JP2004363491A - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の主要製造工程で、複数の電解コンデンサを一体として同時に処理できる固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の個体電解コンデンサの製造方法によれば、基体フィルム上に所定間隔をおいて略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布し、前記弁作用金属分散液塗布部の一端部に櫛形状に裁断された弁作用金属箔をその歯部分が載るように重ね、前記弁作用金属粉末分散液塗布部分に重なるように、再度弁作用金属粉末分散液を塗布し、この弁作用金属箔を弁作用金属粉末分散液塗布層で挟んだ素子シートを真空焼結して、複数の陽極素子が連なった陽極素子シートを作製し、この陽極素子シートをホルダーを介して複数個バッチ処理用の治具にとりつけ、化成処理、固体電解質層形成、カーボン層形成、銀金属層形成の各段階の作業を前記治具単位で実施することにより、作業効率を高めることができる。
【選択図】 図10
【解決手段】本発明の個体電解コンデンサの製造方法によれば、基体フィルム上に所定間隔をおいて略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布し、前記弁作用金属分散液塗布部の一端部に櫛形状に裁断された弁作用金属箔をその歯部分が載るように重ね、前記弁作用金属粉末分散液塗布部分に重なるように、再度弁作用金属粉末分散液を塗布し、この弁作用金属箔を弁作用金属粉末分散液塗布層で挟んだ素子シートを真空焼結して、複数の陽極素子が連なった陽極素子シートを作製し、この陽極素子シートをホルダーを介して複数個バッチ処理用の治具にとりつけ、化成処理、固体電解質層形成、カーボン層形成、銀金属層形成の各段階の作業を前記治具単位で実施することにより、作業効率を高めることができる。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は弁作用金属を用いた固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器類の実装密度の向上にともない、これに用いる電解コンデンサも小型、大容量化、さらに高周波に対応した低等価直列抵抗(ESR)の要求が強くなって、タンタル電解コンデンサに代表される固体電解コンデンサが活発に研究されている。
【0003】
固体電解コンデンサは、弁作用金属粉末の焼結体を陽極とし、この上に誘電体層、固体電解質層、カーボン層、銀金属層を順次形成して陰極として、陽極側を陽極リードフレーム側に抵抗溶接、レーザー溶接等で接続し、陰極側を陰極リードフレーム側に導電性ペーストで接続し、その外周をエポキシ樹脂などで被覆密封して製造される。
【0004】
固体電解コンデンサを小型で、かつ、高性能にするために、陽極部の形成について、例えば、剥離性基体上に形成した弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシート状あるいは薄片状成型体を基体から剥離し、これを一部扁平にした弁作用金属リード線を間に挟んで重ね合わせ、加圧、焼結して陽極素子を形成する方法〔例えば、特許文献1、特許文献2参照〕、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有する帯状成型体からなる上下層間に、弁作用金属からなるリード線を一定間隔に挟み込んで積層体となし、ついで該積層体を切断して成型体素子とし、これを焼結して陽極素子を作成する方法〔例えば、特許文献3参照〕、弁作用金属箔上に弁作用金属粉末からなるシート状の電極層(焼結体)を形成させて陽極素子とし、周囲に固体電解質を形成させる方法〔例えば、特許文献4参照〕、弁作用金属箔上に弁作用金属粉末からなる電極層を形成させた電極部材を複数形成させ、これを積層して陽極素子とする方法〔例えば、特許文献5参照〕等が報告されている。
【0005】
上記製造方法によれば、陽極部を小さくすることができる利点はあるが、金属粉末をシート状にした段階で個々に分離してしまうため、それ以降の製造段階は小さな陽極素子をそれぞれ1個単位で作業することとなり、作業が煩雑になり、生産性が上がらず、製造原価が高くなるという問題点があった。
【0006】
また、弁作用金属箔に誘電体酸化被膜を形成し、次いで帯状の陽極引出し部の突起部を櫛歯状に連続した形態で、化学酸化重合膜、導電性高分子形成、カーボン層形成、銀層形成を行い、切り離してリードフレームと接続する固体電解コンデンサの製造方法が提案されている〔例えば、特許文献6参照〕。しかし、この固体電解コンデンサは、弁作用金属箔の一部を酸化被膜にしたもので、酸化被膜の面積が充分大きくとれずに、コンデンサとしての容量が充分大きくできないものであった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−299184号公報
【特許文献2】
特開2002−305129号公報
【特許文献3】
特開2002−246275号公報
【特許文献4】
特開2002−367867号公報
【特許文献5】
特開2000−306782号公報
【特許文献6】
特開平5−190394号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記製造方法によれば、小型、大容量の固体電解コンデンサを製造しようとするときは製造工程の生産性が低く、生産性を上げようとするときは大容量が得にくいという問題点がある。
【0009】
本発明は前記問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、陰極部を形成する工程まで複数個のコンデンサを一体として同時に作業することで、作業効率を上げ、製造原価を低減することができ、かつ、特性面でも小型、大容量化、低等価直列抵抗の要求を満たすことのできる電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、櫛形状に裁断された弁作用金属箔と、前記弁作用金属箔の櫛形状の歯に相当する部分の端部に、個々に両面から挟むように接合された複数個の略四角形状の弁作用金属焼結部と、から構成される陽極素子シートを形成する工程;
前記陽極素子シートを、前記弁作用金属箔上、弁作用金属焼結部に近く、かつ櫛形状の歯取付け部の歯とは反対側端部に弁作用金属箔が露出された部分が残るように保護膜を形成する工程;
前記陽極素子シートを、弁作用金属箔における櫛形状の歯取付け部の弁作用金属露出部分と電気的に接続するように導電性材料からなるホルダーに取付ける工程;
前記ホルダーを、陽極素子シートの弁作用金属焼結部が下に向き、かつ導電性材料からなるジグに電気的接続が取れるように取付ける工程;
前記弁作用金属焼結部が電解質溶液に浸るように前記ジグを電解質溶液を入れた化成処理槽に取付け、前記ジグを陽極とし前記化成処理槽内の陰極部との間に直流電圧を印加して前記弁作用金属焼結部に陽極酸化被膜を形成する工程;
前記陽極酸化した陽極素子シートを取付けたジグを、固体電解質形成成分を入れた固体電解質形成槽に取付けて前記陽極酸化した部分に固体電解質形成成分を付着させ、必要に応じて熱処理をして固体電解質層を形成する工程;
前記固体電解質層を形成した陽極素子シートを取付けたジグを、カーボン分散液を入れたカーボン形成槽に取付けて前記固体電解質層を形成した部分にカーボンを付着させ、カーボン層形成に必要な熱処理をしてカーボン層を形成する工程;
前記カーボン層を形成した陽極素子シートを取付けたジグを、銀ペースト溶液を入れた銀ペースト槽に取付け、前記カーボン層を形成した部分に銀ペースト溶液を付着させ、銀金属層形成に必要な熱処理をして銀金属層を形成したコンデンサ素子シートとする工程;
前記ジグから前記ホルダーをはずし、さらに前記ホルダーからコンデンサ素子シートをはずし、前記コンデンサ素子シートにおける櫛形状の歯部分を裁断して複数個のコンデンサ部材とする工程;
前記コンデンサ素子シート上にある前記保護膜を剥離する工程;
前記コンデンサ部材の前記弁作用金属箔部をリードフレームの陽極部分に接続し、かつ前記銀金属層部をリードフレームの陰極部分に接続し、樹脂モールドする工程;
を含んでなることを特徴とする。
【0011】
前記陽極素子シートは、
(a)弁作用金属箔を櫛形状に裁断する工程、
(b)基体フィルム上に、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の櫛形状の歯部分に合わせた間隔を置いて、略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布してなる弁作用金属塗布部を作る工程、
(c)前記弁作用金属塗布部を半乾燥する工程、
(d)前記半乾燥された弁作用金属塗布部の一端部に載るように、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分を置く工程、
(e)前記弁作用金属箔を置いた上に、前記弁作用金属塗布部と同じ形状で前記弁作用金属塗布部と重なるように弁作用金属粉末分散液を塗布して積層弁作用金属塗布部とする工程、
(f)前記積層弁作用金属塗布部を乾燥して弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部とする工程、
(g)前記弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部を圧縮する工程、
(h)前記圧縮された弁作用金属箔と積層弁作用金属部に付着する基体フィルムを剥がして素子シートとする工程、
(i)前記素子シートを真空焼結して前記積層弁作用金属部を弁作用金属焼結部とする工程、を含んでなる。
【0012】
また、前記陽極素子シートを作製する別の方法は、
(a)弁作用金属箔を櫛形状に裁断する工程、
(b)基体フィルム上に、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分に合わせた間隔を置いて略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布してなる弁作用金属塗布部を作る工程、
(c)前記弁作用金属塗布部を半乾燥する工程、
(d)前記半乾燥された弁作用金属塗布部の向い合う両端部それぞれに載るように、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分を置く工程、
(e)前記弁作用金属箔を置いた上に、前記弁作用金属塗布部と同じ形状で前記弁作用金属塗布部と重なるように弁作用金属粉末分散液を塗布して積層弁作用金属塗布部とする工程、
(f)前記積層弁作用金属塗布部を乾燥して弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部とする工程、
(g)前記弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部を圧縮する工程、
(h)前記圧縮された弁作用金属箔と積層弁作用金属部に付着する基体フィルムを剥がして素子シートとする工程、
(i)前記素子シートを真空焼結して前記積層弁作用金属部を弁作用金属焼結部とする工程、
(j)前記弁作用金属焼結部を、中央部で切断する工程、
を含んでなることもできる。
【0013】
後者の製造工程を採用する場合、前記圧縮する工程において、積層弁作用金属塗布部で両端の弁作用金属箔から中央部にV字型凹みを入れ、前記弁作用焼結部の切断を容易にすることもできる。
【0014】
また、前記弁作用金属は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、これらの2種以上からなる合金、これらの2種以上からなる金属間化合物から選ばれる一種以上である。
【0015】
また、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔において、弁作用金属焼結部により挟まれる部分は、他の部分より薄く加工されていることが好ましい。
【0016】
また、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔において、前記弁作用金属焼結部により挟まれる部分は、表面を粗にしてあることが好ましい。
【0017】
また、前記基体フィルムは、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂から選ばれる一種であり、前記基体フィルムを剥がさずに焼結することも可能である。
【0018】
前記保護膜は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂から選ばれる一種以上である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の固体電解コンデンサは、弁作用金属箔を共通にして、複数個の弁作用金属焼結部を一体化させた陽極素子シートを形成させ、複数個の弁作用金属焼結部をまとめて化成処理、固体電解質形成、カーボン層形成、銀金属層形成を順次行い、一度に複数個のコンデンサ部材を製造させることにその特徴がある。
【0020】
以下に本発明の実施の形態を工程順に詳細に説明するが、以下の説明には、化合物、形状、条件を例示しているが、これらはあくまで説明のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0021】
まず、弁作用金属箔を櫛形状に裁断し、その歯に相当する部分に弁作用金属焼結部を形成させて陽極素子シートを作る。以下、陽極素子シートの製造方法の例を、図面を参照しつつ工程順に説明する。
【0022】
(a)弁作用金属箔1を櫛形状に裁断する〔図1〕。ここで使用する弁作用金属箔1は、コンデンサの陽極体となるものであり、タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、これら金属の合金、あるいは金属間化合物から選ばれる一種以上であり、このうち、タンタル、ニオブが好ましい。これら金属の純度は、好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.99%以上であり、合金あるいは金属間化合物においては前記純度の金属の組み合わせからなるものである。
【0023】
弁作用金属箔1の厚さ(Tm)は0.05〜0.3mmである。櫛形状の歯部1−2における個々の歯の寸法は、コンデンサの設計に依存して変わるが、幅(Wm)は後述する弁作用金属塗布部の幅(図2のW)の1/2〜1、長さ(Lm)は弁作用金属塗布部の長さ(図2のL)の1/2〜1/3であり、また、歯と歯の間の間隔(Sm)は1〜3mm程度である。幅(Wm)は、広くする方がESR及び等価直列インダクタンス(ESL)を低くする上で好ましく、弁作用金属塗布部の幅(W)と同じくするのがよい。
櫛形状の歯先端部1−3は、後述の弁作用金属塗布部によって挟み込まれる部分であり、他より薄く加工するのが好ましい〔図1(b)〕。薄く加工するには、例えば弁作用金属箔1の該当部分に裏表から加圧ローラーをかける方法などがある。この場合、櫛形状に裁断する前に、予め当該部分を薄く加工しておく方が好ましい。
また、弁作用金属箔1の弁作用金属塗布部によって挟み込まれる櫛形状の歯先端部1−3は、表面を粗にしておくと、弁作用金属塗布部と弁作用金属箔1の接触面積が広くなり、弁作用金属塗布部と弁作用金属箔1の接着力が高くなり、また、容量も大きくなるので好ましい。表面を粗にするには、化学的なエッチング、物理的なサンドブラスト等の方法がある。
【0024】
(b)基体フィルム2上に、弁作用金属箔1の歯に相当する部分に合わせた間隔をおいて、略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布し、弁作用金属塗布部3を形成する〔図2〕。
【0025】
基体フィルム2は、弁作用金属塗布部3と弁作用金属箔1を積層させていくための土台とするもので、後述の焼結工程の前に剥がされ、あるいは焼結により分解、蒸発して除去されるものである。基体フィルム2の具体的な例を挙げると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂などである。このうち、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂などは、真空中高温度の環境で分解して蒸発し易く、かつコンデンサの性能に大きな障害がある残留物を残さないことから、剥がさずに焼結工程に入ってもよいことがある。
【0026】
弁作用金属粉末分散液は、弁作用金属粉末に、バインダー、溶剤、さらに必要により分散剤などを加えてなっている。弁作用金属粉末は、その酸化物がコンデンサの誘電体膜を形成するもので、タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、これら金属の合金、あるいは金属間化合物から選ばれる一種以上であり、このうち、コンデンサの容量を大きくする観点からはタンタル、ニオブが好ましい。これら金属の純度は、好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.99%以上であり、合金あるいは金属間化合物においては前記純度の金属の組み合わせからなるものである。
【0027】
弁作用金属粉末の粒径は、好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.2〜5μmである。バインダーは、弁作用金属粉末分散液が基体フィルム2の上に塗布されたとき流れ出すことなく所定の形状に維持できるようにするもので、焼成した後では分解して蒸発して焼成後に残留しないものが選ばれる。その例として、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、樟脳などがある。溶剤は、バインダーを溶解し、かつ金属分散液に流動性を与えるものであり、水、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、ジメチルホルムアミド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドンなどがあり、適宜選ばれる。使用量は特に限定するものではなく、弁作用金属粉末とバインダーと合わせたとき分散液として使用し易い流動性となるように選ばれる。
【0028】
弁作用金属粉末分散液は、弁作用金属粉末、バインダー、溶剤、さらに必要により界面活性剤、大豆レシチンなどの分散剤、フタル酸エステル、脂肪酸エステルなどの可塑剤を任意に加えられて混合し、ロール型混練機、ニーダー、ミル型混練機などで弁作用金属粉末の表面が充分よく濡れて分散されるように混練して製造される。
【0029】
弁作用金属粉末分散液を基体フィルム2上へ塗布する方法は、弁作用金属粉末分散液をブレードコート、押し出しコートなどの方法によってもよいが、本発明は一定間隔で所定の形状に塗布するので、印刷方法が望ましい。
【0030】
弁作用金属粉末分散液が塗布される厚さは、弁作用金属粉末分散液の成分構成比などにより異なるが、乾燥前で50〜500μm程度である。弁作用金属粉末分散液が塗布されてできる弁作用金属塗布部3は、最終的に得られる電解コンデンサに必要な特性からその形状は決められるべきものであるが、一般的には幅(W)は1.2mm、長さ(L)は2.0mmの程度の略四角形である。この形状は、乾燥、さらにその後の焼結により縮小するので、この縮小を勘案して決められるべきである。
【0031】
(c)弁作用金属塗布部3を半乾燥する.半乾燥は、次の工程で行う弁作用金属箔1の取付け、さらにその後の弁作用金属粉末分散液塗布を円滑に行われるようにするためであり、弁作用金属塗布部3中の溶剤の大部分を蒸発除去することにある。従って、その条件は、用いられている溶剤の種類、量などにより異なるが、代表的には50〜100℃で、60〜120分程度である。このとき、減圧下で乾燥を行えばより低い温度で速く乾燥することができることはいうまでもない。
【0032】
(d)半乾燥された弁作用金属塗布部3の端部に、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔1の櫛形状の歯部1−2が載るように弁作用金属箔1を置く〔図3〕。
【0033】
(e)弁作用金属箔1を置いた上に、弁作用金属塗布部2に重なるようにさらに弁作用金属粉末分散液を塗布して弁作用金属塗布部4を積層する〔図4〕。これにより、基体フィルム2上に弁作用金属塗布部3、その一端部に弁作用金属箔1、さらに弁作用金属塗布部4が積層された状態になる〔図4(b)、基体フィルムは図示してない〕。
【0034】
(f)弁作用金属箔1と弁作用金属塗布部3、4が積層されたものを乾燥する(以降、この弁作用金属塗布部3、4が乾燥されたものを「積層弁作用金属部5」という)。乾燥は、弁作用金属塗布部3、4が一体になり、溶剤のほとんどが蒸発されて固化された状態になっていればよい。
【0035】
(g)乾燥された弁作用金属箔1と積層弁作用金属部5を圧縮する〔図5〕。これにより、弁作用金属箔1と積層弁作用金属部5が互いの密着性を高め、かつ厚さを均一にすることができる〔図5(b)、基体シートは図示してない〕。加えられる圧力は20〜30kg/cm2程度である。特に前記のように、弁作用金属箔1において積層弁作用金属部5に挟まれる部分を予め他の部分より薄くしておくことにより、圧縮により弁作用金属箔1と積層弁作用金属部5の重なり部分を他の部分と同じ厚さにすることができる。
【0036】
(h)圧縮されて弁作用金属箔1と積層弁作用金属部5が一体化されたものを、基体フィルム2から剥がして素子シートとする。この時、前述したように基体フィルム2の材料によっては、この後で行う焼結工程で分解、蒸発することができるので必ずしも剥がさなくともよい場合がある。
【0037】
(i)素子シートを真空焼結して陽極素子シート6とする〔図6〕。焼結は、真空下で、バインダー成分を分解、蒸発させる段階と、弁作用金属粉末を焼結する段階を分けて行うのがよく、例えば弁作用金属粉末としてタンタル粉末を用いる場合は10−3〜10−5Torrで前段は300〜600℃で60〜90分間、後段は1300〜1600℃で20〜40分間行う。焼結により、積層弁作用金属部5における弁作用金属粉末は互いに融着し、多孔質体の形態に導かれる。(この部分は、以後「弁作用金属焼結部8」と呼ぶ。)
【0038】
陽極素子シートは、圧縮により露出した弁作用金属箔1部分と弁作用金属焼結部8部分とが同じ厚さにされており、後工程でリードフレームに接続するに際しその接触が安定、確実にすることができ、最終的に樹脂で外装した固体電解コンデンサの完成品の寸法精度を高めることができる。
【0039】
本発明の陽極素子シート6の製造に係る別の実施の形態を図7に示す。この例では、先の実施の形態と比較して弁作用金属塗布部3、4の形状が異なり、弁作用金属箔1を弁作用金属塗布部3、4の両端に置く点でも異なっている。すなわち、弁作用金属塗布部3、4の形状を弁作用金属箔1を取付けない辺の長さを前述の実施の形態におけるものの略2倍の長さにし、かつ弁作用金属塗布部5の両側に弁作用金属箔1が並んだ素子シートとするものである。図7は、先の実施の形態の図5(a)に対応する図であり、積層弁作用金属塗布部5の両側に弁作用金属箔1が露出した素子シートを示している。
【0040】
この素子シートを前述の実施の形態と同様にして真空焼結し、中央部で切断し2個の陽極素子シートとする。このとき、中央部での切断が容易であるように、圧縮する工程において、積層弁作用金属塗布部の切断個所にV字型凹み7を入れておくことで、曲げ応力で簡単に切断することができ好ましい。
【0041】
これ以降の工程は、陽極素子シートをバッチ処理して誘電体層、固体電解質層、カーボン層、銀金属層を順次形成していく。それに先立ち、先ず、陽極素子シート6の両面に保護膜9を形成する(図8)。保護膜9は、後述の弁作用金属焼結部8を化成処理(陽極酸化処理であり誘電体層を形成)、固体電解質層形成、カーボン層形成、銀金属層(銀電極)形成を行う工程で、これらの積層膜が陽極電極となる弁作用金属箔1に付着しないように保護するためのものである。保護膜9の形成領域は、弁作用金属箔1の櫛形状の歯取付け部1−1で、歯とは反対側の端部に弁作用金属箔露出部1−4を残して、弁作用金属焼結部8の近傍までの帯状の領域で、幅(Wh)は0.5〜2mm程度である。保護膜9を形成しない弁作用金属箔露出部1−4は、後述するホルダーと電気的接続をとるための領域である。
【0042】
保護膜9は、この次の化成処理工程では必ずしも必要ではない。即ち、陽極電極となる弁作用金属箔1に陽極化成被膜が形成されても、直接コンデンサ特性の劣化には結び付かない。しかし、弁作用金属箔1に陽極化成被膜が形成されると、外部電極との接続が不安定になる可能性があり、化成処理工程においても保護膜9を形成して、弁作用金属箔1に陽極化成被膜が形成されないようにするのが好ましい。また、本発明のように、以後の工程を陽極素子シートをホルダーに取付けたまま一括処理をする場合には、保護膜を化成処理工程前で形成しておく方が以後の工程の作業効率上有利である。後述するように、本実施例では保護膜を外部電極と接続工程で剥離するが、保護膜は撥水性の樹脂、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂が剥離が容易で好ましい。
【0043】
保護膜9を塗布した陽極素子シート6を、ホルダー10に取付ける(図9)。ホルダー10は、さらにジグに取付け、このジグとともに陽極素子シート6を一括して後述の化成処理、固体電解質層形成、カーボン層形成、銀金属層(銀電極)形成を行うことになる。
ホルダー10は、陽極素子シート6の長さより長く、その両端を除く中央部に陽極素子シート6を取付けできるようになっている。ホルダー10が陽極素子シート6を取付ける方法は、限定するものではないが、例えば、図9(b)に示すように、陽極素子シート6を挟み込めるようになっている。このような形態では、陽極素子シート6はバネ部10−1の弾性で挟むように取付けられ、取り外しが容易となり好ましい。図9(b)では、突起部10−2が弁作用金属箔露出部1−4に接触し、SUS304のような導電性の金属製のホルダー10と陽極素子シート6が電気的に接続されている。
【0044】
陽極素子シート6を取付けしたホルダー10を、バッチ処理用のジグ11に取付ける(図10)。ジグ11は、金属製の板を四角枠に組み立てた形状をしており、相対する一組の面の上面には、ホルダー10を嵌めこむための溝11−1が形成されている。この溝11−1にホルダー10の両端部を弁作用金属焼結部8が下を向くように嵌め込み、ホルダー10をジグ11に保持すると共に、ホルダー10とジグ11を電気的に接続する。図10では1個の陽極素子シートのみを示しているが、同様に複数個の陽極シートを取付けることができる。
【0045】
まず、陽極酸化により陽極酸化被膜(誘電体膜)を形成する化成処理を行う。ホルダー10を介して陽極素子シートを下に向くように吊り下げられたジグ11を、化成処理槽に取付ける。化成処理槽には電解質溶液が満たされ、陽極素子シート6の弁作用金属焼結部8を、保護膜9の直下までこの電解質溶液に浸漬する。電解質溶液は、リン酸、ホウ酸、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウムなど任意に選ばれ、例えば弁作用金属としてタンタルを使用する場合、比伝導度1〜10S/cm程度のリン酸水溶液が好ましい。そして、電解質溶液中に設けた陰極を負に、ジグ11を正にして直流電圧を印加して弁作用金属焼結部8を陽極酸化して表面に陽極酸化被膜を形成させる。この時の印加電圧は製造しようとしている固体電解コンデンサの定格電圧に依存して決定されるが、通常、初期の30〜60分は定電流を流し、その後定格電圧の1.5〜3倍の定電圧を2〜4時間印加して、安定した陽極酸化被膜を形成する。
【0046】
次に、陽極酸化被膜上に固体電解質層を形成する。例えば、固体電解質層として二酸化マンガンを形成させるには、前記陽極酸化被膜を形成した陽極素子シート6が吊り下げられたホルダー10をジグ11に取付けたまま、固体電解質形成成分である硝酸マンガン溶液を入れた槽に取付け、弁作用金属焼結部8に硝酸マンガン溶液を付着させ、ジグ11を取り出してこれをそのまま加熱室に入れて熱処理し、硝酸マンガンを酸化する。このとき二酸化マンガン層を所定の厚さにするためには、必要により、硝酸マンガン溶液への浸漬及び熱処理を複数回繰り返す。熱処理温度は200〜270℃であるが、この熱処理により前の化成処理工程で形成した陽極酸化被膜が劣化することがあり、このような場合は、熱処理を数回実施する毎に、前述した化成処理を実施することがある。
【0047】
固体電解質層は、機能性高分子で形成してもよい。この場合、前記陽極酸化被膜を形成した陽極素子シート6を吊り下げられたホルダー10をジグ11に取付けたまま、固体電解質形成成分としてモノマーを満たしたモノマー溶液槽及び酸化剤溶液槽に浸漬し、弁作用金属焼結部8の孔の内部にモノマーと酸化剤を付着させ酸化重合させる。必要に応じてモノマー溶液、酸化剤溶液への浸漬を繰り返して固体電解質層の厚みを整える。なお、モノマー溶液槽と酸化剤溶液槽に浸漬する順序はどちらが先でも構わない。また、モノマーと酸化剤を混合した液を準備し、この中に浸漬させてもよい。モノマー溶液は例えば、ピロール、チオフェン、フラン、アニリンなどの溶液である。酸化剤溶液は酸化剤(ヨウ素、臭素などのハロゲン、五フッ化アンチモンなどの金属ハロゲン化物など)と支持電解質(アルキルナフタレンスルフォン酸塩など)を含む溶液である。
【0048】
次に、固体電解質層の上にカーボン層を形成するために、ジグ11をカーボン分散液を入れたカーボン形成槽に取付けて固体電解質層を形成した部分にカーボンを付着させ、ジグ11と共に150〜200℃、15〜30分程度の熱処理をしてカーボンを固体電解質層上に焼き付け、カーボン層を形成させる。
【0049】
次に、カーボン層上に銀金属層を形成するために、ジグ11を銀ペーストにブチルセルソルブアセテート等の溶剤を加えた液を入れた銀ペースト槽に取付けて、前記カーボン層を形成した部分に銀ペーストを付着させ、ジグ11と共に200℃、60分程度の熱処理をして、カーボン層上に銀ペーストを焼き付け、銀金属層を形成させる。
このようにして、弁作用金属焼結部の上に陽極酸化被膜、固体電解質層、カーボン層、銀金属層が積層された電解コンデンサ素子シートが完成する。
【0050】
ここで、ジグ11からホルダー10をはずし、さらにホルダー10から電解コンデンサシートをはずす。図11はホルダー10からはずした電解コンデンサ素子シート12を示す。
【0051】
次に、図11におけるE−Eで切断し、個々の電解コンデンサ部材とする。図12には、一つの電解コンデンサ部材13の形状を示した。
【0052】
次いで、外部電極との接続方式により必要な場合には、電解コンデンサ部材13上の保護膜9を部分的に剥離する。例えば、本実施例のように、陽極となる弁作用金属箔と外部電極のリードフレームを溶接等で接続してから樹脂による外装を行う場合は、弁作用金属箔とリードフレームの接続を容易にするため、接続部の保護膜を剥離しておくのが好ましい。本実施例では、保護膜9を部分的に剥離して弁作用金属箔1の表面を露出させた保護膜剥離部1−5を電解コンデンサ部材13の両面に設けている。保護膜9を剥離する方法は、機械的な剥離、研磨、レーザー照射等がある。
また、本実施例では電解コンデンサ素子シート12を個々の電解コンデンサ部材13に分離した後に保護膜9を剥離しているが、保護膜9を剥離する段階は、コンデンサ素子シートが完成した以降で、外部電極との接続前であれば、いずれの段階でもよい。
一方、樹脂による外装の後に外部電極を設けるような場合のように、必ずしも保護膜10を剥離する必要がない場合もある。
【0053】
次に電解コンデンサ部材13毎に、弁作用金属箔の樹脂剥離部1−5と陽極側リードフレームを抵抗溶接、レーザー溶接などによって溶接する。一方、銀金属層18は導電性のペーストを用いて陰極側リードフレームを接着する。
【0054】
最後にエポキシ樹脂等でモールド成型するか、あるいはエポキシ樹脂等による粉体塗装等により被覆密封をして固体電解コンデンサを完成させる。図13は完成した固体電解コンデンサ19の構造を示す断面図である。
【0055】
【発明の効果】
本発明の弁作用金属箔と弁作用金属焼結部をもった素子シートにより、化成処理、固体電解質形成、カーボン層形成、銀金属層形成のそれぞれの工程について複数の弁作用金属焼結部を同時にまとめて行うことが出来、一連の操作で多数の電解コンデンサ部材を製造することができる。これは、電解コンデンサの製造における工程の合理化、製造コストの低減になるばかりか、電解コンデンサの品質を一定にすることができる上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例による弁作用金属箔の平面図であり、(b)はA−A部の断面図である。
【図2】本発明の実施例による基体シート上に弁作用金属塗布部を形成した平面図である。
【図3】本発明の実施例であり、弁作用金属塗布部に弁作用金属箔をのせた平面図である。
【図4】(a)は本発明の実施例であり、弁作用金属塗布部で弁作用金属箔を挟んだ平面図であり、(b)はB−B部の断面図である。
【図5】(a)は本発明の実施例であり、弁作用金属塗布部を圧縮した平面図であり、(b)はC−C部の断面図である。
【図6】本発明の実施例による陽極素子シートを示す平面図である。
【図7】本発明の第2の実施例において、弁作用金属塗布部を圧縮した平面図ある。
【図8】本発明の実施例であり、保護膜を形成した陽極素子シートを示す平面図である。
【図9】(a)は本発明の実施例であり、陽極素子シートをホルダーに取付けた状態を示す平面図であり、(b)はD−D部の断面図である。
【図10】本発明の実施例であり、バッチ処理用のジグに、ホルダーを介して陽極素子シートを吊り下げた状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例による電解コンデンサシート示す平面図である。
【図12】(a)は本発明の実施例による電解コンデンサ部材の平面図であり、(b)はF−F部の断面図であり、(c)はその円14部の拡大図である。
【図13】本発明の製造方法で製造した固体電解コンデンサの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1: 弁作用金属箔
1−1:(弁作用金属箔)櫛形状の歯取付け部
1−2:(弁作用金属箔)櫛形状の歯先端部
1−3:(弁作用金属箔)弁作用金属塗布部によって挟み込まれる部分
2: 基体フィルム
3、4: 弁作用金属塗布部
5: 積層弁作用金属部
6: 陽極素子シート
8: 弁作用金属焼結部
9: 保護膜
10: ホルダー
11: ジグ
12: 電解コンデンサ素子シート
13: 電解コンデンサ部材
15: 陽極酸化被膜(誘電体膜)
16: 固体電解質層
17: カーボン層
18: 銀金属層
19: 固体電解コンデンサ
20: 陽極側リードフレーム
21: 陰極側リードフレーム
22: 外装用のエポキシ樹脂
【発明の属する技術分野】
本発明は弁作用金属を用いた固体電解コンデンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器類の実装密度の向上にともない、これに用いる電解コンデンサも小型、大容量化、さらに高周波に対応した低等価直列抵抗(ESR)の要求が強くなって、タンタル電解コンデンサに代表される固体電解コンデンサが活発に研究されている。
【0003】
固体電解コンデンサは、弁作用金属粉末の焼結体を陽極とし、この上に誘電体層、固体電解質層、カーボン層、銀金属層を順次形成して陰極として、陽極側を陽極リードフレーム側に抵抗溶接、レーザー溶接等で接続し、陰極側を陰極リードフレーム側に導電性ペーストで接続し、その外周をエポキシ樹脂などで被覆密封して製造される。
【0004】
固体電解コンデンサを小型で、かつ、高性能にするために、陽極部の形成について、例えば、剥離性基体上に形成した弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有するシート状あるいは薄片状成型体を基体から剥離し、これを一部扁平にした弁作用金属リード線を間に挟んで重ね合わせ、加圧、焼結して陽極素子を形成する方法〔例えば、特許文献1、特許文献2参照〕、弁作用金属粉末とバインダー樹脂を含有する帯状成型体からなる上下層間に、弁作用金属からなるリード線を一定間隔に挟み込んで積層体となし、ついで該積層体を切断して成型体素子とし、これを焼結して陽極素子を作成する方法〔例えば、特許文献3参照〕、弁作用金属箔上に弁作用金属粉末からなるシート状の電極層(焼結体)を形成させて陽極素子とし、周囲に固体電解質を形成させる方法〔例えば、特許文献4参照〕、弁作用金属箔上に弁作用金属粉末からなる電極層を形成させた電極部材を複数形成させ、これを積層して陽極素子とする方法〔例えば、特許文献5参照〕等が報告されている。
【0005】
上記製造方法によれば、陽極部を小さくすることができる利点はあるが、金属粉末をシート状にした段階で個々に分離してしまうため、それ以降の製造段階は小さな陽極素子をそれぞれ1個単位で作業することとなり、作業が煩雑になり、生産性が上がらず、製造原価が高くなるという問題点があった。
【0006】
また、弁作用金属箔に誘電体酸化被膜を形成し、次いで帯状の陽極引出し部の突起部を櫛歯状に連続した形態で、化学酸化重合膜、導電性高分子形成、カーボン層形成、銀層形成を行い、切り離してリードフレームと接続する固体電解コンデンサの製造方法が提案されている〔例えば、特許文献6参照〕。しかし、この固体電解コンデンサは、弁作用金属箔の一部を酸化被膜にしたもので、酸化被膜の面積が充分大きくとれずに、コンデンサとしての容量が充分大きくできないものであった。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−299184号公報
【特許文献2】
特開2002−305129号公報
【特許文献3】
特開2002−246275号公報
【特許文献4】
特開2002−367867号公報
【特許文献5】
特開2000−306782号公報
【特許文献6】
特開平5−190394号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記製造方法によれば、小型、大容量の固体電解コンデンサを製造しようとするときは製造工程の生産性が低く、生産性を上げようとするときは大容量が得にくいという問題点がある。
【0009】
本発明は前記問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、陰極部を形成する工程まで複数個のコンデンサを一体として同時に作業することで、作業効率を上げ、製造原価を低減することができ、かつ、特性面でも小型、大容量化、低等価直列抵抗の要求を満たすことのできる電解コンデンサの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、櫛形状に裁断された弁作用金属箔と、前記弁作用金属箔の櫛形状の歯に相当する部分の端部に、個々に両面から挟むように接合された複数個の略四角形状の弁作用金属焼結部と、から構成される陽極素子シートを形成する工程;
前記陽極素子シートを、前記弁作用金属箔上、弁作用金属焼結部に近く、かつ櫛形状の歯取付け部の歯とは反対側端部に弁作用金属箔が露出された部分が残るように保護膜を形成する工程;
前記陽極素子シートを、弁作用金属箔における櫛形状の歯取付け部の弁作用金属露出部分と電気的に接続するように導電性材料からなるホルダーに取付ける工程;
前記ホルダーを、陽極素子シートの弁作用金属焼結部が下に向き、かつ導電性材料からなるジグに電気的接続が取れるように取付ける工程;
前記弁作用金属焼結部が電解質溶液に浸るように前記ジグを電解質溶液を入れた化成処理槽に取付け、前記ジグを陽極とし前記化成処理槽内の陰極部との間に直流電圧を印加して前記弁作用金属焼結部に陽極酸化被膜を形成する工程;
前記陽極酸化した陽極素子シートを取付けたジグを、固体電解質形成成分を入れた固体電解質形成槽に取付けて前記陽極酸化した部分に固体電解質形成成分を付着させ、必要に応じて熱処理をして固体電解質層を形成する工程;
前記固体電解質層を形成した陽極素子シートを取付けたジグを、カーボン分散液を入れたカーボン形成槽に取付けて前記固体電解質層を形成した部分にカーボンを付着させ、カーボン層形成に必要な熱処理をしてカーボン層を形成する工程;
前記カーボン層を形成した陽極素子シートを取付けたジグを、銀ペースト溶液を入れた銀ペースト槽に取付け、前記カーボン層を形成した部分に銀ペースト溶液を付着させ、銀金属層形成に必要な熱処理をして銀金属層を形成したコンデンサ素子シートとする工程;
前記ジグから前記ホルダーをはずし、さらに前記ホルダーからコンデンサ素子シートをはずし、前記コンデンサ素子シートにおける櫛形状の歯部分を裁断して複数個のコンデンサ部材とする工程;
前記コンデンサ素子シート上にある前記保護膜を剥離する工程;
前記コンデンサ部材の前記弁作用金属箔部をリードフレームの陽極部分に接続し、かつ前記銀金属層部をリードフレームの陰極部分に接続し、樹脂モールドする工程;
を含んでなることを特徴とする。
【0011】
前記陽極素子シートは、
(a)弁作用金属箔を櫛形状に裁断する工程、
(b)基体フィルム上に、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の櫛形状の歯部分に合わせた間隔を置いて、略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布してなる弁作用金属塗布部を作る工程、
(c)前記弁作用金属塗布部を半乾燥する工程、
(d)前記半乾燥された弁作用金属塗布部の一端部に載るように、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分を置く工程、
(e)前記弁作用金属箔を置いた上に、前記弁作用金属塗布部と同じ形状で前記弁作用金属塗布部と重なるように弁作用金属粉末分散液を塗布して積層弁作用金属塗布部とする工程、
(f)前記積層弁作用金属塗布部を乾燥して弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部とする工程、
(g)前記弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部を圧縮する工程、
(h)前記圧縮された弁作用金属箔と積層弁作用金属部に付着する基体フィルムを剥がして素子シートとする工程、
(i)前記素子シートを真空焼結して前記積層弁作用金属部を弁作用金属焼結部とする工程、を含んでなる。
【0012】
また、前記陽極素子シートを作製する別の方法は、
(a)弁作用金属箔を櫛形状に裁断する工程、
(b)基体フィルム上に、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分に合わせた間隔を置いて略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布してなる弁作用金属塗布部を作る工程、
(c)前記弁作用金属塗布部を半乾燥する工程、
(d)前記半乾燥された弁作用金属塗布部の向い合う両端部それぞれに載るように、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分を置く工程、
(e)前記弁作用金属箔を置いた上に、前記弁作用金属塗布部と同じ形状で前記弁作用金属塗布部と重なるように弁作用金属粉末分散液を塗布して積層弁作用金属塗布部とする工程、
(f)前記積層弁作用金属塗布部を乾燥して弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部とする工程、
(g)前記弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部を圧縮する工程、
(h)前記圧縮された弁作用金属箔と積層弁作用金属部に付着する基体フィルムを剥がして素子シートとする工程、
(i)前記素子シートを真空焼結して前記積層弁作用金属部を弁作用金属焼結部とする工程、
(j)前記弁作用金属焼結部を、中央部で切断する工程、
を含んでなることもできる。
【0013】
後者の製造工程を採用する場合、前記圧縮する工程において、積層弁作用金属塗布部で両端の弁作用金属箔から中央部にV字型凹みを入れ、前記弁作用焼結部の切断を容易にすることもできる。
【0014】
また、前記弁作用金属は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、これらの2種以上からなる合金、これらの2種以上からなる金属間化合物から選ばれる一種以上である。
【0015】
また、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔において、弁作用金属焼結部により挟まれる部分は、他の部分より薄く加工されていることが好ましい。
【0016】
また、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔において、前記弁作用金属焼結部により挟まれる部分は、表面を粗にしてあることが好ましい。
【0017】
また、前記基体フィルムは、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂から選ばれる一種であり、前記基体フィルムを剥がさずに焼結することも可能である。
【0018】
前記保護膜は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂から選ばれる一種以上である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の固体電解コンデンサは、弁作用金属箔を共通にして、複数個の弁作用金属焼結部を一体化させた陽極素子シートを形成させ、複数個の弁作用金属焼結部をまとめて化成処理、固体電解質形成、カーボン層形成、銀金属層形成を順次行い、一度に複数個のコンデンサ部材を製造させることにその特徴がある。
【0020】
以下に本発明の実施の形態を工程順に詳細に説明するが、以下の説明には、化合物、形状、条件を例示しているが、これらはあくまで説明のためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0021】
まず、弁作用金属箔を櫛形状に裁断し、その歯に相当する部分に弁作用金属焼結部を形成させて陽極素子シートを作る。以下、陽極素子シートの製造方法の例を、図面を参照しつつ工程順に説明する。
【0022】
(a)弁作用金属箔1を櫛形状に裁断する〔図1〕。ここで使用する弁作用金属箔1は、コンデンサの陽極体となるものであり、タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、これら金属の合金、あるいは金属間化合物から選ばれる一種以上であり、このうち、タンタル、ニオブが好ましい。これら金属の純度は、好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.99%以上であり、合金あるいは金属間化合物においては前記純度の金属の組み合わせからなるものである。
【0023】
弁作用金属箔1の厚さ(Tm)は0.05〜0.3mmである。櫛形状の歯部1−2における個々の歯の寸法は、コンデンサの設計に依存して変わるが、幅(Wm)は後述する弁作用金属塗布部の幅(図2のW)の1/2〜1、長さ(Lm)は弁作用金属塗布部の長さ(図2のL)の1/2〜1/3であり、また、歯と歯の間の間隔(Sm)は1〜3mm程度である。幅(Wm)は、広くする方がESR及び等価直列インダクタンス(ESL)を低くする上で好ましく、弁作用金属塗布部の幅(W)と同じくするのがよい。
櫛形状の歯先端部1−3は、後述の弁作用金属塗布部によって挟み込まれる部分であり、他より薄く加工するのが好ましい〔図1(b)〕。薄く加工するには、例えば弁作用金属箔1の該当部分に裏表から加圧ローラーをかける方法などがある。この場合、櫛形状に裁断する前に、予め当該部分を薄く加工しておく方が好ましい。
また、弁作用金属箔1の弁作用金属塗布部によって挟み込まれる櫛形状の歯先端部1−3は、表面を粗にしておくと、弁作用金属塗布部と弁作用金属箔1の接触面積が広くなり、弁作用金属塗布部と弁作用金属箔1の接着力が高くなり、また、容量も大きくなるので好ましい。表面を粗にするには、化学的なエッチング、物理的なサンドブラスト等の方法がある。
【0024】
(b)基体フィルム2上に、弁作用金属箔1の歯に相当する部分に合わせた間隔をおいて、略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布し、弁作用金属塗布部3を形成する〔図2〕。
【0025】
基体フィルム2は、弁作用金属塗布部3と弁作用金属箔1を積層させていくための土台とするもので、後述の焼結工程の前に剥がされ、あるいは焼結により分解、蒸発して除去されるものである。基体フィルム2の具体的な例を挙げると、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ナイロン、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂などである。このうち、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂などは、真空中高温度の環境で分解して蒸発し易く、かつコンデンサの性能に大きな障害がある残留物を残さないことから、剥がさずに焼結工程に入ってもよいことがある。
【0026】
弁作用金属粉末分散液は、弁作用金属粉末に、バインダー、溶剤、さらに必要により分散剤などを加えてなっている。弁作用金属粉末は、その酸化物がコンデンサの誘電体膜を形成するもので、タンタル、ニオブ、アルミニウム、チタン、これら金属の合金、あるいは金属間化合物から選ばれる一種以上であり、このうち、コンデンサの容量を大きくする観点からはタンタル、ニオブが好ましい。これら金属の純度は、好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.99%以上であり、合金あるいは金属間化合物においては前記純度の金属の組み合わせからなるものである。
【0027】
弁作用金属粉末の粒径は、好ましくは0.1〜10μm、特に好ましくは0.2〜5μmである。バインダーは、弁作用金属粉末分散液が基体フィルム2の上に塗布されたとき流れ出すことなく所定の形状に維持できるようにするもので、焼成した後では分解して蒸発して焼成後に残留しないものが選ばれる。その例として、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、セルロース樹脂、樟脳などがある。溶剤は、バインダーを溶解し、かつ金属分散液に流動性を与えるものであり、水、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエンなどの炭化水素類、ジメチルホルムアミド、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドンなどがあり、適宜選ばれる。使用量は特に限定するものではなく、弁作用金属粉末とバインダーと合わせたとき分散液として使用し易い流動性となるように選ばれる。
【0028】
弁作用金属粉末分散液は、弁作用金属粉末、バインダー、溶剤、さらに必要により界面活性剤、大豆レシチンなどの分散剤、フタル酸エステル、脂肪酸エステルなどの可塑剤を任意に加えられて混合し、ロール型混練機、ニーダー、ミル型混練機などで弁作用金属粉末の表面が充分よく濡れて分散されるように混練して製造される。
【0029】
弁作用金属粉末分散液を基体フィルム2上へ塗布する方法は、弁作用金属粉末分散液をブレードコート、押し出しコートなどの方法によってもよいが、本発明は一定間隔で所定の形状に塗布するので、印刷方法が望ましい。
【0030】
弁作用金属粉末分散液が塗布される厚さは、弁作用金属粉末分散液の成分構成比などにより異なるが、乾燥前で50〜500μm程度である。弁作用金属粉末分散液が塗布されてできる弁作用金属塗布部3は、最終的に得られる電解コンデンサに必要な特性からその形状は決められるべきものであるが、一般的には幅(W)は1.2mm、長さ(L)は2.0mmの程度の略四角形である。この形状は、乾燥、さらにその後の焼結により縮小するので、この縮小を勘案して決められるべきである。
【0031】
(c)弁作用金属塗布部3を半乾燥する.半乾燥は、次の工程で行う弁作用金属箔1の取付け、さらにその後の弁作用金属粉末分散液塗布を円滑に行われるようにするためであり、弁作用金属塗布部3中の溶剤の大部分を蒸発除去することにある。従って、その条件は、用いられている溶剤の種類、量などにより異なるが、代表的には50〜100℃で、60〜120分程度である。このとき、減圧下で乾燥を行えばより低い温度で速く乾燥することができることはいうまでもない。
【0032】
(d)半乾燥された弁作用金属塗布部3の端部に、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔1の櫛形状の歯部1−2が載るように弁作用金属箔1を置く〔図3〕。
【0033】
(e)弁作用金属箔1を置いた上に、弁作用金属塗布部2に重なるようにさらに弁作用金属粉末分散液を塗布して弁作用金属塗布部4を積層する〔図4〕。これにより、基体フィルム2上に弁作用金属塗布部3、その一端部に弁作用金属箔1、さらに弁作用金属塗布部4が積層された状態になる〔図4(b)、基体フィルムは図示してない〕。
【0034】
(f)弁作用金属箔1と弁作用金属塗布部3、4が積層されたものを乾燥する(以降、この弁作用金属塗布部3、4が乾燥されたものを「積層弁作用金属部5」という)。乾燥は、弁作用金属塗布部3、4が一体になり、溶剤のほとんどが蒸発されて固化された状態になっていればよい。
【0035】
(g)乾燥された弁作用金属箔1と積層弁作用金属部5を圧縮する〔図5〕。これにより、弁作用金属箔1と積層弁作用金属部5が互いの密着性を高め、かつ厚さを均一にすることができる〔図5(b)、基体シートは図示してない〕。加えられる圧力は20〜30kg/cm2程度である。特に前記のように、弁作用金属箔1において積層弁作用金属部5に挟まれる部分を予め他の部分より薄くしておくことにより、圧縮により弁作用金属箔1と積層弁作用金属部5の重なり部分を他の部分と同じ厚さにすることができる。
【0036】
(h)圧縮されて弁作用金属箔1と積層弁作用金属部5が一体化されたものを、基体フィルム2から剥がして素子シートとする。この時、前述したように基体フィルム2の材料によっては、この後で行う焼結工程で分解、蒸発することができるので必ずしも剥がさなくともよい場合がある。
【0037】
(i)素子シートを真空焼結して陽極素子シート6とする〔図6〕。焼結は、真空下で、バインダー成分を分解、蒸発させる段階と、弁作用金属粉末を焼結する段階を分けて行うのがよく、例えば弁作用金属粉末としてタンタル粉末を用いる場合は10−3〜10−5Torrで前段は300〜600℃で60〜90分間、後段は1300〜1600℃で20〜40分間行う。焼結により、積層弁作用金属部5における弁作用金属粉末は互いに融着し、多孔質体の形態に導かれる。(この部分は、以後「弁作用金属焼結部8」と呼ぶ。)
【0038】
陽極素子シートは、圧縮により露出した弁作用金属箔1部分と弁作用金属焼結部8部分とが同じ厚さにされており、後工程でリードフレームに接続するに際しその接触が安定、確実にすることができ、最終的に樹脂で外装した固体電解コンデンサの完成品の寸法精度を高めることができる。
【0039】
本発明の陽極素子シート6の製造に係る別の実施の形態を図7に示す。この例では、先の実施の形態と比較して弁作用金属塗布部3、4の形状が異なり、弁作用金属箔1を弁作用金属塗布部3、4の両端に置く点でも異なっている。すなわち、弁作用金属塗布部3、4の形状を弁作用金属箔1を取付けない辺の長さを前述の実施の形態におけるものの略2倍の長さにし、かつ弁作用金属塗布部5の両側に弁作用金属箔1が並んだ素子シートとするものである。図7は、先の実施の形態の図5(a)に対応する図であり、積層弁作用金属塗布部5の両側に弁作用金属箔1が露出した素子シートを示している。
【0040】
この素子シートを前述の実施の形態と同様にして真空焼結し、中央部で切断し2個の陽極素子シートとする。このとき、中央部での切断が容易であるように、圧縮する工程において、積層弁作用金属塗布部の切断個所にV字型凹み7を入れておくことで、曲げ応力で簡単に切断することができ好ましい。
【0041】
これ以降の工程は、陽極素子シートをバッチ処理して誘電体層、固体電解質層、カーボン層、銀金属層を順次形成していく。それに先立ち、先ず、陽極素子シート6の両面に保護膜9を形成する(図8)。保護膜9は、後述の弁作用金属焼結部8を化成処理(陽極酸化処理であり誘電体層を形成)、固体電解質層形成、カーボン層形成、銀金属層(銀電極)形成を行う工程で、これらの積層膜が陽極電極となる弁作用金属箔1に付着しないように保護するためのものである。保護膜9の形成領域は、弁作用金属箔1の櫛形状の歯取付け部1−1で、歯とは反対側の端部に弁作用金属箔露出部1−4を残して、弁作用金属焼結部8の近傍までの帯状の領域で、幅(Wh)は0.5〜2mm程度である。保護膜9を形成しない弁作用金属箔露出部1−4は、後述するホルダーと電気的接続をとるための領域である。
【0042】
保護膜9は、この次の化成処理工程では必ずしも必要ではない。即ち、陽極電極となる弁作用金属箔1に陽極化成被膜が形成されても、直接コンデンサ特性の劣化には結び付かない。しかし、弁作用金属箔1に陽極化成被膜が形成されると、外部電極との接続が不安定になる可能性があり、化成処理工程においても保護膜9を形成して、弁作用金属箔1に陽極化成被膜が形成されないようにするのが好ましい。また、本発明のように、以後の工程を陽極素子シートをホルダーに取付けたまま一括処理をする場合には、保護膜を化成処理工程前で形成しておく方が以後の工程の作業効率上有利である。後述するように、本実施例では保護膜を外部電極と接続工程で剥離するが、保護膜は撥水性の樹脂、例えばシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂が剥離が容易で好ましい。
【0043】
保護膜9を塗布した陽極素子シート6を、ホルダー10に取付ける(図9)。ホルダー10は、さらにジグに取付け、このジグとともに陽極素子シート6を一括して後述の化成処理、固体電解質層形成、カーボン層形成、銀金属層(銀電極)形成を行うことになる。
ホルダー10は、陽極素子シート6の長さより長く、その両端を除く中央部に陽極素子シート6を取付けできるようになっている。ホルダー10が陽極素子シート6を取付ける方法は、限定するものではないが、例えば、図9(b)に示すように、陽極素子シート6を挟み込めるようになっている。このような形態では、陽極素子シート6はバネ部10−1の弾性で挟むように取付けられ、取り外しが容易となり好ましい。図9(b)では、突起部10−2が弁作用金属箔露出部1−4に接触し、SUS304のような導電性の金属製のホルダー10と陽極素子シート6が電気的に接続されている。
【0044】
陽極素子シート6を取付けしたホルダー10を、バッチ処理用のジグ11に取付ける(図10)。ジグ11は、金属製の板を四角枠に組み立てた形状をしており、相対する一組の面の上面には、ホルダー10を嵌めこむための溝11−1が形成されている。この溝11−1にホルダー10の両端部を弁作用金属焼結部8が下を向くように嵌め込み、ホルダー10をジグ11に保持すると共に、ホルダー10とジグ11を電気的に接続する。図10では1個の陽極素子シートのみを示しているが、同様に複数個の陽極シートを取付けることができる。
【0045】
まず、陽極酸化により陽極酸化被膜(誘電体膜)を形成する化成処理を行う。ホルダー10を介して陽極素子シートを下に向くように吊り下げられたジグ11を、化成処理槽に取付ける。化成処理槽には電解質溶液が満たされ、陽極素子シート6の弁作用金属焼結部8を、保護膜9の直下までこの電解質溶液に浸漬する。電解質溶液は、リン酸、ホウ酸、リン酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウムなど任意に選ばれ、例えば弁作用金属としてタンタルを使用する場合、比伝導度1〜10S/cm程度のリン酸水溶液が好ましい。そして、電解質溶液中に設けた陰極を負に、ジグ11を正にして直流電圧を印加して弁作用金属焼結部8を陽極酸化して表面に陽極酸化被膜を形成させる。この時の印加電圧は製造しようとしている固体電解コンデンサの定格電圧に依存して決定されるが、通常、初期の30〜60分は定電流を流し、その後定格電圧の1.5〜3倍の定電圧を2〜4時間印加して、安定した陽極酸化被膜を形成する。
【0046】
次に、陽極酸化被膜上に固体電解質層を形成する。例えば、固体電解質層として二酸化マンガンを形成させるには、前記陽極酸化被膜を形成した陽極素子シート6が吊り下げられたホルダー10をジグ11に取付けたまま、固体電解質形成成分である硝酸マンガン溶液を入れた槽に取付け、弁作用金属焼結部8に硝酸マンガン溶液を付着させ、ジグ11を取り出してこれをそのまま加熱室に入れて熱処理し、硝酸マンガンを酸化する。このとき二酸化マンガン層を所定の厚さにするためには、必要により、硝酸マンガン溶液への浸漬及び熱処理を複数回繰り返す。熱処理温度は200〜270℃であるが、この熱処理により前の化成処理工程で形成した陽極酸化被膜が劣化することがあり、このような場合は、熱処理を数回実施する毎に、前述した化成処理を実施することがある。
【0047】
固体電解質層は、機能性高分子で形成してもよい。この場合、前記陽極酸化被膜を形成した陽極素子シート6を吊り下げられたホルダー10をジグ11に取付けたまま、固体電解質形成成分としてモノマーを満たしたモノマー溶液槽及び酸化剤溶液槽に浸漬し、弁作用金属焼結部8の孔の内部にモノマーと酸化剤を付着させ酸化重合させる。必要に応じてモノマー溶液、酸化剤溶液への浸漬を繰り返して固体電解質層の厚みを整える。なお、モノマー溶液槽と酸化剤溶液槽に浸漬する順序はどちらが先でも構わない。また、モノマーと酸化剤を混合した液を準備し、この中に浸漬させてもよい。モノマー溶液は例えば、ピロール、チオフェン、フラン、アニリンなどの溶液である。酸化剤溶液は酸化剤(ヨウ素、臭素などのハロゲン、五フッ化アンチモンなどの金属ハロゲン化物など)と支持電解質(アルキルナフタレンスルフォン酸塩など)を含む溶液である。
【0048】
次に、固体電解質層の上にカーボン層を形成するために、ジグ11をカーボン分散液を入れたカーボン形成槽に取付けて固体電解質層を形成した部分にカーボンを付着させ、ジグ11と共に150〜200℃、15〜30分程度の熱処理をしてカーボンを固体電解質層上に焼き付け、カーボン層を形成させる。
【0049】
次に、カーボン層上に銀金属層を形成するために、ジグ11を銀ペーストにブチルセルソルブアセテート等の溶剤を加えた液を入れた銀ペースト槽に取付けて、前記カーボン層を形成した部分に銀ペーストを付着させ、ジグ11と共に200℃、60分程度の熱処理をして、カーボン層上に銀ペーストを焼き付け、銀金属層を形成させる。
このようにして、弁作用金属焼結部の上に陽極酸化被膜、固体電解質層、カーボン層、銀金属層が積層された電解コンデンサ素子シートが完成する。
【0050】
ここで、ジグ11からホルダー10をはずし、さらにホルダー10から電解コンデンサシートをはずす。図11はホルダー10からはずした電解コンデンサ素子シート12を示す。
【0051】
次に、図11におけるE−Eで切断し、個々の電解コンデンサ部材とする。図12には、一つの電解コンデンサ部材13の形状を示した。
【0052】
次いで、外部電極との接続方式により必要な場合には、電解コンデンサ部材13上の保護膜9を部分的に剥離する。例えば、本実施例のように、陽極となる弁作用金属箔と外部電極のリードフレームを溶接等で接続してから樹脂による外装を行う場合は、弁作用金属箔とリードフレームの接続を容易にするため、接続部の保護膜を剥離しておくのが好ましい。本実施例では、保護膜9を部分的に剥離して弁作用金属箔1の表面を露出させた保護膜剥離部1−5を電解コンデンサ部材13の両面に設けている。保護膜9を剥離する方法は、機械的な剥離、研磨、レーザー照射等がある。
また、本実施例では電解コンデンサ素子シート12を個々の電解コンデンサ部材13に分離した後に保護膜9を剥離しているが、保護膜9を剥離する段階は、コンデンサ素子シートが完成した以降で、外部電極との接続前であれば、いずれの段階でもよい。
一方、樹脂による外装の後に外部電極を設けるような場合のように、必ずしも保護膜10を剥離する必要がない場合もある。
【0053】
次に電解コンデンサ部材13毎に、弁作用金属箔の樹脂剥離部1−5と陽極側リードフレームを抵抗溶接、レーザー溶接などによって溶接する。一方、銀金属層18は導電性のペーストを用いて陰極側リードフレームを接着する。
【0054】
最後にエポキシ樹脂等でモールド成型するか、あるいはエポキシ樹脂等による粉体塗装等により被覆密封をして固体電解コンデンサを完成させる。図13は完成した固体電解コンデンサ19の構造を示す断面図である。
【0055】
【発明の効果】
本発明の弁作用金属箔と弁作用金属焼結部をもった素子シートにより、化成処理、固体電解質形成、カーボン層形成、銀金属層形成のそれぞれの工程について複数の弁作用金属焼結部を同時にまとめて行うことが出来、一連の操作で多数の電解コンデンサ部材を製造することができる。これは、電解コンデンサの製造における工程の合理化、製造コストの低減になるばかりか、電解コンデンサの品質を一定にすることができる上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施例による弁作用金属箔の平面図であり、(b)はA−A部の断面図である。
【図2】本発明の実施例による基体シート上に弁作用金属塗布部を形成した平面図である。
【図3】本発明の実施例であり、弁作用金属塗布部に弁作用金属箔をのせた平面図である。
【図4】(a)は本発明の実施例であり、弁作用金属塗布部で弁作用金属箔を挟んだ平面図であり、(b)はB−B部の断面図である。
【図5】(a)は本発明の実施例であり、弁作用金属塗布部を圧縮した平面図であり、(b)はC−C部の断面図である。
【図6】本発明の実施例による陽極素子シートを示す平面図である。
【図7】本発明の第2の実施例において、弁作用金属塗布部を圧縮した平面図ある。
【図8】本発明の実施例であり、保護膜を形成した陽極素子シートを示す平面図である。
【図9】(a)は本発明の実施例であり、陽極素子シートをホルダーに取付けた状態を示す平面図であり、(b)はD−D部の断面図である。
【図10】本発明の実施例であり、バッチ処理用のジグに、ホルダーを介して陽極素子シートを吊り下げた状態を示す斜視図である。
【図11】本発明の実施例による電解コンデンサシート示す平面図である。
【図12】(a)は本発明の実施例による電解コンデンサ部材の平面図であり、(b)はF−F部の断面図であり、(c)はその円14部の拡大図である。
【図13】本発明の製造方法で製造した固体電解コンデンサの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1: 弁作用金属箔
1−1:(弁作用金属箔)櫛形状の歯取付け部
1−2:(弁作用金属箔)櫛形状の歯先端部
1−3:(弁作用金属箔)弁作用金属塗布部によって挟み込まれる部分
2: 基体フィルム
3、4: 弁作用金属塗布部
5: 積層弁作用金属部
6: 陽極素子シート
8: 弁作用金属焼結部
9: 保護膜
10: ホルダー
11: ジグ
12: 電解コンデンサ素子シート
13: 電解コンデンサ部材
15: 陽極酸化被膜(誘電体膜)
16: 固体電解質層
17: カーボン層
18: 銀金属層
19: 固体電解コンデンサ
20: 陽極側リードフレーム
21: 陰極側リードフレーム
22: 外装用のエポキシ樹脂
Claims (9)
- 櫛形状に裁断された弁作用金属箔と、前記弁作用金属箔の櫛形状の歯に相当する部分の端部に、個々に両面から挟むように接合された複数個の略四角形状の弁作用金属焼結部と、から構成される陽極素子シートを形成する工程;
前記陽極素子シートを、前記弁作用金属箔上、弁作用金属焼結部に近く、かつ櫛形状の歯取付け部の歯とは反対側端部に弁作用金属箔が露出された部分が残るように保護膜を形成する工程;
前記陽極素子シートを、弁作用金属箔における櫛形状の歯取付け部の弁作用金属露出部と電気的に接続するように導電性材料からなるホルダーに取付ける工程;
前記ホルダーを、陽極素子シートの弁作用金属焼結部が下に向き、かつ導電性材料からなるジグに電気的接続が取れるように取付ける工程;
前記弁作用金属焼結部が電解質溶液に浸るように前記ジグを電解質溶液を入れた化成処理槽に取付け、前記ジグを陽極とし前記化成処理槽内の陰極との間に直流電圧を印加して前記弁作用金属焼結部に陽極酸化被膜を形成する工程;
前記陽極酸化した陽極素子シートを取付けたジグを、固体電解質形成成分を入れた固体電解質形成槽に取付けて前記陽極酸化した部分に固体電解質形成成分を付着させ、必要に応じて熱処理をして固体電解質層を形成する工程;
前記固体電解質層を形成した陽極素子シートを取付けたジグを、カーボン分散液を入れたカーボン形成槽に取付けて前記固体電解質層を形成した部分にカーボンを付着させ、カーボン層形成に必要な熱処理をしてカーボン層を形成する工程;
前記カーボン層を形成した陽極素子シートを取付けたジグを、銀ペースト溶液を入れた銀ペースト槽に取付け、前記カーボン層を形成した部分に銀ペースト溶液を付着させ、銀金属層形成に必要な熱処理をして銀金属層を形成したコンデンサ素子シートとする工程;
前記ジグから前記ホルダーをはずし、さらに前記ホルダーからコンデンサ素子シートをはずし、前記コンデンサ素子シートにおける櫛形状の歯部分を裁断して複数個のコンデンサ部材とする工程;
前記コンデンサ部材上にある前記保護膜を剥離する工程;
前記コンデンサ部材の前記弁作用金属箔部をリードフレームの陽極部分に接続し、かつ前記銀金属層部をリードフレームの陰極部分に接続し、樹脂モールドする工程;
を含んでなることを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記陽極素子シートは、
(a)弁作用金属箔を櫛形状に裁断する工程、
(b)基体フィルム上に、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分に合わせた間隔を置いて、略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布してなる弁作用金属塗布部を作る工程、
(c)前記弁作用金属塗布部を半乾燥する工程、
(d)前記半乾燥された弁作用金属塗布部の一端部に載るように、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分を置く工程、
(e)前記弁作用金属箔を置いた上に、前記弁作用金属塗布部と同じ形状で前記弁作用金属塗布部と重なるように弁作用金属粉末分散液を塗布して積層弁作用金属塗布部とする工程、
(f)前記積層弁作用金属塗布部を乾燥して弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部とする工程、
(g)前記弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部を圧縮する工程、
(h)前記圧縮された弁作用金属箔と積層弁作用金属部に付着する基体フィルムを剥がして素子シートとする工程、
(i)前記素子シートを真空焼結して前記積層弁作用金属部を弁作用金属焼結部とする工程、
を含んでなることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記陽極素子シートは、
(a)弁作用金属箔を櫛形状に裁断する工程、
(b)基体フィルム上に、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分に合わせた間隔を置いて、略四角形状に弁作用金属粉末分散液を塗布してなる弁作用金属塗布部を作る工程、
(c)前記弁作用金属塗布部を半乾燥する工程、
(d)前記半乾燥された弁作用金属塗布部の向い合う両端部それぞれに載るように、前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔の歯に相当する部分を置く工程、
(e)前記弁作用金属箔を置いた上に、前記弁作用金属塗布部と同じ形状で前記弁作用金属塗布部と重なるように弁作用金属粉末分散液を塗布して積層弁作用金属塗布部とする工程、
(f)前記積層弁作用金属塗布部を乾燥して弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部とする工程、
(g)前記弁作用金属箔と一体化された積層弁作用金属部を圧縮する工程、
(h)前記圧縮された弁作用金属箔と積層弁作用金属部に付着する基体フィルムを剥がして素子シートとする工程、
(i)前記素子シートを真空焼結して前記積層弁作用金属部を弁作用金属焼結部とする工程、
(j)前記弁作用金属焼結部を、中央部で切断する工程、
を含んでなることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記圧縮する工程において、弁作用金属塗布部で両端の弁作用金属箔から中央部に、V字型凹みを入れることを特徴とする請求項3記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記弁作用金属は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、これらの2種以上からなる合金、これらの2種以上からなる金属間化合物から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔において、弁作用金属焼結部により挟まれる部分は、他の部分より薄く加工されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記櫛形状に裁断された弁作用金属箔において、前記弁作用金属焼結部により挟まれる部分は、表面を粗にしてあることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記基体フィルムは、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブチラール樹脂から選ばれる一種であり、前記基体フィルムを剥がさずに焼結することを特徴とする請求項2又は3に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記保護膜は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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