JP2015035946A - 駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランジスタ構造とダイオード構造が同一の半導体基板に形成された半導体素子に対し、スイッチング損失および/または半導体素子の導通損失を低減する。
【解決手段】駆動IC24A、24BのVf制御部26は、それぞれPWM信号FH、FLがHレベルの期間に、半導体素子1A、1Bにダイオード素子6の順方向の向きに流れる電流が電流しきい値It以上であると判定すると、ゲート駆動信号SGH、SGLをLレベルにする(Vf制御)。パルス制御部27は、上下アーム間で通電が切り替わるとき、それぞれPWM信号FH、FLがHレベルの期間に、半導体素子1A、1Bにダイオード素子6の順方向の向きに電流が流れていると判定すると、PWM信号FH、FLの立ち下がり時点を起点として、第1時間T1の経過時点から第2時間T2の経過時点までゲート駆動信号SGH、SGLをHレベルにする(パルス制御)。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁ゲート型のトランジスタ構造とダイオード構造とが同一の半導体基板に形成された半導体素子の駆動制御装置に関する。
RC−IGBT、MOSトランジスタ、MOSゲートを備えたダイオードなど、トランジスタ素子とダイオード素子とが同一の半導体基板に形成され、トランジスタ素子の通電電極(コレクタ、エミッタまたはドレイン、ソース)とダイオード素子の通電電極(カソード、アノード)とが共通の電極とされた半導体素子が知られている(非特許文献1参照)。こうした半導体素子を、インバータやコンバータなどの電力変換装置においてスイッチング素子として用いる場合、スイッチング損失および/または導通損失を低減することが必要である。
電力変換装置は、ハーフブリッジ回路を基本構成とし、上下アームの半導体素子を相補的にオンオフさせることで交流−直流電圧変換、直流−交流電圧変換を行い、或いは入力電圧を昇圧、降圧する。このハーフブリッジ回路において、電源短絡(アーム短絡)を防止するため、上下の半導体素子を同時にオフするデッドタイムが設けられている。
デッドタイムの期間中は、一方の半導体素子のダイオード素子に負荷電流が還流する。デッドタイムの終了後、他方の半導体素子がオンすると、負荷電流が上記ダイオード素子から当該他方の半導体素子に切り替わる。この際、ダイオード素子に蓄積されていたキャリアの放出による逆回復電流が流れる。この逆回復電流は、スイッチング損失を増加させるとともにノイズの発生要因となる。
これに対し、非特許文献1には、他方の半導体素子がターンオンする少し前に、一方の半導体素子に正のゲート駆動電圧を印加する方法が開示されている。この方法によれば、半導体素子の電子電流の増加とともにホール電流が減少し、ホールの注入が抑制され、逆回復電流が低減できる。
一方、上述した半導体素子は、ダイオード素子に電流が流れている状態でゲート駆動電圧が印加されると、チャネルが形成されてホールの注入が抑制されるので、導通損失が増大するという特性を有している。これに対し、ダイオード素子に電流が流れているか否かを判定し、電流が流れているときにはゲート駆動電圧を遮断し、流れていないときにはゲート駆動電圧を印加する駆動制御が提案されている。
Zhenxue Xu, Bo Zhang and Alex Q.huang, "Experimental Demonstration of the MOS Controlled Diode(MCD)", IEEE 2000, Vol.2, p.1144-1148
半導体素子に一時的にゲート駆動電圧(ゲート駆動パルス)を印加してキャリアの注入を抑制させる非特許文献1記載の方法は、逆回復電流を低減するために有効である。しかし、ハーフブリッジ回路を構成する2つの半導体素子の間で電流を切り替える過渡時にゲート駆動パルスを印加する必要があるため、印加タイミングがわずかでも遅れるとアーム短絡が発生する。逆に印加タイミングが早いと、ゲート駆動パルスの印加終了後に再び注入されるホールの量が増え、逆回復電流の低減効果が減少する。上記非特許文献1には、ゲート駆動パルスの具体的な印加タイミングやパルス幅が示されていない。当該方法を実用化するには、こうしたゲート駆動パルスの印加手段の確立が必要である。
一方、ゲート駆動電圧の印加/遮断による半導体素子の導通損失の特性は、半導体素子の種類(RC−IGBT、MOSトランジスタ等)により大きく異なる。このため、半導体素子にダイオード素子の順方向の向きに電流が流れているか否かの従来の判定基準では、導通損失を十分に低減できない場合が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、トランジスタ構造とダイオード構造とが同一の半導体基板に形成された半導体素子に対し、第1に、ゲート駆動パルスを適切なタイミングで印加することによりスイッチング損失を低減でき、第2に、半導体素子の種類にかかわらず半導体素子の導通損失を十分に低減できる駆動制御装置を提供することにある。
請求項1に記載した駆動制御装置は、ゲート駆動電圧が印加される絶縁ゲート型のトランジスタ構造とダイオード構造とが同一の半導体基板に形成され、トランジスタ構造の通電電極とダイオード構造の通電電極とが共通の電極とされた半導体素子の駆動制御を行う。駆動制御装置は、半導体素子に流れる電流に応じた電流検出信号を出力する電流検出手段と、ゲート駆動信号を出力する第1の制御手段とを備えている。
第1の制御手段は、電流検出信号に基づいて、半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間に半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、その後のオフ指令信号の入力時点を起点として、予め設定された第1時間の経過時点から第2時間の経過時点まで、ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力する。このゲート駆動信号は、当該一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように設定されている。このゲート駆動信号に応じて、ゲートにパルス状のゲート駆動電圧(ゲート駆動パルス)が印加される。
駆動対象の半導体素子は、トランジスタ構造とダイオード構造に対し共通のゲート構造を備えている。上下アーム間で通電が切り替わる時、例えば一方の半導体素子のダイオード構造に電流が流れている状態で、第1の制御手段が当該一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加すると、当該ダイオード構造に蓄積されるホールが減少し、逆回復電流を低減する作用が生じる。
しかし、オフ指令信号が入力された半導体素子について、ダイオード構造の順方向の向きに素子電流(例えばダイオード電流)が流れている場合と、逆方向の向きに素子電流(トランジスタ電流)が流れている場合とでは、ゲート駆動パルスを与えたときのゲート駆動電圧の波形が異なる。例えば、前者の場合には半導体素子間の電圧・電流の急峻な変化やミラー期間が生じないので、ゲート駆動電圧の立ち上がり時間および立ち下がり時間は短くなる(或いは短くできる)。これにより、ゲート駆動パルスの遅延やばらつきが小さくなる。一方、後者の場合には半導体素子間の電圧・電流の急峻な変化やミラー期間が生じるので、ゲート駆動パルスの遅延やばらつきが大きくなる。駆動制御装置は、半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れている場合に限りゲート駆動パルスを印加するので、前者の場合の小さい遅延やばらつきに基づいた制御が可能となり、印加タイミングの精度を高めることができる。
第1の制御手段は、相補的に変化する高電位側(ハイサイド)と低電位側(ローサイド)の指令信号(例えばPWM信号)のうち少なくとも一方の指令信号を入力し、少なくとも一方のサイドの半導体素子にゲート駆動電圧を印加する。この指令信号は、切り替え時にデッドタイム(アーム短絡防止のため両サイドがオフしている期間)を有している。デッドタイムは一定時間であるため、一方サイドのオフ指令信号の入力から他方サイドのオン指令信号の入力までの時間が正確に保証されている。
本手段によれば、上述した遅延やばらつきを予め測定しデッドタイムを把握した上で、オフ指令信号の入力時点を起点として、ゲート駆動電圧を所望のタイミングで印加するために必要なゲート駆動信号のタイミング、すなわち第1時間と第2時間を正確に設定することが可能となる。
これにより、一方の半導体素子に対するゲート駆動パルスの印加終了時点から逆回復電流が流れ始めるまでの時間、例えばゲート駆動パルスの印加終了後にダイオード構造に再びキャリア(ホール)が注入される時間(キャリアの再注入時間)を正確に制御可能となる。その結果、アーム短絡を防止しつつ再注入時間を短く制御することができるので、逆回復電流が減少し、スイッチング損失を低減できる。また、第1の制御手段は、オフ指令信号を基準タイミングとしてゲート駆動信号を印加できるので、別のタイミング信号が不要となり、従来から使用している駆動制御装置からの置き替えが容易になる。
請求項18に記載した手段は、電流検出手段に替えて半導体素子の電極電位に応じた電圧検出信号を出力する電圧検出手段を備えており、半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに電圧検出信号に基づいて半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、その後にオン指令信号の入力を経てオフ指令信号が入力された時点を起点として、一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように予め設定された第1時間の経過時点から第2時点の経過時点まで、ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力するものであり、ほぼ請求項1と同様の作用効果を奏する。
請求項2に記載した手段によれば、半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れる場合において、ゲート駆動電圧が遮断されている時における導通損失とゲート駆動電圧が印加されている時における導通損失とが等しくなる電流値が予め測定されて電流しきい値として設定されている。第2の制御手段は、駆動制御する半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、電流検出信号に基づいて、半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに流れる電流が電流しきい値以上であると判定すると、ゲート駆動電圧の遮断を指令するゲート駆動信号を出力する。電流しきい値未満であると判定すると、ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力する。
半導体素子は、ゲート駆動電圧が遮断されている時と印加されている時における導通損失が相違する特性を有している。これは、チャネルの形成によりホールの注入が影響を受けるからである。ゲート駆動電圧が遮断されている時の導通損失と印加されている時の導通損失との大小関係は、半導体素子の種類、耐圧などにより異なる。そこで、本手段では、この関係を予め測定して大小関係が入れ替わる電流しきい値を設定する。
第2の制御手段は、半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに流れる電流が電流しきい値以上のときにゲート駆動電圧の遮断指令を出力し、電流しきい値未満のときにゲート駆動電圧の印加指令を出力する。これにより、半導体素子の種類や耐圧にかかわらず、導通損失を適切に低減することができる。また、半導体素子にダイオード構造の逆方向の向きに電流が流れる期間に確実にゲート駆動電圧が印加されるので、トランジスタ構造にオン指令信号に従った電流を流すことができる。
請求項3に記載した手段によれば、第2の制御手段は、駆動制御する半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流しきい値未満の電流が流れていると判定すると、ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を、当該半導体素子に対するオフ指令信号の入力時点を越えて第2時間の経過時点まで延長して出力する。これにより、請求項2記載の制御と請求項1記載の制御とを一連のゲート駆動電圧により実行でき、導通損失を一層低減できる。
請求項4に記載した手段によれば、第2の制御手段は、駆動制御する半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力する。第2の制御手段は、当該期間において半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定すると、ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を、当該半導体素子に対するオフ指令信号の入力時点を越えて第2時間の経過時点まで延長して出力する。これにより、オン指令信号が入力されている期間のゲート駆動電圧と、その後の請求項1記載の制御に係るゲート駆動電圧とを、一連のゲート駆動電圧として実行でき、導通損失を一層低減できる。
請求項5に記載した駆動制御装置は、電流検出手段と、ゲート駆動信号を出力する第2の制御手段とを備えている。半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れる場合において、ゲート駆動電圧が遮断されている時における導通損失とゲート駆動電圧が印加されている時における導通損失とが等しくなる電流値が予め測定されて電流しきい値として設定されている。
第2の制御手段は、半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、電流検出信号に基づいて、半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに流れる電流が電流しきい値以上であると判定すると、ゲート駆動電圧の遮断を指令するゲート駆動信号を出力する。電流しきい値未満であると判定すると、ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力する。この構成によれば、上述した請求項2と同様の作用および効果が得られる。
請求項6に記載した手段によれば、請求項2、3、5に示す構成において、第2の制御手段は、外部から電流しきい値を特定するしきい値特定信号を入力可能に構成されている。第2の制御手段は、オン指令信号が入力されている期間において、入力したしきい値特定信号に応じた電流しきい値を半導体素子に流れる電流の判定に用いる。これにより、駆動制御装置は、種類、耐圧などが異なる種々の半導体素子を低い導通損失で駆動することができる。
請求項7に記載した手段によれば、半導体素子を通して負荷に流れる電流が規定値よりも小さい場合、通常制御を実行する。すなわち、半導体素子に流れる電流の向きにかかわらず、駆動制御する半導体素子に対するオン指令信号が入力されるとゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力し、オフ指令信号が入力されるとゲート駆動電圧の遮断を指令するゲート駆動信号を出力する。これにより、電流検出精度の低下による誤制御を防止することができる。
請求項8に記載した駆動制御装置は、ゲート駆動信号を入力してゲート駆動電圧を出力するドライブ回路を備え、ゲート駆動電圧に応じた耐圧を持つICで構成されている。この構成によれば、ハーフブリッジ回路を構成する半導体素子ごとに駆動制御装置が設けられる。既に広く使用されている半導体素子の駆動システムに対し、駆動制御装置(駆動IC)を置き替えればよいので、駆動システムの変更が容易になる。
請求項9に記載した駆動制御装置は、ハーフブリッジ回路を構成する2つの半導体素子を駆動制御するものであって、ハーフブリッジ回路に加わる電源電圧に応じた耐圧を持つICで構成されている。当該ICは、ゲート駆動信号を入力してゲート駆動電圧を出力するドライブ回路を備えている。電流検出手段は、2つの半導体素子のうち少なくとも一方に流れる電流を検出する。一方の電流を検出できれば、他方の半導体素子の電流も間接的に検出可能となる。
本駆動制御装置は、ハーフブリッジ回路を構成する2つの半導体素子の駆動状態を把握できる。制御手段は、2つの半導体素子のうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止する。これにより、アーム短絡を確実に防止できる。
請求項10に記載した駆動制御装置は、ハーフブリッジ回路を構成する2つの半導体素子を駆動制御するものである。この駆動制御装置は、制御手段を有する制御ICと、制御ICから入力したゲート駆動信号に基づいて半導体素子にゲート駆動電圧を印加する駆動ICと、制御ICから出力されたゲート駆動信号を電気的に絶縁して駆動ICに伝送する絶縁回路と、電流検出手段とから構成されている。
本駆動制御装置は、ハーフブリッジ回路を構成する2つの半導体素子の駆動状態を把握できる。制御ICは、2つの半導体素子のうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止するゲート駆動信号を出力する。これにより、アーム短絡を確実に防止できる。また、電流検出手段は、2つの半導体素子のうち一方の電流のみを検出できれば、他方の半導体素子の電流も間接的に検出可能となる。
請求項11に記載した手段によれば、電流検出手段は制御ICに設けられている。例えば、制御ICは、上述した各制御をソフトウェア処理する。
請求項12に記載した駆動制御装置は、半導体素子に流れる電流に応じた電流検出信号を出力する電流検出手段と、一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに電流検出信号に基づいて一方の半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、電流検出手段により電流検出信号の変動を検出した時点で、一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点を遡ってパルスを出力させる制御手段と、を備える。
請求項13に記載した駆動制御装置は、一方の半導体素子の電極電位に基づく電圧検出信号を出力する電圧検出手段と、一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに電圧検出信号に基づいて一方の半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点からパルスを出力させる制御手段と、を備える。
請求項15に記載した駆動制御装置は、一方の半導体素子に流れる電流に応じた電流検出信号を出力する電流検出手段と、他方の半導体素子に対する指令信号を入力する入力手段と、を備え、一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに電流検出信号及び入力手段の入力信号に基づいて一方の半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、入力手段にオフ指令信号が入力されることに応じてパルスを出力させる手段であって、一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点を遡ってパルスを出力させる制御手段と、を備える。
請求項16に記載した駆動制御装置は、一方の半導体素子の電極電位に基づく電圧検出信号を出力する電圧検出手段と、他方の半導体素子に対する指令信号を入力する入力手段と、を備え、一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに電圧検出信号及び入力手段の入力信号に基づいて一方の半導体素子にダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、入力手段にオフ指令信号が入力されることに応じてパルスを出力させる手段であって、一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点を遡ってパルスを出力させる制御手段と、を備える。
第1の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 メイン素子とセンス素子の回路構成図 半導体素子の模式的な縦断面図 ダイオード素子の順方向の電圧電流特性図 Vf制御とパルス制御に係る波形図 第2の実施形態を示し、MOSトランジスタにおいてダイオード素子の順方向の向きに電流が流れる場合の電圧電流特性図 同期整流を使用したときの、Vf制御とパルス制御に係る波形図 第3の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第4の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第5の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第6の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第7の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第8の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第9の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 電流検出構成の変形例を示す図(1) 電流検出構成の変形例を示す図(2) 第10の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第10の実施形態を示すVf制御とパルス制御に係る波形図 第11の実施形態を示すVf制御とパルス制御に係る波形図 第12の実施形態を示す同期整流を使用したときのVf制御とパルス制御に係る波形図 第13の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第14の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第15の実施形態を示す駆動制御システムの構成図 第16の実施形態を示す中間電位の検出態様を示す模式的な半導体構造断面図 各実施形態において負荷電流の方向、大きさに応じたコレクタ電極電位の変化特性を概略的に示す説明図 各実施形態における負荷電流の方向、大きさ(ゼロ電流付近)に応じたコレクタ電極電位の変化特性を概略的に示す説明図 第1〜第16の実施形態の変形例を示すVf制御とパルス制御に係る波形図 第1〜第16の実施形態の変形例を示す駆動制御システムの構成図 第1〜第16の実施形態の変形例を示す駆動制御システムの構成図 第1〜第16の実施形態の変形例を示す駆動制御システムの構成図 第1〜第16の実施形態の変形例を示す駆動制御システムの構成図 第1〜第16の実施形態の変形例を示すVf制御とパルス制御に係る波形図
各実施形態において実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図5を参照しながら説明する。図1に示す駆動制御システムは、モータ等の誘導性負荷を駆動するインバータ装置、インダクタを備えて直流電圧を昇圧/降圧するコンバータ装置などの電力変換装置に用いられる。スイッチング素子である半導体素子1A、1Bは、高電位側の直流電源線2と低電位側の直流電源線3との間に出力端子Ntを挟んで直列に配されて、ハーフブリッジ回路4を構成している。
同一構造を持つ半導体素子1A、1Bは、絶縁ゲート型のトランジスタ素子5とダイオード素子6とが同一の半導体基板に形成された逆導通型IGBT(RC−IGBT)である。トランジスタ素子5の通電電極(コレクタ、エミッタ)とダイオード素子6の通電電極(カソード、アノード)は共通の電極とされている。
このメイン素子に加え、半導体基板には、図2に示すようにメイン素子に流れる電流に比例した微小な電流を流すトランジスタ素子5sとダイオード素子6sとからなるセンス素子が形成されている。図1ではメイン素子とセンス素子を簡易的に表している。半導体素子1A、1Bのセンス端子S1、S2間には、それぞれセンス抵抗7A、7Bが接続されている。センス抵抗7A、7Bは、後述する電流検出部25とともに電流検出手段を構成している。
半導体素子1A、1Bの一例として、図3に縦型構造のRC−IGBTを示す。本実施形態のRC−IGBTは、トランジスタ構造とダイオード構造とが同一の半導体基板に設けられている。半導体基板8は、n−型のシリコン基板により構成されている。図示しないが、半導体基板8の素子形成領域の周縁部近傍には、当該素子形成領域を囲むようにガードリングが形成されている。
半導体基板8の上面側表層部には、p型のベース層9が形成されている。ベース層9には、ベース層9を貫通する深さを持つ複数のトレンチが形成されている。トレンチ内にはポリシリコンが埋め込まれており、これによりトレンチ構造を持つゲート電極10が形成されている。各ゲート電極10には、共通のゲート配線11を通してゲート駆動電圧が入力される。ゲート電極10は、ベース層9の表層部に沿う一方向に等間隔でストライプ状に設けられている。これにより、ベース層9は、上記一方向に沿って互いに電気的に分離した複数の第1領域12と複数の第2領域13とに区画される。これら第1領域12と第2領域13は交互に配設されており、第2領域13の幅は第1領域12の幅よりも広くなっている。
第1領域12の表層部には、ゲート電極10に隣接してn+型のエミッタ領域14が形成されている。第1領域12の上にはエミッタ電極15が形成されている。エミッタ電極15は、第1領域12のベース層9とエミッタ領域14とに接続されている。第1領域12は、トランジスタ素子5のチャネル領域として動作するとともに、ダイオード素子6のアノード領域として動作する。すなわち、第1領域12に対するエミッタ電極15は、トランジスタ素子5のエミッタ電極およびダイオード素子6のアノード電極となる。
コレクタ領域16(後述)の上方に設けられた第2領域13aは、何れの電極にも接続されていない。カソード領域17(後述)の上方に設けられた第2領域13bは、エミッタ電極15と接続されている。これにより、第2領域13のうちカソード領域17の上方に設けられた第2領域13bだけが、ダイオード素子6のアノード領域として動作する。すなわち、エミッタ電極15は、第2領域13bにおいてダイオード素子6のアノード電極となる。
半導体基板8の下面側表層部には、第2領域13aが形成される範囲(破線の左側)に対応してp+型のコレクタ領域16が形成され、第2領域13bが形成される範囲(破線の右側)に対応してn+型のカソード領域17が形成されている。コレクタ領域16とカソード領域17は、コレクタ電極18と接続されている。すなわち、ダイオード素子6のカソード電極は、トランジスタ素子5のコレクタ電極18と共通になっている。半導体基板8とコレクタ領域16およびカソード領域17との間には、n型のフィールドストップ層19が形成されている。
図1に示す駆動制御システムにおいて、マイクロコンピュータ(マイコン)21は、ハーフブリッジ回路4のハイサイドとローサイドのPWM信号FH、FLを生成するPWM信号生成部22を備えている。PWM信号FH、FLは、同時にLレベル(オフ指令レベル)となる一定幅のデッドタイムTdを有している。PWM信号FH、FLは、それぞれフォトカプラ23A、23Bを介して駆動IC24A、24Bに入力される。本発明で言うオン指令信号とは、Hレベル(オン指令レベル)を持つPWM信号FH、FLであり、オフ指令信号とは、Lレベル(オフ指令レベル)を持つPWM信号FH、FLである。
駆動IC24A、24Bは、電流検出部25、Vf制御部26、パルス制御部27およびドライブ回路28を備えており、電源電圧VDDA、VDDB(例えば15V)が供給されることで動作する。ハイサイド側の半導体素子1A、ローサイド側の半導体素子1Bに対し、それぞれ別個の駆動IC24A、24Bが設けられている。このため、駆動IC24A、24Bは、電源電圧VDDA、VDDBに応じた耐圧(すなわちゲート駆動電圧に応じた耐圧)で十分である。駆動IC24A、24Bは同一構成であるため、主に駆動IC24Bについての構成を説明する。
電流検出部25は、センス抵抗7Bに生じるセンス電圧VSLに基づいて、半導体素子1Bに流れる電流に応じた電流検出信号(電流の極性と大きさ)を出力する電流検出手段である。Vf制御部26とパルス制御部27は、PWM信号FLに基づいてゲート駆動信号SGLを生成する。ドライブ回路28は、ゲート駆動信号SGLを入力してゲート駆動電圧VGLを出力する。
Vf制御部26は、PWM信号FLがHレベルの期間において、ダイオード素子6の順方向の向きに流れる半導体素子1Bの電流が電流しきい値It以上のときに、ゲート駆動電圧VGLを遮断する制御を行う。この制御は、半導体素子1Bの電圧(RC−IGBTの場合にはダイオード素子6の順方向電圧Vf)を低下させて導通損失を低減する作用を持つ。以下の説明ではVf制御と称する。
パルス制御部27は、PWM信号FLがHレベルの期間に半導体素子1Bにダイオード素子6の順方向の向きの電流が流れているとき、PWM信号FLの立ち下がりを基準として、パルス状のゲート駆動信号SGLを出力する。このゲート駆動信号SGLにより、半導体素子1Bのゲートにパルス状のゲート駆動電圧VGL(以下、ゲート駆動パルスと称す)が印加される。この制御は、ダイオード素子6に蓄積されるホールを減少させ、逆回復電流を低減する作用を持つ。以下の説明ではパルス制御と称する。
Vf制御部26とパルス制御部27とで生成されたゲート駆動信号SGLは、ドライブ回路28を介して半導体素子1Bのゲートに与えられる。ドライブ回路28は、ゲートを充放電する駆動能力を複数通りに切り替えられる。すなわち、PWM信号FLの立ち上がり時、トランジスタ素子5に電流が流れている状態からのPWM信号FLの立ち下がり時など、半導体素子1Bに流れる電流(素子電流)や電圧に急峻な変化が生じるときには、電圧サージの発生を抑制するため低い駆動能力に切り替えられる。この場合、ドライブ回路28は、ターンオン時においては定電流回路を用いて駆動し、ターンオフ時においてはオン抵抗を高めたスイッチ素子を用いて駆動する。
これに対し、パルス制御のように素子電流や電圧に急峻な変化が生じないときには、高い駆動能力に切り替えられる。この場合、ドライブ回路28は、ターンオン時においては定電圧回路を用いて駆動し、ターンオフ時においてはオン抵抗を高めたスイッチ素子とオン抵抗を下げたスイッチ素子とを並列に接続して駆動する。
駆動IC24Aには、しきい値設定回路29A、30A、31Aが外付けされている。駆動IC24Bには、しきい値設定回路29B、30B、31Bが外付けされている。しきい値設定回路29A、30A、31Aは、半導体素子1Aのエミッタ電位に等しいフローティンググランドFGを基準電位として構成されている。しきい値設定回路29A、29Bは、電圧VDDA、VDDBを抵抗R1、R2で分圧してしきい値電圧Vtを生成する。しきい値設定回路30A、30Bは、電圧VDDA、VDDBを抵抗R3、R4で分圧して規定電圧Vm1を生成する。しきい値設定回路31A、31Bは、電圧VDDA、VDDBを抵抗R5、R6で分圧して規定電圧Vm2を生成する。
しきい値電圧Vtは、Vf制御部26で用いられる電流しきい値Itの大きさを決定する。後述するように、ダイオード素子6の順方向電流Ifに対する順方向電圧Vfの特性は、素子の種類(RC−IGBT、MOSトランジスタ等)や素子の耐圧によって異なる。そこで、Vf制御部26は、外部から与えられる切替信号Skとしきい値電圧Vtとに基づいて、適切な電流しきい値Itを選択する。
規定電圧Vm1は、Vf制御を停止するか否かの判定に用いる規定値Im1の大きさを決定する。規定電圧Vm2は、パルス制御を停止するか否かの判定に用いる規定値Im2の大きさを決定する。電流検出時と、その検出電流の極性に基づいてゲート駆動電圧VGH、VGLを印加した時とでは、制御の遅れにより電流極性が反転している虞もある。このため、Vf制御部26は、電流検出値が規定値Im1を下回るとVf制御を停止し、パルス制御部27は、電流検出値が規定値Im2を下回るとパルス制御を停止する。
以上説明した駆動IC24Aとセンス抵抗7Aにより駆動制御装置32Aが構成され、駆動IC24Bとセンス抵抗7Bにより駆動制御装置32Bが構成されている。
次に、図4および図5を参照しながら、主としてローサイド側の駆動制御装置32Bの作用について説明する。ハイサイド側の駆動制御装置32Aの作用も同様となる。
はじめにVf制御について説明する。RC−IGBTである半導体素子1A、1Bは、ダイオード素子6に電流が流れている状態でゲート駆動電圧が印加されると、第1領域12にチャネルが形成されてホールの注入が抑制される。このため、図4に示すように、順方向電流Ifが流れているダイオード素子6の順方向電圧Vfが高くなり、ダイオード素子6の導通損失(Vf×If)が増大する。
半導体素子1A、1BがMOSトランジスタの場合(第2の実施形態を参照)でも同様の作用が生じる。一般に、素子の高耐圧化によりドリフト領域の厚さが増すほど、全体のオン抵抗に占めるチャネルの抵抗割合が小さくなり、ゲート駆動電圧の印加時にダイオード素子6の導通損失が増大する傾向を示す。
RC−IGBTの場合、ダイオード素子6について、ゲート駆動電圧が遮断されている時における導通損失と印加されている時における導通損失とが等しくなる電流値(電流しきい値It)は小さい値になる。図4に示す場合にはほぼゼロである。これに対し、MOSトランジスタ等の場合には、ゲート駆動電圧が遮断されている時におけるダイオード素子6の導通損失と、ゲート駆動電圧が印加されている時におけるトランジスタ素子5の導通損失とが等しくなる電流値(電流しきい値It)は、比較的大きい値になる(図6参照)。すなわち、電流しきい値Itは、半導体素子1A、1Bの種類や耐圧によって異なるため、予め測定されている。
RC−IGBTを駆動する場合には切替信号Skが例えばLレベルに切り替えられ、MOSトランジスタを駆動する場合には切替信号Skが例えばHレベルに切り替えられる。切替信号Skは、外部から電流しきい値Itを特定するしきい値特定信号である。Vf制御部26は、切替信号SkがLレベルのときに、電流しきい値Itをゼロに設定してVf制御を実行する。一方、切替信号SkがHレベルのときに、外部から入力するしきい値電圧Vtに応じた電流しきい値Itを設定してVf制御を実行する。
図5は、出力端子Ntから負荷に向かって電流が流れている場合に、半導体素子1Aをオフして半導体素子1Bをオンした後、半導体素子1Bをオフして再度半導体素子1Aをオンしたときの波形である。上から順に、半導体素子1Aの電流、ゲート駆動電圧VGH、VGL、PWM信号FH、ゲート駆動電圧VGLを指令するゲート駆動信号SGL、PWM信号FLを示している。Vthは、半導体素子1Aのしきい値電圧である。
上下アーム間で通電が切り替わるとき、ゲート駆動電圧VGHがしきい値電圧Vth以上になると(時刻t9)、半導体素子1Aのトランジスタ素子5に流れる電流が増加する。図5に示す場合、増加するトランジスタ素子5の電流のうち、半導体素子1Bのダイオード素子6に流れていた電流を超える電流が逆回復電流である。図面ではハッチングで示している(時刻t10〜t11)。
駆動IC24BのVf制御部26は、PWM信号FLがHレベルの期間(時刻t2〜t3)、ダイオード素子6の検出電流がその順方向において電流しきい値It以上であるか否かを判定する。ここで、電流しきい値It未満であると判定すると、Hレベルのゲート駆動信号SGLを出力する。このゲート駆動信号SGLに基づいて、ドライブ回路28での遅延、半導体素子1Bの素子容量の充電時間などに応じて、ゲート駆動電圧VGLが半導体素子1Bのゲートに印加される。これに対し、検出電流が電流しきい値It以上であると判定すると(図5に示す場合)、Lレベルのゲート駆動信号SGLを出力する。これにより、ゲート駆動電圧VGLが遮断される。
次に、パルス制御について説明する。パルス制御は、PWM信号FLがHレベルの期間に半導体素子1Bのダイオード素子6に電流が流れている場合、PWM信号FLがLレベルに立ち下がった後、逆回復電流が流れ始める前までに、半導体素子1Bにゲート駆動パルスを印加する制御である。PWM信号FHがHレベルの期間に半導体素子1Aのダイオード素子6に電流が流れている場合であって、PWM信号FHがLレベルに立ち下がった後も同様である。これにより、ダイオード素子6に蓄積されるキャリア(ホール)が減少するので、逆回復電流を低減する作用が得られる。
図5において、パルス制御部27は、PWM信号FLがHレベルの期間、より好ましくはPWM信号FLがLレベルに立ち下がったときに(時刻t3)、半導体素子1Bのダイオード素子6に電流が流れているか否かを判定する。電流が流れている場合(ただし、電流検出値が規定値Im2以上の場合)、PWM信号FLの立ち下がり時点を起点として、第1時間T1の経過時点(時刻t4)から第2時間T2の経過時点(時刻t6)までゲート駆動信号SGLをHレベルにする。上述したVf制御により、PWM信号FLの立ち下がり時点では、ゲート駆動信号SGLはLレベルになっている。
パルス制御部27は、PWM信号FLがLレベルに立ち下がった後も、半導体素子1Bのダイオード素子6に電流が流れているか否かを判定し続ける。パルス制御部27は、電流検出値が規定値Im2を下回ると、第1時間T1が経過した後、第2時間T2が経過する前であっても、直ちにゲート駆動信号SGLをLレベルに戻す。
一方、パルス制御部27は、PWM信号FLがLレベルに立ち下がったときにダイオード素子6に電流が流れていないと判定すると、直ちにゲート駆動信号SGLをLレベルにして維持する。すなわち、ゲート駆動パルスを印加しない。
第1時間T1と第2時間T2は、アーム短絡が生じないように予め設定されている。PWM信号FLがLレベルの期間にダイオード素子6に電流が流れている場合と、トランジスタ素子5に電流が流れている場合とでは、ゲート駆動パルスを与えたときのゲート駆動電圧VGLの波形が異なる。
ダイオード素子6に電流が流れている場合には、半導体素子1Bのコレクタ・エミッタ間電圧が変化しないのでミラー期間が生じない。また、半導体素子1Bに急峻な電流変化、電圧変化が生じない。このため、ドライブ回路28は、ゲート駆動電圧VGLの立ち上げ時および立ち下げ時に、通常よりも高いゲート駆動能力でゲート駆動電圧VGLを出力できる。さらに、ダイオード素子6に電流が流れているときには、半導体素子1A、1Bを介した経路で短絡する可能性がない。このため、ゲート駆動電圧VGLの増加過程で、ゲート駆動電圧VGLを一時的に中間電圧に留め、他方サイドの半導体素子1Aが短絡故障している時の短絡電流を低減する2段階駆動を行う必要がない。
第1時間T1と第2時間T2は、ゲート駆動パルスの印加時におけるゲート駆動電圧VGLの波形およびドライブ回路28の駆動態様を考慮して、ゲート駆動電圧VGLがドライブ回路28のゲート駆動能力に従って単調に増加または単調に減少するものとして設定されている。その際、ゲート駆動パルスの印加終了時点から逆回復電流が流れ始めるまでの時間Tc(キャリアの再注入時間)が、ゼロよりも長く且つ注入許容時間以下となるように設定される。注入許容時間は、許容される逆回復電流の大きさに応じて規定されている。
具体的には、第1時間T1と第2時間T2は、ダイオード素子6に流れる電流を種々に変えながら、PWM信号FLの立ち下がり時点を起点として、ゲート駆動信号SGLの印加タイミング、実際にゲート駆動電圧VGLが印加されるタイミング、および逆回復電流が流れ始めるタイミングを予め測定して設定されている。この第1時間T1と第2時間T2は、本実施形態では電流と対応付けてパルス制御部27内のメモリ等に記憶されている。なお、この第1時間T1と第2時間T2は1又は数パターンのロジック回路又はアナログ遅延回路などを用いて生成することもできる。
パルス制御部27は、ゲート駆動パルスを印加する場合、電流検出信号を参照してダイオード素子6に流れている電流を求め、その電流値に応じた第1時間T1と第2時間T2をメモリから読み出す。パルス制御部27は、PWM信号FLの立ち下がり時点を起点として、第1時間T1の経過時点でゲート駆動信号SGLの立ち上げ、第2時間T2の経過時点でゲート駆動信号SGLを立ち下げる。
以上説明したように、本実施形態の駆動制御装置32A、32Bは、それぞれPWM信号FH、FLがHレベルの期間に、ダイオード素子6の順方向の向きに流れる半導体素子1A、1Bの電流(ダイオード電流)が電流しきい値It(本実施形態では0)以上であると判定すると、ゲート駆動信号SGH、SGLをLレベルにする。電流しきい値Itは、ゲート駆動電圧VGH、VGLが遮断されている時における半導体素子1A、1Bの導通損失と、ゲート駆動電圧VGH、VGLが印加されている時における半導体素子1A、1Bの導通損失とが等しくなる電流値である。このVf制御により、半導体素子1A、1Bの種類や耐圧にかかわらず、ダイオード素子6の導通損失を低減することができる。
駆動制御装置32A、32Bは、上下アーム間で通電が切り替わるとき、それぞれPWM信号FH、FLがHレベルの期間に半導体素子1A、1Bにダイオード素子6の順方向の向きに電流が流れていると判定すると、ゲート駆動パルスの印加を指令するゲート駆動信号SGH、SGLを出力する。このパルス制御により、ダイオード素子6に蓄積されるホールが減少して逆回復電流が低減するので、スイッチング損失を低減できる。
駆動IC24A、24Bのパルス制御部27は、PWM信号FH、FLの立ち下がり時点を起点として、第1時間T1の経過時点から第2時間T2の経過時点までゲート駆動信号SGH、SGLをHレベルにする。PWM信号FH、FLの立ち下がり時点はデッドタイムTdの起点でもあるので、一定の時間を持つデッドタイムTdを有効に利用して、アーム短絡を防止しながらゲート駆動パルスを印加することができる。
第1時間T1と第2時間T2は、デッドタイムTd、素子電流に対応させて予め測定されたゲート駆動電圧VGH、VGLの遅延やばらつきおよび逆回復電流が流れ始めるまでの時間に基づいて設定されている。また、第1時間T1と第2時間T2は、ゲート駆動パルスの印加時におけるゲート駆動電圧の波形およびドライブ回路28の駆動態様を考慮して設定されている。これにより、ゲート駆動パルスのパルス幅Twを広く確保できる。また、ゲート駆動パルスの印加タイミングの精度を高めることができ、再注入時間Tcを正確に制御可能となる。その結果、アーム短絡を防止しつつ再注入時間Tcを短く制御することが可能となり、スイッチング損失を一層低減できる。
パルス制御部27は、パルス制御に基づきゲート駆動パルスを印加している期間(時刻t4〜t6)であっても、ダイオード素子6に電流が流れなくなる(電流検出値が規定値Im2未満となる)可能性があるまたは電流が流れていないと判定すると、直ちにゲート駆動パルスの印加を停止する。これにより、負荷電流が急変した場合でもアーム短絡を確実に防止できる。さらに、負荷電流の急変に備えて規定値Im2を高めに設定する必要がなくなるので、パルス制御を実行する電流範囲を広く確保でき、スイッチング損失を一層低減できる。
パルス制御部27は、PWM信号FH、FLの立ち下がり時点を起点としてゲート駆動信号を印加するので、別のタイミング信号が不要となり、従来から使用している駆動制御装置からの置き替えが容易になる。駆動制御装置32A、32Bは、制御ループが短いので高応答が得られる。駆動IC24A、24Bは、フォトカプラ23A、23Bを介してハーフブリッジ回路4側に設けられているので、電流検出部25に絶縁機能が不要となる。
Vf制御部26、パルス制御部27は、それぞれ負荷電流の大きさが規定値Im1、Im2よりも小さくなるとVf制御、パルス制御を停止して通常制御を行う。通常制御とは、ダイオード素子6に流れる電流にかかわらず、PWM信号が立ち上がるとゲート駆動信号を立ち上げ、PWM信号が立ち下がるとゲート駆動信号を立ち下げる制御である。これにより、電流検出精度の低下による誤制御を防止することができる。
(第2の実施形態)
半導体素子1A、1BにMOSトランジスタを用いた第2の実施形態について、図6および図7を参照しながら説明する。駆動制御装置32A、32Bの構成は、図1に示した通りである。ここでは、主としてローサイド側の駆動制御装置32Bの作用について説明する。ハイサイド側の駆動制御装置32Aの作用も同様となる。
半導体素子1A、1BとしてMOSトランジスタを用いる場合、切替信号Skが例えばHレベルに切り替えられる。駆動制御装置32Bは、しきい値設定回路29Bから入力したしきい値電圧Vtに応じて電流しきい値Itを設定し、Vf制御を実行する。
図6は、MOSトランジスタにダイオード素子6の順方向の向きに電流が流れる場合の電圧電流特性図である。電流しきい値Itを境界として、ゲート駆動電圧が遮断されている時のダイオード素子6の順方向電圧Vfと、ゲート駆動電圧が印加されている時のトランジスタ素子5のドレイン・ソース間電圧VDSとの大小関係が反転する。電圧VDS<電圧Vfとなる領域1では、ゲート駆動電圧を印加することにより導通損失を低減できる。電圧VDS≧電圧Vfとなる領域2では、ゲート駆動電圧を遮断することにより導通損失を低減できる。
PWM信号FLがHレベルの期間において、半導体素子1Bに領域1の範囲内の電流が流れている場合、Vf制御部26は、ゲート駆動電圧VGLを印加する通常制御(同期整流)を実行する。その後PWM信号FLがLレベルになると、半導体素子1Bにゲート駆動パルスを印加する必要がある。
この場合、Vf制御部26がゲート駆動信号SGLをLレベルにした後、パルス制御部27が、PWM信号FLの立ち下がり時点を起点として、第1時間T1の経過時点から第2時間T2の経過時点までゲート駆動信号SGLをHレベルにすればよい。しかし、ゲート駆動電圧VGLを一旦遮断するよりも、第2時間T2の経過時点までゲート駆動電圧VGLを連続して印加する方が導通損失を低減することができる。そこで、Vf制御部26は、Vf制御に続きパルス制御を行うため、Hレベルのゲート駆動信号SGLを、時刻t3を越えて第2時間T2の経過時点(時刻t6)まで延長して出力する(パルスの拡張)。
PWM信号FLがHレベルの期間において、半導体素子1Bに領域2の範囲内の電流が流れている場合、Vf制御部26とパルス制御部27は、図5に示したRC−IGBTの制御と同様のゲート駆動信号SGLを出力する。また、PWM信号FLがHレベルの期間において、半導体素子1Bに領域1、2の範囲内の電流が流れていない場合、つまりMOSトランジスタの順方向(ダイオード素子6の逆方向)の向きの電流が流れる場合には、Vf制御部26とパルス制御部27は通常制御を行う。本実施形態によっても第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第3、第4、第5の実施形態)
図8、図9、図10は、何れも高耐圧を持つ駆動IC51、53、55を用いた駆動制御装置52、54、56である。高耐圧とは、ハーフブリッジ回路4に印加される電源電圧に応じた耐圧である。駆動制御装置52、54、56は、ハーフブリッジ回路4を構成する2つの半導体素子1A、1Bを駆動制御する。
駆動IC51、53、55は、半導体素子1A、1Bに対し共通のVf制御部26と共通のパルス制御部27を備えており、電源電圧VDD(例えば15V)が供給されることで動作する。ゲート駆動信号SGHは、レベルシフト回路57とドライブ回路28を介して半導体素子1Aに与えられ、ゲート駆動信号SGLは、ドライブ回路28を介して半導体素子1Bに与えられる。
駆動IC51は、センス抵抗7A、7Bに生じるセンス電圧VSH、VSLに基づいて電流検出信号を出力する電流検出部25を備えている。ハイサイド側の電流検出部25は、レベルシフト回路58を介して電流検出信号を出力する。駆動IC53は、ハイサイド側の電流検出部25とレベルシフト回路58を省いた構成を備えている。駆動IC55は、電流検出回路60を備え、センス電圧VSLに替えてホールセンサ59等のセンス信号を入力する。駆動IC53の電流検出部25および駆動IC55の電流検出回路60は、いずれか一方(例えば半導体素子1B)に流れる電流検出信号に基づいて、他方(例えば半導体素子1A)に流れる電流を推定する。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
パルス制御部27は、ゲート駆動信号SGH、SGLを生成するので、2つの半導体素子1A、1Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止できる。これにより、PWM信号FH、FLが制御IC63のVf制御部26に入力されているため、Vf制御部26およびパルス制御部27は、一方及び他方のアームの制御を統括的に実行することができ、アーム短絡を確実に防止できる。また、ハイサイド側とローサイド側とで電流検出部25または電流検出回路60を共用化できるので、回路構成を簡単化できる(図9、図10)。共用化する場合には、しきい値設定回路30、31で生成される規定電圧Vm1、Vm2に基づいて、ハイサイド側の規定値Im1、Im2を第1の実施形態よりも大きく設定することが好ましい。その他、第1、第2の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第6、第7の実施形態)
図11、図12は、制御部とドライブ回路とを分離して構成した駆動制御装置61、62を示している。駆動制御装置61、62は、ハーフブリッジ回路4を構成する2つの半導体素子1A、1Bを駆動制御する。駆動制御装置61は、制御IC63、フォトカプラ64A、64B、駆動IC65A、65B、電流検出回路60などから構成されている。
制御IC63は、専用ASIC、マイコンのハードIP(Intellectual Property)、FPGAなどから構成されており、上述したVf制御部26とパルス制御部27が実装されている。フォトカプラ64A、64Bは、ゲート駆動信号SGH、SGLを電気的に絶縁して駆動IC65A、65Bに伝送する絶縁回路である。駆動IC65A、65Bは、ドライブ回路28を備えており、ゲート駆動信号SGH、SGLを入力してゲート駆動電圧VGH、VGLを出力する。電流検出回路60は、ホールセンサ59等で負荷電流を検出し、制御IC63に対し電流検出信号を出力する。
駆動制御装置62は、ホールセンサ59と電流検出回路60に替えて、センス電圧VSH、VSLを入力とするフォトカプラ67A、67Bと電流極性検出回路68を備えている。電流極性検出回路68は、半導体素子1A、1Bに流れる電流値または電流の向き(極性)を検出する。つまり、電流の大きさを検出してもよいし、電流の極性を検出するだけでもよい。これにより、パルス制御およびRC−IGBTに対するVf制御を実行できる。
本実施形態によっても、パルス制御部27は、2つの半導体素子1A、1Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止できる。これにより、アーム短絡を確実に防止できる。
PWM信号FH、FLが制御IC63のVf制御部26に入力されているため、Vf制御部26およびパルス制御部27は、一方及び他方のアームの制御を統括的に実行することができる。この実施形態によっても、第1、第2の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
また実施例7において、第4の実施形態と同様にフォトカプラ67A、67Bの何れか一方を省略してもよい。このとき、省略したフォトカプラ67A,67Bに対応したセンス素子(5s、6s)およびセンス抵抗(7)を省略しても良い。この場合には、電流極性検出部68はいずれか一方(例えば半導体素子1B)に流れる電流の極性検出信号に基づいて、他方(例えば半導体素子1A)に流れる電流の極性を推定する。
電流極性検出部68の前段ではなく電流極性検出部68の後段にフォトカプラ67A、67Bと同様の構成のフォトカプラを設けても良い。電流検出回路60、電流極性検出回路68を制御IC63もしくは駆動IC65内に形成してもよい。
(第8、第9の実施形態)
図13、図14は、制御部とドライブ回路とを分離するとともに、Vf制御部26、パルス制御部27および電流検出部25をマイコン21に取り込んだ構成の駆動制御装置71、72を示している。駆動制御装置71、72は、ハーフブリッジ回路4を構成する2つの半導体素子1A、1Bを駆動制御する。駆動制御装置71は、マイコン21、フォトカプラ64A、64B、駆動IC65A、65Bなどから構成されている。駆動制御装置72は、センス電圧VSH、VSLを入力とするフォトカプラ67A、67Bを備えている。
マイコン21は、メモリ73に予め記憶された制御プログラムを実行することにより、上述したVf制御部26、パルス制御部27および電流検出部25の機能を実現する。駆動制御装置71のマイコン21は、ホールセンサ59のセンス信号を入力して電流検出信号を得る。駆動制御装置72のマイコン21は、フォトカプラ67A、67Bの出力信号を介して電流検出信号を得る。メモリ73には、制御プログラムの他に、第1時間T1と第2時間T2、しきい値なども記憶されている。
本実施形態によっても、パルス制御部27は、2つの半導体素子1A、1Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止できる。これにより、アーム短絡を確実に防止できる。
PWM信号FH、FLがマイコン21のVf制御部26に入力されているため、Vf制御部26およびパルス制御部27は、一方及び他方のアームの制御を統括的に実行することができる。この実施形態によっても、第1、第2の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
また実施例9において、第4の実施形態と同様にフォトカプラ67A、67Bの何れか一方を省略してもよい。このとき、省略したフォトカプラ67A,67Bに対応したセンス素子(5s、6s)およびセンス抵抗(7)を省略しても良い。この場合には、電流極性検出部68はいずれか一方(例えば半導体素子1B)に流れる電流の極性検出信号に基づいて、他方(例えば半導体素子1A)に流れる電流の極性を推定する。
(第1〜第9実施形態についての他の実施形態)
以上、第1〜第9の実施形態について説明したが、以下のように発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
各実施形態は、Vf制御部26によるVf制御とパルス制御部27によるパルス制御のうちVf制御だけを行う構成またはパルス制御だけを行う構成に変更してもよい。第3から第7の実施形態においてVf制御だけを行う構成の場合、Vf制御部26が、半導体素子1A、1Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加が禁止されることは勿論である。
切替信号Skとしきい値電圧Vt(電流しきい値Itの設定)を入力する構成は、必要に応じて備えればよい。
Vf制御部26、パルス制御部27は、それぞれ負荷電流の大きさが規定値Im1、Im2よりも小さくなるとVf制御、パルス制御を停止して通常制御を行うようにしたが、この通常制御への切り替え制御は必要に応じて実行すればよい。
第1、第2の実施形態においても、電流検出部25は、センス電圧VSH、VSLに替えてホールセンサ59のセンス信号を入力して電流検出信号を得てもよい。
第2の実施形態においても、負荷電流の大きさが規定値Im1、Im2よりも小さくなると、それぞれVf制御、パルス制御を停止して通常制御を行う構成としてもよい。また、駆動制御システムの運転領域が常に図6に示す領域1にある場合には、Vf制御部26から、領域1と領域2との間での制御切替機能を省いてもよい。すなわち、Vf制御部26は、PWM信号FLがHレベルの期間、常にゲート駆動電圧VGLを半導体素子1Bのゲートに印加する。Vf制御部26は、当該期間において半導体素子1Bにダイオード素子6の順方向の向きに電流が流れていると判定すると、第2の実施形態と同様にして第2時間T2の経過時点(時刻t6)までパルスの拡張を行う。
第8、第9の実施形態においても、外部から電流しきい値Itを特定するしきい値特定信号(切替信号Sk)を入力可能に構成し、しきい値設定回路29A、29Bを備えてもよい。また、しきい値設定回路30A、30B、31A、31Bを備え、負荷電流の大きさが規定値Im1、Im2よりも小さくなるとVf制御、パルス制御を停止して通常制御を行う構成としてもよい。
第3から第9の実施形態は、半導体素子1A、1BにMOSトランジスタを用いた構成に対しても、第2の実施形態と同様にして適用できる。半導体素子1A、1Bは、コントロール用のゲートを有し寄生ダイオードが形成された素子、例えばMOSゲートを備えたダイオードであってもよい。RC−IGBTは、トレンチゲート型に限らずプレーナゲート型などであってもよい。MOSトランジスタは、トレンチゲート型に限らずプレーナゲート型などであってもよい。MOSトランジスタは、SJ(Super Junction)構造であってもよい。
上記実施形態では、電流検出手段として、半導体素子1A、1Bにセンス素子を形成した上でセンス抵抗7A、7Bを備えた。或いは、ホールセンサ59を備えた。これらに替えて、図15に示すように、センス素子を除いた半導体素子1A、1Bと直列にセンス抵抗7A、7Bを設けてもよい。センス抵抗7A、7Bとメイン素子とが直接接続されているので、高応答が可能となる。また、図16に示すように、半導体素子1A、1Bに対しホールセンサ59A、59Bを設けてもよい。何れの構成でも、電流を高精度に検出できる。これらの変形例は、第1、第2の実施形態のみならず、第3から第9の実施形態についても適用できる。さらに、ホールセンサに替えてGMR(Giant Magneto Resistance)センサなどの絶縁型電流センサを用いてもよい。
第1、第3、第4、第9の実施形態、第2の実施形態で駆動制御システムの運転領域が常に領域1のため制御切替機能を省いた構成の場合、および図15に示す構成においても、電流検出部25または電流検出回路60を電流極性検出回路68に置き替え、第7の実施形態と同様にパルス制御およびVf制御を実行してもよい。これらの場合、第7の実施形態と同様に、半導体素子1A、1Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止できる。また、電流極性検出回路68は、一方の半導体素子に流れる電流の極性検出信号に基づいて、他方の半導体素子に流れる電流の極性を推定できる。
電流極性検出回路68は、センス抵抗7A、7Bに生じるセンス電圧VSH、VSLに替えて、トランジスタ素子5のコレクタ・エミッタ間電圧(またはドレイン・ソース間電圧)またはゲート駆動電圧VGH、VGLに基づいて半導体素子1A、1Bに流れる電流の極性を検出できる。
(第10の実施形態)
図17〜図18は第10の実施形態を示すもので、半導体素子1A,1Bに替えて半導体素子101A,101Bを使用すると共に電流検出部25に替えて電圧検出部125を使用した形態を示す。同一または類似の構成については同一または類似の符号を付して説明を省略する。
半導体素子101A、101Bは、絶縁ゲート型のトランジスタ素子105と、ダイオード素子106とが同一の半導体基板8に形成された逆導通型IGBT(RC−IGBT)であり、前述実施形態のトランジスタ素子5とダイオード素子6とにそれぞれ対応したメイン素子(トランジスタ素子105、ダイオード素子106)を示している。トランジスタ素子105の通電電極(コレクタ、エミッタ)とダイオード素子106の通電電極(カソード、アノード)とはそれぞれ共通の電極とされている。
また、このメイン素子に加えて、半導体基板にはメイン素子のコレクタ電位(電極電位相当)を検出するためのセンス素子(センストランジスタ105s、センスダイオード106s)が構成されている。センストランジスタ105sの通電電極(コレクタ、エミッタ)とセンスダイオード106sの通電電極(カソード、アノード)とはそれぞれ共通の電極とされている。絶縁ゲート型のセンストランジスタ105sのゲートエミッタ間は共通接続されている。センストランジスタ105sのエミッタ電極とトランジスタ素子105のエミッタ電極との間にはセンス抵抗107A、107Bが接続されている。センス抵抗107A、107Bは、電圧検出部125と共に電圧検出手段を構成している。
駆動IC24A、24Bに替わる駆動IC124A、124Bには、電圧検出部125が構成されている。駆動IC124A、124Bには、Vf制御部26、パルス制御部27、ドライブ回路28が構成されている。これらのVf制御部26、パルス制御部27、ドライブ回路28の構成は、前述の実施形態と制御手法が類似するため図中には同一符号を付している。駆動IC124A、124Bは互いに同一構成であるため、駆動IC124B内の異なる部分となる電圧検出部125の構成のみを説明する。
電圧検出部125は、センス抵抗107Bに生じるセンス電圧VSLに基づいて、半導体素子101Bの電圧検出信号を出力する電圧検出手段である。電圧検出部125は、センス素子(105s、106s)を用いると、センスダイオード106sの端子間電圧とセンス抵抗107A、107Bとで分圧された分圧電圧を検出する。Vf制御部26とパルス制御部27は、PWM信号FLに基づいてゲート駆動信号SGLを生成する。ドライブ回路28は、ゲート駆動信号SGLを入力してゲート駆動電圧VGLを出力する。その他の構成は前述実施形態と同様であるため詳細説明を省略する。また、作用についてもほぼ第1の実施形態の説明とほぼ同様であるが、第1の実施形態と異なる部分となるパルス制御について、図18を参照して説明する。
図18に示すように、本実施形態のパルス制御でも第1の実施形態と同様に、PWM信号FLがLレベルに立ち下がった後、逆回復電流が流れ始める前までに、半導体素子101Bにゲート駆動パルスを印加する点では同じである。しかし、このゲート駆動パルスを印加する条件判定が第1の実施形態とは異なる。
すなわち、図18において、PWM信号FHがHレベルからLレベルに立ち下がると、半導体素子101Aのコレクタエミッタ間電圧が増加し、このとき同時に半導体素子101Bのコレクタ電極電位Vco(トランジスタ素子105Bのコレクタ電極電位)が低下する。このとき、電圧検出部125はセンス素子(105s、106s)により電極電位Vcoの低下タイミングを検出できる。なお、半導体素子101Aのコレクタエミッタ間電圧はミラー期間において徐々に増加しその後に急速増加する。このため、ミラー期間中にはコレクタ電極電位Vcoは徐々に低下し、その後、急速低下する。
電圧検出部125は、前述のミラー期間中にコレクタ電極電位Vcoの低下タイミングを検出する(時刻t1a)。Vf制御部26は、電圧検出部125により電極電位Vcoの低下を検出し、入力されるPWM信号FLのオンオフ指令信号とコレクタ電極電位Vcoとの関係に応じて極性を推定できる。
駆動IC124BのVf制御部26は、コレクタ電極電位Vcoが低下したことを検出した時点(t1a)からPWM信号FLのオン指令信号を入力するか否かを判定し、オン指令信号が入力されたときにLレベルのゲート駆動信号SGLを出力する(時刻t2〜t3)。このとき、このゲート駆動信号SGLに応じたゲート駆動電圧VGLが半導体素子101Bのゲートに印加される。これによりゲート駆動電圧VGLが遮断される。この間、極性判定をし続ける。
図25および図26は負荷電流の方向、大きさに応じたコレクタ電極電位の変化特性の参考図を示す。図17に示すノードNtに負荷から電流が流れ込む方向について負荷電流を負とし(図25(a)左欄)、図17のノードNtから負荷側に流れ出す方向について負荷電流を正と定義する(図25(a)右欄)。
負荷電流が負となっているときにはノードNtには電流が流れ込む。このため、図25(a)の部分NMの拡大図を図25(b)に示すように、原理的にコレクタ電極電位Vcoは高くなる。負荷電流が正となっているときにはノードNtから電流が負荷側に流出することになるため、図25(a)の部分NPの拡大図を図25(c)に示すようにコレクタ電極電位Vcoは低くなる。
したがって、負荷電流が0付近となる条件で負荷電流の極性が反転するとき、半導体素子101A、101Bのオン抵抗のバランスに応じて電圧検出部125による検出電圧が決定される。負荷電流の極性が反転すると、図26に示すように、コレクタ電極電位Vcoが大きく変動したり、チャタリングを引き起こす。このため、前述したように、電圧検出部125の検出電圧が大きく変動したか否かを判定することで、負荷電流、ダイオード素子106の電流が0付近の所定範囲であるか否かを判定し、この条件を満たし負荷電流が0付近となりほとんど流れていないと判定した場合には、Vf制御部26はLレベルのゲート駆動信号SGLを出力し続ける。これにより、制御の信頼性、安定性を高めることができる。
逆に、極性を判定してゲート駆動信号SGLをLレベルに出力し続けている間に、その途中でコレクタ電極電位Vcoが大きく変動したことを検出すると、Vf制御部26はPWM信号FLの指令信号に合わせたゲート駆動信号SGLを出力する。この場合、制御の応答性能を高めることができる。
また、時点t1と時点t2との間のデッドタイムTdが短くなったり、PWM信号FHのオフ指令信号の発生タイミングからゲート駆動電圧VGHの立下りの遅延時間が長くなったりすると、コレクタ電極電位Vcoが急激に低下するタイミングよりも前にPWM信号FLのオン指令信号が入力されることもある。この場合、PWM信号FLのオン指令信号の入力時点から所定時間以内に電圧検出部125によりコレクタ電極電位Vcoが急激に低下することを検出したことを条件として、Vf制御部26が前述同様の制御手法によりゲート駆動信号SGLを出力すると良い。
他方、図18において、PWM信号FHがLレベルからHレベルに立ち上がると(時刻t7)、その後、半導体素子101Bのコレクタエミッタ間電圧が増加し、半導体素子101Bの電極電位Vco(トランジスタ素子105Bのコレクタ電位)が増加する。このとき、電圧検出部125は、センス素子(105s、106s)によりダイオード6の電圧と抵抗107Aの電圧との分圧電圧により電極電位Vcoの増加タイミングを検出できる。
Vf制御部26による極性判定を受けて、ダイオード素子106に対し順方向に電流が流れていると判定したときには、パルス制御部27が、PWM信号FLのオフ指令信号の入力された時点(時刻t3)を起点として第1時間T1の経過時点(時刻t4)から第2時間T2の経過時点(時刻t6)までゲート駆動信号SGLをHレベルにする。このゲート駆動信号SGLにより、半導体素子101Bのゲートにゲート駆動パルスVGLが印加される。
また、パルス制御部27はPWM信号FLがLレベルに立ち下がった後も、電圧検出部125の電圧が変動したか否かを判定することで、半導体素子101Bのダイオード素子106に電流が流れているか否かを判定し続ける。一方、パルス制御部27は、PWM信号FLがLレベルに立ち下がったときにダイオード素子6に電流が流れていないと判定すると、直ちにゲート駆動信号SGLをLレベルにして維持する。すなわち、ゲート駆動パルスを印加しない。
図18に示す第1時間T1と第2時間T2は、アーム短絡が生じないように予め設定されている。PWM信号FLがLレベルの期間にダイオード素子106に電流が流れている場合と、トランジスタ素子105に電流が流れている場合とでは、ゲート駆動パルスを与えたときのゲート駆動電圧VGLの波形が異なる。
ダイオード素子106に電流が流れている場合には、半導体素子101Bのコレクタ・エミッタ間電圧が変化しない。また、半導体素子101Bに急峻な電流変化、電圧変化が生じない。このため、ドライブ回路28は、ゲート駆動電圧VGLの立ち上げ時および立ち下げ時に、通常よりも高いゲート駆動能力でゲート駆動電圧VGLを出力できる。
第1時間T1と第2時間T2は、ゲート駆動パルスの印加時におけるゲート駆動電圧VGLの波形およびドライブ回路28の駆動態様を考慮し、ゲート駆動電圧VGLがドライブ回路28のゲート駆動能力に従って単調に増加または単調に減少するものとして設定されている。その際、ゲート駆動パルスの印加終了時点から逆回復電流が流れ始めるまでの時間Tc(キャリアの再注入時間)が、ゼロよりも長く且つ注入許容時間以下となるように設定される。注入許容時間は、許容される逆回復電流の大きさに応じて規定されている。
具体的には、第1時間T1と第2時間T2は、ダイオード素子106に流れる電流を種々に変えながら、PWM信号FLの立下り時点を起点とし、ゲート駆動信号SGLの印加タイミング、実際にゲート駆動電圧VGLが印加されるタイミング、および逆回復電流が流れ始めるタイミングを予め測定して設定されている。この第1時間T1と第2時間T2は、本実施形態ではパルス制御部27内のメモリ等に記憶されている。なお、この第1時間T1と第2時間T2は1又は数パターンのロジック回路又はアナログ遅延回路などを用いて構成することもできる。
パルス制御部27は、ゲート駆動パルスを印加する場合、第1時間T1と第2時間T2をメモリから読み出す。パルス制御部27は、コレクタ電極電位Vcoの低下検出タイミングを起点として、第1時間T1の経過時点でゲート駆動信号SGLの立ち上げ、第2時間T2の経過時点でゲート駆動信号SGLを立ち下げる。
以上説明したように、第10の実施形態の構成においても第1の実施形態が制御不可能な電流閾値以下でもほぼ同様の効果を奏する可能性がある。
(第11の実施形態)
図19は第11の実施形態を示すもので、半導体素子101A、101BにMOSトランジスタなどを使用し同期整流を行った方が導通損失を低減できる場合のタイミングチャートを示している。駆動制御装置132A、132Bの構成は、図17に示した通りである。ここでは、主としてローサイド側の駆動制御装置132Bの作用について説明する。ハイサイド側の駆動制御装置132Aの作用も同様となる。MOSトランジスタの場合で説明すると、その特性は図6に示したように、電圧VDS<電圧Vfとなる領域1では、ゲート駆動電圧を印加することにより導通損失を低減できる。電圧VDS≧電圧Vfとなる領域2では、ゲート駆動電圧を遮断することにより導通損失を低減できる。
前述実施形態と動作が同一部分については説明を省略する。電圧検出部125は、前述のミラー期間中にコレクタ電極電位Vcoの低下タイミングを検出する(時刻t1a)。Vf制御部26は、電圧検出部125により電極電位Vcoの低下を検出し、入力されるPWM信号FLのオンオフ指令信号とコレクタ電極電位Vcoとの関係に応じて極性を推定できる。
駆動IC124BのVf制御部26は、コレクタ電極電位Vcoが低下したことを検出した時点(t1a)からPWM信号FLのオン指令信号を入力するか否かを判定し、オン指令信号が入力されたときにHレベルのゲート駆動信号SGLを出力する(時刻t2〜t3)。このとき、このゲート駆動信号SGLに応じたゲート駆動電圧VGLが半導体素子101Bのゲートに印加される。
また、PWM信号FLがHレベルの期間においては、半導体素子101Bに領域1の範囲内の電流が流れている場合、Vf制御部26は、ゲート駆動電圧VGLを印加する通常制御(同期整流)を実行する。その後PWM信号FLがLレベルになると、Vf制御部26は、半導体素子101Bにゲート駆動パルスを印加する。
この場合、パルス制御部27が、オフ指令信号の入力時点を起点として、第1時間T1の経過時点から第2時間T2の経過時点までゲート駆動信号SGLをHレベルにすればよい。しかし、ゲート駆動電圧VGLを一旦遮断するよりも、第2時間T2の経過時点までゲート駆動電圧VGLを連続して印加する方が導通損失を低減できる。そこで、Vf制御部26は、Vf制御に続きパルス制御を行うため、Hレベルのゲート駆動信号SGLを、時刻t3を越えて第2時間T2の経過時点(時刻t6)まで延長して出力すると良い(パルスの拡張)。
PWM信号FLがHレベルの期間において、半導体素子101Bに図6に示す領域2の範囲内の電流が流れている場合、Vf制御部26とパルス制御部27は、図5に示したRC−IGBTの制御と同様のゲート駆動信号SGLを出力する。
さて、PWM信号FLがLレベルの期間においても、第10の実施形態で説明したように、電圧検出部125がセンス素子(105s、106s)によりコレクタ電極電位Vcoの立ち下がりを検出した時点(時刻t1a)よりも後において、Vf制御部26による通常のVf制御に続くように、制御手段(Vf制御部26又はパルス制御部27)はオン指令信号の入力時点(t2)を遡って出力するようにパルス制御を行っても良い(時刻t1b→t2の区間のパルスの拡張参照)。
アーム短絡を防ぐためには、ゲート駆動電圧VGHが閾値電圧Vth未満となる時点(すなわち電流が流れなくなる時点)から再度閾値電圧Vthに達する時点(すなわち電流が流れ出す時点)までの間、ゲート駆動電圧VGLを上昇させることができる。
ゲート駆動信号SGLが与えられてからゲート駆動電圧VGLを上昇させるまで、Vf制御部26及びパルス制御部27は、信号生成処理などの各種処理を行うための遅延時間を生じる。この遅延時間を実験、シミュレーションなどを用いて予め測定しておき、このゲート駆動電圧VGLを上昇させている期間中にアーム短絡が生じないように、Vf制御部26およびパルス制御部27がゲート駆動信号SGLのパルス拡張すると良い。
このとき、ゲート駆動電圧VGHの閾値電圧Vth未満となるタイミング(すなわち電流が流れなくなる時点)とゲート駆動電圧VGLが閾値電圧Vth以上となるタイミングとの間に余裕時間(図19のマージン時間Ma)を設けると良い。ゲート駆動電圧VGLが閾値電圧Vth未満となるタイミングと、ゲート駆動電圧VGHが閾値電圧Vth以上となるタイミング(すなわち電流が流れ出す時点)との間に余裕時間(図19のマージン時間Mb)を設けると良い。
すなわち、電圧検出部125により電圧が検出されてから実際に制御が実施されるまでの遅延バラつき(電圧検出部125のバラつき、半導体素子101A等の構成バラつき、温度特性の変化、経年劣化等による遅延バラつき、等)を生じるが、これらの遅延バラつきをマージンとして考慮した遅延時間を見込んでパルス拡張すると良い。
電圧検出部125は、前述のミラー期間中にコレクタ電極電位Vcoの低下タイミングを検出する(時刻t1a)。Vf制御部26は、電圧検出部125により電極電位Vcoの低下を検出し、入力されるPWM信号FLのオンオフ指令信号とコレクタ電極電位Vcoとの関係に応じて極性を推定できる。この極性の推定方法は第10の実施形態に示した方法と同様である。
実験的又はシミュレーションなどにより領域1または領域2の範囲内の電流が流れているか否かを判定し、領域1が支配的(制御時間が所定割合以上)であると判定されたときには、Vf制御部26は、ゲート駆動電圧VGLを印加する通常制御(同期整流)を実行する。その後PWM信号FLがLレベルになると、半導体素子101Bにゲート駆動パルスを印加する必要がある。
この場合、Vf制御部26がゲート駆動信号SGLをLレベルにした後、パルス制御部27が、PWM信号FLの立ち下がり時点を起点として、第1時間T1の経過時点から第2時間T2の経過時点までゲート駆動信号SGLをHレベルにすればよい。しかし、ゲート駆動電圧VGLを一旦遮断するよりも、第2時間T2の経過時点までゲート駆動電圧VGLを連続して印加する方が導通損失を低減することができる。そこで、Vf制御部26は、Vf制御に続きパルス制御を行うため、Hレベルのゲート駆動信号SGLを、時刻t3を越えて第2時間T2の経過時点(時刻t6)まで延長して出力する(パルスの拡張)。
時点t1aからt2までの検出処理は第10の実施形態と同様の方法で行うが、時点t2以降についてVf制御部26がゲート駆動信号SGLをHレベルとしているため、負荷電流が0付近となる条件で負荷電流の極性が反転するときにも、第10の実施形態で説明したチャタリングが引き起こされることはない。したがって、Vf制御部26は、そのままHレベルのゲート駆動信号SGLを、時点t2以降、時点t6まで出力し続ければ良い。
本実施形態によっても第2または第10の実施形態と同様の効果が得られる。
(第12、第13の実施形態)
図20は第12の実施形態を示し、図21は第13の実施形態を示すもので、何れも高耐圧を持つ駆動IC151、153を用いた駆動制御装置152、154を示している。高耐圧とは、ハーフブリッジ回路4に印加される電源電圧に応じた耐圧である。駆動制御装置152、154は、ハーフブリッジ回路4を構成する2つの半導体素子101A、101Bを駆動制御する。
駆動IC151、153は、半導体素子101A、101Bに対し共通のVf制御部26と共通のパルス制御部27を備えており、電源電圧VDD(例えば15V)が供給されることで動作する。ゲート駆動信号SGHは、レベルシフト部57とドライブ回路28を介して半導体素子101Aに与えられ、ゲート駆動信号SGLは、ドライブ回路28を介して半導体素子101Bに与えられる。
駆動IC151は、センス抵抗107A、107Bに生じるセンス電圧VSH、VSLに基づいて電圧検出信号を出力する電圧検出部125を備えている。ハイサイド側の電圧検出部125は、レベルシフト回路58を介して電圧検出信号を出力する。駆動IC153は、ハイサイド側の電圧検出部125とレベルシフト回路58を省いた構成を備えている。
パルス制御部27は、ゲート駆動信号SGH、SGLを生成するので、2つの半導体素子101A、101Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止できる。これにより、アーム短絡を確実に防止できる。
また、第13の実施形態を示す図21に示すように、ハイサイド側とローサイド側とで電圧検出部125を共用化できるので、回路構成を簡単化できる。この場合、共用化することで省略した電圧検出部125に対応したセンス素子(105s、106s)およびセンス抵抗(107)を省略しても良い。共用化する場合には、しきい値設定回路30、31で生成される規定電圧Vm1、Vm2に基づいて、ハイサイド側の規定電圧を第10の実施形態よりも大きく設定することが好ましい。その他、第10、第11の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第14の実施形態)
図22は第14の実施形態を示すもので、制御部とドライブ回路とを分離して構成した駆動制御装置162を示している。駆動制御装置162は、ハーフブリッジ回路4を構成する2つの半導体素子101A、101Bを駆動制御する。駆動制御装置162は、制御IC163、フォトカプラ64A、64B、67A、67B、駆動IC65A、65B、電圧検出部168などから構成されている。
制御IC163は、専用ASIC、マイコンのハードIP(Intellectual Property)、FPGAなどから構成されており、上述したVf制御部26とパルス制御部27が実装されている。フォトカプラ64A、64Bは、ゲート駆動信号SGH、SGLを電気的に絶縁して駆動IC65A、65Bに伝送する絶縁回路である。駆動IC65A、65Bは、ドライブ回路28を備えており、ゲート駆動信号SGH、SGLを入力してゲート駆動電圧VGH、VGLを出力する。
電圧検出部168は、フォトカプラ67A、67Bを通じてセンス電圧VSH、VSLを検出する。電圧検出部168は、半導体素子101A、101Bに流れる電流値または電流の向き(極性)をセンス素子105s、106sにかかる電圧と抵抗107A、107Bにかかる電圧の分圧電圧により検出できる。これにより、パルス制御およびRC−IGBTに対するVf制御を実行できる。
本実施形態によっても、パルス制御部27は、2つの半導体素子101A、101Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止できる。これにより、アーム短絡を確実に防止できる。また、フォトカプラ67A、67Bの何れか一方を省略してもよい。このとき、省略したフォトカプラ67A,67Bに対応したセンス素子(105s、106s)およびセンス抵抗(107)を省略しても良い。この場合には、電圧検出部168は、半導体素子101Bに流れる電流の極性検出信号に基づいて、他方の半導体素子101Aに流れる電流の極性を推定する。電圧検出部168の前段ではなく電圧検出部168の後段にフォトカプラ67A、67Bと同様の構成のフォトカプラを設けても良い。電圧検出部168を制御IC63もしくは駆動IC65内に形成してもよい。
PWM信号FH、FLが制御IC163のVf制御部26に入力されているため、Vf制御部26およびパルス制御部27は、一方及び他方のアームの制御を統括的に実行することができる。この実施形態によっても、第10、第11の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第15の実施形態)
図23は第15の実施形態を示すもので、制御部とドライブ回路とを分離するとともに、Vf制御部26、パルス制御部27および電圧検出部125をマイコン121に取り込んだ構成の駆動制御装置172を示している。駆動制御装置172は、ハーフブリッジ回路4を構成する2つの半導体素子101A、101Bを駆動制御する。駆動制御装置172は、マイコン121、フォトカプラ64A、64B、駆動IC65A、65Bなどから構成されている。駆動制御装置172は、センス電圧VSH、VSLを入力とするフォトカプラ67A、67Bを備えている。
マイコン121は、メモリ73に予め記憶された制御プログラムを実行することにより、上述したVf制御部26、パルス制御部27および電圧検出部125の機能を実現する。駆動制御装置172のマイコン121は、フォトカプラ67A、67Bの出力信号を介して電圧検出信号を得る。メモリ73には、制御プログラムの他に、第1時間T1と第2時間T2、しきい値なども記憶されている。
本実施形態によっても、マイコン121は、2つの半導体素子101A、101Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加を禁止できる。これにより、アーム短絡を確実に防止できる。また、フォトカプラ67A、67Bの何れか一方を省略してもよい。このとき、省略したフォトカプラ67A,67Bに対応したセンス素子(105s、106s)およびセンス抵抗(107)を省略しても良い。共用化する場合には、しきい値設定回路30、31で生成される規定電圧Vm1、Vm2に基づいて、ハイサイド側の規定電圧を第10の実施形態よりも大きく設定することが好ましい。その他、第10、第11の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
PWM信号FH、FLが制御IC163のVf制御部26に入力されているため、Vf制御部26およびパルス制御部27は、一方及び他方のアームの制御を統括的に実行することができる。第14の実施形態と同様に、フォトカプラ67Aを省略してもよい。これらの実施形態によっても、第10、第11の実施形態と同様の作用および効果が得られる。
(第16の実施形態)
図24は第16の実施形態を示すもので、中間電位を電圧検出する電圧検出手段としての電圧検出部180を設けた形態を示す。図24に示す電圧検出部180は、トランジスタ素子105、ダイオード構造106の素子形成領域100の外周側の半導体基板8に設けられるガードリング8aの電位を検出するように設けられる。半導体基板8の下面側表層部には、ダイオード構造6のカソード領域17、トランジスタ構造5のコレクタ電極18が形成されているが、これらの素子形成領域100だけでなくそのまま外周縁側に連通され耐圧保持領域101に及んでいる。
この耐圧保持領域101にはガードリング8aが形成される。このガードリング8aは複数形成されている。このガードリング8aは、半導体層8とは異なる導電型(この場合、p+(逆導電型))に形成されており、素子形成領域100の外周を囲むように平面的には例えば同心円状に形成されている。
そして、半導体基板8のガードリング8aよりも外周領域となる最外周領域には、通常半導体基板8と同一導電型となるn+の等価電位リング(EQR:Equivalent Potential Ring)8bがチャネルストッパ領域として形成され、ドレイン電位を固定するために設けられる。ガードリング8aは、半導体基板8の外周縁側において互いに離間して形成され、最外周の等価電位リング8bと素子形成領域100側に設けられるソース電極との間に発生する電界緩和のために設けられている。
これらのガードリング8aは外周側から順に段階的に電位が低くなり耐圧を保持できる。電圧検出部180は、このうち何れか一つのガードリング8aの層の上部から電圧を検出することでコレクタエミッタ間の中間電位を検出できる。この中間電位の変化は、前述の実施形態で説明したコレクタ電極電位VCOの変化と同様の変化であり、このように電圧検出部180がこの中間電位を検出したとしても同様に制御できる。
この実施形態に示した電圧検出部180は、第10〜第15の実施形態の電圧検出部125に替えて用いることができるし、電圧検出部125と共に用いても良い。また、前述した第1〜第9の実施形態の各実施形態に示した電流検出手段(7A、7B、25、59、60、68)の構成と組み合わせて用いても良い。
また電圧検出部180から検出した中間電位は必要に応じて抵抗分圧等によりさらに降圧して用いてもよい。
(第1〜第16の実施形態についての他の実施形態)
以上、第1〜第16の実施形態について説明したが、以下のように発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形、拡張を行うことができる。
各実施形態は、Vf制御部26によるVf制御とパルス制御部27によるパルス制御のうちVf制御だけを行う構成またはパルス制御だけを行う構成に変更してもよい。第3から第7の実施形態においてVf制御だけを行う構成の場合、Vf制御部26が、半導体素子1A、1Bのうち一方の半導体素子にゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子へのゲート駆動電圧の印加が禁止されることは勿論である。
Vf制御部26、パルス制御部27は、それぞれ検出電圧の大きさが規定値よりも小さくなるとVf制御、パルス制御を停止して通常制御を行うようにしたが、この通常制御への切り替え制御は必要に応じて実行すればよい。
第11の実施形態においても、負荷電流の大きさが規定値Im1、Im2よりも小さくなると、それぞれVf制御、パルス制御を停止して通常制御を行う構成としてもよい。また、駆動制御システムの運転領域が常に図6に示す領域1にある場合には、Vf制御部26から、領域1と領域2との間での制御切替機能を省いてもよい。すなわち、Vf制御部26は、PWM信号FLがHレベルの期間、常にゲート駆動電圧VGLを半導体素子1Bのゲートに印加する。Vf制御部26は、当該期間において半導体素子1Bにダイオード素子6の順方向の向きに電流が流れていると判定すると、第11の実施形態と同様にして、時刻t2から第2時間T2の経過時点(時刻t6)までパルスの拡張を行う。
第12から第16の実施形態は、半導体素子101A、101BにMOSトランジスタを用いた構成に対しても、第11の実施形態と同様にして適用できる。半導体素子101A、101Bは、コントロール用のゲートを有し寄生ダイオードが形成された素子、例えばMOSゲートを備えたダイオードであってもよい。RC−IGBTは、トレンチゲート型に限らずプレーナゲート型などであってもよい。MOSトランジスタは、トレンチゲート型に限らずプレーナゲート型などであってもよい。MOSトランジスタは、SJ(Super Junction)構造であってもよい。
センス素子105s、106sを並列接続した構成を用いて説明したが、これに替えて、センスダイオード106s、を単独でセンス素子として構成し、電圧検出部125がこのセンス素子の両端にかかる直流電圧(DC電圧)を検出するようにしても良い。これらの構成の場合、電圧検出だけでなく電流検出用としても共用できる。また、センスダイオード106sに替えて抵抗を使用して直流電圧(DC電圧)を検出するようにしても良い。あるいは、センストランジスタ105sを単独でセンス素子として使用しても良い。この場合、センストランジスタ105sはトランジスタ容量として機能するため電圧変化をパルス電圧/電流として検出できる。
図1の構成を採用した場合、図27に示すように、電流検出部25が半導体素子1Aの電流を検出し、この電流の変動を検出した時点t1cで、Vf制御部26がt2よりも前にパルスを拡張してゲート駆動信号SGLをHレベルとして出力しても良い。図1の電流検出部25に替えてその他の形態の電流検出部25を設けても良く、第7の実施形態の電流極性検出回路68を設けても良い。
また、図28に示すように、図17に示す形態を基本構成として逆アーム側のゲート駆動電圧VGHを検出する電圧検出部225を制御電圧検出手段として設け、この電圧検出部225により検出されるゲート駆動電圧VGHがしきい値電圧Vth未満になることが検出された時点で、Vf制御部26(制御手段)がt2よりも前にパルスを拡張してゲート駆動信号SGLをHレベルとして出力するようにしても良い。Vf制御、パルス制御に係る各ノードの制御信号、駆動信号等の波形は図27と同じであるため省略する。電圧検出部225は駆動IC124A、124B内に組み込んでも駆動IC124A、124Bとは独立に構成しても良い。
同様に、図12に対応して表す図29に示すように、フォトカプラ267A、267Bを介して逆アーム側のゲート駆動電圧VGHを検出する電圧検出部225をそれぞれ設け、この電圧検出部225によりゲート駆動電圧VGHがしきい値電圧Vth未満になることが検出された時点で、Vf制御部26(制御手段)がt2よりも前にパルスを拡張してゲート駆動信号SGLをHレベルとして出力するようにしても良い。各ノードの制御信号、駆動信号等の波形は図27と同じであるため図示を省略している。同様に、図29に示す電圧検出部225もまた、制御IC63内に組み込んでも制御IC63とは独立に構成しても良い。
また、図30に示すように、自アーム側の駆動IC24A、24Bが、逆アーム側のPWM信号FL又はFHをVf制御部26(又はパルス制御部27)に入力し、Vf制御部26(又はパルス制御部27)がこのPWM信号の立下りを検出した時点から所定時間経過したタイミングにおいて、Vf制御部26がt2よりも前にパルス拡張してゲート駆動信号SGLをHレベルとして出力するようにしても良い。この所定時間は予めアーム間短絡しないように予め定められた時間に設定すると良い。
また、図31に示すように、自アーム側の駆動IC124A、124Bが、逆アーム側のPWM信号FL又はFHをVf制御部26(又はパルス制御部27)に入力し、Vf制御部26(又はパルス制御部27)がこのPWM信号の立下りを検出した時点から所定時間経過したタイミングにおいて、Vf制御部26がt2よりも前にパルス拡張してゲート駆動信号SGLをHレベルとして出力するようにしても良い。この所定時間は予めアーム間短絡しないように予め定められた時間に設定すると良い。
図28〜図31には一例を示したが、その他にも、第1〜第9実施形態に示した電流検出手段(電流検出部25、ホールセンサ59、電流検出回路60、電流極性検出回路68など)、第10〜第15の実施形態に示した電圧検出手段(電圧検出部125、電圧検出部168など)、制御電圧検出手段(電圧検出部225)、の何れか2つを組み合わせて構成しても良い。
特に、電流検出手段と電圧検出手段を組み合わせて構成すると、図32に示すように、アーム短絡を生じない程度で、Vf制御部26が時点t2よりも前の時点t1bからパルス拡張してゲート駆動信号SGLをHレベルとして出力できる。この図32に示す例の場合、ゲート駆動電圧VGLのマージン期間Ma(図19参照)を最短(≒0)にできる。
逆アーム側のPWM信号FH、FLを自アーム側の駆動IC24A、24BのVf制御部26又はパルス制御部27に入力する形態を、電流検出部25、電圧検出部125、電圧検出部225により電流または電圧を検出して制御する形態に組み合わせても良い。
例えば、図18、図19に示したように、半導体素子101Aの電流の立下り時点とコレクタ電極電位Vcoの立下り検出時点とを比較すると、コレクタ電極電位Vcoの立下り検出時点が半導体素子101Aの電流の立下り時点よりも速いことがわかる。
したがって、例えば第10の実施形態等で説明した電圧検出手段を用い、Vf制御部26にPWM信号FLのオフ指令信号が入力されているときに、電圧検出信号に基づいてダイオード構造6の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、図32に示すように、ゲート駆動電圧VGLが上昇するタイミングが、半導体素子101Aに電流が流れなくなり始めるタイミングt1c(例えば、半導体素子101Bに電流が流れ出すタイミング)よりも後となるように、ゲート駆動信号SGLをタイミングt2よりも前の時点t1bからパルス拡張すると良い。
なお、パルス拡張してゲート駆動信号SGLを出力してからゲート駆動電圧VGLを生成するまでに所定の遅延時間を要する。このため、この遅延時間を予め測定し、この測定時間を見込んで時点t2よりも前にパルス拡張開始するタイミングt1bを予め設定しても良い。第11の実施形態で説明したように、電圧検出部125、ドライバ28、半導体素子101A、101Bなどには各種の遅延バラつきを生じるが、この遅延バラつきを予め測定しておきマージンを見込んでおくと良い。しかし、電圧検出部125及び電流検出部25などを用いて電圧検出制御及び電流検出制御を組み合わせれば、電圧変動を検出した時点(t1a)においてパルス拡張開始のタイミングを決定できるため、遅延バラつきを予め測定し時点t2よりも前にパルス拡張開始するタイミングを設定しなくても良くなる。
このような制御を行うと、第1〜第9の実施形態で説明した電流検出手段のみを用いて制御を行うよりもVf制御部26が行う第11の実施形態のパルス拡張をより速い時点から行うことができ、ゲート駆動処理に要する時間の確保と同期整流期間の拡張ができ、最大限の効果が得られる。
なお、特許請求の範囲に付した括弧付き符号は、本願添付明細書の構成要素に対応する符号を付したものであり、これは構成要素の一例を挙げたものである。本願に係る発明は当該特許請求の範囲の構成要素に付した符号に対応した要素に限られるわけではなく、特許請求の範囲内の用語又はその均等の範囲で様々な拡張が可能である。
図面中、1A、1B、101A、101Bは半導体素子、4はハーフブリッジ回路、5、105はトランジスタ素子(トランジスタ構造)、6、106はダイオード素子(ダイオード構造)、7A、7B、107A、107Bはセンス抵抗(電流検出手段)、8は半導体基板、8aはガードリング(電界制限リング)、15はエミッタ電極(通電電極)、18はコレクタ電極(通電電極)、21、121はマイコン(制御IC)、24A、24B、124A、124B、51、53、55、151、153は駆動IC(IC)、25は電流検出部(電流検出手段)、125、168は電圧検出部(電圧検出手段)、26はVf制御部(制御手段,第2の制御手段,入力手段)、27はパルス制御部(制御手段,第1の制御手段,入力手段)、28はドライブ回路、32A、32B、132A、132B、52、54、56、152、154、61、62、162、71、72、172は駆動制御装置、59はホールセンサ(電流検出手段)、60は電流検出回路(電流検出手段)、63は制御IC、64A、64B、67A、67Bはフォトカプラ(絶縁回路)、65A、65Bは駆動IC、68は電流極性検出回路(電流検出手段)、180は電圧検出部(電圧検出手段)、225は電圧検出部(制御電圧検出手段)である。

Claims (25)

  1. ゲート駆動電圧が印加される絶縁ゲート型のトランジスタ構造(5)とダイオード構造(6)とが同一の半導体基板(8)に形成され、前記トランジスタ構造の通電電極と前記ダイオード構造の通電電極とが共通の電極(15,18)とされた半導体素子(1A,1B)の駆動制御装置(32A,32B,52,54,56,61,62,71,72)であって、
    前記半導体素子に流れる電流に応じた電流検出信号を出力する電流検出手段(7A,7B,25,59,60,68)と、
    前記電流検出信号に基づいて、前記半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間に前記半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、その後のオフ指令信号の入力時点を起点として、当該一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路(4)を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように予め設定された第1時間の経過時点から第2時間の経過時点まで、前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力する第1の制御手段(27)とを備える駆動制御装置。
  2. 前記半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れる場合において、前記ゲート駆動電圧が遮断されている時における導通損失と前記ゲート駆動電圧が印加されている時における導通損失とが等しくなる電流値が予め測定されて電流しきい値として設定されており、
    駆動制御する前記半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、前記電流検出信号に基づいて、前記ダイオード構造の順方向の向きに流れる前記半導体素子の電流が前記電流しきい値以上であると判定すると、前記ゲート駆動電圧の遮断を指令するゲート駆動信号を出力し、前記電流しきい値未満であると判定すると、前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力する第2の制御手段(26)を備えていることを特徴とする請求項1記載の駆動制御装置。
  3. 前記第2の制御手段(26)は、駆動制御する前記半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、前記半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに前記電流しきい値未満の電流が流れていると判定すると、前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を、当該半導体素子に対するオフ指令信号の入力時点を越えて前記第2時間の経過時点まで延長して出力することを特徴とする請求項2記載の駆動制御装置。
  4. 駆動制御する前記半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力し、当該期間において前記半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定すると、前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を、当該半導体素子に対するオフ指令信号の入力時点を越えて前記第2時間の経過時点まで延長して出力する第2の制御手段(26)を備えていることを特徴とする請求項1記載の駆動制御装置。
  5. ゲート駆動電圧が印加される絶縁ゲート型のトランジスタ構造(5)とダイオード構造(6)とが同一の半導体基板(8)に形成され、前記トランジスタ構造の通電電極と前記ダイオード構造の通電電極とが共通の電極(15,18)とされた半導体素子(1A,1B)の駆動制御装置(32A,32B,52,54,56,61,62,71,72)であって、
    前記半導体素子に流れる電流に応じた電流検出信号を出力する電流検出手段(7A,7B,25,59,60,68)と、
    前記半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れる場合において、前記ゲート駆動電圧が遮断されている時における導通損失と前記ゲート駆動電圧が印加されている時における導通損失とが等しくなる電流値が予め測定されて電流しきい値として設定されており、前記半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、前記電流検出信号に基づいて、前記ダイオード構造の順方向の向きに流れる前記半導体素子の電流が前記電流しきい値以上であると判定すると、前記ゲート駆動電圧の遮断を指令するゲート駆動信号を出力し、前記電流しきい値未満であると判定すると、前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力する第2の制御手段(26)とを備えている駆動制御装置。
  6. 前記第2の制御手段(26)は、外部から前記電流しきい値を特定するしきい値特定信号を入力可能に構成されており、前記オン指令信号が入力されている期間において、入力した前記しきい値特定信号に応じた電流しきい値を前記半導体素子に流れる電流の判定に用いることを特徴とする請求項2、3および5の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  7. 前記制御手段(26,27)は、前記半導体素子を通して負荷に流れる電流が規定値よりも小さい場合、駆動制御する前記半導体素子に対するオン指令信号が入力されると前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力し、オフ指令信号が入力されると前記ゲート駆動電圧の遮断を指令するゲート駆動信号を出力する通常制御を実行することを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  8. 前記ゲート駆動信号を入力して前記ゲート駆動電圧を出力するドライブ回路(28)を備え、
    前記ゲート駆動電圧に応じた耐圧を持つIC(24A,24B)で構成されていることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  9. ハーフブリッジ回路を構成する2つの前記半導体素子を駆動制御するものであって、前記ハーフブリッジ回路に加わる電源電圧に応じた耐圧を持つIC(51,53,55)で構成されており、
    当該ICは、前記ゲート駆動信号を入力して前記ゲート駆動電圧を出力するドライブ回路(28)を備え、
    前記電流検出手段(7A,7B,25,59,60)は、前記2つの半導体素子のうち少なくとも一方に流れる電流を検出可能に設けられ、
    前記制御手段(26,27)は、前記2つの半導体素子のうち一方の半導体素子に前記ゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子への前記ゲート駆動電圧の印加を禁止することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  10. ハーフブリッジ回路を構成する2つの前記半導体素子を駆動制御するものであって、前記制御手段(26,27)を有する制御IC(21,63)と、前記制御ICから入力したゲート駆動信号に基づいて前記半導体素子に前記ゲート駆動電圧を印加する駆動IC(65A,65B)と、前記制御ICから出力されたゲート駆動信号を電気的に絶縁して前記駆動ICに伝送する絶縁回路(64A,64B)と、前記電流検出手段(7A,7B,25,59,60,68)とから構成されており、
    前記制御ICは、前記2つの半導体素子のうち一方の半導体素子に前記ゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子への前記ゲート駆動電圧の印加を禁止するゲート駆動信号を出力することを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  11. 前記電流検出手段(25)は、前記制御IC(21)に設けられていることを特徴とする請求項10記載の駆動制御装置。
  12. ゲート駆動電圧が印加される絶縁ゲート型のトランジスタ構造(5)とダイオード構造(6)とが同一の半導体基板(8)に形成され、前記トランジスタ構造の通電電極と前記ダイオード構造の通電電極とが共通の電極(15,18)とされた半導体素子(101A、101B)の駆動制御装置(32A、32B、52、54、56、61、62、71、72)であって、
    前記半導体素子に流れる電流に応じた電流検出信号を出力する電流検出手段(7A,7B,25,59,60,68)と、
    前記一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに前記電流検出信号に基づいて前記一方の半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、前記電流検出手段により電流検出信号の変動を検出した時点で、前記一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路(4)を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように前記一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点(t2)を遡ってパルスを出力させる制御手段(26,27)と、を備えることを特徴とする駆動制御装置。
  13. ゲート駆動電圧が印加される絶縁ゲート型のトランジスタ構造(105)とダイオード構造(106)とが同一の半導体基板(8)に形成され、前記トランジスタ構造の通電電極と前記ダイオード構造の通電電極とが共通の電極(15,18)とされた半導体素子(101A、101B)の駆動制御装置(132A,132B,152,154,156,162,172)であって、
    一方の前記半導体素子の電極電位に基づく電圧検出信号を出力する電圧検出手段(107A,107B,125,168,180)と、
    前記一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに前記電圧検出信号に基づいて前記一方の半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、前記一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路(4)を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように前記一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点(t2)からパルスを出力させる制御手段(26,27)と、を備えることを特徴とする駆動制御装置。
  14. 前記半導体素子に流れる電流に応じた電流検出信号を出力する電流検出手段(7A,7B,25,59,60,68)を備え、
    前記一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに前記電流検出信号に基づいて前記一方の半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、前記ゲート駆動電圧が上昇するタイミングが前記一方の半導体素子(101A)に電流が流れなくなり始めるタイミングよりも後となる遅延時間を見込んで、前記一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点(t2)を遡ってパルスを出力させる制御手段(26,27)を備えることを特徴とする請求項13記載の駆動制御装置。
  15. ゲート駆動電圧が印加される絶縁ゲート型のトランジスタ構造(5)とダイオード構造(6)とが同一の半導体基板(8)に形成され、前記トランジスタ構造の通電電極と前記ダイオード構造の通電電極とが共通の電極(15,18)とされた半導体素子(1A、1B)の駆動制御装置(32A,32B,52,54,56,62,72)であって、
    一方の前記半導体素子に流れる電流に応じた電流検出信号を出力する電流検出手段(7A,7B,25,59,60,68)と、
    他方の前記半導体素子に対する指令信号を入力する入力手段(26,27)と、を備え、
    前記一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに前記電流検出信号及び前記入力手段の入力信号に基づいて前記一方の半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、前記入力手段にオフ指令信号が入力されることに応じてパルスを出力させる手段であって、前記一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路(4)を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように前記一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点(t2)を遡ってパルスを出力させる制御手段(26,27)を備えることを特徴とする駆動制御装置。
  16. ゲート駆動電圧が印加される絶縁ゲート型のトランジスタ構造(105)とダイオード構造(106)とが同一の半導体基板(8)に形成され、前記トランジスタ構造の通電電極と前記ダイオード構造の通電電極とが共通の電極(15,18)とされた半導体素子(101A,101B)の駆動制御装置(132A,132B,152,154,156,162,172)であって、
    一方の前記半導体素子の電極電位に基づく電圧検出信号を出力する電圧検出手段(107A,107B,125,168,180)と、
    他方の前記半導体素子に対する指令信号を入力する入力手段(26,27)と、を備え、
    前記一方の半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに前記電圧検出信号及び前記入力手段の入力信号に基づいて前記一方の半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、前記入力手段にオフ指令信号が入力されることに応じてパルスを出力させる手段であって、前記一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路(4)を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように前記一方の半導体素子に対するオン指令信号の入力時点(t2)を遡ってパルスを出力させる制御手段(26,27)を備えることを特徴とする駆動制御装置。
  17. 他方の前記半導体素子の制御電圧に応じた制御電圧検出信号を出力する制御電圧検出手段(225)を備え、
    前記制御手段は、前記制御電圧検出手段(225)の制御電圧検出信号の変動に基づいてパルスを出力させることを特徴とする請求項12、14、15の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  18. ゲート駆動電圧が印加される絶縁ゲート型のトランジスタ構造(5)とダイオード構造(6)とが同一の半導体基板(8)に形成され、前記トランジスタ構造の通電電極と前記ダイオード構造の通電電極とが共通の電極(15,18)とされた半導体素子(101A,101B)の駆動制御装置(132A,132B,152,154,156,162,172)であって、
    前記半導体素子の電極電位に応じた電圧検出信号を出力する電圧検出手段(107A,107B,125,168,180)と、
    前記半導体素子に対するオフ指令信号が入力されているときに前記電圧検出信号に基づいて前記半導体素子に前記ダイオード構造の順方向の向きに電流が流れていると判定した場合、その後にオン指令信号の入力を経てオフ指令信号が入力された時点を起点として、一方の半導体素子とともにハーフブリッジ回路(4)を構成する他方の半導体素子との間でアーム短絡が生じないように予め設定された第1時間の経過時点から第2時点の経過時点まで、前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力する制御手段(26,27)と、を備えることを特徴とする駆動制御装置。
  19. 前記制御手段(26,27)は、前記電圧検出部により電圧が変動したか否かを判定することで負荷に流れる電流を判定し、前記負荷の電流が0付近の所定範囲であると判定すると、前記ゲート駆動電圧の遮断を指令するゲート駆動信号を出力し、前記所定範囲外であると判定すると前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力することを特徴とする請求項13、16、18の何れか1項に記載の駆動制御装置。
  20. 前記制御手段(26,27)は、駆動制御する前記半導体素子に対するオン指令信号が入力されている期間、前記電圧検出信号に基づいて前記ダイオード構造の順方向の向きに流れていると判定すると前記ゲート駆動電圧の遮断を指定するゲート駆動信号を出力し、前記ダイオード構造の順方向の向きに流れていないと判定すると前記ゲート駆動電圧の印加を指令するゲート駆動信号を出力することを特徴とする請求項18または19記載の駆動制御装置。
  21. 前記ゲート駆動信号を入力して前記ゲート駆動電圧を出力するドライブ回路(28)を備え、
    前記ゲート駆動電圧に応じた耐圧を持つIC(124A,124B)で構成されていることを特徴とする請求項18から20の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  22. ハーフブリッジ回路を構成する2つの前記半導体素子を駆動制御するものであって、前記ハーフブリッジ回路に加わる電源電圧に応じた耐圧を持つIC(151,153)で構成されており、
    当該ICは、前記ゲート駆動信号を入力して前記ゲート駆動電圧を出力するドライブ回路(28)を備え、
    前記電圧検出手段(107A,107B,125,180)は、前記2つの半導体素子のうち少なくとも一方の電圧を検出可能に設けられ、
    前記制御手段(26,27)は、前記2つの半導体素子のうち一方の半導体素子に前記ゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子への前記ゲート駆動電圧の印加を禁止することを特徴とする請求項18から21の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  23. ハーフブリッジ回路を構成する2つの前記半導体素子を駆動制御するものであって、前記制御手段(26,27)を有する制御IC(21,121,163)と、前記制御ICから入力したゲート駆動信号に基づいて前記半導体素子に前記ゲート駆動電圧を印加する駆動IC(65A,65B)と、前記制御ICから出力されたゲート駆動信号を電気的に絶縁して前記駆動ICに伝送する絶縁回路(64A,64B)と、前記電圧検出手段(107A,107B,125,168)とから構成されており、
    前記制御ICは、前記2つの半導体素子のうち一方の半導体素子に前記ゲート駆動電圧を印加している期間、他方の半導体素子への前記ゲート駆動電圧の印加を禁止するゲート駆動信号を出力することを特徴とする請求項18から21の何れか一項に記載の駆動制御装置。
  24. 前記電圧検出手段(125)は、前記制御IC(121)に設けられていることを特徴とする請求項23記載の駆動制御装置。
  25. 前記電圧検出手段(180)は、前記半導体素子の素子形成領域(100)の外周側に離間して半導体基板(8)に形成され前記半導体基板(8)の導電型とは逆導電型の電界制限リング(8a)を用いて中間電位を検出することを特徴とする請求項18から24の何れか一項に記載の駆動制御装置。
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