JP7360846B2 - 検体検査用粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の粒子は、スチレン系モノマーに由来するユニットとグリシジル基含有モノマーに由来するユニットとを有する共重合体を含む凝集法用粒子であって、前記共重合体が、下記式(1)で示す部分構造を有する粒子である。式(1)中、カルボキシ基のカウンターイオンR+は有機アミンであり、*は前記共重合体のうち、前記グリシジル基含有モノマーに由来するユニットに結合する部分を示す。下記式(1)で示す部分構造は、粒子表面に存在することが好ましい。
式(1)中、カルボキシ基のカウンターイオンR+は水素イオン、または有機アミンであり、式(1)および式(2)中、*はメタクリル酸グリシジルのポリマー骨格に結合する部分を示す。
粒子の製造方法は、モノマーであるスチレン、モノマーであるメタクリル酸グリシジル、水、およびラジカル重合開始剤を混合して粒状共重合体を形成させ、前記粒状共重合体の水分散液を得る(工程1)。
前記粒状共重合体の水分散液とアンモニア水とを混合して加熱することで、前記粒状共重合体のメタクリル酸グリシジルに由来するエポキシ基と、アンモニアを反応させ、粒状共重合体のエポキシ基にアミノ基を導入する(工程2)。
前記粒状共重合体の水分散液と無水コハク酸を混合して反応させることで、前記粒状共重合体のアミノ基と、無水コハク酸とを反応させる(工程3)。
前記粒状共重合体の水分散液と有機アミンとを混合して反応させることで、前記粒状共重合体のカルボキシ基のプロトンを、有機アミンに置換する(工程4)。
(SGNST粒子の合成)
300mLフラスコに1.2g(1.32mL)のスチレン(キシダ化学製)と1.8g(1.68mL)のメタクリル酸グリシジル(キシダ化学製)、0.04g(0.044mL)のジビニルベンゼン(キシダ化学製)、115g(115mL)のイオン交換水を秤とり、混合液を得た。
その後、この混合液を200rpmで撹拌しながら70℃に保持し、窒素バブリングを30分行った。次に、窒素バブリングを窒素フローに切り替えた。
重合開始剤として、0.06gのV-50(2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド、和光純薬製)を5g(5mL)の純水に溶解させ、V-50溶解液を得た。
このV-50溶解液を前記混合液に加えることで、ラジカル重合(ソープフリー乳化重合)を開始した(以下、「ラジカル重合溶液」という)。重合開始から2時間後、前記ラジカル重合溶液に0.3g(0.28mL)のメタクリル酸グリシジルを加え、7時間、200rpmで撹拌しながら70℃で保持した後、室温まで徐冷した。この時点で300mlフラスコ内容物をサンプリングし、プロトンNMR、ガスクロマトグラフィー、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いてラジカル重合転化率を評価したところ、実質的に100%であることを確認した。
無水コハク酸を反応させたメタノール溶液(SGNS粒子を含む)を、遠心分離した。粒子の沈殿物に対して、トリエチルアミン水溶液(3wt%)で再分散した。遠心分離とトリエチルアミン水溶液の再分散を2回繰り返した。次いで分散媒をイオン交換水に替えて、3回洗浄(遠心分離とイオン交換水を用いた再分散)を行った。得られた粒子は、SGNS粒子の表面のカルボキシ基のプロトンをトリエチルアミンに置換した粒子であり、「SGNST粒子」とよぶ。本実施例に係るSGNST粒子の表面は、ポリメタクリル酸グリシジルで被覆されており、式(1)で示されるスペーサー分子を有しており、式(1)中、カルボキシ基のカウンターイオンR+はトリエチルアミンである。式中、*はポリメタクリル酸骨格に結合する部分を示す。
(ポリスチレン粒子)
比較例1として、ポリスチレン粒子であるイムテックス(JSR製、P0113,188nm)を用いた。イムテックスをイオン交換水で0.1wt溶液に希釈したものを用いた。
(ポストコートしたポリスチレン粒子)
参考例1として、イムテックスをアルブミンでコートした粒子を調製した。まず、イムテックス(JSR製、P0113,188nm)の0.1wt%水溶液を300μL、エッペンチューブに入れ、この溶液に1%BSA/PBS(10mg/mL)を80μL添加した。室温、30分間撹拌した。遠心分離を20分行い、上清を除去してPBSで粒子を2回洗浄した。
(粒子の非特異反応(非特異凝集)の評価)
粒子の非特異反応(非特異凝集)は免疫比濁法により評価した。
(抗体感作SGNST粒子の調製)
本実施例のSGNST粒子の分散液(濃度1.0wt%溶液、10mg/mL)の0.1mL(粒子1mg)をエッペンチューブ(容量1.5mL)に移し取り、0.12mLの活性化緩衝液(25mM MES,pH 6.0)を添加して、4℃で15000rpm(20400g)、5分間遠心した。遠心後、上清をピペッタで廃棄(デカント)した。活性化緩衝液(25mM MES,pH 6.0)0.12mLを添加して、超音波にて分散させた(アズワン3周波超音波洗浄器 MODEL VS-100III、28kHz)。次に、4℃で15000rpm(20400g)、5min、遠心した。上清をピペッタで廃棄し、活性化緩衝液(25mM MES,pH 6.0)0.12mLを添加して、超音波にて分散させた。4℃で15000rpm(20400g)、5分間遠心した。上清をピペッタで廃棄し、WSC溶液(WSC 50mgを活性化緩衝液1mLに溶解させたもの)およびSulfo NHS溶液(Sulfo NHS 50mgを活性化緩衝液1mLに溶解させたもの)をそれぞれ60μL添加し、超音波にて分散させた。室温、30分間撹拌することで、粒子のカルボキシ基を活性エステルに変換させた。4℃で15000rpm(20400g)、5分間遠心し、上清をピペッタで廃棄した。固定化緩衝液(25mM MES,pH 5.0)0.2mLを添加して、超音波にて分散させた。4℃で15000rpm(20400g)、5分間遠心し、上清をピペッタで廃棄した。固定化緩衝液50μL(粒子1mgあたり)を添加して、カルボキシ基が活性化された粒子を超音波にて分散させた。
Trisを含む活性エステル不活化緩衝液(1M Tris,pH 8.0に0.1% Tween20を含むもの)0.24mLを添加して、超音波にて分散させた。室温で2時間撹拌し、残存している活性化エステルにTrisを結合あるいは残存している活性化エステルを加水分解(カルボキシ基に戻る)させた後、4℃で一晩、静置した。
次に、4℃で15000rpm(20400g)、5分間遠心し、上清をピペッタで廃棄した。洗浄・保存緩衝液(10mM HEPES,pH7.9)0.2mLを添加して、超音波にて分散させた。洗浄・保存緩衝液(10mM HEPES,pH7.9)0.2mLによる洗浄操作を2回繰り返した後、洗浄・保存緩衝液0.5mLを添加して、超音波にて分散させた。感作工程で、粒子のロスがほとんど見られないので、最終的に抗体感作粒子濃度は0.2wt%(2mg/mL)となった。冷蔵庫で保存し、使用時には超音波にて再分散させた。得られた抗体感作粒子は、以後、「抗体感作SGNST粒子」とよぶ。
抗体感作SGNST粒子は、図3に示すように、粒子表面にはスペーサーを介して抗体が固定されており、抗体を固定していない一部のスペーサーにはトリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)が結合している抗体感作粒子である。
(ポリスチレン粒子への抗体感作)
比較例として、JSR製のポリスチレン粒子、イムテックスに抗体を感作した。
実施例3の粒子をイムテックスに変更し、抗体固定後にアルブミンのポストコート処理を行った以外は、実施例3と同様の実験操作によって比較例としての抗体感作ポリスチレン粒子を得た。得られた粒子は、以後、「抗体感作ポリスチレン粒子」と呼ぶ。
(抗体感作効率の測定)
タンパク定量により、抗体が粒子に感作(固定)していることを確認した。具体的には、抗体感作粒子とBCA試薬を反応させる方法である。まず、抗体感作粒子の分散液(0.2%溶液)を12.5μL(粒子量25μg)分取し、これに12.5μLの10mM HEPES(pH7.9)を加える。プロテインアッセイBCAキット(和光純薬)のA液7mL、B液140μLを混合して、AB液とした。粒子溶液(25μL)に対して、AB液200μLを加え、60℃で30分間インキュベートした。溶液を4℃で15000rpm(20400g)、5分間遠心し、上清200μLをピペッタで回収した。標準サンプル(抗体を10mM HEPESで0~200μg/mLの範囲で数点)とともにマルチモードマイクロプレートリーダー(商品名:SynergyMX,BioTek)で562nmの吸光度を測定した。標準曲線から抗体量を算出した。粒子への抗体感作量(粒子重量あたりの抗体固定量(μg/mg))は、算出した抗体量を粒子重量(ここでは0.025mg)で割ることで求めた。感作効率は、仕込んだ抗体量から求めた。結果を表2に示す。本実施例の抗体感作粒子は、比較例に比べて、感作効率が高いことが分かった。
(抗体感作粒子のヒトPSA抗原に対する感度と非特異反応評価)
抗体感作粒子の感度はラテックス免疫凝集法により評価した。具体的には、抗原に抗体感作粒子を反応させ、免疫複合体の凝集物を形成させ、その凝集物に光を照射して、散乱による照射光の減衰(吸光度)を吸光度計で計測する方法である。検体に含まれる抗原量に依存して凝集物の割合が増加して、吸光度が増加する。感度の評価では、既定のPSA濃度における吸光度の増加量(ΔODx10000で記載)が大きいことが望ましい。吸光度の測定には、紫外可視分光光度計(商品名:GeneQuant 1300、GEヘルスケア)を用い、試料はプラスチックセルに注入し光路長10mmにて測定した。以下に、具体的に測定方法を示す。
結果を表3に示す。
(SGNST-2粒子の合成)
実施例1と同様にしてSG粒子分散液を調製した。次に、SG粒子分散液(固形分3.0g)を200mLフラスコに移した。氷水中、SG粒子分散液を撹拌と超音波照射を行いながら、28%アンモニア水(40.8g)を滴下ロートで添加した。添加後、撹拌と超音波を15分間継続した。得られたSG粒子分散液を、回転子を入れたオートクレーブベセルに移し、密栓した後、70℃のオイルバス中で、24時間撹拌した。粒子中のメタクリル酸グリシジルのモル量に対して、25倍モル量のアンモニアを反応させた。室温まで徐冷して、遠心分離(15000rpm)とイオン交換水による洗浄を3回繰り返した。得られた粒子は、SG粒子の表面にアミノ基を導入した粒子であり、「SGN-2粒子」とよぶ。実施例1と同様にして、SGN-2粒子にカルボキシ基を導入し、粒子表面のカルボキシ基のプロトンをトリエチルアミンに置換した。得られた粒子は、「SGNST-2粒子」とよぶ。
(抗体感作SGNST-2粒子の調製)
実施例3のSGNST粒子をSGNST-2粒子に変更した以外は、実施例3と同様の実験操作によって本実施例に係る抗体感作SGNST-2粒子を得た。得られた粒子は、以後、「抗体感作SGNST-2粒子」と呼ぶ。
(抗体感作粒子のヒトPSA抗原に対する感度と非特異反応評価)
実施例5と同様にして抗体感作SGNST-2粒子の感度と非特異反応を評価した。結果を表4に示す。抗体感作SGNST-2粒子は、PSAの存在下、ΔODx10000の増加が認められた。これは、抗原であるPSAに抗体感作粒子が結合し、粒子凝集体を形成した結果であり、ラテックス免疫凝集法に用いるための粒子として機能することがわかった。サンプルとしてPSAを含まない溶液(PSA濃度0ng/mL)を用いた場合、ならびにサンプルとしてPSAを含まないヒト血清(検体番号3-2と3-5)を用いた場合、表4に示すように、ΔODx10000は変化しなかった。以上の結果より、本実施例の抗体感作SGNST-2粒子の非特異反応性は認められなかった。本実施例の粒子はアルブミンによるポストコートが無くても非特異反応を抑制できることがわかった。
(分子量5000のPEGが修飾された抗体感作SGNST粒子の調製)
実施例3の抗PSA抗体(モノクローナル抗体)を抗CRP抗体(モノクローナル抗体)に、活性エステル不活化緩衝液をPEG修飾用緩衝液(PEG分子量5000)に変更した以外は、実施例4と同様の実験操作によって本実施例に係るPEG修飾された抗体感作SGNST粒子を得た。得られた粒子は、以後、「抗体感作SGNST粒子(P5000)」と呼ぶ。抗体感作SGNST粒子(P5000)は、図3に示すように、粒子1表面にはスペーサー2を介して抗体3が固定されており、抗体3を固定していない一部のスペーサーにはPEG5(PEG分子量5000)が結合している抗体感作粒子である。
(分子量2000のPEGが修飾された抗体感作SGNST粒子の調製)
実施例3の抗PSA抗体(モノクローナル抗体)を抗CRP抗体(モノクローナル抗体)に、活性エステル不活化緩衝液をPEG修飾用緩衝液(PEG分子量2000)に変更した以外は、実施例3と同様の実験操作によって本実施例に係るPEG修飾された抗体感作SGNST粒子を得た。得られた粒子は、以後、「抗体感作SGNST粒子(P2000)」と呼ぶ。抗体感作SGNST粒子(P2000)は、図3に示すように、粒子表面にはスペーサーを介して抗体が固定されており、抗体を固定していない一部のスペーサーにはPEG(PEG分子量2000)が結合している抗体感作粒子である。
(分子量1000のPEGが修飾された抗体感作SGNST粒子の調製)
実施例3の抗PSA抗体(モノクローナル抗体)を抗CRP抗体(モノクローナル抗体)に、活性エステル不活化緩衝液をPEG修飾用緩衝液(PEG分子量1000)に変更した以外は、実施例3と同様の実験操作によって本実施例に係るPEG修飾された抗体感作SGNST粒子を得た。得られた粒子は、以後、「抗体感作SGNST粒子(P1000)」と呼ぶ。抗体感作SGNST粒子(P1000)は、図3に示すように、粒子表面にはスペーサーを介して抗体が固定されており、抗体を固定していない一部のスペーサーにはPEG(PEG分子量1000)が結合している抗体感作粒子である。
(分子量550のPEGが修飾された抗体感作SGNST粒子の調製)
実施例3の抗PSA抗体(モノクローナル抗体)を抗CRP抗体(モノクローナル抗体)に、活性エステル不活化緩衝液をPEG修飾用緩衝液(PEG分子量550)に変更した以外は、実施例3と同様の実験操作によって本実施例に係るPEG修飾された抗体感作SGNST粒子を得た。得られた粒子は、以後、「抗体感作SGNST粒子(P550)」と呼ぶ。抗体感作SGNST粒子(P550)は、図3に示すように、粒子表面にはスペーサーを介して抗体が固定されており、抗体を固定していない一部のスペーサーにはPEG(PEG分子量550)が結合している抗体感作粒子である。
(分子量350のPEGが修飾された抗体感作SGNST粒子の調製)
実施例3の抗PSA抗体(モノクローナル抗体)を抗CRP抗体(モノクローナル抗体)に、活性エステル不活化緩衝液をPEG修飾用緩衝液(PEG分子量350)に変更した以外は、実施例3と同様の実験操作によって本実施例に係るPEG修飾された抗体感作SGNST粒子を得た。得られた粒子は、以後、「抗体感作SGNST粒子(P350)」と呼ぶ。抗体感作SGNST粒子(P350)は、図3に示すように、粒子表面にはスペーサーを介して抗体が固定されており、抗体を固定していない一部のスペーサーにはPEG(PEG分子量350)が結合している抗体感作粒子である。
(PEGが修飾されていない抗体感作SGNST粒子の調製)
実施例3の抗PSA抗体(モノクローナル抗体)を抗CRP抗体(モノクローナル抗体)に変更した以外は、実施例3と同様の実験操作によって本実施例に係る抗体感作SGNST粒子を得た。得られた粒子は、以後、「抗体感作SGNST粒子(N)」と呼ぶ。抗体感作SGNST粒子(N)は、図1に示すように、粒子表面には親水性鎖が存在していない抗体感作粒子である。
実施例9~14で得られた抗体感作粒子について、感作効率、抗体固定化量、平均粒径、ならびに多分散度指数(PDI)を測定した。ここで多分散度指数(PDI)とは、動的光散乱(DLS)測定において、粒径分布の幅の指標であり、0から1の数値で表される。0.1以下のPDI値を有する分布は単分散と呼ばれる。小さい数値であればあるほど、粒径分布が狭いことを意味する。表5に測定結果を示す。抗体の感作効率と固定化量については、すべての実施例で同じロットの粒子のロットを用いているため、数値は同じである(実施例15の粒子のみ測定した)。抗体感作SGNST粒子(P1000)ならびに抗体感作SGNST粒子(P2000)において、多分散度指数(PDI)が小さくなり、粒径分布が狭いことがわかった。適度な大きさのPEGにより、感作粒子の分散性を向上させたと考えられる。
実施例9~14で得られた抗体感作粒子の感度について、実施例5と同様にしてラテックス免疫凝集法により評価した。
実施例5と異なり、抗原をPSAの代わりにCRPを用いた。具体的には、CRP溶液(CRP濃度 4mg/dL)1μLをサンプルとして、このサンプルとR1緩衝液50μLをプラスチックセル内で混和し、37℃で5分間加温した。抗体感作粒子の分散溶液(粒子濃度0.05wt%,10mM HEPES、pH7.9)50μLをCRPを含むR1緩衝液(51μL)に添加し、気泡が入らないよう注意しながら素早くピペッティングし、サンプルとした。サンプルの572nmの吸光度を読み取り、Abs1とした。サンプルを37℃で5分間加温した後、サンプルの572nmの吸光度を読み取り、Abs2とした。Abs2からAbs1を引いた値を求め、10000倍したものを、ΔODx10000値とした。非特異反応を評価するため、サンプルとしてCRPを含まない血清溶液(CRP濃度0mg/dL)を用いた。
(表面に親水性鎖を導入したSGNST-3粒子の合成)
実施例1と同様にして、SG粒子の表面にアミノ基を導入したSGN粒子を合成した。次に、SGN粒子の表面に存在するエポキシ基の未修飾残基(残エポキシ基)を、以下のとおりトリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)で修飾し、親水性鎖を粒子表面に導入することが出来る。
(抗体感作SGNST-3粒子の合成)
実施例14と同様の実験操作によって本実施例に係る抗体感作SGNST-3粒子が得られる。抗体感作SGNST-3粒子は、図2に示すように、粒子表面には親水性鎖が存在している抗体感作粒子である。抗体は粒子表面のすべてを占有することは無いため、夾雑タンパクの粒子表面への非特異吸着が問題となる場合がある。その場合、粒子表面へ親水性鎖を導入することで、タンパクの非特異吸着を抑制することが可能である。抗体感作SGNST-3粒子は、アルブミンによるポストコートが無くても非特異反応を抑制できる。
2 スペーサー分子
3 リガンド
4 親水性鎖
5 ポリエチレングリコール
Claims (13)
- 前記カウンターイオンR+の有機アミンが、トリエチルアミンである請求項1または2に記載の凝集法用粒子。
- 請求項1から3のいずれか1項に記載の凝集法用粒子に、リガンドが固定しているリガンド感作粒子。
- 前記凝集法用粒子のカルボキシ基にリガンドが固定している請求項4に記載のリガンド感作粒子。
- 請求項4または5に記載のリガンド感作粒子にポリエチレングリコール、またはトリスヒドロキシメチルアミノメタンが結合しているリガンド感作粒子。
- 前記凝集法用粒子のカルボキシ基にポリエチレングリコール、またはトリスヒドロキシメチルアミノメタンが結合している請求項6に記載のリガンド感作粒子。
- 前記リガンドのリガンド固定化量が、前記凝集法用粒子1mgに対して、1μg~500μgである請求項4から7のいずれか1項に記載のリガンド感作粒子。
- 請求項1から8のいずれか1項に記載の凝集法用粒子またはリガンド感作粒子が水溶液に分散している粒子分散液。
- 前記粒子分散液に、さらに、界面活性剤を含むことを特徴とする請求項9に記載の粒子分散液。
- 請求項4から10のいずれか1項に記載のリガンド感作粒子あるいは粒子分散液を用いた凝集法による検体中の標的物質の検出方法。
- 請求項4から10のいずれか1項に記載のリガンド感作粒子あるいは粒子分散液を用いた凝集法による検体中の標的物質の検出に用いるための試薬。
- 請求項12に記載の試薬を少なくとも備えることを特徴とする凝集法による検体中の標的物質の検出に用いるためのキット。
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