JP2005174949A - 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。 - Google Patents

電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。 Download PDF

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【課題】静電容量の低下を抑制できる電解コンデンサ用アルミニウム箔を提供する。
【解決手段】立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下のアルミニウム箔をエッチング処理することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法、および前記エッチング処理するために用いられるアルミニウム箔であって、立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下であるエッチング用アルミニウム箔、さらには、前記アルミニウム箔はロール状に巻かれており、ロール状アルミニウムから繰り出した際に立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下の状態にある。
【選択図】なし

Description

本発明は、電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法に関する。さらに、本発明は、エッチング用アルミニウム箔に関する。
アルミニウム箔は、化学的又は電気化学的なエッチング処理によりエッチングピットを形成することにより、表面積を容易に増大させることができる。そして、その表面に化成処理と称される陽極酸化処理を施すことにより、良質な陽極酸化皮膜を形成でき、これが誘電体として機能する。このため、例えば薄く圧延したアルミニウム箔をエッチング処理し、その表面に使用電圧に応じた種々の化成電圧で化成処理して陽極酸化皮膜を形成することにより、使用電圧に適合する各種のコンデンサを製造することができる。
エッチング処理で形成されるエッチングピットは、化成電圧に対応した形状に窄孔される。具体的には、中高圧用のコンデンサを製造する場合は、化成電圧を高くして厚い化成皮膜(酸化皮膜)を形成する必要がある。このため、そのような厚い化成皮膜でエッチングピットが埋まらないように、中高圧陽極用アルミニウム箔のエッチング処理は、直流エッチングにより行いエッチングピット形状をトンネルタイプとする。
中高圧用コンデンサで使用されるアルミニウム箔は、上記のようなエッチング処理を行うために立方体方位率を高める必要があり(例えば、特許文献1)、極軟質となっている。極軟質への調質は、100〜700kgのロール状(通称で「コイル状」とも呼ばれている。)のアルミニウム箔をバッチ式で450℃〜650℃程度の温度で焼鈍する方法(例えば、特許文献2)が一般的である。通常、ロール状アルミニウム箔は金属製コアに巻き付けられている。この場合、1バッチでより多くのロール状アルミニウム箔を焼鈍するために、金属製コア内に金属製の棒を差し込み串刺し状にしたものを宙吊り状態で複数個多段に架台に置かれる。ところが、アルミニウム箔の自重のために宙吊り状態のアルミニウム箔の上部には部分的密着が生じる。アルミニウム箔に部分的密着が生じると、エッチング工程でアルミニウム箔を一定速度で繰り出す際に障害となったり、密着が生じていた部分のアルミニウム箔の平滑性が悪くなり、エッチングが不均一になったりするなどの問題がある。この問題を解消するため、焼鈍後のロール状アルミニウム箔に引張応力をかけて巻き直しを行い、エッチング用アルミニウム箔の繰り出し性を解消するとともに平滑性を改善する方法が焼鈍後に採用されている。
しかしながら、焼鈍後に巻き直しを行えば、工程増による製造コストの上昇のみならず、アルミニウム箔のエッチング後の静電容量も巻き直し前に比べて大幅に低下することが知られている(例えば、非特許文献1)。
他方、エッチング工程でのアルミニウム箔の繰り出し性及び平滑性を改善する目的で焼鈍後の処理としてアルミニウム箔の巻き直しを行うと、巻き直し時の引張応力によりアルミニウム箔に伸びが生じ、アルミニウム箔表面及び内部に転位が形成される。この場合、かかる転位がエッチングピットの起点になるという報告もある(例えば、特許文献3)。
しかしながら、内部の転位は、むしろエッチングピットの進行を妨げるために静電容量低下の原因となる。
特開2002−173748号公報 特開2000−309836号公報 特開2002−327227号公報 住友軽金属技報 第36巻 第3号,第4号(1995)pp.133−138
従って、本発明の主な目的は、静電容量の低下が効果的に抑制された電解コンデンサ用アルミニウム箔を提供することにある。
本発明者らは、従来技術の問題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定のプロセスにより得られるアルミニウム箔が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法に係る。
1. 立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下のアルミニウム箔をエッチング処理することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
2. 立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下の状態にあるアルミニウム箔をエッチング処理するために用いられるアルミニウム箔であって、立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下であるエッチング用アルミニウム箔。
3. ロール状に巻かれている前記項2記載のエッチング用アルミニウム箔。
4. ロール状アルミニウムから繰り出した際に立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下の状態にある前記項2又は3に記載のエッチング用アルミニウム箔。
本発明の製造方法は、所定の物性をもつアルミニウム箔をエッチング処理するので、従来品に比べて高い静電容量を有する電解コンデンサ用アルミニウム箔を提供することができる。
本発明の製造方法は、立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下のアルミニウム箔(以下「本発明Al箔」という。)をエッチング処理することを特徴とする。
(1)本発明Al箔
本発明Al箔の立方体方位率は90%以上、好ましくは93%以上である。立方体方位率が90%未満になると静電容量が低下する。なお、上限値は限定されないが、通常99.8%である。
また、本発明Al箔の耐力は18N/mm2以下、好ましくは16N/mm2以下である。耐力が18N/mm2を超えるとアルミニウム箔内部の転位が増大し、静電容量が低下する。なお、耐力の下限値は、特に限定されないが10N/mm2程度とすれば良い。
本発明Al箔の組成は限定的ではないが、特にアルミニウム純度が「JIS H 2111」に記載された方法に準じて測定された値で99.9%以上のものが好ましい。このようなアルミニウム箔としては、Pb、Si、Fe、Cu、Mn、Mg、Cr、Zn、Ti、V、Ga、Ni及びBの少なくとも1種の有意又は不可避の不純物元素を必要範囲内において配合又は規制したアルミニウム箔も包含される。
これらの中でも、特に少なくともPbが含有されていることが好ましい。Pbの存在により、エッチング処理に使用する電解液と箔との反応を促進し、初期のエッチングピット数を増加させる働きがあるので、いっそう高い静電容量を達成することが可能となる。
Pbの含有量は、上記のような効果が達成できるように適宜調整することができるが、通常は40〜2000ppmとすることが好ましい。より好ましくは、アルミニウム箔の表面から深さ0.1μmまでの領域において上記範囲となるように設定することが望ましい。上記範囲内に設定することによって、静電容量をよりいっそう高めることができる。
なお、Pb含有量の調整は、例えばアルミニウム箔の製造段階においてアルミニウム溶湯に添加するPb量を調節(特にPb濃度が4ppm以下の範囲内となるように調節)し、さらに焼鈍温度を450℃以上の範囲内で制御することによって実施することができる。
具体的な本発明Al箔の組成としては、例えばPb:0.01〜0.1ppm、Si:5〜150ppm、Fe:5〜150ppm及びCu:20〜200ppm含有するアルミニウム箔を好適に用いることができる。
(2)本発明Al箔の調製
本発明Al箔は、上記の立方体方位率及び耐力を有しているものであれば、いずれの製法によって得られたアルミニウム箔も使用することができる。具体的には、アルミニウム原料から圧延箔を経て所定のアルミニウム箔を製造する工程において、焼鈍工程以降のいずれかのアルミニウム箔を本発明Al箔として適宜用いることができる。
まず、アルミニウム溶湯から圧延箔を製造する段階では、所定の組成を有するアルミニウム溶湯を調製し、これを鋳造して得られた鋳塊を450〜660℃で均質化処理した後、熱間圧延及び冷間圧延を施すことにより圧延箔を得ることができる。また、冷間圧延の途中で、150〜400℃で中間焼鈍をしても良い。この場合の圧延箔の厚みは限定的ではないが、一般的に50〜200μmとすることが好ましい。
上記圧延箔を焼鈍する。この場合、焼鈍に先立ち、有機溶剤系洗浄剤、水系洗浄剤等を用いて圧延箔を洗浄し、圧延箔上に付着している圧延油を除去しても良い。圧延油が過大に圧延箔上に付着していると、焼鈍後のロール状アルミニウム箔の両端部がシミ状に黄変し、エッチング処理を行っても所望の形状のエッチングピットが得られなくなる結果、静電容量が低下するおそれがある。
焼鈍工程における焼鈍温度は450℃以上とすることが好ましい。特に450℃以上660℃未満、さらには530〜620℃)に設定することが望ましい。焼鈍温度が450℃未満になると立方体方位率が低下し、エッチング処理を行っても所望の形状のエッチングピットが得られなくなり、静電容量が低下するおそれがある。焼鈍時間は、焼鈍温度等にもよるが、一般的には1〜100時間程度とすれば良い。
焼鈍雰囲気は、真空又は不活性ガスとすることが望ましい。ただし、昇温及び降温の工程も含め350℃を超える場合には、焼鈍雰囲気中の酸素濃度を1.0体積%以下とすることが望ましい。焼鈍雰囲気中の酸素濃度が1.0体積%を越えると、焼鈍後のロール状アルミニウム箔の両端部がシミ状に黄変し、エッチング処理を行っても所望の形状のエッチングピットが得られなくなる結果、静電容量が低下するおそれがある。焼鈍雰囲気中の酸素濃度を1.0体積%以下に設定することによって、均一で適当な厚さの熱酸化皮膜が得られ、静電容量の増大に寄与することができる。
焼鈍工程を経たアルミニウム箔は、上記の立方体方位率及び耐力を有し、さらに部分的密着がなければ、本発明Al箔としてそのままエッチング処理に用いることができる。一般的には、焼鈍工程は、圧延箔をロール状にした状態で行われるが、このような場合でも部分的密着がなくロール状アルミニウム箔の繰り出し性及び平滑性が良好である場合には、そのままエッチング工程に供することができる。一方、ロール状アルミニウム箔に部分的密着があり、繰り出し性及び平滑性を改善する必要がある場合には、焼鈍されたアルミニウム箔に1%以上の伸びを負荷することが望ましい。負荷する伸びの上限はアルミニウム箔の組成等にもよるが、一般的には5%程度とすれば良い。
伸びを負荷する手段は限定的ではないが、例えばアルミニウム箔をロール状に巻き取ることによって好適に実施することができる。巻き取り工程自体は、公知の方法に従って行えば良く、例えばアルミニウム箔をロール状に巻き取ることによって所定の伸びを負荷することができる。アルミニウム箔がロール状で前記焼鈍工程を行う場合には、そのロール状のアルミニウム箔をいったん巻き出し(繰り出し)、再び巻き取るという巻き直し工程によって実施できる。巻き直し工程によって、エッチング工程でアルミニウム箔を繰り出す際の部分的密着の問題を解消することができる。また、巻き直しの繰り出し側と巻き取り側にはそれぞれ引張応力が負荷されるため、アルミニウム箔に伸びが生じる。アルミニウム箔の伸びが特に1.0%以上であるとアルミニウム箔の平滑性をより効果的に改善できる。
この場合において、立方体方位率が90%以上、耐力が18N/mm2以下のエッチング用アルミニウム箔をロール状で得るためには、極軟質への焼鈍工程で部分的な密着が防止できることが好ましい。例えば、焼鈍工程前にアルミニウム箔をロール状に巻き取る際の巻き取り張力を下げてロール密度を減少させる方法、焼鈍工程前のアルミニウム箔の洗浄度を下げてアルミニウム箔表面に圧延油を多く残す方法、ロール状アルミニウム箔の自重が一個所に偏重しないように焼鈍時のロール状アルミニウム箔の担持状態を制御する方法等が挙げられる。
他方、負荷を与える工程を実施した後において、アルミニウム箔内部に転位が生じる結果、上記の耐力を上回っている場合には、上記工程により得られたアルミニウム箔に再び焼鈍(以下「再焼鈍」という。)を行うことが望ましい。再焼鈍によって、転位が取り除かれる結果、より確実に上記の耐力を有する本発明Al箔を得ることができる。
再焼鈍では、通常はアルミニウム箔を350℃以下で焼鈍すれば良い。好ましくは150〜350℃、より好ましくは150〜300℃で再焼鈍を行う。再焼鈍温度が350℃を超える場合にはロール状アルミニウム箔の両端部がシミ状に黄変し、エッチング処理を行っても所望の形状のエッチングピットが得られなくなる結果、静電容量が低下するおそれがある。また、ロール状アルミニウム箔の部位により不均一な厚さの熱酸化皮膜が得られ、静電容量のばらつきをもたらすおそれがある。再焼鈍時間は、再焼鈍温度等にもよるが、一般的には1〜100時間程度とすれば良い。再焼鈍の雰囲気は特に制限されないが、通常は大気中で行えば良い。
(3)本発明のエッチング用アルミニウム箔
本発明のエッチング用アルミニウム箔は、立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下の状態にあるアルミニウム箔をエッチング処理するために用いられるアルミニウム箔であって、立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下であるエッチング用アルミニウム箔である。このようなアルミニウム箔としては、本発明Al箔を好適に用いることができる。特に、ロール状に巻かれている本発明Al箔は、エッチング時等においてロール状から繰り出した際にも立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下を確実に維持することができる。
(4)本発明Al箔のエッチング処理
本発明の製造方法では、立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下の状態にある本発明Al箔をエッチング処理する。さらに、必要に応じて化成処理を行うこともできる。これらエッチング処理及び化成処理の条件自体は、公知の電解コンデンサ用アルミニウム箔の製法に従い、目的とするアルミニウム箔の用途、特性等に応じて実施すれば良い。例えば、所定のエッチング液に本発明Al箔を浸漬し、所定量の電流を通電することによってエッチング処理を行うことができる。
本発明Al箔は、特に直流エッチング用のアルミニウム箔として好適に用いることができる。より具体的には、一次エッチングとして塩酸及び硫酸の混合液をエッチング液とした直流エッチングに用いるアルミニウム箔として好適に使用することができる。
以下に実施例及び従来例を示し、本発明の特徴を一層明確にする。ただし、本発明の範囲は、これら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例1〜6と従来例1〜3に従って電解コンデンサ用アルミニウム箔を作製した。なお、実施例1〜6と比較するために比較例1を作製した。
なお、得られたアルミニウム箔の立方体方位率、耐力及び静電容量は次のように測定した。
<立方体方位率>
50容量%HCl、48容量%HNO3及び2容量%HFを含む混合溶液を液温30℃にし、50mm×50mmのアルミニウム箔を30秒間浸漬し、水洗乾燥した。出現した組織を画像解析装置を用いて分析し、その立方体方位率を求めた。なお、測定面積は30mm×30mmとした。
<耐力>
得られたアルミニウム箔の耐力は、インストロン型引張試験機を用い引張速度10mm/minで引張り測定した。
<静電容量>
静電容量は、ロール状アルミニウム箔の側面部から7cm×15cmの試料を切り出し、次に示す条件で試料をエッチング処理し、次いでホウ酸水溶液(65g/L)中で200Vの化成処理を施した後、ホウ酸アンモニウム水溶液(8g/L)にて測定した。
<エッチング処理条件>
・一次エッチング
エッチング液:塩酸及び硫酸の混合液(塩酸濃度:1モル/L、硫酸濃度:3モル/L、80℃)
電解:DC200mA/cm2×2分
・二次エッチング
エッチング液:塩酸及びシュウ酸の混合液(塩酸濃度:2モル/L、シュウ酸濃度:0.01モル/L、80℃)
電解:DC50mA/cm2×9分
(従来例1)
アルミニウム溶湯(Pb:0.08ppm、Si:15ppm、Fe:15ppm、Cu:50ppm、残部:Al及び不可避不純物)を半連続鋳造して、厚さ530mmの鋳塊を得た。この鋳塊を600℃で10時間かけて均質化処理をした後、鋳塊温度520℃で熱間圧延を開始し、厚さ6mmの熱間圧延板とした。次いで、冷間圧延を実施して106μmの箔とし、溶剤系洗浄液で箔表面を洗浄して硬質箔を得た。洗浄後の硬質箔の油付着量を燃焼法で測定したところ2mg/m2であった。この硬質箔を幅500mm・重量500kgのロール状として真空雰囲気中570℃で10時間焼鈍した。焼鈍後のアルミニウム箔は、上部に部分的密着が生じていたため、密着のない側面部のアルミニウム箔の静電容量を測定した。焼鈍後のアルミニウム箔に部分的密着が生じ繰り出し性と平滑性が良好でなかったため、巻き直しを行った。巻き直しによる伸びは1.1%であった。巻き直し後、得られたアルミニウム箔の立方体方位率、耐力及び静電容量を測定し、静電容量は焼鈍直後(巻き直し前)のアルミニウム箔の静電容量を100とした相対値で算出した。結果を表1に示す。
(従来例2)
従来例1の焼鈍後のロール状アルミニウム箔を、張力を変えて巻き直しを行ったほかは従来例1と同様にしてアルミニウム箔を作製し、立方体方位率、耐力及び静電容量を測定した。巻き直しによる伸びは1.5%であった。結果を表1に示す。
(従来例3)
従来例1の焼鈍後のロール状アルミニウム箔を、張力を変えて巻き直しを行ったほかは従来例1と同様にしてアルミニウム箔を作製し、立方体方位率、耐力及び静電容量を測定した。巻き直しによる伸びは2.2%であった。結果を表1に示す。
(実施例1〜3)
従来例1で得られた巻き直し後のロール状アルミニウム箔を表1に示す条件で再焼鈍し、得られたアルミニウム箔の立方体方位率、耐力及び静電容量を測定した。結果を表1に示す。
(実施例4)
従来例2で得られた巻き直し後のロール状アルミニウム箔を表1に示す条件で再焼鈍し、得られたアルミニウム箔の立方体方位率、耐力及び静電容量を測定した。結果を表1に示す。
(実施例5)
従来例3で得られた巻き直し後のロール状アルミニウム箔を表1に示す条件で再焼鈍し、得られたアルミニウム箔の立方体方位率、耐力及び静電容量を測定した。結果を表1に示す。
(実施例6)
従来例1で用いた厚さ6mmの熱間圧延板を冷間圧延して106μmの箔とし、水系洗浄液で箔表面を洗浄して硬質箔を得た。洗浄後の硬質箔の油付着量を燃焼法で測定したところ4mg/m2であった。この硬質箔を幅500mm・重量500kgのロール状として、図1に示すようなロール外周曲率に合わせた置台により担持し、アルゴンガス雰囲気中540℃で6時間焼鈍した。焼鈍後に密着は発生しなかった。得られたアルミニウム箔の立方体方位率、耐力及び静電容量を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
従来例1で得られた硬質箔を幅500mm・重量500kgのロール状としてアルゴンガス雰囲気中420℃で50時間焼鈍した。得られたアルミニウム箔の立方体方位率、耐力及び静電容量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2005174949
表1の結果からも明らかなように、本発明Al箔をエッチング処理した場合には、より高い静電容量を発揮できることがわかる。
実施例6において、ロール状硬質箔を置台に担持した状態を示す断面図である。

Claims (4)

  1. 立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下のアルミニウム箔をエッチング処理することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
  2. 立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下の状態にあるアルミニウム箔をエッチング処理するために用いられるアルミニウム箔であって、立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下であるエッチング用アルミニウム箔。
  3. ロール状に巻かれている請求項2記載のエッチング用アルミニウム箔。
  4. ロール状アルミニウムから繰り出した際に立方体方位率90%以上及び耐力18N/mm2以下の状態にある請求項2又は3に記載のエッチング用アルミニウム箔。
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