JP5015418B2 - 原稿照明装置、画像読み取り装置、および画像形成装置 - Google Patents
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Description
同図において符号100は画像形成部、200は画像読み取り部をそれぞれ示す。その他の符号は説明中で直接引用する。
画像形成部100は、ドラム状の潜像担持体111を有し、その周囲に帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配備されている。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。更に、画像読み取り部等、外部からの原稿情報を受けてレーザビームLBにより光走査を行う光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「光書込による露光」を行うようになっている。
通常、画像読み取り装置に用いられる原稿照明装置は、原稿を照らすために、原稿幅とほぼ同じ長さが必要とされるため、原稿照明装置としてのLEDの使用方法としては、LED素子を多数個並べ、アレイ状にして用いる。
ただし、現状のLEDは上述したような優れた特性を有しているものの、画像読み取り装置の照明装置として用いるには、素子1個1個の絶対的な明るさが足りないため、低速読み取り機器や、コンパクト性重視の機器を中心に用いられており、高速読み取り機器や、大型機器には、主に冷陰極蛍光ランプが用いられている。
両図において符号101はLED、102はコンタクトガラス、103は被照明面をそれぞれ示す。
上記問題点を補うために、例えばLEDアレイを被照明面に接近させることで明るく照明しようとすると、図20、図21に示すようにLED1個1個の明るさムラが主走査方向に現れてしまう。反対にLEDアレイを遠ざけると、光は拡散し、明るく照明することができない。
また、図21の配列よりさらにLED素子の配列密度を高めたアレイ状にして、原稿幅とほぼ同じ長さに並べた場合、冷陰極蛍光ランプのような棒状光源の場合と同様に、主走査方向において中心から周辺に向かって照度落ちが発生する。これは、被照明面の中心部の照度に有効に寄与する光源部の長さ(LEDの個数)に比べて、被照明面の端の方の照度に有効に寄与する光源部の長さ(LEDの個数)が小さいために生ずるいわゆるシェーディング現象である。被照明面の中央部は主走査方向の両側から照明されるのに対し、被照明面の端部は主走査方向の一方からのみ照明されるという構成が主原因である。
さらに、図19に示すように縮小結像レンズ205を用いるので、周辺光量落ち特性、いわゆるコサイン4乗則と相俟って、ラインセンサー206上での周辺光量落ちはより顕著となる。
しかし、このような透明部材に回折格子を設けることは、コスト高になる。また、読取りレンズの周辺光量落ちについては考慮されていない。
周辺光量落ち改善案として、シェーディング補正板を用いる方法がある(例えば、特許文献2 参照。)が、部品増となる。
別の周辺光量落ち改善案として、アレイを傾斜させることで周辺光量落ちを改善する方法もある(例えば、特許文献3 参照。)が、明るい照明方法ではない上に、機構が大型化する。
前記光源ユニットの複数の発光素子の発光面は、前記導光部材の前記第1端面に対向して配置されており、該発光面から出射された光束は前記導光部材の前記第1端面に直接入射されるようになっており、前記被照明面の主走査方向の長さをWp、前記導光部材の主走査方向の長さをWg、前記光源ユニットの両端の発光素子の中心間の距離をWlとし、それぞれを中心合わせとするとき、
Wp<Wl<Wg
なる条件式を満足するとともに、前記被照明面の端部は、前記両端の発光素子にそれぞれ隣り合う発光素子の中心位置よりも外側に配置されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の原稿照明装置において、前記導光部材の主走査方向における両側面は、前記光源ユニットの端部の発光素子から該発光素子の配列ピッチの2分の1に略等しい距離に位置することを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の原稿照明装置において、前記導光部材は中空体であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、前記複数の発光素子は白色LEDであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、画像形成装置において、請求項6に記載の画像読み取り装置を用いたことを特徴とする。
両図において符号1はLED、2は導光部材、3はコンタクトガラス、4は被照明面をそれぞれ示す。
本発明における照明装置は、例えば、画像形成装置やデジタルラボの一部として形成される画像読み取り装置に用いるものである。画像読み取りは、図19で示したように、主走査方向の読み取りと、副走査方向の読み取りがある。このうち、副走査方向の読み取りは照明位置の移動によって行うか、方式によっては原稿自身の移動によって行う。したがって、照明装置としては主走査方向の長さ分を照明することができれば十分である。そのため、被照明領域としては、主走査方向に対応した長さ(以下単に長さという)と、画像読み取りに用いるラインセンサの画素幅、あるいは多色読み取りの場合ならそれに色別画素列のピッチを加えた幅、に対応した被照明面上の幅を持たせる。その幅はラインセンサの形状や、縮小光学系の縮小率などによって変化するので一義的に決まるわけではないが、実用的な範囲で言えば1mmないし3mm程度が一般的である。被照明面の長さは、用いる原稿の幅、例えば上限がA4サイズであれば210mm、A3サイズであれば297mm、あるいはサービス版の写真であれば90mmというように、所望の大きさに決めればよい。
主反射面2c、2dは原則として平行に配置するが、変型例としては非平行の形状に構成することもある。平行であっても、非平行であっても、2枚の主反射面の中央に対応する仮想平面に対し、LEDの最大輝度の方向を一致させる。その意味で上記仮想平面を光軸面と呼び、副走査断面に投影された光軸面の断面を、便宜上光軸と呼ぶ。光軸は被照明面の法線に対して所定の角度θ傾けて配置される。
導光部材2の入射面2aにおいて入射した光源ユニットからの光束は、主走査方向に関しては、両端面2e、2fに達する光束以外は導光部材の中を直進する。副走査方向に関しては、光線の角度によっては主反射面2c、2dで反射を繰り返しながら出射面2bから出射する。出射面2bからの光線の出射角度は、180°の範囲であらゆる方向に出射する。したがって、主走査方向に関しては、導光部材が無い場合とあまり変わらない程度に光束が広がる。しかし、副走査方向に関しては、あたかも光源が出射面2bの位置に移動したかのような光束の広がりとなり、被照明面に近づいた分だけ被照明面における照度の低下が避けられる。
同図において符号Wlは光源ユニットのLEDアレイ両端の発光素子中心間の距離(単に光源ユニットの長さと呼ぶ)、Wgは導光部材の主走査方向の長さ、Wpは被照明面の主走査方向長さをそれぞれ示す。
先に説明したように、通常の照明ではシェーディング現象により、被照明面の主走査方向両端部が照度低下する。それを補うためには、導光部材2の両側面2e、2fも反射面とすることにより、被照明面の端部もあたかも主走査方向両側から照明されているようになる。これは、反射面2e、2fによって、発光素子の虚像(虚光源とも呼ぶ)1’が光源ユニットの延長上に形成され、発光素子の個数が主走査方向に増加したのと同じ効果が得られるためである。したがって被照明面の中央部との条件の違いがかなり解消される。同図において反射面2e、2fは誇張して示してある。
被照明面と導光部材との間が密着であれば、光の損失がなく利用できるので問題はないところであるが、実際には密着させることができず、仮に導光部材の長さWgが被照明面の長さWpと等しい場合、同図(b)に示すように、LEDの虚光源1’から被照明面に到達する筈の光線のうち、側面2eの存在しない範囲(同図の光線La、Lb、Lc、Ldよりそれぞれ左側の被照明部)には、本来届くべき光束が届かなくなり、その分端部近傍において照度低下が生ずる。
nがいくつになるかは、LED1の等間隔の配列ピッチPによって変わる。簡単にするため、導光部材が中空体である(導光部材中で屈折がない)とする。光軸上において、LED1から被照明面までの距離をL0、導光部材出射面から被照明面までの距離をL1とし、WgとWpの片側の長さの差をxとすれば、図示しないが簡単な比例関係により、
x=(L1/L0)×n×Pと表せる。
nを求めるには、シミュレーションをして実際の寄与率から求めることができる。
後述のコサイン4乗則による端部光量の低下を補う意味からすれば、反射面2e、2fをLED配列ピッチの2分の1よりさらに端部LEDに近づけるのも一つの方法である。また、反射面の反射率が100%を保証できない場合にも同様の処置が効果がある。
同図において符号5は縮小結像レンズ、6はラインセンサーをそれぞれ示す。
同図(b)に示すように被照明面4(原稿面4と称す)が均一に照明できたとして、縮小結像レンズ5でラインセンサー上に結像したとき、中心部の照度に比べ、センサー上の任意の位置における照度は、たとえ開口効率が100%を保っていたとしても、その位置の光軸からの傾き角αの4乗に比例して低下する。
したがって、結像面の端部においては、縮小結像レンズ5の画角の片側分、すなわち半画角α0の4乗に比例した照度になる。この状態を示したのが同図(c)のグラフである。本計算例では半画角α0=20°として計算した。この例では中心部に対し、端部で約22%の照度落ちが認められる。実際には画角の変化によって開口効率の変化もあり得るので、周辺光量落ちは個々のレンズによって異なるものとなる。
その対処法の一つとして、本発明では、LEDの発光強度を配列位置によって異ならせることを考える。当然、端に近いLEDほど高い輝度にする。
先に半画角20°で開口効率100%の場合端部の照度低下が約22%になることを説明した。単純に考えると被照明面端部に対応するLEDの輝度を中心に対応するそれよりも22%分だけ高輝度にしておけば良さそうに思える。しかし、実際には隣接するLEDや、さらに遠く離れたLEDからの光束が重畳するため、照度は平均化される傾向があり、端部対応のLEDには、中心対応のLEDに対し、コサイン4乗則による照度低下の比率よりずっと大きい輝度比を与えなければならない。しかも、開口効率100%が満たされないレンズ系においてはその分をさらに上乗せしなければならない。
種々条件を設定してシミュレーションした結果、中央のLEDの輝度I0に対し、n≧1としてn番目のLEDの輝度をInとし、光源ユニット端部LEDをnmax番目とすると、
In≧In−1
Inmax<4×I0
の関係を同時に満たすように各LEDの輝度を定めるのが良いと分かった。
同図において符号Pは発光素子間隔を示す。
本発明は、LEDの間隔を位置によって変えることで、被照明面の照度を端に行くほど高い値になるよう設定する。
複数の発光素子の配置間隔は、最も中央部に近い発光素子間の間隔をP0とし、n≧1とし、最も端に近い発光素子までの任意の発光素子間の間隔をPnとしたとき、
Pn−1≧Pn
の関係を満たすように構成する。Pnの下限は特に規定しないが、LEDを高密度に実装する場合、隣接するLED素子間隔には、素子サイズや、発熱の問題や、回路構成の問題などのため自ずと限界が生ずる。本発明においては、場合によってはLED間隔を、その限界まで近づけることもあり得る。
上記のように、主走査方向の端に行くほど発光素子の配置密度を上げることにより、周辺の光量を中心部より大きくし、結果的に読み取り光学系を経た光量が均一になるようにできる。
初めに実施例2以下にも共通な仕様について示す。
LED
出力 1W/1個
配光特性 ランバート分布
発光面 0.5mm×0.5mmの一様発光
発光面と導光部材
との距離 0.1mm
コンタクトガラス
厚さ 3.2mm
材質 BK7(nd=1.517)
導光部材
材質 BK7(nd=1.517)
コンタクトガラス
に対する傾斜角 40°
出射面中心とコンタクト
ガラス下面との距離 7mm
LED
個数 11個
配列ピッチ 5mm
光源ユニット長さ Wl=50mm
原稿面
長さ Wp=41mm
幅(副走査方向) 31mm
導光部材
長さ Wg=65mm
厚さ 1mm
幅(光軸方向長さ) 8mm
主反射面 鏡面:反射率100%
側面 反射性なし(通常の透過面)
図7、図8は実施例1による照度分布を示す図である。図7は副走査方向、図8は主走査方向の照度分布をそれぞれ示す。
照度分布の計算は、各発光素子から配光分布の重み付けをして100万本の光線を出し、原稿面41mm×31mmの領域を各方向1mmずつのメッシュに分割し、各メッシュに入る光線本数をそのメッシュにおける照度とした。
副走査方向の位置は原稿面の中心を通る断面でプロットし、主走査方向は、副走査方向のグラフがピーク値を示す位置を通る断面を採用した。以下の各実施例でも同様であるので、以後は副走査断面における照度分布の図は省略する。
本実施例は側面が非反射面であるため、端部において照度落ちが見られる。照度低下の程度は、中心部に対しておよそ15%であった。モノクロ用であれば30%程度は照度ムラが許せるので、本実施例をモノクロ用として用いる場合は何ら問題ない。この例の場合、両端それぞれ2mmほど利用しないようにすればカラー画像用としても使える。主走査方向全部の長さを使えるようにするためにはさらに外側にLEDを1個ずつ追加して、導光部材をそれに対応して長くすればよい。
LED
個数 13個
配列ピッチ 5mm
光源ユニット長さ Wl=60mm
原稿面
長さ Wp=41mm
幅 31mm
導光部材
長さ Wg=80mm
厚さ 1mm
光軸方向長さ 8mm
主反射面 鏡面:反射率100%
側面 反射性なし(通常の透過面)
本実施例は、実施例1に対してLEDを両端に各1個追加し、導光部材の長さも長くしたものである。この構成によって、図8に見られた端部照度落ちの領域が、有効主走査長さWpの外側に出たため、所定の原稿面上ではほとんど照度落ちのない照度分布が得られた。
ただし、このような方法で平坦な照度分布を得ようとすると、必然的に、LEDの個数が増え、かつ装置が大型になってしまう。さらに別な考え方をする必要がある。
LED
個数 11個
配列ピッチ 5mm
光源ユニット長さ Wl=50mm
原稿面
長さ Wp=41mm
幅(副走査方向) 31mm
導光部材
長さ Wg=65mm
厚さ 1mm
幅(光軸方向長さ) 8mm
主反射面 鏡面:反射率100%
側面 鏡面:反射率100%
本実施例は、実施例1の導光部材側面を反射面に変えたものである。しかしながら、実施例1による主走査方向照度分布と比べてほとんど改善されていないように見える。
これは導光部材の長さWgが、光源ユニットの長さWlより15mm長く形成されていることに原因がある。導光部材と光源ユニットは中心振り分けの対称配置で用いているので、この長さの差は、片側7.5mmの差になっている。LEDの配列ピッチが5mmであるから、端部LEDからの側面反射面の配置すべき距離として先に示した、LEDの配列ピッチの2分の1に比べ3倍になっている。そのため、側面反射面が有効に働いていないと考えられる。
したがって、本実施例は実施例1と同様、モノクロ用としては使えるが、カラー用としては利用できない。
LED
個数 11個
配列ピッチ 5mm
光源ユニット長さ Wl=50mm
原稿面
長さ Wp=41mm
幅(副走査方向) 31mm
導光部材
長さ Wg=55mm
厚さ 1mm
幅(光軸方向長さ) 8mm
主反射面 鏡面:反射率100%
側面 鏡面:反射率100%
本実施例は実施例3における導光部材の長さWgを10mm短くし、光源ユニットの長さWlより5mm長いだけにした。したがって、導光部材の側面反射面2e、2fは、端部LEDから2.5mmの距離に位置することになり、LED配列ピッチ(本実施例では5mm)の2分の1に等しくなっている。結果は図11にて明らかなように、主走査方向全体にわたってほぼ平坦(照度ムラ5%程度)な照度分布が得られた。
LED
個数 23個
配列ピッチ 5mm
光源ユニット長さ Wl=110mm
原稿面
長さ Wp=101mm
幅(副走査方向) 31mm
導光部材
長さ Wg=115mm
厚さ 1mm
幅(光軸方向長さ) 8mm
主反射面 鏡面:反射率100%
側面 鏡面:反射率100%
本実施例は実施例1に比べて原稿面の大きさが異なったいるが、照度分布の計算は実施例1に準じて行った。原稿面の主走査方向長さが大きくなった分、LEDの個数を増やして対応した。
本実施例も導光部材の側面反射面は、端部LEDから2.5mmの距離に置かれており、LEDの配列ピッチ5mmの2分の1に等しくしてある。
LED
個数 11個
配列ピッチ 5mm
光源ユニット長さ Wl=50mm
原稿面
長さ Wp=41mm
幅(副走査方向) 31mm
導光部材
長さ Wg=55mm
厚さ 1mm
幅(光軸方向長さ) 8mm
主反射面 反射性なし(通常の透過面)
側面 反射性なし(通常の透過面)
本実施例は実施例4において導光部材の反射面をすべて通常の透過面にした場合に相当する。
結果は図11に示す照度分布とあまり変わらない照度分布が得られた。このことから考えて、原稿面に到達する光束のほとんどが、導光部材媒質内の全反射によって導かれていると思われる。この点について詳しく考察する。
いま、LEDから導光部材の入射面に入る光線の、光軸に対する最大角度は、nd=1.517とすると、臨界角の計算により、約41.2°となる。この光線が主反射面に対する最小入射角の光線となるが、その入射角は上記角度の余角であるから、約48.8°となる。この角度は主反射面に対して臨界角を超えているので、この光線は全反射する。
このように、最小限界の光線であっても主反射面にとって全反射光になるので、その他のすべての光線はそれより大きい入射角となるため、すべて全反射を繰り返して出射面から出ていくことになる。このことは、側面に関しても同様である。したがって、実施例1で端部光量落ちが見られたのは、側面を鏡面にしなかったからではなく、単に端部LEDからの距離が遠かったためであると考えられる。
先の計算と同様にすると、臨界角をβとしたとき、主反射面にはβの余角で入射するが、この角度も臨界角になる条件として計算すればよい。すなわち、
90°−β=β
の関係からβ=45°が得られる。これを媒質の屈折率nに置き換えると、
n=1/sin45°=1/(1/(√2))=(√2)≒1.414
となる。この屈折率に近い屈折率、あるいはこれより小さい屈折率を有する媒質は、透明樹脂の中に若干存在する。媒質の屈折率は、光線の波長によって異なるため、通常、一般的に屈折率を表すときは、d線に対する屈折率としてndと表現している。本発明の場合、白色光のすべてが全反射しないで、部分的な波長域だけ全反射せずに外部に漏洩したりすると、被照明面に色が付いてしまい好ましくない。したがって、上記屈折率nは可視光のうち最も屈折率が低くなる長波長側(例えば700nm)における屈折率としてとらえるのが望ましい。
導光部材の媒質として、長波長側でn=1.414より大きい値を有するものを選べば、主反射面、および側面を鏡面にすることなく、透明部材をそのまま用いることができる。
同図は実施例4において得られた原稿面照度を、理想的な縮小結像レンズでラインセンサー上に結像したときの結像面における照度分布を示している。結像レンズの半画角は20°とした。
このように、原稿面が平坦な照度分布を持っていても、ラインセンサー端部では約22%の照度落ちが発生する。
LED
個数 11個
配列ピッチ 5mm
各LEDの出力 表1による
この実施例ではnmax=5であり、Inmax=1.6×I0<4×I0となっている。
本実施例はLEDの光出力を中心から端に向かって徐々に強くすることで、コサイン4乗則による周辺光量特性を打ち消そうとするものである。
同図(a)に示すように、原稿面端部における照度分布は中心部に比べ約20%高くなっている。
同図(b)に示すように、ラインセンサー上における照度分布は、図14に示した照度分布に比べて大幅に改善されている。まだ若干周辺光量落ちが見られるが、その誤差はおよそ7%程度であり、カラー画像用として十分使用し得る。
この図は、図14と同様、実施例4における原稿面照度を、結像レンズでラインセンサー上に結像させた場合の照度分布を示している。ただし、結像レンズの半画角を20°よりもさらに広く、32°と仮定した。この場合には端部光量低下は、中心部に対して48%を超える。このようなレンズに対して結像面で平坦な照度分布を得るためには、端部LEDの出力をさらに上げなければならない。
LED
個数 11個
配列ピッチ 5mm
各LEDの出力 表2による
この実施例でもnmax=5であり、Inmax=3.8×I0<4×I0となっている。
本実施例は、半画角32°のレンズを用いることで、コサイン4乗則による周辺光量落ちが著しいため、端部LEDの出力を極端に大きくしている。
同図(a)に示すように、原稿面端部における照度は中心部のそれに対し、約80%高くしてある。その結果、同図(b)に示すように、結像面の端部における照度落ちは約7%に収まっている。
なお、これ以上半画角を大きくすることは実用的でないと考えられるため、端部LEDの出力も、設定誤差等を考慮しても、上記式の限界以内に設定すれば十分である。
LED
個数 11個
配列 表3による
本実施例は、隣り合うLEDの間隔を、光源ユニットの端に行くほど狭めることで、中心に比較して周辺の発光量を増やし、図14に示す周辺光量低下を打ち消そうとするものである。なお、表3は中心から片側のみを示してある。
この表においては、n≧1のとき
Pn<Pn−1
P4=0.4×P0
となっている。
同図(a)に示すように、本実施例では原稿面端部の照度が、中心部のそれに対し25%ほど高くなっている。その結果、同図(b)に示すように、本実施例によれば、ラインセンサー上における照度分布はほとんど平坦になっている。
P4=0.2×P0
となる。
本実施例において、 Pn<Pn−1として隣接の間隔は等しくしないものとしたが、主走査方向の光源ユニット長さが長い場合は、複数の間隔を等しくして段階的に間隔を縮めていく構成にすることもできるので、上記式は単なる不等号ではなく、等号を含む不等号に表すことができる。すなわち、
Pn≦Pn−1
となる。
本発明においては、光源は発光ダイオード(LED)が最も適している。中でも、あらゆる原稿の読み取りに対応できるようにするため、白色LEDを用いるのがよい。
白色LEDには幾つかのタイプがある。その1つは蛍光体を用いた1チップ型白色LEDである。チップと称する発光部が、YAG蛍光体を混入した透明な封入部材に封じられている。チップはInGaNからなる青色発光を行う。それによって、チップが青色発光したとき、同時に蛍光体が励起されて黄色の蛍光を発光する。青色と黄色は互いに補色関係にあるため、両者が一緒に外部へ出ると白色光として認識される。
他のタイプとして、蛍光体を使わず、それぞれの発光する色が異なる2つ以上のチップを用い、混色により白色発光させる白色発光ダイオードがある。複数のチップは同一面に配置され、全部の発光色が混合されると白色として認識される組み合わせになっている。
たとえば、2個のチップの場合、前記と同様それぞれ青色と黄色の発光をするチップを用いる。3個のチップの場合であれば、いわゆる3原色に相当するそれぞれ赤、緑、青を発光するチップを用いる。
2 導光部材
3 コンタクトガラス
4 被照明面
5 縮小結像レンズ
6 ラインセンサー
Claims (7)
- 長さと幅を有し原稿が配置されるコンタクトガラス上の被照明面と、前記長さ方向を主走査方向とし、前記幅方向を副走査方向としたとき、配光特性がランバート分布となり発光強度が均一な複数の発光素子が前記主走査方向に一定の配列ピッチで配列された光源ユニットと、前記被照明面と前記光源ユニットの間に配置され、第1端面から入射された光束を反射させながら前記第1端面に対向する第2端面に導き、該第2端面から光束を射出する長さと幅と厚さを有するとともに前記第1端面と前記第2端面を除く面は鏡面からなる反射面で構成される導光部材とを少なくとも有し、前記光源ユニットからの光束を、前記導光部材を経て前記被照明面に照射する原稿照明装置であって、
前記光源ユニットの複数の発光素子の発光面は、前記導光部材の前記第1端面に対向して配置されており、該発光面から出射された光束は前記導光部材の前記第1端面に直接入射されるようになっており、
前記被照明面の主走査方向の長さをWp、前記導光部材の主走査方向の長さをWg、前記光源ユニットの両端の発光素子の中心間の距離をWlとし、それぞれを中心合わせとするとき、
Wp<Wl<Wg
なる条件式を満足するとともに、前記被照明面の端部は、前記両端の発光素子にそれぞれ隣り合う発光素子の中心位置よりも外側に配置されることを特徴とする原稿照明装置。 - 請求項1に記載の原稿照明装置において、
前記導光部材の主走査方向における両側面は、前記光源ユニットの端部の発光素子から該発光素子の配列ピッチの2分の1に略等しい距離に位置することを特徴とする原稿照明装置。 - 請求項1または2に記載の原稿照明装置において、
前記導光部材は中空体であることを特徴とする原稿照明装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、
前記複数の発光素子は白色LEDであることを特徴とする原稿照明装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の原稿照明装置において、
前記複数の発光素子は、それぞれ発光色が異なるLEDが少なくとも2種類用いられており、各色光は前記導光部材内での多重反射で混色され、前記第2端面においては白色光であるとみなせることを特徴とする原稿照明装置。 - 請求項1ないし5のいずれか1つに記載の原稿照明装置と、前記被照明面からの反射光を画像信号に変換する光電変換手段と、前記被照明面からの反射光を前記光電変換手段に集光する結像手段とを少なくとも有することを特徴とする画像読み取り装置。
- 請求項6に記載の画像読み取り装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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