JP7088453B2 - 半導体スイッチ制御回路、インテリジェントパワーモジュール及びスイッチング電源装置 - Google Patents

半導体スイッチ制御回路、インテリジェントパワーモジュール及びスイッチング電源装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体スイッチ制御回路インテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module、IPM)及びスイッチング電源装置関する。
半導体スイッチをオン/オフ制御することにより所定の電源を供給するスイッチング電源装置がある。スイッチング電源装置は、出力電流が過剰に流れ(過剰電流、過大電流、過電流)、半導体スイッチやスイッチング電源装置が破壊される(過電流破壊)、出力電圧が過大となってスイッチング電源装置が破壊される(過電圧破壊)、等の問題があり、これを防止するため様々な方法が試みられてきた。
特許文献1には、半導体スイッチを流れる電流が過剰になったことを検出して過電流破壊等を防止しようとする発明が記載されている。
図21を用いて、このような従来例について説明する。
図21には半導体スイッチ制御回路1Pを使用した電力変換回路(スイッチング電源装置)2000が記載されている。
電力変換回路2000の入力側には整流回路3Pが設けられている。整流回路3Pは、商用交流電源2Pの交流電圧を整流して直流電圧に変換し、電力変換回路2000の入力電圧VIPとしている。電力変換回路2000は、入力電圧がVIPで、入力電流がIIPである。入力側には入力部コンデンサ4Pが設けられている。
入力電圧VIPは絶縁トランス400で電圧変換される。出力電圧はVOPで、出力電流はIOPである。出力側には整流用ダイオード500や出力部コンデンサ600が設けられ、負荷700が接続されている。
スイッチ用の半導体スイッチ200P(トランジスタ)は、ドレイン電極D1、ソース電極S1、ゲート電極G1を有する。ゲート電極G1にゲート電圧VG1を印加することによりドレイン電極D1・ソース電極S1間のオン/オフを行い、絶縁トランス400に誘起電圧を発生させ電圧変換を行う。
ゲート電極G1の制御は電源制御IC100Pで行われる。半導体スイッチ制御回路1Pはドレイン電極D1・ソース電極S1間を流れる電流(スイッチング電流)IZが過電流となったことを過大スイッチング電流検出回路800で検出する。
より詳しく説明すると、スイッチング電流IZが異常過電流となったことの検出は、スイッチング電流IZの電流経路に抵抗RZを入れ、抵抗RZによる降下電圧(抵抗RZの両端の電位差)VZを測定することにより行う。スイッチング電流IZの大きさに応じて降下電圧VZが変化するため、降下電圧VZが、予め決めた過電流値に対応する電圧値より大きければスイッチング電流IZが過電流と検出する。
その検出結果を受け、電源制御IC100Pが半導体スイッチ200Pのゲート電極G1に印加するゲート電圧VG1をオンにするパルスの幅を変化させたり、パルスの周波数を変化させる。
なお、特許文献1ではスイッチング電流IZが流れる抵抗RZの抵抗値の温度変化を補償するようにしている。
また、出力電圧VOPが過大になった場合に電源制御IC100Pにフィードバックするフィードバック回路F/Bを設けている。
特開2016-226112号公報
一般に、半導体スイッチのオン/オフを制御して入出力電圧の変換をするリンギングチョークコンバータ等のスイッチング電源装置においては、起動時、過負荷時、瞬時停電等の入力電圧低下時や、入力電圧異常上昇時等の入力電圧異常時に、スイッチング電流が過大となり、過電流破壊やリンギング電圧増加による過電圧破壊等が生じる課題がある。
また、次世代デバイスの開発に伴いスイッチングの高速化が進んでいるが、スイッチング電源装置のスイッチング(オン/オフ)の高速化をした場合には、スイッチングのオン/オフタイミングで、半導体スイッチに対して大きなサージ電圧が印加される場合があり、更には、寄生のキャパシタンスやインダクタンス等で異常発振して制御不能となる場合もある。例えば、MOSFETのドレイン・ソース間に寄生発振ループが形成されて寄生発振を生じるような場合である。
しかし、図21で説明した特許文献1等の従来技術では、これらの課題を解消するのは困難であった。
図21の従来技術はスイッチング電流が過大となる場合にスイッチング電源装置等の破壊を防止しようとするが、必ずしも十分ではなく、またスイッチングの高速化等に対する対応も難しく、上記課題を解決することは困難であった。
そこで、本発明は、上記課題の少なくとも1つを解決する半導体スイッチ制御回路、当該半導体スイッチ制御回路を有するインテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module、IPM)、スイッチング電源装置及び半導体スイッチの制御方法を提供することを目的とする。
[1]本発明の半導体スイッチ制御回路は、第1電極と、第2電極と、ゲート電極と、第1電極・第2電極間の内蔵又は外付けのダイオードと、を有する半導体スイッチの、ゲート電極の電気的制御により第1電極・前記第2電極間のオン/オフ制御を行う半導体スイッチ制御回路であって、ダイオードを流れる負電流を検出する負電流検出部と、少なくとも負電流検出部によって検出された負電流の検出値に関する情報に基づいてオン/オフ制御の補正をする補正制御部と、を備えたことを特徴とする。
[2]上記の半導体スイッチ制御回路においては、負電流検出部は、第1電極・前記第2電極間を流れる電流を検出することにより、ダイオードを流れる負電流を検出するようにしてもよい。
[3]上記の半導体スイッチ制御回路においては、半導体スイッチのダイオードが主として第1電極・第2電極間のボディダイオードである場合の制御回路とすることができる。
[4]上記の半導体スイッチ制御回路においては、半導体スイッチのダイオードが、第1電極・第2電極間のボディダイオードと、第1電極・第2電極間の前記ボディダイオード以外のダイオードとで構成されている場合の制御回路とすることができる。
[5]上記の半導体スイッチ制御回路においては、補正制御部は、負電流検出部で検出された負電流が所定である場合にオン/オフ制御の補正をする補正制御部とすることができる。
[6]上記の半導体スイッチ制御回路においては、補正制御部は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧のオン信号時間幅の補正をするゲートオン信号時間幅補正制御部を有するようにしてもよい。
[7]上記の半導体スイッチ制御回路においては、補正制御部は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値を補正するゲート電流補正制御部を有するようにしてもよい。
[8]上記の半導体スイッチ制御回路においては、ゲート電流補正制御部は、ゲート電流として、ゲート電極の容量(入力容量)を充電するゲートソース電流と、ゲート電極の容量(入力容量)に蓄積された電荷を放電するゲートシンク電流、の少なくとも1つを補正制御するようにしてもよい。
[9]上記の半導体スイッチ制御回路においては、補正制御部は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御部を有するようにするようにしてもよい。
[10]上記補正制御部は半導体スイッチ制御回路に接続された入力電源起動時及び半導体スイッチ制御回路の入力電圧異常時、のいずれかの場合に、補正制御するようにしてもよい。
[11]上記の半導体スイッチ制御回路においては、半導体スイッチ制御回路は、更に、ダイオードを流れる負電流の基準値関連情報を記憶する記憶部を備え、補正制御部は、負電流検出部によって検出された負電流の検出値に関する情報と、記憶部に記憶された基準値関連情報と、に基づいてオン/オフ制御の補正を行うようにしてもよい。
[12]本発明のインテリジェントパワーモジュールは、半導体スイッチと、上記の半導体スイッチ制御回路と、を備えるようにして構成することができる。
[13]上記のインテリジェントパワーモジュールにおいては、半導体スイッチとして、窒化ガリウム半導体スイッチ、シリコンカーバイド半導体スイッチ、酸化ガリウム半導体スイッチ及びダイヤモンド半導体スイッチのうち少なくとも1つの半導体スイッチを用いることができる。
[14]本発明のスイッチング電源装置は、上記のインテリジェントパワーモジュールを備えることができる。
[15]本発明の半導体スイッチの制御方法は、第1電極と、第2電極と、ゲート電極と、第1電極・第2電極間のダイオードと、を有する半導体スイッチの、ゲート電極の電気的制御により第1電極・第2電極間のオン/オフ制御を行う半導体スイッチの制御方法であって、ダイオードを流れる負電流を検出する検出ステップ(検出工程)と、検出ステップによって検出された負電流の検出値に関する情報に基づいてオン/オフ制御の補正をする補正制御ステップ(補正制御工程)と、を備えたことを特徴とする。
本発明の半導体スイッチ制御回路は、第1電極と、第2電極と、ゲート電極と、第1電極・第2電極間のダイオード(内蔵又は外付けダイオード)と、を有する半導体スイッチの、ゲート電極の電気的制御により第1電極・第2電極間のオン/オフ制御を行う半導体スイッチ制御回路であって、ダイオードを流れる負電流を検出する負電流検出部と、負電流検出部によって検出された負電流の検出値に関する情報に基づいてオン/オフ制御の補正をする補正制御部と、を備える。
このように、半導体スイッチの第1電極・第2電極間のダイオードを流れる負電流に着目し、負電流を検出する負電流検出部を有するため、半導体スイッチのオン/オフを制御して入出力電圧の変換をするスイッチング電源装置等で起動時の入力電圧異常、過負荷時の入力電圧異常、瞬間停電時の入力電圧異常の少なくとも1つを精度よく検出できる。
そして、負電流検出部によって検出された負電流の検出値に関する情報に基づいてオン/オフ制御の補正をする補正制御部を備えるため、起動時等において異常振動が生じ半導体スイッチのオン/オフ制御ができなくなる等の異常が生じるのを抑制できる。
これにより、入力電圧異常時の過電流の抑制、入力電圧異常時の過電圧破壊の抑制、高速スイッチングをする場合のリンギング発生の抑制の少なくとも1つの場合において半導体スイッチに対する大きなサージ電圧が印加されることの抑制、異常発振して制御不能となることの抑制の少なくとも1つが可能となる。
実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1、インテリジェントパワーモジュール100及びスイッチング電源装置1000を示す回路図である。 図2(a)(b)(c)は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1で負電流を検出する方法の説明図である。 実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1で使用する電流検出素子の説明図である。 正常な状態における半導体スイッチ200の動作を示す説明図で、(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャートである。 異常な状態における半導体スイッチ200の動作を示す説明図で、(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャートである。 実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電圧VGSのオン時間幅の補正制御をする場合のタイミングチャート説明図で、(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はパルス幅制限指令信号PWのタイミングチャートである。 実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でオン時間幅補正制御をする制御部の回路図である。 実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電流IGの電流値補正制御をする場合のタイミングチャート説明図で、(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はゲート電流制限指令信号GIのタイミングチャートである。 実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電流の電流値補正制御をする制御部の回路図である。 実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電圧補正制御をする場合のタイミングチャート説明図で、(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流のIGタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はゲート電圧制限指令信号GVのタイミングチャートである。 実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路でゲート電圧補正制御をする制御部の回路図である。 半導体スイッチ制御回路でゲート電圧補正制御をする制御部の変形形態の回路図である。 ダイオードがボディダイオード以外のダイオード(外付けダイオード)である実施形態2に係る半導体スイッチ制御回路1、インテリジェントパワーモジュール100及びスイッチング電源装置1000を示す回路図である。 半導体スイッチ200を変形して200Zとした場合の実施形態の説明図である。 図15(a)(b)は、実施形態2で用いる半導体スイッチ200のダイオードの例を示す図である。 異常時の場合の半導体スイッチ制御回路1の制御説明図で、(a)は電源起動異常時の説明図、(b)は入力電圧異常時の説明図である。 本発明の半導体スイッチ制御回路1の制御対象である半導体スイッチ200におけるゲートソース電流とゲートシンク電流を説明する図である。 本発明の半導体スイッチ制御回路1で、ダイオード(ボディダイオードBD及び/又は外付けダイオードBDO)を流れる負電流の基準値を記憶する記憶部(基準値メモリー)を備え補正制御する回路説明図である。 半導体スイッチ200として窒化ガリウム半導体スイッチを使用する場合の説明図である。 半導体スイッチ200の第1電極(ドレイン電極)D・第2電極(ソース電極S)間に容量がある場合の説明図である。 従来例の説明図である。
以下、本発明の半導体スイッチ制御回路、当該半導体スイッチ制御回路を有するIPM、スイッチング電源装置及び半導体スイッチの制御方法について、図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、各図面は模式図であり、必ずしも実際の構造、回路及びタイミングチャート等を厳密に反映したものではない。また、以下の実施形態の回路、タイミングチャート等は一例の回路等を示すものであり、本発明はこれらの回路等に限定されるものではない。
1.実施形態1の説明
[実施形態1]
(1)全体構成
図1は、実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1、インテリジェントパワーモジュール(IPM)100及びスイッチング電源装置1000を示す回路図である。
IPM100や、スイッチング電源装置1000は半導体スイッチ200を備えている。半導体スイッチ200(nチャネルMOSFET、nチャネル Metal Oxide Semicondoctor Field Effect Transistorで説明する)のオン/オフ等の制御は半導体スイッチ制御回路1で行われる。
スイッチング電源装置1000について説明すると、スイッチング電源装置1000の入力側には入力電源2が接続される。入力電源2は例えば商用交流電源で、整流回路3で整流して直流電圧に変換し、スイッチング電源装置1000やIPM100の入力電圧VI、入力電流IIとしている。入力電源2は直流電源であってもよい。入力側には電圧の平滑化等のため、必要に応じて入力部コンデンサ4が設けられる。
入力電圧VIを絶縁トランス400で電圧変換し、出力電圧VOとする。出力電流はIOである。出力側には必要に応じて整流用のダイオード500や平滑用等の出力部コンデンサ600が設けられる。
スイッチング電源装置1000はIPM100を有する。電源装置の主要部をモジュール化したIPM100があることにより、スイッチング電源装置1000を容易に構成することができる。
IPM100は、半導体スイッチ200、半導体スイッチ制御回路1、絶縁トランス400等を有するようにモジュール構成した。IPMの端子としてT1~T4及びTVDDを設けた。T1~T4は、入力電圧VI用の入力端子T1、T2(図1ではアース端子(GND端子))、出力電圧VO端子T3及び他方の出力電圧端子T4(図1ではアース端子(GND端子))である。内部回路の駆動用電源端子としてTVDDがある。
図1では、スイッチング電源装置1000は、IPM100を中核とし、更に入力側に入力用用コンデンサ(平滑用コンデンサ)4を有するようにしている。
端子TVDDについて説明すると、半導体スイッチ制御回路1の電源VDDを供給する端子として図1のように入力端子TVDDを設けると便利である。なお、入力端子TVDDを設けず、半導体スイッチ制御回路1、あるいはIPM100の内部に、端子T1に入力される入力電圧を使いオペアンプ(演算増幅器、オペレーショナル・アンプリファイアの略称、0perational Amplifier)等で低消費電力の電圧発生回路を設け、電源VDDとしてもよい。あるいは入力電圧VIを抵抗分割して電圧VDDを作るやり方もあるが抵抗分割により電力が消費される。
半導体スイッチ200は、第1電極であるドレイン電極D、第2電極であるソース電極S及びゲート電極Gを有する。半導体スイッチ200の第1電極D・第2電極S間にはダイオード(BD)を有する。ここではダイオードとしてボディダイオードBDが形成された例を示す。
ボディダイオードBDとは、ドレイン電極(第1電極)D・ソース電極(第2電極)S間に形成されるダイオードで、ドレイン電極D・ソース電極S間のPN接合により形成される。寄生ダイオードあるいは内部ダイオードともいう。ボディダイオードBDは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)の構造上、必然的に形成されることが多い。
以下の説明はダイオードの例としてボディダイオードBDが形成された場合で説明するが、ボディダイオード以外のダイオード(外部ダイオード等)が形成された場合や、ボディダイオードとボディダイオード以外のダイオードの両者が設けられている場合も同様である。図15(a)(b)を用いて後述する。
このように、半導体スイッチ200は、第1電極(ドレイン電極)Dと、第2電極(ソース電極)Sと、ゲート電極Gと、第1電極D・第2電極S間のダイオード(ボディダイオードBD)と、を有する。半導体スイッチ制御回路1は、ゲート電極駆動制御部10で半導体スイッチ200のゲート電極Gを電気的制御することにより第1電極D・第2電極S間のオン/オフ制御を行うようにした。
本発明では、半導体スイッチ制御回路1は、ダイオード(ボディダイオードBD)を流れる負電流を検出する負電流検出部20と、負電流検出部20によって検出された負電流の検出値に関する情報に基づいて半導体スイッチ200のオン/オフ制御の補正をする補正制御部40と、を有する。
図1で、スイッチング電流はISW、ダイオードBDを流れる電流(負電流)はID、第1電極D・第2電極S間電圧はVDSで示している。
補正制御部40は、負電流検出部20で検出された負電流IDが所定である場合に半導体スイッチ200のオン/オフ制御の補正をする。
補正制御部40は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧(ゲート電極G・第2電極S間電圧)VGSのオン信号時間幅の補正をする(ゲートオン信号時間幅補正制御部を有する)、あるいはゲート電極Gを流れるゲート電流IGの電流値を補正する(ゲート電流補正制御部を有する)、あるいはゲート電圧VGSの電圧値を補正する(ゲート電圧補正制御部を有する)、ようにすることができる。
なお、ダイオード(ボディダイオードBD)を流れる負電流の基準値関連情報を記憶する記憶部30を更に備えてもよい。
(2)負電流検出
半導体スイッチ制御回路1は、ゲート電極駆動制御部10と負電流検出部20とオン/オフ制御の補正をする補正制御部40と、を有し、場合によっては更に記憶部30を有する。
ゲート電極駆動制御部10は、ゲートを制御する(ゲート電極Gを電気的制御する)ことで、半導体スイッチ200のオン/オフ制御を行う。
負電流検出部20は、第1電極D・第2電極S間のダイオード(ボディダイオードBD)を流れる負電流IDを検出する。負電流IDが異常等の基準値に関連する基準値関連情報は、記憶部30に記憶させるようにしてもよい。
補正制御部40は、ゲート電極駆動制御部10によるゲート(ゲート電極G)の制御(半導体スイッチ200のオン/オフ制御)を補正する。負電流検出部で負電流が検出されると、負電流の検出値に関する情報に基づき、オン/オフ制御の補正をする。負電流検出部20で負電流が検出され、補正制御部40で補正指令が出ると、ゲート電極駆動制御部10は制御を補正してゲート電極Gを制御する。例えば、ゲート電圧VGSのオン信号時間幅を補正する、あるいはゲート電極Gを流れるゲート電流IGの電流値を補正する、あるいはゲート電圧VGSの電圧値を補正する。このような補正をする場合、記憶部30に記憶されている負電流の基準値関連情報を参照してもよい。
第1電極D・第2電極S間のダイオード(ボディダイオードBD)を流れる負電流IDを検出する負電流検出部20は大変重要であるが、種々の方法(回路)で構成できる。
図2(a)(b)(c)は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1で負電流を検出する種々の方法(負電流の検出例)の説明図である。
図2(a)の回路では、第1電極D・第2電極S間に形成されたボディダイオードBDのアノード側(ボディダイオードBDのアノード・第2電極S間)に抵抗RBDを入れた(ボディダイオードBDのカソード側(ボディダイオードBDのカソード・第1電極D間)に抵抗RBDを入れてもよい)。抵抗RBDによる降下電圧VRBD(抵抗RBDの両端間の電圧)を電圧検出器DVで検出し検出された電圧をV/I(電圧/電流)変換回路VITで電流値に変換することでボディダイオードBDを流れる負電流IDを検出する。
なお、抵抗RBDを流れる電流値は、電圧値VRBDを抵抗値RBDで割った値であるから、電圧値VRBDを抵抗値RBDで割れば、V/I(電圧/電流)変換回路VITを設けなくても電流値を検出できる。また、電圧/電流対応表を記憶させておき、測定電圧値に対応する電流値に変換してもよい。
図2(a)中にはスイッチング電流ISWも図示している。
ここで、「負電流」(ID)とはボディダイオードBDを順方向に流れる電流をいう。半導体スイッチ200を全体としてみると、オン状態でスイッチング電流ISWは第1電極D側から第2電極S側に流れる。オフ状態ではスイッチング電流ISWは流れない。
しかし、異常状態ではボディダイオードBDを介して第2電極S側から第1電極D側に電流が流れることがあり、これを負電流という。図1、図2(a)~(c)で見ると、ボディダイオードBDの下側から上側に流れる電流である。(なお、入力電圧VIやトランス400等の条件によっては、例外的に、MOSFETであるスイッチ200のドレイン・ソース間の容量とトランス400のインダクタンスによる共振が生じて負電流が流れる場合もある。)
また、「スイッチング電流」(ISW)とは、半導体スイッチ200でスイッチングされる電流をいう。半導体スイッチ200がオンで第1電極D・第2電極S間を流れる電流だけでなく、半導体スイッチ200がオフの状態でダイオード(BD)を経由して電路を流れる電流も含まれる。
図2(b)は、半導体スイッチ200のスイッチング電流ISWを検出することによりボディダイオードBDの負電流を検出する方法の説明図である。スイッチング電流ISWが流れる電路中に抵抗RSを入れる。抵抗RSの両端間の電圧を電圧検出器DVで検出する。V/I(電圧/電流)変換回路VITで、測定電圧(抵抗RSによる降下電圧)を電流値に変換する。
ここで、抵抗RSを流れる電流は半導体スイッチ200を流れるスイッチング電流ISWであり、ドレイン電極D・ソース電極S間を流れる電流と、ダイオード(ボディダイオードBD)を流れる電流とを合わせた電流である。
スイッチング電流ISWがボディダイオードBDを流れる負電流IDであるか否かはスイッチング電流ISWの電流の向き、半導体スイッチ200のオン/オフ状態等で判断(検出)できる。
半導体スイッチ200がオンの場合、第1電極D・第2電極S間をスイッチング電流ISWが流れるが、ボディダイオードBDにはスイッチング電流ISWは流れない。
一方、半導体スイッチ200がオフの場合、第1電極D・第2電極間をスイッチング電流ISWが流れないのが原則であるが、入力電圧状態等により流れる場合があり、これがボディダイオードBDの負電流である。この場合、スイッチング電流ISWはほぼ負電流IDといえ、これによりスイッチング電流ISWを検出することができる。
このように、スイッチング電流ISWがボディダイオードBDを流れる負電流IDであるか否かは、スイッチング電流ISWの電流の向き、半導体スイッチ200のオン/オフ状態等(ゲート電極Gへの印加電圧状態)、第1電極Dの電位と第2電極Sの電位との電圧の関係(第1電極Dの電位が第2電極Sの電位より高いか低いか)等で、直接的又は間接的に判断(検出)できる。
なお、オン状態、オフ状態のそれぞれで、この明細書で説明するスイッチング電流ISWや負電流IDに対して比較にならないような微小電流は無視して説明する。無視しても本発明に関しては殆ど影響ない。
図2(c)は、図2(b)と同様、スイッチング電流ISWを測定することでボディダイオードBDを流れる負電流IDを検出する場合の説明図である。図2(b)の方法ではスイッチング電流の電路に抵抗RSを入れてスイッチング電流ISWを測定したが、図2(c)の方法では電路に抵抗RSを入れずにスイッチング電流ISWを測定する。例えばロゴスキーコイルCOIを使用し積分回路INTを用いる等してスイッチング電流経路に非接触の状態でスイッチング電流ISWを測定する。
図3を用いてロゴスキーコイルCOIを使用して負電流IDを測定する方法を説明する。
ロゴスキーコイルCOIはスイッチング電流ISWが通る電路WIの周りをループで囲んで構成されている。ロゴスキーコイルCOIは回状の細いプラスチックチューブに巻かれ絶縁体で取り囲まれている。ロゴスキーコイル(コイルの両端)COIは積分回路INTに接続されている。積分回路INTはオペアンプOPEC(オペアンプを積分器として使用、オペアンプ:オペレーショナル・アンプリファイアー、演算増幅器)、抵抗ROP、コンデンサCOPで構成されている。コイルの一端はオペアンプOPECのプラス側入力部に、他端は抵抗ROPを介してマイナス側入力部に接続されている。オペアンプOPECのマイナス側入力部と出力部は、コンデンサCOPを介して接続されている。スイッチング電流ISWの電路に図のような電流(横軸が時間、縦軸が電流の強さ)ISWが流れると、コイルに誘起電力が発生する。これが積分回路INTで積分されスイッチング電流ISWに比例した電圧VOPを発生させる。
これにより、スイッチング電流ISWを測定できる。スイッチング電流ISWが負の場合(第2電極S側から第1電極D側に流れる電流である場合)、その状態では半導体スイッチ200はオフであるからボディダイオードBDを負電流IDが流れていることとなる。このようにして、ボディダイオードBDの負電流が測定できる。
実施形態1の半導体スイッチ制御回路1は、負電流検出部20によって検出された負電流が所定である場合に、半導体スイッチ200のオン/オフ制御の補正をする補正制御部40を有する。補正制御部40は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧VGSのオン信号時間幅の補正をする、あるいはゲート電極Gを流れるゲート電流IGの電流値を補正する、あるいはゲート電圧VGSの電圧値を補正する。この点について説明する。
(3)負電流と諸現象との関係
(3)-1 正常な状態
図4(a)~(d)は、ボディダイオードBDの負電流と諸現象との関係について説明する図である。
図4(a)にゲート電圧VGSのタイミングチャート(横軸が時間、縦軸がゲート電圧VGS)、(b)にゲート電流IGのタイミングチャート(横軸が時間、縦軸がゲート電流IG(電流値))、(c)にドレイン電圧VDSのタイミングチャート(横軸が時間、縦軸がドレイン電圧VDS)、(d)にスイッチング電流ISWのタイミングチャート(横軸が時間、縦軸がスイッチング電流ISW(電流値))を示す。
図4(a)~(d)を使って、スイッチング電源装置1000が正常な状態について説明する。
図4(a)に示すように、半導体スイッチ200のゲート電極GにはT0のタイミングでオンのゲート電圧VGS(オン信号パルス、オン信号電圧)が印加される。
(ゲート電圧VGSがゲート閾値電圧以上で半導体スイッチ200がオン、ゲート閾値電圧より小さければオフ)
ここで、ゲート電圧VGSは矩形波(図4(a)の点線の波形)が理想的である。しかし、実際は、半導体スイッチのスレッショールド電圧や浮遊容量等の影響で、ゲート電圧VGSは、理想的な矩形波とはならない。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、T0のタイミングでオンのゲート電圧VGSが印加されると、ゲート電圧VGSは上昇するが、飽和電圧まで一気に上昇せず、ある程度上昇した後、T0のタイミングから少し遅れたT01のタイミングで上昇カーブを変えてT02まで上昇しほぼ飽和電圧となる。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T03のタイミングでゲート電圧VGSは低下する。T03から少し遅れたT1のタイミングでほぼゼロとなる。
T1からT2の期間はオフ期間でゲート電極Gにはオンとなるゲート電圧VGSは印加されない(ゲート閾値電圧以下のオフ電圧が印加される)。図4(a)ではT1~T2の期間はゲート電圧VGSがゲート閾値電圧以下である。
ゲート電圧VGSのオフ制御用電圧(オフ制御用信号)は必ずしも0ボルトでなくともよい。オン/オフさせるゲート閾値電圧以下(未満)であればよい。オン制御用電圧(オン制御用信号)も同様で、オン/オフさせるゲート閾値電圧以上(あるいは超過)であればよい。
T2からスタートするオン期間であるが、T0のタイミングと同様にT2でゲート電圧VGSは上昇するが、一気に飽和電圧まで上昇せず、T2から少し遅れたタイミングでほぼ飽和する。
オフにする場合、T1のタイミングと同様に、T3より少し前のタイミングでゲート電圧VGSは下降し始めT3でほぼゼロとなる。
T3からT4の期間はオフ期間でゲート電極Gにはオンとなるゲート電圧VGS(ゲート閾値電圧)は印加されない。
T4からスタートするオンであるが、T0、T2のタイミングと同様にT4でゲート電圧VGSは上昇するが、一気に飽和電圧まで上昇せず、T4から上昇し始め少し遅れたタイミングでほぼ飽和する。
オフにする場合、T1、T3のタイミングと同様に、T5より少し前のタイミングでゲート電圧VGSは下降し始めT5でほぼゼロとなる。
図4(b)はゲート電流IGのタイミングチャートである。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、T0のタイミングで、ゲート電極Gにゲート電圧VGSオン信号が印加されると(ゲート電圧VGSの立ち上がりで)ゲート電流IGは正電流として流れる。ゲート電流IGは、T0のタイミングから少し遅れたT01のタイミングで上昇カーブを変えて上昇した後、急速に減少してゼロとなる。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T03のタイミング(ゲート電圧VGSの立下りのタイミング)でゲート電圧VGSは飽和電圧から下降すると、ゲート電流IGは負方向に流れその後ほぼゼロとなる(ゲート電圧VGSが飽和電圧になるとゲート電流IGはほぼゼロになる)。
半導体スイッチ200がオンする際のゲート電流IG(正電流)の電流カーブと時間とで囲まれた面積(ゲート電流IGの正方向の面積)と、半導体スイッチ200がオフする際のゲート電流IG(負電流)の電流カーブと時間とで囲まれた面積(ゲート電流IGの負方向の面積)とはほぼ等しい。これらは、ゲート電極Gの入力容量(ゲート電極Gに形成される浮遊容量等)の充電電流及び放電電流ととらえることができる。
タイミングT2、T4の場合はタイミングT0の場合と同様で、T3、T5の場合はT1の場合と同様である。
図4(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャートである。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、T0のタイミングでオンのゲート電圧VGSが印加されると、ドレイン電圧VDSはT0から少し遅れて飽和状態(第1電極D・第2電極S間飽和電圧の状態)から急速に低下する。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T1より少し前のT03のタイミングでゲート電圧VGSが低下すると、ドレイン電圧VDSは急速に上昇する(オフ状態に向かう)。この時、少し振動した波形となる。
タイミングT2、T4の場合はタイミングT0の場合と同様で、T3、T5の場合はT1の場合と同様である。
図4(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャートである。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、スイッチング電流ISWはT0のタイミングでゼロレベル(オフ状態)から上昇を続けやがてほぼ飽和する。詳しく述べると、T0~T01とT01~の上昇カーブは異なる。T0から上昇した後、一旦上昇が穏やかになり(停滞し、場合によっては減少し)、T01から再度上昇を続ける。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T1より少し前のT03のタイミングでゲート電圧VGSが低下すると、スイッチング電流ISWは急速に減少しやがてゼロとなる。
タイミングT2、T4の場合はタイミングT0の場合と同様で、T3、T5の場合はT1の場合と同様である。
図4(a)~(d)で、T2~T3、T4~T5の間はT0~T1の間と同様な波形で、T3~T4の間はT1~T2の間と同様な波形である。
図4(a)~(d)では時間軸(横軸)を揃えて記載しているが、ゲート電圧VGS(図4(a))と、ドレイン電圧VDS(図4(c))の電圧(縦軸)は必ずしも同じ尺度ではない。ゲート電流IG(図4(a))とスイッチング電流ISW(図4(c))の電流(縦軸)も必ずしも同じ尺度ではない。
正常な場合、一部の例外(例えば入力電圧VIが低い場合等)はあるが、一般的には、正常時の波形例である図4(d)のスイッチング電流ISWの波形(図4(d)は正常時の波形例)を見ると、電流値は正で負となっていない。負電流は流れていないことがわかる。
なお、場合によっては電流値は若干負となることもあるが、その値は小さい。
(3)-2 異常な状態
図5(a)~(d)を用い、ドレイン電圧VDSがリンギングを生ずる等スイッチング電源装置1000が異常な(異常な動作状態となった)場合について説明する。なお、図5で説明するのは入力電圧VIが定格入力電圧範囲より低下した場合であり、この場合にスイッチング電流ISWが異常に増加した場合の例である。図5(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャートである。
図5(a)のゲート電圧VGSと図5(b)のゲート電流IGについては、それぞれ、図4(a)、(b)のタイミングチャートとほぼ同様である(図5(a)のゲート電圧VGSについてはT1、T3、T5で波形に振動がある)。T01、T02のタイミング時については図4と同様なので説明を省略する。
図5(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャートである。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、T0のタイミングでオンのゲート電圧VGSが印加されると、ドレイン電圧VDSはT0から少し遅れて飽和状態から急速に低下する(オフ状態から急速にオン状態に向かう)。ゼロレベルを更に下降した後(VDSD)、上昇し、ゼロとなる。
半導体スイッチ200をオフする場合、T1より少し前のT03のタイミングでゲート電圧VGSが低下すると、ドレイン電圧VDSは急速に上昇する(オフ状態に向かう)。この時、大きく波打った波形(リンギング、VDSR)となりやがて収束する。
スイッチング電流ISWについて説明する(図5(d))。
半導体スイッチ200をオンさせる場合、スイッチング電流ISWはT0のタイミングで、ゼロから下降した後、上昇する。
半導体スイッチ200をオフさせる場合、T1より少し前のT03のタイミングでゲート電圧VGSが低下すると、スイッチング電流ISWは急速に減少しゼロより下回り、その後ゼロを超える。このように、上昇、ゼロを下回る下降を繰り返す大きな振動波形(ISWR)となり、やがて収束してゼロとなる(図5(d))。
なお、図5(a)~(d)で、T2~T3間、T4~T5間はT0~T1間と同様な波形で、T3~T4間はT1~T2間と同様な波形である。
ドレイン電圧VDSに図5(c)に示すような大きなリンギングが生ずると、大きなリンギング電圧(過電圧)により半導体スイッチ200、IPM及びスイッチング電源装置が破壊される、スイッチング電流ISWが大きく振動して過大(過電流)となり(図5(d))半導体スイッチ200等が破壊される、異常発振が生じて制御困難となる、等の問題が生ずる。
(4)補正制御部
補正制御部40は負電流検出部20で検出された負電流の検出値に関する情報に基づいて半導体スイッチ200のオン/オフ制御の補正をする。
「負電流の検出値に関する情報」とは、負電流の検出値に関連した情報の意味である。例えば、負電流の検出値自体、負電流の検出値を増減した値、等である。
例えば、「負電流の検出値に関する情報」が「負電流の検出値」である場合、補正制御部40は負電流検出部20で検出された負電流が所定(値)の場合にオン/オフ制御の補正をする。「負電流が所定(値)」とは、「負電流が出た・検出された(負電流が0を超えた)」、「負電流が所定(値)以上(又は超過)」、「負電流が所定(値)以下(又は未満)」、「負電流が一定の範囲」、のいずれかを意味する。
補正制御部40としては、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧のオン信号時間幅の補正をするゲートオン信号時間幅補正制御部を有するようにする場合がある。
また、補正制御部40は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値を補正するゲート電流補正制御部を有するようにする場合がある。
補正制御部40は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御部を有するようにする場合がある。
ゲートオン信号時間幅補正制御(部)、ゲート電流補正制御(部)及びゲート電圧補正制御(部)を組み合わせてもよい。
また、ゲート電流を補正制御する場合、ゲート電流補正制御部は、ゲート電流として、ゲート電極の容量(入力容量)を充電するゲートソース電流と、ゲート電極の前記容量(入力容量)に蓄積された電荷を放電するゲートシンク電流、の少なくとも1つを補正制御するようにしてもよい。
なお、補正制御部40はゲート電極駆動制御部10の中に組み込まれていたり、補正制御部40がゲート電極制御部10を兼ねていてもよい(あるいはゲート電極駆動制御部10が補正制御部40を兼ねていてもよい)。場合によっては、ゲート電極制御部10と補正制御部40とを明確に分けることは難しい。補正制御部40は、負電流の検出値に基づいてオン/オフ制御を補正する制御部(制御回路)と広義にとらえることができる。
(5)ゲート電極Gに印加するゲート電圧VGSのゲートオン信号時間幅制御(ゲートオン信号時間幅補正制御)
図6(a)~(f)を用い、実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート(ゲート電極G)のオン信号時間幅制御をする場合(ゲートオン信号時間幅制御)についてタイミングチャートで説明する。この例は、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧VGSのオン信号時間幅の補正をするゲートオン信号時間幅補正制御をする例である。
図6(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はパルス幅制限指令信号PWのタイミングチャートである。
図7は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電圧VGSのオン信号時間幅制御補正をする駆動制御部(補正制御部)の回路図であり、図6と併せて説明する。
異常時の補正制御について説明する。
図6(a)~(d)で、点線で示す波形が補正前の状態(ドレイン電圧VDSに大きなリンギングを生ずる等した異常時)を示す。実線は補正制御後の波形である。
図6(a)~(d)で点線で示す補正前の波形は、異常状態の図5(a)~(d)の波形と同じである。説明も同じである。
図6、図7について概略説明するが、詳細は図5あるいは図4の説明等を適用することとし、ここでの説明は省略する。
ゲート電極GにT0のタイミングでオンのゲート電圧VGS(オンパルス)が印加されると(図6(a))、異常状態ではドレイン電圧VDSが一時負(VDSDとなる(図6(c))。そして、スイッチング電流ISWが負(ISWDとなる(図6(d))。これがダイオードBDに流れる負電流である。
スイッチング電流はスイッチング電流検出器DISWで検出されるが、電流/電圧変換回路IVTで電圧値に変換されコンパレーター(比較器)OPER(オペアンプをコンパレーター(比較器)とし使用した。「コンパレーター」を「オペアンプ」と言い換えてもよい)から過負電流検出信号DTが出る(図7、図6(e))。(点線20は負電流検出部である。)
過負電流検出信号DTが出るとワンショット回路ONES1からワンショットパルスPONES1が出てゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1からゲート電圧VGSのパルス幅制限指令信号PWが出る(図6(f))。
パルス幅制限指令信号PWがゲート電極駆動制御部10に入力され、ゲート電極駆動制御部10はゲート電極Gの駆動パルス(オン信号)のパルス幅を制御する(補正前ゲート電圧VGSのパルス幅を狭くする)(図6(a))。
ゲート電圧VGS(ゲート電圧パルス)のパルス幅(オン信号パルス幅)が狭くなると、ドレイン電圧VDS(ドレイン電圧波形)の立ち上がりタイミングが早まり、立ち上がり時のリンギング(VDSRが小さくなるか殆どなくなる(図6(c)))。
また、スイッチング電流ISWの立ち下がりのタイミングも早まり、立ち下がり時の振動(ISWR)も小さくなるか殆どなくなる(図6(d))。
なお、ゲート電流IGは図6(b)に示すようになる。
このように、異常状態では、ドレイン電圧VDSにリンギングが生じたり(波形VDSR)、スイッチング電流ISWに大きな振動が生ずる(波形ISWR)が、本発明ではその前兆として、スイッチング電流ISWにも負の波形ISWDが出ていることに着目し、スイッチング電流ISWの負の波形ISWD、即ち、ダイオードの負電流を検出してゲート電圧VGS(ゲート印加パルス)のオン信号のパルス幅を補正制御することで大きなリンギング等を抑制する。
より詳しく説明する。
図7に示すように、スイッチング電流が流れる電路には、電路に非接触のロゴスキーコイルCOI、電路に入れる抵抗RBD、RS等で、スイッチング電流ISWの電流検出器DISWを設置する。スイッチング電流検出器DISWで検出されたスイッチング電流ISW(図6(d))を電流/電圧変換回路IVTで電圧に変換し、電流の大きさに対応する電圧に変換する。電流/電圧変換回路IVTの出力IVTOをコンパレーターOPERの一方の入力側(+側)に入力する。
なお、電流検出器DISWを用いスイッチング電流ISWが正電流であるか負電流であるかに関わらず電流を検出する場合や、負電流だけ検出する場合がある。どちらの方法でもよい。しかし、負電流だけ検出するようにすると後の処理が容易になる場合もある。
また、スイッチング電流検出器DISWでスイッチング電流ISWに対応する電圧が発生する場合には電流/電圧変換回路IVTは不要である。
図6(d)に図示されるスイッチング電流ISWの所定の負の値に対応する比較電圧(VREF)をコンパレーターOPERの比較値としてコンパレーターOPERの他方の入力側(-側)に入力する。比較値はリンギングがそれ以上大きくなると異常発振を起こす閾値あるいはそれ以下とする。コンパレーターOPERは、スイッチング電流ISWが負方向の一定の値に下がった時点で過負電流検出信号DTを立ち上げ、スイッチング電流ISWが極小値から上昇し再び負の一定値になった時点で過負電流検出信号DTを立ち下げる(図6(e))。過負電流検出信号DTは、ドレイン電圧VDSに大きなリンギングが生じて異常発振を起こすのに対応する大きさの過負電流を検出した信号ということもできる。
コンパレーターOPERの出力(過負電流検出信号DT)をワンショット回路ONES1に入力する。コンパレーターOPERの出力(過負電流検出信号DT)の立ち上がりでワンショット回路ONES1がワンショットパルスPONES1を立ち上げ(TPW1)、予め決められた一定期間後立ち下げる(TPW2)。ワンショット回路ONES1の出力PONES1をゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1に入力し、図6(f)のパルス幅制御信号PWを出力させる。
パルス幅制限指令信号PWはゲート電極駆動制御部10に入力される。ゲート電極駆動制御部10はゲート電極Gの駆動制御信号を生成する回路である。電源VDDからゲート電極駆動用電圧を生成する(ゲート電極Gの駆動パルスを生成する)が、ゲート電極駆動パルスのパルス幅がパルス幅制限指令信号PWにより補正される(ゲート電極Gに印加されるゲート電圧VGSの飽和電圧の期間が短くなる)(図6(a))。
なお、ゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1に、電流/電圧変換回路IVTの出力であるIVTOを入力させ、ゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1がスイッチング電流ISWの大きさに応じた指令信号PWを発生させるようにしてもよい。
このようにすると、ゲート電極駆動制御部10は、スイッチング電流ISWが大きい場合(負電流が大きい場合)、負電流が小さい場合と比較してゲート電極印加パルス幅がよくなるようにしてゲート電極Gを駆動する。
また、ゲート電極印加パルス幅指令回路INSG1を省略し、ワンショット回路ONES1からパルス幅制御信号PWを出力させるようにしてもよい(ワンショット回路ONES1の出力PONES1を、ゲート電極駆動制御部10に入力するパルス幅制御信号PWとしてもよい)。
ワンショット回路ONES1や、ゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1は、負電流の大きさ、気温等でパルス幅制限指令信号のパルス幅が変化するようにしてもよい。
このようにすると、ゲート電圧VGS(ゲート電極印加パルス)は飽和電圧の時間幅(オンパルス幅、オン信号の時間幅)が補正前の広い幅(点線)は補正後に狭い幅(実線)となる。
その結果、ゲート電流IGが図6(b)のように変化する。
そしてドレイン電圧VDSは大きなリンギング(VDSR)が小さくなるかあるいはなくなる。大きなリンギングによる過電圧破壊のリスクが抑制される。異常発振のリスクも抑制される。
なお、ゲート電極印加パルス幅制限指令回路INSG1に電流/電圧変換回路IVTの出力INVOも入力させ、負電流の大きさに対応してオン信号パルス幅を変化させるようにしてもよい(例えば、負電流が大きいとき、オン信号パルス幅をより小さくするSに例を出すようにする)。
また、スイッチング電流ISWの大きな振動(ISWR)も減少する。スイッチング電流ISWが過大にあることによる過電流破壊も抑制される。
上記の図6、図7の例では、スイッチング電流検出器DISW、又は更に電流/電圧変換回路IVTやコンパレーターOPERを含む回路が負電流検出部20に対応する。ゲート電極印加パルス幅指令回路INSG1、又は更にワンショット回路ONES1等を含む回路が補正制御部40に対応する。
(6)ゲート電極を流れるゲート電流の電流値制御(ゲート電流補正制御)
図8(a)~(f)を用いて、実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電流IGの補正制御をする場合(ゲート電流補正制御)についてタイミングチャートを使って説明する。
これは、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値を補正制御する例である。
図8(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はゲート電流制限指令信号GIのタイミングチャートである。
図9は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電流補正制御をする駆動制御部の回路図であり、図8と図9とを併せて説明する。
ゲート電圧VGSに大きなリンギングが生ずる異常時の補正制御について説明する。図6(a)~(f)、図7と共通する点が多いので共通点については極力説明を省略する。
点線で示す波形が補正前の状態(ドレイン電圧VDSにリンギング(VDSR)を生ずる等した異常時)を示す。実線は補正制御後の波形である。
点線で示す補正前の状態(図8(a)~(d))は、異常時の説明図(図5(a)~(d))と同じである。
図8、図9について概略説明するが、詳細は図5あるいは図4の説明等を適用することとし、ここでの説明は省略する。
ゲート電極GにT0のタイミングでオンのゲート電圧VGS(オンパルス)が印加されると(図8(a))、異常状態ではドレイン電圧VDSが一時負(VDSD)となる(図8(c))。そして、スイッチング電流ISWが負(ISWD)となる(図8(d))。これがダイオードBDに流れる負電流である。
スイッチング電流はスイッチング電流検出器DISWで検出されるが、電流/電圧変換回路IVTで電圧値に変換され、その信号IVTOがコンパレーターOPERに入力され、コンパレーターOPERから過負電流検出信号DTが出る(図9、図8(e))。
過負電流検出信号DTが出てワンショット回路ONES2に入力されると、ワンショット回路ONES2からワンショットパルスPONES2が出てゲート電流制限指令信号発生回路INSG2に入力されゲート電流制限指令信号GIが出力される(図8(f))。
図9に図示されるように、ゲートGには抵抗RVG(RVG1、RVG2、・・RVGn-1)と、スイッチSWV(SWV1、SWV2、・・SWVn)が直接又は間接的に接続されている。ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2はワンショット回路ONES2の出力PONES2と、電流/電圧変換回路IVTの出力が入力され、ワンショット回路ONES2の出力PONES2が立ち上がっている間(図8(f)参照)、ゲート電流IGを制限する。
ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2に、電流/電圧変換回路IVTの出力であるIVTOを入力させ、ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2がスイッチング電流ISWの大きさに応じた指令信号(例えば、負電流が大きいときにはゲート電流をより小さくする指令信号)を発生させるようにしてもよい。
スイッチング電流ISWが負電流でない場合(正確にはダイオードに流れる電流、スイッチング電流ISWを検出することによりダイオードに流れる電流を検出する)は、スイッチSWV1をオンする(他のスイッチSWV2、・・はオフ)。この場合、ゲート電流IGの制限は行わない。
スイッチング電流ISWが負電流であっても、ごく小さな負電流である場合は、スイッチSWV1をオンし(他のスイッチSWV2・・はオフ)、ゲート電流IGの制限を行わないようにしてもよい。
スイッチング電流ISWの負電流が小さいながらもゲート電流IGの制限をすることが必要な場合、スイッチSWV2をオンする(他のスイッチSWV1、・・はオフ)。すると、ゲート電流IGは抵抗RVG1を通して流れる電流となり、その分、電流値が制限される。
スイッチング電流ISWの負電流が更に大きい場合、スイッチSWV3をオンする(他のスイッチSWV1、SWV2、・・はオフ)。すると、ゲート電流IGは抵抗RVG1と抵抗RVG2を通して流れる電流となり、その分、更に電流値が制限される。
スイッチSWVをn個使用した場合、スイッチSWVnをオンさせた場合(他のスイッチSWV1、SWV2、・・はオフ)、ゲート電流IGは抵抗RVG1~抵抗RVGn-1の全てを通して流れる電流となり、更に電流値が制限される。
図8(b)に示すように補正前のゲート電流IG(点線)は、補正後には電流量が減っている(実線)。
ゲート電流IGが補正されると、ドレイン電圧VDSの立ち上がり時の大きなリンギング(VDSR)が小さくなるか殆どなくなる(図8(c))。
また、スイッチング電流ISWの立ち下がり時の大きな振動(ISWR)も小さくなるか殆どなくなる(図8(d))。
このように、異常状態では、ドレイン電圧VDSに大きなリンギングが生じたり(波形VDSR)、スイッチング電流ISWに大きな振動が生ずる(波形ISWR)が、本発明ではその前兆として、スイッチング電流ISWにも負の波形ISWDが出ていることに着目し、スイッチング電流ISWの負の波形ISWD、即ち、ダイオードの負電流を検出してゲート電流IGを補正制御することで大きなリンギング等を抑制する。
より詳しく説明する。
図9のスイッチング電流検出器DISW、電流/電圧変換回路IVT、コンパレーターOPER、過負電流検出信号DT、比較電圧VREF等については図7と同様であり、説明を省略する。
図9に示す回路では、コンパレーターOPERの出力(過負電流検出信号DT)をワンショット回路ONES2に入力する。コンパレーターOPERの出力(過負電流検出信号DT)の立ち上がりでワンショット回路ONES2がワンショットパルスPONES2PWを立ち上げ、予め決められた一定期間後立ち下げる。ワンショット回路ONES2の出力PONES2をゲート電流制限指令信号発生回路INSG2に入力し、図8(f)に示すゲート電流制限指令信号GIを出力させる。
ゲート電流制限指令信号GIのパルス幅は、例えばゲート電圧VGSが飽和状態(スイッチオン状態)である時間幅以上とする。スイッチング電流ISWがT0で立ち上がりゲート電圧VGSが低下する(スイッチオフ状態に移行する)タイミングT1近傍で大きく波打つのが終わると同程度のタイミングあるいはそれ以上に長いタイミングとするとよい。ゲート電流制限指令信号GIが出ている間(飽和状態の間)、ゲート電流IGの電流値を抑制する。
なお、ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2を省略し、ワンショット回路ONES2からゲート電流制限指令信号GIを出力させるようにしてもよい(ワンショット回路ONES2の出力PONES2をゲート電流制限指令信号GIとしてもよい)。
また、電流/電圧変換回路IVTの出力IVTOをゲート電流制限指令信号発生回路INSG2に入力させ、負電流の大きさに応じてゲート電流制限指令信号を変化させてもよい(例えば、負電流が大きい場合、ゲート電流をより小さくする指令信号を出すようにする)。
図9の回路ではスイッチSWV(SWV1~SWVn)や抵抗RVG(RVG1~RVGn-1)を使用してゲート電流IGを制限したが、その代わりに定電流源と使用してもよい。
例えば、ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2から制限指令信号GIが出たら、ゲート電極Gを定電流源と接続し、ゲート電極Gとゲート電極Gを流れる電流が定電流源を流れる電流とする。定電流源から供給される定電流は一定の値の電流である。
定電流の大きさが異なる定電流源を複数設け、電流/電圧変換回路INVで検出された電流の大きさ(負電流の大きさ)に対応して、複数の定電流源の中の1つがゲート電極Gと接続され、負電流の大きさに対応したゲート電流IGが供給されるようにしてもよい。
定電流源はゲート電極方向に流れる電流の定電流源、その逆方向の定電流源の一方だけでも良いが、双方を使うと更によい。負電流が検出されたら、検出時からゲート電圧の立ち下がり(T1)まで、あるいはT1を少し延長した期間、あるいは1周期(T0の少し後の負電流検出時からT2まで)、双方の定電流源をゲート電極に接続させる。
あるいは、ゲート電流が正の場合は、正方向の定電流源をゲート電極に接続し、ゲート電流が負の場合は負方向の定電流源をゲート電極に接続する。例えば、所定値の負電流が検出されたら正方向の定電流源をゲート電極に接続する。ゲート電圧VGSが立ち下がったら負方向の定電流源をゲート電極に接続する。
ゲート電流IGの値量が減少すると、ドレイン電圧VDSは立ち上がり時(スイッチオフ時)の大きなリンギングが小さくなるか殆ど無くなる(図8(c))。図8(c)の点線はゲート電流IGを抑制しない場合(補正前)の点線に比べ、ゲート電流IGを抑制した場合(補正後)には実線のように大きなリンギングが問題ないレベルまで小さくなることを図示している。
その結果、異常発振が抑制される。過電流破壊等も抑制される。
ゲート電流IGが抑制された結果(図8(b))、スイッチング電流ISWの大きな振動も抑制される。図8(d)に示すように、スイッチがオンからオフに移行するタイミング(T1近傍)において、ゲート電流IGが制御されていない状態(補正前)ではスイッチング電流ISWは大きく振動していた(点線)が、ゲート電流IGを制限した状態(補正後)には振動は問題ないレベルまで小さくなる(実線)か、あるいは殆どなくなる。
その結果、過電流破壊等も抑制される。
なお、上記のようにすると、ゲート電圧VGDの立ち上がりで発生する負電流を検出してゲート電流IGを制御する。スイッチング電流ISWが本格的に流れる最初に制御するため過電流破壊等を一層抑制できる場合がある。
上記の図8、図9の例では、スイッチング電流検出器DISW、又は更に電流/電圧変換回路IVTやコンパレーターOPERを含む回路が負電流検出部20に対応する。ゲート電流制限指令信号発生回路INSG2、又は更にワンショット回路ONES2やSWKを含む回路が補正制御部40に対応する。
(7)ゲート電圧の電圧値の制御(ゲート電圧補正制御)
図10(a)~(f)を用いて、実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1でゲート電圧制御をする場合(ゲート電圧補正制御をする場合)についてタイミングチャートを使って説明する。
これは、負電流の検出値に関する情報に基づいて、ゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御をする例である。
図10(a)はゲート電圧VGSのタイミングチャート、(b)はゲート電流IGのタイミングチャート、(c)はドレイン電圧VDSのタイミングチャート、(d)はスイッチング電流ISWのタイミングチャート、(e)は過負電流検出信号DTのタイミングチャート、(f)はゲート電圧制限指令信号GVのタイミングチャートである。
図11は実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路でゲート電圧制御(補正)をする駆動制御部の回路図で、図10と併せて説明する。
ゲート電圧VGSに大きなリンギングが生ずる異常時の補正制御について説明する。図6(a)~(f)、図7等と共通する点が多いので共通点については極力説明を省略する。
点線で示す波形が補正前の状態(ドレイン電圧VDSに大きなリンギング(VDSR)を生ずる等した異常時)を示す。実線は補正制御後の波形である。
点線で示す補正前の状態(図10(a)~(d))は、異常時の説明図(図5(a)~(d))と同じである。
図10(a)~(d)で点線で示すのは補正前の波形であり、異常状態の図5(a)~(d)の波形と同じである。説明も同じである。
図10、図11について概略説明するが、詳細は図5あるいは図4の説明等を適用することとし、ここでの説明は省略する。
ゲート電極GにT0のタイミングでオンのゲート電圧VGS(オンパルス)が印加されると(図10(a))、異常状態ではドレイン電圧VDSが一時負(VDSD)となる(図10(c))。そして、スイッチング電流ISWが負(ISWD)となる(図10(d))。これがダイオードBDに流れる負電流である。
スイッチング電流はスイッチング電流検出器DISWで検出されるが、電流/電圧変換回路IVTで電圧値に変換されコンパレーターOPERから過負電流検出信号DTが出る(図11、図10(e))。
過負電流検出信号DTが出るとワンショット回路ONES3からワンショットパルスPONES3が出て、ワンショットパルスPONES3がゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に入力されゲート電圧制限指令信号GVが出力される(図10(f))。
ゲート電圧制限指令信号GVによりゲート電極Gに印加するゲート電圧VGSを補正する。
図11の回路については後述するが、ゲート電圧制限指令信号GVが出ると、ゲート電極Gに印加されるゲート電圧VGS(パルス)の電圧値は補正前(点線)が補正後(実線)には下がる(図10(a))。
ゲート電圧VGSの電圧値が補正されると、ドレイン電圧VDSの立ち上がり時の大きなリンギング(VDSR)が小さくなるか殆どなくなる(図10(c))。
また、スイッチング電流ISWの立ち下がり時の大きな振動(ISWR)も小さくなるか殆どなくなる(図10(d))。
このように、異常状態では、ドレイン電圧VDSに大きなリンギングが生じたり(波形VDSR)、スイッチング電流ISWに大きな振動が生ずる(波形ISWR)が、本発明ではその前兆として、スイッチング電流ISWにも負の波形ISWDが出ていることに着目し、スイッチング電流ISWの負の波形ISWD、即ち、ダイオードの負電流を検出してゲート電圧VGSを補正制御することで大きなリンギング等を抑制する。
より詳しく説明する。
図11のスイッチング電流検出器DISW、電流/電圧変換回路IVT、コンパレーターOPER、過負電流検出信号DTについては図7と同様であり、説明を省略する。
図11に示すように、コンパレーターOPERの出力(過負電流検出信号DT)をワンショット回路ONES3に入力する。コンパレーターOPERの出力(過負電流検出信号DT)の立ち上がりでワンショット回路ONES3がワンショットパルスPONES3PWを立ち上げ、予め決められた一定期間後立ち下がる。ワンショット回路ONES3の出力PONES3をゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に入力し、図10(f)のゲート電圧制限指令信号GVを出力させる。
ゲート電圧制限指令信号GVの出力パルス幅はゲート電圧VGSが飽和状態(スイッチオン状態)の時間以上に長くする。スイッチング電流ISWがT0で立ち上がりゲート電圧VGSが低下する(スイッチオフ状態に移行する)タイミングT1近傍で大きく波打つのが終わると同程度のタイミングあるいはそれ以上に長いタイミングとするとよい。ゲート電圧制限指令信号GVが出ている間(飽和状態の間)、ゲート電圧VGSの電圧値を抑制する。
なお、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3を省略し、ワンショット回路ONES3からゲート電圧制限指令信号GVを出力させるようにしてもよい(ワンショット回路ONES3の出力PONES3をゲート電圧制限指令信号GVとしてもよい)。
ゲート電圧制限指令信号GVが出ると、ゲート電圧VGSの大きさ(振幅)が制限される。図10(a)はゲート電圧VGSのピークが制限される様子を示す。
簡単に説明すると、図11に示すように、ゲート電圧制限指令信号GVが出ると、ゲート電圧制限指令信号GVはゲート駆動電圧調整部CGVに入力される。ゲート駆動電圧調整部CGVは電源電圧VDDからゲート駆動用電圧(最大値)を作り出す回路である。ゲート電圧制限指令信号GVが入力されると、ゲート駆動用電圧(最大値)を低くする。ゲート電極駆動制御部10は、ゲート駆動電圧調整部CGVにより調整されたゲート駆動用電圧を使用してゲート電極Gを駆動する。
例えば、負電流が大きい場合により低い電圧(VGS)をゲート電極Gに印加する。あるいは負電流の流れる時間が長い場合に、最初にゲート電極Gに印加する電圧(正常時の電圧より低い電圧)を一定時間後にはより低い電圧に切り替える方法もある。
なお、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に、電流/電圧変換回路IVTの出力であるIVTOを入力させ、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3がスイッチング電流ISW(負電流)の大きさに応じた指令信号GVを発生させるようにしてもよい。
このようにすると、ゲート駆動電圧調整部CGVは、スイッチング電流ISWが大きい場合(負電流が大きい場合)、負電流が小さい場合と比較してゲート駆動電圧(最大値)がより小さなゲート駆動電圧をゲート電極駆動制御部10に供給する。そしてゲート電極駆動制御部10はより制限されたゲート電圧(より小さなゲート電圧)でゲート電極Gを駆動する。
図10(a)に示されるように、ゲート電圧VGSのピーク(点線で示す異常時のゲート電圧VGS)が実線のように下降すると、図10(b)のゲート電流IGのピーク(点線)が低くなる(実線)。あるいはゲート電流IGの正方向の電流値と時間で囲まれた面積、またはゲート電流IGの負方向の電流値と時間で囲まれた面積が小さくなる。すると、ゲート電圧VDSの異常時におけるスイッチオフタイミングT1(T3、T5)での大きなリンギング(点線)も小さくなる(実線)かあるいは殆ど無くなり異常発振が抑制される。スイッチング電流ISWもスイッチ織るタイミングT1(T3、T5)の大きな振動(点線)が小さくなる(実線)か、あるいは殆ど無くなる。
上記の図10、図11の例では、スイッチング電流検出器DISW、又は更に電流/電圧変換回路IVTやコンパレーターOPERを含む回路が負電流検出部20に対応する。ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3、又は更にワンショット回路ONES3やSWVを含む回路が補正制御部40に対応する。
ゲート電圧の電圧制御の変形形態
ゲート電圧の電圧制御を図11と異なる回路でおこなう半導体スイッチ制御回路を図12を使用して説明する。図12の回路は、図11同様、ゲート電圧補正制御をする制御部の回路である。
図12で、図11等と同じ符号は図11等と同じ意味を有する。図12の回路を使用する実施形態1-2は、図11と共通する内容が多い。共通する内容については図11等の説明を援用する。図11と合わせて使用した図10の説明も援用する。ここでの説明は極力省略する。
図12の回路ではゲート電圧VGSが印加されるゲート電極Gに、抵抗RVW(RVW1、RVW2、・・)とスイッチSWW(SWW1、SWW2、・・)が接続され、異常な負電流が検出されると、正常状態でゲート電極Gに印加されるゲート電圧VGSがゲート電極にそのまま印加されず、抵抗RVWで電圧が降下し、その降下電圧がゲート電極Gに印加される。
異常な負電流の検出から簡単に説明する。
スイッチング電流はスイッチング電流検出器DISWで検出されるが、電流/電圧変換回路IVTで電圧値に変換されコンパレーターOPERから過負電流検出信号DTが出る(図12、図10(e))。
過負電流検出信号DTが出ると(図10(e))、ワンショット回路ONES3からワンショットパルスPONES3が出て、ワンショットパルスPONES3がゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に入力されゲート電圧制限指令信号GVが出力される(図10(f))。
負電流が検出されない正常な状態では、図12の回路で、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3の出力信号GVは、負電流が検出されず正常である旨の出力信号GVであり、SWW1をオンさせ、その他のスイッチSWW2、SWW3、・・をオフさせる。そして、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3の出力信号GVは、ゲート電極Gに印加されるゲート電圧VGS(正常状態で印加されるゲート電圧VGS)を制限しない(ゲート電圧の波高値を制限しない)。ゲート電圧VGS(正常状態で印加されるゲート電圧VGS)は低くされることなくゲート電極Gに印加される。負電流が検出されてもその大きさが小さくリンギングによる異常発振等の問題が生じない場合も同様にしてもよい。
検出された負電流の値が、リンギング等の異常状態を発生させる、あるいは発生させる可能性のある値である場合、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3はスイッチSWW1をオフさせ、スイッチSWW2、SWW3、・・のいずれかをオンさせる出力信号GVを出す。例えばスイッチSWW1がオフ、スイッチSWW2がオン、その他のスイッチSWW3、SWW4、・・がオフされると、ゲート電圧VGSは抵抗RVW1、RVW2、・・で分圧される。そして、抵抗RVW1で電圧降下した電圧がスイッチSWW2を介してゲート電極Gに印加される(図10(a))。そして、ドレイン・ソース間電圧VDSのリンギングが抑制される(図10(c))。スイッチング電流ISWの振動が抑制される(図10(d))。ゲート電流IGも抑制される(図10(b))。
負電流の大きさに対応してゲート電圧VGSの大きさ(降下電圧幅)を変えてもよい。
なお、図12で説明する実施形態1-2は、図11の実施形態1で説明したと同様に、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3に、電流/電圧変換回路IVTの出力であるIVTOを入力させ、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3がスイッチング電流ISW(負電流)の大きさに応じた指令信号GVを発生させるようにしてもよい。スイッチング電流ISW(負電流)の大きさに応じてオンオフさせるスイッチSWW1、SWW2、・・が変わる信号とする指令信号GVを発生させるようにする。
例えば、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3は、負電流が検出されない場合(あるいはリップリング等の異常が発生しない程度のごく小さな負電流の場合)、スイッチSWW1をオフ、スイッチSWW2をオン、その他のスイッチSWW3、SWW4、・・をオフさせる出力信号GVを出す。ゲート電極Gには何らの制限もされない(電圧を低くされない)ゲート電圧VGSが印加される。
大きな負電流が検出された場合(リップリング等の異常を発生させる可能性のある大きさの負電流検出が検出された場合)、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3は、スイッチSWW1をオフ、スイッチSWW2をオン、その他のスイッチSWW3、SWW4、・・をオフさせる出力信号GVを出す。そして、抵抗RVW1で電圧降下された電圧がスイッチSWW2を介してゲート電極Gに印加される。
より大きな負電流が検出された場合、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3は、スイッチSWW1、SWW2をオフ、スイッチSWW3をオン、その他のスイッチSWW4、・・をオフさせる出力信号GVを出す。すると、抵抗RVW1と抵抗RVW2とで電圧降下された電圧がスイッチSWW3を介してゲート電極Gに印加される。スイッチSWW2がオンし他のスイッチSWW1、SWW3、・・がオフの場合より制限された電圧(低い電圧)がゲート電極Gに印加される。
更に大きな負電流が検出された場合、ゲート電圧制限指令信号発生回路INSG3は、スイッチSWW4をオンさせ、その他のスイッチSWW1・・をオフさせる出力信号GVを出す。すると、抵抗RVW1と抵抗RVW2と抵抗RVW3とで電圧降下された電圧がスイッチSWW3を介してゲート電極Gに印加される。更に大きく制限された電圧(更に低い電圧)がゲート電極Gに印加される。
以上の説明では、ゲート電圧のオン信号時間幅、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値及びゲート電圧の電圧値のそれぞれを個別に制御する場合について説明したが、ゲート電圧のオン信号時間幅の制御とゲート電極を流れるゲート電流の電流値の制御、ゲート電圧のオン信号時間幅の制御とゲート電圧の電圧値の制御、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値の制御とゲート電圧の電圧値の制御とを組み合わせて行ってもよい。
あるいは、ゲート電圧のオン信号時間幅の制御と、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値の制御と、ゲート電圧の電圧値の制御とを組み合わせて行ってもよい。
このようにすると、より的確な制御が可能となる。
(8)負電流の検出値に関する情報
「負電流」とは、上記したように、ボディダイオードBDの順方向電流である。図1でボディダイオードBDの横に点線で示す電流である。図5(d)でスイッチング電流ISWが負の値の箇所の電流である(図6(c)、図8(c)、図10(c)でも同様)。
「負電流の検出値に関する情報」とは、上述したように、負電流の検出値に関連した情報の意味である。例えば、負電流の検出値自体、負電流の検出値を増減した値の他、負電流の検出値を記号等に変換した値、負電流の検出値に一定の値を掛けたり、割ったりする等、何等かの加工をした値、等がある。
負電流検出部には、ロゴスキーコイル等の負電流検出器を含めなくてもあるいは含めてもてもよい。
(9)異常時について
上記説明では過負荷時の半導体スイッチ制御について説明した。
起動時においても同様な異常が生ずる場合がある。上記例と同様、負電流の検出値を含む情報に基づいて、補正制御する。具体的には、ゲート電圧VGSのオン信号時間幅、ゲート電極Gを流れるゲート電流IGの電流値あるいはゲート電圧VGSの電圧値を制御することにより、過電流破壊、大きなリンギングによる過電圧破壊あるいは異常発振の少なくとも1つを抑制できる。
瞬間停電等の入力電圧VI低下時も同様である。
入力電圧異常上昇時等も同様である。
入力電圧をスイッチング電源装置の定格入力値の下限値より小さくしたり、上限値より大きくすると、これにより垂下特性が変動するが、このような場合でも異常を抑制できる。
高速スイッチングをする場合であっても異常を抑制できる。
2.実施形態2の説明
[実施形態2]
図13は、実施形態2に係る半導体スイッチ制御回路1、インテリジェントパワーモジュール100及びスイッチング電源装置1000を示す回路図である。
図1の実施形態1に係る半導体スイッチ制御回路1等とほぼ同様である。
図1と異なるのは半導体スイッチ200にはボディダイオードBDの代わりに外付けダイオードBDOが設けられている点である。
なお、半導体スイッチ制御回路の電源電圧VDDは、外部電源(VDD供給用)から供給される。
ボディダイオードBDが形成されていない場合として、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を半導体スイッチ200に使用する場合がある。
図13は半導体スイッチ200を、IGBTと、IGBTのコレクタ電極C・エミッタ電極E間に設けた外付けダイオードBDOと、を含むようにして構成した半導体スイッチ制御回路1、インテリジェントパワーモジュール100及びスイッチング電源装置1000を示す回路図である。図面中の符号でこれまで説明したのと同じ符号はこれまでの説明と同じ意味を有する。ここでの説明は省略する。
IGBTはMOSFETをベース部に組み込んだバイポーラトランジスタである。IGBTはサイリスタと同様にP-N-P-N(あるいはN-P-N-P)の4層からなる半導体素子でありながら、サイリスタ動作をさせずにMOSゲートで電流を制御できる。IGBTは原理的にコレクタ電極C・エミッタ電極E間にボディダイオード(寄生ダイオード、内蔵ダイオード)BDはないが、図13に示す回路では、IGBTのコレクタ電極C・エミッタ電極E間に外付けダイオードBDOを設けた。
また、本発明の実施形態としては、高耐圧のノーマリーオントランジスタ(スイッチ)と、低耐圧のノーマリーオフトランジスタ(スイッチ)と、カスコード接続して、ノーマリーオフ型の半導体スイッチ200Zとする形態がある。このような半導体スイッチ200Zの例を図14に示す。図面中の符号でこれまで説明したのと同じ符号はこれまでの説明と同じ意味を有する。ここでの説明は省略する。
図14の示す半導体スイッチ200Zは、高耐圧のノーマリーオントランジスタ(スイッチ)SEM1と、低耐圧のノーマリーオフトランジスタ(スイッチ)SEM2と、カスコード接続している。高耐圧のノーマリーオントランジスタ(スイッチ)SEM1は、GaNベースHEMT(High Electron Mobility Transistor、高電子移動度トランジスタ) FET(Field Effect Transistor、電界効果トランジスタ)であり、低耐圧のノーマリーオフトランジスタ(スイッチ)SEM2は、低電圧Si-MOSFET(シリコンベースのMOSFET)であり、トランジスタSEM1とSEMI2を図14に示すようにカスコード接続している。トランジスタSEM1はドレイン電極DM1、ソース電極SM1、ゲート電極GM1を有し、トランジスタSEM2はドレイン電極DM2、ソース電極SM2、ゲート電極GM2を有する、トランジスタSEM1のソース電極SM1とトランジスタSEM2のドレイン電極D2とが接続され、トランジスタSEM1のゲート電極GM1とトランジスタSEM2のソース電極S2とが接続されている。
トランジスタSEM2にはドレイン電極DM2・ソース電極SM2間にはボディダイオード(寄生ダイオード、内蔵ダイオード)BDが形成されている。
このようにすると、半導体スイッチ200Zをオンオフさせる場合、トランジスタSEM2のゲートGM2を低電圧で駆動すればよい。
図15(a)は半導体スイッチ200の箇所の回路図である。点線で示すボディダイオードBDは形成されていない、又は無視できる。半導体スイッチ200には外付けダイオードBD0が形成されている。スイッチング電流ISWを検出する電流検出素子DISWはスイッチング電流の経路に設けられている。電路中に抵抗を形成しその電圧から電流を検出する。あるいは電路脇にロゴスキーコイルを置いて電流を検出する。このようにして電流検出素子DISWでスイッチング電流を検出し、それにより外付けダイオードBDOの負電流を検出する。この場合、実施形態1の説明は「ボディダイオード」を「外付けダイオード」と置き換える。
なお、半導体スイッチ200にボディダイオードBDが形成されている場合、図15(b)に示すように、ボディダイオードBDと並列に外付けダイオードBDOを形成してもよい。スイッチング電流の電路に(電路中に抵抗を入れ、あるいは電路脇にロゴスキーコイルを配置する等して)スイッチング電流検出素子DISWを設ける。このようにすると、ボディダイオードBDと外付けダイオードBDOの合計負電流が検出できる。外付けダイオードの電路又は電路脇に電流検出素子DIを設けてもよい。
ボディダイオードが無視できる場合、あるいはボディダイオードを流れる負電流と外付けダイオードを流れる負電流との合計負電流の電流値と、ボディダイオードを流れる電流値との関係が分かっている場合、外付けダイオードを流れる負電流を検出すればその検出値に基づき適切な制御が可能となる。図15(b)の場合、実施形態1は「ボディダイオード」を「外付けダイオード」と置き換える。
3.特定の場合の異常について
補正制御部は半導体スイッチ制御回路に接続された入力電源起動時あるいは半導体スイッチ制御回路の入力電圧異常時のいずれかの場合に、補正制御するようにしてもよい。
また、入力電源起動時及び半導体スイッチ制御回路の入力電圧異常時の場合の、一方の場合にのみ、あるいは双方の場合にのみ補正制御してもよい。
このようにすると、補正制御対象を絞ることにより、より的確な補正制御を行うことができる。
図16は、異常時の場合の半導体スイッチ制御回路の補正制御説明図で、(a)は電源起動異常時、(b)は入力電圧異常時の説明図である。
(1)電源起動時の異常(図16(a))
電源起動異常時の制御について説明する。電源起動時に入力電圧が定格範囲と外れていたり、サージ電圧が印加される等する場合、過大なリンギングが生じて異常発振が生じ、制御困難になる場合がある。
図16(a)に示すように、T0で半導体スイッチ200にオン信号が入ると、ゲート電圧VGSが一時的に負電圧となり、スイッチング電流ISWも負となる(負電流となる)。その後、半導体スイッチ200はオフでドレイン電圧VDSはゼロ、スイッチング電流ISWは上昇を続ける。T1で半導体スイッチ200はオフとなり、スイッチング電流ISWは流れなくなる。
しかるに、電源起動時に異常があると、T1のタイミングでドレイン電圧VDSはオフ状態で大きなリンギングが生じ(点線)、スイッチング電流ISWも大きな振動現象を生ずる(点線)。これが過大であると、半導体スイッチ200が破壊されたり、異常発振を生じて制御が困難になるが、本発明の半導体スイッチ制御回路は、実施形態1あるいは2で説明したように、ボディダイオードあるいは外付けダイオード(あるいは両者)を流れる負電流を直接的にあるいはスイッチング電流ISWの検出から間接的に検出する。
そして、ゲート電圧VGSのオン信号時間幅の制御、ゲート電極Gを流れるゲート電流IGの電流値の制御あるいはゲート電圧VGSの電圧値を制御(あるいはこれらの任意の2つ又は3つの制御)を行う。そうすると、ドレイン電圧VDSのT1での大きなリンギング現象は制御をしない場合の点線から制御した場合の実線のように小さくあるいは殆ど生じなくなる。スイッチング電流ISWのT1時における大きな振動も点線(補正制御しない場合)から実線(補正制御した場合)のように小さくあるいは殆どなくなる。
負電流異常検出後に制御を開始する。T1~T2間に「制御」と記載したのは、T1時のドレイン電圧VDSの大きなリンギング(点線)が実線のように補正制御されたことを示すためである(スイッチング電流ISWも同様)。
入力電圧がその後正常化された場合、ドレイン電圧VDSやスイッチング電流ISWは振動現象が生じないか小さくなる(実線)。
(2)入力電圧の異常(図16(b))
図16(b)は、起動時には正常であるが、その後に入力電圧が異常となった場合の制御についての説明図である。
起動時には正常であるため、半導体スイッチがオン(T0~T1)、オフ(T1~T2)、オン(T2~T3)、オフ(T3~)と繰り返す場合、ドレイン電圧VDS、スイッチング電流ISWはオン/オフ切り替え時に大きな振動が発生せず正常である。
ところが、その後に入力電圧に異常が生ずると、オン(TX0~TX1)、オフ(TX1~TX2)、オン(TX2~TX3)、オフ(TX3~TX4)、オン(TX4~TX5)、オフ(TX5~)・・のオン/オフ切り替え時のタイミングTX1、TX3、TX5・・でドレイン電圧VDSに大きなリンギングが生じたりスイッチング電流ISWに大きな振動現象が生ずる(点線)。しかし、ゲート電圧のオン信号時間幅の制御、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値の制御あるいはゲート電圧の電圧値を制御(あるいはこれらの任意の2つ又は3つの制御)を行う。そうすると、ドレイン電圧VDSのT1での大きなリンギングは補正制御をしない場合の点線から補正制御した場合の実線のように小さくあるいは殆ど生じなくなる。スイッチング電流ISWのT1時における大きな振動も振動が大きい点線(制御しない場合)から実線(制御した場合)のように小さくあるいは殆どなくなる。
大きなリンギングが生ずるのは、半導体スイッチ制御回路1に接続された入力回路の電源起動時、及び半導体スイッチ制御回路1の入力電圧異常時が多い。これらの少なくとも1つの場合に、ゲート電圧VGSのオン信号時間幅、ゲート電極Gを流れるゲート電流IGの電流値及びゲート電圧VGSの電圧値の少なくとも1つを制御することにより大きなリンギングによる異常発振等の問題の多くは解消できる。
半導体スイッチ制御回路1に接続された入力回路の電源起動時、及び半導体スイッチ制御回路1の入力電圧異常時のみ制御するようにしてもよい。
4.ゲート電流(ゲートソース電流、ゲートシンク電流)
ゲート電極駆動制御部10がゲート電流IGを制御する場合、ゲート電流IGとして、ゲートソース電流を制御する、ゲートシンク電流を制御する、ゲートソース電流とゲートシンク電流を制御する、のいずれかでよい。
換言すると、ゲート電流補正制御部(図9のゲート電流制限指令信号発生回路INSG2を含む回路)は、ゲート電流IGとして、ゲート電極Gの入力容量(浮遊容量等)を充電するゲートソース電流と、ゲート電極Gの容量(入力容量)に蓄積された電荷を放電するゲートシンク電流、の少なくとも1つを補正制御するようにすることができる。
図17は半導体スイッチ200のゲート電流IGの説明図である。
半導体スイッチ200のゲート電極G・ドレイン電極D間に容量CGDがあり、ゲート電極G・ソース電極S間に容量CGSがあると、図17に示すように描ける。これらの容量は積極的に作製してもよいが、浮遊容量としても存在する。あるいは浮遊容量と浮遊容量以外の容量との合計容量であってもよい。
ここで、ゲート電極G・ドレイン電極D間の容量CGDと、ゲート電極G・ソース電極S間の容量CGSとを合わせてゲート電極Gの入力容量ということにする。
ゲートソース電流は、ゲート電極Gの入力容量を充電する電流である。ゲートソース電流が所定量流れると入力容量が充電され、半導体スイッチ200をオンさせる。
ゲートシンク電流は、ゲート電極Gの入力容量の電荷の放電電流である。ゲートシンク電流が所定量流れゲート電極の入力容量の電荷が放電され、半導体スイッチ200をオフさせる。
ゲート電流IGの制御をゲートソース電流の電流値を制御することにより行うことができる。
また、ゲートシンク電流の電流値を制御することにより行うことができる。
ゲートソース電流とゲートシンク電流の双方を制御することにより行うこともできる。ゲートソース電流とゲートシンク電流の双方を電流量がほぼ同じになるように制御すると、充電と放電とのバランスのとれた制御が可能となる。
ゲートソース電流とゲートシンク電流のいずれかであるかを考慮せず、ゲート電流の電流値を制御することにより行うこともできる。
このように、ゲート電流IGの制御を、ゲートソース電流の制御、ゲートシンク電流の制御、あるいはその両者を制御することで、より的確な制御が可能となる。過電流破壊、過電圧破壊、異常発振の少なくとも1つをより的確に抑制できる。
5.記憶部
半導体スイッチ制御回路1は、更に、ダイオードを流れる負電流の基準値関連情報を記憶する記憶部を備え、補正制御部40は、負電流検出部20によって検出された負電流の検出値に関する情報と、記憶部に記憶された基準値関連情報と、に基づいて、オン/オフ制御の補正を行うようにすることができる。
ダイオードを流れる「負電流の基準値関連情報」とは、ダイオードを流れる負電流が異常であるか、正常であるか、等の基準値に関連する情報の意味であり、検出された負電流がある一定の値(基準値)以下(又は一定の値未満)である、あるいは、それ以上(又は一定の値を超過)であるかに関連する情報である。例えば、正常/異常の境界の負電流の電流値、正常/異常の境界の電流値に対応する電流/電圧変換回路IVTの電圧値、正常/異常の境界の負電流の電流値に対応する記号、正常/異常の境界の負電流の電流値を一定数増減したり一定数で掛け算、割り算した値、正常/異常の境界の負電流の電流値に対応する電流/電圧変換回路IVTの電圧値を一定数増減したり一定数で掛け算、割り算した値、等である。
図18は、本発明の半導体スイッチ制御回路1で、ボディダイオードBD、あるは外付けダイオードBDO、あるいは両者を流れる負電流の基準値を記憶する記憶部を備えた場合の回路説明図を示す。図7、図9あるいは図11の半導体スイッチ制御回路1で、更に、記憶部30を備えた制御回路である。図7、図9あるいは図11の制御回路の一部を変更あるいは追加している。図18にない部分は、図7、図9、図11あるいは他の図と同じであるため、説明を省略する。
図18の制御回路は、電流/電圧変換回路IVTで検出された負電流との比較対象を予め記憶部(基準値メモリー)30に入れておき、基準値メモリーに記憶されている比較値と負電流検出値に基づき過負電流検出信号DTを出す。
基準値メモリーには、負電流電流値(図18の基準値メモリー中の「0」、「-A1」、「-A2」、・・)、それに対応する電圧値(図18の基準値メモリー中の「0」、「-B1」、「-B2」、・・、電流/電圧変換回路IVTの出力電圧IVTO)、異常性の有無(図18の基準値メモリー中の「OK」、「NG」)、コンパレーターOPER(比較器、実施形態ではコンパレーターとしてオペアンプを使用した)に入力する基準となる比較基準値(電圧、図18の基準値メモリー中の「基準値1」、「基準値2」・・)の比較表が記憶されている。
例えば、負電流が検出されない場合、負電流電圧値(電流/電圧変換回路IVTで負電流の電流値が電圧に変換された電圧値、電流/電圧変換回路IVTの出力電圧IVTO)はゼロ「0」、異常性はなし(「OK」)、比較基準値はなしと記憶する。
負電流の電流値が「-A1」である場合、負電流電圧値(電流/電圧変換回路IVTの出力電圧)は「-B1」、負電流が検出されたが電流値が小であるため異常性はなし(「OK」)、比較基準値はなしと記憶する。
負電流の電流値が「-A2」である場合、負電流電圧値(電流/電圧変換回路IVTの出力電圧)は「-B2」、負電流が検出されたが電流値が小であるため異常性はなし(「OK」)、比較基準値はなしと記憶する。
負電流の電流値が「-A2」より大きな「-A3」である場合、負電流電圧値(電流/電圧変換回路IVTの出力電圧)は「-B2」より大きな「-B3」、検出された負電流が大きいため異常性あり(「NG」)、比較基準値は「基準値1」と記憶する。
負電流の電流値が「-A3」より大きな「-A4」である場合、負電流電圧値(電流/電圧変換回路IVTの出力電圧)は「-B3」より大きな「-B4」、検出された負電流が大きいため異常性あり(「NG」)、比較基準値は「基準値1」より大きな「基準値2」と記憶する。
負電流が検出され、電流/電圧変換回路IVTで電圧に変換されると、その出力電圧IVTOはオペアンプOPERの一方の端子(+端子)に入力される。
電流/電圧変換回路IVTの出力は基準値メモリー及び基準値設定指令部INSSTにも入力される。基準値メモリーは検出された負電流に対応する信号を基準値設定指令部INSSTに出力する。
例えば、負電流が検出されなかった場合、電流/電圧変換回路IVTからの負電圧出力はないから、電流/電圧変換回路IVTの出力(負電圧出力なし)を受け回路基準値設定指令部INSSTは基準となるコンパレーターOPERの比較電圧(-端子)を正常時の電圧とする。この場合、メモリーから指令部には比較「基準値」の信号は出ない。
ここで、負電流の電流値が「-A3」以上の場合(負電流の絶対値の大きさが「-A3」以上の場合、即ち、「-A3」「-A4」・・の場合)に負電流の電流値が異常性あり「NG」として検出したい場合には、基準値メモリーで、負電流の電流値「-A3」に対応する「基準値」として「基準値1」を記憶させておく。これは、コンパレーターOPERの比較電圧端子(-端子)に、負電流の電流値(絶対値)が「-A2」以下であれば異常性なし(OK)。「-A3」以上であれば(「-A3」[-A4]・・であれば)異常性あり(NG)としてコンパレーターOPERから過負電流検出信号DTを出力するように、コンパレータ-OPERの-端子に比較電圧を設定する指令信号を出すことができる(指令部INSSTから出す)旨を記憶している意味である。
この場合、指令部INSSTは、負電流の電流値が「-A2」以下の場合(「-A2」「-A1」「0」の場合)にはコンパレーターOPERから過負電流検出信号DTが出ず、「-A3」以上の場合(「-A3」「-A4」・・の場合)には過負電流検出信号DTが出るように、コンパレーターOPERの-端子に電圧(比較電圧)を印加する。電源電圧VDDとアース間に設けられた複数の抵抗RSTによる降下電圧中、比較電圧として印加したい電圧に相当する電圧を、指令部INSSTからの指令(信号)により、スイッチSWSで選択してコンパレーターOPERの比較電圧入力端子(-端子)に印加しておく。
これにより、図18では、負電流の電流値「-A2」(負電流電圧値「-B2」)より(絶対値が)大きな負電流の電流値「-A3」(負電流電圧値「-B3」)が、電流/電圧変換回路INTの出力INVOとして、コンパレーターOPERの+端子に入力されると、過負電流検出信号DTが出力される。
また、負電流の電流値が「-A4」以上の場合(負電流の絶対値の大きさが「-A4」以上の場合、即ち、「-A4」・・の場合)に負電流の電流値が異常性あり「NG」として検出したい場合には、基準値メモリーで、負電流の電流値「-A4」に対応する「基準値」として「基準値2」を記憶させておく。これは、コンパレーターOPERの比較電圧端子(-端子)に、負電流の電流値が「-A3」以下(「-A3」「-A2」「-A1」・・)であれば異常性なし(OK)。「-A4」以上であれば(「-A4」「-A5」・・であれば)異常性あり(NG)としてコンパレーターOPERから過負電流検出信号DTを出力するように、コンパレータ-OPERの-端子に比較電圧を設定する指令信号を出すことができる(指令部INSSTから出す)旨を記憶している意味である。
この場合、指令部INSSTは、負電流の電流値が「-A3」以下の場合(「-A3」「-A2」「-A1」「0」の場合)にはコンパレーターOPERから過負電流検出信号DTが出ず、「-A4」以上の場合(「-A4」・・の場合)には過負電流検出信号DTが出るように、コンパレーターOPERの-端子に電圧(比較電圧)を印加する。電源電圧VDDとアース間に設けられた複数の抵抗RSTによる降下電圧中、比較電圧として印加したい電圧に相当する電圧を、基準値設定指令部INSSTからの指令(信号)により、スイッチSWSで選択してコンパレーターOPERの比較電圧入力端子(-端子)に印加しておく。これにより、図18では、負電流の電流値「-A3」(負電流電圧値「-B3」)より(絶対値が)大きな負電流の電流値「-A4」(負電流電圧値「-B4」)が、電流/電圧変換回路INTの出力INVOとして、コンパレーターOPERの+端子に入力されると、過負電流検出信号DTが出力されるようにする。
上述したようにコンパレーターOPERの-端子には比較電圧が入力される。基準値設定指令部INSSTからの指定信号により、比較電圧は電源電圧VDDとアースとの間を抵抗RSTによる抵抗分割により分圧された電圧のいずれかがスイッチSWSで選択されて入力される。
このようにすることにより、入力電圧異常等の場合に、その許容範囲をきめ細かく決めたり、異常の程度に応じた制御方法を種々柔軟に決めること等が可能となる。制御の目的や制御の用途に応じた柔軟な制御が可能となる。
なお、図18のような基準値メモリーを使用せず、簡易に構成することもできる。例えば、図18の回路でコンパレーターOPERの一方の入力部(+側)に負電流の電流/電圧変換回路IVTの出力を入力させる。他方の入力部(-側)・アース間にコンデンサを接続する。コンデンサには異常とする負電流の下限に対応する電圧となるように電荷を与える。すると、記憶部はコンデンサに対応し、基準値関連情報はコンデンサの電圧値(あるいは電荷量)に対応する。
このように、「記憶部」はデジタル的記憶を行う記憶部の他、上記コンデンサのようなアナログ的な記憶をするもの、あるいはデジタル的な記憶とアナログ的記憶の併用の記憶を行うものであってもよい。
6.各種の半導体スイッチ
半導体スイッチ200としては種々の半導体スイッチがある。
最も一般的は半導体スイッチは半導体の素材としTシリコンを用いたものである。シリコンと主体とする半導体基体上に、ドレイン電極D、ソース電極S、ゲート電極Gを形成してシリコンの絶縁層INSで隔離することで、MOS型FET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)の半導体スイッチを構成する。
また、半導体スイッチ200としては、内蔵又は外付けダイオードを有する窒化ガリウム半導体スイッチ、シリコンカーバイド半導体スイッチ、酸化ガリウム半導体スイッチ及びダイヤモンド半導体スイッチを用いることができる。
半導体の材料として、窒化ガリウム半導体スイッチは窒化ガリウムを用い、シリコンカーバイド半導体スイッチはシリコンカーバイドを用い、酸化ガリウム半導体スイッチは酸化ガリウムを用い、ダイヤモンド半導体スイッチはダイヤモンドを用いた半導体スイッチである。
本発明によれば上記半導体スイッチを高速にスイッチングする場合であっても、過電流破壊、過電圧破壊、異常発振等の少なくとも1つを抑制できる。
(1)窒化ガリウム半導体スイッチ
窒化ガリウム半導体スイッチの例を図19に図示する。
シリコン基体(基板)Siの上に(図面での上側に)バッファ層Buffer層が設けられ、その上に窒化ガリウム層GaNが形成されている。その上に窒化アルミニウムガリウム層AlGaN(Alminium Gallium Nitride)層が形成されている。その上にソース電極S、ドレイン電極D、ゲート電極Gが形成されている。これらの電極間には絶縁層INSが形成されている。なお、GaN層の上部には二次元電子ガス2DEG(Two Dimentional Electron Gas)が分布している。半導体基体1Aは全体として窒化ガリウム(GaN)系半導体基体となっている。
ドレイン電極D、ソース電極S、ゲート電極Gで半導体スイッチを構成する。
半導体基体1Aとして窒化ガリウム系半導体基体を用いると、半導体基体1A上に半導体スイッチ等を半導体プロセスで作成する際に、高絶縁耐圧や低導通抵抗特性、高速スイッチング性等を容易に付与することができる。大電流や高電圧のスイッチングを行う半導体制御用、パワー用としても適する。
(2)シリコンカーバイド半導体スイッチ
シリコンカーバイド半導体スイッチは、半導体の材料としてシリコンカーバード(SiC)を使用した半導体スイッチである。シリコンカーバイドはシリコン(Si)と炭素(C)を用いて構成される。
絶縁破壊電界強度がシリコン(Si)の約10倍、バンドギャップがシリコンの約3倍と優れている。また、p型、n型の制御が広い範囲で可能である。また、シリコンの限界とされる200℃を超える高温での動作も可能である。
(3)酸化ガリウム半導体スイッチ
酸化ガリウム半導体スイッチは、半導体材料として酸化ガリウム(Ga)を用いた半導体スイッチである。
ウエハーの製造方法がほぼシリコンと同様であり製造しやすい。バンドギャップが高くパワーデバイス材料として優れる。また、パワー半導体材料として向いていることを示す指数であるバリガー性能指数も高い。
(4)ダイヤモンド半導体スイッチ
主として人工ダイヤモンドを使用した半導体である。
特に禁制帯幅(バンドギャップ)、絶縁破壊電界、移動度、熱伝導率で優れる。バンドギャップや絶縁破壊電界が高く、出力電圧を高くできる。移動度が高いため電流を流した際の抵抗値が低くなり、消費電力を低減できる。さらに熱伝導率が高いので放熱性に優れ、高電圧をかけた際の熱リスクを抑制可能である。現在主流のシリコン半導体に比べ、数十倍から数百倍とも言われる大幅な高速化が可能である。
7.その他(第1電極・第2電極間の容量)
半導体スイッチ200の第1電極D・第2電極S間に、図20に示す容量CDSがあってもよい。容量CDSは寄生容量、外付け容量、あるいはこれらの両者であってもよい。
8.半導体スイッチの制御方法
半導体スイッチ200は次のような制御方法で制御する。
まず、制御する対象は、第1電極Dと、第2電極Sと、ゲート電極Gと、第1電極D・第2電極S間に設けられたダイオード(ボディダイオードBD又はボディダイオード以外のダイオードBDO又は両者のダイオード)と、を有する半導体スイッチ200である。この半導体スイッチ200は、ゲート電極Gにゲート電圧VGSを印加することにより第1電極D・第2電極S間のオン/オフ制御を行う。
ダイオード(ボディダイオードBD又はボディダイオード以外のダイオードBDO又は両者のダイオード)を流れる負電流を検出する。
検出された負電流の検出値に関する情報に基づいて半導体スイッチ200のオン/オフ制御の補正をする。
動作の詳細について実施形態1等で説明した通りである。
このような方法で半導体スイッチ200を制御することにより、過電流破壊抑制等、実施形態1等で説明した効果を得ることができる。
なお、補正制御としては、ゲート電圧のオン信号時間幅の補正制御、ゲート電極を流れるゲート電流の電流値補正制御、及び、ゲート電圧の電圧値の補正制御がある。
9.インテリジェントパワーモジュール。
図1に示すように、半導体スイッチ200、半導体スイッチ制御回路1、出力側に設けられた絶縁トランス400、整流用のダイオード500、出力部コンデンサ600でインテリジェントパワーモジュール100を構成した。
端子T1、T2間に入力電圧VIが印加され、端子T2から入力伝習が流入する。端子T3、T4から出力電圧が出力される。端子T4から出力電流が流出する。端子T2は入力側のアース端子、T4は出力側のアース端子としている。半導体スイッチ制御回路1の駆動用電源は端子TVDDから供給される。
このようなインテリジェントパワーモジュールは、半導体スイッチ200やそれを的確に制御する半導体スイッチ制御回路1等が一体化されているため、過電流破壊等が生じ難いスイッチング電源等を容易に構成することができる。
10.スイッチング電源装置
上記の半導体スイッチ制御回路又はインテリジェントパワーモジュールを備えたスイッチング電源装置を構成することができる。
スイッチング電源装置は、例えば、上記のインテリジェントパワーモジュールと入力部コンデンサ4等から構成することができる。
このようなスイッチング電源装置は過電流破壊等を抑制した安定的電源装置である。
1…半導体スイッチ制御回路、2、2P…入力電源、3、3P…整流回路、4,4P…コンデンサ、10…ゲート電極駆動制御部、20…負電流検出部、30…記憶部、40…補正制御部、100…IPM、100P…電源制御IC、200、200P…半導体スイッチ、400…絶縁トランス、500…ダイオード、700…負荷、800…過大スイッチング電流検出回路、1000…スイッチング電源装置、2000…電力変換回路、BD…ボディダイオード、BDO…外付けダイオード、CGD…ゲート電極・第1電極(ドレイン電極)間容量、CGS…ゲート電極・第2電極(ソース電極)間容量、CGD…第1電極・第2電極(ドレイン電極・ソース電極)間容量、D、D1…第1電極(ドレイン電極)、S、S1…第2電極(ソース電極)、G、G1…ゲート電極、VGS…ゲート電圧(ゲート電極・ソース電極間電圧、ゲート電極・第2電極間電圧)、VGSR、VGSJ…ゲート電極に印加するゲート電圧、VDS…第1電極・第2電極間電圧(ドレイン電極・ソース電極間電圧、ドレイン電圧)、VDSD…負の第1電極・第2電極間電圧(ドレイン電極・ソース電極間電圧、ドレイン電圧)、VDSR…リンギングが生じた第1電極・第2電極間電圧(ドレイン電極・ソース電極間電圧、ドレイン電圧)、VG1…ゲート電極印加電圧、VZ……抵抗RZによる降下電圧、VIT…V/I(電圧/電流)変換回路、DV…電圧検出器、INT…積分回路、CDO…垂下特性制御部、DINV…入力電圧検出部、ID…負電流、ISW、IZ……スイッチング電流、ISWD…負のスイッチング電流、ISEW…振動現象が生じたスイッチング電流、IG…ゲート電流、IVT…電流/電圧変換回路、VREF…コンパレーター(オペアンプ)に入力される比較電圧、DISW…スイッチング電流検出器、ONES1、ONES2、ONES3…ワンショット回路、INSG1…ゲート電極印加パルス幅指令回路、INSG2…ゲート電流制限指令信号発生回路、INSG3…ゲート電圧制限指令信号発生回路、INSST…基準値設定指令部、SWK、SWV、SWS…スイッチ、II、IIP…入力電流、VI、VIP…入力電圧、IO、IOP…出力電流、VO、VOP…出力電圧、T1、T2、T3、T4、TVDD……端子、VDD…制御回路用電源、F/B…フィードバック回路、RK、RBD、RS、RVG、RST、ROP…抵抗、VRBD…抵抗RBDの両端間の電圧、OPEC…オペアンプ、OPER…コンパレーター(オペアンプ)、VOP…オペアンプの出力電圧、COP…コンデンサ、WI…電路、COI…ロゴスキーコイル、1A…半導体基体

Claims (14)

  1. 第1電極と、第2電極と、ゲート電極と、前記第1電極・前記第2電極間の内蔵又は外付けのダイオードと、を有する半導体スイッチの、前記ゲート電極の電気的制御により前記第1電極・前記第2電極間のオン/オフ制御を行う半導体スイッチ制御回路であって、
    前記ダイオードを流れる負電流を検出する負電流検出部と、
    少なくとも前記負電流検出部によって検出された前記負電流の検出値に関する情報に基づいて前記オン/オフ制御の補正をする補正制御部と、を備え、
    前記補正制御部は、入力電源起動時及び入力電圧異常時のいずれかの場合に、補正制御することを特徴とする半導体スイッチ制御回路。
  2. 前記負電流検出部は、前記第1電極・前記第2電極間に流れる電流を検出することにより、前記ダイオードを流れる負電流を検出するものであることを特徴とする請求項1に記載の半導体スイッチ制御回路。
  3. 前記ダイオードが主として前記第1電極・前記第2電極間のボディダイオードであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体スイッチ制御回路。
  4. 前記ダイオードが前記第1電極・前記第2電極間のボディダイオードと、前記第1電極・前記第2電極間の前記ボディダイオード以外のダイオードであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体スイッチ制御回路。
  5. 前記補正制御部は、前記負電流検出部で検出された負電流が所定である場合に前記オン/オフ制御の補正をするものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
  6. 前記補正制御部は、前記負電流の検出値に関する情報に基づいて、前記ゲート電極・前記第2電極間の電圧であるゲート電圧のオン信号時間幅の補正をするゲートオン信号時間幅補正制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
  7. 前記補正制御部は、前記負電流の検出値に関する情報に基づいて、前記ゲート電極を流れるゲート電流の電流値を補正するゲート電流補正制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
  8. 前記ゲート電流補正制御部は、前記ゲート電流として、前記ゲート電極の容量を充電するゲートソース電流と、前記ゲート電極の前記容量に蓄積された電荷を放電するゲートシンク電流、の少なくとも1つを補正制御するものであることを特徴とする請求項7に記載の半導体スイッチ制御回路。
  9. 前記補正制御部は、前記負電流の検出値に関する情報に基づいて、前記ゲート電極・前記第2電極間の電圧であるゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
  10. 第1電極と、第2電極と、ゲート電極と、前記第1電極・前記第2電極間の内蔵又は外付けのダイオードと、を有する半導体スイッチの、前記ゲート電極の電気的制御により前記第1電極・前記第2電極間のオン/オフ制御を行う半導体スイッチ制御回路であって、
    前記ダイオードを流れる負電流を検出する負電流検出部と、
    少なくとも前記負電流検出部によって検出された前記負電流の検出値に関する情報に基づいて前記オン/オフ制御の補正をする補正制御部と、を備え、
    前記補正制御部は、前記負電流の検出値に関する情報に基づいて、前記ゲート電極・前記第2電極間の電圧であるゲート電圧の電圧値を補正するゲート電圧補正制御部を有することを特徴とする半導体スイッチ制御回路。
  11. 前記半導体スイッチ制御回路は、更に、前記ダイオードを流れる前記負電流の基準値関連情報を記憶する記憶部を備え、
    前記補正制御部は、前記負電流検出部によって検出された前記負電流の前記検出値に関する情報と、前記記憶部に記憶された前記基準値関連情報と、に基づいて、前記オン/オフ制御の補正を行うものであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路。
  12. 半導体スイッチと、請求項1乃至11のいずれかに記載の半導体スイッチ制御回路と、を備えたことを特徴とするインテリジェントパワーモジュール。
  13. 前記半導体スイッチは、窒化ガリウム半導体スイッチ、シリコンカーバイド半導体スイッチ、酸化ガリウム半導体スイッチ及びダイヤモンド半導体スイッチのうち少なくとも1の半導体スイッチであることを特徴とする請求項12に記載のインテリジェントパワーモジュール。
  14. 請求項12または13に記載のインテリジェントパワーモジュールを備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
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