JP4414880B2 - ペプチドまたはタンパク質の提示のための装置、その製造方法および使用 - Google Patents

ペプチドまたはタンパク質の提示のための装置、その製造方法および使用 Download PDF

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Description

本発明は、ポリペプチドの提示のための装置に関し、その製造方法、および特に該ポリペプチドに構造的または機能的に相補的な分子、特に抗体の小型化された検出のための診断手段(ポリペプチドチップ)としてのその使用に関する。
本発明の目的について、「ポリペプチドチップ」の用語は、文献において通常用いられている「ペプチドアレイ(peptide arrays)」、「ペプチドマイクロアレイ(peptide microarrays)」、「ペプチドチップ(peptide chips)」、「プロテインチップ(protein chips)」または「プロテインアレイ(protein arrays)」の英語の用語に相当する。
現在、種々の生物学的液体媒体中の抗体またはその特定の部分、抗原(特にウイルス性、細菌性もしくは寄生性抗原)、受容体、分子への結合に応答する配列(酵素、受容体、抗体)の検出、酵素の特異性の研究、あるいは人工受容体の開発を許容するポリペプチドチップの使用について、大きな熱望がある。
現在、この特定の関係において、高い質を有するポリペプチドチップを入手可能にすることが必要である。
これらのチップは特に、プローブの再現性のある固定を許容しなければならない。なぜなら、再現性のある固定は、それ自体が再現性のある検出の条件だからである。本発明の目的のために、プローブの語は、担体の表面に沈積され、かつ生物学的媒体中に存在する標的の捕捉に役立ついずれかのポリペプチドであって、検出される標的に特異的なプローブを意味するものと理解される。
また、これらのチップは、生物学的媒体中に含まれる標的または相補的受容体の感度の高い検出を許容しなければならない。検出の感度は、固定のレベル、捕捉のレベルおよびシグナルの検出方法に依存するが、さらに、そして特にバックグラウンドノイズ(非特異的シグナル)のレベルに依存する。バックグラウンドノイズの低減は、シグナル/ノイズ比を向上させる。実際、表面の近傍の生物学的種の存在を検出する装置において、バックグラウンドノイズは、本質的に、検出することが望まれる興味のある生物学的種以外の分子の非特異的吸着から生じ、したがってこれは制限されるべきである。よって、非常に低いバックグラウンドノイズおよび高いシグナル検出強度をもつ装置を得ることが理想であろう。
さらに、工業的な観点から、単純な様式で製造することができ、かつ使用前の貯蔵の間の優れた安定性を有する装置を得ることができると有利である。
現在、エクスサイチューで調製されたポリペプチドを用いてポリペプチドチップを製造する2つの主要な方法がある。
第一の主要な方法は、ポリペプチドを共有様式でガラスまたは有機ポリマー表面のような固体表面に結合させることにある。よって、例えばG. MacBeathら、Science、2000、289、1760〜1763による文献には、ポリペプチドのアミン官能基とシラン化担体のアルデヒド官能基との間の反応で得られるイミン結合を介するポリペプチドの固定からなる製造方法が既に提案されている。この方法は、次いで、ポリペプチド−表面の結合を安定化するために、例えば水素化ホウ素ナトリウムを用いてインサイチューでイミン官能基を減少させる工程を必要とする。このアプローチの主な不都合は、ポリペプチドを担体の表面に結合させるための化学的工程を行う必要があることであり、これは特に用いるポリペプチドの分解を起こす場合がある。さらに、このような反応は、ポリペプチドチップの製造方法をかなり複雑にする。
第二の主要な方法は、共有結合を確立することなく、表面上への吸着によりポリペプチドを固定することにある。この方法は、ポリペプチドを官能基化する(functionalize)化学工程を含む必要がないので、工業的観点から、より単純であるとの利点があることは明らかである。よって、Falipou S.ら、Bioconjugate Chem.、1999、10、346〜353による文献は、抗体(グリコシル化タンパク質)の固定化を許容するようにSiO2ビーズまたはガラススライドを3-シアノプロピルジメチルクロロシランでシラン化する方法を記載しており、この場合、非共有結合はグリコシル化部分のヒドロキシ官能基を介して起こる。この方法は、やはり、グリコシル化タンパク質に限定されるという不都合を有する。
また、特に国際出願WO 00/63701号には、ポリリシンのようなカチオンポリマーで被覆されたガラス表面上に、静電結合により、ポリペプチドを固定化することが既に提案されている。しかしながら、ポリペプチドの固定化の前であっても、このようにして製造されたガラススライドの特性は時間の経過と共に変化する。また、このタイプの担体から製造された装置は、時間の経過と共に不安定である(装置のエージングの程度によるシグナルの変動)。最後に、これらの表面は高いバックグラウンドノイズレベルに導く(Haab BB.ら、Genome Biology、2001、research 0004.1〜13)。
よって、本発明者らは、上記の従来技術の装置が遭遇する全ての問題点を克服し、時間が経過しても安定であり(加速条件下で少なくとも3ヶ月のエージング、これは室温で12ヶ月のエージングに相当する)、製造および使用が容易であり、それらを官能基化する工程の必要なしにいずれのタイプのポリペプチドにも用いることができ、かつ非常に低いバックグラウンドノイズで感度が高く、再現性のあるシグナル検出を許容するポリペプチドの提示のための装置を提供する目的を彼ら自身に設定している。
よって、本発明の第一の主題は、ポリペプチドを吸着してなる、セミカルバジド基で官能基化されている少なくとも1つの固体担体を含むことを特徴とする、ポリペプチドの提示のための装置である。
セミカルバジド基を含む表面は、通常、セミカルバゾン型共有結合を形成することにより、ベンズアルデヒド基で官能基化された核酸(Podyminogin MAら、Nucleic Acid Research、2001、29、5090〜5098)、またはα-オキソアルデヒド官能基で修飾されたポリペプチド(国際出願WO 01/42495号)のような生体分子を固定化するのに用いられるが、驚くべきことに本発明者らは、これらの表面の使用が、それらを予め官能基化する必要なしに、時間が経過しても耐久力があり安定な様式で、単なる吸着によりポリペプチドを固定するのを可能にすることを観察した。
したがって、このような担体へのポリペプチドの単なる吸着は、時間が経過しても安定であり(室温で少なくとも12ヶ月)、製造および使用が単純であり、方法論によると(ポリペプチドを可溶化するのに通常用いられる緩衝液は別として、化学薬品を添加することなく)いずれのタイプのポリペプチドにも用いることができ、かつ非常に低いバックグラウンドノイズで感度が高く、再現性のあるシグナル検出を許容する装置を得ることを可能にする。
本発明の目的のために、「ポリペプチド」の一般用語は、少なくとも2つのアミノ酸(LまたはD系、α-アミノ酸、β-アミノ酸、α-ヒドラジノ酸、タンパク質に由来する(proteinogenic)かまたはそうでないα-アミノ酸)を含む全てのペプチド、ペプチド擬態物(peptidomimetics)(二次構造の擬態物、例えばβ-エルボの擬態物)、タンパク質およびタンパク質フラグメントをいう。
本発明による装置の表面に吸着されるポリペプチドは、その構造には制約されない抽出物からのポリペプチドまたは組換えポリペプチド(翻訳後修飾されているかまたはされていないポリペプチド)であることができる。これらは、例えばポリエチレングリコール基、または例えばセミカルバゾンおよびヒドラゾン基のように表面のセミカルバジド基に対して不活性である化学基のような種々の修飾をもつ合成ポリペプチドであることもできる。
セミカルバジド担体へのポリペプチドの沈積は、担体上へのそれらの同時の吸着を伴う。
セミカルバジド基で官能基化され得るいずれの固体担体も、本発明に従って用いることができる。このような担体のうち、特に、例えばガラス、シリコンおよびその誘導体、ならびに合成ポリマーから選択される有機または無機の材料を挙げることができる。
セミカルバジド基で官能基化された担体は、例えばピン「スポッター」でインプリントされ得る。
よって、固定化ストラテジーは、
−実験的レベルで単純であり、かつ高度に再現性があり;
−官能基化されていないか、または担体のセミカルバジド基に対して化学的に不活性な基で官能基化されているいずれのタイプのポリペプチドにも用いられ;
−安定な、加水分解されない官能基で官能基化された表面を用い;
−担体の表面においてポリペプチドの高密度での吸着を達成することを可能にして、非常に高いシグナル/バックグラウンドノイズ比を確実にする(典型的には、バックグラウンドノイズは検出されるシグナルの0.1%を示す)。
担体上へのポリペプチドの吸着の質(密度、均質性)は、蛍光合成ペプチドプローブに結合するその能力により調節できる。
本発明の主題は、次の工程:
−セミカルバジド基での固体担体の官能基化、ならびに
−スポットの形態でのポリペプチドサンプルの沈積、および官能基化された担体上へのそれらの吸着
を含む、上記のようなポリペプチドの提示のための装置を製造する方法でもある。
本方法の第一の変形によると、担体の官能基化は:
−担体のシラン化反応によるアミン官能基の導入、
−アミン官能基のイソシアネート官能基への変換、
−セミカルバジド基を形成するための、イソシアネート官能基のヒドラジン誘導体との反応
を含む。
本方法の第二の変形によると、担体の官能基化は、担体をセミカルバジド基を有するシランと反応させることによる単一工程で行われる。
ポリペプチドの沈積の工程は、好ましくは:
−10 mg/mlと0.01 mg/mlとの間の濃度での、緩衝液中のポリペプチド溶液の調製;
−それらの採取に適した、マイクロタイタープレートウェルタイプの容器へのそれらの分配;
−例えば「スポッター」タイプの手動または自動のサンプル採取装置を用いるそれらの採取;
−セミカルバジド担体上へのそれらの沈積;ならびに任意の
−担体の飽和(saturation)
を含む。
それらの製造の最後に、本発明による装置は、そのまま用いることができるか、または光および塵から保護されて室温で貯蔵できる。
本発明の主題は、小型化され、かつ高度に並列の(parallel)診断手段としての、または輸注もしくは臓器提供の間の危険の検出のための「ポリペプチドチップ」としてのポリペプチドの提示のための装置の使用でもある。
本発明による装置は、血清型決定またはエピトープのスクリーニングのための「ポリペプチドチップ」として用いることもできる。
これらの使用は、標識化、蛍光、放射活性または化学標識された試薬を用いることによる抗原−抗体型応答の検出を含む。
本発明による装置は、複合生物学的媒体中のタンパク質の定量のためのポリペプチドチップとして用いることもできる。
最後に、本発明による装置は、リガンド−受容体型のペプチド生体分子の間の関係を分析するために用いることもできる。
上記の特徴に加えて、本発明は、次に続く記載から明らかになるその他の特徴も含むが、この記載は、セミカルバジド基で官能基化されたガラススライドの製造の実施例、ガラススライドのセミカルバジド上へのポリペプチドの吸着およびそのようにして得られる類似の装置の使用のため、B型肝炎、C型肝炎およびAIDSの血清診断のための本発明の装置の使用のため、これらの装置の安定性の研究のため、多血清検出(multiserodetection)の研究のため、およびB型肝炎表面抗原の検出のためのプロトコルを詳述する実施例、ならびに添付の図1〜5に言及する。これらの図において:
−図1および2は、AIDSウイルス抗体をその上に吸着させたセミカルバジドスライドの0、1または3ヵ月のエージング後の抗原濃度の関数として測定された蛍光シグナルを表し;
−図3および4は、AIDSウイルス抗原を結合させたアミノ化されたスライドについて、濃度の関数として、加速エージングの0または1ヵ月後に測定した蛍光シグナルを表し;
−図5は、B型肝炎表面抗原の血清型検出の試験における組換えHBs抗原の量の関数として測定された蛍光を表す。
実施例1:セミカルバジド基でのガラススライドの官能基化
この官能基化は、2つの変形にしたがって行った。
1)第一の変形
a)工程A:洗浄、ストリッピングおよびシラン化
丸いエッジおよび光沢のない縁を有する、予め洗浄した市販の顕微鏡スライド(Esco)を、過酸化水素および硫酸(50/50、v/v)の混液からなる溶液に一晩浸漬する。予備的に、3分間のリンスを脱イオン水(3回)、次いでメタノール(1回)で行い、その後、スライドを95%メタノール中の3%アミノプロピルトリメトキシシランを含む浴に超音波の下で30分間浸漬する。次いで、スライドをメタノール(1回)、脱イオン水(2回)および最後にメタノール(1回)の3分の浴で連続的にリンスする。次いで、スライドを数分間水切りし、110℃の乾燥機で15分間乾燥させ、そして真空下のデシケータで貯蔵する。
b)工程B:イソシアネートの形成
予めシラン化したスライドを、トリホスゲン(100 mmol/l)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA) (800 mmol/l)を含む1,2-ジクロロエタンの溶液中に2時間浸漬する。
c)工程C:セミカルバジド基での官能基化
上記の工程b)で得られたスライドを、次いで迅速に水切りし、その後、Zhangら、Anal. Biochem.、1991、195、160〜170に従って予め調製された、ジメチルホルムアミド(DMF)中に22 mmol/lで9-フルオレニルメトキシカルボニル-NH-NH2 (Fmoc-NH-NH2)を含む溶液中に直接浸漬し、そして2時間超音波で処理する。次いで、スライドをDMF中の3分間の2つの浴で連続的にリンスする。
d)工程D:脱保護
上記の工程c)で予め得られたスライドを、ピペリジン(0.2容量%)および1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-ウンデセ-7-エン(DBU) (2容量%)を含むDMFの溶液に30分間浸漬する。次いでスライドをDMF (1回)、脱イオン水(2回)そして最後にメタノール(1回)中の3分間の浴で連続的にリンスし、その後、真空下のデシケータ内で乾燥させて貯蔵する。
2)第二の変形
試薬を予め調製することにより、セミカルバジド基でのシラン化および官能基化の工程を単一反応にまとめる。
a)工程A:保護されたセミカルバジド基(Fmoc-NH-NH-CO-NH-(CH 2 ) 3 -Si-(OEt) 3 )を含むシラン化試薬の調製
Fmoc-NH-NH2 515 mg (2.03 mmol)を、無水エタノール15 mlに懸濁する。混合物を還流温度(75〜80℃)に加熱する。次いで、イソシアノプロピルトリエトキシシラン 570 ml (2.28 mmol、1.2等量)を一度に添加する。懸濁が消えた後(15〜20分)、エタノールを留去する。得られる白色固体を乾燥ジクロロメタンの最小量に溶解し、次いで乾燥ペンタンを用いて沈殿させる。アルゴン下でのろ過後、純粋な固体841 mg (83%)を回収する。
b)工程B:スライドの製造
丸いエッジおよび光沢のない縁を有する、予め洗浄した市販の顕微鏡スライド(Esco)を、過酸化水素および硫酸(50/50、v/v)の混液からなる溶液に一晩浸漬する。次いで、スライドを攪拌しながら次の連続する浴:脱イオン水(3分間3回)、無水エタノール(3分間1回)でリンスし、その後スライドベーンロータリー真空ポンプを用いて乾燥する。
次いで、スライドを、トルエン中10%のテトラヒドロフラン(THF)の混液に上記の工程a)で調製したシラン化試薬1 mg/mlを含む溶液中に、47℃で超音波の下、2時間浸漬する。
次いでスライドを、攪拌しながらトルエン(3分間2回)中でリンスし、その後水分を切り、次いで120℃の乾燥機中で15分間乾燥し、そして真空下のデシケータ中で貯蔵する。
c)工程C:脱保護
上記の工程b)で得られたスライドを、DMFの溶液中に3分間浸漬した後、DMF中にピペリジン(0.2容量%)およびジアザビシクロウンデセン (2容量%)を含む浴に攪拌下に30分間、攪拌しながら入れる。次いで、スライドをDMF (1回)、脱イオン水(2回)そして最後にメタノール(1回)中の3分間の浴で連続的にリンスし、その後、真空下のデシケータ内で乾燥させて貯蔵する。
このようにして調製したスライドは、ポリペプチドを吸着するために用いる準備ができている。
実施例2:セミカルバジドスライドを用いるプロトコル
1) スライド上へのポリペプチドの吸着
合成ポリペプチドの溶液または組換えタンパク質(抗原)の溶液を、用いるタンパク質に応じて0.1〜10 mg/mlの間に、リン酸緩衝液(pH 7.4)または炭酸/重炭酸緩衝液(pH 9.2)中に希釈し、次いで96ウェルELISAプレートのウェル中に分配する。ウェル当たりサンプル20μlの最小限の容量が、スライドのインプリントの工程を行うのに必要である。
次いで、プレートを、(例えばアフィメトリクス(Affymetrix)社からのMWG 417 Arrayerタイプの)4−ピン自動化スポッター内に導入する。抗原溶液の沈積を行うことを可能にする装置は、スポッターと呼ばれる。
次いで、スライドを、予め設定されたスキームに従ってポリペプチドの溶液でインプリントする。次いで、ピンを、製造業者の推奨に従ってよく洗浄する。
2) スライドの貯蔵
このようにインプリントされたスライドを、光および塵から守られた閉鎖された戸棚に室温で保存する。スライドの安定性を調べた(以下の実施例6を参照)。結果は、このようにインプリントされたスライドが、湿性の雰囲気で、37℃で3ヶ月の貯蔵(加速エージング条件)の間に損傷されないことを示す。
3) スライドの視覚化
インプリントされたスライドを、まず、飽和溶液(1.8% NaClを補ったリン酸緩衝液pH7.4 (PBS溶液) + ツイーン(Tween;登録商標) 20 + 5%スキムミルク)中での1時間の超音波工程に付す。
次いで、スライドを0.05%ツイーン(登録商標) 20の存在下でのPBS溶液を用いる3回連続の洗浄に付す。
次いで、スライドを、希釈緩衝液(PBS溶液 + 0.1%ツイーン(登録商標) 20 + 5%スキムミルク)中で1/50に希釈した患者からの血清100μlの存在下に、カバーガラス(24×60 mm)の下で、37℃で45分間インキュベートする。インキュベーションは、湿性雰囲気で行う。
このインキュベーションに続いて、0.05%ツイーン(登録商標) 20を補ったPBS溶液を用いて、スライドの3回連続の洗浄を行う。
スライド上に吸着されたポリペプチド上での患者の抗体の検出工程は、そこに蛍光抗ヒトIg抗体(希釈緩衝液(PBS溶液 + 0.1%ツイーン(登録商標) 20 + 5%スキムミルク)中で1/100に希釈した、ローダミン標識された抗体の抗-ヒトIgG-A-M溶液(TRITC) (Jackson ImmunoResearch Laboratories、Baltimore、USA)) 100μlを結合させることにより行う。
次いで、各スライドを、カバーガラス(24×60 mm)で覆い、湿性雰囲気下で、37℃で45分間放置してインキュベートする。
このインキュベーションに続いて、0.05%ツイーン(登録商標) 20を補ったPBS溶液を用いて、スライドの3回連続の洗浄を行う。これらの洗浄に続いて、スライドを蒸留水でリンスし、そしてスライドをエタノールで乾燥させる。
次いで、2つの異なる動力設定(P35/PMT 50またはP55/PMT 70)でスライドスキャナ(アフィメトリクス 418 Array Scanner)を用いて、放射された蛍光を測定することによりスライドの読み取りを行う。次いで、放射された蛍光の定量を、Scanalyse (登録商標)ソフトウェア(Stanford-University Software)を用いて行う。そうでないと記載しない限り、表に示す結果は、動力P35/PMT 50で得られた。
以下の全ての実施例は、このプロトコルに従って行われた。
実施例3:B型肝炎の血清診断のための、本発明によるポリペプチドチップの使用
1) 材料および方法
全ての沈積は、上記の実施例1で説明したようにして、MWG 417 Arrayer Spotter (アフィメトリクス)を用いて、スライド上で重複して行った。沈積間の距離は375μmであり、ピンの洗浄効率の対照標準は、蛍光により抗原の痕跡を示さない水の沈積により行う。
本実施例では、種々のB型肝炎ウイルス抗原を用いてガラススライドをインプリントした。表面(HBs)、コア(HBc)または(HBe)の用語は、このウイルスの種々の領域に対応する。1つの濃度について、抗原当たり20の沈積を行った。
−HBs抗原、2つのバッチを用いた:
.HBsバッチa:Advanced Immuno Chemical社によりA1-HS7の参照の下で市販されている抗原、3 mg/ml。
.HBsバッチb*:5 mg/ml
−Hbe抗原*:10 mg/ml
−HBc抗原*:10 mg/ml
−ポジティブコントロール*:プロテインA
* HBV抗原(HBsバッチb、HBe、HBc)およびHCV抗原は、"The Hepatopathy Research Institute"、Pediatric Hospital of Beijing (Beijing、China)により作製された。
その血清学が既知(つまり、参照ELISA試験で確認されている)の患者からの血清を、本発明によるチップを用いて分析した。
血清の標本は、次のとおりであった:
−バッチaのHBs Agの血清診断:40の血清が陽性を示し、40の血清が陰性を示した;
−バッチbのHBs Agの血清診断:40の血清が陽性を示し、40の血清が陰性を示した;
−Hbeの血清診断:16の血清が陽性を示し、16の血清が陰性を示した;
−Hbcの血清診断:60の血清が陽性を示し、40の血清が陰性を示した;
2)結果
陽性の血液について得られた結果を以下の表1に示す。この表において与えられる値は、スライドについての平均バックグラウンドノイズを減じた蛍光値に相当する。
Figure 0004414880
Figure 0004414880
閾値(VS)は、20の陰性の血清の平均値からバックグラウンドノイズを減じて、これにこれらの陰性の血清の値について算出された標準偏差の3倍を加えて算出される。
陰性を示した全ての血清は、閾値よりも少ない蛍光値を示し、したがって実際に本発明によるスライドを用いて陰性であると見出された。
これらの全ての結果は、本発明によるポリペプチドチップの使用が、種々の血清について試験した全てのB型肝炎抗原に対して100%感度よく、かつ特異的である血清診断を許容することを示す。実際に、陽性であると記録された全ての血清が検出されたが、陰性であると記録された血清が、本方法により偽陽性であると見出されることはなかった。
実施例4:C型肝炎の血清診断のための、本発明によるポリペプチドチップの使用
1) 材料および方法
上記の実施例3に記載された方法にしたがって、種々の濃度で、種々のC型肝炎ウイルス抗原を用いてガラススライドをインプリントした。NS3、NS4またはコアの用語は、C型肝炎ウイルスの種々の領域に対応する。本実施例において、ポジティブコントロールとしてプロテインAを用いた。
−全抗原に相当するHCVバッチ1:0.5 mg/ml、0.1 mg/mlおよび0.05 mg/mlでの沈積;
−全抗原に相当するHCVバッチ2:2 mg/ml、1 mg/mlおよび0.5 mg/mlでの沈積;
−HCVコアAg:1 mg/ml、0.5 mg/mlおよび0.1 mg/mlでの沈積;
−HCV NS3 Agバッチ3:1 mg/ml、0.5 mg/mlおよび0.1 mg/mlでの沈積;
−HCV NS4 Agバッチ5:0.4 mg/mlおよび0.1 mg/mlでの沈積。
従来の3.0アボットEIA試験(ELISAタイプの方法)により陽性を示した100の血清、および同じ方法で陰性を示した30の血清を、本実施例において試験した。
2) 結果
結果は、各抗原について用いる最適濃度を決定することを可能にした:
−HCVバッチ2:2 mg/ml
−HCV NS3 Agバッチ3:0.5 mg/ml
−HCV NS4 Agバッチ5:0.4 mg/ml
−HCVコアAg:1 mg/ml
得られた結果を表2に示す。この表において、与えられた値は、スライドについての平均バックグラウンドノイズを減じた蛍光値に相当する。
Figure 0004414880
陽性を示した全ての血清は、本発明によるスライドを用いて陽性であると見出された。
同じ方法において、陰性を示した全ての血清は、本発明によるスライドを用いて陰性であると見出された。
この結果は、低動力設定(P35、PMT50)で得られた蛍光シグナルが高く、より高いスキャナ動力設定(L55、PMT 70)での第二の読み取りを必要としないことを示す。
陰性のものについて低い蛍光値が観察されたHCVバッチ1およびバッチ2について、閾値は、20の血清の平均からバックグラウンドノイズを減じ、陰性の血清についてのこれらの値の標準偏差の3倍を加えて算出される。試験した他の抗体について、バックグラウンドノイズより大きい蛍光は陰性の血清について観察されなかった;したがって、閾値は、負数からバックグラウンドノイズを減じた値、すなわち0に相当する。
したがって、HCVコア、NS4およびNS3について、蛍光シグナルが観察される場合、血清が陽性であることを意味する。これは、陰性の血清では常に非特異的シグナルが観察され、この非特異的シグナルに応じて閾値を定義することが要求されるELISA法による従来の方法で行われる血清診断に比べて、大きな長所を示す。
さらに、これらの結果から、バッチ2が特に興味深いものであることが明らかである:これは、アボットELISAにより弱く(10未満)、RIBA (組換えイムノブロットアッセイ:ニトロセルロースメンブレン上で行われ、ウイルス感染の後にどのC型肝炎ウイルス抗原に対して抗体が産生されたかを知ることを可能にする組換えイムノブロット試験)が陽性または境界(0.5+)のいずれかである血清を明白に検出することを可能にすることにより、血清診断の感度を向上させる。よって、セミカルバジド担体上に吸着されたバッチ2の抗原の使用は、どれだけ早く検出が行われるかという点で特に有利なELISAに比較して、検出感度を向上させることが可能である。さらに、本発明によるポリペプチドバイオチップは、参照アボットELISAよりも特異的である。実際に、アボットで偽陽性である血清(血清2、9、17、18、25、26、29および32、RIBA陰性と確認された血清)が、本発明によるポリペプチドバイオチップを用いて正確に診断された(陰性)。
よって、NS3、NS4およびコア抗原がその上に吸着されたセミカルバジドガラススライドは、異なるC型肝炎抗原を区別することを可能にする、感度のよい、特異的な診断手段を構成するが、異なる抗原の組み合わせを用いるELISA法では、このような区別を得ることは可能ではない。
実施例5:AIDSの血清診断のための、本発明によるポリペプチドチップの使用
1) 材料および方法
本実施例では、各スライド上に、抗原あたり30の沈積を行った。
AIDSウイルス(HIV)の2つの異なる抗原を試験した:これらは、ウイルスのエンベロープ糖タンパク質であるGp41およびGp120抗原である。これらのHIV抗原は、Lily Bioproducts、Hanan、Chinaにより製造されている。
プロテインAをポジティブコントロールとして用いた。
試験した濃度は次である:
−Gp41:2;1;0.5;0.1および0.05 mg/ml。
−Gp120:0.5;0.25;0.1および0.05 mg/ml。
陽性を示す90の血清、および陰性を示す20の血清を試験した(ELISA法:BIORAD社からのGenscreen Plus (登録商標) HIV Abテスト、およびBEHRING社からのHIV積分試験。
2) 結果
得られた結果を、以下の表3に示す。この表において、与えられた値は、スライドについての平均バックグラウンドノイズを減じた蛍光値に相当する。
Figure 0004414880
Figure 0004414880
Figure 0004414880
これらの結果は、本発明による試験の使用は、試験した全ての濃度において、陽性および陰性の血清の感度のよい、100%特異的な診断を許容することを示す。
Gp41抗原について最適濃度は1 mg/mlであり、Gp120について0.5 mg/mlである;しかしながら、後者について、シグナルの飽和のプラトーにはおそらく到達せず、これはより高い濃度が優れた結果に導き得ることを示唆する。
実施例6:実施例4および5で製造した装置の経時安定性の研究
本発明による装置の経時安定性を試験するために、上記の実施例5で製造したようなAIDSウイルス抗原の吸着によりインプリントされたセミカルバジドガラススライドを、1または3ヶ月の期間、37℃で湿性雰囲気においた。これらの条件は、加速エージング研究を行うことを可能にする。
本研究は、いくつかの濃度で、種々の抗原を用いて製造されたスライドに関する:
−2;1;0.5;0.1および0.05 mg/mlでのHIV Gp41;
−0.5;0.25;0.1および0.05 mg/mlでのHIV Gp120
得られた結果を、蛍光シグナルが抗原濃度に依存している添付の図1および2に示し、これらは、加速エージングの0ヶ月(細かい平行線模様のバー)、1ヶ月(チェック模様のバー)および3ヶ月(無地のバー)である。
これらの結果は、試験した濃度に関わらず、加速エージングの3ヵ月後のスライドの優れた安定性を示す。
比較実施例7:従来技術のアミノ化スライドの安定性の研究
例えばZammatteo N.ら、Anal. Biochem.、2000、280、143〜150による文献に記載されたようにして3−アミノプロピルトリメトキシシランでシラン化された顕微鏡のスライド、および上記の実施例1に記載のようにしてセミカルバジド基で官能基化したスライドを、種々の濃度(0.5;0.25;0.1;0.05および0.01 mg/ml)で2つのAIDSウイルス抗原(上記の実施例5で記載したようなGp120およびGp41)を用いてインプリントした。
このようにして製造したスライドを、陽性を示した20の血清とインキュベートした。このようにして製造したスライドを、上記の実施例6に記載のプロトコルにしたがって、経時安定性の研究に付した。
得られた結果を、蛍光値が試験した濃度の関数として示されている添付の図3および4に示す。
安定性の研究は、30日後に停止した(t = 0:無地のバー、そしてt = 30日:影をつけたバー)。
これらの結果は、従来技術のアミノ化スライドが、1ヶ月の貯蔵後は安定ではないことを示す;実際に、測定された蛍光の低下、またはその増加のいずれかを伴う非常に大きい変動が観察される。
一方、上記の実施例6で示されたように、本発明によるセミカルバジド基を含むスライドは、加速条件下の3ヶ月の貯蔵後に安定である。
実施例8:多血清検出研究のためのセミカルバジドスライドの利用
本実施例では、上記の実施例1のようにして製造したセミカルバジドスライドを、種々の病理(HIV、B型肝炎:HBVおよびC型肝炎:HCV)から得られた抗原でインプリントした。
従来のELISAタイプの試験によりこれら全ての病理について関係する90の血清を、本発明によるスライド(「バイオチップ」)上で試験した。
HIV試験のために用いた参照方法は、BIORAD社からのGenscreen Plus (登録商標) HIV Ab試験およびBEHRING社からのHIV Integral Ab試験である。これらの試験の確実性は、ウェスタンブロッティング試験により確認される。
B型肝炎の試験のために用いた参照方法は、BIORAD社からのHBs試験およびBIORAD社からのHBc試験である。
C型肝炎の試験のために用いた参照方法は、BIORAD社からのHCV試験およびABBOTT社からのHCV EIA 3.0試験である。確実性は、RIBA DECISCAN HCV PLUS (登録商標)試験により確認される。
本発明によるバイオチップでのC型肝炎試験のために、スライドをNS3 (0.5 mg/ml)の組換え抗原および全遺伝子(バッチ1:0.5 mg/ml)の組換え抗原でインプリントした。
本発明によるバイオチップでのB型肝炎の試験のために、上記の実施例3に記載のようにして、スライドを10 mg/mlの抗原HBc (コア)および5 mg/mlの抗原HBsバッチbでインプリントした。
本発明によるバイオチップでのAIDSウイルスと比較した血清反応陽性の試験のために、上記の実施例5に記載のようにして、スライドをGp120 (0.5 mg/ml)およびGp41 (2 mg/ml)抗原でインプリントした。
これらの使用の前に、上記に記載のようにして血清を1/50に希釈した。スライドを、まずこれらの血清と45分間インキュベートし、次いで相補的な蛍光抗体と45分間インキュベートした。
得られた結果を以下の表4に示す:
Figure 0004414880
結果は、試験した90のうち85の血清について完全な相関関係を示す;しかしながら、エントリー4および5に対応する5の血清について、2つの方法の間に差異が観察された。すなわち、これらの血清は参照ELISA法によりHCV陽性、および本発明による「バイオチップ」法では陰性であると見出された(エントリー番号4および番号5)。
この差異を確かめるために、RIBA試験(C型肝炎に対する血清の確実性を確認するのに役に立つ)を行い、陰性であると証明された。よって、これらの血清は、ウイルスに対する抗体を有さず、したがってこれらのウイルスと接触していないのでHCV陰性である。
これは、これらの血清が陰性であるとした「バイオチップ」の結果を確かにする;よって、これらの血清は、参照ELISA法では偽陽性である。
実施例9:複合生物学的媒体中のHBsタンパク質のアッセイのためのセミカルバジドスライドの使用
本実施例の目的は、本発明による装置の使用が、セミカルバジド基を有するガラススライド上にモノクローナル抗体(B型肝炎表面抗原に対する抗原)を結合させ得ることを示すことであり、次いで該スライドを、この表面抗原を有する血清と接触させる;視覚化は、ローダミンで標識され、かつB型肝炎表面抗原に対する別のモノクローナル抗体を用いて行われる。
いわゆる「サンドイッチ」技術は、血清中の血中抗原を検出するのを可能にする。この技術は、血清診断および生物学的分子のスクリーニング(活性または毒性の物質の探索)の両方において、これらの生物学的分子に対する既知のモノクローナル抗体の全ての組を接着させることにより、多くの使用の可能性がある。
1) 材料および方法
上記の実施例1にしたがってセミカルバジド基を用いて予め官能基化したガラススライドを、炭酸/重炭酸緩衝液(pH 9.2)中のモノクローナル抗体3 mg/ml (Advanced Immuno Chemical社からのマウス抗体クローンNE3)を含む溶液で、自動化スポッターを用いてインプリントする。
各沈積を3回行い、これは各スライドについてモノクローナル抗体溶液の合計27の沈積を作る。
組換えHBs抗原の既知の量(Advanced Immuno Chemical社、0.5 mg/ml)を、1/50に希釈した陰性血清200μlに添加する。次いで、これらの血清(100μl)を、予めモノクローナル抗体を結合させたガラススライドと接触させる。沈積をスライドグラスで覆う。次いで、ガラススライドを湿性雰囲気中で、37℃で2時間インキュベートする。
洗浄後、ローダミンで予め標識され、かつ希釈溶液(PBS-ツイーン(登録商標) 0.1%−セミスキムミルク5%)中に1/100で希釈されたマウス抗−B型肝炎表面抗原モノクローナル抗体(Advanced Immuno Chimical社により市販されているNF5クローン、1.5 mg/mlの濃度)の溶液100μlを用いて視覚化工程を行う。
湿性雰囲気下で37℃において、スライドとスライドグラスとの間で60分間インキュベーションを行う。
洗浄後、P70、PMT90の動力設定で、アフィメトリクス社からのスキャナ(アフィメトリクス 418 Array)によりスライドを読み取る。蛍光の定量化は、Scanalysis (登録商標)ソフトウェア(Standford-University Software)を用いて行う。
2) 結果
得られた結果を添付の図5に示すが、ここでは、蛍光が、添加された組換えHBs抗原の量(mg/μl)の関数として表されている。
これらの結果は、本発明による装置の使用が、血中抗原の検出を可能にすることを示す。これらはまた、ガラススライド上への抗体の吸着が、抗原−抗体認識について抗原の結合部位(抗体のFabセグメント)の接近しやすさを維持することを可能にすることを示す。
図1は、AIDSウイルス抗体をその上に吸着させたセミカルバジドスライドの0、1または3ヵ月のエージング後の抗原濃度の関数として測定された蛍光シグナルを表す。 図2は、AIDSウイルス抗体をその上に吸着させたセミカルバジドスライドの0、1または3ヵ月のエージング後の抗原濃度の関数として測定された蛍光シグナルを表す。 図3は、AIDSウイルス抗原を結合させたアミノ化されたスライドについて、濃度の関数として、加速エージングの0または1ヵ月後に測定した蛍光シグナルを表す。 図4は、AIDSウイルス抗原を結合させたアミノ化されたスライドについて、濃度の関数として、加速エージングの0または1ヵ月後に測定した蛍光シグナルを表す。 図5は、B型肝炎表面抗原の血清型検出の試験における組換えHBs抗原の量の関数として測定された蛍光を表す。

Claims (13)

  1. ポリペプチドを吸着してなる、セミカルバジド基で官能基化されている少なくとも1つの固体担体を含むことを特徴とする、ポリペプチドの提示のための装置。
  2. ポリペプチドが、少なくとも2つのアミノ酸を含むペプチド、ペプチド擬態物、タンパク質およびタンパク質フラグメントから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 固体担体が、ガラス、シリコンおよびその誘導体、ならびに合成ポリマーから選択される有機または無機材料であることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
  4. 次の工程:
    −セミカルバジド基での固体担体の官能基化、ならびに
    −スポットの形態でのポリペプチドサンプルの沈積、および官能基化された担体上へのそれらの吸着
    を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに定義されるポリペプチドの提示のための装置を製造する方法。
  5. 担体の官能基化が:
    −担体のシラン化反応によるアミン官能基の導入、
    −アミン官能基のイソシアネート官能基への変換、
    −セミカルバジド基を形成するための、イソシアネート官能基のヒドラジン誘導体との反応
    を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 担体の官能基化が、担体をセミカルバジド基を有するシランと反応させることによる単一工程で行われることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  7. ポリペプチドの沈積が:
    −10 mg/mlと0.01 mg/mlとの間の濃度での、緩衝液中のポリペプチド溶液の調製;
    −それらの採取に適した、マイクロタイタープレートウェルタイプの容器へのそれらの分配;
    −手動または自動のサンプル採取装置を用いるそれらの採取;
    −セミカルバジド担体上へのそれらの沈
    含むことを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 小型化され、かつ高度に並列の診断手段としてのポリペプチドチップとしての、請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリペプチドの提示のための装置の使用。
  9. 輸注または臓器提供の間の危険の検出のためのポリペプチドチップとしての、請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリペプチドの提示のための装置の使用。
  10. 血清型決定またはエピトープのスクリーニングのためのポリペプチドチップとしての、請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリペプチドの提示のための装置の使用。
  11. 標識化、蛍光、放射活性または化学標識された試薬の使用による抗原−抗体型応答の検出を含むことを特徴とする、請求項8〜10のいずれか1つに記載の使用。
  12. 複合生物学的媒体中のタンパク質の定量のためのポリペプチドチップとしての、請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリペプチドの提示のための装置の使用。
  13. リガンド−受容体型のペプチド生体分子の間の関係を分析するためのポリペプチドチップとしての、請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリペプチドの提示のための装置の使用。
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