記樹脂粒子は、ポリマー層の構成材料と同種の材料で構成されていることが好ましく、糖鎖捕捉基を有するポリマー層からなる樹脂粒子であることが好ましい。
本実施形態において、無機粒子としては、特に限定されないが、例えば、磁性粒子、シリカ粒子、アルミナ粒子等のセラミック粒子、ガラス粒子、金属粒子などが挙げられる。
本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子の形状は、特に限定しないが、球状でもよく、略球状でもよく、不定形でもよい。たとえば、球状の場合、糖鎖捕捉性ポリマー粒子の平均粒径は、好ましくは0.05μm以上1000μm以下であり、より好ましくは0.05μm以上500μm以下であり、さらに好ましくは0.1μm以上200μm以下であり、最も好ましくは0.1μm以上100μm以下である。平均粒径を上記下限値以上とすることにより、糖鎖捕捉性ポリマー粒子をカラムに充填する際、通液性の低下を抑制できる。また、糖鎖捕捉性ポリマー粒子を遠心分離やろ過で回収しやすくなる。平均粒径を上記上限値以下とすることにより、糖鎖の精製効率を向上させることができる。本実施形態において、糖鎖捕捉性ポリマー粒子の平均粒径は、例えば、数平均直径とすることができる。
本実施形態において、ポリマー層は、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリルモノマー、ビニルモノマー、アリルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、またはビニルアミドモノマーのいずれかに由来する構成単位を含有してもよい。これらを一種または二種以上含有してもよい。
ポリマー層は、下記構造式A1〜A5で表される構造単位を有していてもよく、さらに還元糖鎖と反応するヒドラジド基を有する構造とする場合、ポリマー化の後末端を10体積パーセント以上の濃度のヒドラジン溶液処理を行うことで一部または全てをヒドラジド基に置換したポリマーを得られる。
なお、下記構造式A1〜A3中、a、b、dは1から5の整数を表し、cは1から10の整数を表す。下記構造式A4中、Rは、―O―、―S―、―NH―、―CO―、及び―CONH―からなる群から選択される少なくとも1つで中断されてもよい炭素数0〜30の炭化水素鎖を示し、RはH、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。また、下記構造式A5中、RはH、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖、nは0から30の整数を示す。
Figure 0006241564
また、本実施形態のポリマー層は架橋構造を有していてもよい。このようなポリマー層は、下記一般式(1)で表される構造単位を有してもよい。
Figure 0006241564
一般式(1)中、R及びRは同一又は異なり−O−、−S−、−NH−、−C(=O)−及び−C(=O)NH−からなる群から選択される少なくとも一つが挿入されていてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、R、R及びRは同一又は異なり水素原子、メチル基、又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、m及びnはモノマーユニット数の比率を示す。
一般式(1)中、上記mとnの比率は、例えば、m:n=(80〜99):(20〜1)としてもよく、好ましくは(85〜99):(15〜1)としてもよい。
一般式(1)中、上記Rは、−O−、−C(=O)−及び−C(=O)NH−からなる群から選択される少なくとも一つが挿入された炭素数1〜20の炭化水素鎖が好ましく、より好ましくは少なくとも−C(=O)−及び−C(=O)NH−のいずれかまたは両方が挿入された炭素数1〜20の炭化水素鎖である。例えば、上記Rは、上記構造式A1〜A3で表される構造単位のいずれかを有していてもよい。
一般式(1)中、上記Rは、−O−、−C(=O)−及び−C(=O)NH−からなる群から選択される少なくとも一つが挿入された炭素数1〜20の炭化水素鎖が好ましい。例えば、上記Rは、下記構造式B1〜B4で表される構造単位のいずれかを有していてもよい。下記構造式B1〜B4中、e、fは1から5の整数を表し、gは1から10の整数を表す。
Figure 0006241564
上記構造式B1〜B4中、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、好ましくは水素原子、メチル基、炭素数2〜5のアルキル基である。例えば、R、R及びRは、下記式で示される置換基のいずれかであってもよい。下記式中、hは1から4の整数を表す。
Figure 0006241564
また、本実施形態において、上記一般式(1)で表される構成単位は、これらの中でも、下記式(2)で表される構成単位であってもよい。式(2)においてm及びnは式(1)と同様である。
Figure 0006241564
このような架橋構造を有するポリマー層は、特に限定されないが、例えば、架橋剤を用いて作製することができる。具体的には、不飽和結合等の重合性基を含むモノマー(例えば、カルボン酸エステルモノマー等)を含む原料を架橋剤存在下で重合させる。このときのポリマー層は粒子形状でもよい。この後、ポリマー層を所定濃度の糖鎖捕捉基成分含有溶液(たとえばヒドラジン溶液等)で処理することにより得ることができる。
このようなポリマー層は、下記のような構造をとるものを用いることができる。
−(ヒドラジド基等の糖鎖捕捉基含有化合物成分)m−(架橋剤成分)n−
上記架橋剤成分としては、多官能の化合物であって、カルボン酸エステルモノマーと共重合を行う化合物を好適に用いることができ、例えば(1)ポリオールのジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、例えばポリオールがエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等であるもの、(2)上記(1)において、不飽和酸が(メタ)アクリル酸以外のもの、例えばマレイン酸、フマル酸などであるもの、(3)ビスアクリルアミド類、例えばN,N’−メチレンビスアクリルアミドなど、(4)ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸を反応させて得られるジまたはトリ(メタ)アクリル酸エステル類、(5)ポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエステルを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類、例えばポリイソシアネートがトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどであるもの、(6)多価アリル化合物、例えばアリル化デンプン、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリストールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。これらの中でも、本実施形態では、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド等が好ましい。
本明細書において、(メタ)アクリレートモノマー((メタ)アクリル酸エステル類)とは、アクリレート、メタクリレートまたはこれらの混合物を表し、アクリル基を1以上有する、またはメタクリル基を1以上有するモノマーを用いることができる。本実施形態において、(メタ)アクリレートモノマーは、単官能モノマーまたは多官能モノマーのいずれでもよいが、2以上の多官能モノマーを少なくとも含有することができる。
本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子において、ポリマー層の側鎖を長鎖とすることにより、水中での運動性を高め、糖鎖の捕捉力を向上させることができる。また、このような側鎖を親水性とすることにより、糖鎖と接近しやすくなり、糖鎖の捕捉効率を高めることができる。さらに、このようなポリマー層からなる粒子が水中で膨潤することにより、糖鎖捕捉能を発揮する有効な表面積を増大させることができるため、糖鎖の捕捉効率を向上させることができる。
次いで、本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子の特性について説明する。
本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子において、水分散時におけるポリマー層の体積をV1(μm)とし、乾燥時におけるポリマー層の体積をV2(μm)としたとき、乾燥時に対する水分散時のポリマー層の体積比率であるV1/V2が以下の所定の範囲内となることが好ましい。
上記V1/V2の下限値は、1.70以上であり、1.75以上が好ましく、より好ましくは2.00以上でもよく、さらに好ましくは2.50以上でもよい。これにより、糖鎖捕捉性ポリマー粒子の糖鎖捕捉性を向上させることができる。一方で、上記V1/V2の上限値は、12.20以下であり、12.05以下が好ましく、より好ましくは10.00以下でもよく、さらに好ましくは9.00以下でもよく、一層好ましくは6.00以下でもよい。これにより、糖鎖捕捉性ポリマー粒子のハンドリング性を向上させることができる。
また、本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子において、水分散時におけるポリマー層の膜厚をD1(μm)とし、乾燥時におけるポリマー層の膜厚をD2(μm)としたとき、乾燥時に対する水分散時のポリマー層の膜厚比率であるD1/D2が所定の範囲内となることが好ましい。
上記D1/D2の下限値は、例えば、1.20以上であり、1.40が以上好ましく、より好ましくは1.70以上でもよい。これにより、糖鎖捕捉性ポリマー粒子の糖鎖捕捉性を向上させることができる。一方で、上記D1/D2の上限値は、例えば、2.30以下であり、2.00以下が好ましく、1.90以下がより好ましい。これにより、糖鎖捕捉性ポリマー粒子のハンドリング性を向上させることができる。
本実施形態において、ポリマー層の膜厚や体積は、次のような条件を踏まえて測定することが好ましい。
糖鎖捕捉性ポリマー粒子が糖鎖捕捉基を有するポリマー層からなる樹脂粒子である場合、当該樹脂粒子の半径をポリマー層の膜厚とみなす。
水分散時や乾燥時における糖鎖捕捉性ポリマー粒子の直径は、顕微鏡観察による数平均直径から算出する。すなわち、樹脂粒子を液温25℃の純水中に分散させた状態で、水分散時の数平均膜厚D1を測定し、その後、真空乾燥を行い、乾燥時の数平均膜厚D2を測定する。V1/V2は、(D1/D2)の3乗の値として算出できる。
糖鎖捕捉性ポリマー粒子が糖鎖捕捉基を有するポリマー層を表面に有する無機粒子である場合、シリカ粒子などの無機粒子は、水分散時と乾燥時とで体積や半径が変更しないものとみなす。このとき、無機粒子の表面におけるポリマー層の体積の算出方法としては、ポリマー層が存在する状態で無機粒子の体積を測定し、当該ポリマー層を焼いた後の無機粒子の体積を測定し、これらの体積の差分をポリマー層の体積とする。この測定は、例えば示差熱熱重量同時測定装置(TG/DTA)等で測定することが出来る。
このように本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子においては、乾燥時に対する水分散時のポリマー層の膨潤度合いを適切に制御することで、糖鎖捕捉性、製造安定性およびハンドリング性のバランスに優れた糖鎖捕捉性ポリマー粒子を提供することができる。
ここで、このようなポリマー層の膨潤度合いは、上記V1/V2や上記D1/D2が指標となる。本実施形態では、たとえば糖鎖捕捉性ポリマー粒子中のポリマー層に含まれる各成分の種類や配合量、ポリマー層の調製方法等を適切に選択することにより、上記V1/V2や上記D1/D2を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、ポリマー層の分子量や架橋密度、糖鎖捕捉基の密度、ポリマー層の疎水度合い、全体の平均粒径を適切に調整すること等が、上記V1/V2や上記D1/D2を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
次に、本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子を用いた糖鎖試料の調製方法を説明する。
本実施形態の糖鎖試料の調製方法としては、具体的には(a)糖鎖を含む試料を糖鎖捕捉性ポリマー粒子に接触させ、当該糖鎖を当該糖鎖捕捉性ポリマー粒子に捕捉する工程と、(b)糖鎖を捕捉した糖鎖捕捉性ポリマー粒子を洗浄する工程と、(c)糖鎖を捕捉した糖鎖捕捉性ポリマー粒子から糖鎖を遊離させる工程とを含むことができる。また、必要に応じて任意のラベル化試薬で糖鎖の標識化を行ってもよい。
本実施形態の糖鎖捕捉性ポリマー粒子を用いて調製した試料は、液体クロマトグラフィーやマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法(MALDI−TOFMS)等の各種分析方法に好適に用いることができる。
本実施形態において、糖鎖を捕捉する糖鎖捕捉性ポリマー粒子によって糖鎖を捕捉する際の反応系のpHは、例えば、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは2〜6である。pH調整のためには、各種緩衝液を用いることができる。糖鎖捕捉時の温度は、好ましくは4〜90℃、より好ましくは4〜80℃、さらに好ましくは30〜80℃であり、最も好ましくは40〜80℃である。反応時間は適宜設定することができる。糖鎖捕捉性ポリマー粒子をカラムに充填して試料溶液を通過させてもよい。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 糖鎖捕捉基を有するポリマー層、を備える糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
水分散時における前記ポリマー層の体積をV1(μm )とし、
乾燥時における前記ポリマー層の体積をV2(μm )としたとき、
V1/V2が1.7以上12.2以下である、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
2. 1.に記載の糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
水分散時における前記ポリマー層の膜厚をD1(μm)とし、
乾燥時における前記ポリマー層の膜厚をD2(μm)としたとき、
D1/D2が1.2以上2.3以下である、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
3. 1.または2.に記載の糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
前記ポリマー層は、(メタ)アクリルモノマー、ビニルモノマー、アリルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、またはビニルアミドモノマーのいずれかに由来する構成単位を含有する、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
4. 1.から3.のいずれか1つに記載の糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
乾燥時における前記糖鎖捕捉基の密度が、1nmol/mg以上4000nmol/mg以下である、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
5. 1.から4.のいずれか1つに記載の糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
前記糖鎖捕捉基が、ヒドラジド基またはオキシルアミノ基のいずれかである、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
[カルボキシル基を有する粒子の合成]
メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)4.3g(50mmol)、エチレングリコールジメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)0.2g(1mmol)、純水1mLを混合し、さらにペルオキソ二硫酸カリウム27mg(0.1mmol)を加えモノマー溶液を作製した。0.1wt%ソルビタンモノステアレートのシクロヘキサン溶液100mLにモノマー溶液を添加し、撹拌しながら20分間窒素ガスでバブリングした。撹拌とバブリングを継続しながら60℃で16時間加熱した後、純水で洗浄し、カルボキシル基を有する粒子を得た。
[粒子のヒドラジド化]
50μL/mLのヒドラジン一水和物溶液(PBSバッファにヒドラジン一水和物を溶解しHClでpH5.8に調製)10mLに水溶性カルボジイミド0.1gを溶解した。この溶液に前記カルボキシル基を有する粒子を1g添加し、37℃で2時間転倒混和した。水洗後、粒子を1N HClに分散した。遠心分離して上清を除去し、さらに水洗を繰り返した。凍結乾燥してヒドラジド化したポリマー粒子を得た。
[実施例2]
エチレングリコールジメタクリレートを0.4g(2mmol)にした以外は実施例1と同様に実施例2のポリマー粒子を作製した。
[実施例3]
エチレングリコールジメタクリレートを0.16g(0.8mmol)にした以外は実施例1と同様に実施例3のポリマー粒子を作製した。
[実施例4]
エチレングリコールジメタクリレートを1.0g(5mmol)にした以外は実施例1と同様に実施例4のポリマー粒子を作製した。
[実施例5]
(担体表面への連鎖移動基の導入)
メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン(東京化成工業株式会社製、M0928)0.5mLをpH3.0の酢酸水溶液25mLとエタノール25mLとの混合液に添加し、シランカップリング剤を加水分解した後に、シリカ粒子(平均粒径5μm、細孔径1000Å、富士シリシア化学株式会社製SMB1000−5)5gを投入し70℃で2時間攪拌した後、吸引ろ過により反応溶液からシリカ粒子を回収し、100℃で1時間加熱した。その後、エタノールで分散させてよく振盪した後、遠心分離により上清を除去し乾燥させた。
(担体表面への重合体の化学結合)
メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)モノマー濃度は0.5mol/Lになるように純水に溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。そこに過硫酸カリウムを0.01mol/Lになるように添加し、均一になるまで撹拌した。その後、上記の連鎖移動基を導入したシリカ粒子0.5gを投入し、アルゴンガス雰囲気下、70℃で22時間反応させた。次いで、遠心分離により反応溶液からシリカ粒子を回収し、純水に分散させ、よく振盪した後、吸引ろ過により粒子を回収し、乾燥させた。
(ヒドラジド基の導入)
得られた粒子全量を容器にとり、ヒドラジン一水和物(原液、98体積%以上)3mLを加えて撹拌し、室温で2時間静置した。反応後、ヒドラジン一水和物を除去し、メタノールで洗浄したのち、1M塩酸でリンスした。その後さらに純水で洗浄・乾燥し、実施例5の粒子を得た。
[比較例1]
エチレングリコールジメタクリレートを0.08g(0.4mmol)にした以外は実施例1と同様に比較例1のポリマー粒子を作製した。
[比較例2]
メタクリル酸メチル(和光純薬工業株式会社製)4.3g(50mmol)、メタクリル酸(和光純薬工業株式会社製)0.17g(2mmol)、エチレングリコールジメタクリレート(和光純薬工業株式会社製)0.2g(1mmol)、クロロホルム5mLを混合し、さらに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)16mg(0.1mmol)を加えモノマー溶液を作製した。0.1wt%ポリビニルアルコール水溶液100mLにモノマー溶液を添加し、撹拌しながら20分間窒素ガスでバブリングした。撹拌とバブリングを継続しながら60℃で16時間加熱した後、純水で洗浄し、カルボキシル基を有する粒子を得た。
[粒子のヒドラジド化]
50μL/mLのヒドラジン一水和物溶液(PBSバッファにヒドラジン一水和物を溶解しHClでpH5.8に調製)10mLに水溶性カルボジイミド0.1gを溶解した。この溶液に前記カルボキシル基を有する粒子を1g添加し、37℃で2時間転倒混和した。水洗後、粒子を1N HClに分散した。遠心分離して上清を除去し、さらに水洗を繰り返した。凍結乾燥してヒドラジド化したポリマー粒子を得た。
Figure 0006241564
得られた粒子のポリマー層について、水分散時の数平均膜厚D1、乾燥時の数平均膜厚D2、水分散時の数平均体積V1、乾燥時の数平均体積V2を、以下のようにして算出した。
ポリマー層からなる樹脂粒子の場合、樹脂粒子の半径をポリマー層の膜厚とした。数平均膜厚は、顕微鏡観察により算出した。すなわち、得られた樹脂粒子を液温25℃の純水中に分散させた状態で、水分散時の数平均膜厚D1を測定し、その後、真空乾燥を行い、乾燥時の数平均膜厚D2を測定した。また、シリカ粒子は、水分散時と乾燥時とで体積や半径が変更しないものとみなした。シリカ粒子の表面におけるポリマー層の体積の算出方法は、ポリマー層が存在する状態でシリカ粒子の体積を測定し、当該ポリマー層を焼いた後のシリカ粒子の体積を測定し、これらの体積の差分をポリマー層の体積とした。
以上により、D1,D2を測定した。V1/V2は(D1/D2)の3乗の値として算出した。結果を表1に示す。
<ハンドリング性の評価>
得られた粒子50mgを純水500μLに分散させたところ、実施例1〜5および比較例2の粒子は均一に分散させることができたが、比較例1の粒子は粒子同士が凝集していた。
また、得られた粒子50mgを純水500μLに分散させて分散液を調製し、2μL〜200μL用ピペットチップを用いて、分散液中のポリマー粒子に対する吸引操作について評価を行った。糖鎖捕捉実験には粒子を5mg使用することから、吸引量は50μLとした。
実施例1〜5および比較例2の粒子については、2μL〜200μL用のピペットチップを用いて、分散液中のポリマー粒子を吸引することができ、ディスポカラムに分注できた。しかし、比較例1の粒子については、2μL〜200μL用ピペットチップを用いて、分散液中のポリマー粒子を吸引することができなかった。したがって、比較例1の粒子については、分注の後の実験を遂行することができなかった。評価結果を表1に示す。表1中、ハンドリング性が良好な場合を○とし、ハンドリング性が十分ではない場合を×とした。
<糖鎖捕捉性の評価>
[ウシ血清由来IgGの糖鎖分析]
1.生体試料の予備処理
ウシ血清由来IgG1mgを100mM重炭酸アンモニウム50μLに溶解させた後、120mM DTT(ジチオスレイトール)を5μL加え、60℃で30分間反応させた。反応終了後、123mM IAA(ヨードアセトアミド)10μLを加えて遮光下、室温で1時間反応させた。続いて400Uのトリプシンによってプロテアーゼ処理をし、タンパク質部分をペプチド断片化した。反応溶液を90℃で5分処理した後、5UのグリコシダーゼFによる処理を行って糖鎖をペプチドから遊離させ、予備処理済の生体試料を得た。
2.糖鎖捕捉工程(a)、洗浄工程(b)
実施例1、2の粒子各5mgが入ったディスポカラムおよび実施例3の粒子10mgが入ったディスポカラムに予備処理済の生体試料の懸濁物20μL及び180μLの2%酢酸/アセトニトリル溶液を加え、80℃で1時間反応させた。反応は開放系で行い、溶媒が完全に蒸発し組成物が乾固した状態であることを目視で確認した。続いて、グアニジン溶液、純水、メタノール、トリエチルアミン溶液にてポリマー粒子を洗浄後、10%無水酢酸/メタノールを添加し、室温で30分間反応させ、未反応のヒドラジド基をキャッピングした。キャッピング後、純水にて組成物を洗浄した。
3.糖鎖遊離工程(c)
次に該ディスポカラムに純水20μL及び2%酢酸/アセトニトリル溶液180μLを加え、70℃で1.5時間反応させた。反応は開放系で行い、溶媒が完全に蒸発し組成物が乾固した状態であることを目視で確認した。
4.標識化工程(d)
さらに、2−aminobenzamide(2−AB)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムの終濃度がそれぞれ0.35M、1Mになるように30%酢酸/DMSO混合溶媒に溶解させて調整した溶液50μLを添加し、60℃で2時間反応させた。
前記、糖鎖捕捉工程(a)、洗浄工程(b)、糖鎖遊離工程(c)、及び標識化工程(d)は同一の容器であるディスポカラム内で行なった。
5.余剰試薬除去工程
反応溶液50μLを回収し、アセトニトリルで10倍に希釈した後、シリカゲル (Iatrobeads、6RS−8060、三菱化学ヤトロン社製)を詰めたカラムに添加してシリカゲルに標識糖鎖を吸着させた。アセトニトリル、アセトニトリル/水混合溶液(95:5)にてカラムを洗浄後、純水50μLにて標識糖鎖を回収した。
6.標識化糖鎖の検出
得られた標識糖鎖をHPLCにて測定した。アミノカラム(Shodex Asahipak NH2P−50)を用いて励起波長330nm、蛍光波長420nmにて測定した。その結果、実施例1〜5いずれの場合も、2ABにより標識化された糖鎖が検出された。一方、比較例1については、ピペットで吸引することができず、分注不可であったため、糖鎖捕捉性の評価試験を実施することができなかった。結果を表1に示す。表1中、標識化糖鎖が十分に検出され、良好な糖鎖捕捉性を示す場合を○とし、標識化糖鎖の検出が十分ではない場合を×とし、分注不可により糖鎖捕捉性の評価試験が実施できなかった場合を−とした。
以上、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。

Claims (4)

  1. 糖鎖捕捉基を有するポリマー層、を備える糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
    水分散時における前記ポリマー層の体積をV1(μm)とし、
    乾燥時における前記ポリマー層の体積をV2(μm)としたとき、
    V1/V2が1.7以上12.2以下であり、
    前記糖鎖捕捉基が、ヒドラジド基またはオキシルアミノ基のいずれかである、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
  2. 請求項1に記載の糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
    水分散時における前記ポリマー層の膜厚をD1(μm)とし、
    乾燥時における前記ポリマー層の膜厚をD2(μm)としたとき、
    D1/D2が1.2以上2.3以下である、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
  3. 請求項1または2に記載の糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
    前記ポリマー層は、(メタ)アクリルモノマー、ビニルモノマー、アリルモノマー、(メタ)アクリルアミドモノマー、またはビニルアミドモノマーのいずれかに由来する構成単位を含有する、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の糖鎖捕捉性ポリマー粒子であって、
    乾燥時における前記糖鎖捕捉基の密度が、1nmol/mg以上4000nmol/mg以下である、糖鎖捕捉性ポリマー粒子。
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