JP5012737B2 - 半導体装置 - Google Patents

半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5012737B2
JP5012737B2 JP2008226982A JP2008226982A JP5012737B2 JP 5012737 B2 JP5012737 B2 JP 5012737B2 JP 2008226982 A JP2008226982 A JP 2008226982A JP 2008226982 A JP2008226982 A JP 2008226982A JP 5012737 B2 JP5012737 B2 JP 5012737B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diode
vth1
current
detection threshold
potential difference
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008226982A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009268336A (ja
Inventor
憲司 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2008226982A priority Critical patent/JP5012737B2/ja
Publication of JP2009268336A publication Critical patent/JP2009268336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5012737B2 publication Critical patent/JP5012737B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Power Conversion In General (AREA)

Description

本発明は、ダイオード内蔵IGBT素子を備えた半導体装置に関し、特にダイオード素子とIGBT素子とが干渉しないようにしたものに関する。
従来より、ダイオード素子とIGBT素子とが同一の半導体基板に設けられたダイオード内蔵IGBT素子が提案されている(例えば特許文献1参照)。このダイオード内蔵IGBT素子は、ダイオード素子のアノード電極とIGBT素子のエミッタ電極とが共通電極とされ、ダイオード素子のカソード電極とIGBT素子のコレクタ電極とが共通電極とされる構造になっている。このダイオード内蔵IGBT素子は例えばインバータ回路に組み入れられ、負荷をPWM制御するものとして用いられる。
特開平6−351226号公報
しかしながら、上記従来のダイオード内蔵IGBT素子をインバータ回路に組み入れた場合、IGBT素子のゲート信号は原則、上下アームに位相反転した信号となるため、例えば、ダイオード素子がフリーホイール動作するタイミングでもIGBT素子にゲート信号が入力される。つまり、ダイオード素子の動作とIGBT素子の動作とが同時に起こる。なお、IGBT素子の動作とは、より詳しくはIGBT素子にゲート信号が入力されることを指す。
このように、ダイオード素子の動作とIGBT素子の動作とが同時に起こると、上記のように各電極が共通とされているため、IGBT素子のチャネルがオンするとダイオード素子のアノードとカソードとが同電位になろうとする。これにより、IGBT素子のゲート電位によってボディーダイオードが順方向動作しにくくなる。その結果、ダイオード素子の順方向電圧Vfが増加し、ダイオード素子の順方向損失が増加してしまうという問題があった。
このような問題をデバイス構造で回避する方法として、例えばProceedings of 2004 International Symposium on Power Semiconductor Devices & ICs, pp261-264に示されるように、IGBTセルのボディーダイオードとは別にダイオード専用域、すなわちゲートが存在しない領域を設けることも考えられる。しかし、IGBT素子として動作しない領域、つまりダイオード動作のみを行う領域が増えてしまう。このため、チップサイズを維持してダイオード専用域を設けると、IGBT素子のオン電圧が増加してしまう。なお、ダイオード素子のオン電圧を固定すると、チップサイズが増加してしまう。
一方、DC−DCコンバータなどでは、ダイオード素子を内蔵するDMOS素子をスイッチング素子として制御回路に組み入れ、同期整流制御を行う方法が良く知られている。このダイオード内蔵DMOS素子においてダイオード素子に電流が流れると、ダイオード素子に順方向電圧が発生し、この順方向電圧分のDC損失が生じてしまう。そこで、こうした同期整流制御を行う場合、還流用DMOS素子のゲート信号をオンさせるために、電流トランスを使ってDMOS素子の電流を検知する方法が一般的である(例えば、特開2004−180386号公報)。
しかし、電流センス素子として電流トランスが必要であり、回路規模が大きくなるという問題があった。そこで、これを改善する方法として、スイッチング素子の両端電圧をモニタする方式の採用が考えられる(例えば、特開2004−208407号公報)。しかし、この方式では、電源電圧が高い場合、その電圧に耐えられる入力端子を持つ制御ICが必要であり、高電圧スイチング時に発生するノイズ耐量も厳しくなるため、保護素子を追加するなどの高耐量設計が必要になる。このため制御ICのコストが増えるという問題があった。
本発明は、上記点に鑑み、ダイオード内蔵IGBT素子を備えた半導体装置において、ダイオード素子の動作とIGBT素子の動作との干渉を回避してダイオードの順方向損失増加を防止することを第1の目的とし、ダイオード内蔵DMOS素子を備えた半導体装置において、ダイオード素子の動作とDMOS素子の動作とを同期させてダイオード素子の順方向電圧分の損失増加を防止することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ダイオード素子(22a)とゲートに入力される駆動信号によって駆動されるIGBT素子(21a)とが同一の半導体基板に設けられてなるダイオード内蔵IGBT素子(20)と、ダイオード素子(22a)と同一の構造であると共にダイオード素子(22a)に流れる電流に比例した電流が流れるダイオードセンス素子(22b)と、IGBT素子(21a)と同一の構造であると共にIGBT素子(21a)に流れる電流に比例した電流が流れるIGBTセンス素子(21b)と、からなる電流センス素子(61)と、外部から入力した駆動信号を通過させてIGBT素子(21a)のゲートに入力するものであって、ダイオード素子(22a)に流れる電流を検出し、ダイオード素子(22a)に電流が流れていない場合、外部から入力される駆動信号の通過を許可する一方、ダイオード素子(22a)に電流が流れている場合、駆動信号の通過を停止するフィードバック手段(10、30、40)を備えていることを特徴とする。
これにより、ダイオード素子(22a)に電流が流れている場合、IGBT素子(21a)の駆動を停止させることができる。すなわち、ダイオード素子(22a)に電流が流れている場合、IGBT素子(21a)に当該IGBT素子(21a)を駆動させるためのゲート信号が入力されないようにしているため、ダイオード素子(22a)の動作とIGBT素子(21a)の動作との干渉を回避することができる。
したがって、ダイオード素子(22a)とIGBT素子(21a)とが同時にオンするために、IGBT素子(21a)と同一の半導体基板に形成されたダイオード素子(22a)が順方向動作しにくくなることで起こるダイオード素子(22a)の順方向電圧の増加を回避することができる。こうして、ダイオード素子(22a)の順方向電圧の損失増加を防止することができる。
また、フィードバック手段(10、30、40)は、前記ダイオード素子(22a)に流れる電流を検出するためのセンス抵抗(30)を備えている。そして、ダイオードセンス素子(22b)に流れる電流がセンス抵抗(30)に流れ、IGBTセンス素子(21b)に流れる電流がセンス抵抗(30)に流れるようにすることができる。
さらに、請求項1に記載の発明では、フィードバック手段(10、30、40)は、IGBT素子(21a)に流れる電流を検出し、IGBT素子(21a)に過剰電流が流れていない場合、外部から入力される駆動信号の通過を許可する一方、IGBT素子(21a)に過剰電流が流れている場合、駆動信号の通過を停止するようになっていることを特徴とする。
このように、IGBT素子(21a)に過剰電流が流れている場合にも、IGBT素子(21a)の駆動を停止することができ、IGBT素子(21a)の素子破壊を防止することができる。
また、請求項2に記載の発明では、フィードバック手段(10、30、40)は、ダイオード素子(22a)に電流が流れていることを判定するために用いる第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)を有しており、センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)とを比較し、電位差(Vs)が第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい場合、外部から入力される駆動信号の通過を許可する一方、電位差(Vs)が第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも小さい場合、駆動信号の通過を停止するようになっていることを特徴とする。
このように、ダイオード素子(22a)に電流が流れていることを検出するため、センス抵抗(30)を用いた回路構成とすることができる。これにより、センス抵抗(30)の両端の電位差を利用してダイオード素子(22a)に流れる電流を検出することが可能となる。
そして、請求項に記載の発明では、ダイオード内蔵IGBT素子(20)が作動することにより発生する熱の温度に応じた順方向電圧を出力する感温ダイオード素子(50)を備えており、フィードバック手段(10、30、40)は、第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’)を有しており、感温ダイオード素子(50)から入力した感温ダイオード素子(50)の順方向電圧がダイオード内蔵IGBT素子(20)の高温状態を示す温度閾値を超える場合、センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’)とを比較するようになっていることを特徴とする。
これによると、ダイオード内蔵IGBT素子(20)が高温状態になった場合、ダイオード素子(22a)に流れる電流が微少であっても、ダイオード素子(22a)に電流が流れていることを判定することができる。これにより、ダイオード内蔵IGBT素子(20)が高温状態であってダイオード素子(22a)に小電流が流れたとき、IGBT素子(21a)の駆動を停止することができるため、ダイオード内蔵IGBT素子(20)が高温によって破壊されてしまうことを防止することができる。
請求項に記載の発明では、フィードバック手段(10、30、40)は、IGBT素子(21a)に過剰電流が流れていることを判定するために用いる過電流検知閾値(Vth2)を有しており、センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と過電流検知閾値(Vth2)とを比較し、電位差(Vs)が過電流検知閾値(Vth2)よりも小さい場合、外部から入力される駆動信号の通過を許可する一方、電位差(Vs)が過電流検知閾値(Vth2)よりも大きい場合、駆動信号の通過を停止するようになっていることを特徴とする。
このように、ダイオード素子(22a)と同様に、IGBT素子(21a)に流れる電流をセンス抵抗(30)の両端の電位差を利用して検出することができる。
請求項に記載の発明では、ダイオード素子(121)とゲートに入力される駆動信号によって駆動されるDMOS素子(111)とが同一の半導体基板に設けられてなるダイオード内蔵DMOS素子(100)と、ダイオード素子(121)に流れる電流を検出し、ダイオード素子(121)に電流が流れていない場合、DMOS素子(111)の駆動を停止する一方、ダイオード素子(121)に順方向に電流が流れている場合、DMOS素子(111)を駆動してダイオード素子(121)に順方向の電流が流れる向きと同じ向きの電流をDMOS素子(111)に流すフィードバック手段(200)を備えていることを特徴とする。
これにより、ダイオード素子(121)に順方向電流が流れるときにはDMOS素子(111)を介して流すようにすることができる。したがって、ダイオード素子(121)に順方向電流を流す際に生じる順方向電圧Vf分のDC損失の増加を防止することができる。
請求項に記載の発明では、フィードバック手段(200)は、ダイオード素子(121)に流れる電流を検出するためのセンス抵抗(30)を備え、ダイオード素子(121)に電流が流れていることを判定するために用いる第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)を有しており、センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)とを比較し、電位差(Vs)が第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい場合、DMOS素子(111)の駆動を停止し、電位差(Vs)が第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも小さい場合、DMOS素子(111)を駆動するようになっていることを特徴とする。
このように、センス抵抗(30)の両端に生じる電位差(Vs)を用いてダイオード素子(121)に電流が流れていることを検知することができる。
請求項に記載の発明のように、ダイオード内蔵DMOS素子(100)に、当該ダイオード内蔵DMOS素子(100)の一部として、ダイオード素子(121)と同一の構造であると共にダイオード素子(121)に流れる電流に比例した電流が流れるダイオードセンス素子(122)を備え、このダイオードセンス素子(122)に流れる電流をセンス抵抗(30)に流すことで、センス抵抗(30)に電位差(Vs)を生じさせることができる。
請求項に記載の発明では、ダイオード内蔵DMOS素子(100)が作動することにより発生する熱の温度に応じた順方向電圧を出力する感温ダイオード素子(50)を備えており、フィードバック手段(200)は、第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’)を有しており、感温ダイオード素子(50)から入力した感温ダイオード素子(50)の順方向電圧がダイオード内蔵DMOS素子(100)の高温状態を示す温度閾値を超える場合、センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’)とを比較するようになっていることを特徴とする。
これにより、ダイオード素子(121)のDC損失が問題となる高温動作時には、ダイオード素子(121)に流れる電流を検知しやすくすることができる。したがって、小電流がダイオード素子(121)に流れた場合でもDMOS素子(111)をオンさせてDMOS素子(111)に電流を流すことができるので、ダイオード素子(121)のDC損失増加を防止しつつ、ダイオード素子(121)の発熱をより抑えることができる。
請求項に記載の発明では、フィードバック手段(200)は、第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい第3ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)を有しており、電位差(Vs)の値が負側に変化する場合、第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)と電位差(Vs)とを比較してDMOS素子(111)を駆動させるか否かを判定する一方、電位差(Vs)の値が正側に変化する場合、第3ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)と電位差(Vs)とを比較してDMOS素子(111)を駆動させるか否かを判定するようになっていることを特徴とする。
これにより、第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)や第3ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)の近傍で電位差(Vs)がノイズによって振動したとしても、ノイズによってDMOS素子(111)のオン/オフが切り替わらないようにすることができる。したがって、半導体装置のノイズ耐量を向上させることができる。
請求項10に記載の発明では、フィードバック手段(200)は、ダイオード素子(121)に流れる電流を検出するためのセンス抵抗(30)を備え、ダイオード素子(121)に電流が流れていることを判定するために用いられ、DMOS素子(111)に流れるドレイン電流が第1ドレイン電流値(Id1)であるときのセンス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)に相当する第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)と、ドレイン電流が第1ドレイン電流値(Id1)よりも大きい第2ドレイン電流値(Id2)であるときの電位差(Vs)に相当すると共に第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)とを有し、電位差(Vs)の値が負側に変化する場合、第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)と電位差(Vs)とを比較し、電位差(Vs)が第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きいときにはDMOS素子(111)のゲート駆動を停止したままにする一方、電位差(Vs)が第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも小さいときにはDMOS素子(111)をゲート駆動し、電位差(Vs)の値が正側に変化する場合、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)と電位差(Vs)とを比較し、電位差(Vs)が第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)よりも大きいときにはDMOS素子(111)のゲート駆動を停止する一方、電位差(Vs)が第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)よりも小さいときにはDMOS素子(111)をゲート駆動したままとすることを特徴とする。
これによると、DMOS素子(111)のゲートをオン/オフさせる判定閾値については、第2ドレイン電流値(Id2)が第1ドレイン電流値(Id1)よりも大きく、かつ、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)が第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きくなっている。すなわち、DMOS素子(111)のゲートをオンした後の電位差(Vs)の値が大きくなっても、該電位差(Vs)が第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)を上回るほど大きくならないので、再度ゲートがオフすることはない。したがって、DMOS素子(111)のゲートがオン/オフを繰り返す発振を防止することができる。
請求項11に記載の発明では、ダイオード内蔵DMOS素子(100)は、当該ダイオード内蔵DMOS素子(100)の一部として、ダイオード素子(121)と同一の構造であると共にダイオード素子(121)に流れる電流に比例した電流が流れるダイオードセンス素子(122)を有し、このダイオードセンス素子(122)に流れる電流がセンス抵抗(30)に流れることで、センス抵抗(30)に電位差(Vs)が生じるようになっていることを特徴とする。
このように、ダイオードセンス素子(122)を用いることで、センス抵抗(30)に電位差(Vs)が生じるようにすることができる。
請求項12に記載の発明では、ダイオード内蔵DMOS素子(100)が作動することにより発生する熱の温度に応じた順方向電圧を出力する感温ダイオード素子(50)を備えており、フィードバック手段(200)は、感温ダイオード素子(50)の順方向電圧から換算した素子の温度に対して、この素子の温度変化に伴って第1、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1、Vth1’’)の値が変化する温度補正マップを有し、第1、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1、Vth1’’)と電位差(Vs)との比較を行うときには、温度補正マップを用いて第1、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1、Vth1’’)を素子の温度変化に応じた値に補正して比較を行うことを特徴とする。
このように、第1、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1、Vth1’’)の温度補正を行うことで、常に一定の電流で同期整流を行うことができる。
請求項13に記載の発明では、フィードバック手段(200)からDMOS素子(111)を駆動させる駆動信号が入力されるようになっており、外部からDMOS素子(111)を駆動させるスイッチング信号が入力されるようになっており、駆動信号が入力されずにスイッチング信号が入力されたとき、スイッチング信号に従ってDMOS素子(111)を駆動することによりDMOS素子(111)をスイッチング素子として機能させる駆動手段(400)を備えていることを特徴とする。
これにより、ダイオード素子(121)による整流機能と、DMOS素子(111)によるスイッチング機能との両方を兼ね備えた半導体装置を提供することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態で示される半導体装置は、例えば、EHV用インバータモジュールに使われるパワースイッチング素子(以下、ダイオード内蔵IGBT素子という)として用いられる。
図1は、本実施形態に係る半導体装置の回路図である。この図に示されるように、半導体装置は、AND回路10と、ダイオード内蔵IGBT素子20と、センス抵抗30と、フィードバック回路40とを備えて構成されている。
AND回路10は、入力されるすべての信号がHiレベルのとき、Hiレベルの信号を出力するロジック回路であり、いわゆるAND回路である。このAND回路10には、ダイオード内蔵IGBT素子20を駆動するための外部からのPWMゲート信号とフィードバック回路40の出力とが入力されるようになっている。なお、PWMゲート信号は外部のPWM信号発生回路等で生成され、AND回路10の入力端子に入力されるようになっている。また、PWMゲート信号は本発明の駆動信号に相当する。
ダイオード内蔵IGBT素子20は、IGBT部21とダイオード部22とにより構成されたものである。このようなダイオード内蔵IGBT素子20は、IGBT部21とダイオード部22とが同一の半導体基板に形成されたものである。
IGBT部21は、負荷等に接続されるメイン用のIGBT素子21aと、メイン用のIGBT素子21aに流れる電流を検出するために用いられる電流検出用のIGBTセンス素子21bとを備えている。これらIGBT素子21aおよびIGBTセンス素子21bはそれぞれ同一の構造に形成される。IGBTセンス素子21bには、IGBT素子21aに流れる電流に比例した電流が流れるようになっている。これらIGBT素子21aおよびIGBTセンス素子21bは、例えばトレンチゲート構造により構成されるものであり、ゲートはそれぞれ共通化されている。
なお、IGBT素子21aおよびIGBTセンス素子21bとして、例えば、N−型ドリフト層の表層部に、チャネル領域を設定するP型ベース領域が形成され、P型ベース領域の表層部にN+型ソース領域が形成されており、N+型ソース領域およびP型ベース領域を貫通してN−型ドリフト層に達するようにトレンチが形成され、さらにトレンチの内壁にSiOで構成されたゲート絶縁膜とPolySiで構成されたゲート電極とが順に形成され、これらトレンチ、ゲート絶縁膜、ゲート電極からなるトレンチゲート構造が構成されているものを採用することができる。
これらメイン用のIGBT素子21aおよび電流検出用のIGBTセンス素子21bにおけるゲート電圧の制御は、AND回路10を通過したPWMゲート信号によって行われるようになっている。すなわち、例えば、AND回路10の通過を許可されたPWMゲート信号がHiレベルの信号であればIGBT素子21aをオンして駆動することができ、PWMゲート信号がLowレベルの信号であればIGBT素子21aをオフして駆動を停止させることができる。他方、PWMゲート信号がAND回路10の通過を停止された場合、IGBT素子21aおよびIGBTセンス素子21bは駆動されない。
また、IGBT素子21aのコレクタに図示しない負荷や電源等が接続され、IGBT素子21aのコレクタ−エミッタ間にメイン電流が流れる。電流検出セル側のIGBTセンス素子21bのコレクタは、メインセル側のIGBT素子21aのコレクタと共通化されており、電流検出セル側のIGBTセンス素子21bのエミッタはセンス抵抗30の一端に接続されている。センス抵抗30の他端はIGBT素子21aのエミッタに接続されている。これにより、電流検出セル側のIGBTセンス素子21bのエミッタから流れる電流検出用のセンス電流、すなわちメイン用のIGBT素子21aに流れる電流に比例する電流がセンス抵抗30を流れ、センス抵抗30の両端の電位差Vsがフィードバック回路40にフィードバックされるようになっている。
ダイオード部22はIGBT素子21aに流れる負荷電流を転流させるためのものであり、IGBT素子21aに接続されるメイン用のダイオード素子22aと、メイン用のダイオード素子22aに流れる電流を検出するために用いられる電流検出用のダイオードセンス素子22bとを備えている。これらメイン用のダイオード素子22aと電流検出用のダイオードセンス素子22bとの各カソードは共通化されている。
ダイオード部22のうちダイオード素子22aのアノードはIGBT素子21aのエミッタに接続され、ダイオードセンス素子22bのアノードはセンス抵抗30の一端に接続されている。また、ダイオード素子22aおよびダイオードセンス素子22bのカソードはIGBT素子21aのコレクタに接続されている。
なお、ダイオード素子22aおよびダイオードセンス素子22bとして、例えば、半導体基板の表層部にIGBT部21と同様のトレンチゲート構造が多数形成されていると共に、N型シリコン基板の裏面上にN+型領域が設けられた構造を採用することができる。このような構成において、IGBT部21を構成するP型ベース領域とN−型ドリフト層とをPNダイオードとして機能させることができる。
フィードバック回路40は、ダイオード素子22aに電流が流れているか否か、IGBT素子21aに過剰電流が流れているか否かを判定し、判定結果に従ってAND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過を許可または停止させるものである。このため、フィードバック回路40は、ダイオード素子22aに電流が流れていることを判定するために用いるダイオード電流検知閾値Vth1と、IGBT素子21aに過剰電流が流れていることを判定するために用いる過電流検知閾値Vth2とを有している。なお、本実施形態では、これらダイオード電流検知閾値Vth1や過電流検知閾値Vth2は電圧値になっている。
IGBT素子21aが正常に駆動される場合、すなわちダイオード素子22aに電流が流れない場合、IGBTセンス素子21bからセンス抵抗30に電流が流れる。このため、IGBT素子21aのエミッタの電位を基準とするとセンス抵抗30の両端の電位差Vsは正の値となる。逆に、ダイオード素子22aに電流が流れる場合、センス抵抗30からダイオードセンス素子22bに電流が流れる。このため、IGBT素子21aのエミッタを基準とするとセンス抵抗30の両端の電位差Vsは負となる。したがって、ダイオード素子22aに電流が流れていることを検出するため、ダイオード電流検知閾値Vth1を負の値とする。
他方、IGBT素子21aが正常に駆動される場合、上記のように、センス抵抗30の両端の電位差Vsは正の値となる。しかし、IGBT素子21aに過剰電流が流れる場合、IGBTセンス素子21bからセンス抵抗30に流れるセンス電流の値は大きくなるため、過電流検知閾値Vth2を正の値とする。
このようなフィードバック回路40は、IGBT素子21aを駆動する場合、AND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過を許可する出力をする一方、センス抵抗30の両端の電位差Vsを入力し、当該電位差Vsがダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さい場合もしくは過電流検知閾値Vth2よりも大きい場合、AND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過を停止させる出力をする。また、フィードバック回路40は、例えばオペアンプ等の回路が組み合わされて構成されるものである。以上が、本実施形態に係る半導体装置の全体構成である。
なお、上記のAND回路10、センス抵抗30、およびフィードバック回路40は、本発明のフィードバック手段に相当する。
次に、上記半導体装置の作動について、図2を参照して説明する。図2は、センス抵抗30の両端の電位差Vs、ダイオード電流検知閾値Vth1、過電流検知閾値Vth2、およびフィードバック回路40の出力の関係を示した図である。まず、半導体装置の通常の作動について説明する。
PWM信号発生回路等の外部回路にて半導体装置のIGBT素子21aを駆動するための駆動信号としてPWMゲート信号が生成され、AND回路10に入力される。他方、ダイオード素子22aはオフになっており、ダイオードセンス素子22bにも電流は流れない。このため、センス抵抗30のうちIGBTセンス素子21bに接続される一端側の電位がIGBT素子21aのエミッタに接続される他端側よりも高くなり、IGBT素子21aのエミッタを基準とするセンス抵抗30の両端の電位差Vsは正の値となる。
したがって、図2に示されるように、電位差Vsは負のダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きいため、フィードバック回路40にてダイオード素子22aに電流が流れていないと判定される。これにより、フィードバック回路40の出力は、図2に示されるようなHiレベルとされ、AND回路10に入力される。そして、AND回路10にHiレベルのPWMゲート信号およびフィードバック回路40の出力が入力されると、PWMゲート信号はAND回路10の通過が許可されてIGBT部21に入力され、IGBT部21がオンする。こうして、IGBT素子21aが駆動され、IGBT素子21aのコレクタもしくはエミッタに接続された図示しない負荷に電流が流れる。
ダイオード素子22aに電流が流れる場合、センス抵抗30のうちIGBT素子21aのエミッタに接続された他端がIGBTセンス素子21bのエミッタに接続された一端よりも電位が高くなるため、IGBT素子21aのエミッタを基準とするセンス抵抗30の両端の電位差Vsは負となる。
このため、電位差Vsがダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さくなった場合、フィードバック回路40にてダイオード素子22aに電流が流れていると判定される。これにより、フィードバック回路40の出力はAND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過を停止する出力とされ、AND回路10に入力される。
したがって、AND回路10からIGBT部21を駆動する信号が入力されないため、IGBT素子21aの駆動が停止される。つまり、ダイオード素子22aの順方向動作時にIGBT素子21aは動作しない。
これによると、IGBT素子21aとダイオード素子22aとが同一の半導体基板に形成されることにより、ダイオード素子22aが順方向動作する際にIGBT素子21aのチャネルがオンすることで、ダイオード素子22aのアノードとカソードとが同電位になろうとすることはなく、IGBT素子21aのゲート電位によってダイオード素子22aが順方向動作しにくくなることはない。すなわち、ダイオード素子22aの動作とIGBT素子21aの動作、より詳しくはダイオード素子22aとIGBT素子21aのゲート信号との干渉を回避することができる。これにより、ダイオード素子22aの順方向電圧の増加を回避することができるので、ダイオード素子22aの順方向電圧の損失増加を防止することができる。
他方、IGBT素子21aに過剰電流が流れる場合、IGBTセンス素子21bからセンス抵抗30に流れるセンス電流も過剰電流に比例して大きくなる。当該電位差VsはIGBT素子21aが正常に動作する際にIGBT素子21aに電流が流れる場合の電位差Vsよりも高くなる。
したがって、電位差Vsが過電流検知閾値Vth2よりも大きくなった場合、フィードバック回路40にてIGBT素子21aに過剰電流が流れていると判定される。これにより、上記と同様に、フィードバック回路40の出力によってAND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過が停止され、IGBT素子21aの駆動が停止される。こうして、IGBT素子21aに流れる過剰電流によってIGBT素子21aが破壊されてしまうことを防止することができる。
上記のように、本実施形態では、ダイオード電流検知閾値Vth1および過電流検知閾値Vth2を設けている。これにより、IGBT素子21aのエミッタを基準としたときのセンス抵抗30の両端の電位差Vsがダイオード電流検知閾値Vth1以上、かつ、過電流検知閾値Vth2以下の場合、フィードバック回路40の出力はAND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過を許可する出力となる。
以上説明したように、本実施形態では、ダイオード素子22aに流れる電流を、ダイオードセンス素子22bおよびセンス抵抗30にてセンシングすることが特徴となっている。すなわち、IGBTセンス素子21bに接続されたセンス抵抗30の両端の電位差Vsをモニタすることにより、ダイオード素子22aに電流が流れているかを判定し、当該判定結果に従って、フィードバック回路40の出力によって、AND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過を許可または停止することを特徴としている。
これによると、ダイオード素子22aに電流が流れる場合、IGBT素子21aの駆動が停止される、すなわちAND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過が停止され、IGBT素子21aの動作が停止される。このため、IGBT素子21aの動作とダイオード素子22aの動作とが干渉しないようにすることができる。これにより、ダイオード素子22aが動作する際にIGBT素子21aが動作することで生じるダイオード素子22aの順方向電圧Vfの増加を防止でき、ひいてはダイオード素子22aの順方向電圧Vfの増加に伴う順方向損失の増加を防止することができる。
また、フィードバック回路40は、センス抵抗30に流れる電流をセンシングすることで、IGBT素子21aに過剰電流が流れているかを判定している。そして、フィードバック回路40にてIGBT素子21aに過剰電流が流れていると判定されると、IGBT素子21aの駆動を停止することができる。これにより、IGBT素子21aの破壊を防止することができる。
さらに、AND回路10、センス抵抗30、フィードバック回路40を採用した半導体装置を構成することで、ダイオード内蔵IGBT素子20の素子構造を変更する必要もなく、チップサイズを増加させる必要もない。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、半導体装置の温度検出を行い、当該温度検出に従ってダイオード電流検知閾値Vth1を変更することが特徴となっている。
図3は、本実施形態に係る半導体装置の回路図である。この図に示されるように、本実施形態に係る半導体装置は、図1に示される構成に感温ダイオード素子50が備えられた構成となっている。
感温ダイオード素子50は、半導体装置の温度、より詳しくはダイオード内蔵IGBT素子20の温度を測定するために用いられるものである。この感温ダイオード素子50は、温度に応じた電圧を出力するもの、すなわち順方向電圧の値が変化するものであり、ダイオード内蔵IGBT素子20が作動することにより発生する熱に応じた順方向電圧を出力するものである。
このような感温ダイオード素子50は、例えば、半導体基板上に形成された絶縁膜上に多結晶SiがN型層、P型層としてそれぞれ形成されることで構成される。図3に示されるように、本実施形態では4つの感温ダイオード素子50が直列に接続され、グランドに対する感温ダイオード素子50のトータルの順方向電圧Vmがフィードバック回路40に入力される回路形態になっている。
感温ダイオード素子50にはフィードバック回路40から一定電流が流されるようになっている。そして、上述のように、温度に応じて変化した感温ダイオード素子50の順方向電圧Vmがフィードバック回路40に入力される。
また、本実施形態では、フィードバック回路40は2つのダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’を有している。以下では、Vth1を第1ダイオード電流検知閾値とし、Vth1’を第2ダイオード電流検知閾値とする。第2ダイオード電流検知閾値Vth1’は、第1ダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きい値になっている。
さらに、フィードバック回路40は、感温ダイオード素子50から入力される順方向電圧Vmがダイオード内蔵IGBT素子20の高温状態を示す温度閾値を超えると判定した場合、第1ダイオード電流検知閾値Vth1ではなく第2ダイオード電流検知閾値Vth1’とセンス抵抗30の両端の電位差Vsとを比較する。
すなわち、フィードバック回路40は、ダイオード内蔵IGBT素子20が高温状態になっている場合、ダイオード素子22aに流れる電流が微少であっても、ダイオード素子22aに電流が流れていることを判定しやすくする。これにより、フィードバック回路40は、ダイオード素子22aに微少電流が流れた場合でもIGBT素子21aの駆動を停止し、ダイオード内蔵IGBT素子20の発熱を抑制する。
次に、ダイオード内蔵IGBT素子20が高温状態の場合における半導体装置の作動について、図4を参照して説明する。図4は、センス抵抗30の両端の電位差Vs、第1ダイオード電流検知閾値Vth1、第2ダイオード電流検知閾値Vth1’、過電流検知閾値Vth2、およびフィードバック回路40の出力の関係を示した図である。
第1実施形態と同様に、AND回路10にPWMゲート信号とフィードバック回路40の出力とが入力されることで、AND回路10に入力されるPWMゲート信号の通過が許可され、IGBT素子21aが駆動される。この場合、感温ダイオード素子50にてダイオード内蔵IGBT素子20の温度に応じた順方向電圧Vmが検出され、当該順方向電圧Vmがフィードバック回路40に入力される。
また、フィードバック回路40では、感温ダイオード素子50から入力される順方向電圧Vmが温度閾値を超えると判定された場合、図4に示されるように第1ダイオード電流検知閾値Vth1が第2ダイオード電流検知閾値Vth1’に変更される。
これにより、電位差Vsが第1ダイオード電流検知閾値Vth1と比較される場合よりも、センス抵抗30に流れるセンス電流が小さくても、ダイオード素子22aに電流が流れていることを判定できるようになる。
そして、センス抵抗30の両端の電位差Vsが第2ダイオード電流検知閾値Vth1’よりも小さくなった場合、フィードバック回路40にてダイオード素子22aに電流が流れていると判定され、第1実施形態と同様に、IGBT素子21aの駆動が停止される。
以上のように、ダイオード内蔵IGBT素子20が高温になった場合、ダイオード素子22aに流れる電流の有無の判定基準を変更することで、ダイオード素子22aに電流が流れているか否かを判定しやすくすることができる。これにより、ダイオード素子22aに流れる電流が小電流域の値であっても、IGBT素子21aのゲート信号とダイオード素子22aとの電位干渉を防止することができ、さらにIGBT素子21aの駆動を停止することでダイオード内蔵IGBT素子20の発熱を抑制することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第2実施形態では、各構成要素を別々の部品として構成していたが、本実施形態では、第2実施形態で示された各構成要素を1つのチップに作り込んだことを特徴としている。
図5(a)は、本実施形態に係る半導体チップ60の全体模式図である。また、図5(b)は半導体チップ60に備えられる回路の回路図であり、図3に示される回路図と同じものである。図5(a)に示されるように、半導体チップ60は、ダイオード内蔵IGBT素子20と、感温ダイオード素子50と、処理回路部70と、電流センス素子61と、ゲートパッド62と、ガードリング63とを備えている。
図5(a)に示される処理回路部70は、図5(b)に示されるフィードバック回路40、AND回路10、センス抵抗30によって構成されるものである。フィードバック回路40は、例えば薄膜トランジスタ回路によって構成される。
また、電流センス素子61は、IGBT素子21aおよびダイオード素子22aに流れる電流をセンシングするものであり、ダイオードセンス素子22bおよびIGBTセンス素子21bが備えられたものである。本実施形態では、ダイオード内蔵IGBT素子20にダイオードセンス素子22bは備えられておらず、電流センス素子61にてダイオード素子21aに流れる電流が検出される。なお、本実施形態では、電流センス素子61はIGBT素子21aおよびダイオード素子22a両方をセンシングする兼用のものとして構成されている。「兼用」とは、ダイオード素子22aに流れる電流およびIGBT素子21aに流れる電流の両方を検出できることを意味している。
感温ダイオード素子50は、例えば半導体チップ60の中心部に配置されている。半導体チップ60が作動することによって発生する熱が半導体チップ60の中心部に集中することでもっとも高くなることが知られていることから、感温ダイオード素子50は半導体チップ60の中心部に配置される。
ゲートパッド62は、AND回路10の入力端子に接続されるものであり、外部からPWMゲート信号が入力される電極である。
そして、ダイオード内蔵IGBT素子20、感温ダイオード素子50、処理回路部70、電流センス素子61、ゲートパッド62を囲むガードリング63が半導体チップ60の外縁部に設けられている。このガードリング63は半導体チップ60の耐圧を確保する役割を果たすものである。
以上のように、半導体装置を半導体チップ60に内蔵することで、IGBT部21を駆動するためのPWM制御回路として汎用回路を用いることができるようにすることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図6(a)は、本実施形態に係る半導体チップ60の全体模式図である。また、図6(b)は図6(a)に示される半導体チップ60の裏面構造を示した図である。なお、図6(a)に示される半導体チップ60には、第3実施形態と同様に、図5(b)の回路図に示される半導体装置が備えられている。
図6(a)に示されるように、本実施形態では、第3実施形態と異なり、半導体チップ60にダイオードセンス素子22bとIGBTセンス素子21bとがそれぞれ別個に設けられている。
また、図6(b)に示されるように、半導体チップ60はN型基板80に形成されたものであり、半導体チップ60の裏面にはIGBT部21を構成するP+型領域81とダイオード部22を構成するN+型領域82とが交互に繰り返し配置された構成になっている。
通常、IGBTセンス素子21bについてはチップ裏面がP+型領域81のみであるため、IGBTセンス素子21bの電流は流れるが、ダイオードセンス素子22bの電流は流れにくい。しかしながら、本実施形態では、チップ裏面にP+型領域81と共にN+型領域82を配置(両面アライメント)するので、ダイオードセンス素子22bの出力を大きくすることができ、ひいては電流検出感度を大きくすることができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1〜第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記第1〜第4実施形態では、スイッチング素子としてダイオード内蔵IGBT素子20が採用されていたが、本実施形態ではDMOS素子を採用することが特徴となっている。
すなわち、ダイオード動作をDMOS素子動作で行うよう、DMOS素子に内蔵したセンス素子を使ってダイオード素子に流れる電流極性をセンシングし、ダイオード素子が順方向に動作する時間は、DMOS素子のゲート信号をONにすることでDMOS素子にダイオード素子に流れる電流の向きと同じ向きの電流を流し、順方向電圧が生じるダイオード素子に電流が流れないようにしてダイオード素子のDC損失増加を防止するようにしたことが特徴となっている。
図7は、本実施形態に係る半導体装置の回路図である。この図に示されるように、半導体装置は、ダイオード内蔵DMOS素子100と、センス抵抗30と、フィードバック回路200とを備えて構成されている。ダイオード内蔵DMOS素子100およびセンス抵抗30の接続形態は図1に示されるものと同じである。
ダイオード内蔵DMOS素子100は、DMOS部110とダイオード部120とにより構成されている。このようなダイオード内蔵DMOS素子100は、DMOS部110とダイオード部120とが同一の半導体基板に形成されたものである。
DMOS部110は、負荷等に接続されるメイン用のDMOS素子111と、メイン用のDMOS素子111に流れる電流を検出するために用いられる電流検出用のDMOSセンス素子112とを備えている。これらDMOS素子111およびDMOSセンス素子112はそれぞれ同一の構造に形成される。DMOSセンス素子112には、DMOS素子111に流れる電流に比例した電流が流れるようになっている。メイン用のDMOS素子111および電流検出用のDMOSセンス素子112におけるゲート電圧の制御は、フィードバック回路200によって行われる。
ダイオード部120は、DMOS素子111に接続されるメイン用のダイオード素子121と、メイン用のダイオード素子121に流れる電流を検出するために用いられる電流検出用のダイオードセンス素子122とを備えている。
フィードバック回路200は、メイン用のDMOS素子111に電流が流れることでセンス抵抗30の両端に生じる電位差Vsを入力し、該電位差Vsに基づいてダイオード素子121に電流が流れているか否かを判定し、判定結果に従ってDMOS素子111の駆動を制御するものである。このため、フィードバック回路200は、ダイオード素子121に電流が流れていることを判定するために用いるダイオード電流検知閾値Vth1を有している。ダイオード電流検知閾値Vth1は例えば電圧値である。ここで、第1実施形態と同様に、ダイオード素子121に電流が流れていることを検出するため、ダイオード電流検知閾値Vth1を負の値とする。なお、フィードバック回路200は電源300から電圧が印加されることにより作動する。また、フィードバック回路200とセンス抵抗30とが特許請求の範囲のフィードバック手段に対応する。
次に、上記半導体装置の作動について、図8を参照して説明する。図8は、センス抵抗30の両端の電位差Vs、ダイオード電流検知閾値Vth1、およびフィードバック回路200の出力の関係を示した図である。
まず、同期整流でダイオード素子121が動作するタイミングでは、ダイオード素子121に順方向、つまりダイオード素子121のアノードからカソードに電流が流れる。これに伴い、ダイオードセンス素子122にも電流が流れ、ダイオードセンス素子122に接続されたセンス抵抗30に電位が発生する。
すなわち、ダイオード素子121に順方向電流が流れる場合、センス抵抗30のうちDMOS素子111のソースに接続された他端がDMOSセンス素子112のソースに接続された一端よりも電位が高くなるため、DMOS素子111のソースを基準とするセンス抵抗30の両端の電位差Vsは負の値となる。この負の電位差Vsはフィードバック回路200に入力され、負の電位差Vsと負のダイオード電流検知閾値Vth1とが比較される。そして、電位差Vsがダイオード電流検知閾値Vth1よりも負の値として大きい値であると、図8に示されるように、フィードバック回路200ではDMOS素子111をオンするゲート信号(Hi)が生成され、DMOS素子111がオンされる。
これによると、ダイオード素子121に電流を流す場合には順方向電圧Vfが必要となりこれが半導体装置が組み込まれた回路においてDC損失となるが、DMOS素子111がオンすれば該DMOS素子111は配線(抵抗体)として機能するため、電流はダイオード素子121にではなく、DMOS素子111のソースからドレインに流れる。すなわち、フィードバック回路200は、DMOS素子111をオンすることで、ダイオード素子121に順方向の電流が流れる向きと同じ向きの電流をDMOS素子111に流す。このようにして、ダイオード素子121に順方向に流れていた電流がDMOS素子111に流れ、ダイオード素子121に順方向電流を流すために必要となっていた順方向電圧Vfの損失増加を防止している。
一方、ダイオード素子121に整流作用が働き、ダイオード素子121に逆向きの電流が流れるタイミングでは、センス抵抗30のうちDMOSセンス素子112に接続される一端側の電位がDMOS素子111のソースに接続される他端側よりも高くなり、DMOS素子111のソースを基準とするセンス抵抗30の両端の電位差Vsは正の値となる。そして、フィードバック回路200にて正の電位差Vsが負のダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きい値であると判定されると、図8に示されるように、DMOS素子111をオフするゲート信号(Low)が生成され、フィードバック回路200によってDMOS素子111はオフされる。このように、ダイオード素子121に整流作用が働く際にはDMOS素子111はオフされる。
以上説明したように、本実施形態では、ダイオード内蔵DMOS素子100を用いた半導体装置において、ダイオード素子121に順方向の電流が流れるときにはDMOS素子111をオンさせてDMOS素子111に電流を流すようにすることが特徴となっている。これにより、ダイオード素子121に順方向電流が流れる際にダイオード素子121に生じる順方向電圧Vfの損失を発生させないようにすることができ、低損失なSW動作を行うことができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第5実施形態で示された図7の回路において、半導体装置の温度検出を行い、第2実施形態と同様に、当該温度検出に従ってダイオード電流検知閾値Vth1を変更することが特徴となっている。
図9は、本実施形態に係る半導体チップ60の平面図である。図9に示されるように、半導体チップ60は、ダイオード内蔵DMOS素子100と、感温ダイオード素子50と、処理回路部71と、電流センス素子61と、ゲートパッド62と、ガードリング63、ソースパッド64と、電源パッド65とを備えている。
ソースパッド64は、負荷に接続される電極である。また、電源パッド65は電源からフィードバック回路200に電圧を印加するための電極である。なお、半導体チップ60のうち図9に示される面を表面とすると、ドレインパッドは半導体チップ60の裏面に配置されている。このような構成の等価回路を図10に示す。
図10において、処理回路部71は、フィードバック回路200とセンス抵抗30とが含まれたものである。また、フィードバック回路200には、図3で示された感温ダイオード素子50が接続されている。これによると、感温ダイオード素子50にはフィードバック回路200から一定電流が流され、上述のように、温度に応じて変化した感温ダイオード素子50の順方向電圧Vmがフィードバック回路200に入力される。
フィードバック回路200は、第2実施形態と同様に、第1ダイオード電流検知閾値Vth1と、この第1ダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きい第2ダイオード電流検知閾値Vth1’を有している。そして、フィードバック回路200は、感温ダイオード素子50から入力される順方向電圧Vmがダイオード内蔵DMOS素子100の高温状態を示す温度閾値を超えると判定した場合、第1ダイオード電流検知閾値Vth1ではなく第2ダイオード電流検知閾値Vth1’とセンス抵抗30の両端の電位差Vsとを比較する。
すなわち、図11に示されるように、フィードバック回路200は、ダイオード内蔵DMOS素子100が高温状態になっている場合、ダイオード素子121に流れる電流が微少であっても、ダイオード素子121に電流が流れていることを判定しやすくする。これにより、フィードバック回路200は、ダイオード素子121に微少電流が流れた場合でもDMOS素子21aを駆動して、ダイオード素子121に順方向の電流を流さないようにする。
以上により、ダイオード素子121の損失が問題となる高温動作時には、フィードバック回路200においてダイオード電流検知の閾値を下げ、小電流域でもダイオード素子121のDC損失増加を防止することで、ダイオード素子121の発熱をより抑えることができる。
(第7実施形態)
本実施形態では、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、電位差Vsがノイズによって振動する場合に対し、ノイズ耐量を向上させたことが特徴となっている。
このため、フィードバック回路200は、ダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きいダイオード電流検知閾値Vth1’’を有している。ここで、ダイオード電流検知閾値Vth1を第1ダイオード電流検知閾値とし、Vth1’’を第3ダイオード電流検知閾値とする。
そして、図12に示されるように、電位差Vsの値が負側に変化する場合では、フィードバック回路200は第1ダイオード電流検知閾値Vth1によってDMOS素子111を駆動させるか否かを判定する。一方、電位差Vsの値が正側に変化する場合では、フィードバック回路200は第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’によってDMOS素子111を駆動させるか否かを判定する。このように、フィードバック回路200がシュミット回路のように作動する。
なお、「電位差Vsの値が負側に変化する」とは、電位差Vsの値が小さくなるように変化する場合を指す。同様に、「電位差Vsの値が正側に変化する」とは、電位差Vsの値が大きくなるように変化する場合を指す。
これにより、電位差Vsがノイズによって振動する場合があっても、第1ダイオード電流検知閾値Vth1と第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’との間のノイズマージンが設けられているため、ノイズによってDMOS素子111のオン/オフが切り替わってしまうことはなく、ノイズに強い半導体装置を実現することができる。
(第8実施形態)
本実施形態では、第5〜第7実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第5〜第7実施形態では、半導体装置はダイオード素子121に流れる電流を自己診断してDMOS素子111をオン/オフさせてダイオード素子121のDC損失の低減を図ることができるものであり、外部の回路ではダイオードとして機能するものであったが、本実施形態ではDMOS素子111をスイッチング素子として機能させることが特徴となっている。
図13は、本実施形態に係る半導体装置の回路図である。この図に示されるように、フィードバック回路200の出力はOR回路400に入力されるようになっている。また、OR回路400には外部の制御回路からDMOS素子111をスイッチングさせるためのスイッチング信号が入力されるようになっている。
したがって、ダイオード素子121に電流が流れる場合には、フィードバック回路200がDMOS素子111をオンさせる駆動信号をOR回路400に入力することでDMOS素子111がオンするため、第5実施形態で説明したように、図13に示される矢印500のようにDMOS素子111のソースからドレインに電流が流れてダイオード素子121の順方向電圧Vfの損失が低減される。
一方、フィードバック回路200がダイオード素子121に電流が流れていることを検知しないときにDMOS素子111をスイッチング素子として機能させる場合、外部の制御回路がDMOS素子111をオンさせるスイッチング信号をOR回路400に入力するとOR回路400はDMOS素子111をオンさせる。これにより、図13に示される矢印600のようにDMOS素子111のドレインからソースに電流が流れてDMOS素子111がスイッチング素子として機能する。
以上のように、半導体装置に備えられたDMOS素子111をダイオード素子121のDC損失低減用として用いるだけでなく、スイッチング素子として用いることもできる。なお、OR回路400は本発明の駆動手段に相当する。
(第9実施形態)
本実施形態では、第5実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、フィードバック回路200にヒステリシス特性を持たせたことが特徴となっている。
図14(a)は、DMOS素子111のドレインに流れるドレイン電流Idとセンス抵抗30の両端に生じる電位差Vsとの関係を示したものである。この図に示されるように、ドレイン電流Idが正の場合、DMOS素子111がオンしていれば(Vg=ON)、ドレイン電流Idと電位差Vsとは比例の関係になる。一方、ドレイン電流Idが負の場合では、DMOS素子111がオンの場合(Vg=ON)とオフの場合(Vg=OFF)とでドレイン電流Idに対する電位差Vsが異なる値となる。
そして、フィードバック回路200は、図14(a)に示される関係から、DMOS素子111に流れるドレイン電流が第1ドレイン電流値Id1であるときの電位差Vsに相当する第1ダイオード電流検知閾値Vth1を有している。さらに、フィードバック回路200は、ドレイン電流が第1ドレイン電流値Id1よりも大きい第2ドレイン電流値Id2であるときの電位差Vsに相当すると共に第1ダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きい第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’を有している。これら第1ダイオード電流検知閾値Vth1および第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’は、ダイオード素子121に電流が流れていることを判定するために用いられる。
第1ダイオード電流検知閾値Vth1および第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’は以下のように設定される。まず、図14(a)に示される関係が測定により取得される。続いて、図14(a)に示された関係において、第1ドレイン電流値Id1が決められ、この第1ドレイン電流値Id1よりも大きい第2ドレイン電流値Id2が決められる。そして、第1ドレイン電流値Id1のときの電位差Vsが第1ダイオード電流検知閾値Vth1に設定され、第2ドレイン電流値Id2のときの電位差Vsが第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’に設定される。このようにして設定された第1ダイオード電流検知閾値Vth1および第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’がフィードバック回路200に備えられている。
ここで、第1ドレイン電流値Id1および第2ドレイン電流値Id2の各値は共に負の生の値であるので、大小関係はId1<Id2となっている。これを絶対値として表現すると、|Id1|>|Id2|となる。また、第1ダイオード電流検知閾値Vth1および第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’も共に負の生の値であるので、大小関係はVth1<Vth1’’となっている。これを絶対値として表現すると、|Vth1|>|Vth1’’|となる。
そして、フィードバック回路200は、第1ダイオード電流検知閾値Vth1および第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’を用いた判定を行うこととなる。上述のように、各閾値Vth1、Vth1’’は第1ドレイン電流値Id1および第2ドレイン電流値Id2からそれぞれ導かれたものである。したがって、フィードバック回路200は、Vth1<Vth1’’(|Vth1|>|Vth1’’|)、かつ、Id1<Id2(|Id1|>|Id2|)の条件に基づいて、DMOS素子111に対するフィードバック制御を行うこととなる。
次に、上記の各判定閾値を有するフィードバック回路200の制御について、図15を参照して説明する。図14(b)は、センス抵抗30の両端の電位差Vs、第1ダイオード電流検知閾値Vth1、第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’、およびフィードバック回路200の出力の関係を示した図である。
図14(b)に示されるように、電位差Vsの値が負側に変化する場合、フィードバック回路200は第1ダイオード電流検知閾値Vth1とセンス抵抗30の両端に生じた電位差Vsとを比較してDMOS素子111を駆動させるか否かを判定する。そして、該電位差Vsが第1ダイオード電流検知閾値Vth1よりも大きいときには、フィードバック回路200はDMOS素子111のゲート駆動を停止したままにする。また、該電位差Vsが第1ダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さいときには、フィードバック回路200はDMOS素子111をゲート駆動する。
一方、電位差Vsの値が正側に変化する場合、フィードバック回路200は第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’とセンス抵抗30の両端に生じた電位差Vsとを比較してDMOS素子111を駆動させるか否かを判定する。そして、該電位差Vsが第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’よりも大きいときには、フィードバック回路200はDMOS素子111のゲート駆動を停止する。また、該電位差Vsが第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’よりも小さいときには、フィードバック回路200はDMOS素子111をゲート駆動したままとする。
なお、「電位差Vsの値が負側に変化する」とは、電位差Vsの値が小さくなるように変化する場合であってマイナス側に値が大きくなっていくことを指す。同様に、「電位差Vsの値が正側に変化する」とは、電位差Vsの値が大きくなるように変化する場合であってプラス側に値が大きくなっていくことを指す。
このように、フィードバック回路200はヒステリシス特性を有し、第1ダイオード電流検知閾値Vth1と第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’との間でDMOS素子111のオン/オフを制御することとなる。
上記のようなフィードバック回路200の制御において、図14(b)に示されるように、電位差Vsが負側に変化し、第1ダイオード電流検知閾値Vth1を超えてDMOS素子111がオンすると、図14(a)に示されるように電位差VsはVg=ONの特性となる。したがって、DMOS素子111のオンに伴って電位差Vsの値が大きくなる。なお、電位差Vsは負の値であるため、「電位差Vsの値が大きくなる」とは「電位差Vsの絶対値は小さくなる」ことと同意である。
このように、DMOS素子111がオンして電位差Vsの値が大きくなっても、電位差Vsは第1ダイオード電流検知閾値Vth1に対応した第1ドレイン電流値Id1と図14(a)に示されるVg=ONの波形とが交わった値となる。この値は、第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’と第1ダイオード電流検知閾値Vth1との間の値であり、第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’を上回る値とはならない。上回ってしまうと、図14(b)の点線矢印で示されるように、フィードバック回路200の出力はLowとなり、DMOS素子111がオン(Vg=ON)だった状態がオフされてしまう。しかし、上述のように、電位差Vsは第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’を上回ることはないため、DMOS素子111がオフされることはなく、オンの状態が維持される。つまり、再度ゲートがオフすることはない。
上記では、DMOS素子111がオフからオンに切り替わったときに、再びオフしないことについて説明したが、DMOS素子111がオンからオフに切り替わる際についても同様である。この場合、図14(a)に示されるように、DMOS素子111がオンからオフに切り替わると電位差Vsの値が小さくなる。しかし、電位差Vsは第1ダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さくなることはない。つまり、図14(b)に示されるように、電位差Vsが第1ダイオード電流検知閾値Vth1よりも小さくなってフィードバック回路200の出力がHiになるということはなく、DMOS素子111のオフの状態が維持される。
以上のように、本実施形態では、第1ドレイン電流値Id1に対する第1ダイオード電流検知閾値Vth1の値を設定し、第1ドレイン電流値Id1よりも大きい第2ドレイン電流値Id2に対する第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’を設定している。これにより、DMOS素子111のオン/オフの切り替え時に、オンしたときにオフになることはなく、オフしたときにオンすることもない。すなわち、DMOS素子111のゲートがオン/オフを繰り返す発振を防止することができる。
例えば、特開2004−208407号公報では、DMOS素子を使った同期整流回路にて、ダイオードの電流を検知して、ゲートをオンさせる同期整流方式が示されている。しかし、本実施形態では、フィードバック回路200において各ドレイン電流値および各閾値にVth1<Vth1’’(|Vth1|>|Vth1’’|)、かつ、Id1<Id2(|Id1|>|Id2|)の条件を設定している。このため、上述のように、DMOS素子111の発振を確実に防止できるものになっている。このように、フィードバック回路200のDMOS素子111の制御にヒステリシス特性を持たせることで、DMOS素子111の発振の不具合を解消できるものになっている。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’が特許請求の範囲の第2ダイオード電流検知閾値に対応する。また、フィードバック回路200とセンス抵抗30とが特許請求の範囲のフィードバック手段に対応する。
(第10実施形態)
本実施形態では、第9実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第9実施形態で示された半導体装置に図9および図10に示された感温ダイオード素子50が備えられている。これにより、ダイオード内蔵DMOS素子100が作動することにより発生する熱の温度に応じた順方向電圧がフィードバック回路200に入力されるようになっている。
また、フィードバック回路200は、感温ダイオード素子50から入力した感温ダイオード素子50の素子温度Tに対する温度補正マップを有している。図15(a)は、この温度補正マップを示したものである。ここで、素子温度Tは、感温ダイオード素子50の順方向電圧から換算した素子の温度であり、実際には温度補正マップは順方向電圧に対して各閾値が設定されたマップである。
図15(a)に示されるように、第1ダイオード電流検知閾値Vth1および第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’は、感温ダイオード素子50の温度変化に伴って第1、第3ダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’’の値が変化している。
したがって、フィードバック回路200は、第1、第3ダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’’と電位差Vsとの比較を行うときには、上記の温度補正マップを用いて第1、第3ダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’’を順方向電圧に応じた値に補正して比較を行う。
図15(b)は、電位差Vsに対するフィードバック回路200の出力を示した図である。この図に示されるように、温度補正マップによって第1、第3ダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’’の値が補正されると、第1、第3ダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’’に幅が設けられることとなる。
以上のように、フィードバック回路200において第1、第3ダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’’の値を補正した上で制御することにより、常に一定の電流で同期整流を行うことができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’が特許請求の範囲の第2ダイオード電流検知閾値に対応する。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、IGBT部21をPWM制御する場合について説明したが、これは制御の一例を示したものであり、例えばIGBT素子21aをフルオン駆動しても良い。これは、第8実施形態に係るDMOS素子111の駆動についても同様である。
上記第1〜第4実施形態では、フィードバック回路40はダイオード素子22aに流れる電流およびIGBT素子21aに流れる過剰電流の両方の判定を行うものであるが、半導体装置はフィードバック回路40がダイオード部22に流れる電流の判定のみを行うように構成されたものであっても良い。この場合、IGBT部21にIGBTセンス素子21bを備える必要はなく、半導体装置においてダイオード内蔵IGBT素子20としてIGBT素子21aとダイオード部22とを備えた構成とすることができる。なお、ダイオード素子21aに流れる電流成分を検出するものとしてホール素子を用いても良い。ホール素子を用いることについては、第5〜第8実施形態も同様である。
また、ダイオードセンス素子22bを用いずに、ダイオード素子22aに流れる電流を直接検出する回路構成をとっても良い。この場合、半導体装置として、ダイオード内蔵IGBT素子20と、ダイオード素子22aに流れる電流を検出し、ダイオード素子22aに電流が流れていない場合、外部から入力されるPWMゲート信号の通過を許可する一方、ダイオード素子22aに電流が流れている場合、PWMゲート信号の通過を停止する手段(例えばAND回路10、センス抵抗30、フィードバック回路40)を備えた構成とすれば良い。この場合、PWMゲート信号の通過を許可・停止する手段にセンス抵抗30を設けた回路構成とすることもできる。さらに、ダイオードセンス素子22bに流れる電流がセンス抵抗30に流れる回路構成としても良い。もちろん、このような回路構成に感温ダイオード素子50を設けた回路構成も可能である。なお、このようなダイオードセンス素子122を用いずに、ダイオード素子121に流れる電流を直接検出する回路構成は、第5〜第8実施形態についても採用することができる。
上記各実施形態では、ダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’、Vth1’’が負の値とされ、過電流検知閾値Vth2が正の値とされているが、これは一例を示すものであって、これらに限定されるわけではない。また、ダイオード電流検知閾値Vth1、Vth1’ 、Vth1’’や過電流検知閾値Vth2は電圧値になっているが、AND回路10、センス抵抗30、フィードバック回路40とで構成されるフィードバック手段がダイオード素子22aに電流が流れていることを検出する場合では、上記各閾値が電流値とされる。
第2、第6実施形態では、図3、図10に示されるように、4つの感温ダイオード素子50が直接に接続された回路形態が示されているが、感温ダイオード素子50の数は一例であって、複数であっても一つでも良い。
第7実施形態におけるシュミット回路のように機能するフィードバック回路200を、第6実施形態における温度検知を行うフィードバック回路200に採用しても良い。
第9、第10実施形態に係るヒステリシス特性を備えたフィードバック回路200を第8実施形態に係る半導体装置に適用しても良い。
第10実施形態で示された温度補正マップを、例えば第6実施形態に適用しても良い。これにより、細かい温度制御を行うことができる。
図16は、DMOS素子111の断面図の一例である。この図に示されるように、N型基板700の表層部にP型ウェル710が形成され、このP型ウェル710の表層部にN+型ソース層720が形成されている。そして、N+型ソース層720およびP型ウェル710を貫通してN型基板700に達するトレンチゲート構造730が離間して多数形成されている。
トレンチゲート構造730は、N+型ソース層720およびP型ウェル710を貫通してN型基板700に達するトレンチと、該トレンチの壁面に形成されたゲート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜の上に形成されたゲート電極とによって構成された構造である。
また、各トレンチゲート構造730の間には、N+型ソース層720を貫通してP型ウェル710に達するP+型ボディ領域740が形成されている。さらに、N型基板700においてP型ウェル710が形成された面とは反対側にN+型層750が形成されている。このN+型層750はカソードとなる層である。以上のように、図16に示されたDMOS素子111を採用することができる。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の回路図である。 第1実施形態において、センス抵抗の両端の電位差Vs、ダイオード電流検知閾値Vth1、過電流検知閾値Vth2、およびフィードバック回路の出力の関係を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る半導体装置の回路図である。 第2実施形態において、センス抵抗の両端の電位差Vs、第1ダイオード電流検知閾値Vth1、第2ダイオード電流検知閾値Vth1’、過電流検知閾値Vth2、およびフィードバック回路の出力の関係を示した図である。 (a)は第3実施形態に係る半導体チップの全体模式図、(b)は(a)に収納される半導体装置の回路図である。 (a)は、第4実施形態に係る半導体チップの全体模式図、(b)は(a)に示される半導体チップの裏面構造を示した図である。 本発明の第5実施形態に係る半導体装置の回路図である。 第5実施形態において、センス抵抗の両端の電位差Vs、ダイオード電流検知閾値Vth1、およびフィードバック回路の出力の関係を示した図である。 本発明の第6実施形態に係る半導体チップの平面図である。 本発明の第6実施形態に係る半導体装置の回路図である。 第6実施形態において、センス抵抗の両端の電位差Vs、第1ダイオード電流検知閾値Vth1、第2ダイオード電流検知閾値Vth1’、およびフィードバック回路の出力の関係を示した図である。 第7実施形態において、センス抵抗の両端の電位差Vs、第1ダイオード電流検知閾値Vth1、第3ダイオード電流検知閾値Vth1’’、およびフィードバック回路の出力の関係を示した図である。 本発明の第8実施形態に係る半導体装置の回路図である。 (a)は電位差VsとDMOS素子のドレイン電流Idとの関係を示した図であり、(b)は電位差Vsとフィードバック回路の出力との関係を示した図である。 (a)は温度補正マップを示した図であり、(b)は電位差Vsとフィードバック回路の出力との関係を示した図である。 他の実施形態において、DMOS素子の断面の一例を示した図である。
符号の説明
10 AND回路
20 ダイオード内蔵IGBT素子
21 IGBT部
21a IGBT素子
21b IGBTセンス素子
22 ダイオード部
22a ダイオード素子
22b ダイオードセンス素子
30 センス抵抗
40 フィードバック回路部
50 感温ダイオード素子
62 ゲートパッド
63 ガードリング

Claims (13)

  1. ダイオード素子(22a)とゲートに入力される駆動信号によって駆動されるIGBT素子(21a)とが同一の半導体基板に設けられてなるダイオード内蔵IGBT素子(20)と、
    前記ダイオード素子(22a)と同一の構造であると共に前記ダイオード素子(22a)に流れる電流に比例した電流が流れるダイオードセンス素子(22b)と、前記IGBT素子(21a)と同一の構造であると共に前記IGBT素子(21a)に流れる電流に比例した電流が流れるIGBTセンス素子(21b)と、からなる電流センス素子(61)と、
    外部から入力した前記駆動信号を通過させて前記IGBT素子(21a)のゲートに入力するものであって、前記ダイオード素子(22a)に流れる電流を検出し、前記ダイオード素子(22a)に電流が流れていない場合、外部から入力される前記駆動信号の通過を許可する一方、前記ダイオード素子(22a)に電流が流れている場合、前記駆動信号の通過を停止するフィードバック手段(10、30、40)を備え
    前記フィードバック手段(10、30、40)は、前記ダイオード素子(22a)に流れる電流を検出するためのセンス抵抗(30)を備え、
    前記ダイオードセンス素子(22b)に流れる電流が前記センス抵抗(30)に流れ、前記IGBTセンス素子(21b)に流れる電流が前記センス抵抗(30)に流れるようになっており、
    さらに、前記フィードバック手段(10、30、40)は、前記IGBT素子(21a)に流れる電流を検出し、前記IGBT素子(21a)に過剰電流が流れていない場合、外部から入力される前記駆動信号の通過を許可する一方、前記IGBT素子(21a)に過剰電流が流れている場合、前記駆動信号の通過を停止するようになっていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記フィードバック手段(10、30、40)は、前記ダイオード素子(22a)に電流が流れていることを判定するために用いる第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)を有しており、前記センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)とを比較し、前記電位差(Vs)が前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい場合、外部から入力される前記駆動信号の通過を許可する一方、前記電位差(Vs)が前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも小さい場合、前記駆動信号の通過を停止するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ダイオード内蔵IGBT素子(20)が作動することにより発生する熱の温度に応じた順方向電圧を出力する感温ダイオード素子(50)を備えており、
    前記フィードバック手段(10、30、40)は、前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’)を有しており、前記感温ダイオード素子(50)から入力した前記感温ダイオード素子(50)の順方向電圧が前記ダイオード内蔵IGBT素子(20)の高温状態を示す温度閾値を超える場合、前記センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と前記第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’)とを比較するようになっていることを特徴とする請求項またはに記載の半導体装置。
  4. 前記フィードバック手段(10、30、40)は、前記IGBT素子(21a)に過剰電流が流れていることを判定するために用いる過電流検知閾値(Vth2)を有しており、前記センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と前記過電流検知閾値(Vth2)とを比較し、前記電位差(Vs)が前記過電流検知閾値(Vth2)よりも小さい場合、外部から入力される前記駆動信号の通過を許可する一方、前記電位差(Vs)が前記過電流検知閾値(Vth2)よりも大きい場合、前記駆動信号の通過を停止するようになっていることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  5. ダイオード素子(121)とゲートに入力される駆動信号によって駆動されるDMOS素子(111)とが同一の半導体基板に設けられてなるダイオード内蔵DMOS素子(100)と、
    前記ダイオード素子(121)に流れる電流を検出し、前記ダイオード素子(121)に電流が流れていない場合、前記DMOS素子(111)の駆動を停止する一方、前記ダイオード素子(121)に順方向に電流が流れている場合、前記DMOS素子(111)を駆動して前記ダイオード素子(121)に順方向の電流が流れる向きと同じ向きの電流を前記DMOS素子(111)に流すフィードバック手段(200)を備えていることを特徴とする半導体装置。
  6. 前記フィードバック手段(200)は、前記ダイオード素子(121)に流れる電流を検出するためのセンス抵抗(30)を備え、前記ダイオード素子(121)に電流が流れていることを判定するために用いる第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)を有しており、前記センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)とを比較し、前記電位差(Vs)が前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい場合、前記DMOS素子(111)の駆動を停止し、前記電位差(Vs)が前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも小さい場合、前記DMOS素子(111)を駆動するようになっていることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  7. 前記ダイオード内蔵DMOS素子(100)は、当該ダイオード内蔵DMOS素子(100)の一部として、前記ダイオード素子(121)と同一の構造であると共に前記ダイオード素子(121)に流れる電流に比例した電流が流れるダイオードセンス素子(122)を有し、このダイオードセンス素子(122)に流れる電流が前記センス抵抗(30)に流れることで、前記センス抵抗(30)に電位差(Vs)が生じるようになっていることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  8. 前記ダイオード内蔵DMOS素子(100)が作動することにより発生する熱の温度に応じた順方向電圧を出力する感温ダイオード素子(50)を備えており、
    前記フィードバック手段(200)は、前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’)を有しており、前記感温ダイオード素子(50)から入力した前記感温ダイオード素子(50)の順方向電圧が前記ダイオード内蔵DMOS素子(100)の高温状態を示す温度閾値を超える場合、前記センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)と前記第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’)とを比較するようになっていることを特徴とする請求項またはに記載の半導体装置。
  9. 前記フィードバック手段(200)は、前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい第3ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)を有しており、
    前記電位差(Vs)の値が負側に変化する場合、前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)と前記電位差(Vs)とを比較して前記DMOS素子(111)を駆動させるか否かを判定する一方、前記電位差(Vs)の値が正側に変化する場合、前記第3ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)と前記電位差(Vs)とを比較して前記DMOS素子(111)を駆動させるか否かを判定するようになっていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の半導体装置。
  10. 前記フィードバック手段(200)は、
    前記ダイオード素子(121)に流れる電流を検出するためのセンス抵抗(30)を備え、
    前記ダイオード素子(121)に電流が流れていることを判定するために用いられ、前記DMOS素子(111)に流れるドレイン電流が第1ドレイン電流値(Id1)であるときの前記センス抵抗(30)の両端の電位差(Vs)に相当する第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)と、前記ドレイン電流が前記第1ドレイン電流値(Id1)よりも大きい第2ドレイン電流値(Id2)であるときの前記電位差(Vs)に相当すると共に前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きい第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)とを有し、
    前記電位差(Vs)の値が負側に変化する場合、前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)と前記電位差(Vs)とを比較し、前記電位差(Vs)が前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも大きいときには前記DMOS素子(111)のゲート駆動を停止したままにする一方、前記電位差(Vs)が前記第1ダイオード電流検知閾値(Vth1)よりも小さいときには前記DMOS素子(111)をゲート駆動し、
    前記電位差(Vs)の値が正側に変化する場合、前記第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)と前記電位差(Vs)とを比較し、前記電位差(Vs)が前記第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)よりも大きいときには前記DMOS素子(111)のゲート駆動を停止する一方、前記電位差(Vs)が前記第2ダイオード電流検知閾値(Vth1’’)よりも小さいときには前記DMOS素子(111)をゲート駆動したままとすることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  11. 前記ダイオード内蔵DMOS素子(100)は、当該ダイオード内蔵DMOS素子(100)の一部として、前記ダイオード素子(121)と同一の構造であると共に前記ダイオード素子(121)に流れる電流に比例した電流が流れるダイオードセンス素子(122)を有し、このダイオードセンス素子(122)に流れる電流が前記センス抵抗(30)に流れることで、前記センス抵抗(30)に電位差(Vs)が生じるようになっていることを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
  12. 前記ダイオード内蔵DMOS素子(100)が作動することにより発生する熱の温度に応じた順方向電圧を出力する感温ダイオード素子(50)を備えており、
    前記フィードバック手段(200)は、前記感温ダイオード素子(50)の順方向電圧から換算した素子の温度に対して、この素子の温度変化に伴って前記第1、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1、Vth1’’)の値が変化する温度補正マップを有し、前記第1、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1、Vth1’’)と前記電位差(Vs)との比較を行うときには、前記温度補正マップを用いて前記第1、第2ダイオード電流検知閾値(Vth1、Vth1’’)を前記素子の温度変化に応じた値に補正して比較を行うことを特徴とする請求項10または11に記載の半導体装置。
  13. 前記フィードバック手段(200)から前記DMOS素子(111)を駆動させる駆動信号が入力されるようになっており、外部から前記DMOS素子(111)を駆動させるスイッチング信号が入力されるようになっており、前記駆動信号が入力されずに前記スイッチング信号が入力されたとき、前記スイッチング信号に従って前記DMOS素子(111)を駆動することにより前記DMOS素子(111)をスイッチング素子として機能させる駆動手段(400)を備えていることを特徴とする請求項ないし12のいずれか1つに記載の半導体装置。
JP2008226982A 2007-09-05 2008-09-04 半導体装置 Active JP5012737B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008226982A JP5012737B2 (ja) 2007-09-05 2008-09-04 半導体装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007229959 2007-09-05
JP2007229959 2007-09-05
JP2008096018 2008-04-02
JP2008096018 2008-04-02
JP2008226982A JP5012737B2 (ja) 2007-09-05 2008-09-04 半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009268336A JP2009268336A (ja) 2009-11-12
JP5012737B2 true JP5012737B2 (ja) 2012-08-29

Family

ID=41393448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008226982A Active JP5012737B2 (ja) 2007-09-05 2008-09-04 半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5012737B2 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5724281B2 (ja) 2010-10-08 2015-05-27 富士電機株式会社 パワー半導体デバイスの電流検出回路
JP5170208B2 (ja) 2010-10-22 2013-03-27 富士電機株式会社 パワー半導体デバイスの電流検出回路
JP5706251B2 (ja) 2011-06-30 2015-04-22 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置
CN103155386B (zh) 2011-07-06 2016-08-17 富士电机株式会社 功率半导体器件的电流校正电路和电流校正方法
US20130049843A1 (en) * 2011-08-26 2013-02-28 Mari Curbelo Alvaro Jorge Reverse conduction mode self turn-off gate driver
WO2013125366A1 (ja) * 2012-02-24 2013-08-29 三菱電機株式会社 電力用スイッチング回路
JP5724913B2 (ja) * 2012-03-15 2015-05-27 トヨタ自動車株式会社 電力変換装置
JP6065597B2 (ja) * 2013-01-16 2017-01-25 富士電機株式会社 電力変換装置
EP2955825B1 (en) * 2013-02-08 2019-08-28 Mitsubishi Electric Corporation Gate driving circuit
CN105324939B (zh) * 2013-04-05 2018-04-24 Abb技术有限公司 Rc-igbt开关脉冲控制
JP5935768B2 (ja) * 2013-07-10 2016-06-15 株式会社デンソー 駆動制御装置
WO2015004911A1 (ja) * 2013-07-10 2015-01-15 株式会社デンソー 駆動制御装置
JP5939281B2 (ja) * 2013-07-10 2016-06-22 株式会社デンソー 駆動制御装置
JP5831527B2 (ja) * 2013-10-31 2015-12-09 トヨタ自動車株式会社 半導体装置
JP5831528B2 (ja) * 2013-10-31 2015-12-09 トヨタ自動車株式会社 半導体装置
JP5949727B2 (ja) * 2013-10-31 2016-07-13 トヨタ自動車株式会社 電力変換装置
JP6497070B2 (ja) 2014-12-26 2019-04-10 富士電機株式会社 半導体装置およびその制御方法
JP6350298B2 (ja) * 2015-01-21 2018-07-04 株式会社デンソー 半導体装置
JP6658021B2 (ja) * 2016-02-03 2020-03-04 株式会社デンソー 半導体装置
JP7013668B2 (ja) 2017-04-06 2022-02-01 富士電機株式会社 半導体装置
JP7124339B2 (ja) 2018-02-28 2022-08-24 富士電機株式会社 半導体装置
JP7088453B2 (ja) * 2018-03-14 2022-06-21 新電元工業株式会社 半導体スイッチ制御回路、インテリジェントパワーモジュール及びスイッチング電源装置
JP7067205B2 (ja) 2018-04-02 2022-05-16 富士電機株式会社 半導体装置
CN114696585A (zh) * 2020-12-30 2022-07-01 圣邦微电子(北京)股份有限公司 一种功率管的驱动电路和开关电路

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07108098B2 (ja) * 1989-01-31 1995-11-15 三菱電機株式会社 電力用半導体モジュール
JPH03190566A (ja) * 1989-12-15 1991-08-20 Matsushita Electric Works Ltd インバータ装置
JP3432708B2 (ja) * 1997-07-31 2003-08-04 株式会社東芝 半導体装置と半導体モジュール
JP4356248B2 (ja) * 2000-03-31 2009-11-04 株式会社デンソー 半導体スイッチング素子駆動回路
JP2002185295A (ja) * 2000-12-12 2002-06-28 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置
JP2005057235A (ja) * 2003-07-24 2005-03-03 Mitsubishi Electric Corp 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ及びその製造方法、並びに、インバータ回路
JP2007014059A (ja) * 2005-06-28 2007-01-18 Toyota Motor Corp スイッチング回路
JP2008072848A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009268336A (ja) 2009-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5012737B2 (ja) 半導体装置
JP5218617B2 (ja) 半導体装置
US9184158B2 (en) Semiconductor device having diode-built-in IGBT and semiconductor device having diode-built-in DMOS
JP4506808B2 (ja) 半導体装置
JP5267616B2 (ja) 駆動制御装置
US8582334B2 (en) Semiconductor device, power converter and method for controlling the power converter
JP5651927B2 (ja) スイッチング制御回路
JP6658021B2 (ja) 半導体装置
JP6238860B2 (ja) 電力用スイッチングデバイス駆動回路
JP5831528B2 (ja) 半導体装置
JP2008072848A (ja) 半導体装置
US9608609B2 (en) Semiconductor device
US20160241242A1 (en) Drive unit
JP2007228769A (ja) パワー半導体スイッチング素子の駆動回路
US10236679B2 (en) Circuit apparatus and electronic appliance
JP5446733B2 (ja) 電流検出装置
JP2015035946A (ja) 駆動制御装置
JP2008218611A (ja) 半導体装置
JP5534076B2 (ja) 駆動制御装置
WO2015064206A1 (ja) 半導体装置
JP2010088272A (ja) 接合型電界効果トランジスタの駆動装置および駆動方法
JP2010246179A (ja) 半導体装置
KR101305723B1 (ko) 래치 제어 회로
JP6645476B2 (ja) ゲート駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120508

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120521

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5012737

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250