JP4417700B2 - 照明装置 - Google Patents
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Description
同図において符号100は画像形成部、200は画像読み取り部をそれぞれ示す。その他の符号は説明中で直接引用する。
画像形成部100は、ドラム状の潜像担持体111を有し、その周囲に帯電手段としての帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115が配備されている。帯電手段としては「コロナチャージャ」を用いることもできる。更に、画像読み取り部等、外部からの原稿情報を受けてレーザビームLBにより光走査を行う光走査装置117が設けられ、帯電ローラ112と現像装置113との間で「光書込による露光」を行うようになっている。
通常、画像読み取り装置に用いられる原稿照明装置は、原稿を照らすために、原稿幅とほぼ同じ長さが必要とされるため、原稿照明装置としてのLEDの使用方法としては、LED素子を多数個並べ、アレイ状にして用いる。
ただし、現状のLEDは上述したような優れた特性を有しているものの、画像読み取り装置の照明装置として用いるには、素子1個1個の絶対的な明るさが足りないため、低速読み取り機器や、コンパクト性重視の機器を中心に用いられており、高速読み取り機器や、大型機器には、主に冷陰極蛍光ランプが用いられている。
この欠点を補うために、LEDアレイを構成するLED素子を多数個用いて、LEDアレイの光量増加を図るのが一般的であるが、光が広く拡散するため、あまり効率が良くない上に、省電力化に逆行するものである。
両図において符号1は冷陰極蛍光ランプのような棒状光源、2、2’は光学要素として部分円筒状の凹面反射部を有する鏡面部材、3は原稿面などの被照明面、4は被照明面上の副走査方向の照度分布曲線をそれぞれ示す。なお、簡略化のため鏡面部材は反射面のみで代用する。その他の図でも同様とする。
ここで、棒状光源ではどのように光量増加を図るかというと、両図に示すように、棒状光源1から反射される光を部分円筒状の鏡面部材2で反射させることで、原稿面3上に光を集める方法が主に用いられている。ここで部分円筒状というのは、シリンドリカルとも称されており、断面が円、楕円、放物線、双曲線などの2次曲線の一部、もしくはそれに近い形を有し、棒状光源の長さ方向に光源の長さ、あるいは被照明面の長さとほぼ同程度の長さを有している形を言う。
同図において符号5は結像レンズ、6は受光素子、7は単体受光部をそれぞれ示す。
デジタル複写機やイメージスキャナにおいては、同図に示すように、原稿からの反射光は結像レンズ5を介して受光素子6の単体受光部7で受光する。CCDセンサなどの受光素子6は単体受光部7の幅が通常0.05〜0.1mm程度と狭い。すなわち、等倍結像の場合で有れば、原稿面上でもそれと等しい狭い幅の領域しか読み取れないことになる。したがって、図38の例に示すように、光源の光を鋭く集光させてしまうと、ミラー角度のずれなどによる照明位置ずれによって、照度分布曲線4の位置がずれ、単体受光部7に達する光量が大きく変化し、形成される画像に大きく影響を与えることになってしまう。
同図は等倍センサを用いる例を示しているが、縮小光学系を用いて例えば10分の1に縮小結像させる場合でも、単体受光部7に結像する原稿側の照明領域の幅は、大きくても1mm程度にしかならないので、上記問題点は同じである。
同図(a)、(c)は正常に照明されている状態を示す。
デジタル複写機の場合には、受光部の幅がたとえば0.1mm程度と狭いため、同図 (b)に示すように、照度分布曲線4の中心位置が読み取り部からずれると、大幅に読み取り領域の照度が落ちてしまう。このため、デジタル複写機やイメージスキャナにおいては、同図(c)、(d)に示すような、副走査対応方向の照度分布曲線4が幅広であり、照明の中心位置が読み取り部からずれても読み取り領域の照度差を生じない原稿照明装置が求められる。そのためには、照度分布の最大値の近傍で、読み取りに必要な幅(上記例では最大約1mm)に機構的な誤差等による変動幅を加えた幅(例えば片側約1mm)以上の照度ムラの少ない部分、すなわち、照度の平坦部が有るとよい。
LEDアレイを用いるために図37と同じ構成を用いるのは、光利用効率が低過ぎるため、LEDの明るさ不足を補うという本来の目的を達成することができない。
LEDを照明光源として用いるための構成も提案されている(例えば、特許文献2 参照。)。しかしながら、特許文献2に示された構成は被照明領域の照度分布については言及されていない。
また、本発明の構成においては、LED素子と光学要素との取り付け位置関係誤差による照度分布曲線の乱れや照明位置ずれ等の問題を、実用上問題無い範囲に抑えることができる照明装置を提供することを目的とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の照明装置において、前記凹面反射部は、頂点近傍および、対称軸から見て片側の曲線によって構成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の照明装置において、前記発光素子の光束出射面は前記2次曲線の対称軸に平行であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の照明装置において、前記光束出射面の傾き角は、前記凹面反射部の有効反射領域に対し、最大の光量が入射する角度であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の照明装置において、前記2次曲線として、部分的な直線の連結により2次曲線に近似させたものを含むことを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項1ないし9のいずれか1つに記載の照明装置において、前記発光素子は、前記2次曲線の対称軸方向にほぼ一致した方向に複数配列されていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明では、請求項1ないし11のいずれか1つに記載の照明装置において、前記光学要素の光束出射面と前記被照明面との間に、直交する2方向の間で屈折力が異なるレンズを介在させることを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項1ないし12のいずれか1つに記載の照明装置を用いた画像読み取り装置を特徴とする。
請求項14に記載の発明では、請求項13に記載の画像読み取り装置を用いた画像形成装置を特徴とする。
本発明の照明装置によれば、LED素子と光学要素との取り付け位置関係誤差による照度分布曲線の乱れや照明位置ずれ等の問題を、実用上問題無い範囲に抑えることができる。
図1は固体発光素子の一例としてLEDの配光分布を示す図である。
同図において符号8は発光点、9は発光点を含む断面における配光分布曲線をそれぞれ示す。
発光体の特性の違いによって配光分布は様々な形を取るが、一般的には断面が円形の配光分布曲線で表して大過ない。発光点が完全に点と見なせる場合は、配光分布を立体的に見たとき、球形になる。LEDをマクロ的に見た場合点光源として扱えるので、同図に示す配光分布曲線を適用できる。LEDをミクロ的に扱う場合は、発光部分が大きさを持つことになるので、すべての発光部位が同図に示す配光分布を有するものとして扱うことになる。同図に示す配光分布の場合全発光角度は180°であるが、実質的に役に立つ光量の角度範囲はそれよりも狭い。最大の輝度に対しその2分の1の輝度になる角度を半値角と呼ぶが、同図のように断面が円形の場合、半値角は60°になる。同図の配光分布は中心対象であるから、有効光束の範囲は120°になる。断面が円ではなく、楕円形その他の形になった場合でも、半値角で表現すればおよその有効光束の範囲が分かる。
同図において符号10はLED、11はLED基体、12は発光部、13はリフレクタ、14は透明な封入部材、15は光束出射面をそれぞれ示す。
ほぼ直方体形状のLED10は、中央部に逆円錐台形の凹部を有するLED基体11の凹部の中心にチップと呼ばれる発光点12を有し、円錐形斜面にリフレクタ13を形成して封入部材14として透明な樹脂が充填されており、封入部材14の端面は光束出射面15となっている。出射光束の光量の最大値を示す光線は発光点12の中心から垂直な方向に出射する。これを便宜上このLEDの光軸と呼ぶ。以後の説明においても同様とする。光軸は上記光束出射面15に対しても垂直である。この構成の場合、リフレクタ13からの反射光もあるので、光束出射面15が新たな光源になっているとみなすことができる。光束出射面15は円形であり、その直径をaとすると、aは例えば1mm〜2mm程度のものがあり、先に述べた被照明面の幅(約1mm+許容誤差幅約2mm)に比べて無視できるもではなくなる。
その意味で同図に示すLEDを面発光素子と呼ぶことがある。
同図において符号16はLED、17はLED基体、18は発光部、19はリフレクタ、20は透明な封入部材、21は光束出射面をそれぞれ示す。
前図に示したLEDとの違いは、LED基体17に設けた凹部が逆四角錐台になっている点だけである。
したがって、光束出射面21は正方形を含む長方形となる。この場合光束出射面21の1辺の長さをaとする。
透明な封入部材14に蛍光体を混入したものがある。この場合、チップはInGaNからなる青色発光を行い、YAG蛍光体を用いる。それによって、チップが青色発光したとき、同時に蛍光体が励起されて黄色の蛍光を発光する。青色と黄色は互いに補色関係にあるため、両者が一緒に外部へ出ると白色光として認識される。
蛍光体を使わず白色光を出すLEDもある。これは、図示しないが、チップが同一面に複数配置され、互いに異なる色の発光をし、全部が混合されると白色として認識されるものである。たとえば、2個のチップの場合、前記と同様それぞれ青色と黄色の発光をするチップを用いる。3このチップの場合であれば、いわゆる3原色に相当するそれぞれ赤、緑、青を発光するチップを用いる。
本発明ではこれらの白色発光をするLEDもすべて含むものである。
同図において符号22はLED、23はLED基体、24は発光部、25はレンズ部、26は仮想光束出射面をそれぞれ示す。
砲弾型と呼ばれるLED22は、LED基体23のほぼ中央部に発光部24を有し、LEDの光束出射側に透明でほぼ半球状のレンズ部25を有している。レンズ部25の球面の中心は同図において発光部24より上に存在するように構成されている。発光部24からレンズ部25を見込む角度は、発光部24の配光分布の半値角以上であることが望ましい。
レンズ部25の基体23側は円筒状部25’になっており、発光部24から円筒状部25’を経由して出て行く光束は被照明面方向に行かないので無効な光束となる。有効な光束はレンズ部25を出るとき光軸に近い側に屈折するので、レンズ部25を出た後の光束の広がり角は、発光部24を出射するときの有効光束の出射角より小さくなる。
この構成の場合、レンズ部25の頂点を含む光軸に垂直な面内における有効光束の存在範囲を仮想光束出射面26とし、その直径をaとし、前々図における光束出射面15、前図における光束出射面21と同等の扱いをする。
同図において符号27はLED、28はケース、29は発光部、30はリフレクタ、31は封入材、32はリード、33は透明蓋をそれぞれ示す。
LED27は、ケース内に反射部を上方に向けた部分円筒状のリフレクタ30を有し、その反射面に向けて発光部29の発光面が下向きに設置してある。リフレクタ30と発光部29の間は透明な樹脂からなる封入材31が充填してある。発光部29はケース外側からケース上面に張り出したリード32に接続され、その上面は透明蓋33が接着され内部を保護している。
発光部からの出射光はリフレクタに至り、反射されて透明蓋33から外部に出てゆく。ただし、反射光の内、発光部29自身、およびリード32に遮られる分、出射光に一部欠けが生ずるが、透明蓋33の光束が透過する領域を光束出射面とする。。リフレクタ30の断面が放物面であって、発光部29がその焦点に一致するように置かれていれば、同図(a)に示す断面では出射光は平行光になって出てゆく。この構成では光束出射面はほぼ正方形であり、その1辺の長さをaとする。
図3ないし5に示した構成のLEDも、図2に示したLEDと同様、面発光素子と呼ぶ。
これらのLEDは通常、ドライバ等の回路を含む回路基板に直接的に半田付けされることが多い。また、後述の反射鏡等の光学要素は発光点とのかなり厳密な位置合わせが必要なため、光学要素と回路基板を別々に何かに取り付けるのではなく、例えば回路基板に、光学要素を位置合わせしながら取り付けて後、構造体に取り付けるようにするのがよい。
図7は断面が放物線の反射鏡の焦点に点光源を置いた場合の光路を示す概念図である。
図8は断面が双曲線の反射鏡の焦点に点光源を置いた場合の光路を示す概念図である。
各図において符号34、35、36はそれぞれの反射鏡を示す。符号f、f’は焦点、Oはそれぞれの曲線の頂点と焦点を結ぶ対称軸を示し、ここでは光軸と呼ぶ。
図6に示す楕円反射鏡では、焦点が2個有り、反射鏡の頂点に近い一方の焦点fに置かれた光源から発散する光束は、光軸上の他方の焦点f’に集まる。
図7に示す放物面鏡では、焦点fに置かれた光源からの発散光は光軸に平行な光束になる。
図8に示す双曲面鏡では、焦点の定義が上記2例とは異なるがやはり焦点が2個有る。一方の焦点に置いた光源からの発散光は、他方の焦点から出たかの如くに発散する。
本発明の1つの目的である広幅でほぼ一定の照度を得るためには被照明面を置く位置を工夫しなければならない。例えば、図6の場合は、被照明位置を他方の焦点位置の手前、もしくはその焦点位置より後方にずらしておくことになる。その被照明面も実際の構成を考えると、光軸に対し、或る程度の傾きを持たせることになる。それでも目標の分布が得られない場合は、光源そのものを焦点位置からずらすことも必要になる。図7、図8の構成の場合も同様である。
図には示さなかったが、断面が円の場合は焦点と呼ぶものがないにもかかわらず、光源を中心からずらして置いた場合に、精度は良くないが、中心をはさんで反対側の特定の位置にほぼ集光する。本発明の目的ように、鋭い集光を望まない場合にはこれも利用が可能である。この場合は発光部中心から最も近い円上の点を頂点とし、その点と発光点中心を結ぶ線を光軸とする。
また、鏡面に用いる2次曲線も理想的な曲線として扱ったが、精度の良い2次曲線(3次元的に見れば2次曲面)の製造は難しいので、短い直線を連続的に結んで所望の2次曲線を近似させることにより、疑似2次曲線を作っても良い。精度は落ちるが、元々照度分布に鋭いピーク値を持たせないようにする目的から言えば特に問題は生じない。以下の説明では簡略化のため、すべて2次曲線として説明するが、どの場合にも疑似2次曲線を適用することができる。
同図において符号37は面発光素子としてのLED、38は光束出射面、39は楕円面反射鏡をそれぞれ示す。
同図に示すように、一方の焦点fの位置に置かれた光源中心から出射する光線は他方の焦点f’に到るが、反射鏡の頂点に近い側の発光部からの光束はすべて、他方の焦点f’より遠い位置で光軸を横切る。逆に反射鏡の頂点から遠い側の発光部からの光束はすべて、他方の焦点f’より近い位置で光軸を横切る。
このように、光源に大きさがあると、たとえ楕円面反射鏡を用いても光束はかなり広い範囲に広がる。
同図(c)は発光素子の中心線上の位置、同図(a)、(e)は発光素子の中心から端部までの距離の90%に相当する位置、同図(b)、(d)はそれらの中間点の位置をそれぞれ発光点として選んである。
同図(a)ないし(e)では発光点の位置の違いによる反射光の様子に大きな違いは感じられないが、同図(f)ないし(j)から分かるように、発光点のわずかな位置の違いでも、被照明面における光線のバラツキ方はかなり異なる。
同図(c)は円形配光分布の各発光点から鉛直上方に対し±90度の範囲で合計300万本の光線を追跡した結果を示す図である。これらは、実施例1ないし9においてすべて共通である。
同図(c)において符号G0は主走査方向中央部近傍における照度分布、G1は主走査方向端部近くにおける照度分布をそれぞれ示す。ただし、被照明領域の長さを20mmとした。横軸は実際に使用される領域を含んで副走査方向中心付近の20mmの幅の領域を示す。この領域を1mm間隔で20等分し、各分割領域に入る合計のエネルギーをその領域の中央部にプロットした。
一般に曲線G0よりG1の方が低くなる傾向があり、これをシェーディングと呼んでいる。シェーディング補正の手法は各種確立されているので、曲線G0とG1の違いはあまり気にしなくても済む。むしろそれぞれの曲線内の変化の方が問題となる場合が多い。
設計上は照度分布の幅のほぼ中心位置を目標の読み取り中心位置とするので、その両側各1.5mmの範囲で上記の変化率範囲に収まっていればよい。因みに、同図(c)の場合は、平坦部と見なせる範囲が4〜5mmあるように見える。その平坦部の幅の中心位置を挟む計3mmの範囲における変化率は曲線G1の方が大きくておよそ3%である。
先に図37、図38で示した様な分布の形状の違いは、半値幅の違いである程度見ることができる。半値幅とは最大値の2分の1以上の値を示す領域の横軸の幅のことである。図11(c)の例では半値幅は曲線G0で約11.7mmである。この値が小さいほど曲線は急峻な山部を有することを示す。以下、半値幅は単なる参考値なので曲線G0に対する値のみを示す。
本発明の目的は高い効率でLEDの光を利用するとともに、被照明部において所定幅以上の照度平坦部を形成することである。しかし、本発明の照明光学系の製造公差は、部品数が少なく追い込み易いとはいえ、写真レンズの製造公差に比べて数倍の許容量を必要とする。このため、LEDと光学要素の相対的な位置関係が写真レンズの製造公差に比べて数倍の量変化しても、所定の位置に所定幅以上で所定照度以上の照度平坦部を形成する必要がある。
そこで、本発明においては、まず光利用効率と照度平坦部範囲が好適に設計された照明装置を得る。そしてさらに進んで、好適に設計された照明装置の構成に比べて、光学要素の入射光発散作用を故意に所定量だけ強くした照明装置を得る。入射光発散作用を所定量強くすることによって、光の利用効率が低下する代わり、光の入射位置誤差による照度ムラをさらに低減することができる。
同図において符号40は光源としての発光素子、41は反射鏡をそれぞれ示す。
以下の実施例9までではすべて、断面が2次曲線からなる部分円筒状の凹面鏡を用い、その対称軸を水平におき、対称軸から上半分のみを反射鏡として使用する。ただし、発光素子を置く位置によっては、反射鏡を経た有効光束が被照明面に到達する範囲において、2次曲線の頂点近傍で対称軸より若干下側まで反射鏡として使うこともあり得る。
凹面反射鏡の場合、光束入射開口部というのは明確な開口部を有するわけではないが、反射鏡の頂点近傍の端部と発光素子の光束出射面を結ぶ直線を含む仮想面の、光束通過可能領域を光束入射開口部と定義する。同様に、光束出射開口部としては、反射鏡の頂点から遠い側の端部を通りY軸に平行な仮想平面の、光束通過可能領域を光束出射開口部と定義する。
2次曲線の仕様の表現は曲率半径R(mm)と円錐定数Kで示す。円錐定数Kはその値の範囲によって楕円、放物線、双曲線などに分かれる。
楕円:−1<K<0、放物線:K=−1、双曲線:K<−1
対称軸に対し被照明面(原稿面)は垂直ではなく或る角度θをもって配置される。これは、被照明面に垂直な方向に画像読み取り素子を置くため、その光束を遮らないようにするからである。なお、光源部から原稿面までの距離も、照度分布を変化させる要因の1つであるので、原稿面のx切片の座標を参考値L(mm)として示す。
反射鏡断面 双曲線
R=4.0;K=−1.30
光源サイズ a=0.4(小)
光源位置 x=0、y=0.3
原稿面位置 L=26(小)
原稿面角度 θ=20°
光線追跡の計算に当たっては、光源の各発光点を図1に示した断面円形の配光分布(立体的に言えば球状)を有するものとした。発光点から第2象限に向かって出射する光束は全部反射鏡に達するが、第1象限に出射する光束は、かなり遠い位置で反射鏡に達する場合も生ずる。製造コストのことを考えれば、あまり大きい反射鏡を作ることはできないので、反射鏡のサイズを優先して光量を犠牲にすることもあり得る。反射鏡の光軸からの高さ、すなわちy座標を参考値Hで示す。実施例1ではH=18とした。
発光素子の配置位置は焦点位置近傍ではあるが、焦点位置に限定されるものではない。本実施例のように、X、Y方向の正負いずれにもずらし得る。ただし、ずらす量としては、発光素子の大きさであるaよりは大きくない方がよい。あまり焦点からのずれが大きいと光線のばらつきが大きくなり過ぎ、光量の無駄が多くなる。
したがって、この構成の光源はモノクロ画像用としては勿論、カラー画像用として十分使える。半値幅は、同図の左側の半値が得られないため測定不能であった。
なお、平坦部を定義する際12%という値を用いたが、これは条件のより厳しいカラー画像用のデータを用いたためで、モノクロ画像用を設計する場合で有れば、30%の数値を用いて良い。
なお、実施例9の説明までは、光源及び反射鏡の説明を省略するので符号も省略する。
実施例2における仕様は次の通りである。
反射鏡断面 双曲線
R=4.0;K=−1.05;H=20
光源サイズ a=0.4(小)
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=50(中)
原稿面角度 θ=28°
平坦部の幅は、G0で約6.4mm、G1で約6.3mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0の方が大きく約4.0%、G1で約2.7%である。半値幅は約10.4mmであった。
実施例3における仕様は次の通りである。
反射鏡断面 双曲線
R=4.0;K=−1.07;H=19
光源サイズ a=0.4(小)
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=94(大)
原稿面角度 θ=−30°
平坦部の幅は、G0で約9.9mm、G1で約8.1mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0が約6.5%、G1の方が大きく約8.1%である。半値幅は同図の右側の半値が得られないため測定不能。
実施例4における仕様は次の通りである。
反射鏡断面 双曲線
R=4.0;K=−1.10;H=18
光源サイズ a=1.0(中)
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=21(小)
原稿面角度 θ=−30°
平坦部の幅は、G0で約9.1mm、G1で約8.0mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0が約3.4%、G1の方が大きく約5.5%である。半値幅は約11.8mmであった。
実施例5における仕様は次の通りである。
反射鏡断面 楕円
R=4.08;K=−0.884;H=15
光源サイズ a=1.0(中)
光源位置 x=−0.25、y=0
原稿面位置 L=50(中)
原稿面角度 θ=30°
平坦部の幅は、G0で約5.2mm、G1は約5.4mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0が約2.3%、G1の方が大きく約3.3%である。半値幅は前述のように、約11.7であった。
実施例6における仕様は次の通りである。
反射鏡断面 楕円
R=4.08;K=−0.97;H=19
光源サイズ a=1.0(中)
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=99(大)
原稿面角度 θ=10°
平坦部の幅は、G0で約5.9mm、G1で約6.1mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0の方が大きく約7.2%、G1で約4.6%である。半値幅は約15.9mmであった。
実施例7における仕様は次の通りである。
反射鏡断面 楕円
R=4.08;K=−1.0;H=18
光源サイズ a=2.0(大)
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=19(小)
原稿面角度 θ=−40°
平坦部の幅は、G0で約12.9mm、G1で約11.6mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0で約0.6%、G1の方が大きく約3.5%である。半値幅は約15.8mmであった。
実施例8における仕様は次の通りである。
反射鏡断面 楕円
R=5.0;K=−0.85;H=20
光源サイズ a=2.0(大)
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=49(中)
原稿面角度 θ=20°
平坦部の幅は、G0で約5.5mm、G1で約5.6mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0で約2.5%、G1の方が大きく約3.4%である。半値幅は約13.8mmであった。
実施例9における仕様は次の通りである。
反射鏡断面 楕円
R=3.5;K=−0.95;H=20
光源サイズ a=2.0(大)
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=99.5(大)
原稿面角度 θ=20°
平坦部の幅は、G0で約8.5mm、G1で約6.1mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0で約4.6%、G1の方が大きく約5.9%である。半値幅は、同図において左右とも半値が得られないため測定不能。
Lおよび曲線G0、G1をパラメータとした。図中の1点鎖線は読み取り設定領域の幅として必要な3mmを示す。曲線がこれより上に有れば実用上問題ないので、すべての実施例が目標を満たしている。機構的な誤差の許容幅を大きくとれるという意味では、平坦部の幅はより大きい方が好ましいといえるが、幅が広い分、光量を無駄にすることになるので、読み取り設定幅が間違いなく確保できればあまり大きい幅は必要はないとも言える。この図から見ると、aが大きくて、Lが小さい方が大きな平坦部が得られることが分かる。逆に、Lが中くらいであれば、aの大きさにあまり左右されず、光量が有効に利用されている。
図22は平坦部の幅をLを横軸として小中大の順で並べた図である。
この図から見ると、Lが中の場合は小さめではあるが比較的平坦部の幅が一定になる。
ややばらつきは有るが、Lが小の場合の方が大きな平坦部が得られる。
図23は3mmの読み取り設定領域の照度変化率をaを横軸として並べたものである。この図からは特にまとまった傾向は見られない。
図24は照度変化率をLを横軸として並べた図である。照度変化率は12%以下であれば実用上差し支えないのですべての実施例が目標を達成している。ただし、小さければ小さいほど良いので、Lを小または中にすれば、ほぼ5%以内にはいる。
同図において符号42は発光素子、43は反射鏡をそれぞれ示す。
本実施例は実施例5に示した構成を基本とする。原稿面3の主走査方向の長さを300mmとし、反射鏡43の有効長さをそれより大きい400mmとする。
発光素子の数は全部で17個とし、20mm等間隔配置とした。したがって、両端の発光素子の中心間隔は320mmとなり、発光素子の両端を結ぶ長さは322mmとなり、被照明面の長さよりも長くなっている。
図26は本実施例による副走査方向における照度分布を示す図である。
この図で見ると端部近傍の照度分布G1が若干低く出ている。これは端部近傍の発光素子が被照明面の長さとあまり変わらないため、端部近傍では一方向からの照明に頼るためと考えられる。
実施例11は実施例10とほぼ同様な構成であるが、違いは発光素子の数をさらに2個増やした点にある。すなわち、実施例10に示した17個の発光素子のさらに外側に、20mmの間隔を置いて各1個の発光素子を置いたものである。両端の発光素子の中心間隔は360mmとなる。この構成によれば、被照明面の端部は、その外側60mmの発光素子からも照明を受けることになるので、照度分布曲線G1の照度低下がかなり改善されている。
実施例12では17個の発光素子の間隔を一部不等間隔にしている。具体的には、中央の発光素子から端へ向かって、4個目までは22mmずつの等間隔とし、それより外側は順次1.5mmずつ狭くしている。したがって、一番外側(8個目)とそのすぐ内側の発光素子間隔は16mmとなり、最外側の発光素子の中心間距離は322mmとなり被照明面の長さより長くなっている。実施例11では、発光素子の配列長さと反射鏡の長さが、被照明面に比べて長くなりすぎ、小型化の流れに逆行することになる。本実施例ならば、被照明面の端部近傍でも照度分布曲線G1で示すように、照度は中央部付近と大差なく、しかも、発光素子の配列長さや反射鏡の長さも実施例10の場合と大差ない。
同図において符号44は発光素子、45は光学要素としての合成樹脂またはガラスなどの透明部材からなる部分円筒型部材である。同図(a)を参照して説明すると、光束入射面としての平面部45aと、光束出射面としての平面部45bがそれぞれの一方の端でほぼ直交しており、それぞれの他方の端は凹面反射部としての曲線(長さ方向を考慮に入れれば2次曲面)45cで接続されている。曲線は一般的に2次曲線の一部であり、この2次曲線の対称軸に一致して、もしくはほぼ平行に平面部45aが形成されている。発光素子44の光束出射面は熱の問題が解決できれば平面部45aに接触させて置くことができ、本実施例でも接触させている。
この構成では、発光素子44から出た光束は、光学要素45の光束入射面45aから入り、凹面反射部45cで内面反射され、光束出射面45bから出て被照明面3に向かう。
本実施例の仕様は次の通りである。
反射鏡断面 楕円
R=4.0;K=−0.875;H=17
光源サイズ a=1.0
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=44.3
原稿面角度 θ=20°
屈折率 1.5168
アッベ数 64.2
図30は実施例13による副走査方向における照度分布を示す図である。
平坦部の幅は、G0で約12.4mm、G1で約13.1mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0で約4.8%、G1の方が大きく約5.6%である。
同図において符号46は発光素子、47は反射鏡、48は被照明面、αは発光素子の光束出射面が光軸となす角度をそれぞれ。
本実施例は1個の発光素子を用いて高い被照明面照度を得る示すための構成である。
実施例13までは、光束出射面の角度について特に断らなかったが、すべてX軸に平行で有るとしてきた。しかし、光束の有効利用の見地からは或る程度傾けた方が良いことが分かっている。
本実施例の仕様は次の通りである。
反射鏡断面 円
R=30;K=0;H=25
光源サイズ a=2.0
光源位置 x=0、y=0.6
光束出射面角度α=50°
原稿面位置 L=2.8
原稿面角度 θ=0°
図32は実施例14による副走査方向における照度分布を示す図である。
この図から見る限り、照度は複数の発光素子を用いた場合と同程度の値が得られており、平坦部の幅約6.6mm、読み取り設定領域の照度変化率約7%という値からは、実施例10ないし12に引けを取らないが、その構成上、画像読み取り用の光路を確保することができないので、ディスプレイ等の用途を考えることになる。
光束出射面を光軸に対して傾けることは、反射鏡の有効範囲に最大のエネルギーを入射させるためには有意義である。配光分布曲線の最大値を中心に光束を対称的に利用するのが最も効率がよい。好ましくは、半値角内のすべての光束を受けるように反射鏡の大きさを設定するのがよい。
同図において符号49は第1の光源部、50は第2の光源部、51は被照明面、52は受光素子の存在する方向を示す矢印である。
第1の光源部49は実施例5で示したをそのまま利用している。第2の光源部50は、第1の光源部に対して裏返しに近い関係にあり、その仕様は次の通りである。
反射鏡断面 楕円
R=4.0;K=0.88;H=15
光源サイズ a=1.0
光源位置 x=0、y=0
原稿面位置 L=57
原稿面角度 θ=10°
図34は実施例15による副走査方向における照度分布を示す図である。
平坦部の幅はG0で約5.3mm、G1で約5.0mmとなり、読み取り設定領域の照度変化率はG0で約3.3%、G1の方が大きく約5.0%である。半値幅は約10.5mmであった。
両側から照明することで、実施例5の照度に比べて約2倍の照度が得られたのに加え、照度分布曲線も比較的対称形に近いものが得られた。第2の光源部として第1の光源部と同じもの、すなわち、実施例5に使用した構成をそのまま利用した場合はさらに対称的な分布になる。
照明のスペースが許せば、光源部は2個に限る必要はない。図示はしないが、光源部の数を3個、あるいは4個と増やすことによって、より明るい照明ができることは明らかである。
図41は光利用効率と照度平坦部範囲が好適に設計された照明装置の構成を説明するための図である。同図(a)は光線図、同図(b)は被照明面の照度分布曲線を示す図、同図(c)は配置の状態を示す斜視図である。
本構成の仕様は次の通りである。
反射鏡断面 放物線
R=4.0;K=−1;H=18
光源数 n=3
光源サイズ a=1
光源位置 x=0.15、y=0
原稿面位置 L=22.85
原稿面角度 θ=30°
したがって、この構成の照明装置はモノクロ画像用としては勿論、カラー画像用として十分使える。
しかし、このような構成を取ると、反射鏡と光源(発光素子)の相対的な位置ズレが発生した場合の照度分布変化は大きくなる。
同図(a)、(b)は光源が光軸方向に位置ズレを生じた時の照度分布、
同図(c)、(d)は光源が光軸に対し上下方向に位置ズレを生じた時の照度分布、
同図(e)、(f)は光軸に対し発光素子の傾きが生じた時の照度分布、
をそれぞれ示す。ここでいうズレや傾きは、いずれも光源と反射鏡の相対的な位置関係を意味する。
例えば、同図(a)、(b)は反射鏡と発光素子の相対位置関係がX軸方向に0.3mm前後した場合における照度分布である。読み取り設定可能領域(グラフの横目盛り10の付近±3mm)における照度分布の平坦性は失われており、不具合がある。
また、同図(c)示すように反射鏡と発光素子の相対位置関係がY軸上プラスの方向に0.3mm移動した場合には照度分布の平坦性は失われないが、同図(d)示すように発光素子がY軸上マイナスの方向に0.3mm移動した場合、照度分布の平坦性は失われてしまう。ここで発光素子の移動量を±0.3mmとしたのは、許容製造誤差をそのくらいの範囲に収めたいからである。すなわち、設計上の公差として±0.3mmを設定することができるかどうかを確かめることを目的としている。この値は写真レンズの公差の数倍にあたる大きな値であり、これを公差にできれば製造上問題無い。
同図(e)、(f)に示すように反射鏡と発光素子の間に±10度という大きな傾きが発生した場合には、被照明面上で実用上問題の無い照度分布を保つので、本実施例においては反射鏡と発光素子の相対的な傾きは問題としない。すなわち、グラフの横目盛り10の付近±3mmの位置において、発光素子の発光面が反射鏡側に10度傾いた場合には、曲線G0、G1ともに約5mmの平坦部、読み取り設定領域内変化率はG0が4%、G1が10.8%、発光素子の発光面が被照明面側に10度傾いた場合には、曲線G0、G1ともに約6mmの平坦部、読み取り設定領域内変化率はG0が8%、G1が5.1%となっている。
同図において符号57、58は発光素子列をそれぞれ示す。
発光素子列57と58は、2次曲線の対称軸方向に並んでおり、図示しない基板によって、2列が一体的に配列されている。
本実施例の構成の仕様は次の通りである。
反射鏡断面 双曲線
R=4.0;K=−1.2
光源数 n=6
光源サイズ a=1
光源位置 x=−0.55、0.55(各列のx座標)、
y=0(2列とも同じ)
原稿面位置 L=23.4、22.3
(同図(a)の左列、右列に対する原稿面位置)
原稿面角度 θ=30°
本実施例では2列の光源の座標をともに0としたが、両者を同じ値にすることは必須要件ではない。
同図(a)、(b)は光源が光軸方向に位置ズレを生じた時の照度分布、
同図(c)、(d)は光源が光軸に対し上下方向に位置ズレを生じた時の照度分布、
である。尚、位置ズレをする光源とは、発光素子2列を一体としたものを指す。
同図(a)〜(d)に示すように、本構成を用いることによって、上に示した好適に設計された照明装置の構成と比較して照度落ちすることなく、反射鏡と発光素子の相対的な位置ズレによる照度ムラを小さく抑えることができた。本構成においては同図(b)に示すように、平坦部が曲線G0において約10mm、G1において約11mm程度とかなり幅広である。G0とG1で読み取り設定領域が異なるため、仮にグラフの横目盛り10の付近±3mmに設定した時の、同図(a)〜(d)それぞれの平坦部の大きさ(概略値)を以下に示す。矢印の左側は発光素子の位置の変化量、右側は平坦部の幅をそれぞれ示す。
・ 同図(a):x=−0.3mm →G0;10mm、G1;10mm
・ 同図(b):x=+0.3mm →G0;10mm、G1;10mm
・ 同図(c):y=−0.3mm →G0;12mm,G1;10mm
・ 同図(d):y=+0.3mm →G0; 9mm、G1; 9mm
以上、どの場合も平坦部の幅は十分確保できている。
また、読み取り設定領域をグラフの横目盛り10の付近±3mmとし、その内部における変化率を以下に示す。矢印の左側は上記と同じ、右側は変化率をそれぞれ示す。
・ 同図(a):x=−0.3mm →G0;5.5%、G1;2.3%
・ 同図(b):x=+0.3mm →G0;7.1%、G1;2.6%
・ 同図(c):y=−0.3mm →G0;1.4%、G1;4.6%
・ 同図(d):y=+0.3mm →G0;7.6%、G1;9.9%
以上、どの場合も照度の変化率は目標値以内に十分収まっている。
よって、本構成を用いることで、照度落ちなく、取り付け誤差に強い照明系を形成できる。さらなる安定化を求めるのであれば、発光素子列を3列以上にしても良い。
同図において符号59は第1の発光素子列、60は第2の発光素子列をそれぞれ示す。
実施例16のように、発光素子を2列単純に並べる方法の問題点は、一つの列の発光素子と隣の列の発光素子とが相互に熱を与えてしまうことである。そこで、同図(c)に示すように、一つの列例えば素子列59の、発光素子と発光素子の間に、隣の発光素子列60の発光素子を配置する、いわゆる千鳥足配列にすることで、この問題を軽減できる。
実施例17の構成の仕様は次の通りである。
反射鏡断面 双曲線
R=4.0;K=−1.2
光源数 n=5
光源サイズ a=1
光源位置 x=−0.55、0.55(各列のx座標)、
y=0(2列とも同じ)
原稿面位置 L=23.4、22.3
(同図(a)の左列、右列に対する原稿面位置)
原稿面角度 θ=30°
同図において符号61は第1の光源部、62は第2の光源部をそれぞれ示す。
被照明面の照度低減を補助する実施例17とは別の方式として、複数の光源部を設置する方法がある。反射鏡の発散度が高く、平坦部が広いため、光源部の被照明面に対する設置位置誤差は多少であれば問題ない。
同図(a)に示す2つの光源部61、62は各々同じものであり、被照明面の読み取り領域の中心における法線に対して対称に配置されている。
実施例18の構成の仕様は次の通りである。
反射鏡断面 双曲線
R=4.0;K=−1.3
光源数 n=6
光源サイズ a=1
光源位置 x=0.15、y=0
原稿面位置 L=22.85
原稿面角度 θ=+30°
ただし、座標軸の設定は、図12の説明において定義した座標軸を、各反射鏡それぞれに、個別に設定した。
同図において符号63はシリンドリカルレンズを示す。
実施例16において、反射鏡の入射光発散度を増すことで、反射鏡と発光素子の相対的な位置ズレ公差を緩めたのだが、平坦部は必要以上に広く、発光素子の光が極弱い場合には、照度が足りないことも考えられる。そこで、反射鏡の出射光開口部にシリンドリカルレンズ63を設置し、照度ムラが大きくならない程度に光を集めることで照度を高めた。
実施例19の構成の仕様は次の通りである。
反射鏡断面 双曲線
R=4.0;K=−1.2
光源数 n=5
光源サイズ a=1
光源位置 x=−0.55、0.55(各列のX軸座標)、
y=0(2列とも同じ)
原稿面位置 L=23.4、22.3
(同図(a)の左列、右列に対する原稿面位置)
原稿面角度 θ=30°
レンズ硝材 屈折率(d線);1.517分散;64.2
曲率半径 X軸上反射鏡に近い面をR1面、反対側の面をR2面とすると
R1=35mm、R2=100mm
レンズ厚 2mm
レンズ光軸 y=5mm
実施例19の構成を用いることによって、実施例16に比べて照度を高めることができる。しかし、コストの問題もあり、発光素子の発光量が必要量ある場合には、必ずしもこの構成を用いなくともよい。
本方式では、レンズ光軸の高さを変えることで、最高照度の位置をずらすことができるので、シリンドリカルレンズの取り付け位置を調整用に利用することもできる。なお、主走査方向があまり長くないときは、主走査方向にも多少の屈折力を持たせて良い。この場合はシリンドリカルレンズではなくアナモフィックレンズになる。
同図において符号64はLED、65は発光部、66はレンズ部をそれぞれ示す。
本実施例では、実施例16〜19のような照明系全体の構成ではなく、本発明のようなスキャナ用の照明系に用いるのに適した、発光素子の実施例を示す。
図4に示したように、LED22の先端に半球状レンズ部25が設置され一体となり、光出射方向を狭め、指向性を高めようとする発光素子が既に市場に出回っている。しかし、本発明にこの素子を用いた場合、全ての方向に対して発光素子の指向性が高いため、主走査読み取り方向において照度ムラが発生してしまう。
このため、本発明には同図に示すようなシリンドリカルレンズ66を発光部65の直上につけたLED64を用いるとよい。このようなシリンドリカルレンズ66を用いれば、副走査方向には光を集め、主走査方向には光を集めないので、一方向に長い被照明面を照明するのに最適である。
同図において符号53は照明装置、54は画像表示素子、55は投影レンズ、56はスクリーンをそれぞれ示す。
画像表示素子54はDMD(Digital Micromirror Device)に代表される反射型表示素子を用いる。
照明装置53から出射した光束は、被照明面としての画像表示素子54に入射する。DMDの場合、画素を形成する微少サイズの反射鏡で、別途入力される画像情報によって反射方向を2方向のいずれかにスイッチングされる。一方の反射方向に対応する位置に置かれた投影レンズ55に入った光束がスクリーン56上に結像することによって画像が表示される。投影される画像は、静止画、動画いずれもあり得る。
2 凹面反射鏡
3 被照明面
4 照度分布曲線
5 結像レンズ
6 受光素子
8 発光点
9 配光分布曲線
10 LED
34 楕円面反射鏡
35 放物面鏡
36 双曲面鏡
Claims (14)
- 所定の長さと幅を有する被照明面と、該被照明面に光を照射して、該被照明面からの反射光を利用する照明装置であって、
固体状の発光素子と、該発光素子の光束出射面の近傍に光束入射開口部を有し、前記被照明面に向けて光束出射開口部を有する部分円筒状で断面形状が2次曲線からなる凹面反射部を有する光学要素と、を有する光源部を設け、前記発光素子からの照射光による照明領域は一定の照度を有する高照度分布領域を有し、該高照度分布領域を前記被照明面に一致させた照明装置において、
前記光学要素は、透明なガラスもしくは合成樹脂からなる部分円筒型部材であり、前記光束入射開口部は平面部からなる光束入射面であり、前記光束出射開口部は前記光束入射面に直交する平面部からなる光束出射面であり、前記両平面部は前記凹面反射部としての2次曲線で接続されており、該2次曲線の対称軸に一致して、もしくは平行に前記光束入射面としての平面部が形成されており、
前記発光素子の光束出射面は前記光学要素の前記光束入射面としての平面部に接触して配置され、該発光素子から出射した光束は、前記光束入射面から入射し、前記凹面反射部で内面反射され、前記光束出射面から出射して前記被照明面に向かうことを特徴とする照明装置。 - 請求項1に記載の照明装置において、前記発光素子の中心は、前記2次曲線の焦点位置、もしくは該焦点から前記発光素子の光束出射面の長さ以内の距離に配置することを特徴とする照明装置。
- 請求項1または2に記載の照明装置において、前記凹面反射部は、頂点近傍および、対称軸から見て片側の曲線によって構成されることを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の照明装置において、前記発光素子の光束出射面は前記2次曲線の対称軸に平行であることを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし3のいずれか1つに記載の照明装置において、前記発光素子の光束出射面は前記2次曲線の対称軸に対し所定の角度傾いていることを特徴とする照明装置。
- 請求項5に記載の照明装置において、前記光束出射面の傾き角は、前記凹面反射部の有効反射領域に対し、最大の光量が入射する角度であることを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし6のいずれか1つに記載の照明装置において、前記2次曲線として、部分的な直線の連結により2次曲線に近似させたものを含むことを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし7のいずれか1つに記載の照明装置において、前記発光素子は前記被照明面の長さ方向に複数個配列され、複数の発光素子の両端を結ぶ長さは、前記被照明面の長さよりも大きいことを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし3、5ないし8のいずれか1つに記載の照明装置において、前記発光素子の光束出射面は前記2次曲線の対称軸に対し所定の角度傾いており、その角度は前記凹面反射部の有効反射領域に対し、前記発光素子の配光分布における半値角ないの光束が入射する角度であることを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし9のいずれか1つに記載の照明装置において、前記発光素子は、前記2次曲線の対称軸方向にほぼ一致した方向に複数配列されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし10のいずれか1つに記載の照明装置において、前記発光素子の前記光束出射面に、直交する2方向の間で屈折力が異なるレンズが配置されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし11のいずれか1つに記載の照明装置において、前記光学要素の光束出射面と前記被照明面との間に、直交する2方向の間で屈折力が異なるレンズを介在させることを特徴とする照明装置。
- 請求項1ないし12のいずれか1つに記載の照明装置を用いたことを特徴とする画像読み取り装置。
- 請求項13に記載の画像読み取り装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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