JP4958510B2 - アルミニウム電解コンデンサ用電極材及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、アルミニウム電解コンデンサに用いられる電極材、特に中高圧用のアルミニウム電解コンデンサに用いられる陽極用電極材及びその製造方法に関する。
アルミニウム電解コンデンサは、安価で高容量を得ることができるため、広く使われている。一般に、アルミニウム電解コンデンサ用電極材としてはアルミニウム箔が使用されている。
一般に、アルミニウム電解コンデンサ用電極材は、エッチング処理を行い、エッチングピットを形成することにより、表面積を増大させることができる。そして、その表面に陽極酸化処理を施すことにより、酸化皮膜を形成し、これが誘電体として機能する。このため、アルミニウム箔をエッチング処理し、その表面に使用電圧に応じた種々の電圧で陽極酸化皮膜を形成することにより、用途に適合する各種の電解コンデンサ用アルミニウム陽極用電極(箔)を製造することができる。
エッチング処理ではエッチングピットと呼ばれる孔がアルミニウム箔に形成されるが、エッチングピットは陽極酸化電圧に対応した種々の形状に処理される。
具体的には、中高圧用のコンデンサ用途には、厚い酸化皮膜を形成する必要がある。このため、そのような厚い酸化皮膜でエッチングピットが埋まらないように、中高圧陽極用アルミニウム箔では、主に直流エッチングを行うことによりエッチングピット形状をトンネルタイプとし、電圧に応じた太さに処理される。一方、低圧用コンデンサ用途では、細かいエッチングピットが必要であり、主には交流エッチングによって海綿状のエッチングピットを形成させる。また、陰極用箔についても、同様にエッチングにより表面積を拡大させている。
しかしながら、これらのエッチング処理ではいずれも、塩酸中に硫酸、燐酸、硝酸等を含有する塩酸水溶液を使用しなければならない。すなわち、塩酸は、環境面での負荷が大きく、その処理も工程上又は経済上の負担になる。このため、エッチング処理によらない新規なアルミニウム箔の表面積増大方法の開発が望まれている。
これに対し、表面に微細なアルミニウム粉末を付着させたアルミニウム箔を用いたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサが提案されている(例えば特許文献1)。また、箔厚が15μm以上35μm未満である平滑なアルミニウム箔の片面又は両面に、2μm〜0.01μmの長さ範囲で自己相似となるアルミニウムおよび/又は表面に酸化アルミニウム層を形成したアルミニウムからなる微粒子の凝集物が付着した電極箔を用いた電解コンデンサも知られている(特許文献2)。
しかしながら、これらの文献で開示されているメッキおよび/又は蒸着によりアルミニウム粉末をアルミニウム箔に付着させる方法では、少なくとも、中高圧用のコンデンサ用途の太いエッチングピットの代用とするには十分なものとは言えない。
特開平2−267916 特開2006−108159
従って、本発明の主な目的は、エッチング処理が不要なアルミニウム電解コンデンサ用電極材を提供することにある。
本発明者は、上記の従来技術の問題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、特定の焼結体により上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のアルミニウム電解コンデンサ用電極材及びその製造方法に係る。
1. アルミニウム電解コンデンサ用電極材であって、当該電極材がアルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の焼結体からなることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
2. 前記焼結体が、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種からなる粒子どうしが互いに空隙を維持しながら焼結したものである、前記項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
3. 前記焼結体が、平均厚み5μm以上1000μm以下の箔状である、前記項1又は2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
4. 当該電極材を支持する基材をさらに含む、前記項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
5. 前記基材がアルミニウム箔である、前記項4に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
6. 中高圧用のアルミニウム電解コンデンサに用いられる、前記項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
7. アルミニウム電解コンデンサ用電極として使用するに当たり、当該電極材をエッチング処理せずに使用する、前記項1〜6のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
8. アルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造する方法であって、
(1)アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を含む組成物からなる皮膜を基材に形成する第1工程及び
(2)前記皮膜を560℃以上660℃以下の温度で焼結する第2工程
を含むことを特徴とする、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
9. 前記粉末が、平均粒径1μm以上80μm以下である、前記項8に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
10. 前記組成物が、樹脂バインダ及び溶剤の少なくとも1種を含む、前記項8又は9に記載の製造方法。
11. アルミニウム電解コンデンサ用電極を製造する方法であって、
(1)アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を含むペースト状組成物からなる皮膜を基材に形成する第1工程及び
(2)前記皮膜を560℃以上660℃以下の温度で焼結する第2工程
を含み、かつ、エッチング工程を含まないことを特徴とする、アルミニウム電解コンデンサ用電極の製造方法。
12. 焼結した皮膜を陽極酸化処理する第3工程をさらに含む、前記項11に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極の製造方法。
本発明によれば、従来のエッチングピットを有する電極材(圧延箔)と異なり、焼結体から構成される電極材を提供することができる。かかる焼結体は、特に、粒子(特にアルミニウム又はアルミニウム合金の粉末粒子)が互いに空隙を維持しながら焼結してなる特異な構造をもつことから、従来のエッチド箔と同等又はそれ以上の静電容量を得ることができる。このため、特に、本発明は、中高圧用のコンデンサ用途の太いエッチングピットを有するエッチド箔の代用となる。
このように、本発明電極材は、エッチング処理を施すことなく使用できることから、エッチングに用いられる塩酸による問題(環境問題、廃液・汚染問題等)を一挙に解決することができる。
さらに、従来のエッチド箔では、エッチングピットにより箔強度の低下という問題があるが、本発明電極材では多孔質焼結体から構成されているため、強度上も有利である。このため、本発明電極箔は良好に捲回することもできる。
1.アルミニウム電解コンデンサ用電極材
本発明電極材は、アルミニウム電解コンデンサ用電極材であって、当該電極材がアルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の焼結体からなることを特徴とする。
上記焼結体は、実質的にアルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種から構成される。これらは、材質的には公知の圧延Al箔の場合と同様の組成を採用することができる。例えば、アルミニウムからなる焼結体又はアルミニウム合金からなる焼結体を挙げることができる。アルミニウムの焼結体では、アルミニウム純度99.8重量%以上のアルミニウムからなる焼結体であることが好ましい。また、アルミニウム合金の場合は、例えば、珪素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)及びジルコニウム(Zr)等の元素の1種又は2種以上を含む合金を用いることができる。この場合、これらの元素の含有量は、それぞれ100重量ppm以下、特に50重量ppm以下とすることが好ましい。
前記焼結体は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種からなる粒子どうしが互いに空隙を維持しながら焼結したものであることが好ましい。図1には本発明電極材の断面を走査型電子顕微鏡で観察したイメージ画像を示す。図1に示すように、各粒子どうしが空隙を維持しながら繋がり、三次元網目構造を有していることがわかる。このような多孔質焼結体とすることにより、エッチング処理を施さなくても、所望の静電容量を得ることが可能となる。この場合の気孔率は、通常10%以上の範囲内で所望の静電容量等に応じて適宜設定することができる。また、気孔率は、例えば出発材料のアルミニウム又はアルミニウム合金の粉末の粒径、その粉末を含むペースト組成物の組成(樹脂バインダ)等により制御することができる。
前記焼結体の形状は特に制限されないが、一般的には平均厚み5μm以上1000μm以下、特に5μm以上50μm以下の箔状であることが好ましい。平均厚みは、重量法により平均値を算出できる。
本発明電極材は、当該電極材を支持する基材をさらに含んでいても良い。基材としては、特に限定されないが、アルミニウム箔を好適に用いることができる。
基材としてのアルミニウム箔は、特に限定されず、純アルミニウム又はアルミニウム合金を用いることができる。本発明で用いられるアルミニウム箔は、その組成として、珪素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、ニッケル(Ni)及びホウ素(B)の少なくとも1種の合金元素を必要範囲内において添加したアルミニウム合金あるいは上記の不可避的不純物元素の含有量を限定したアルミニウムも含む。
アルミニウム箔の厚みは、特に限定されないが、5μm以上100μm以下、特に、10μm以上50μm以下の範囲内とするのが好ましい。
上記のアルミニウム箔は、公知の方法によって製造されるものを使用することができる。例えば、上記の所定の組成を有するアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を調製し、これを鋳造して得られた鋳塊を適切に均質化処理する。その後、この鋳塊に熱間圧延と冷間圧延を施すことにより、アルミニウム箔を得ることができる。
なお、上記の冷間圧延工程の途中で、50℃以上500℃以下、特に150℃以上400℃以下の範囲内で中間焼鈍処理を施しても良い。また、上記の冷間圧延工程の後に、150℃以上650℃以下、特に350℃以上550℃以下の範囲内で焼鈍処理を施して軟質箔としても良い。
本発明電極材は、低圧用、中圧用又は高圧用のいずれのアルミニウム電解コンデンサにも使用することができる。特に中圧又は高圧用(中高圧用)アルミニウム電解コンデンサとして好適である。
本発明電極材は、アルミニウム電解コンデンサ用電極として使用するに当たり、当該電極材をエッチング処理せずに使用することができる。すなわち、本発明電極材は、エッチング処理することなく、そのまま又は陽極酸化処理することにより電極(電極箔)として使用することができる。
本発明の電極材を用いた陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介在させて積層し、巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を電解液に含浸させ、電解液を含んだコンデンサ素子を外装ケースに収納し、封口体でケースを封口することによって電解コンデンサが得られる。
2.アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造する方法は、
(1)アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を含む組成物からなる皮膜を基材に形成する第1工程及び
(2)前記皮膜を560℃以上660℃以下の温度で焼結する第2工程
を含むことを特徴とする。
第1工程
第1工程では、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を含む組成物からなる皮膜を基材に形成する。
アルミニウム又はアルミニウム合金の組成(成分)としては、前記で掲げたものを用いることができる。前記粉末として、例えばアルミニウム純度99.8重量%以上の純アルミニウム粉末を用いることが好ましい。
前記粉末の形状は、特に限定されず、球状、不定形状、鱗片状、繊維状等のいずれも好適に使用できる。特に、球状粒子からなる粉末が好ましい。球状粒子からなる粉末の平均粒径は1μm以上80μm以下、特に1μm以上30μmが好ましい。平均粒径が1μmより小さいと、所望の耐電圧が得られないおそれがある。また、80μmより大きいと、所望の静電容量が得られないおそれがある。
上記粉末は、公知の方法によって製造されるものを使用することができる。例えば、アトマイズ法、メルトスピニング法、回転円盤法、回転電極法、その他の急冷凝固法等が挙げられるが工業的生産にはアトマイズ法、特にガスアトマイズ法が好ましい。すなわち、溶湯をアトマイズすることにより得られる粉末を用いることが望ましい。
前記組成物は、必要に応じて樹脂バインダ、溶剤、焼結助剤、界面活性剤等が含まれていても良い。これらはいずれも公知又は市販のものを使用することができる。特に、本発明では、樹脂バインダ及び溶剤の少なくとも1種を含有させてペースト状組成物として用いることが好ましい。これにより効率よく皮膜を形成することができる。樹脂バインダは限定的でなく、例えばカルボキシ変性ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩酢ビ共重合樹脂、ビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、フッ化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル樹脂、ニトロセルロース樹脂、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成樹脂又はワックス、タール、にかわ、ウルシ、松脂、ミツロウ等の天然樹脂又はワックスが好適に使用できる。これらのバインダは、それぞれ分子量、樹脂の種類等により、加熱時に揮発するものと、熱分解によりその残渣がアルミニウム粉末とともに残存するものとがあり、所望の静電特性等に応じて使い分けすることができる。
また、溶媒も公知のものが使用できる。例えば、水のほか、エタノール、トルエン、ケトン類、エステル類等の有機溶剤を使用することができる。
皮膜の形成は、前記組成物の性状等に応じて公知の方法から適宜採択することができる。例えば、前記組成物が粉末(固体)である場合は、その圧粉体を基材上に形成(又は熱圧着)すれば良い。この場合は、圧粉体を焼結することにより固化するとともに、シート材上にアルミニウム粉末を固着させることもできる。また、液状(ペースト状)である場合は、ローラー、刷毛、スプレー、ディッピング等の塗布方法により形成できるほか、公知の印刷方法により形成することもできる。
皮膜は、必要に応じて、20℃以上300℃以下の範囲内の温度で乾燥させても良い。
皮膜の厚みは、特に限定されないが、一般的には20μm以上1000μm以下、特に20μm以上200μm以下とすることが好ましい。厚みが20μm未満の場合は、所望の静電容量が得られないおそれがある。また、1000μmより大きい場合は、箔との密着性不良の発生や後工程内におけるひび割れ発生のおそれがある。
基材の材質は特に限定されず、金属、樹脂等のいずれであっても良い。特に、基材を焼結時に揮発させて皮膜のみを残す場合は、樹脂(樹脂フィルム)を用いることができる。一方、基材を残す場合は、金属箔を好適に用いることができる。金属箔としては、特にアルミニウム箔が好適に使用される。この場合、皮膜と実質的に同じ組成のアルミニウム箔を用いても良いし、異なる組成の箔を使用しても良い。また、皮膜を形成するに先立って、予めアルミニウム箔の表面を粗面化しても良い。粗面化方法は、特に限定されず、洗浄、エッチング、ブラスト等の公知の技術を用いることができる。
第2工程
第2工程では、前記皮膜を560℃以上660℃以下の温度で焼結する。
焼結温度は、560℃以上660℃以下とし、好ましくは560℃以上660℃未満、より好ましくは570℃以上659℃以下とする。焼結時間は、焼結温度等により異なるが、通常は5〜24時間程度の範囲内で適宜決定することができる。
焼結雰囲気は、特に制限されず、例えば真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、酸化性ガス雰囲気(大気)、還元性雰囲気等のいずれであっても良いが、特に真空雰囲気又は還元性雰囲気とすることが好ましい。また、圧力条件についても、常圧、減圧又は加圧のいずれでも良い。
なお、前記組成物中に樹脂バインダ等の有機成分が含有している場合は、第1工程後第2工程に先立って予め100℃以上から600℃以下の温度範囲で保持時間が5時間以上の加熱処理(脱脂処理)を行なうことが好ましい。加熱処理雰囲気は特に限定されず、例えば真空雰囲気、不活性ガス雰囲気又は酸化性ガス雰囲気中のいずれでも良い。また、圧力条件も、常圧、減圧又は加圧のいずれでも良い。
第3工程
前記の第2工程において、本発明電極材を得ることができる。これは、エッチング処理を施すことなく、そのままアルミニウム電解コンデンサ用電極(電極箔)として用いることが可能である。一方、前記電極材は、必要に応じて第3工程として陽極酸化処理を施すことにより誘電体を形成させることができ、これを電極とする。
陽極酸化処理条件は特に限定されないが、通常は濃度0.01モル以上5モル以下、温度30℃以上100℃以下のホウ酸溶液中で、10mA/cm以上400mA/cm程度の電流を5分以上印加すれば良い。
以下、従来例及び実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
以下では、従来例と実施例に従って電極材をそれぞれ作製した。
(従来例1)
厚みが130μmのアルミニウム箔(JIS A1080−H18)を下記の条件にてエッチング処理を施した後、エッチング後のアルミニウム箔を水洗、乾燥し、電極材を作製した。
一次エッチング
エッチング液:塩酸及び硫酸の混合液(塩酸濃度:1モル/L、硫酸濃度:3モル/L、80℃)
電解:DC500mA/cm×1分
二次エッチング
エッチング液:硝酸液(硝酸濃度:1モル/L、75℃)
電解:DC100mA/cm×5分
(実施例1)
平均粒径が5.5μmのアルミニウム粉末(JIS A1080、東洋アルミニウム(株)製 品番AHU57E9)60重量部をアクリル系バインダ40重量部と混合し、溶剤(トルエン)に分散させて固形分60重量%の塗工液を得た。この塗工液を、厚みが30μmのアルミニウム箔(JIS 1N30−H18)の片面に9ミルのアプリケーターを用いて塗工し、皮膜を乾燥した。このアルミニウム箔をアルゴンガス雰囲気中にて温度655℃で7時間焼結することにより、電極材を作製した。焼結後の電極材の厚みは約130μmであった。
(試験例1)
従来例及び実施例で得られた電極材の静電容量を次の方法でそれぞれ測定した。すなわち、電極材に対し、ホウ酸水溶液(50g/L)中で250V、400V、550Vの化成処理を施した後、ホウ酸アンモニウム水溶液(3g/L)にて測定した。測定投影面積は10cmとした。その結果を表1に示す。
また、実施例1で得られた電極(電極材)と従来例1で得られた電極材(エッチング処理後)の断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示すイメージ画像をそれぞれ図1及び図2を示す。これらの図からもわかるように、本発明電極材は、従来のエッチド箔とはその構造が全く異なり、粒子どうしが三次元的に互いに焼結してなる多孔質焼結体から構成されていることがわかる。
Figure 0004958510
表1に示すとおり、本発明の電極は、従来のエッチド箔と同等又はそれ以上の性能を示すことがわかる。
実施例1で得られた電極材断面を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示すイメージ画像である。 従来例1で得られた電極材断面(エッチング処理後)を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示すイメージ画像である。

Claims (3)

  1. アルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造する方法であって、
    (1)アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の平均粒径5.5μm以上80μm以下である粉末、樹脂バインダ、並びに溶剤を含むペースト状組成物からなる皮膜を基材に形成する第1工程及び
    (2)前記皮膜を560℃以上660℃以下の温度で焼結する第2工程
    を含むことを特徴とする、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  2. アルミニウム電解コンデンサ用電極を製造する方法であって、
    (1)アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の平均粒径5.5μm以上80μm以下である粉末、樹脂バインダ、並びに溶剤を含むペースト状組成物からなる皮膜を基材に形成する第1工程及び
    (2)前記皮膜を560℃以上660℃以下の温度で焼結する第2工程
    を含み、かつ、エッチング工程を含まないことを特徴とする、アルミニウム電解コンデンサ用電極の製造方法。
  3. 焼結した皮膜を陽極酸化処理する第3工程をさらに含む、請求項に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極の製造方法。
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