JP6925874B2 - アルミニウム電解コンデンサ用電極材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサに用いられる電極材、特にアルミニウム電解コンデンサに用いられる陽極用電極材及びその製造方法に関する。
一般に、アルミニウム電解コンデンサの電極材にはアルミニウム箔が使用されており、このアルミニウム箔に、エッチング処理を施すことによってエッチングピットが形成され、その表面積を増大することができる。また、アルミニウム箔の表面に陽極酸化処理を施すことにより、酸化皮膜が形成され、これが誘電体として機能する。このため、アルミニウム箔をエッチング処理し、その表面に使用電圧に応じた種々の電圧で酸化皮膜を形成することにより、用途に応じた各種の電解コンデンサ用アルミニウム陽極用電極材(箔)を製造することができる。
しかしながら、エッチング処理では、塩酸中に硫酸、燐酸、硝酸等を含有する塩酸水溶液を使用しなければならず、塩酸は環境面での大きな負荷となり、その処理も工程上又は経済上の負担になる。また、エッチング処理では、エッチングピットの発生が均一にならないことがあり、ピットの合体が起こり易い領域やピットの発生が起こり難い領域が生じ、いわゆるピット規制に関して課題がある。また、微細ピットを多数発生させると電極材の強度が弱くなるという問題もある。
そのため、近年、エッチング処理によらずにアルミニウム箔の表面積を増大する方法の開発が望まれている。例えば、特許文献1には、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を含む組成物からなる皮膜を基材に形成し、前記皮膜を焼結させることにより、従来の表面積の拡大したアルミニウム箔に代わる表面積の大きな焼結体を得るための方法が提案されている。この方法によれば、エッチング処理により得られるピット面積以上の表面積が得られることも確認されている。
特許文献1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極箔も優れた電極箔であるが、陽極酸化処理中の電極箔の破断については検討の余地がある。特に、アルミニウム箔基材(基材としてのアルミニウム箔)表面に形成される焼結体に含まれるアルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末の平均粒子径が小さい程表面積は増大し、アルミニウム電解コンデンサとして用いた際の静電容量の向上に寄与することができる。しかしながら、本発明者らは、平均粒子径が小さい程破断しやすい傾向があることを見出した。すなわち、アルミニウム箔表面にアルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末を積層して焼結させた焼結体において、高容量のアルミニウム電解コンデンサ用電極箔を製造ライン下において陽極酸化処理しにくいという問題がある。
また、特許文献2では、アルミニウム電解コンデンサ用電極箔を形成する際、焼結体にエンボス加工を施して、焼結体の表面粗度を所定内に調整することにより、製造ライン下において破断しにくくする技術が提案されている。
特許文献2に記載の製造方法も優れた製造方法であるが、コンデンサの容量及びコスト低減については検討の余地がある。特許文献2に規制の製造方法では、エンボス加工工程が必要であり、コストの増大を招くという問題がある。更にあまり深くエンボスをしてしまうと容量が低下する傾向があるという問題がある。
更に、特許文献3には、アルミニウム電解コンデンサ用電極箔を形成する際、アルミニウム箔基材(基材としてのアルミニウム箔)にマンガン(Mn)を添加して、製造ライン下において破断しにくくする技術が提案されている(特許文献3参照)。
特許文献3に記載の技術も優れた技術であるが、陽極酸化処理後のクラックの抑制については検討の余地がある。特許文献3に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極箔を製造ライン下において陽極酸化処理を試みたところ、製造ラインの通過率は向上するものの、陽極酸化皮膜がもろくなり易く、コンデンサを製造するために巻き取った際に、焼結体の表面の陽極酸化皮膜にクラックが発生しやすい傾向がある。焼結体の表面にクラックが発生すると、容量が低下するという問題がある。
特開2008−98279号公報 国際公開第2016/136804号 国際公開第2015/098644号
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、エッチングピットを形成するためのエッチング処理が不要で、且つ、陽極酸化処理後の表面のクラックの発生を低減することができる、高容量のアルミニウム電解コンデンサ用電極材及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を進めた結果、アルミニウム電解コンデンサ用電極材において、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末の焼結体を、特定の範囲の厚みのアルミニウム箔基材上に備え、更に、焼結体が特定の大きさの空孔を有する構成とすることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のアルミニウム電解コンデンサ用電極材及びその製造方法に関する。
1.アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末の焼結体、及び前記焼結体を支持するアルミニウム箔基材を備えるアルミニウム電解コンデンサ用電極材であって
(1)前記アルミニウム箔基材の片面又は両面に前記焼結体を有し、前記焼結体の合計厚さは40〜400μmであり、
(2)前記焼結体は空孔を有し、
(3)前記空孔の大きさは、前記粉末の平均粒子径以上である、
ことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
2.前記アルミニウム箔基材の少なくとも片面の前記焼結体の表面に、個数密度が1個/(128μm×96μm)以上の前記空孔を有する、項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
3.前記粉末の平均粒子径が1.5〜15μmである、項1又は2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
4.前記アルミニウム箔基材の厚さが15〜80μmである、項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
5.前記焼結体の表面に、更に陽極酸化皮膜を有する、項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
6.下記工程1〜3を含む、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法;
(1)アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末と、空孔形成用樹脂粒子とを含む組成物からなる皮膜をアルミニウム箔基材に積層する工程1であって、
前記皮膜は、前記アルミニウム箔基材の片面又は両面に形成されており、前記皮膜の合計厚さは40〜400μmであり、
前記空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径は、前記粉末の平均粒子径以上である工程1、
(2)前記皮膜を200〜500℃の温度で加熱し前記空孔形成用樹脂粒子を気化させ空孔を形成する工程2、
(3)前記皮膜を560〜660℃の温度で焼結することにより焼結体を得る工程3。
7.前記粉末の平均粒子径が1.5〜15μmである、項6に記載の製造方法。
8.前記アルミニウム箔基材の厚さが15〜80μmである、項6又は7に記載の製造方法。
9.前記第3工程の後に、更に陽極酸化工程を有する、項6〜8のいずれかに記載の製造方法
10.エッチング工程を含まない、項6〜9のいずれかに記載の製造方法。
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材は、焼結体を有するのでエッチング処理が不要であり、且つ、焼結体が特定の大きさの空孔を有するので、陽極酸化処理後のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の表面のクラックの発生が抑制されている。このため、本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材は、高容量のアルミニウム電解コンデンサを得るための電極材として好適に用いることができる。また、本発明の製造方法は、焼結により焼結体を形成するのでエッチング処理が不要であり、且つ、焼結体が特定の大きさの空孔を有するアルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造することができるので、陽極酸化処理後のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の表面のクラックの発生が抑制されており、且つ、高容量のアルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造することができる。
実施例の折り曲げ試験における折り曲げ回数の数え方を示す図である。 本発明の電極材の空孔の大きさの測定における二値化画像の一例である。 粉末の平均粒子径以上の大きさの空孔を有しない電極材の空孔の大きさの測定における二値化画像の一例である。 本発明の電極材の表面のSEM像の一例である。 粉末の平均粒子径以上の大きさの空孔を有しない電極材の表面のSEM像の一例である。
1.アルミニウム電解コンデンサ用電極材
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材(本明細書において、単に「電極材」と表現することがある。)は、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末の焼結体、及び前記焼結体を支持するアルミニウム箔基材を備えるアルミニウム電解コンデンサ用電極材であって
(1)前記アルミニウム箔基材の片面又は両面に前記焼結体を有し、前記焼結体の合計厚さは40〜400μmであり、
(2)前記焼結体は空孔を有し、
(3)前記空孔の大きさは、前記粉末の平均粒子径以上である、
ことを特徴とする。
上記特徴を有する本発明の電極材は、特に焼結体が空孔を有し、当該空孔の大きさが、上記粉末の平均粒子径以上である。このため、焼結体がもろくなり易い陽極酸化処理後にコンデンサ等を製造するために当該電極材を巻き取った場合であっても、焼結体にかかる応力が空孔により緩和され、焼結体の表面のクラックの発生が抑制されている。また、本発明の電極材は、エッチング処理が不要であり、焼結体の合計厚さが特定の範囲であるので、高容量のアルミニウム電解コンデンサを得るための電極材として好適に用いることができる。
なお、本発明において、アルミニウム箔基材の両面に焼結体を有する場合、「焼結体の合計厚さ」とは、両面に形成された焼結体の厚さの合計を意味する。
(焼結体)
本発明の電極材が備える焼結体は、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末の焼結体である。
原料のアルミニウムの粉末としては、例えば、アルミニウム純度99.80質量%以上のアルミニウム粉末が好ましく、アルミニウム純度99.85質量%以上のアルミニウム粉末がより好ましく、アルミニウム純度99.99質量%以上のアルミニウム粉末が更に好ましい。また、原料のアルミニウム合金粉末としては、例えば、珪素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、ニッケル(Ni)、ホウ素(B)、ジルコニウム(Zr)等の元素のうち、1種又は2種以上を含む合金が好ましい。アルミニウム合金中のこれらの元素の含有量は、100重量ppm以下、特に50重量ppm以下とすることが好ましい。
上記粉末としては、焼結前の平均粒子径が1.5〜15μmのものを用いるのが好ましい。平均粒子径を上記範囲とすることで特に中高容量のアルミニウム電解コンデンサの電極材として好適に利用することができる。平均粒子径が1.5μm以上であると、焼結体の強度がより一層高くなり、工程中やハンドリング時の破損をより一層抑制することができる。また、平均粒子径が15μm以下であると、電解コンデンサの電極材として使用した場合により一層十分な静電容量を得ることができる。
なお、本明細書における平均粒子径は、レーザー回折法により粒度分布を体積基準で測定して求めたD50値である。但し、焼結後の前記粉末の平均粒子径は、前記焼結体の断面を、走査型電子顕微鏡によって観察することによって測定する。例えば、焼結後の上記粉末は、一部が溶融又は粉末同士が繋がった状態となっているが、略円形状を有する部分は近似的に粒子とみなすことができる。そこで、上記断面観察において、略円形状を有する粒子のそれぞれの最大径(長径)をその粒子の粒子径とし、任意の50個の粒子の粒子径を測定し、これらの算術平均を焼結後の前記粉末の平均粒子径とする。なお、上記で求められる焼結前の平均粒子径と焼結後の平均粒子径はほぼ同じである。
前記粉末の形状は、特に限定されず、球状、不定形状、鱗片状、繊維状等のいずれも好適に使用できるが、球状粒子からなる粉末が特に好ましい。
前記粉末は、公知の方法によって製造されるものを使用することができる。例えば、アトマイズ法、メルトスピニング法、回転円盤法、回転電極法、急冷凝固法等が挙げられるが、工業的生産にはアトマイズ法、特にガスアトマイズ法が好ましい。すなわち、溶湯をアトマイズすることにより得られる粉末を用いることが望ましい。
焼結体は、前記粉末どうしが互いに空隙を維持しながら焼結したものであることが好ましい。具体的には、各粉末どうしが空隙を維持しながら焼結によって繋がり、三次元網目構造を有していることが好ましい。このように多孔質焼結体とすることにより、エッチング処理を施さなくても、所望の静電容量を得ることが可能となる。
焼結体はアルミニウム箔基材の片面又は両面に形成する。焼結体を片面に形成する場合は、焼結後の焼結体の合計厚さ(総厚み)は40〜400μmである。上記合計厚さは、40〜100μmであることが好ましい。焼結体を両面に形成する場合には、基材を挟んで焼結体を対称に配置することが好ましい。両面に形成された焼結体の合計厚さは40〜400μmであり、60〜150μmであることが好ましい。また、焼結体を両面に形成する場合、片面の焼結体の厚さはアルミニウム箔基材の厚さも含めた電極材全体の厚みの1/3以上であることが好ましい。
なお、上記焼結体の厚さは平均厚さであり、電極材の厚さをマイクロメーターで7点測定し、最大値と最小値を除いた5点の平均値からアルミニウム箔基材の厚さを引いた値として求められる。
焼結体には、陽極酸化処理時、又は陽極酸化処理後のクラックの発生、破断等を回避できる効果を向上させるために、空孔が形成される。空孔は、焼結体の原料である組成物に含まれる空孔形成用樹脂粒子が、加熱され気化することによって形成される。
空孔の大きさは上記粉末の平均粒径以上である。空孔の大きさが上記粉末の平均粒子径より小さいと、折り曲げ回数の向上効果が少なく、すなわちクラックの発生、破断等を抑制することができない。
上記空孔の大きさは、焼結体の厚みより小さいことが好ましい。空孔の大きさを焼結体の厚みより小さくすることで、電解コンデンサ用電極材として使用した際に、より一層大きい静電容量を得ることができる。
上記空孔は、1.5μm以上50μm以下が好ましく、1.5μm以上15μm以下がより好ましく、1.5μm以上9μm以下が更に好ましい。
なお、上記空孔の大きさは、実質的に組成物に含まれる空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径と同じである。
なお、本明細書における空孔の大きさは次の方法によって測定される。先ず電極材の表面に白金蒸着を行うことにより表面観察用の試料を作製し、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて表面観察を行う。観察画像は1000倍の倍率で撮影し、上記画像をキーエンス社製デジタルマイクロスコープVHX−200を用いて、画像に対して適切な閾値を設定し、アルミニウム部と空孔部を区別して二値化画像を得る。上記二値化画像を用いて、空孔のサイズを測定する。図2に、本発明の電極材の空孔の大きさの測定における二値化画像の一例を示す。また、図3に、粉末の平均粒子径以上の大きさの空孔を有しない電極材の空孔の大きさの測定における二値化画像の一例を示す。
本発明の電極材は、アルミニウム箔基材の少なくとも片面の焼結体の表面に、個数密度が1個/(128μm×96μm)以上の空孔を有することが好ましい。空孔の個数密度が1個/(128μm×96μm)以上であることにより、折り曲げ回数がより一層向上し、すなわち、電極材の表面のクラックの発生、破断等をより一層抑制することができる。個数密度の上限は特に制限されないが、焼結体が形成でき、静電容量の低下が抑制できる点で、10個/(128μm×96μm)以下が好ましい。
本明細書において、空孔の個数密度は、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡(SEM)により1000倍で表面観察した写真から任意に128μm×96μmの範囲内の空孔を、目視により全て選び出して合計の個数を求め、それを範囲面積で除することにより求められる値である。
(アルミニウム箔基材)
本発明の電極材は、上記焼結体を支持する基材としてアルミニウム箔基材を有する。上記アルミニウム箔基材は、上記焼結体を形成するに先立って、予め表面が粗面化されていてもよい。粗面化方法は特に限定されず、洗浄、酸やアルカリによる洗浄、ブラスト等の公知の方法を用いることができる。
アルミニウム箔基材として用いられるアルミニウム箔は特に限定されず、純アルミニウム又はアルミニウム合金のアルミニウム箔を用いることができる。本発明で用いられるアルミニウム箔は、その組成が、珪素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、ニッケル(Ni)及びホウ素(B)からなる群より選択される少なくとも1種の合金元素を必要範囲内において添加したアルミニウム合金でもよく、上記元素を不可避的不純物元素として含むアルミニウムでもよい。
アルミニウム箔基材の厚さは特に限定されず、15μm以上80μm以下であることが好ましく、20μm以上40μm以下であることがより好ましい。
上記のアルミニウム箔は、公知の方法によって製造されるものを使用することができる。例えば、上記の所定の組成を有するアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を調製し、これを鋳造して得られた鋳塊を適切に均質化処理する。その後、この鋳塊に熱間圧延と冷間圧延を施すことにより、アルミニウム箔を得ることができる。
なお、上記の冷間圧延工程の途中で、50〜500℃、特に150〜400℃の範囲内で中間焼鈍処理を施してもよい。また、上記の冷間圧延工程の後に、150〜650℃、特に350〜550℃の範囲内で焼鈍処理を施して軟質箔としてもよい。
本発明の電極材は、上記焼結体の表面に、更に陽極酸化皮膜を有していてもよい。陽極酸化皮膜を有することにより、当該陽極酸化皮膜が誘電体として機能し、本発明の電極材を、アルミニウム電解コンデンサ用電極材としてより有用に用いることができる。
上記陽極酸化皮膜の厚さは特に限定されず、0.05μm〜1μmであることが好ましい。陽極酸化皮膜の厚さを上記範囲とすることにより、本発明の電極材を、アルミニウム電解コンデンサ用電極材としてより一層有用に用いることができる。
本発明の電極材は、低圧用、中圧用又は高圧用のいずれのアルミニウム電解コンデンサにも使用することができる。特に中圧又は高圧用(中高圧用)アルミニウム電解コンデンサに好適である。
本発明の電極材は、アルミニウム電解コンデンサ用電極材として使用するにあたり、当該電極材をエッチング処理せずに使用することができる。すなわち、本発明の電極材は、エッチング処理することなく、そのまま又は陽極酸化処理することにより電極又は電極箔として使用することができる。なお、上記エッチング処理は、アルミニウム箔基材にエッチングピットを形成する目的で行われるエッチング処理である。このため、本発明の電極材には、アルミニウム箔基材を粗面化するためのエッチング処理が施されていてもよい。
2.アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法
本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法は、下記工程1〜3を含む製造方法である。
(1)アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末と、空孔形成用樹脂粒子とを含む組成物からなる皮膜をアルミニウム箔基材に積層する工程1であって、
前記皮膜は、前記アルミニウム箔基材の片面又は両面に形成されており、前記皮膜の合計厚さは40〜400μmであり、
前記空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径は、前記粉末の平均粒子径以上である工程1、
(2)前記皮膜を200〜500℃の温度で加熱し前記空孔形成用樹脂粒子を気化させ空孔を形成する工程2、
(3)前記皮膜を560〜660℃の温度で焼結することにより焼結体を得る工程3。
(工程1)
工程1は、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末と、空孔形成用樹脂粒子とを含む組成物からなる皮膜をアルミニウム箔基材に積層する工程である。
工程1で用いられる粉末は、アルミニウム及びアルミニウム合金の少なくとも1種の粉末である。上記粉末は、上述の電極材において説明した粉末を用いることができる。
上記粉末は、焼結前の平均粒子径が1.5〜15μmであることが好ましい。平均粒子径を上記範囲とすることで特に中高容量のアルミニウム電解コンデンサの電極材として好適に利用することができる。平均粒子径が1.5μm以上であると、焼結体の強度がより一層高くなり、工程中やハンドリング時の破損をより一層抑制することができる。また、平均粒子径が15μm以下であると、電解コンデンサの電極材として使用した場合により一層十分な静電容量を得ることができる。
工程1で用いられる組成物は、空孔形成用樹脂粒子を含有する。組成物が空孔形成用樹脂粒子を含有することにより、当該空孔形成用樹脂粒子が加熱されて気化し、焼結体に空孔が形成される。
上記空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径は、上記粉末の平均粒子径以上である。空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径が上記粉末の平均粒子径より小さいと、焼結体に形成される空孔の大きさが上記粉末の平均粒子径以上にならず、電極材の折り曲げ回数の向上効果が十分でなく、クラックの発生、破断等を抑制することができない。
上記空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径は、皮膜の厚みより小さいことが好ましい。空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径を皮膜の厚みより小さくすることで、製造される電極材の静電容量をより一層大きくすることができる。
上記空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径は、1.5μm以上50μm以下が好ましく、1.5μm以上15μm以下がより好ましく、1.5μm以上9μm以下が更に好ましい。
なお、上記空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径は、実質的に焼結体に形成される空孔の大きさと同じである。
空孔形成用樹脂粒子は市販のものが使用できる。例えば、でん粉、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等を好適に使用することができるが、後述する溶媒に溶解しないことが好ましい。
組成物中の空孔形成用樹脂粒子の含有量は、組成物を100質量%として0.5〜10質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましい。
上記組成物は、必要に応じてバインダ、溶媒、焼結助剤、界面活性剤等が含まれていてもよい。これらはいずれも公知又は市販のものを使用することができる。本発明では、バインダ及び溶剤の少なくとも1種を含有させてペースト状組成物として用いることが好ましい。これにより効率よく皮膜を形成することができる。
バインダは限定的でなく、例えば、カルボキシ変性ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩酢ビ共重合樹脂、ビニルアルコール樹脂、ブチラール樹脂、フッ化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、アクリロニトリル樹脂、セルロース樹脂、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等の合成樹脂、並びに、ワックス、タール、にかわ、ウルシ、松脂、ミツロウ等の天然樹脂又はワックスが好適に使用できる。これらのバインダは、分子量、樹脂の種類等により、加熱時に揮発するものと、熱分解によりその残渣がアルミニウム粉末とともに残存するものとがあり、所望の静電容量等の電気特性に応じて使い分けすることができる。
組成物中のバインダの含有量は、組成物を100質量%として0.5〜10質量%が好ましく、0.75〜5質量%がより好ましい。
溶媒としては公知のものが使用できる。例えば、水のほか、トルエン、アルコール類、ケトン類、エステル類等の有機溶剤を使用することができる。
皮膜はアルミニウム箔基材の片面又は両面に形成する。皮膜を片面に形成する場合は、組成物の合計厚さ(総厚み)は40〜400μmであり、40〜100μmであることが好ましい。皮膜を両面に形成する場合には、基材を挟んで皮膜を対称に配置することが好ましい。両面に形成された皮膜の合計厚さは40〜400μmであり、60〜150μmであることが好ましい。また、皮膜を両面に形成する場合、片面の皮膜の厚さはアルミニウム箔基材の厚さも含めた全体の厚みの1/3以上であることが好ましい。
なお、上記皮膜の厚さは平均厚さであり、アルミニウム箔基材と皮膜との積層体の厚さをマイクロメーターで7点測定し、最大値と最小値を除いた5点の平均値からアルミニウム箔基材厚みを引いた値として求められる。
アルミニウム箔基材上に皮膜を形成する形成方法としては特に限定されず、上記組成物を、例えばローラー、刷毛、スプレー、ディッピング等の塗布方法を用いて形成できるほか、シルクスクリーン印刷等の公知の印刷方法により形成することもできる。
工程1において、上記皮膜は、必要に応じて、20〜300℃の範囲内の温度で1〜30分間乾燥させてもよい。
上記アルミニウム箔基材は、上述の電極材のアルミニウム箔基材において説明したアルミニウム箔基材を用いることができる。
アルミニウム箔基材の厚さは特に限定されず、15μm以上80μm以下であることが好ましく、20μm以上40μm以下であることがより好ましい。
以上説明した工程1により、アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末と、空孔形成用樹脂粒子とを含む組成物からなる皮膜がアルミニウム箔基材に積層される。
(工程2)
工程2は、上記皮膜を200〜500℃の温度で加熱し上記空孔形成用樹脂粒子を気化させ空孔を形成する工程である。工程2により、皮膜に空孔が形成され、後述する工程3で皮膜を焼結することにより、焼結体に空孔が形成される。上記加熱温度が200℃未満であると、空孔形成用樹脂が気化せず空孔を形成することができない。上記熱温度が500℃を超えると、粉末の表面が酸化され、焼結し難くなる。上記加熱温度は、250〜460℃が好ましく、280〜430℃がより好ましい。
加熱時間は特に限定されず、5時間以上が好ましく、7時間以上がより好ましい。加熱時間の下限を上記範囲とすることにより、脱脂処理がより一層十分となり、皮膜中により一層十分に空孔を形成することができる。上記加熱時間は、20時間以下が好ましく、15時間以下がより好ましい。加熱時間が20時間を越えると、焼結体を構成する前記粉末同士の焼結が進みすぎ、表面積が減少するため十分な静電容量が得られない。加熱時間の上限を上記範囲とすることにより、より一層十分な静電容量を得ることができる点で優れている。
上記加熱の加熱処理雰囲気は特に限定されず、例えば真空雰囲気中、不活性ガス雰囲気中又は酸化性ガス雰囲気中のいずれの条件下で加熱してもよい。また、圧力条件も、常圧、減圧又は加圧のいずれの条件下で加熱してもよい。
以上説明した工程2により、皮膜中の空孔形成用樹脂粒子が気化され、空孔が形成される。
(工程3)
工程3は、上記皮膜を560〜660℃の温度で焼結することにより焼結体を得る工程である。工程3により、上記空孔が形成された皮膜が焼結されて、空孔を有する焼結体が形成される。上記加熱温度が560℃未満であると、焼結が進まず焼結体の強度が弱くなり破断を生じる。上記加熱温度が660℃を超えると、粉末が溶融して、電解コンデンサの電極材として使用した場合に十分な容量が得られない。上記焼結温度は、570〜650℃が好ましく、580〜620℃がより好ましい。
焼結時間は焼結温度等により異なるが、通常は5〜24時間程度の範囲内で適宜決定することができる。焼結雰囲気は、特に制限されず、例えば真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、酸化性ガス雰囲気(大気)、還元性雰囲気等のいずれであってもよいが、特に真空雰囲気又は還元性雰囲気とすることが好ましい。また、圧力条件についても、常圧、減圧又は加圧のいずれでもよい。
以上説明した工程3により、上記皮膜が焼結されて焼結体が得られる。
上記工程2と上記工程3とは、この順に連続で行われてもよい。なお、工程3により皮膜を焼結するために、560〜660℃の温度に昇温する過程で、200〜500℃の温度で加熱することにより、空孔を形成しつつ焼結体を形成することも可能である。
(陽極酸化処理工程)
本発明の製造方法は、工程3の後に、更に陽極酸化処理工程を有していてもよい。本発明の製造方法が陽極酸化処理工程を有することにより、焼結体の表面に酸化皮膜が形成され、これが誘電体として機能し、上記電極材を、アルミニウム電解コンデンサ用電極材としてより有用に用いることができる。
陽極酸化処理条件は特に限定されないが、通常は濃度0.01モル以上5モル以下、温度30℃以上100℃以下のホウ酸溶液中で、10mA/cm以上400mA/cm以下の電流を5分以上印加すればよい。上記のような化成処理(陽極酸化処理)は、製造ライン下においては、通常、一又は複数のロールによってアルミニウム電解コンデンサ用電極材を送りつつ行われる。
本発明の製造方法は、エッチング工程を含まないことが好ましい。エッチング工程を含まないことにより、エッチングに用いる塩酸等の処理が不要となり、電極材の強度の低下がより一層抑制され、且つ、用いる塩酸の処理が不要となり、環境上、経済上の負担がより一層低減される。本発明の製造方法においては、エッチングピットを形成する目的でのエッチング処理を施さずに、そのまま又は陽極酸化処理することにより、得られる電極材を電極又は電極箔として使用することができる。なお、上記エッチング処理は、アルミニウム箔基材にエッチングピットを形成する目的で行われるエッチング処理である。このため、本発明の電極材には、皮膜に微細孔を形成し静電容量を向上させるためのエッチング処理が施されていてもよい。
3.電解コンデンサの製造方法
本発明の電極材を用いて、電解コンデンサを製造することができる。上記電解コンデンサを製造する方法としては、例えば、本発明の電極材を陽極箔として用い、当該陽極箔と、陰極箔とをセパレータを介在させて積層し、巻回してコンデンサ素子を形成する。当該コンデンサ素子を電解液に含浸させ、電解液を含んだコンデンサ素子を外装ケースに収納し、封口体で外装ケースを封口することによって、電解コンデンサを製造する方法が挙げられる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
試験例1
(電極材の製造)
平均粒子径が1.5〜15μmのアルミニウム粉末(JIS A1080、東洋アルミニウム(株)製)100質量部、及び、空孔形成用樹脂粒子として平均粒子径が1.0〜16μmのでん粉1質量部を用意した。これらをエチルセルロース系バインダー60質量部(内7質量%が樹脂分、93重量%が溶剤(酢酸ブチル))と混合し、ペースト組成物を得た。
上記ペースト組成物を、厚みが15〜80μmのアルミニウム箔(幅500mm×長さ1000m)の両面にコンマコーターを用いて塗工して皮膜を形成し、100℃で1.5分間乾燥させた。
次に、空気中にて温度350℃で5時間加熱した後、アルゴンガス雰囲気中にて温度620℃で10時間焼結することにより焼結体を形成し、電極材を作製した。
(化成処理(陽極酸化処理))
電極材に、陽極酸化処理ラインにて所定の電圧で化成処理(陽極酸化処理)を施した。化成処理は、電圧700Vの条件で、90℃のホウ酸水溶液(50g/L)中で30分間行った。
試験例2〜10
基材、焼結層を形成する粉末、樹脂粒子、化成条件を表1のようにした以外は試験例1と同様にして、電極材を作製し、陽極酸化処理を施した。
なお、表1中のでん粉及びPEは、以下の原料を示している。
・でん粉:平均粒子径が1.0〜16μmのでん粉
・PE:平均粒子径が3〜16μmのポリエチレン製粉末
また、表1中の試験例10の化成処理は、50V、200V、700Vのそれぞれの電圧で行った。
上記試験例により得られた電極材の特性を、下記測定方法により測定して評価した。
(折り曲げ強度測定)
化成処理後の電極材の折り曲げ強度を、日本電子機械工業会規定のMIT型自動折り曲げ試験法(EIAJ RC-2364A)に従って測定した。MIT型自動折り曲げ試験装置はJIS P8115で規定された装置を使用し、折り曲げ回数は、各電極材が破断する折り曲げ回数とし、図1に示すように90°曲げて1回、元に戻して2回、反対方向に90°曲げて3回、元に戻して4回…、と数えた。結果を表2〜10に示す。
(静電容量測定)
化成処理後の電極材の静電容量を、ホウ酸アンモニウム水溶液(3g/L)中で、測定投影面積10cmの測定条件で測定した。なお、静電容量測定は、試験例1、2、5及び10について行った。結果を表11〜14に示す。
なお、下記の試験例の結果を示した表において、下線を付していない数値は実施例として記載されており、下線を付した数値は比較例として記載されている。
Figure 0006925874
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上記各試験例において、空孔の大きさが粉末の平均粒子径以上である実施例では、優位な折り曲げ回数を示しており、化成処理(陽極酸化処理)後の表面のクラックの発生が抑制されていることが分かった。
また、上記各試験例において、空孔の大きさが粉末の平均粒子径以上である実施例において、高い静電容量が維持されていることが分かった。

Claims (10)

  1. アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末の焼結体、及び前記焼結体を支持するアルミニウム箔基材を備えるアルミニウム電解コンデンサ用電極材であって
    (1)前記アルミニウム箔基材の片面又は両面に前記焼結体を有し、前記焼結体の合計厚さは40〜400μmであり、
    (2)前記焼結体は空孔を有し、
    (3)前記空孔の大きさは、16μm以下であり、且つ、前記粉末の平均粒子径以上である、
    ことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  2. 前記アルミニウム箔基材の少なくとも片面の前記焼結体の表面に、個数密度が1個/(128μm×96μm)以上の前記空孔を有する、請求項1に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  3. 前記粉末の平均粒子径が1.5〜15μmである、請求項1又は2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  4. 前記アルミニウム箔基材の厚さが15〜80μmである、請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  5. 前記焼結体の表面に、更に陽極酸化皮膜を有する、請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材。
  6. 下記工程1〜3を含む、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法;
    (1)アルミニウム及びアルミニウム合金からなる群より選択される少なくとも1種の粉末と、空孔形成用樹脂粒子とを含む組成物からなる皮膜をアルミニウム箔基材に積層する工程1であって、
    前記皮膜は、前記アルミニウム箔基材の片面又は両面に形成されており、前記皮膜の合計厚さは40〜400μmであり、
    前記空孔形成用樹脂粒子の平均粒子径は、16μm以下であり、且つ、前記粉末の平均粒子径以上である工程1、
    (2)前記皮膜を200〜500℃の温度で加熱し前記空孔形成用樹脂粒子を気化させ空孔を形成する工程2、
    (3)前記皮膜を560〜660℃の温度で焼結することにより焼結体を得る工程3。
  7. 前記粉末の平均粒子径が1.5〜15μmである、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記アルミニウム箔基材の厚さが15〜80μmである、請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 前記第3工程の後に、更に陽極酸化工程を有する、請求項6〜8のいずれかに記載の製造方法
  10. エッチング工程を含まない、請求項6〜9のいずれかに記載の製造方法。
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