JPH1136053A - 電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法および電解 コンデンサ用アルミニウム材 - Google Patents

電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法および電解 コンデンサ用アルミニウム材

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JPH1136053A
JPH1136053A JP19023297A JP19023297A JPH1136053A JP H1136053 A JPH1136053 A JP H1136053A JP 19023297 A JP19023297 A JP 19023297A JP 19023297 A JP19023297 A JP 19023297A JP H1136053 A JPH1136053 A JP H1136053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面積の拡大が大きく、高い静電容量が得ら
れる高圧用電解コンデンサの陽極用アルミニウム箔を提
供することである。 【解決手段】 純度99.9wt%以上のアルミニウム
材を480〜620℃の温度で焼鈍する焼鈍工程と、前
記焼鈍工程の後、前記アルミニウム材を100℃以下の
温度に冷却する冷却工程と、前記冷却工程の後、前記ア
ルミニウム材を200〜300℃の温度に加熱する熱処
理工程とを具備する電解コンデンサ用アルミニウム材の
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、高圧用電解コン
デンサの陽極として好適な静電容量を持つアルミニウム
箔並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高圧用電解コンデンサの陽極と
して用いられるアルミニウム箔は、高い静電容量を得る
為、例えば塩酸を主体とした水溶液中で直流電源を用い
た電気化学的なエッチングによる粗面化(表面積拡大)
処理が行われている。このような処理により形成される
エッチングのピットは、微細なキャピラリ状である。そ
して、粗面化率はピットの密度によって決まる。従っ
て、高い静電容量を得る為には、ピットの形成が均一、
かつ、高密度である必要がある。
【0003】このような均一、かつ、高密度のピットを
形成する為、従来より、各種の提案がなされている。例
えば、特公昭62−42370号公報や特開平1−12
8419号公報では、Pb,Bi,In,Sn等の元素
をアルミニウム箔の表面に濃縮させる方法が提案されて
いる。すなわち、アルミニウム箔の表面に前記元素を高
濃度に存在させていると、酸化皮膜が化学的に不安定な
ものになり、表面の溶解性を高めると謳われている。
【0004】又、特開平8−296009号公報では、
不活性ガス雰囲気中で480〜620℃の温度で焼鈍し
た後の冷却工程において200〜400℃の温度に保持
する方法が提案されている。この方法によれば、形成さ
れる酸化皮膜が電解エッチングに好適な厚さに制御さ
れ、エッチング時における粗大孔の発生が防止されると
謳われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の技術
は、エッチングピットの密度が増加するものの、エッチ
ングピット以外の部分の表面溶解も激しく、電流がエッ
チングピットの成長に有効に使われなかったり、箔厚の
減少によりピットの長さが不十分と言った問題が残され
ている。すなわち、表面積拡大が十分ではない。
【0006】又、後者の技術は、エッチング時における
粗大孔の発生が防止され、均一なピットが形成されるも
のの、酸化皮膜の厚さを制御するのみでは、ピット数
(密度)の増加には十分でなかった。すなわち、表面積
拡大が十分ではない。従って、本発明が解決しようとす
る課題は、表面積の拡大が大きく、高い静電容量が得ら
れる高圧用電解コンデンサの陽極用アルミニウム箔を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、純度9
9.9wt%以上のアルミニウム材を480〜620℃
の温度で焼鈍する焼鈍工程と、前記焼鈍工程の後、前記
アルミニウム材を100℃以下の温度に冷却する冷却工
程と、前記冷却工程の後、前記アルミニウム材を200
〜300℃の温度に加熱する熱処理工程とを具備するこ
とを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム材の製造
方法によって解決される。
【0008】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム材を巻回状態にて480〜620℃の温度で焼鈍する
焼鈍工程と、前記焼鈍工程の後、前記アルミニウム材を
100℃以下の温度に冷却する冷却工程と、前記冷却工
程の後、前記アルミニウム材を巻解き状態にて200〜
300℃の温度に加熱する熱処理工程とを具備すること
を特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方
法によって解決される。
【0009】すなわち、表面にピットの起点になり得る
場所を高密度に分布させ、かつ、それ以外の表面の溶解
を抑制する方法についての検討を鋭意押し進めて行った
結果、480〜620℃の焼鈍→100℃以下の冷却→
200〜300℃の加熱と言う工程を経ることによっ
て、ピットの起点になる欠陥が高密度に導入され、しか
もこの欠陥部以外の場所では比較的安定で、表面の溶解
が抑えられた酸化皮膜が形成されることを見出すに至
り、本発明が達成されたのである。
【0010】本発明において、純度99.9wt%以上
のアルミニウムを用いたのは、純度が99.9wt%未
満に低下し、不純物の量が増加すると、エッチングによ
る溶解性が高くなり、ピットの分布が不均一になるから
である。従って、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ムを用いるのが大事である。好ましくは、99.98w
t%以上である。
【0011】尚、強度保持、ピット増加、その他の目的
で、例えばFe,Si,Cu,Pb,Na,Bi,i
n,Sn等の元素が加えられても良い。例えば、5〜3
0ppmのFeが加えられても良い。又、5〜30pp
mのSiが加えられても良い。又、20〜70ppmの
Cuが加えられても良い。又、0.1〜5ppmのPb
が加えられても良い。又、0.01〜10ppmのNa
が加えられても良い。但し、99.9wt%を下回らな
い範囲であることが必要である。
【0012】本発明において、焼鈍は、(100)面占
有率の高い組織とし、エッチングによる表面積拡大効果
を高める為に行われる。本発明において、アルミニウム
材(箔)の焼鈍温度を480〜620℃としたのは、4
80℃未満の低い温度では、(100)面占有率が十分
ではなく、620℃を越えた高い温度では、巻回状態に
あるアルミニウム材(箔)同士の焼付きが起き、又、そ
れだけ大きなエネルギーが必要で、高コストなものにな
るからである。より好ましい焼鈍温度は520〜580
℃である。
【0013】焼鈍時間は、例えばコイルのように巻回さ
れた状態でなければ、短時間でも済む。例えば、1時間
のような時間を掛ける必要はない。しかし、焼鈍は、通
常、コイルのように巻回された状態で行われる。このよ
うな状態で行われた場合、短時間すぎると、内部の部分
では十分な焼鈍が行われない事も有る。従って、コイル
のように巻回された状態で焼鈍を行う場合には、焼鈍時
間を1時間以上とするのが好ましい。焼鈍時間は長くて
も差し支えない。しかし、12時間を越えても、焼鈍に
よる(100)面占有率向上度は大きく改善されるもの
ではなく、コスト面の問題が起きる。従って、12時間
以下とした。より好ましくは8時間以内である。
【0014】焼鈍は、通常、真空中または不活性ガス雰
囲気中で行われる。そして、焼鈍に先立って、前処理と
して、1回以上の中間焼鈍が行われても良い。焼鈍され
たアルミニウム材(箔)は冷却される。この冷却は10
0℃以下の温度に冷却されれば良い。100℃以下の温
度であれば、室温(冬季の約5℃〜夏季の30℃)より
低い温度であっても良い。但し、室温より低い温度に冷
却するには余分なエネルギーを必要とするから、コスト
高なものになる。従って、冷却温度の下限は、通常は、
室温である。
【0015】冷却工程は、これまでにあっても行われて
いた。しかし、次工程の200〜300℃の温度に加熱
する熱処理工程を考慮すると、本発明の冷却工程はなか
ったとも言える。すなわち、本発明の冷却工程と次の熱
処理工程との共同作用により、ピットの起点になる欠陥
が高密度で均一に導入され、しかもこの欠陥部以外の場
所では比較的安定で、表面の溶解が抑えられた酸化皮膜
が形成されるのである。
【0016】冷却温度が100℃を越えた高い温度の場
合、すなわち100℃を越えた温度、例えば130℃で
冷却を中止し、この後200℃以上の高い温度で熱処理
を施しても、ピットの起点になる欠陥が高密度で均一に
導入されない。従って、100℃以下に冷却することが
大事である。より好ましい冷却温度の上限値は70℃で
ある。すなわち、70℃以下に冷却するのが好ましい。
【0017】100℃(好ましくは70℃)以下に冷却
保持する時間は、長くても良いが、長く保持する必要は
ない。すなわち、焼鈍されたアルミニウム材(箔)が1
00℃以下の温度に、一度、冷却されれば良いものであ
るから、その保持時間に絶対的な制約はない。但し、巻
回されたアルミニウム材(箔)が100℃以下の温度に
確実に冷却と言うことを考慮すると、冷却保持時間は1
〜24時間程度の時間が好ましい。
【0018】100℃(好ましくは70℃)以下に冷却
する時の冷却速度は速くても良いが、通常、10〜1×
106 ℃/時間程度である。例えば、アルミニウム材
(箔)がコイルから巻き解かれた状態で冷却される場合
の冷却速度は、1×103 〜1×106 ℃/時間と言っ
たように大きなものである。これに対して、アルミニウ
ム材(箔)がコイルの巻回状態で冷却される場合の冷却
速度は、10〜50℃/時間と言ったように小さなもの
である。どちらの状態で冷却されても良いが、冷却効率
の点からは、コイルから巻き解かれた状態(巻き解き状
態)で冷却される方が好ましい。又、巻き解かれた状態
(巻き解き状態)で冷却した場合、温度変化が急激にな
されることから、導入される欠陥が一層高密度になり、
好ましい。
【0019】100℃(好ましくは70℃)以下に冷却
された後、再度、加熱処理が行われる。この時の温度は
200〜300℃である。これは、200℃未満の温度
では、本発明が目的とする効果が得られない。300℃
を越えた高い温度でも、本発明が目的とする効果が得ら
れない。より好ましい温度は220〜280℃である。
【0020】熱処理は、アルミニウム材(箔)がコイル
から巻き解かれた状態(巻き解き状態)にある場合に
は、短時間で済む。例えば、10秒と言った短時間でも
十分な効果がある。これに対して、アルミニウム材
(箔)がコイルの巻回状態で加熱処理される場合の時間
は、1時間以上でなければ、全体の熱処理が行われ難
い。しかし、12時間を越えての熱処理が行われても、
本発明が目的とする効果の向上度は飽和状態のものにな
るから、コスト面を考慮すると12時間以内が好まし
い。より好ましくは8時間以内である。
【0021】上記焼鈍は真空中または不活性ガス雰囲気
中で行われることが好ましいのに対して、200〜30
0℃の熱処理工程は、真空中または不活性ガス雰囲気中
のみならず、大気中で行われても良い。冷却工程、加熱
工程の効率を考慮するならば、大気中で行われるのが好
ましい。尚、焼鈍に先立って、アルミニウム材(箔)を
次亜塩素酸塩含有溶液、特に次亜塩素酸塩およびアルカ
リ含有溶液で処理(浸漬とかスプレーによって溶液をア
ルミニウム材(箔)に接触)しておくことが好ましい。
このようにした場合、その後の脱水反応による酸化皮膜
中に無数の微細な欠陥が形成されるようになる。そし
て、電解エッチングによってエッチングピットが均一に
発生し、表面積が大幅に増加し、高い静電容量が得られ
るようになる。かつ、局部的に大きなエッチングピット
が形成されることもないので、折り曲げ強度も高いもの
となる。
【0022】又、前記の課題は、上記のようにして得ら
れた電解コンデンサ用アルミニウム材によって解決され
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明になる電解コンデンサ用ア
ルミニウム材(箔)の製造方法は、純度99.9wt%
以上のアルミニウム材(箔)を480〜620℃の温度
で焼鈍する焼鈍工程と、前記焼鈍工程の後、前記アルミ
ニウム材(箔)を100℃以下の温度に冷却する冷却工
程と、前記冷却工程の後、前記アルミニウム材(箔)を
200〜300℃の温度に加熱する熱処理工程とを具備
する。又、純度99.9wt%以上のアルミニウム材
(箔)を巻回状態にて480〜620℃の温度で焼鈍す
る焼鈍工程と、前記焼鈍工程の後、前記アルミニウム材
(箔)を100℃以下の温度に冷却する冷却工程と、前
記冷却工程の後、前記アルミニウム材(箔)を巻解き状
態にて200〜300℃の温度に加熱する熱処理工程と
を具備する。
【0024】以下、更に詳しく説明する。アルミニウム
材は、純度99.9wt%以上(特に、99.98wt
%以上)のものである。純度99.9wt%以上(特
に、99.98wt%以上)のものであれば、純アルミ
ニウムでも、合金でも良い。すなわち、Fe,Si,C
u,Pb,Na,Bi,in,Sn等の元素を含有する
ものでも良い。例えば、5〜30ppmのFeを含有し
ていても良い。又、5〜30ppmのSiを含有してい
ても良い。又、20〜70ppmのCuを含有していて
も良い。又、0.1〜5ppmのPbを含有していても
良い。又、0.01〜10ppmのNaを含有していて
も良い。
【0025】この純度が99.9wt%以上のアルミニ
ウム材に熱間圧延及び冷間圧延を施し、80〜110μ
mの厚さのアルミニウム箔を得る。この後、圧延油を綺
麗に除去する為、脱脂処理を行う。脱脂処理は公知の方
法を用いることが出来る。例えば、アルカリ性浴を用い
た脱脂処理、酸性浴を用いた脱脂処理、或いは有機溶剤
を用いた脱脂処理を適宜採用できる。
【0026】脱脂処理後、水洗する。水洗後、必要に応
じて、アルミニウム箔を次亜塩素酸ソーダ等の次亜塩素
酸塩及び苛性ソーダ等のアルカリを含有する水溶液中に
浸漬する。これらの含有量は、水溶液のpHが9〜1
2、特に10〜11、電気伝導率が1〜10mS/c
m、特に5〜7mS/cmになるよう設定されたもので
ある。具体的には、次亜塩素酸ソーダが1×10-3〜5
×10-1mol/l、苛性ソーダが5×10-4〜1×1
-2mol/lである。上記浸漬時の温度は、40〜8
0℃、特に50〜65℃であり、浸漬時間は15〜60
0秒、特に30〜180秒である。
【0027】所定時間経過後、アルミニウム箔を取り出
し、480〜620℃(特に、520〜580℃)の温
度で焼鈍する。焼鈍時間は、巻回された状態でなけれ
ば、短時間で済む。例えば、1時間以下でも良い。しか
し、コイルのように巻回した状態で行う場合には、焼鈍
時間は1時間以上を要する。但し、12時間以下(特
に、8時間以下)である。焼鈍は、非酸化性雰囲気、例
えば真空中または不活性ガス雰囲気中で行われる。
【0028】尚、焼鈍に先立って、前処理として、1回
以上の中間焼鈍が行われても良い。焼鈍の後、アルミニ
ウム箔を100℃以下(特に、70℃以下)の温度に冷
却する。100℃以下(特に、70℃以下)に冷却保持
する時間は、1〜24時間程度である。冷却速度は10
〜1×106 ℃/時間程度である。特に、アルミニウム
箔がコイルから巻き解かれた状態(巻き解き状態)で冷
却される場合の冷却速度は、1×103 〜1×106
/時間であり、コイルの巻回状態で冷却される場合の冷
却速度は、10〜50℃/時間である。
【0029】100℃以下に冷却した後、アルミニウム
箔は200〜300℃(特に、220〜280℃)の温
度に加熱処理される。200〜300℃(特に、220
〜280℃)の温度に加熱した時の保持時間は、アルミ
ニウム箔がコイルから巻き解かれた状態(巻き解き状
態)にある場合には、例えば10秒と言った短時間でも
良い。これに対して、アルミニウム箔がコイルの巻回状
態で加熱処理される場合の時間は、1時間以上である。
しかし、12時間以下、特に8時間以下である。
【0030】上記200〜300℃の熱処理は、真空中
または不活性ガス雰囲気中と言った非酸化性雰囲気下で
行うのみならず、大気中で行うことも出来る。そして、
熱処理後、アルミニウム箔に公知の電解エッチング処理
を施し、高圧用電解コンデンサの陽極用アルミニウム箔
を得、高圧用電解コンデンサを得た。以下、具体的実施
例を挙げて本発明を説明する。
【0031】
【実施例】半連続鋳造法により下記の表−1に示す純度
のスラブを作製し、そして通常の条件で均質化処理、面
削、熱間圧延を行った後、適宜中間焼鈍を加えながら、
冷間圧延を行って厚さ0.1mmのアルミニウム箔を得
た。この後、脱脂、水洗などを経た後、表−1に示す条
件で焼鈍、冷却、加熱処理を行った。
【0032】そして、75℃の電解エッチング液(HC
l;1mol/l,AlCl3 ;0.2mol/l)中
で電流密度0.1A/cm2 、時間60秒の条件下で第
1段直流電解エッチングを行い、次いで75℃の電解エ
ッチング液(HCl;1mol/l,AlCl3 ;0.
2mol/l)中で電流密度0.1A/cm2 、時間6
00秒の条件下で第2段直流電解エッチングを行った。
【0033】この後、通常の化成処理を施した。そし
て、上記のようにして得たアルミニウム箔を用いて高圧
用電解コンデンサを得た。 表−1 No 純度 焼 鈍 冷却 熱 処 理 (%) 温度 時間 雰囲気 温度 温度 時間 雰囲気 巻解き 1 99.91 553℃ 6hr Ar 26℃ 253℃ 1hr Ar 無し 2 99.99 522℃ 2hr 真空 50℃ 204℃ 2hr N2 無し 3 99.99 580℃ 5hr N2 70℃ 226℃ 600sec Ar 無し 4 99.99 496℃ 1hr Ar 5℃ 244℃ 0.5hr 真空 無し 5 99.98 545℃ 8hr 真空 18℃ 248℃ 50sec 大気 有り 6 99.99 614℃ 5hr N2 60℃ 228℃ 300sec N2 無し 7 99.99 572℃ 6hr Ar 95℃ 250℃ 120sec Ar 無し 8 99.99 533℃ 5hr 真空 33℃ 235℃ 4hr 真空 無し 9 99.99 525℃ 1hr N2 13℃ 277℃ 5hr Ar 無し 10 99.99 564℃ 5hr Ar 24℃ 248℃ 15sec Ar 有り 11 99.99 548℃ 2hr 真空 41℃ 296℃ 7hr Ar 無し 12 99.99 527℃ 8hr N2 38℃ 222℃ 2hr 大気 無し
【0034】
【比較例】半連続鋳造法により下記の表−2に示す純度
のスラブを作製し、そして通常の条件で均質化処理、面
削、熱間圧延を行った後、適宜中間焼鈍を加えながら、
冷間圧延を行って厚さ0.1mmのアルミニウム箔を得
た。この後、脱脂、水洗を行った後、表−2に示す条件
で焼鈍、冷却、加熱処理を行った。
【0035】そして、75℃の電解エッチング液(HC
l;1mol/l,AlCl3 ;0.2mol/l)中
で電流密度0.1A/cm2 、時間60秒の条件下で第
1段直流電解エッチングを行い、次いで75℃の電解エ
ッチング液(HCl;1mol/l,AlCl3 ;0.
2mol/l)中で電流密度0.1A/cm2 、時間6
00秒の条件下で第2段直流電解エッチングを行った。
【0036】この後、通常の化成処理を施した。そし
て、上記のようにして得たアルミニウム箔を用いて高圧
用電解コンデンサを得た。 表−2 No 純度 焼 鈍 冷却 熱 処 理 (%) 温度 時間 雰囲気 温度 温度 時間 雰囲気 巻解き 1 99.84 553℃ 6hr Ar 50℃ 250℃ 2hr Ar 無し 2 99.99 470℃ 5hr Ar 50℃ 250℃ 2hr Ar 無し 3 99.99 630℃ 5hr Ar 50℃ 250℃ 2hr Ar 無し 4 99.99 546℃ 5hr Ar 106℃ 250℃ 2hr Ar 無し 5 99.99 537℃ 5hr Ar 50℃ 191℃ 2hr Ar 無し 6 99.99 522℃ 5hr Ar 50℃ 306℃ 2hr Ar 無し 7 99.99 540℃ 5hr Ar * *No7については、冷却処理後の加熱処理を行わず。
【0037】
【特性】上記各実施例および比較例で得たアルミニウム
箔の(100)面占有率を調べると共に、各電解コンデ
ンサについて、その静電容量を測定したので、その結果
を表−3に示す。 表−3 占有率(%) 静電容量(μF/cm2 ) その他 実施例1 99.1 1.20 実施例2 99.0 1.22 実施例3 99.5 1.28 実施例4 98.4 1.20 実施例5 99.0 1.31 実施例6 99.6 1.24 実施例7 99.3 1.20 実施例8 99.4 1.27 実施例9 98.9 1.32 実施例10 99.1 1.35 実施例11 99.2 1.25 実施例12 99.4 1.22 比較例1 96.6 0.96 比較例2 81.9 0.95 比較例3 99.5 − Al箔同士焼き付き 比較例4 98.9 1.03 比較例5 99.2 1.04 比較例6 99.1 1.05 比較例7 99.3 0.86 この表−3から判る通り、純度99.9wt%以上のア
ルミニウム箔を480〜620℃の温度で焼鈍した後、
100℃以下の温度に冷却し、そして200〜300℃
の温度に加熱する熱処理工程を経て作製された電解コン
デンサは、その静電容量が大きいことが判る。又、折曲
強度も大きく、機械的強度に富む。
【0038】これに対して、480〜620℃の温度で
焼鈍した後、100℃以下の温度に冷却し、そして20
0〜300℃の温度に加熱する熱処理工程を経て作製さ
れたアルミニウム箔が用いられても、純度99.9wt
%未満のアルミニウム箔である場合、比較例1が示す通
り、静電容量が小さい。又、純度99.9wt%以上の
アルミニウム箔を焼鈍した後、100℃以下の温度に冷
却し、そして200〜300℃の温度に加熱する熱処理
工程を経て作製されたアルミニウム箔が用いられても、
焼鈍温度が480℃未満の温度である場合には、比較例
2が示す通り、静電容量が小さい。焼鈍温度が620℃
を越えた高い温度である場合には、場合によっては静電
容量が高い電解コンデンサを得ることが出来たものの、
コイル(巻回)状態で焼鈍した為、アルミニウム箔同士
に焼き付きが起こり、静電容量が高い電解コンデンサを
生産性良く得ることが出来なかった。すなわち、焼き付
きが起きた部分のアルミニウム箔を用いて作製した電解
コンデンサは、静電容量が小さいものであった。
【0039】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム箔を480〜620℃の温度で焼鈍した後、一度、冷
却し、そして200〜300℃の温度に加熱する熱処理
工程を経て作製されたアルミニウム箔が用いられても、
冷却温度が100℃を越えた高い温度である場合には、
比較例4が示す通り、静電容量が小さい。又、純度9
9.9wt%以上のアルミニウム箔を480〜620℃
の温度で焼鈍した後、100℃以下の温度に冷却し、そ
して、再度、加熱する熱処理工程を経て作製されたアル
ミニウム箔が用いられても、熱処理工程の加熱温度が2
00℃未満の低い温度である場合には、比較例5が示す
通り、静電容量が小さい。逆に、熱処理工程の加熱温度
が300℃を越えた高い温度である場合も、比較例6が
示す通り、静電容量が小さい。
【0040】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム箔を480〜620℃の温度で焼鈍した後、100℃
以下の温度に冷却されたアルミニウム箔が用いられて
も、200〜300℃の温度に加熱する熱処理工程が行
われなかった場合、比較例7が示す通り、静電容量が小
さい。
【0041】
【発明の効果】高静電容量で折曲強度も充分な電解コン
デンサ用アルミニウム箔が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22F 1/00 691 C22F 1/00 691C 692B 692 H01G 9/04 346

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度99.9wt%以上のアルミニウム
    材を480〜620℃の温度で焼鈍する焼鈍工程と、 前記焼鈍工程の後、前記アルミニウム材を100℃以下
    の温度に冷却する冷却工程と、 前記冷却工程の後、前記アルミニウム材を200〜30
    0℃の温度に加熱する熱処理工程とを具備することを特
    徴とする電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法。
  2. 【請求項2】 純度99.9wt%以上のアルミニウム
    材を巻回状態にて480〜620℃の温度で焼鈍する焼
    鈍工程と、 前記焼鈍工程の後、前記アルミニウム材を100℃以下
    の温度に冷却する冷却工程と、 前記冷却工程の後、前記アルミニウム材を巻解き状態に
    て200〜300℃の温度に加熱する熱処理工程とを具
    備することを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】 焼鈍時間が1〜12時間であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2の電解コンデンサ用アル
    ミニウム材の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱処理工程における200〜300℃の
    加熱時間が10秒〜12時間であることを特徴とする請
    求項1又は請求項2の電解コンデンサ用アルミニウム材
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 焼鈍工程が真空中または不活性ガス雰囲
    気中で行われ、熱処理工程が大気中、真空中または不活
    性ガス雰囲気中で行われることを特徴とする請求項1〜
    請求項4いずれかの電解コンデンサ用アルミニウム材の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5いずれかの電解コン
    デンサ用アルミニウム材の製造方法により得た電解コン
    デンサ用アルミニウム材。
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