JP2994148B2 - 原稿照明装置 - Google Patents

原稿照明装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタル複写機やイメ
ージスキャナーなどに好適に使用される原稿照明装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在、幅広く使用されているPPCコピ
ー機は、棒状光源より放射される光を樋状の反射ミラー
で反射させて原稿面上にスリット状の照明領域を形成
し、相対的に移動する原稿を照明し、図3の(イ)に示
すように原稿よりの反射光をレンズ4を介して感光体ド
ラム5で受光する方式がとられており、アナログ複写機
とも称されている。このアナログ複写機においては、感
光体ドラム5の受光部51が面積の大きいもの(感光体
の直径は、Φ30〜80程度)であるため、スリット状
に集光した部分の断面配光分布SA については、特にこ
れといった規格がなく不明確なものであるが、一般的に
光量アップが図れることから鋭い集光性を有する断面配
光分布が良いということにされてきた。
【0003】一方、デジタル技術の進歩により、複写機
やイメージスキャナーの技術分野においても、このデジ
タル技術を使用した商品が出現している。このデジタル
技術を使用した複写機やイメージスキャナーは、種々の
点でアナログ複写機とは異なる構成が取られているが、
受光部に電子受光素子(CCDセンサー)を使用してい
るのが大きな相違点である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、デジタル複
写機においては、図3の(ロ)に示すように、原稿より
の反射光はレンズ4を介して電子受光素子6の受光部6
1で受光するが、CCDセンサーなどの電子受光素子
は、受光部61の幅が狭く(通常0.05〜0.1mm程
度)、従来の鋭い集光性を有する断面配光分布SA を形
成する原稿照明装置を使用すると、ミラー角度のズレな
どによる読取ズレにより、受光部61に達する光量が大
きく変化し、形成される画像に直接大きく影響を与える
こととなる。このことを図4に基づいて説明すると、従
来のアナログ複写機においては、受光部の幅が例えば6
mm程度と広いため、図4の(イ)、(ロ)に示すよう
に、読取部がズレても光量の面積差はほとんどない(S
1 ≒S2 )。これに対して、デジタル複写機の場合は、
受光部の幅が例えば0.1mm程度と狭いため、図4の
(ハ)、(ニ)に示すように、読取部がズレると大幅に
光量の面積差が生じてしまう(S3 >S4 )。このた
め、デジタル複写機などにおいては、例えば、図4の
(ホ)、(ヘ)に示すような、断面配光分布を幅広くで
きるような矩形の波形を形成して、読取部がズレても面
積差が生じない(S5 ≒S6 )原稿照明装置が求められ
ている。
【0005】一方、図4の(ホ)、(ヘ)に示すような
矩形の波形を形成させるために、ミラーの反射面に白色
塗装をするか微小な凹凸を設けて拡散面とする手段が知
られているが、このような手段を用いると、集光性が悪
くなって、光の利用効率が減少してしまう問題点があ
る。
【0006】本発明は、以上のような問題点を解決する
ために成されたものであり、その目的とするところは、
断面配光分布が幅広く、読取ズレなどによる光量変化を
小さくできて、しかも光の利用効率の高いデジタル複写
機やイメージスキャナー用として好適な原稿照明装置を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明の原稿照明装置は、光源よりの放射角度が
均等になるように、複数の平面の組合せにより構成され
た平面部を有し、該平面部は、各平面の幅が、光源側が
狭く、遠ざかるに従って広くなるように形成され、各平
面における反射光はいずれも、前記スリット状の照射領
域に向かうように集光されることを特徴とする。また前
記スリット状に集光されるスリット照明領域における断
面配光分布が、レンズ中心軸に対して±4mmの幅で相対
的光量変化を8%以内に抑えることが好ましい。
【0008】
【作用】樋状の反射ミラーの平面部は、光源よりの放射
角度が均等になるように、平面の幅が、光源側が狭く、
光源より遠ざかるに従って広くなるように形成されてい
るので、各平面における棒状光源からの受光量を同等に
することができ、各平面からの反射光の光量を同等にす
ることができる。 そして、各平面からの反射光を、スリ
ット状の照射領域に向かうよう、その幅の一端から他端
にわたって、くまなく照射されるよう集光させることに
よって、各平面からの反射光がすべて積算されたとき、
スリット状照射領域の幅において、光量変化が小さく抑
えることができるようになる。また、断面配光分布をレ
ンズ中心軸に対して±4mmの幅で相対的光量変化を8%
以内に抑えたので、デジタル複写機などの原稿照明装置
としては最も理想的な断面配光分布とすることができ
る。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図1は本発明の原稿照明装置の説明用断面図
であって、1は棒状光源、2は樋状の反射ミラー、3は
原稿載置ガラス、Sはスリット照明領域を示す。
【0010】棒状光源1は、タングステンフィラメント
をコイル状に巻いて形成した発光部と、モリブデンなど
の短絡芯線よりなる非発光部とが交互に配置されたハロ
ゲン白熱電球であり、本実施例においては、全長350
mm、8点発光で、出力は150Wである。
【0011】樋状の反射ミラー2は、上部反射ミラー部
21と底部反射ミラー部22と下部反射ミラー部23と
よりなり、板金光輝アルミあるいはアルミの押し出し成
型で一体に形成されている。上部反射ミラー部21は楕
円状の反射面を有し、この反射光は対向反射ミラー24
で再反射された後、スリット照明領域Sに向かうように
なっている。底部反射ミラー22は断面が円形をしてお
り、ここで反射された光は、白熱電球の管軸上に位置す
るフィラメントに戻るようになっている。そして下部反
射ミラー23は、楕円形状をベースとして、光源よりの
放射角度θが均等になるように、複数の平面に分割され
ている。この実施例においては、平面がA〜Dの4分割
に形成された例を示しており、放射角度を均等にしてい
るので、この平面の幅は、光源側が狭く、遠ざかるに従
って太くなるように、異寸法に形成されている。
【0012】この平面に分割された下部反射ミラー23
によるスリットSへの集光原理を、図2を用いてさらに
詳細に説明する。平面部はA〜Dの4分割されており、
光源からの放射角度θが全て18°になるようにこれら
の平面部が形成されている。図2においては、説明をし
易くするためにDおよびCの反射光を図示した。すなわ
ち、D平面部の左端D1 で反射した光は原稿載置ガラス
のS1 に向かい、D2、D3 、…と右にずれるにしたが
って、原稿載置ガラスへ向かう点はS2 、S3、…と右
にずれ、D平面部の右端Dn では、Sn に向かう。そし
て、C平面部の左端C1 における反射光はS1 に向か
い、右端Cn における反射光はSn に向かう。同様に
B、A平面部における左端と右端の反射光はそれぞれS
1 とSn に向かうこととなる。このように、A〜Dにお
ける反射光は原稿載置ガラスの一定の幅Sの範囲に集光
されることとなる。
【0013】この原稿載置ガラスに集光される幅Sは、
平面の伸びる長さを変えることにより適宜変更すること
ができるが、断面配光分布のレンズ中心軸に対して、±
4mmの幅で相対光量の変化を8%以内に抑えられるよう
に形成することが最も好ましい。この幅における相対光
量の変化が8%以上になると、デジタル複写機としての
性能を満足させることが難しくなる。
【0014】そしてこのような断面配光分布を有する原
稿照明装置においては、光源として使用されるハロゲン
白熱電球のフィラメントが多少偏芯していても、集光分
布のバラツキを低く抑えることができるので、デジタル
複写機ばかりでなくアナログ複写機に適用した場合に
も、スリット照明領域における配光調整が簡単になるな
どの利点も有する。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の原稿照明
装置によれば、樋状の反射ミラーの平面部が、光源より
の放射角度が均等になるように、平面の幅が、光源側が
狭く、光源より遠ざかるに従って広くなるように形成さ
れているので、各平面における棒状光源からの受光量を
同等にすることができ、各平面からの反射光の光量を同
等にすることができることができるようになる。 そし
て、各平面からの反射光を、スリット状の照射領域に向
かうよう集光させることによって、スリット状照射領域
の幅において、光量変化が小さく抑えることができるよ
うになり、デジタル複写機やイメージスキャナー用とし
て好適な原稿照明装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原稿照明装置の説明用断面図である。
【図2】本発明の原稿照明装置における光路の詳細説明
図である。
【図3】アナログ複写機とデジタル複写機の概略説明図
である。
【図4】断面配光分布の説明図である。
【符号の説明】
1…光源 2…集光ミラー 21…上部ミラー 22…底部ミラー 23…下部ミラー 3…原稿載置ガラス S…スリット

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 棒状光源と、この棒状光源を取囲む樋状
    の反射ミラーとよりなり、該棒状光源よりの放射光が原
    稿面上でスリット状に集光される原稿照明装置であっ
    て、 前記樋状の反射ミラーは、光源よりの放射角度が均等に
    なるように、複数の平面の組合せにより構成された平面
    部を有し、 該平面部は、各平面の幅が、光源側が狭く、遠ざかるに
    従って広くなるように形成され、 各平面における反射光はいずれも、前記スリット状の照
    射領域に向かうように集光され ることを特徴とする原稿
    照明装置。
  2. 【請求項2】 前記スリット状の照明領域における断面
    配向分布が、レンズ中心軸に対して±4mm幅で相対的
    光量変化を8%以内に抑えたことを特徴とする請求項1
    に記載の原稿照明装置。
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