JPH1136033A - 電解コンデンサ用アルミニウム材 - Google Patents

電解コンデンサ用アルミニウム材

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JPH1136033A
JPH1136033A JP19023497A JP19023497A JPH1136033A JP H1136033 A JPH1136033 A JP H1136033A JP 19023497 A JP19023497 A JP 19023497A JP 19023497 A JP19023497 A JP 19023497A JP H1136033 A JPH1136033 A JP H1136033A
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ppm
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less
electrolytic capacitor
average concentration
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JP19023497A
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Takeshi Itagaki
武志 板垣
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MA Aluminum Corp
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面積の拡大が大きく、高い静電容量が得ら
れる高圧用電解コンデンサの陽極用アルミニウム箔を提
供することである。 【解決手段】 純度99.9wt%以上のアルミニウム
材であって、Na含有量が0.01ppm以上、10p
pm未満、Mg含有量が0.1ppm以上、10ppm
未満の電解コンデンサ用アルミニウム材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、高圧用電解コン
デンサの陽極として好適な静電容量を持つアルミニウム
箔に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高圧用電解コンデンサの陽極と
して用いられるアルミニウム箔は、高い静電容量を得る
為、例えば塩酸を主体とした水溶液中で直流電源を用い
た電気化学的なエッチングによる粗面化(表面積拡大)
処理が行われている。このような処理により形成される
エッチングのピットは、微細なキャピラリ状である。そ
して、粗面化率はピットの密度によって決まる。従っ
て、高い静電容量を得る為には、ピットの形成が均一、
かつ、高密度である必要がある。
【0003】このような均一、かつ、高密度のピットを
形成する為、従来より、各種の提案がなされている。例
えば、特公昭62−42370号公報や特開平1−12
8419号公報では、Pb,Bi,In,Sn等の元素
をアルミニウム箔の表面に濃縮させる方法が提案されて
いる。すなわち、アルミニウム箔の表面に前記元素を高
濃度に存在させていると、酸化皮膜が化学的に不安定な
ものになり、表面の溶解性を高めると謳われている。
【0004】又、特開平6−65664号公報では、A
l純度が99.5wt%以上であって、Siを含有する
と共に、Zn0.001〜0.05wt%、Cu0.0
01〜0.01wt%、Ti≦0.001wt%、Ni
≦0.002wt%、及びその他不可避不純物を含有
し、かつ、酸化皮膜中のSi析出量と酸化皮膜外におけ
るSi析出量との比が、〔(酸化皮膜中のSi析出量/
酸化皮膜外におけるSi析出量)〕≦1であり、そして
Mg,Li,及びNaよりなる群から選ばれた少なくと
も一種の元素を0.001〜0.10wt%含有し、該
元素の酸化皮膜中における含有量は該元素の総量に対し
て5〜50%である電解コンデンサ電極用アルミニウム
合金箔が提案されている。これによれば、Si,Zn,
Cu,Ti,Niを上記のような割合にしたので、表面
酸化皮膜のエッチング性が向上し、表面積の拡大が図
れ、高い静電容量の電解コンデンサが得られると謳われ
ている。又、Mg,Li,及びNaよりなる群から選ば
れた少なくとも一種の元素を0.001〜0.10wt
%含有していると、Siの析出を抑制し、エッチング性
が向上すると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案の技
術は、エッチングピットの密度が増加するものの、エッ
チングピット以外の部分の表面溶解も激しく、電流がエ
ッチングピットの成長に有効に使われなかったり、箔厚
の減少によりピットの長さが不十分と言った問題が残さ
れている。すなわち、表面積拡大が十分ではない。
【0006】従って、本発明が解決しようとする課題
は、表面積の拡大が大きく、高い静電容量が得られる高
圧用電解コンデンサの陽極用アルミニウム箔を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、純度9
9.9wt%以上のアルミニウム材であって、Na含有
量が0.01ppm以上、10ppm未満、Mg含有量
が0.1ppm以上、10ppm未満であることを特徴
とする電解コンデンサ用アルミニウム材によって解決さ
れる。
【0008】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム材であって、Na含有量が0.01ppm以上、10
ppm未満、Mg含有量が0.1ppm以上、10pp
m未満であり、表面から深さ1μmまでの層におけるN
aの平均濃度、Mgの平均濃度が、各々、深さ1μmよ
り内部の層におけるNaの平均濃度、Mgの平均濃度よ
り大きいことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウ
ム材によって解決される。
【0009】又、更に、Si含有量が1ppm以上、1
00ppm以下であり、上記特徴を有する電解コンデン
サ用アルミニウム材によって解決される。又、更に、F
e含有量が1ppm以上、100ppm以下であり、上
記特徴を有する電解コンデンサ用アルミニウム材によっ
て解決される。又、更に、Cu含有量が1ppm以上、
100ppm以下であり、上記特徴を有する電解コンデ
ンサ用アルミニウム材によって解決される。
【0010】又、更に、Pb含有量が0.1ppm以
上、10ppm以下であり、上記特徴を有する電解コン
デンサ用アルミニウム材によって解決される。本発明に
おいて、純度99.9wt%以上のアルミニウムを用い
たのは、純度が99.9wt%未満に低下し、不純物の
量が増加すると、エッチングによる溶解性が高くなり、
ピットの分布が不均一になるからである。従って、純度
99.9wt%以上のアルミニウムを用いるのが大事で
ある。好ましくは、99.98wt%以上である。
【0011】本発明において、Mgを必須成分とするの
は、Mgがピットの起点となり得る酸化皮膜の欠陥を多
くする作用があるからによる。しかし、Mgは、皮膜の
溶解性を著しく低下させる。この為、Mgに起因する欠
陥が全てピットの起点になる訳ではない。一方、Na
は、表面溶解性を高め、ピットの発生を容易にする作用
がある。しかし、表面積拡大に寄与しない表面溶解も促
進させる。
【0012】従って、MgとNaとを共存させ、これら
の量を微妙に制御することによって、上手く表面積の拡
大を図ることが出来る。すなわち、Mgの添加によって
導入された酸化皮膜の欠陥の殆どがNaの作用によって
活性になり、その他の部分はMgの作用によって相対的
に不活性となる為、ピットが高密度で、かつ、均一に発
生し、表面積の拡大に寄与しない表面溶解を最小限に抑
えつつ、表面積の拡大に有効なトンネル状ピットが成長
する。
【0013】このようなMgとNaとの微妙な共同作用
は、Mgが0.1ppm以上、10ppm未満、かつ、
Naが0.01ppm以上、10ppm未満の場合に発
揮される。好ましくは、Mgが0.2〜7ppm、Na
が0.02〜7ppmである。尚、Naが10ppm以
上になると、Mg共存下でも表面溶解性が高くなり、表
面積の拡大効果が低下し、又、Mgが10ppm以上に
なると、Na共存下でも皮膜の欠陥部の活性度が低下
し、表面積の拡大効果が低下する。又、Mgが0.1p
pm未満であると、ピットの起点となり得る酸化皮膜の
欠陥が少なく、表面積の拡大効果が得られない。又、N
aが0.01ppm未満であると、表面溶解性が低く、
表面積の拡大効果が得られない。
【0014】MgとNaとを共存させる技術思想は、前
記した特開平6−65664号公報には認められない。
特開平6−65664号公報にあっては、Mg又はNa
はSiの析出を抑制する作用に着目して含有させられた
ものであり、本発明者が着目したMgとNaとの共同作
用については全く触れる処がない。因みに、発明のベス
トモードを記載した実施例にあっても、特開平6−65
664号公報ではMgとNaとを共存させた例が挙げら
れていない。又、Mgを含有させた電解コンデンサ用ア
ルミニウム箔の例として特許第2572479号明細書
があるが、これにおいてもNaを共存させる技術思想は
ない。Naを含有させた電解コンデンサ用アルミニウム
箔の例としては特開平8−27549号公報や特開平8
−148387号公報があるが、これ等においてもMg
を共存させる技術思想はない。
【0015】Na,Mgは表面層に高濃度で存在してい
るのが好ましい。つまり、表面から1μm以内の表面層
におけるNa濃度やMg濃度と、前記より深い内部にお
けるNa濃度やMg濃度とを比べた場合、表面層におけ
るNa濃度>内部におけるNa濃度、表面層におけるM
g濃度>内部におけるMg濃度であるのが好ましい。す
なわち、表面から深さ1μmまでの層におけるNaの平
均濃度>深さ1μmより内部の層におけるNaの平均濃
度、表面から深さ1μmまでの層におけるMgの平均濃
度>深さ1μmより内部の層におけるMgの平均濃度で
ある場合、エッチングによる表面積の拡大効果が一層大
きい。
【0016】Si,Fe,Cuは、強度の付与及び(1
00)面占有率を高める為に添加される。エッチングに
よる表面積の拡大効果を一層大きなものとする為には、
Si,Fe,Cuは1ppm以上とする必要がある。し
かし、100ppmを越えた含有量では、不均一溶解の
原因になる。従って、Si,Fe,Cuは、各々、1〜
100ppmとした。好ましくは、Siが5〜30pp
m、Feが5〜30ppm、Cuが10〜70ppmで
ある。
【0017】Pbはピット密度を増加させる作用があ
る。エッチングによる表面積の拡大効果を一層大きなも
のとする為には、Pbは0.1ppm以上とする必要が
ある。しかし、10ppmを越えた含有量では、不均一
溶解の原因になる。従って、Pbは、0.1〜10pp
mとした。好ましくは、Pbが0.2〜2ppmであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明になる電解コンデンサ用ア
ルミニウム材(箔)は、純度99.9wt%以上のアル
ミニウム材(箔)であって、Na含有量が0.01pp
m以上、10ppm未満(特に、0.02〜7pp
m)、Mg含有量が0.1ppm以上、10ppm未満
(特に、0.2〜7ppm)である。又、純度99.9
wt%以上のアルミニウム材(箔)であって、Na含有
量が0.01ppm以上、10ppm未満(特に、0.
02〜7ppm)、Mg含有量が0.1ppm以上、1
0ppm未満(特に、0.2〜7ppm)であり、表面
から深さ1μmまでの層におけるNaの平均濃度、Mg
の平均濃度が、各々、深さ1μmより内部の層における
Naの平均濃度、Mgの平均濃度より大きいものであ
る。
【0019】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム材(箔)であって、Na含有量が0.01ppm以
上、10ppm未満(特に、0.02〜7ppm)、M
g含有量が0.1ppm以上、10ppm未満(特に、
0.2〜7ppm)、Si含有量が1ppm以上、10
0ppm以下(特に、5〜30ppm)である。又、純
度99.9wt%以上のアルミニウム材(箔)であっ
て、Na含有量が0.01ppm以上、10ppm未満
(特に、0.02〜7ppm)、Mg含有量が0.1p
pm以上、10ppm未満(特に、0.2〜7pp
m)、Si含有量が1ppm以上、100ppm以下
(特に、5〜30ppm)であり、表面から深さ1μm
までの層におけるNaの平均濃度、Mgの平均濃度が、
各々、深さ1μmより内部の層におけるNaの平均濃
度、Mgの平均濃度より大きいものである。
【0020】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム材(箔)であって、Na含有量が0.01ppm以
上、10ppm未満(特に、0.02〜7ppm)、M
g含有量が0.1ppm以上、10ppm未満(特に、
0.2〜7ppm)、Fe含有量が1ppm以上、10
0ppm以下(特に、5〜30ppm)である。又、純
度99.9wt%以上のアルミニウム材(箔)であっ
て、Na含有量が0.01ppm以上、10ppm未満
(特に、0.02〜7ppm)、Mg含有量が0.1p
pm以上、10ppm未満(特に、0.2〜7pp
m)、Fe含有量が1ppm以上、100ppm以下
(特に、5〜30ppm)であり、表面から深さ1μm
までの層におけるNaの平均濃度、Mgの平均濃度が、
各々、深さ1μmより内部の層におけるNaの平均濃
度、Mgの平均濃度より大きいものである。
【0021】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム材(箔)であって、Na含有量が0.01ppm以
上、10ppm未満(特に、0.02〜7ppm)、M
g含有量が0.1ppm以上、10ppm未満(特に、
0.2〜7ppm)、Cu含有量が1ppm以上、10
0ppm以下(特に、10〜70ppm)である。又、
純度99.9wt%以上のアルミニウム材(箔)であっ
て、Na含有量が0.01ppm以上、10ppm未満
(特に、0.02〜7ppm)、Mg含有量が0.1p
pm以上、10ppm未満(特に、0.2〜7pp
m)、Cu含有量が1ppm以上、100ppm以下
(特に、10〜70ppm)であり、表面から深さ1μ
mまでの層におけるNaの平均濃度、Mgの平均濃度
が、各々、深さ1μmより内部の層におけるNaの平均
濃度、Mgの平均濃度より大きいものである。
【0022】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム材(箔)であって、Na含有量が0.01ppm以
上、10ppm未満(特に、0.02〜7ppm)、M
g含有量が0.1ppm以上、10ppm未満(特に、
0.2〜7ppm)、Pb含有量が0.1ppm以上、
10ppm以下(特に、0.2〜2ppm)である。
又、純度99.9wt%以上のアルミニウム材(箔)で
あって、Na含有量が0.01ppm以上、10ppm
未満(特に、0.02〜7ppm)、Mg含有量が0.
1ppm以上、10ppm未満(特に、0.2〜7pp
m)、Pb含有量が0.1ppm以上、10ppm以下
(特に、0.2〜2ppm)であり、表面から深さ1μ
mまでの層におけるNaの平均濃度、Mgの平均濃度
が、各々、深さ1μmより内部の層におけるNaの平均
濃度、Mgの平均濃度より大きいものである。
【0023】又、純度99.9wt%以上のアルミニウ
ム材(箔)であって、Na含有量が0.01ppm以
上、10ppm未満(特に、0.02〜7ppm)、M
g含有量が0.1ppm以上、10ppm未満(特に、
0.2〜7ppm)、Si含有量が1ppm以上、10
0ppm以下(特に、5〜30ppm)、Fe含有量が
1ppm以上、100ppm以下(特に、5〜30pp
m)、Cu含有量が1ppm以上、100ppm以下
(特に、10〜70ppm)、Pb含有量が0.1pp
m以上、10ppm以下(特に、0.2〜2ppm)で
ある。又、純度99.9wt%以上のアルミニウム材
(箔)であって、Na含有量が0.01ppm以上、1
0ppm未満(特に、0.02〜7ppm)、Mg含有
量が0.1ppm以上、10ppm未満(特に、0.2
〜7ppm)、Si含有量が1ppm以上、100pp
m以下(特に、5〜30ppm)、Fe含有量が1pp
m以上、100ppm以下(特に、5〜30ppm)、
Cu含有量が1ppm以上、100ppm以下(特に、
10〜70ppm)、Pb含有量が0.1ppm以上、
10ppm以下(特に、0.2〜2ppm)であり、表
面から深さ1μmまでの層におけるNaの平均濃度、M
gの平均濃度が、各々、深さ1μmより内部の層におけ
るNaの平均濃度、Mgの平均濃度より大きいものであ
る。
【0024】本発明になる電解コンデンサ用アルミニウ
ム箔は、上記した元素が上記した割合になるアルミニウ
ム合金の鋳塊を均質化処理、面削、熱間圧延を行った
後、適宜中間焼鈍を加えながら冷間圧延を施し、80〜
110μmの厚さのアルミニウム箔を得る。この後、圧
延油を綺麗に除去する為、脱脂処理を行う。脱脂処理は
公知の方法を用いることが出来る。例えば、アルカリ性
浴を用いた脱脂処理、酸性浴を用いた脱脂処理、或いは
有機溶剤を用いた脱脂処理を適宜採用できる。
【0025】脱脂処理後、水洗する。水洗後、必要に応
じて、アルミニウム箔を次亜塩素酸ソーダ等の次亜塩素
酸塩及び苛性ソーダ等のアルカリを含有する水溶液中に
浸漬する。これらの含有量は、水溶液のpHが9〜1
2、特に10〜11、電気伝導率が1〜10mS/c
m、特に5〜7mS/cmになるよう設定されたもので
ある。具体的には、次亜塩素酸ソーダが1×10-3〜5
×10-1mol/l、苛性ソーダが5×10-4〜1×1
-2mol/lである。上記浸漬時の温度は、40〜8
0℃、特に50〜65℃であり、浸漬時間は15〜60
0秒、特に30〜180秒である。
【0026】所定時間経過後、アルミニウム箔を取り出
し、480〜620℃(特に、520〜580℃)の温
度で焼鈍する。焼鈍時間は、1〜12時間(特に、1〜
8時間)である。焼鈍は、非酸化性雰囲気、例えば真空
中または不活性ガス(ArやN2 ガス)雰囲気中で行わ
れる。焼鈍の後、アルミニウム箔を100℃以下(特
に、70℃以下)の温度に冷却する。
【0027】100℃以下に冷却した後、アルミニウム
箔を200〜300℃(特に、220〜280℃)の温
度に加熱処理する。この加熱処理は、10秒〜8時間で
ある。加熱処理は、真空中または不活性ガス雰囲気中と
言った非酸化性雰囲気下で行うのみならず、大気中で行
うことも出来る。そして、加熱処理後、アルミニウム箔
に公知の電解エッチング処理を施し、高圧用電解コンデ
ンサの陽極用アルミニウム箔を得る。
【0028】以下、具体的実施例を挙げて本発明を説明
する。
【0029】
【実施例1〜14】半連続鋳造法により下記の表−1,
2に示す組成のものとなるスラブを作製し、そして通常
の条件で均質化処理、面削、熱間圧延を行った後、適宜
中間焼鈍を加えながら、冷間圧延を行って厚さ0.1m
mのアルミニウム箔を得た。この後、脱脂、水洗などを
経た後、Arガス雰囲気下で550℃に5時間保持して
焼鈍を加えた。
【0030】このようにして得られたアルミニウム箔
に、75℃の電解エッチング液(HCl;1mol/
l,H2 SO4 ;2mol/l)中で電流密度0.1A
/cm2、時間600秒の条件下で第1段直流電解エッ
チングを行い、次いで85℃のエッチング液(HN
3 ;0.5mol/l)中に600秒浸漬の化学エッ
チングを行った。
【0031】この後、10%アジピン酸アンモニウム溶
液中で200vの化成処理を施した。そして、上記のよ
うにして得たアルミニウム箔を用いて高圧用電解コンデ
ンサを得た。 表−1 化学組成(ppm) No Na Mg Si Fe Cu Pb Al 1 0.01 3.2 10 11 34 0.8 残り 2 4.9 1.8 7 9 49 0.4 残り 3 9.7 4.8 15 9 26 0.3 残り 4 6.2 0.1 6 10 55 0.9 残り 5 3.2 9.8 5 5 10 1.2 残り 6 0.03 7.5 20 64 97 9.4 残り 7 8.5 0.4 88 35 68 4.6 残り 8 6.1 6.5 32 38 70 0.6 残り 9 1.4 2.7 18 14 30 1.8 残り 10 0.01 3.2 10 11 34 0.8 残り 11 4.9 1.8 7 9 49 0.4 残り 12 9.7 4.8 15 9 26 0.3 残り 13 6.2 0.1 6 10 55 0.9 残り 14 3.2 9.8 5 5 10 1.2 残り 表−2 表面から深さ1μmまでの層における平均濃度(ppm) No Na Mg 1 2600 2400 2 22000 15000 3 5400 1400 4 800 500 5 3700 8000 6 240 150 7 1500 3800 8 13000 6000 9 7200 4000 10 0.01 3.2 11 4.9 1.8 12 9.7 4.8 13 6.2 0.1 14 3.2 9.8 *グロー放電質量分析装置を用いて放電条件0.5mA,0.5kvで測定
【0032】
【比較例1〜4】半連続鋳造法により下記の表−3,4
に示す組成のものとなるスラブを作製し、そして通常の
条件で均質化処理、面削、熱間圧延を行った後、適宜中
間焼鈍を加えながら、冷間圧延を行って厚さ0.1mm
のアルミニウム箔を得た。この後、脱脂、水洗などを経
た後、Arガス雰囲気下で550℃に5時間保持して焼
鈍を加えた。
【0033】このようにして得られたアルミニウム箔
に、75℃の電解エッチング液(HCl;1mol/
l,H2 SO4 ;2mol/l)中で電流密度0.1A
/cm2、時間600秒の条件下で第1段直流電解エッ
チングを行い、次いで85℃のエッチング液(HN
3 ;0.5mol/l)中に600秒浸漬の化学エッ
チングを行った。
【0034】この後、10%アジピン酸アンモニウム溶
液中で200vの化成処理を施した。そして、上記のよ
うにして得たアルミニウム箔を用いて高圧用電解コンデ
ンサを得た。 表−3 化学組成(ppm) No Na Mg Si Fe Cu Pb Al 1 0.00 5.0 12 21 39 0.6 残り 2 12 5.2 14 17 45 0.3 残り 3 5.3 0.0 20 13 29 1.1 残り 4 5.4 13 9 7 33 0.9 残り 表−4 表面から深さ1μmまでの層における平均濃度(ppm) No Na Mg 1 0.00 5.0 2 12 5.2 3 5.3 0.0 4 5.4 13 *グロー放電質量分析装置を用いて放電条件0.5mA,0.5kvで測定
【0035】
【特性】上記各実施例および比較例で得た電解コンデン
サについて、その静電容量を測定したので、その結果を
表−5に示す。 表−5 静電容量(μF/cm2 ) 実施例No1 1.32 実施例No2 1.37 実施例No3 1.35 実施例No4 1.30 実施例No5 1.36 実施例No6 1.34 実施例No7 1.38 実施例No8 1.37 実施例No9 1.38 実施例No10 1.21 実施例No11 1.25 実施例No12 1.27 実施例No13 1.22 実施例No14 1.26 比較例No1 0.94 比較例No2 0.98 比較例No3 0.92 比較例No4 0.99 この表−5から、Na含有量が0.01ppm以上、1
0ppm未満、Mg含有量が0.1ppm以上、10p
pm未満の純度が99.9wt%以上のアルミニウム箔
は、静電容量が大きなことが判る。
【0036】これに対して、Mg含有量が0.1ppm
以上、10ppm未満であっても、Na含有量が0.0
1ppm以上、10ppm未満の要件が外れたアルミニ
ウム箔は、比較例1,2が示す通り、静電容量が小さ
い。又、Na含有量が0.01ppm以上、10ppm
未満であっても、Mg含有量が0.1ppm以上、10
ppm未満の要件が外れたアルミニウム箔は、比較例
3,4が示す通り、静電容量が小さい。
【0037】すなわち、比較例1,2,3,4と実施例
との対比から、NaとMgとの共同作用、特に0.01
ppm以上、10ppm未満のNaと0.1ppm以
上、10ppm未満のMgとの共同作用により、静電容
量が著しく大きなアルミニウム箔が得られることが判
る。又、実施例1〜9と実施例10〜14とを対比する
と、表面から深さ1μmまでの層におけるNaの平均濃
度、Mgの平均濃度が、各々、深さ1μmより内部の層
におけるNaの平均濃度、Mgの平均濃度より大きい場
合の方が、一層大きな静電容量を持つものとなってい
る。
【0038】
【発明の効果】高い静電容量を持つ電解コンデンサ電極
用アルミニウム箔が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度99.9wt%以上のアルミニウム
    材であって、 Na含有量が0.01ppm以上、10ppm未満、 Mg含有量が0.1ppm以上、10ppm未満である
    ことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム材。
  2. 【請求項2】 純度99.9wt%以上のアルミニウム
    材であって、 Na含有量が0.01ppm以上、10ppm未満、 Mg含有量が0.1ppm以上、10ppm未満、 表面から深さ1μmまでの層におけるNaの平均濃度、
    Mgの平均濃度が、各々、深さ1μmより内部の層にお
    けるNaの平均濃度、Mgの平均濃度より大きいことを
    特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム材。
  3. 【請求項3】 Si含有量が1ppm以上、100pp
    m以下である請求項1又は請求項2の電解コンデンサ用
    アルミニウム材。
  4. 【請求項4】 Fe含有量が1ppm以上、100pp
    m以下である請求項1〜請求項3いずれかの電解コンデ
    ンサ用アルミニウム材。
  5. 【請求項5】 Cu含有量が1ppm以上、100pp
    m以下である請求項1〜請求項4いずれかの電解コンデ
    ンサ用アルミニウム材。
  6. 【請求項6】 Pb含有量が0.1ppm以上、10p
    pm以下である請求項1〜請求項5いずれかの電解コン
    デンサ用アルミニウム材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008153347A (ja) * 2006-12-15 2008-07-03 Mitsubishi Alum Co Ltd 電解コンデンサ用アルミニウム箔およびその製造方法
KR100935502B1 (ko) 2001-08-03 2010-01-06 쇼와 덴코 가부시키가이샤 전해 콘덴서 전극용 알루미늄재의 제조 방법

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