JP7088453B2 - 半導体スイッチ制御回路、インテリジェントパワーモジュール及びスイッチング電源装置 - Google Patents
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Description
図21を用いて、このような従来例について説明する。
図21には半導体スイッチ制御回路1Pを使用した電力変換回路(スイッチング電源装置)2000が記載されている。
電力変換回路2000の入力側には整流回路3Pが設けられている。整流回路3Pは、商用交流電源2Pの交流電圧を整流して直流電圧に変換し、電力変換回路2000の入力電圧VIPとしている。電力変換回路2000は、入力電圧がVIPで、入力電流がIIPである。入力側には入力部コンデンサ4Pが設けられている。
入力電圧VIPは絶縁トランス400で電圧変換される。出力電圧はVOPで、出力電流はIOPである。出力側には整流用ダイオード500や出力部コンデンサ600が設けられ、負荷700が接続されている。
ゲート電極G1の制御は電源制御IC100Pで行われる。半導体スイッチ制御回路1Pはドレイン電極D1・ソース電極S1間を流れる電流(スイッチング電流)IZが過電流となったことを過大スイッチング電流検出回路800で検出する。
その検出結果を受け、電源制御IC100Pが半導体スイッチ200Pのゲート電極G1に印加するゲート電圧VG1をオンにするパルスの幅を変化させたり、パルスの周波数を変化させる。
また、出力電圧VOPが過大になった場合に電源制御IC100Pにフィードバックするフィードバック回路F/Bを設けている。
図21の従来技術はスイッチング電流が過大となる場合にスイッチング電源装置等の破壊を防止しようとするが、必ずしも十分ではなく、またスイッチングの高速化等に対する対応も難しく、上記課題を解決することは困難であった。
このように、半導体スイッチの第1電極・第2電極間のダイオードを流れる負電流に着目し、負電流を検出する負電流検出部を有するため、半導体スイッチのオン/オフを制御して入出力電圧の変換をするスイッチング電源装置等で起動時の入力電圧異常、過負荷時の入力電圧異常、瞬間停電時の入力電圧異常の少なくとも1つを精度よく検出できる。
そして、負電流検出部によって検出された負電流の検出値に関する情報に基づいてオン/オフ制御の補正をする補正制御部を備えるため、起動時等において異常振動が生じ半導体スイッチのオン/オフ制御ができなくなる等の異常が生じるのを抑制できる。
これにより、入力電圧異常時の過電流の抑制、入力電圧異常時の過電圧破壊の抑制、高速スイッチングをする場合のリンギング発生の抑制の少なくとも1つの場合において半導体スイッチに対する大きなサージ電圧が印加されることの抑制、異常発振して制御不能となることの抑制の少なくとも1つが可能となる。
[実施形態1]
(1)全体構成
図1は、実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1、インテリジェントパワーモジュール(IPM)100及びスイッチング電源装置1000を示す回路図である。
IPM100や、スイッチング電源装置1000は半導体スイッチ200を備えている。半導体スイッチ200(nチャネルMOSFET、nチャネル Metal Oxide Semicondoctor Field Effect Transistorで説明する)のオン/オフ等の制御は半導体スイッチ制御回路1で行われる。
入力電圧VIを絶縁トランス400で電圧変換し、出力電圧VOとする。出力電流はIOである。出力側には必要に応じて整流用のダイオード500や平滑用等の出力部コンデンサ600が設けられる。
IPM100は、半導体スイッチ200、半導体スイッチ制御回路1、絶縁トランス400等を有するようにモジュール構成した。IPMの端子としてT1~T4及びTVDDを設けた。T1~T4は、入力電圧VI用の入力端子T1、T2(図1ではアース端子(GND端子))、出力電圧VO端子T3及び他方の出力電圧端子T4(図1ではアース端子(GND端子))である。内部回路の駆動用電源端子としてTVDDがある。
図1では、スイッチング電源装置1000は、IPM100を中核とし、更に入力側に入力用用コンデンサ(平滑用コンデンサ)4を有するようにしている。
図1で、スイッチング電流はISW、ダイオードBDを流れる電流(負電流)はID、第1電極D・第2電極S間電圧はVDSで示している。
補正制御部40は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧(ゲート電極G・第2電極S間電圧)VGSのオン信号時間幅の補正をする(ゲートオン信号時間幅補正制御部を有する)、あるいはゲート電極Gを流れるゲート電流IGの電流値を補正する(ゲート電流補正制御部を有する)、あるいはゲート電圧VGSの電圧値を補正する(ゲート電圧補正制御部を有する)、ようにすることができる。
半導体スイッチ制御回路1は、ゲート電極駆動制御部10と負電流検出部20とオン/オフ制御の補正をする補正制御部40と、を有し、場合によっては更に記憶部30を有する。
図2(a)(b)(c)は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1で負電流を検出する種々の方法(負電流の検出例)の説明図である。
図2(a)中にはスイッチング電流ISWも図示している。
一方、半導体スイッチ200がオフの場合、第1電極D・第2電極間をスイッチング電流ISWが流れないのが原則であるが、入力電圧状態等により流れる場合があり、これがボディダイオードBDの負電流である。この場合、スイッチング電流ISWはほぼ負電流IDといえ、これによりスイッチング電流ISWを検出することができる。
なお、オン状態、オフ状態のそれぞれで、この明細書で説明するスイッチング電流ISWや負電流IDに対して比較にならないような微小電流は無視して説明する。無視しても本発明に関しては殆ど影響ない。
ロゴスキーコイルCOIはスイッチング電流ISWが通る電路WIの周りをループで囲んで構成されている。ロゴスキーコイルCOIは回状の細いプラスチックチューブに巻かれ絶縁体で取り囲まれている。ロゴスキーコイル(コイルの両端)COIは積分回路INTに接続されている。積分回路INTはオペアンプOPEC(オペアンプを積分器として使用、オペアンプ:オペレーショナル・アンプリファイアー、演算増幅器)、抵抗ROP、コンデンサCOPで構成されている。コイルの一端はオペアンプOPECのプラス側入力部に、他端は抵抗ROPを介してマイナス側入力部に接続されている。オペアンプOPECのマイナス側入力部と出力部は、コンデンサCOPを介して接続されている。スイッチング電流ISWの電路に図のような電流(横軸が時間、縦軸が電流の強さ)ISWが流れると、コイルに誘起電力が発生する。これが積分回路INTで積分されスイッチング電流ISWに比例した電圧VOPを発生させる。
(3)-1 正常な状態
図4(a)~(d)は、ボディダイオードBDの負電流と諸現象との関係について説明する図である。
図4(a)にゲート電圧VGSのタイミングチャート(横軸が時間、縦軸がゲート電圧VGS)、(b)にゲート電流IGのタイミングチャート(横軸が時間、縦軸がゲート電流IG(電流値))、(c)にドレイン電圧VDSのタイミングチャート(横軸が時間、縦軸がドレイン電圧VDS)、(d)にスイッチング電流ISWのタイミングチャート(横軸が時間、縦軸がスイッチング電流ISW(電流値))を示す。
図4(a)に示すように、半導体スイッチ200のゲート電極GにはT0のタイミングでオンのゲート電圧VGS(オン信号パルス、オン信号電圧)が印加される。
(ゲート電圧VGSがゲート閾値電圧以上で半導体スイッチ200がオン、ゲート閾値電圧より小さければオフ)
ここで、ゲート電圧VGSは矩形波(図4(a)の点線の波形)が理想的である。しかし、実際は、半導体スイッチのスレッショールド電圧や浮遊容量等の影響で、ゲート電圧VGSは、理想的な矩形波とはならない。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T03のタイミングでゲート電圧VGSは低下する。T03から少し遅れたT1のタイミングでほぼゼロとなる。
ゲート電圧VGSのオフ制御用電圧(オフ制御用信号)は必ずしも0ボルトでなくともよい。オン/オフさせるゲート閾値電圧以下(未満)であればよい。オン制御用電圧(オン制御用信号)も同様で、オン/オフさせるゲート閾値電圧以上(あるいは超過)であればよい。
オフにする場合、T1のタイミングと同様に、T3より少し前のタイミングでゲート電圧VGSは下降し始めT3でほぼゼロとなる。
T4からスタートするオンであるが、T0、T2のタイミングと同様にT4でゲート電圧VGSは上昇するが、一気に飽和電圧まで上昇せず、T4から上昇し始め少し遅れたタイミングでほぼ飽和する。
オフにする場合、T1、T3のタイミングと同様に、T5より少し前のタイミングでゲート電圧VGSは下降し始めT5でほぼゼロとなる。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、T0のタイミングで、ゲート電極Gにゲート電圧VGSオン信号が印加されると(ゲート電圧VGSの立ち上がりで)ゲート電流IGは正電流として流れる。ゲート電流IGは、T0のタイミングから少し遅れたT01のタイミングで上昇カーブを変えて上昇した後、急速に減少してゼロとなる。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T03のタイミング(ゲート電圧VGSの立下りのタイミング)でゲート電圧VGSは飽和電圧から下降すると、ゲート電流IGは負方向に流れその後ほぼゼロとなる(ゲート電圧VGSが飽和電圧になるとゲート電流IGはほぼゼロになる)。
タイミングT2、T4の場合はタイミングT0の場合と同様で、T3、T5の場合はT1の場合と同様である。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、T0のタイミングでオンのゲート電圧VGSが印加されると、ドレイン電圧VDSはT0から少し遅れて飽和状態(第1電極D・第2電極S間飽和電圧の状態)から急速に低下する。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T1より少し前のT03のタイミングでゲート電圧VGSが低下すると、ドレイン電圧VDSは急速に上昇する(オフ状態に向かう)。この時、少し振動した波形となる。
タイミングT2、T4の場合はタイミングT0の場合と同様で、T3、T5の場合はT1の場合と同様である。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、スイッチング電流ISWはT0のタイミングでゼロレベル(オフ状態)から上昇を続けやがてほぼ飽和する。詳しく述べると、T0~T01とT01~の上昇カーブは異なる。T0から上昇した後、一旦上昇が穏やかになり(停滞し、場合によっては減少し)、T01から再度上昇を続ける。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T1より少し前のT03のタイミングでゲート電圧VGSが低下すると、スイッチング電流ISWは急速に減少しやがてゼロとなる。
タイミングT2、T4の場合はタイミングT0の場合と同様で、T3、T5の場合はT1の場合と同様である。
図4(a)~(d)では時間軸(横軸)を揃えて記載しているが、ゲート電圧VGS(図4(a))と、ドレイン電圧VDS(図4(c))の電圧(縦軸)は必ずしも同じ尺度ではない。ゲート電流IG(図4(a))とスイッチング電流ISW(図4(c))の電流(縦軸)も必ずしも同じ尺度ではない。
なお、場合によっては電流値は若干負となることもあるが、その値は小さい。
図5(a)~(d)を用い、ドレイン電圧VDSがリンギングを生ずる等スイッチング電源装置1000が異常な(異常な動作状態となった)場合について説明する。なお、図5で説明するのは入力電圧VIが定格入力電圧範囲より低下した場合であり、この場合にスイッチング電流ISWが異常に増加した場合の例である。図5(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャートである。
図5(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャートである。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、T0のタイミングでオンのゲート電圧VGSが印加されると、ドレイン電圧VDSはT0から少し遅れて飽和状態から急速に低下する(オフ状態から急速にオン状態に向かう)。ゼロレベルを更に下降した後(VDSD)、上昇し、ゼロとなる。
半導体スイッチ200をオフする場合、T1より少し前のT03のタイミングでゲート電圧VGSが低下すると、ドレイン電圧VDSは急速に上昇する(オフ状態に向かう)。この時、大きく波打った波形(リンギング、VDSR)となりやがて収束する。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、スイッチング電流ISWはT0のタイミングで、ゼロから下降した後、上昇する。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T1より少し前のT03のタイミングでゲート電圧VGSが低下すると、スイッチング電流ISWは急速に減少しゼロより下回り、その後ゼロを超える。このように、上昇、ゼロを下回る下降を繰り返す大きな振動波形(ISWR)となり、やがて収束してゼロとなる(図5(d))。
なお、図5(a)~(d)で、T2~T3間、T4~T5間はT0~T1間と同様な波形で、T3~T4間はT1~T2間と同様な波形である。
補正制御部40は負電流検出部20で検出された負電流の検出値に関する情報に基づいて半導体スイッチ200のオン/オフ制御の補正をする。
「負電流の検出値に関する情報」とは、負電流の検出値に関連した情報の意味である。例えば、負電流の検出値自体、負電流の検出値を増減した値、等である。
例えば、「負電流の検出値に関する情報」が「負電流の検出値」である場合、補正制御部40は負電流検出部20で検出された負電流が所定(値)の場合にオン/オフ制御の補正をする。「負電流が所定(値)」とは、「負電流が出た・検出された(負電流が0を超えた)」、「負電流が所定(値)以上(又は超過)」、「負電流が所定(値)以下(又は未満)」、「負電流が一定の範囲」、のいずれかを意味する。
また、補正制御部40は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値を補正するゲート電流補正制御部を有するようにする場合がある。
補正制御部40は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御部を有するようにする場合がある。
ゲートオン信号時間幅補正制御(部)、ゲート電流補正制御(部)及びゲート電圧補正制御(部)を組み合わせてもよい。
また、ゲート電流を補正制御する場合、ゲート電流補正制御部は、ゲート電流として、ゲート電極の容量(入力容量)を充電するゲートソース電流と、ゲート電極の前記容量(入力容量)に蓄積された電荷を放電するゲートシンク電流、の少なくとも1つを補正制御するようにしてもよい。
図6(a)~(f)を用い、実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート(ゲート電極G)のオン信号時間幅制御をする場合(ゲートオン信号時間幅制御)についてタイミングチャートで説明する。この例は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧VGSのオン信号時間幅の補正をするゲートオン信号時間幅補正制御をする例である。
図6(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はパルス幅制限指令信号PWのタイミングチャートである。
図7は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電圧VGSのオン信号時間幅制御補正をする駆動制御部(補正制御部)の回路図であり、図6と併せて説明する。
図6(a)~(d)で、点線で示す波形が補正前の状態(ドレイン電圧VDSに大きなリンギングを生ずる等した異常時)を示す。実線は補正制御後の波形である。
図6(a)~(d)で点線で示す補正前の波形は、異常状態の図5(a)~(d)の波形と同じである。説明も同じである。
図6、図7について概略説明するが、詳細は図5あるいは図4の説明等を適用することとし、ここでの説明は省略する。
スイッチング電流はスイッチング電流検出器DISWで検出されるが、電流/電圧変換回路IVTで電圧値に変換されコンパレーター(比較器)OPER(オペアンプをコンパレーター(比較器)とし使用した。「コンパレーター」を「オペアンプ」と言い換えてもよい)から過負電流検出信号DTが出る(図7、図6(e))。(点線20は負電流検出部である。)
パルス幅制限指令信号PWがゲート電極駆動制御部10に入力され、ゲート電極駆動制御部10はゲート電極Gの駆動パルス(オン信号)のパルス幅を制御する(補正前ゲート電圧VGSのパルス幅を狭くする)(図6(a))。
ゲート電圧VGS(ゲート電圧パルス)のパルス幅(オン信号パルス幅)が狭くなると、ドレイン電圧VDS(ドレイン電圧波形)の立ち上がりタイミングが早まり、立ち上がり時のリンギング(VDSRが小さくなるか殆どなくなる(図6(c)))。
また、スイッチング電流ISWの立ち下がりのタイミングも早まり、立ち下がり時の振動(ISWR)も小さくなるか殆どなくなる(図6(d))。
なお、ゲート電流IGは図6(b)に示すようになる。
図7に示すように、スイッチング電流が流れる電路には、電路に非接触のロゴスキーコイルCOI、電路に入れる抵抗RBD、RS等で、スイッチング電流ISWの電流検出器DISWを設置する。スイッチング電流検出器DISWで検出されたスイッチング電流ISW(図6(d))を電流/電圧変換回路IVTで電圧に変換し、電流の大きさに対応する電圧に変換する。電流/電圧変換回路IVTの出力IVTOをコンパレーターOPERの一方の入力側(+側)に入力する。
また、スイッチング電流検出器DISWでスイッチング電流ISWに対応する電圧が発生する場合には電流/電圧変換回路IVTは不要である。
なお、ゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1に、電流/電圧変換回路IVTの出力であるIVTOを入力させ、ゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1がスイッチング電流ISWの大きさに応じた指令信号PWを発生させるようにしてもよい。
このようにすると、ゲート電極駆動制御部10は、スイッチング電流ISWが大きい場合(負電流が大きい場合)、負電流が小さい場合と比較してゲート電極印加パルス幅がよくなるようにしてゲート電極Gを駆動する。
また、ゲート電極印加パルス幅指令回路INSG1を省略し、ワンショット回路ONES1からパルス幅制御信号PWを出力させるようにしてもよい(ワンショット回路ONES1の出力PONES1を、ゲート電極駆動制御部10に入力するパルス幅制御信号PWとしてもよい)。
ワンショット回路ONES1や、ゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1は、負電流の大きさ、気温等でパルス幅制限指令信号のパルス幅が変化するようにしてもよい。
その結果、ゲート電流IGが図6(b)のように変化する。
なお、ゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1に電流/電圧変換回路IVTの出力INVOも入力させ、負電流の大きさに対応してオン信号パルス幅を変化させるようにしてもよい(例えば、負電流が大きいとき、オン信号パルス幅をより小さくするSに例を出すようにする)。
また、スイッチング電流ISWの大きな振動(ISWR)も減少する。スイッチング電流ISWが過大にあることによる過電流破壊も抑制される。
上記の図6、図7の例では、スイッチング電流検出器DISW、又は更に電流/電圧変換回路IVTやコンパレーターOPERを含む回路が負電流検出部20に対応する。ゲート電極印加パルス幅指令回路INSG1、又は更にワンショット回路ONES1等を含む回路が補正制御部40に対応する。
図8(a)~(f)を用いて、実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電流IGの補正制御をする場合(ゲート電流補正制御)についてタイミングチャートを使って説明する。
これは、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値を補正制御する例である。
図8(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はゲート電流制限指令信号GIのタイミングチャートである。
図9は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電流補正制御をする駆動制御部の回路図であり、図8と図9とを併せて説明する。
点線で示す波形が補正前の状態(ドレイン電圧VDSにリンギング(VDSR)を生ずる等した異常時)を示す。実線は補正制御後の波形である。
点線で示す補正前の状態(図8(a)~(d))は、異常時の説明図(図5(a)~(d))と同じである。
図8、図9について概略説明するが、詳細は図5あるいは図4の説明等を適用することとし、ここでの説明は省略する。
スイッチング電流はスイッチング電流検出器DISWで検出されるが、電流/電圧変換回路IVTで電圧値に変換され、その信号IVTOがコンパレーターOPERに入力され、コンパレーターOPERから過負電流検出信号DTが出る(図9、図8(e))。
過負電流検出信号DTが出てワンショット回路ONES2に入力されると、ワンショット回路ONES2からワンショットパルスPONES2が出てゲート電流制限指令信号発生回路INSG2に入力されゲート電流制限指令信号GIが出力される(図8(f))。
スイッチSWVをn個使用した場合、スイッチSWVnをオンさせた場合(他のスイッチSWV1、SWV2、・・はオフ)、ゲート電流IGは抵抗RVG1~抵抗RVGn-1の全てを通して流れる電流となり、更に電流値が制限される。
ゲート電流IGが補正されると、ドレイン電圧VDSの立ち上がり時の大きなリンギング(VDSR)が小さくなるか殆どなくなる(図8(c))。
また、スイッチング電流ISWの立ち下がり時の大きな振動(ISWR)も小さくなるか殆どなくなる(図8(d))。
図9のスイッチング電流検出器DISW、電流/電圧変換回路IVT、コンパレーターOPER、過負電流検出信号DT、比較電圧VREF等については図7と同様であり、説明を省略する。
なお、ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2を省略し、ワンショット回路ONES2からゲート電流制限指令信号GIを出力させるようにしてもよい(ワンショット回路ONES2の出力PONES2をゲート電流制限指令信号GIとしてもよい)。
また、電流/電圧変換回路IVTの出力IVTOをゲート電流制限指令信号発生回路INSG2に入力させ、負電流の大きさに応じてゲート電流制限指令信号を変化させてもよい(例えば、負電流が大きい場合、ゲート電流をより小さくする指令信号を出すようにする)。
例えば、ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2から制限指令信号GIが出たら、ゲート電極Gを定電流源と接続し、ゲート電極Gとゲート電極Gを流れる電流が定電流源を流れる電流とする。定電流源から供給される定電流は一定の値の電流である。
定電流の大きさが異なる定電流源を複数設け、電流/電圧変換回路INVで検出された電流の大きさ(負電流の大きさ)に対応して、複数の定電流源の中の1つがゲート電極Gと接続され、負電流の大きさに対応したゲート電流IGが供給されるようにしてもよい。
あるいは、ゲート電流が正の場合は、正方向の定電流源をゲート電極に接続し、ゲート電流が負の場合は負方向の定電流源をゲート電極に接続する。例えば、所定値の負電流が検出されたら正方向の定電流源をゲート電極に接続する。ゲート電圧VGSが立ち下がったら負方向の定電流源をゲート電極に接続する。
その結果、異常発振が抑制される。過電流破壊等も抑制される。
その結果、過電流破壊等も抑制される。
上記の図8、図9の例では、スイッチング電流検出器DISW、又は更に電流/電圧変換回路IVTやコンパレーターOPERを含む回路が負電流検出部20に対応する。ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2、又は更にワンショット回路ONES2やSWKを含む回路が補正制御部40に対応する。
図10(a)~(f)を用いて、実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電圧制御をする場合(ゲート電圧補正制御をする場合)についてタイミングチャートを使って説明する。
これは、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御をする例である。
図10(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はゲート電圧制限指令信号GVのタイミングチャートである。
図11は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路でゲート電圧制御(補正)をする駆動制御部の回路図で、図10と併せて説明する。
点線で示す波形が補正前の状態(ドレイン電圧VDSに大きなリンギング(VDSR)を生ずる等した異常時)を示す。実線は補正制御後の波形である。
点線で示す補正前の状態(図10(a)~(d))は、異常時の説明図(図5(a)~(d))と同じである。
図10、図11について概略説明するが、詳細は図5あるいは図4の説明等を適用することとし、ここでの説明は省略する。
過負電流検出信号DTが出るとワンショット回路ONES3からワンショットパルスPONES3が出て、ワンショットパルスPONES3がゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に入力されゲート電圧制限指令信号GVが出力される(図10(f))。
図11の回路については後述するが、ゲート電圧制限指令信号GVが出ると、ゲート電極Gに印加されるゲート電圧VGS(パルス)の電圧値は補正前(点線)が補正後(実線)には下がる(図10(a))。
また、スイッチング電流ISWの立ち下がり時の大きな振動(ISWR)も小さくなるか殆どなくなる(図10(d))。
図11のスイッチング電流検出器DISW、電流/電圧変換回路IVT、コンパレーターOPER、過負電流検出信号DTについては図7と同様であり、説明を省略する。
図11に示すように、コンパレーターOPERの出力(過負電流検出信号DT)をワンショット回路ONES3に入力する。コンパレーターOPERの出力(過負電流検出信号DT)の立ち上がりでワンショット回路ONES3がワンショットパルスPONES3PWを立ち上げ、予め決められた一定期間後立ち下がる。ワンショット回路ONES3の出力PONES3をゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に入力し、図10(f)のゲート電圧制限指令信号GVを出力させる。
簡単に説明すると、図11に示すように、ゲート電圧制限指令信号GVが出ると、ゲート電圧制限指令信号GVはゲート駆動電圧調整部CGVに入力される。ゲート駆動電圧調整部CGVは電源電圧VDDからゲート駆動用電圧(最大値)を作り出す回路である。ゲート電圧制限指令信号GVが入力されると、ゲート駆動用電圧(最大値)を低くする。ゲート電極駆動制御部10は、ゲート駆動電圧調整部CGVにより調整されたゲート駆動用電圧を使用してゲート電極Gを駆動する。
なお、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に、電流/電圧変換回路IVTの出力であるIVTOを入力させ、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3がスイッチング電流ISW(負電流)の大きさに応じた指令信号GVを発生させるようにしてもよい。
ゲート電圧の電圧制御を図11と異なる回路でおこなう半導体スイッチ制御回路を図12を使用して説明する。図12の回路は、図11同様、ゲート電圧補正制御をする制御部の回路である。
図12で、図11等と同じ符号は図11等と同じ意味を有する。図12の回路を使用する実施形態1-2は、図11と共通する内容が多い。共通する内容については図11等の説明を援用する。図11と合わせて使用した図10の説明も援用する。ここでの説明は極力省略する。
スイッチング電流はスイッチング電流検出器DISWで検出されるが、電流/電圧変換回路IVTで電圧値に変換されコンパレーターOPERから過負電流検出信号DTが出る(図12、図10(e))。
過負電流検出信号DTが出ると(図10(e))、ワンショット回路ONES3からワンショットパルスPONES3が出て、ワンショットパルスPONES3がゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に入力されゲート電圧制限指令信号GVが出力される(図10(f))。
負電流の大きさに対応してゲート電圧VGSの大きさ(降下電圧幅)を変えてもよい。
あるいは、ゲート電圧のオン信号時間幅の制御と、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値の制御と、ゲート電圧の電圧値の制御とを組み合わせて行ってもよい。
このようにすると、より的確な制御が可能となる。
「負電流」とは、上記したように、ボディダイオードBDの順方向電流である。図1でボディダイオードBDの横に点線で示す電流である。図5(d)でスイッチング電流ISWが負の値の箇所の電流である(図6(c)、図8(c)、図10(c)でも同様)。
負電流検出部には、ロゴスキーコイル等の負電流検出器を含めなくてもあるいは含めてもてもよい。
上記説明では過負荷時の半導体スイッチ制御について説明した。
起動時においても同様な異常が生ずる場合がある。上記例と同様、負電流の検出値を含む情報に基づいて、補正制御する。具体的には、ゲート電圧VGSのオン信号時間幅、ゲート電極Gを流れるゲート電流IGの電流値あるいはゲート電圧VGSの電圧値を制御することにより、過電流破壊、大きなリンギングによる過電圧破壊あるいは異常発振の少なくとも1つを抑制できる。
瞬間停電等の入力電圧VI低下時も同様である。
入力電圧異常上昇時等も同様である。
入力電圧をスイッチング電源装置の定格入力値の下限値より小さくしたり、上限値より大きくすると、これにより垂下特性が変動するが、このような場合でも異常を抑制できる。
高速スイッチングをする場合であっても異常を抑制できる。
[実施形態2]
図13は、実施形態2に係る半導体スイッチ制御回路1、インテリジェントパワーモジュール100及びスイッチング電源装置1000を示す回路図である。
図1の実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1等とほぼ同様である。
図1と異なるのは半導体スイッチ200にはボディダイオードBDの代わりに外付けダイオードBDOが設けられている点である。
なお、半導体スイッチ制御回路の電源電圧VDDは、外部電源(VDD供給用)から供給される。
図13は半導体スイッチ200を、IGBTと、IGBTのコレクタ電極C・エミッタ電極E間に設けた外付けダイオードBDOと、を含むようにして構成した半導体スイッチ制御回路1、インテリジェントパワーモジュール100及びスイッチング電源装置1000を示す回路図である。図面中の符号でこれまで説明したのと同じ符号はこれまでの説明と同じ意味を有する。ここでの説明は省略する。
トランジスタSEM2にはドレイン電極DM2・ソース電極SM2間にはボディダイオード(寄生ダイオード、内蔵ダイオード)BDが形成されている。
このようにすると、半導体スイッチ200Zをオンオフさせる場合、トランジスタSEM2のゲートGM2を低電圧で駆動すればよい。
補正制御部は半導体スイッチ制御回路に接続された入力電源起動時あるいは半導体スイッチ制御回路の入力電圧異常時のいずれかの場合に、補正制御するようにしてもよい。
また、入力電源起動時及び半導体スイッチ制御回路の入力電圧異常時の場合の、一方の場合にのみ、あるいは双方の場合にのみ補正制御してもよい。
このようにすると、補正制御対象を絞ることにより、より的確な補正制御を行うことができる。
図16は、異常時の場合の半導体スイッチ制御回路の補正制御説明図で、(a)は電源起動異常時、(b)は入力電圧異常時の説明図である。
電源起動異常時の制御について説明する。電源起動時に入力電圧が定格範囲と外れていたり、サージ電圧が印加される等する場合、過大なリンギングが生じて異常発振が生じ、制御困難になる場合がある。
入力電圧がその後正常化された場合、ドレイン電圧VDSやスイッチング電流ISWは振動現象が生じないか小さくなる(実線)。
図16(b)は、起動時には正常であるが、その後に入力電圧が異常となった場合の制御についての説明図である。
起動時には正常であるため、半導体スイッチがオン(T0~T1)、オフ(T1~T2)、オン(T2~T3)、オフ(T3~)と繰り返す場合、ドレイン電圧VDS、スイッチング電流ISWはオン/オフ切り替え時に大きな振動が発生せず正常である。
半導体スイッチ制御回路1に接続された入力回路の電源起動時、及び半導体スイッチ制御回路1の入力電圧異常時のみ制御するようにしてもよい。
ゲート電極駆動制御部10がゲート電流IGを制御する場合、ゲート電流IGとして、ゲートソース電流を制御する、ゲートシンク電流を制御する、ゲートソース電流とゲートシンク電流を制御する、のいずれかでよい。
換言すると、ゲート電流補正制御部(図9のゲート電流制限指令信号発生回路INSG2を含む回路)は、ゲート電流IGとして、ゲート電極Gの入力容量(浮遊容量等)を充電するゲートソース電流と、ゲート電極Gの容量(入力容量)に蓄積された電荷を放電するゲートシンク電流、の少なくとも1つを補正制御するようにすることができる。
半導体スイッチ200のゲート電極G・ドレイン電極D間に容量CGDがあり、ゲート電極G・ソース電極S間に容量CGSがあると、図17に示すように描ける。これらの容量は積極的に作製してもよいが、浮遊容量としても存在する。あるいは浮遊容量と浮遊容量以外の容量との合計容量であってもよい。
ゲートソース電流は、ゲート電極Gの入力容量を充電する電流である。ゲートソース電流が所定量流れると入力容量が充電され、半導体スイッチ200をオンさせる。
ゲートシンク電流は、ゲート電極Gの入力容量の電荷の放電電流である。ゲートシンク電流が所定量流れゲート電極の入力容量の電荷が放電され、半導体スイッチ200をオフさせる。
また、ゲートシンク電流の電流値を制御することにより行うことができる。
ゲートソース電流とゲートシンク電流の双方を制御することにより行うこともできる。ゲートソース電流とゲートシンク電流の双方を電流量がほぼ同じになるように制御すると、充電と放電とのバランスのとれた制御が可能となる。
ゲートソース電流とゲートシンク電流のいずれかであるかを考慮せず、ゲート電流の電流値を制御することにより行うこともできる。
半導体スイッチ制御回路1は、更に、ダイオードを流れる負電流の基準値関連情報を記憶する記憶部を備え、補正制御部40は、負電流検出部20によって検出された負電流の検出値に関する情報と、記憶部に記憶された基準値関連情報と、に基づいて、オン/オフ制御の補正を行うようにすることができる。
図18の制御回路は、電流/電圧変換回路IVTで検出された負電流との比較対象を予め記憶部(基準値メモリー)30に入れておき、基準値メモリーに記憶されている比較値と負電流検出値に基づき過負電流検出信号DTを出す。
負電流の電流値が「-A1」である場合、負電流電圧値(電流/電圧変換回路IVTの出力電圧)は「-B1」、負電流が検出されたが電流値が小であるため異常性はなし(「OK」)、比較基準値はなしと記憶する。
負電流の電流値が「-A2」である場合、負電流電圧値(電流/電圧変換回路IVTの出力電圧)は「-B2」、負電流が検出されたが電流値が小であるため異常性はなし(「OK」)、比較基準値はなしと記憶する。
負電流の電流値が「-A3」より大きな「-A4」である場合、負電流電圧値(電流/電圧変換回路IVTの出力電圧)は「-B3」より大きな「-B4」、検出された負電流が大きいため異常性あり(「NG」)、比較基準値は「基準値1」より大きな「基準値2」と記憶する。
電流/電圧変換回路IVTの出力は基準値メモリー及び基準値設定指令部INSSTにも入力される。基準値メモリーは検出された負電流に対応する信号を基準値設定指令部INSSTに出力する。
このように、「記憶部」はデジタル的記憶を行う記憶部の他、上記コンデンサのようなアナログ的な記憶をするもの、あるいはデジタル的な記憶とアナログ的記憶の併用の記憶を行うものであってもよい。
半導体スイッチ200としては種々の半導体スイッチがある。
最も一般的は半導体スイッチは半導体の素材としTシリコンを用いたものである。シリコンと主体とする半導体基体上に、ドレイン電極D、ソース電極S、ゲート電極Gを形成してシリコンの絶縁層INSで隔離することで、MOS型FET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)の半導体スイッチを構成する。
半導体の材料として、窒化ガリウム半導体スイッチは窒化ガリウムを用い、シリコンカーバイド半導体スイッチはシリコンカーバイドを用い、酸化ガリウム半導体スイッチは酸化ガリウムを用い、ダイヤモンド半導体スイッチはダイヤモンドを用いた半導体スイッチである。
窒化ガリウム半導体スイッチの例を図19に図示する。
シリコン基体(基板)Siの上に(図面での上側に)バッファ層Buffer層が設けられ、その上に窒化ガリウム層GaNが形成されている。その上に窒化アルミニウムガリウム層AlGaN(Alminium Gallium Nitride)層が形成されている。その上にソース電極S、ドレイン電極D、ゲート電極Gが形成されている。これらの電極間には絶縁層INSが形成されている。なお、GaN層の上部には二次元電子ガス2DEG(Two Dimentional Electron Gas)が分布している。半導体基体1Aは全体として窒化ガリウム(GaN)系半導体基体となっている。
ドレイン電極D、ソース電極S、ゲート電極Gで半導体スイッチを構成する。
シリコンカーバイド半導体スイッチは、半導体の材料としてシリコンカーバード(SiC)を使用した半導体スイッチである。シリコンカーバイドはシリコン(Si)と炭素(C)を用いて構成される。
酸化ガリウム半導体スイッチは、半導体材料として酸化ガリウム(Ga2O3)を用いた半導体スイッチである。
主として人工ダイヤモンドを使用した半導体である。
半導体スイッチ200の第1電極D・第2電極S間に、図20に示す容量CDSがあってもよい。容量CDSは寄生容量、外付け容量、あるいはこれらの両者であってもよい。
半導体スイッチ200は次のような制御方法で制御する。
まず、制御する対象は、第1電極Dと、第2電極Sと、ゲート電極Gと、第1電極D・第2電極S間に設けられたダイオード(ボディダイオードBD又はボディダイオード以外のダイオードBDO又は両者のダイオード)と、を有する半導体スイッチ200である。この半導体スイッチ200は、ゲート電極Gにゲート電圧VGSを印加することにより第1電極D・第2電極S間のオン/オフ制御を行う。
検出された負電流の検出値に関する情報に基づいて半導体スイッチ200のオン/オフ制御の補正をする。
動作の詳細について実施形態1等で説明した通りである。
このような方法で半導体スイッチ200を制御することにより、過電流破壊抑制等、実施形態1等で説明した効果を得ることができる。
なお、補正制御としては、ゲート電圧のオン信号時間幅の補正制御、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値補正制御、及び、ゲート電圧の電圧値の補正制御がある。
図1に示すように、半導体スイッチ200、半導体スイッチ制御回路1、出力側に設けられた絶縁トランス400、整流用のダイオード500、出力部コンデンサ600でインテリジェントパワーモジュール100を構成した。
上記の半導体スイッチ制御回路又はインテリジェントパワーモジュールを備えたスイッチング電源装置を構成することができる。
スイッチング電源装置は、例えば、上記のインテリジェントパワーモジュールと入力部コンデンサ4等から構成することができる。
このようなスイッチング電源装置は過電流破壊等を抑制した安定的電源装置である。
Claims (14)
- 第1電極と、第2電極と、ゲート電極と、前記第1電極・前記第2電極間の内蔵又は外付けのダイオードと、を有する半導体スイッチの、前記ゲート電極の電気的制御により前記第1電極・前記第2電極間のオン/オフ制御を行う半導体スイッチ制御回路であって、
前記ダイオードを流れる負電流を検出する負電流検出部と、
少なくとも前記負電流検出部によって検出された前記負電流の検出値に関する情報に基づいて前記オン/オフ制御の補正をする補正制御部と、を備え、
前記補正制御部は、入力電源起動時及び入力電圧異常時のいずれかの場合に、補正制御することを特徴とする半導体スイッチ制御回路。 - 前記負電流検出部は、前記第1電極・前記第2電極間に流れる電流を検出することにより、前記ダイオードを流れる負電流を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体スイッチ制御回路。
- 前記ダイオードが主として前記第1電極・前記第2電極間のボディダイオードであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体スイッチ制御回路。
- 前記ダイオードが前記第1電極・前記第2電極間のボディダイオードと、前記第1電極・前記第2電極間の前記ボディダイオード以外のダイオードであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体スイッチ制御回路。
- 前記補正制御部は、前記負電流検出部で検出された負電流が所定である場合に前記オン/オフ制御の補正をするものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
- 前記補正制御部は、前記負電流の検出値に関する情報に基づいて、前記ゲート電極・前記第2電極間の電圧であるゲート電圧のオン信号時間幅の補正をするゲートオン信号時間幅補正制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
- 前記補正制御部は、前記負電流の検出値に関する情報に基づいて、前記ゲート電極を流れるゲート電流の電流値を補正するゲート電流補正制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
- 前記ゲート電流補正制御部は、前記ゲート電流として、前記ゲート電極の容量を充電するゲートソース電流と、前記ゲート電極の前記容量に蓄積された電荷を放電するゲートシンク電流、の少なくとも1つを補正制御するものであることを特徴とする請求項7に記載の半導体スイッチ制御回路。
- 前記補正制御部は、前記負電流の検出値に関する情報に基づいて、前記ゲート電極・前記第2電極間の電圧であるゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
- 第1電極と、第2電極と、ゲート電極と、前記第1電極・前記第2電極間の内蔵又は外付けのダイオードと、を有する半導体スイッチの、前記ゲート電極の電気的制御により前記第1電極・前記第2電極間のオン/オフ制御を行う半導体スイッチ制御回路であって、
前記ダイオードを流れる負電流を検出する負電流検出部と、
少なくとも前記負電流検出部によって検出された前記負電流の検出値に関する情報に基づいて前記オン/オフ制御の補正をする補正制御部と、を備え、
前記補正制御部は、前記負電流の検出値に関する情報に基づいて、前記ゲート電極・前記第2電極間の電圧であるゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御部を有することを特徴とする半導体スイッチ制御回路。 - 前記半導体スイッチ制御回路は、更に、前記ダイオードを流れる前記負電流の基準値関連情報を記憶する記憶部を備え、
前記補正制御部は、前記負電流検出部によって検出された前記負電流の前記検出値に関する情報と、前記記憶部に記憶された前記基準値関連情報と、に基づいて、前記オン/オフ制御の補正を行うものであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。 - 半導体スイッチと、請求項1乃至11のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路と、を備えたことを特徴とするインテリジェントパワーモジュール。
- 前記半導体スイッチは、窒化ガリウム半導体スイッチ、シリコンカーバイド半導体スイッチ、酸化ガリウム半導体スイッチ及びダイヤモンド半導体スイッチのうち少なくとも1の半導体スイッチであることを特徴とする請求項12に記載のインテリジェントパワーモジュール。
- 請求項12または13に記載のインテリジェントパワーモジュールを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
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