JP4619934B2 - 光照射装置並びにこれを用いた画像読取装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
図10は、特許文献1に記載された光照射装置の説明図である。
この光照射装置は、導光体131として、LED132から照射されて入射した光を原稿面に向けて案内して出射する蛍光樹脂プリズムを備えている。この導光体131は、平板状部材であり、その平板面が原稿面と平行になるように配置され、その平板状部材の一端面が入射面131aとなる。よって、入射面131aは原稿面に対して垂直になる。また、入射面131aに対向する面131cは、反射面により構成されており、原稿面とは反対側を向くように原稿面に対して傾斜している。この光照射装置においては、LED132から照射されて導光体の入射面131aから入射した光が入射面に対向する反射面131cで反射し、その反射した光が、原稿面に対向した平板面(出射面)131bから原稿面に向けて出射する。この光照射装置においては、入射面131aが原稿面に対して垂直であることから、LED132と導光体131とを原稿面の面方向に並べて配置することができる。よって、上記従来の導光体を用いた光照射装置に比べて、光照射装置における原稿面法線方向の寸法を小さくすることができる。
また、請求項2の発明は、請求項1の光照射装置において、上記入射面から入射した入射光のうち上記連結面で反射することなく上記出射面に到達する入射光の入射面法線方向に対する最大角度をδ Max とし、上記出射面の内面側における臨界角をZとしたとき、上記連結面部分の導光体内部側と該出射面の導光体内部側とのなす角度θを、下記の式(1)に示す条件を満たすように設定したことを特徴とするものである。
θ<(90°−Z−δ Max )・・・(1)
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の光照射装置において、上記特定入射光の入射面法線方向に対する最大角度をδとし、上記出射面の内面側における臨界角をZとしたとき、上記連結面部分の導光体内部側と該出射面の導光体内部側とのなす角度θを、下記の式(2)に示す条件を満たすように設定したことを特徴とするものである。
{(90°−Z−δ)/3}≦θ<{(90°−Z−δ)/2}・・・(2)
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光照射装置において、上記導光体は、平板状部材の平面部上に設けられており、上記光源部は、該平板状部材の該平面部に対して略平行な方向へ光を照射するように該平面部上に設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の光照射装置において、上記平板状部材は、上記光源部を駆動するための回路基板であることを特徴とする光照射装置。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光照射装置において、上記光源部から出射した光のすべてが上記導光体の入射面に入射するように、該光源部及び該導光体を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光照射装置において、上記光源部は、複数の光源が一列又は複数列に配置されたものであることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、原稿面に対して光を照射する光照射手段と、該原稿面からの反射光を受光して該原稿面の画像を読み取る画像読取手段とを備えた画像読取装置において、上記光照射手段として、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光照射装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、原稿面の画像を読み取る画像読取部と、該画像読取部で読み取った画像情報に基づいて記録材上に画像を形成する画像形成部とを備えた画像形成装置において、上記画像読取部として、請求項8の画像読取装置を用いたことを特徴とするものである。
本発明においては、上述したように導光体の出射面が入射面に対して傾斜するように対向配置されることになるので、その出射面から出射された光の照射方向を、入射面の外面側に対向する光源部から入射面へ入射する光の照射方向に対して傾斜させることができる。これにより、出射面から出射された光の照射方向における光源部と照射対象との距離を、入射面と出射面とが互いに平行となるように対向している従来の導光体を用いた構成に比べて短くすることができる。
しかも、本発明においては、出射面に直接到達した入射光が出射面から出射されて照射対象に照射される。入射面から入射した入射光のうち出射面に直接到達する入射光は、出射面に到達するまでに連結面で反射したり連結面で透過したりする入射光に比べてその照明強度が大きいものである。よって、本発明によれば、このような照明強度が大きい光を照射対象へ照射することができる。
図2は、本発明が適用される画像形成装置であるフルカラーの複写機1の内部構造を概略的に示す正面図である。
この複写機1の装置本体2内の中央部には、カラー画像を形成するためのプリンタエンジン3が設けられている。このプリンタエンジン3は、等間隔に離間させて水平向きに並列に配設された4つのドラム状の感光体4を備えている。また、このプリンタエンジン3は、各感光体4の外周面をそれぞれ一様に帯電する4つの帯電ローラ5を備えている。また、このプリンタエンジン3は、各帯電ローラ5により帯電された各感光体4の外周面をそれぞれ対応する画像データに応じて露光することにより、各感光体4の外周面に静電潜像を形成する露光装置6を備えている。このほか、このプリンタエンジン3は、各感光体4の外周面上の静電潜像にトナーを供給することにより各静電潜像をトナー画像としてそれぞれ顕像化する4つの現像装置7、各感光体4上のトナー画像が順次転写される中間転写ベルト8、中間転写ベルト8上へのトナー画像の転写後に各感光体4上に残留したトナーをそれぞれ除去する4つのクリーニング装置9、中間転写ベルト8上に転写されたトナー画像を記録紙Sに転写させる転写ローラ10等を備えている。なお、4つの感光体4上には、それぞれ異なる色(Y;イエロー、M;マゼンタ、C;シアン、K;ブラック)のトナー画像が形成され、これらの各色のトナー画像が中間転写ベルト8上に互いに重なり合うように順次転写されることによって、中間転写ベルト8上にカラーのトナー画像が形成され、このカラーのトナー画像が最終的に記録紙Sに形成される。
まず、コンタクトガラス12上に載置された原稿D又はADF11により自動送りされた原稿Dの原稿面の画像が画像読取機構13によって読み取られる。そして、この画像読取機構13で読み取った画像情報に応じて、露光装置6の4つの半導体レーザから各色に対応するレーザ光がそれぞれ出射される。これにより、帯電ローラ5によって一様に帯電された各感光体4の外周面上には、それぞれ各色に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像に対しては、それぞれ各現像装置7から各色のトナーが供給される。その結果、各感光体4ごとにそれぞれ異なる色のトナー画像が形成される。各感光体4上のトナー画像は、感光体4の回転と同期して移動する中間転写ベルト8上に互いに重なり合うように順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上には、カラーのトナー画像が形成される。
図1は、第1走行体14の走行方向に対して直交する方向であって略水平方向から見たときの、上記光照射装置18の概略構成を示す説明図である。
図3は、上記光照射装置18の斜視図である。
本実施形態における光照射装置18は、図3に示すように、平板状部材としての回路基板であるLEDアレイ基板30上に一列に配置された光源部である複数のLED32と、導光体31とを有している。LEDアレイ基板30は、その長手方向が、第1走行体14の走行方向に対して直交する方向であって略水平方向に延びるように、すなわち、原稿Dの主走査方向に延びるように配置される。複数のLED32は、LEDアレイ基板30上にその長手方向に沿って一列に並んで配置されている。LEDアレイ基板30には、各LED32に電力を供給するための図示しない配線パターン及び各種回路素子が形成されている。本実施形態におけるLED32は、その発光面がLEDアレイ基板30の基板面に対して垂直な方向を向くように、LEDアレイ基板30上に配置されている。したがって、LED32の発光面から照射される光の中心線方向は、LEDアレイ基板30の基板面に対してほぼ平行な方向となる。なお、本実施形態では、複数のLED32を一列に配置する場合を例に挙げて説明するが、複数列に配置するようにしてもよい。
図4は、LED32の発光特性を説明するためのグラフである。
このグラフは、LED32の発光面から所定距離だけ離れた各地点における照射強度を説明するためのグラフであり、発光面中心部と各地点とを結ぶ直線(照射方向)と発光面中心部の法線方向とのなす角度(以下、「指向角」という。)を縦軸にとり、各地点の照射強度を横軸にとっている。このグラフからわかるように、LED32から照射される光のうち、その発光面中心部の法線方向へ照射される光(指向角がゼロである光)が最も照射強度が大きく、当該法線方向に対する照射方向の傾斜角すなわち指向角が大きくなるほど光の照射強度の減少割合が大きくなる。すなわち、指向角が小さい光については最大照射強度に近い照射強度を有するが、指向角が大きい光については最大照射強度よりも大幅に小さい照射強度を有する。したがって、LED32を用いて画像読取領域に光を効率よく照射するには、指向角がなるべく小さい光をより多く画像読取領域へ案内することが重要となる。
本実施形態の導光体31は、直方体形状の部材を入射面31aと対向する部分を斜めにカットし、そのカット面を出射面31bとしたものである。そして、この導光体31は、LEDアレイ基板30の基板面に対して特定連結面31cが平行になるように配置され、かつ、その特定連結面31cに対して入射面31aが垂直になるように構成される。この導光体は、出射面31bと特定連結面31cとのなす角(以下、「カット角」という。)θが20[°]であり、各面の内面側における臨界角(例えば透明樹脂と空気)が41[°]となるように構成されている。
その後、この光L0は、図中一点鎖線で示すように、特定連結面31cへ到達する。このとき、特定連結面31cに対する光L0の入射角βは、(90[°]−2θ)=50[°]であり、臨界角である41[°]よりも大きい。したがって、この光L0は、特定連結面31cで全反射する。
その後、この光L0は、図中一点鎖線で示すように、再び出射面31bへ到達する。このとき、出射面31bに対する光L0の入射角γは、(90[°]−3θ)=30[°]であり、臨界角である41[°]以下である。したがって、この光L0は、出射面31bを透過し、出射面31bから導光体外部へ出射される。
図6は、導光体31の入射面31aの法線方向に対して角度δで導光体内部に入射する光の光路を示す説明図である。
本実施形態において、LED32から照射されて導光体31の入射面31aの法線方向に対して角度δで導光体内部に入射した光Lは、図中一点鎖線で示すように、いずれの連結面にも反射することなく出射面31bに直接到達する。このとき、出射面31bに対する光Lの入射角αは、{90[°]−(δ+θ)}である。この入射角αが臨界角である41[°]よりも大きければこの光Lは出射面31bで全反射するので、この光Lが出射面31bで全反射するための条件は、θ<(49[°]−δ)である。
図7(a)は、出射面31bに直接到達した入射光がすべて出射面31bで全反射し、出射面31bで全反射した光がすべて特定連結面31cで全反射し、特定連結面31cで全反射した光がすべて出射面31bから出射する例を示している。この光は、LED32から照射される光のうち指向角が小さい光すなわち照射強度が大きい光である。したがって、照射強度が大きい光が出射面31bから画像読取領域に向けて出射されることになり、画像読取領域に光を効率よく照射することができる。
よって、本実施形態では、導光体31の出射面31bから出射する光のうち画像読取領域に向けて出射しないような比較的照射強度が小さい光も画像読取領域に案内すべく、図1に示すように反射ミラー33を設けている。この場合、図8に示すように、比較的照射強度が小さい光も反射ミラー33で反射して画像読取領域へ案内され、画像読取領域を照射することができる。
また、上記実施形態において、出射面31bに直接到達し、出射面31bで全反射した後に更に特定連結面31cで全反射して、その後いずれの面に対しても反射することなく出射面31bから画像読取領域Yに向けて出射する入射光には、入射面31aから入射した入射光の中で最も照射強度が大きい光を含んでいる。したがって、画像読取領域に光をより効率よく照射することができる。
また、上記実施形態で説明したように、入射面31aから入射した入射光のうち連結面で反射することなく出射面31bに到達する入射光のすべてが出射面31bで全反射するように導光体31を構成すれば、画像読取領域に光をより効率よく照射することができる。
また、上記実施形態で説明したように、出射面31bで全反射した後に更に特定連結面31cで全反射した入射光のすべてが、その後いずれの面に対しても反射することなく出射面31bから出射するように導光体31を構成すれば、画像読取領域に光をより効率よく照射することができる。
また、上記実施形態では、導光体31が平板状部材であるLEDアレイ基板30の基板面(平面部)上に設けられており、複数のLED32がLEDアレイ基板30の基板面に対して略平行な方向へ光を照射するようにその基板面上に設けられている。これにより、上述したように、複数のLED32と導光体31との相対位置を高い精度で位置決めすることが容易となる。
また、上記実施形態においては、導光体31が設けられる平板状部材が複数のLED32を駆動するための回路基板である。これにより、LED32を駆動するための回路基板と別個に、導光体31を位置決めするための位置決め部材を設ける必要がなくなる。
また、上記実施形態においては、複数のLED32から出射した光のすべてが導光体の入射面31aに入射するように、複数のLED32及び導光体31を配置している。光源部としてLED32を用いる場合、その照射強度を大きくすることが比較的難しい関係で、複数のLED32から出射した光がすべて導光体31に入射するようにすることが望ましい。このようにすれば、複数のLED32から照射される光を無駄なく利用することが可能となる。なお、光源部の照射強度が十分に大きい場合には、複数のLED32から出射した光の一部だけが導光体31の入射面31aに入射しないようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、光源部として、複数の光源であるLED32が一列又は複数列に配置されたものを用いているので、消費電力が小さく、かつ、発熱量が小さい光源部を実現することができる。
また、上記実施形態においては、原稿面に対して光を照射する光照射手段と、その原稿面からの反射光を受光して原稿面の画像を読み取る画像読取手段としての画像読取機構13とを備えた画像読取装置であるスキャナ部において、上記光照射手段として、上述した光照射装置18を用いている。よって、このスキャナ部によれば、上述した光照射装置18により画像読取領域に光を効率よく照射することができることで、比較的照射強度が小さい光源部を用いる場合でも画像の読取精度を向上させることができる。
また、上記実施形態においては、原稿面の画像を読み取る画像読取部と、この画像読取部で読み取った画像情報に基づいて記録材である記録紙S上に画像を形成する画像形成部としてのプリンタエンジン3とを備えた画像形成装置である複写機1において、上記画像読取部として、上記スキャナ部を用いている。これにより、スキャナ部における画像の読取精度が向上する結果からプリンタエンジン3で形成される画像の品質が向上する。
3 プリンタエンジン
12 コンタクトガラス
13 画像読取機構
14 第1走行体
15 第2走行体
18 光照射装置
30 LEDアレイ基板
31 導光体
31a 入射面
31b 出射面
31c 特定連結面
32 LED
33 反射ミラー
Claims (9)
- 光源部と、該光源部から照射されて入射した光を特定の方向に案内して出射する透光性材料からなる導光体とを備えた光照射装置において、
上記導光体は、上記光源部からの光が入射される入射面と、該入射面から入射した入射光を照射対象に向けて出射する出射面と、該入射面と該出射面とを連結する連結面とを有しており、
上記出射面は、上記入射面から入射した入射光の中で最も照射強度が大きい最大照射強度部分が上記連結面で反射することなく当該出射面に到達するように配置され、かつ、該入射面から入射した入射光のうち該連結面で反射することなく当該出射面に到達するものの少なくとも一部であって該最大照射強度部分を含む特定入射光の該出射面に対する入射角が当該出射面の内面側における臨界角よりも大きくなるように配置されており、
上記連結面は、上記出射面で全反射した特定入射光が当該連結面で全反射した後にいずれの面に対しても反射することなく該出射面から上記照射対象に向けて出射するように、該特定入射光が全反射する連結面部分の導光体内部側と該出射面の導光体内部側とのなす角度が鋭角となっており、
上記入射面から上記導光体内部へ入射してから上記出射面に到達する前に少なくとも1回は上記連結面で反射する光のうち、該出射面で全反射した後に該連結面で全反射してその後に該出射面から出射する光を反射して、上記照射対象へ案内する反射ミラーを設けたことを特徴とする光照射装置。 - 請求項1の光照射装置において、
上記入射面から入射した入射光のうち上記連結面で反射することなく上記出射面に到達する入射光の入射面法線方向に対する最大角度をδ Max とし、上記出射面の内面側における臨界角をZとしたとき、上記連結面部分の導光体内部側と該出射面の導光体内部側とのなす角度θを、下記の式(1)に示す条件を満たすように設定したことを特徴とする光照射装置。
θ < (90°−Z−δ Max )・・・(1) - 請求項1又は2の光照射装置において、
上記特定入射光の入射面法線方向に対する最大角度をδとし、上記出射面の内面側における臨界角をZとしたとき、上記連結面部分の導光体内部側と該出射面の導光体内部側とのなす角度θを、下記の式(2)に示す条件を満たすように設定したことを特徴とする光照射装置。
{(90°−Z−δ)/3} ≦ θ < {(90°−Z−δ)/2}・・・(2) - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光照射装置において、
上記導光体は、平板状部材の平面部上に設けられており、
上記光源部は、該平板状部材の該平面部に対して略平行な方向へ光を照射するように該平面部上に設けられていることを特徴とする光照射装置。 - 請求項4の光照射装置において、
上記平板状部材は、上記光源部を駆動するための回路基板であることを特徴とする光照射装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光照射装置において、
上記光源部から出射した光のすべてが上記導光体の入射面に入射するように、該光源部及び該導光体を配置したことを特徴とする光照射装置。 - 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光照射装置において、
上記光源部は、複数の光源が一列又は複数列に配置されたものであることを特徴とする光照射装置。 - 原稿面に対して光を照射する光照射手段と、該原稿面からの反射光を受光して該原稿面の画像を読み取る画像読取手段とを備えた画像読取装置において、
上記光照射手段として、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光照射装置を用いたことを特徴とする画像読取装置。 - 原稿面の画像を読み取る画像読取部と、
該画像読取部で読み取った画像情報に基づいて記録材上に画像を形成する画像形成部とを備えた画像形成装置において、
上記画像読取部として、請求項8の画像読取装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
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