JP7091128B2 - 粒子、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、粒子、及びその製造方法に関する。
ポリマー粒子は基礎的な生物学や医療の分野においてその重要性が高まっている。例えばラテックス凝集法を用いた体外検査診断薬への応用に対するニーズが高まっている。
原理的には、粒子表面に所望の抗原あるいは抗体を吸着させることができれば、ラテックス凝集反応の感度を高めることができる。しかし、血清などの検体中には多くの夾雑物が存在しており、この夾雑物も粒子表面に吸着(非特異吸着)し、所望の抗原や抗体が粒子表面へ吸着することを阻害する。また、粒子に吸着した夾雑物を介して粒子同士が凝集すると、測定精度の低下がおこる。そこで、調製した粒子に所望の抗体を吸着させた後に、BSA(Bovine serum albumin、牛血清アルブミン)で粒子表面を被覆することで、粒子表面への夾雑物の吸着(非特異吸着)を抑制する方法がある(特許文献1)。
特開2004-151000号公報
しかし、BSAで粒子表面を被覆すると、夾雑物の吸着を十分に抑えられるときと抑えられないときがあった。そのため、ラテックス凝集法にBSAで被覆した粒子を用いると、再現性が低下するという問題点があった。BSAが天然物であるため、ロットごとに親水性と疎水性の程度が異なっているためと推測される。
本発明に係る粒子の製造方法は、ラジカル重合性モノマー、有機シラン化合物、ラジカル重合開始剤、水溶性ポリマー、及び水溶液を混合して乳濁液を調製する第一の工程を有する粒子の製造方法であって、前記有機シラン化合物が、ケイ素原子にアルコキシ基が結合したラジカル重合性を有する化合物である。
本発明に係る粒子は、ラジカル重合性モノマー、有機シラン化合物、ラジカル重合開始剤、水溶性ポリマー、及び水溶液を混合して乳濁液を調製する工程によって製造される粒子であって、前記有機シラン化合物が、ケイ素原子にアルコキシ基が結合したラジカル重合性を有する化合物である。
本発明によれば、BSAを用いることなく非特異吸着を抑制できる粒子及びその製造方法を提供することができる。
本発明の実施例に係る粒子の製造方法、及び製造された粒子について説明するための表である。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明するが、本発明はこれらに限られない。
(粒子、及び粒子の製造方法)
本実施形態に係る粒子の製造方法は、少なくとも、ラジカル重合性モノマー、有機シラン化合物、ラジカル重合開始剤、及び水溶性ポリマーを、水溶液(水系媒体)と混合して乳濁液を調製する工程(第一の工程)を有する。ここで用いられる有機シラン化合物は、ケイ素原子にアルコキシ基が結合し、さらにラジカル重合性を有する化合物である。なお、得た乳濁液を、加熱する工程(第二の工程)を有していても良い。なお、本実施形態に係る製造方法によって製造される粒子を以下では、ポリマー微粒子と呼ぶことがある。本実施形態に係る粒子の製造方法によって製造される粒子は、有機シラン化合物に由来するシリカ(シラノール基)の存在により、粒子表面の親水性が高いため、BSAを用いることなく、非特異吸着を抑制できる。また、BSAのような天然物を用いていないので、粒子毎の非特異吸着の抑制能力の差が小さい。言い換えると、粒子を製造する上で、非特異吸着の抑制能力の再現性が高い。
(粒子の製造方法の一例)
次に、本実施形態に係る粒子の製造方法の一例を説明する。
本実施形態に係るポリマー微粒子は、少なくとも、ケイ素原子を含まないラジカル重合性モノマー、有機シラン化合物、ラジカル重合開始剤、水溶性ポリマーおよび反応性官能基を有する分子を水系媒体と混合して乳濁液を調製する(第一の工程)。ここで、反応性官能基を有する分子は、シリコンアルコキシド基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、グリシジル基の内少なくとも一つを有する分子である。
さらに、乳濁液を加熱する工程(第二の工程)を有し、前記有機シラン化合物が、ケイ素原子にアルコキシ基が結合し、さらにラジカル重合性を有する二重結合を有する化合物である。
本実施形態に係るポリマー微粒子は、少なくともケイ素原子を含まないラジカル重合性モノマーとケイ素原子にアルコキシ基が結合し、ラジカル重合性を有する二重結合を有する化合物を共重合し得られるポリマー微粒子である。さらにシリコンアルコキシド基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、グリシジル基の官能基の内少なくとも一つを有する分子が該ポリマー微粒子に共有結合している。
(ラジカル重合性モノマー)
ラジカル重合性モノマーは、スチレン系モノマー、アクリレート系モノマー、メタクリレート系モノマーからなる群より選択される少なくとも一つを用いることができる。例えば、スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチルなどを挙げることができる。これらのモノマーの群より選択される少なくとも一つを用いることができる。すなわち、これらの中から、単独であるいは複数種組み合わせて使用できる。また一つの分子内に二重結合を2つ以上有するモノマー、例えばジビニルベンゼンを架橋剤として用いてもよい。
(有機シラン化合物)
有機シラン化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを挙げることができる。これらのモノマーの群より選択される少なくとも一つを用いることができる。すなわち、これらの中から、単独であるいは複数種組み合わせて使用してもよい。
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物、有機過酸化物などから広く使用することができる。具体的には、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、tert-ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸ナトリウム(NPS)、過硫酸カリウム(KPS)などをあげることができる。
(水溶性ポリマー)
水溶性ポリマーは、ポリマー微粒子の合成時に保護コロイドとして働き、生成されるポリマー微粒子の粒径の制御に寄与する。好ましい水溶性ポリマーとしては、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドンの中から1種あるいは複数種組み合わせて用いて構わない。分子量は、10000以上1000000以下が好ましく、30000以上50000以下がさらに好ましい。分子量が1万より小さいと保護コロイド性が小さくなくなり、分子量が1000000を超えると水系媒体の粘度が上昇し扱いにくくなるからである。また、これら水溶性ポリマーは、その一部が合成後の粒子表面に物理吸着、化学吸着などで密着していても構わない。
シリコンアルコキシド基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、グリシジル基の内少なくとも一つを有する分子としては、これら官能基を最低一つ分子内に含むものであれば特に限定せずに用いることができる。具体的には、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、テトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、1,3-アセトンジカルボン酸、アクリル酸、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、アラニン、4-マレイミド酪酸、2-メルカプトエチルアミン、ペプチド(アミノ酸がつながってできた分子の総称)、マレイミドとカルボン酸が同一分子内にある化合物、マレイミドとポリエチレングリコールとカルボン酸が同一分子内に存在する化合物、ビニル基とポリエチレングリコールとカルボン酸が同一分子内にある化合物、からなる群から選択される少なくとも一つを用いることができる。
水溶液(水系媒体)は、媒体中に含まれる水が80%以上100%以下であることが好ましい。水溶液は、水や、水に可溶な有機溶媒、たとえばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトンを水に混合した溶液が例示される。水以外の有機溶媒を20%より多く含有させると、ポリマー微粒子製造時に重合性モノマーの溶解が生じるおそれがある。
また上記水溶液(水系媒体)は、pHが6以上9以下に予め調整されていることが好ましい。pHが6未満または9より大きい値であると、有機シラン化合物中のアルコキシド基がポリマー微粒子の形成前に縮重合や他の官能基と反応してしまい、得られる粒子が凝集するおそれがある。本実施形態においては、ポリマー微粒子の形成前にアルコキシドを意図的に縮重合することは行わなくてもよい。
上記pHの調整は、pH緩衝剤を用いて調整することが好ましいが、酸、塩基で調製しても構わない。
そのほかに、界面活性剤、消泡剤、塩、増粘剤などを水系媒体に対して10%以下の割合で添加して用いても構わない。
本実施形態に係るポリマー微粒子の製造方法としては、まずpHが6乃至9に調整された水系媒体に水溶性ポリマーを溶解する。水溶性ポリマーは水系媒体に対して0.01重量%から20重量%、好ましくは、0.03重量%から15重量%である。0.01重量%以下だと粒径の制御に十分な量には至らず、その効果が発現されない。また20重量%以上だと水系媒体の粘度が上昇し、撹拌が十分に行えない可能性がある。
続いて、ケイ素原子を含まないラジカル重合性モノマー(A)とケイ素原子にアルコキシ基が結合し、さらにラジカル重合性を有する二重結合を有する有機シラン化合物(B)を前記水系媒体中に添加し乳濁液とする。(A)と(B)の重量比は、4:6から9.7:0.3である。
(A)が4以下だと、粒子全体の比重が上がり、粒子の沈降が顕著となるおそれがある。また、9.7以上だとケイ素原子の含有量が少なくなり、非特異吸着を抑制する能力が低下するおそれがある。
水系媒体と(A)、(B)合計量の重量比は、5:5から9.5:0.5が好ましい。水系媒体の比が5以下だと生成されるポリマー微粒子の凝集が顕著となるおそれがある。また、9.5以上であってもポリマー微粒子の生成には問題ないが、生成量が少なくなるおそれがある。
シリコンアルコキシド基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、グリシジル基の内少なくとも一つを有する分子は、必要に応じて前記(A)、(B)と同時にあるいは、(A)、(B)の反応が進んだ後、終了した後に添加しても構わない。
これらの官能基を有する分子は、抗体を固定化するために必要である。
添加量は、(A)、(B)合計の重量に対し、0.01重量%から60重量%の間で用いることができる。
ラジカル重合開始剤は、水、緩衝剤などに溶解して用いる。(A)、(B)合計の重量に対するラジカル重合開始剤は、0.5重量%から10重量%の間で用いることができる。
前記乳濁液を加熱する工程は、乳濁液全体が均一に加熱されれば構わない。加熱する温度は、50℃から90℃、加熱時間は2時間から24時間の間で任意に設定できる。
ポリマー微粒子の粒径は、平均粒子径が50nm以上400nm以下であることが好ましく、100nm以上400nm以下であることがさらに好ましい。また、ポリマー微粒子の粒度分布の変動係数(CV値)が5以下であることが好ましい。平均粒子径の測定方法は、動的光散乱法(DLS)、レーザー回折法(LD法)、電子顕微鏡での観察などが主な測定手法であるが、本実施形態では、動的光散乱法を好ましく用いる。たとえば、動的光散乱法でポリマー微粒子の分散液を測定し、得られる光強度を個数分布に換算し、平均をとった値を粒子径とすることができる。平均粒子径が50nm未満だと、合成時の洗浄処理に時間を要するおそれがある。また400nmより大きいと、保存時の沈降による凝集が顕著となるおそれがある。
変動係数(CV値)は、ポリマー微粒子の画像を電子顕微鏡で撮影し、たとえば粒子100個以上の直径をもとめ、統計処理によって変動係数(CV値)を求めることができる。変動係数(CV値)が5以上である(粒径の分布幅は広い)と、検体検査用粒子と抗原との反応が不安定となるおそれがある。
ポリマー微粒子の粒径は、合成時のモノマーと水系媒体の割合、水溶性ポリマーの添加量、反応温度、反応時間で制御が可能となる。
このようにして製造されたポリマー微粒子の分散液は、濾過、遠心分離によるデカンテーション、限外濾過などによって分級、及び未反応物、凝集物などを除去して精製する。
<検体検査用粒子>
このようにして作製したポリマー微粒子は、検体検査用の前駆体粒子である。この前駆体粒子に抗体を固定化し検体検査用の粒子として用いることができる。
固定化の方法は、ポリマー微粒子の官能基を利用し、化学結合、物理吸着などで固定化する。本発明ではその方法は限定されない。
抗体をポリマー微粒子に固定化した検体検査用粒子は、検体中に抗原が存在すると抗原を介して検体検査用の粒子同士が凝集し、この凝集を観察することで、抗原を検出することができる。検体中に目的の抗原が含まれていない場合、凝集は生じにくい。
(リガンド・アフィニティー粒子)
本実施形態では、本実施形態に係る粒子と、反応性官能基に結合したリガンドとを有するアフィニティー粒子を提供できる。本実施形態において、リガンドとは、特定の標的物質が有する受容体に特異的に結合する化合物のことである。リガンドが標的物質と結合する部位は決まっており、選択的または特異的に高い親和性を有する。例えば、抗原と抗体、酵素タンパク質とその基質、ホルモンや神経伝達物質などのシグナル物質とその受容体、核酸などが例示されるが、本実施形態におけるリガンドはこれらに限定されない。核酸としてはデオキシリボ核酸等が挙げられる。本実施形態におけるアフィニティー粒子とは、標的物質に対して選択的または特異的に高い親和性(アフィニティー)を有する。本実施形態におけるリガンドが、抗体、抗原、及び核酸のいずれかであることが好ましい。
本実施形態において、本実施形態に係る粒子が有する反応性官能基とリガンドとを化学結合する化学反応の方法は、本発明の目的を達成可能な範囲において、従来公知の方法を適用することができる。また、リガンドをアミド結合させる場合は、1-[3-(ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド]等の触媒を適宜用いることができる。
本実施形態におけるアフィニティー粒子が、リガンドとして抗体(抗原)、標的物質として抗原(抗体)を用いる場合、臨床検査、生化学研究等の領域において広く活用されている免疫ラテックス凝集測定法に好ましく適用できる。
(体外診断用の検査試薬)
本実施形態における体外診断用の検査試薬、すなわち体外診断による検体中の標的物質の検出に用いるための検査試薬は、本実施形態に係るアフィニティー粒子と、アフィニティー粒子を分散させる分散媒を有する。本実施形態における試薬中に含有される本実施形態に係るアフィニティー粒子の量は、0.001質量%から20質量%が好ましく、0.01質量%から10質量%がより好ましい。本実施形態に係る試薬は、本発明の目的を達成可能な範囲において、本実施形態に係るアフィニティー粒子の他に、溶剤やブロッキング剤などの第三物質を含んでも良い。溶剤やブロッキング剤などの第三物質は2種類以上を組み合わせて含んでも良い。本実施形態において用いる溶剤の例としては、リン酸緩衝液、グリシン緩衝液、グッド緩衝液、トリス緩衝液、アンモニア緩衝液などの各種緩衝液が例示されるが、本実施形態における試薬に含まれる溶剤はこれらに限定されない。
ラテックス凝集法による検体中の抗原または抗体の検出に用いる場合は、リガンドは、抗体または抗原を用いることができる。
(検査キット)
本実施形態における体外診断による検体中の標的物質の検出に用いるための検査キットは、上記試薬と、上記試薬を内包する筐体とを有する。本実施形態に係るキットとしては、ラテックス凝集測定用増感剤を含有させても良い。ラテックス凝集測定用増感剤として、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルギン酸等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されない。また、本実施形態に係るキットは、陽性コントロール、陰性コントロール、血清希釈液等を備えていても良い。陽性コントロール、陰性コントロールの媒体として、測定しうる標的物質が含まれていない血清、生理食塩水の他、溶剤を用いても良い。本実施形態に係るキットは、通常の体外診断による検体中の標的物質の検出に用いるためのキットと同様にして、本実施形態に係る標的物質の検出方法に使用できる。また、従来公知の方法によって標的物質の濃度も測定することができ、特に、ラテックス凝集法による検体中の標的物質の検出に用いることが好適である。
(検出方法)
本実施形態における体外診断による検体中の標的物質の検出方法は、本実施形態に係るアフィニティー粒子と、標的物質を含む可能性のある検体とを混合する工程を有する。また、本実施形態に係るアフィニティー粒子と検体との混合は、pH3.0からpH11.0の範囲で行われることが好ましい。また、混合温度は20℃から50℃の範囲であり、混合時間は1分から20分の範囲である。また、本検出方法は、溶剤を使用することが好ましい。また、本実施形態に係る検出方法における本実施形態に係るアフィニティー粒子の濃度は、反応系中、好ましくは0.001質量%から5質量%、より好ましくは0.01質量%から1質量%である。本実施形態に係る検出方法は、本実施形態に係るアフィニティー粒子と検体との混合の結果として生じる凝集反応を光学的に検出すること、すなわちラテックス凝集法により検体中の標的物質を検出することが好ましい。具体的には、検査試薬に、検体を混合して混合液を得る工程と、混合液に、光を照射する工程と、混合液に照射された光の、透過光または散乱光の少なくともいずれかを検出する工程を有する。混合液において生じる上記凝集反応を光学的に検出することで、検体中の標的物質が検出され、更に標的物質の濃度も測定することができる。前記凝集反応を光学的に検出する方法としては、散乱光強度、透過光強度、吸光度等を検出可能な光学機器を用いて、これらの値の変化量を測定すれば良い。
以下、実施例および比較例を用いて本発明をより具体的に説明する。
ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
200mlのフラスコにリン酸塩緩衝液pH7.4(キシダ化学株式会社製)90g添加し、ポリビニルピロリドンK-30(キシダ化学株式会社製、分子量40000)0.9gを溶かした。次に3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 LS-3380)3.0g、スチレン(キシダ化学株式会社製)9.0gを添加し、室温で窒素を吹き込みながら撹拌を10分間行った。その後オイルバスでフラスコ内の乳濁液を70℃に加熱した。ペルオキソ二硫酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)0.3gをリン酸塩緩衝液pH7.4(キシダ化学株式会社製)15mlに溶かした溶液を、前記70℃に加熱した乳濁液中に添加した。70℃のまま7時間撹拌した後、室温に戻しポリマー微粒子の分散液を得た。
さらに、この分散液を遠心分離器にかけ、ポリマー微粒子を回収し、上澄みは捨てた。回収したポリマー微粒子は、イオン交換水中に再分散した後、再度遠心分離器にかけた。遠心分離器によるポリマー微粒子の回収とイオン交換水による再分散を4回繰り返した。
このようにして得られたポリマー微粒子の分散液を、濃度が1.0重量%となるよう調整した。
(実施例2)
200mlのフラスコにリン酸塩緩衝液pH6.4(キシダ化学株式会社製)90g添加し、ポリビニルピロリドンK-30(キシダ化学株式会社製、分子量40000)0.9gを溶かした。次に3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 LS-3380)0.4g、スチレン(キシダ化学株式会社製)11.6gを添加し、室温で窒素を吹き込みながら撹拌を10分間行った。その後オイルバスでフラスコ内の乳濁液を70℃に加熱した。ペルオキソ二硫酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)0.3gを水15mlに溶かした溶液を、前記75℃に加熱した乳濁液中に添加した。75℃のまま6時間撹拌した後、室温に戻しポリマー微粒子の分散液を得た。
さらに、この分散液を遠心分離器にかけ、ポリマー微粒子を回収し、上澄みは捨てた。回収したポリマー微粒子は、イオン交換水中に再分散した後、再度遠心分離器にかけた。遠心分離器によるポリマー微粒子の回収とイオン交換水による再分散を4回繰り返した。
このようにして得られたポリマー微粒子の分散液を、濃度が1.0重量%となるよう調整した。
(実施例3)
200mlのフラスコにリン酸塩緩衝液pH9.0(キシダ化学株式会社製)90g添加し、ポリビニルピロリドンK-30(キシダ化学株式会社製、分子量40000)0.4gを溶かした。次に3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製 LS-3380)7.2g、スチレン(キシダ化学株式会社製)4.8gを添加し、室温で窒素を吹き込みながら撹拌を10分間行った。その後オイルバスでフラスコ内の乳濁液を70℃に加熱した。ペルオキソ二硫酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)0.3gを水15mlに溶かした溶液を、前記80℃に加熱した乳濁液中に添加した。80℃のまま4時間撹拌した後、室温に戻しポリマー微粒子の分散液を得た。
さらに、この分散液を遠心分離器にかけ、ポリマー微粒子を回収し、上澄みは捨てた。回収したポリマー微粒子は、イオン交換水中に再分散した後、再度遠心分離器にかけた。遠心分離器によるポリマー微粒子の回収とイオン交換水による再分散を4回繰り返した。
このようにして得られたポリマー微粒子の分散液を、濃度が1.0重量%となるよう調整した。
(実施例4)
実施例1で作製した1.0重量%ポリマー微粒子分散液を0.1重量%に希釈し、アミノプロピルトリメトキシシランを溶液に対して0.05wt%の割合で投入し、14時間室温にて撹拌を行い、ポリマー微粒子の表面をアミノ基で修飾した。
(実施例5)
実施例1で作製した1.0重量%ポリマー微粒子分散液を0.1重量%に希釈し、28wt%のアンモニア水を2wt%、メルカプトプロピルプロピルトリメトキシシランを溶液に対して0.05wt%の割合で投入した。そして、14時間室温にて撹拌を行い、ポリマー微粒子の表面をチオール基で修飾した。
(実施例6)
実施例1で作製した1.0重量%ポリマー微粒子分散液を0.1重量%に希釈し、アミノプロピルトリメトキシシランを溶液に対して0.05wt%の割合で投入し、14時間室温にて撹拌を行い、ポリマー微粒子の表面をアミノ基で修飾した。0.1%に調整した前記アミノ基で表面を修飾したポリマー微粒子分散液に、ジメチルスルホキシドに溶解した無水コハク酸を溶液に対して0.1wt%の割合で投入し、14時間室温にて撹拌を行い、ポリマー微粒子の表面をカルボキシル基で修飾した。
(実施例7)
実施例1で作製した1.0重量%ポリマー微粒子分散液を0.1重量%に希釈し、Si-tag融合プロテインA(有限会社シリコンバイオ製 抗体結合タンパク質(プロテインA)と、シラノール基に結合するペプチドとの融合タンパク質)を添加した。そして、ポリマー微粒子表面にSi-tag融合プロテインAを固定化した。
(実施例8)
実施例1で作製した1.0重量%ポリマー微粒子分散液に、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを溶液に対して0.5wt%、グリシンを0.5wt%、28wt%のアンモニア水を2wt%、の割合で投入し、14時間室温にて撹拌を行った。そして、ポリマー微粒子の表面をグリシジル基で修飾した。
(実施例9)
実施例1で作製した1.0重量%ポリマー微粒子分散液に、トリメトキシプロピルコハク酸無水物のジメチルスルホキシド溶液を溶液に対して0.4wt%の割合で添加し、14時間室温にて撹拌を行い、ポリマー微粒子の表面をジカルボキシル基で修飾した。
<抗体の結合1>
実施例4、6、8、9で作製した各ポリマー微粒子分散液に抗C反応性蛋白(以後CRPと略す)を以下の通り結合した。
まず、各ポリマー微粒子分散液を、15000rpm(20400g)、15分間、遠心して微粒子を沈殿させた。上清を除去した後、微粒子のペレットを、緩衝液で再分散させ、これに水溶性カルボジイミドWSCを加えた。さらにN-ヒドロキシスクシンイミドを加えた。微粒子分散液を、室温で30分間撹拌した後、遠心分離によって、粒子を回収した。微粒子を緩衝液で洗浄した。微粒子を緩衝液に再分散させて、抗CRP抗体を抗体終濃度100μg/mLとなるように加えた。室温、180分間撹拌した後、遠心分離によって、粒子を回収した。粒子を、緩衝液で十分に洗浄して、抗CRP抗体が結合した微粒子を得た。抗体が結合していることは、抗体を加えた緩衝液中の抗体濃度の減少量をBCAアッセイで測定することで確認した。粒子1個あたり、抗体が約100から500個結合していることが分かった。本実施例で得られた抗体が結合した微粒子は、緩衝液中で安定に分散しており、BSAでポストコートする必要はなかった。
<抗体の結合2>
実施例5で作製したポリマー微粒子に抗CRP抗体を結合した。チオール反応性の抗体を得るために、抗CRP抗体溶液にEMCS (N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimide)を加えて、抗体にマレイミド基を導入した。ポリマー微粒子分散液を、15000rpm(20400g)、15分間、遠心して微粒子を沈殿させた。上清を除去した後、微粒子のペレットを、緩衝液で再分散させ、これにあらかじめマレイミド化した抗CRP抗体を加えた。室温、180分間撹拌した後、遠心分離によって、粒子を回収した。粒子を、緩衝液で十分に洗浄して、抗CRP抗体が結合した微粒子を得た。抗体が結合していることは、抗体を加えた緩衝液中の抗体濃度の減少量をBCAアッセイで測定することで確認した。粒子1個あたり、抗体が約100から500個結合していることが分かった。本実施例で得られた抗体が結合した微粒子は、緩衝液中で安定に分散しており、BSAでポストコートする必要はなかった。
<抗体の結合3>
実施例7で作製したポリマー微粒子に抗CRP抗体を結合した。実施例7のポリマー微粒子分散液を、15000rpm(20400g)、20分間、遠心して微粒子を沈殿させた。上清を除去した後、微粒子のペレットを、緩衝液で再分散させ、これに抗CRP抗体を抗体終濃度200μg/mLとなるように加えた。4℃で、16時間撹拌した後、遠心分離によって、粒子を回収した。粒子を、緩衝液で十分に洗浄して、抗CRP抗体が結合した微粒子を得た。抗体が結合していることは、抗体を加えた緩衝液中の抗体濃度の減少量をBCAアッセイで測定することで確認した。粒子1個あたり、抗体が約500個結合していることが分かった。本実施例で得られた抗体が結合した微粒子は、緩衝液中で安定に分散しており、BSAでポストコートする必要はなかった。
(比較例1)
IMMUTEX 免疫診断用ポリマー粒子P0113 (JSR株式会社製 粒径0.187μmのポリスチレン粒子にカルボキシル基を結合したポリマー粒子)を、粒子の濃度を1.0重量%に調製した。
(比較例2)
IMMUTEX 免疫診断用ポリマー粒子P0307 (JSR株式会社製 粒径0.351μmのポリスチレン粒子にカルボキシル基を結合したポリマー粒子)を、粒子の濃度を1.0重量%に調製した。
<比較例1、2への抗体結合>
比較例1、比較例2のポリマー微粒子に抗CRP抗体を結合した。比較例1、比較例2のポリマー微粒子分散液を、15000rpm(20400g)、20分間、遠心して微粒子を沈殿させた。上清を除去した後、微粒子のペレットを、緩衝液で再分散させ、これに水溶性カルボジイミドWSCを加えた。さらに抗CRP抗体を抗体終濃度100μg/mLとなるように加えた。室温、180分間撹拌した後、BSA溶液を加えた。その後、遠心分離によって、BSAでコートされた粒子を回収した。粒子を、緩衝液で洗浄して、BSAでコートされた抗CRP抗体が結合した粒子を得た。抗体が結合していることは、抗体を加えた緩衝液中の抗体濃度の減少量をBCAアッセイで測定することで確認した。粒子1個あたり、抗体が約500個結合していることが分かった。しかし、抗体を粒子に結合直後に、微粒子が凝集して沈殿するのが目視で確認できたため、その後のラテックス凝集反応の評価に用いることはできなかった。
<非特異凝集抑制評価>
実施例1乃至9で作製した各ポリマー微粒子分散液および比較例1、2で用いた免疫診断用ポリマー粒子分散液を30μlに緩衝液で15倍に希釈した人血清溶液60μlを添加し37℃で5分保温した。保温の前後で527nmの吸光度を測定し、前後での吸光度の変化量を3回測定した。図1には3回の平均値を示す。吸光度の変化量が0.1未満を非特異凝集が抑制されているとし、0.1以上を非特異凝集が起こっていると評価した。結果を図1に示す。
比較例1、2は、人血清との反応で凝集反応(非特異凝集)が生じた。
<ラテックス凝集反応の評価>
抗体の結合1、2、3で作製した抗CRP抗体が結合した各ポリマー微粒子分散液を0.1重量%に調製し、ラテックス凝集反応を行った。
ヒト血清由来CRP(シグマアルドリッチ製)と抗体の結合1、2、3で作製したポリマー微粒子分散液とを混合して、混合前後での波長572nmにおける吸光度を測定した。微粒子上の抗CRP抗体が抗原であるCRPを捕捉できれば、CRPを介した微粒子同士の凝集反応が起こる。この時、透過率の減少が生じる結果、吸光度の上昇が観測される。抗体を結合した微粒子を含む溶液にCRPを添加したとき、ならびにCRPを添加しなかったときについて、反応温度37℃、反応時間5分間の処理前後の吸光度変化率(%)を3回測定した。図1には3回の吸光度変化率の平均値を示す。図1より、CRP添加時に抗原抗体反応により凝集反応が起こり、CRPを添加しないときの増加率と比較し明らかに差異の確認を認識できることがわかる。
図1からわかるように、抗体を結合した本発明の実施例のポリマー微粒子は、CRPを認識し、粒子同士が凝集することがラテックス凝集反応の評価より確認できた。よって、本実施例にかかる微粒子は、BSAを用いずとも抗体を結合させることが可能であり、その結合した抗体は、抗原認識能を有していることが分かった。本実施例の微粒子は、免疫反応を利用する検査用粒子、たとえばラテックス凝集法で用いられる抗体感作ラテックスとして好適に用いることが出来る。
また、図1からわかるように、実施例1~9で作製された微粒子は、ヒト血清中において、凝集せず、安定に分散できることが分かった。一方、比較例1ならびに2のポリスチレン粒子では、ヒト血清中において凝集することがわかった。これは微粒子表面にタンパク質が非特異に吸着することで、吸着タンパク質を介した粒子間の架橋によるものと考えられる。比較例1ならびに2のポリスチレン粒子をあらかじめBSAでポストコートした場合、ヒト血清中において、凝集せず、安定に分散できた。これはポリスチレン粒子表面にアルブミンが吸着することで、ヒト血清由来のタンパク質が吸着できなくなったためと考えられる。
本実施例の結果より、抗体等のリガンドを結合できる足場を有しながらも、BSAを用いなくても血清タンパクの非特異吸着を抑制された微粒子を得られることがわかった。また、免疫反応を利用する検査用粒子、たとえばラテックス凝集法で用いられる抗体感作ラテックスとして好適に用いることが出来る。

Claims (27)

  1. ラジカル重合性モノマー、有機シラン化合物、ラジカル重合開始剤、水溶性ポリマー、及び水溶液を混合して乳濁液を調製する第一の工程と、
    前記第一の工程の後に、シリコンアルコキシド基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、及びグリシジル基のうち、少なくとも一つの反応性官能基を有する化合物を加える工程と、
    前記反応性官能基を有する化合物を加える工程の後に、リガンドを添加する工程と、を有し、
    前記有機シラン化合物が、ケイ素原子にアルコキシ基が結合したラジカル重合性を有する化合物である、アフィニティー粒子の製造方法。
  2. 前記乳濁液を、加熱する第二の工程をさらに有する請求項1に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  3. 前記ラジカル重合性モノマーが、ケイ素原子を含まないモノマーである請求項1または2に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  4. 前記ラジカル重合性モノマーは、スチレン系モノマー、アクリレート系モノマー、メタクリレート系モノマーからなる群より選択される少なくとも一つである請求項1乃至3のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  5. 前記ラジカル重合性モノマーは、スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチルからなる群より選択される少なくとも一つである請求項1乃至のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  6. 前記水溶性ポリマーは、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも一つである請求項1乃至5のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  7. 前記有機シラン化合物は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群より選択される少なくとも一つである請求項1乃至6のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  8. 前記水溶液は、pHが6以上9以下に調整されたものである請求項1乃至7のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  9. 前記反応性官能基を有する化合物が、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、テトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、1,3-アセトンジカルボン酸、アクリル酸、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、アラニン、4-マレイミド酪酸、2-メルカプトエチルアミン、トリメトキシプロピルコハク酸無水物からなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  10. 前記リガンドは、抗原、抗体、酵素タンパク質、酵素タンパク質の受容体、シグナル物質、シグナル物質の受容体、核酸のいずれかである、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  11. 前記リガンドは、抗原、抗体、及び核酸のいずれかである、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子の製造方法。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子を分散媒に分散する工程を含む、検査試薬の製造方法。
  13. 前記検査試薬における前記アフィニティー粒子の平均粒子径が100nm以上400nm以下であり、前記アフィニティー粒子の粒度分布の変動係数が5以下である請求項12に記載の検査試薬の製造方法。
  14. ラジカル重合性モノマーに由来するユニットと有機シラン化合物に由来するユニットを含む共重合体、及び水溶性ポリマーを有するポリマー微粒子と、
    リガンドと、
    を有するアフィニティー粒子であって、
    前記有機シラン化合物は、ケイ素原子にアルコキシ基が結合し、ラジカル重合性を有す
    る化合物であり、
    前記ポリマー微粒子の表面に、シリコンアルコキシド基、カルボキシル基、アミノ基、チオール基、及びグリシジル基のうち、少なくとも一つの反応性官能基を含有する化合物をさらに有し、
    前記反応性官能基と前記リガンドとの化学結合を有する、アフィニティー粒子。
  15. 前記ラジカル重合性モノマーが、ケイ素原子を含まないモノマーである請求項14に記載のアフィニティー粒子。
  16. 前記化学結合はアミド結合、グリシジル基とアミノ基の反応による結合のいずれかである請求項14または15に記載のアフィニティー粒子。
  17. 前記ラジカル重合性モノマーは、スチレン系モノマー、アクリレート系モノマー、及びメタクリレート系モノマーからなる群より選択される少なくとも一つである請求項14乃至16のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子。
  18. 前記ラジカル重合性モノマーは、スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリロニトリル、アクリル酸メチルからなる群より選択される少なくとも一つである請求項14乃至16のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子。
  19. 前記水溶性ポリマーは、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、及びポリビニルピロリドンからなる群より選択される少なくとも一つである請求項14乃至18のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子。
  20. 前記有機シラン化合物は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランからなる群より選択される少なくとも一つである請求項14乃至19のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子。
  21. 前記反応性官能基を有する化合物が、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、トリス-(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、テトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、1,3-アセトンジカルボン酸、アクリル酸、2-アクリロイロキシエチル-コハク酸、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、グリシジルメタクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、アラニン、4-マレイミド酪酸、2-メルカプトエチルアミン、トリメトキシプロピルコハク酸無水物からなる群から選択される少なくとも一つである請求項14乃至20のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子。
  22. 前記リガンドは、抗原、抗体、酵素タンパク質、酵素タンパク質の受容体、シグナル物質、シグナル物質の受容体、核酸のいずれかである、請求項14乃至21のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子。
  23. 前記リガンドが、抗体、抗原、及び核酸のいずれかであることを特徴とする請求項14乃至22のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子。
  24. 請求項14乃至23のいずれか1項に記載のアフィニティー粒子と、前記アフィニティー粒子を分散させる分散媒と、を有することを特徴とする体外診断用の検査試薬。
  25. 前記リガンドが抗体または抗原であり、ラテックス凝集法による検体中の抗原または抗体の検出に用いられる請求項24に記載の検査試薬。
  26. 前記検査試薬における前記ポリマー微粒子の平均粒子径が100nm以上400nm以下であり、前記ポリマー微粒子の粒度分布の変動係数が5以下である請求項24または25に記載の検査試薬。
  27. 請求項24乃至26のいずれか1項に記載の検査試薬と、前記検査試薬を内包する筐体とを有することを特徴とする体外診断用の検査キット。
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