JP2009102741A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材及び電解コンデンサ用電極材の製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材及び電解コンデンサ用電極材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 精確な雰囲気制御を要することなく、短時間で処理でき、アルミニウム表層酸化膜が均質でエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法等を提供する。
【解決手段】 アルミニウムスラブに熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を実施してアルミニウム材としたのち、このアルミニウム材を加熱体との接触により加熱する。加熱体の表面温度は80〜400℃、アルミニウム材と加熱体との接触時間は0.001〜30秒であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

この発明は、電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材の製造方法及びアルミニウム電解コンデンサに関する。
なお、この明細書において「アルミニウム」の語はその合金を含む意味で用い、アルミニウム材には箔と板およびこれらを用いた成形体が含まれる。
アルミニウム電解コンデンサ用電極材として一般に用いられているアルミニウム材は、大きな表面積を有して単位面積当たりの静電容量の大きいものであることが要求されるため、電気化学的あるいは化学的エッチング処理を施して、アルミニウム材の実効面積を拡大することが行われている。
直流エッチング法でトンネル状ピットを生成させる電解コンデンサ用アルミニウム材は、アルミニウム材料の溶解成分調整、スラブ鋳造、均熱処理、熱間圧延、冷間圧延、仕上冷間圧延(低圧下圧延)を行った後、 (100)面の結晶方位を発達させるために、500℃前後の温度での最終焼鈍することにより製造される。ここで、最終焼鈍とは、仕上げ冷間圧延の後もしくは仕上げ冷間圧延、洗浄の後に実施する工程である。
エッチング前のアルミニウム材の表層酸化膜が厚すぎるとエッチピットの生成が妨害されるため、前記最終焼鈍はアルミニウム材の表層酸化膜の成長を抑制するために真空雰囲気もしくは不活性ガス雰囲気中で行われる。このため、最終焼鈍後に得られる表層酸化膜は薄く、酸水溶液中やアルカリ水溶液中で溶解しやすいものとなる。
しかしながら、最終焼鈍前に行われる洗浄後の表面状態や、洗浄以前に行われる圧延により得られる表面状態の影響により、最終焼鈍後に得られるアルミニウム材の表層は、微小領域において不均質なものになりやすい。
また、最終焼鈍により生成するアルミニウム材の表層酸化膜は、最終焼鈍前のアルミニウム材表面に存在する水分やAl-OH基、焼鈍雰囲気中に含まれる微量酸素等の影響を受ける。このため、コイルの状態でアルミニウム材を焼鈍する場合には、コイルの幅方向および長手方向で酸化の程度が異なり、エッチング特性がばらつく恐れがある。
最終焼鈍後のアルミニウム材のエッチング特性を均一なものにし静電容量を向上させるには、最終焼鈍後にアルミニウム材の表層をさらに酸化させることが有効である。
下記特許文献1には、最終焼鈍後のアルミニウム材を大気中、真空中もしくは不活性雰囲気中で加熱し、表面にピットの基点となる欠陥を多く生成させ、それ以外の表面の溶解を防止し静電容量を向上させる方法が開示されている。
下記特許文献2には、最終焼鈍(仕上焼鈍)後のアルミニウム箔をアルカリ水溶液で洗浄した後、150〜400℃にて雰囲気加熱することにより静電容量の向上とばらつきの低減を図っている。
しかしながら、上記従来の最終焼鈍後の加熱処理は大気中、真空中あるいは不活性ガス中で行われるため、酸素や水蒸気量の影響を受けやすく、再現性良く酸化膜をエッチングに適したものにするには水蒸気量等精確な雰囲気制御が必要であり、アルミニウム箔表面が目的の温度に達するのに時間がかかるという問題点があった。
特開平11−36053号公報 特開平5−255821号公報
この発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、精確な雰囲気制御を要することなく、短時間で処理でき、アルミニウム材の表層酸化膜が均一でエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材の製造方法及びアルミニウム電解コンデンサを提供することを課題とする。
本発明は、以下の手段を提供する。即ち、
(1)アルミニウムスラブに熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を実施してアルミニウム材としたのち、このアルミニウム材を加熱体との接触により加熱することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(2)加熱体の表面温度が80〜400℃、アルミニウム材と加熱体との接触時間が0.001〜60秒である前項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(3)最終焼鈍がアルミニウム実体温度450〜600℃にて不活性ガス雰囲気中で行われる請求項1または前項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム電極材の製造方法
(4)加熱体が熱ロールである前項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(5)加熱体との接触後、アルミニウム材を冷却する前項1〜4のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(6)アルミニウム材の冷却を冷却ロールとの接触により行う前項5に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(7)前項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造された電解コンデンサ用アルミニウム材。
(8)中圧用または高圧用である前項7に記載の電解コンデンサ用アルミニウム材。
(9)前項1〜6のいずれかに記載の製造方法によって製造されたアルミニウム材に、焼鈍後、エッチングを実施することを特徴とする電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(10)エッチングが直流エッチングである前項9に記載の電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(11)電極材として、前項9または前項10に記載の製造方法によって製造されたアルミニウム電極材が用いられていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
上記のように、この発明は、アルミニウムスラブに熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を実施してアルミニウム材としたのち、このアルミニウム材を加熱体との接触により加熱することを特徴とする。
即ち、最終焼鈍後に加熱体との接触によりアルミニウム材を加熱することにより、アルミニウム材の表層酸化膜を均一なものにし、これによりエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得ることが出来る。加熱方法として接触加熱を用いるのは、加熱体表面により、短時間で均一にアルミニウム材の表面を目的の温度に到達させることができ、制御が比較的容易であり生産性に優れる、急速かつ短時間で加熱できるため雰囲気の影響を受けにくい、アルミニウム材の幅方向・長手方向に均一な酸化膜が形成できる、という利点を有するためである。
この発明は、最終焼鈍後に加熱体との接触によりアルミニウム材を加熱することにより、アルミニウム材の表層酸化膜を均質にでき、エッチング特性に優れた電解コンデンサ用アルミニウム材を製造することができる。特に、加熱方法として接触加熱を用いるから、均一に短時間でアルミニウム箔表面を目的の温度に到達させることができるため、温度制御が比較的容易で、しかも急速かつ短時間で加熱できるため雰囲気の影響を少なくできる。従って、この電解コンデンサ用アルミニウム材をエッチングすることにより、エッチピットが均一に生成し、その結果拡面率を向上でき、ひいては静電容量の増大した電解コンデンサ電極材となし得、結果として、大きな静電容量を有するアルミニウム電解コンデンサを得ることができる。
以下に、電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法を説明する。
アルミニウム材の純度は電解コンデンサ用に使用される範囲であれば特に限定されないが、純度99.9質量%以上のものが好ましく、特に99.95質量%以上が好ましい。なお、本発明においてアルミニウム材の純度は100%からFe,Si, Cu, Mn, Cr, Zn, TiおよびGaの合計濃度(質量%)を差し引いた値とする。
アルミニウム材の製造は、特に限定されず、アルミニウム材料の溶解成分調整・スラブ鋳造、均熱処理、熱間圧延、冷間圧延、仕上冷間圧延(低圧下圧延)、最終焼鈍、接触加熱の順に実施されるが、アルミニウム材のエッチング条件との関係で、アルミニウム材の製造工程条件は適宜変更される。なお、圧延工程の途中において、前工程の圧延により生じたアルミニウム材の結晶組織の歪みを解消する目的で焼鈍(中間焼鈍と称す)を実施しても良い。
また、熱間圧延後、冷間圧延途中あるいは仕上冷間圧延後最終焼鈍前においてアルミニウム表面の不純物や油分を除去する目的で洗浄を行ってもよい。前記洗浄に用いる洗浄液は特に限定されないが、例えばアルカリ水溶液、酸水溶液、有機溶剤等が用いられる。
熱間圧延後のアルミニウム材は最終焼鈍後の接触加熱までコイルの状態で処理してもよく、途中の工程でアルミニウム材を切断し、カットサンプルとして処理しても良い。コイルの状態で処理する場合には、例えば最終焼鈍前、最終焼鈍後、接触加熱後等任意の工程間においてスリットを行っても良い。
仕上冷間圧延後、要すれば洗浄等を行った後、アルミニウム材の結晶組織の方位を(100)方位に整えてエッチング特性を向上させることを主目的として最終焼鈍がなされる。
この最終焼鈍においては、酸化膜の厚さを最終焼鈍工程で増大させ過ぎて、エッチング特性を劣化させないように、最終焼鈍後の酸化皮膜の合計厚さがハンターホール法(M.S.Hunter and P. Fowle, J. Electrochem. Soc., 101[9], 483(1954)参照)による厚さで2.5〜5nmとなるように最終焼鈍を実施するのが好ましい。また、最終焼鈍後のアルミニウム材の(100)面積率は90%以上が好ましい。
この最終焼鈍における処理雰囲気は特に限定されるものではないが、酸化皮膜の厚さを増大させすぎないように、水分および酸素の少ない雰囲気中で加熱するのが好ましい。具体的には、アルゴン、窒素などの不活性ガス中あるいは0.1Pa以下の真空中で加熱することが好ましい。
最終焼鈍の方法は特に限定されるものではなく、コイルに巻き取った状態でバッチ焼鈍しても良く、コイルを巻き戻し連続焼鈍した後コイルに巻き取っても良く、バッチ焼鈍と連続焼鈍の少なくともどちらかを複数回行っても良い。
最終焼鈍時の温度、時間は特に限定されるものではないが、例えばコイルの状態でバッチ焼鈍を行う場合は、アルミニウム実体温度450〜600℃にて、10〜50時間焼鈍するのが好ましい。アルミニウム実体温度が450℃未満、時間が10分未満では、アルミニウム表層の状態がエッチングに適したものにならない可能性があり、(100)面の結晶方位の発達も不十分となる恐れがあるからである。逆に600℃を越えて焼鈍すると、コイルでバッチ焼鈍する場合はアルミニウム材が密着を起こし易くなり、また50時間を超えて焼鈍してもエッチング面積拡大効果は飽和し、却って熱エネルギーコストの増大を招く。特に好ましい温度は、アルミニウム実体温度で460〜580℃、時間は20分〜40時間である。
また、昇温速度・パターンは特に限定されず、一定速度で昇温させても良く、昇温、温度保持を繰り返しながらステップ昇温・冷却させても良く、焼鈍工程にてアルミニウム実体温度450〜600℃の温度域で合計10分〜50時間焼鈍されれば良い。
最終焼鈍後のアルミニウム材は、必要に応じて表面を洗浄した後、その表層酸化膜を均質なものにするために接触加熱される。加熱手段は、熱ロール、加熱ベルト、加熱板など接触加熱が可能なものであれば良く、片面ずつ加熱しても良く、裏表の一方のみを加熱してもよい。加熱体の加熱表面の材質としては、ステンレス、メッキ、セラミックス、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂等自由に選択できるが、アルミニウム材の表面酸化膜が加熱体の表面に凝着しない物質が好ましい。
アルミニウム材に接触させる加熱体の表面温度は80〜400℃が好ましい。加熱体の表面温度が80℃未満では、加熱が不十分となり、エッチングによりエッチピットが均一に生成しない恐れがある。一方、400℃より高くなると、酸化膜が厚くなりすぎ、冷却時に皺が発生し、操業上の問題が生じる恐れがある。特に好ましい加熱体表面温度は100〜350℃である。さらに好ましい加熱体表面温度は160〜290℃である。
アルミニウム材表面と加熱体表面との接触時間は0.001〜60秒とするのが好ましい。接触時間が0.001秒未満では、アルミニウム材の表面酸化膜を均質なものとすることができず、エッチピットの生成が不均一になる恐れがある。一方、60秒より長くすると、酸化膜が厚くなりすぎエッチピットが発生しにくくなる恐れがある。好ましい接触時間は、0.01〜30秒であり、特に0.05〜10秒である。
加熱体の表面温度及び接触時間は、接触前のアルミニウム材の表面酸化膜の特性を考慮して適宜選択すればよい。接触加熱雰囲気は特に限定されず、特別な雰囲気制御も必要なく空気中で実施できる。
加熱体として熱ロールを用いた加熱装置の一例としては、アルミニウム材の表裏面を目的の温度で接触加熱するために、少なくとも2個の熱ロールを配置した装置が挙げられる。アルミニウム材を熱ロール等で接触加熱した後のアルミニウム材の巻き取り時に皺が生じる場合には、熱ロールなどによる加熱後1個もしくは複数個の冷却ロール等の冷却体を通過させ、アルミニウム材を冷却させてから巻き取る構成としても良い。特に、冷却体として冷却ロールを用いることで、簡便にかつ連続的に冷却を行うことができる。また、熱ロールなどによりアルミニウム材を目的の接触加熱温度に加熱する前に、別の熱ロールを用いて、目的の接触加熱温度より低い温度にアルミニウム材の温度を予備的に上げておいてもよい。
最終焼鈍後の接触加熱により得られる電解コンデンサ電極用アルミニウム材の厚さは特に規定されない。
最終焼鈍後の接触加熱を終了したアルミニウム材には、拡面積率向上のためエッチング処理を実施する。エッチング処理条件は特に限定されないが、好ましくは直流エッチング法を採用するのが良い。直流エッチング法によって、前記均質な表層酸化膜を有するアルミニウム材が深く太くエッチングされ、多数のトンネル状ピットが生成され、高静電容量が実現される。
エッチング処理後、望ましくは化成処理を行って陽極材とするのが良く、特に、中圧用および高圧用の電解コンデンサ電極材として用いるのが良い。もとより、陰極材として用いることを妨げるものではない。
上記のような陽極材及び/または陰極材を電極材として用いることによりアルミニウム電解コンデンサが構成される。この電解コンデンサでは、電極材の拡面率が増大しているため、大きな静電容量を有するものとなる。
なお、静電容量の測定は、化成処理されたエッチド箔について、例えば80g/Lのホウ酸アンモニウム水溶液、30℃中で、白金板を対極として120Hzにて測定する等、常法に従って行えばよい。
この発明のコンデンサは、実施例のものに限定されることはない。
以下に本発明の実施例および比較例を示す。
(実施例1)
厚さ110μmに圧延された純度99.99質量%のアルミニウム材を35℃の0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗乾燥した。乾燥後のアルミニウム材を重ねた状態でアルゴン雰囲気下でアルミニウム材の実体温度を室温から540℃まで50℃/hで昇温させた後、540℃にて4時間保持させ、次いで冷却した後炉出した。次に、アルミニウム材を表面温度が200℃のステンレス製加熱板2枚の間に挟み、2秒間接触加熱を行い電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例2)
加熱板表面温度が80℃、加熱体への接触時間が28秒であること以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例3)
加熱板表面温度が100℃、加熱体への接触時間が20秒であること以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例4)
加熱板表面温度が160℃、加熱体への接触時間が10秒であること以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例5)
加熱板表面温度が290℃、加熱体への接触時間が2秒であること以外は、実施例1と同様にして電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例6)
厚さ110μmに圧延された純度99.99質量%のアルミニウム材を35℃の0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗乾燥した。乾燥後のアルミニウム材を重ねた状態でアルゴン雰囲気下でアルミニウム箔の実体温度を室温から500℃まで50℃/hで昇温させた後、500℃にて4時間保持させ、次いで冷却した後炉出した。次に、アルミニウム材を表面温度が200℃のステンレス製加熱板2枚の間に挟み、3秒間接触加熱を行い電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例7)
厚さ110μmに圧延された純度99.99質量%のアルミニウム材を35℃の0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗乾燥した。乾燥後のアルミニウム材を重ねた状態でアルゴン雰囲気下でアルミニウム材の実体温度を室温から470℃まで50℃/hで昇温させた後、470℃にて4時間保持させ、次いで冷却した後炉出した。次に、アルミニウム材を表面温度が200℃のステンレス製加熱板2枚の間に挟み、15秒間接触加熱を行い電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例8)
厚さ110μmに圧延された純度99.99質量%のアルミニウム材を35℃の0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗乾燥した。乾燥後のアルミニウム材を重ねた状態でアルゴン雰囲気下でアルミニウム材の実体温度を室温から560℃まで50℃/hで昇温させた後、560℃にて4時間保持させ、次いで冷却した後炉出した。次に、アルミニウム材を表面温度が200℃のステンレス製加熱板2枚の間に挟み、2秒間接触加熱を行い電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例9)
厚さ110μmに圧延された純度99.99質量%のアルミニウム材を35℃の0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗乾燥した。乾燥後のアルミニウム材を重ねた状態でアルゴン雰囲気下でアルミニウム材の実体温度を室温から540℃まで50℃/hで昇温させた後、540℃にて4時間保持させ、次いで冷却した後炉出した。次に、アルミニウム材を表面温度が350℃の熱ロールに0.01秒間接触することにより加熱を行い電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例10)
厚さ110μmに圧延された純度99.99質量%のアルミニウム材を35℃の0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗乾燥した。乾燥後のアルミニウム材を重ねた状態でアルゴン雰囲気下でアルミニウム材の実体温度を室温から500℃まで50℃/hで昇温させた後、500℃にて4時間保持させ、次いで冷却した後炉出した。次に、アルミニウム材を表面温度が380℃の熱ロールに0.01秒間接触することにより加熱を行い電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例11)
熱ロールの表面温度が200℃、アルミニウム材と熱ロール表面の接触時間が0.05秒であること以外は実施例10と同様にして電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例12)
厚さ110μmに圧延された純度99.99質量%のアルミニウム材を35℃の0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗乾燥した。乾燥後のアルミニウム材を重ねた状態でアルゴン雰囲気下でアルミニウム材の実体温度を室温から520℃まで50℃/hで昇温させた後、520℃にて4時間保持させ、次いで冷却した後炉出した。次に、アルミニウム材を表面温度が200℃の熱ロールに0.1秒間接触することにより加熱を行い電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(実施例13)
厚さ110μmに圧延された純度99.99質量%のアルミニウム材を35℃の0.1質量%水酸化ナトリウム水溶液に10秒間浸漬した後、水洗乾燥した。乾燥後のアルミニウム材を重ねた状態でアルゴン雰囲気下でアルミニウム材の実体温度を室温から500℃まで50℃/hで昇温させた後、500℃にて4時間保持させ、次いで冷却した後炉出した。次に、アルミニウム材を表面温度が200℃の熱ロールに2秒間接触することにより加熱を行ったのち表面温度が30℃の冷却ロールに接触させ電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
(比較例1)
接触加熱を行わないこと以外は実施例1と同じ方法で電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
上記実施例1〜13および比較例1で得られた箔を、HCl 1.0mol/lとH2SO4 3.5mol/lを含む液温75℃の水溶液に浸漬した後、電流密度0.2A/cm2で電解処理を施した。電解処理後の箔をさらに前記組成の塩酸―硫酸混合水溶液に90℃にて360秒浸漬し、ピット径を太くしエッチド箔を得た。得られたエッチド箔を化成電圧270VにてEIAJ規格に従い化成処理した静電容量測定用サンプルとした。各サンプルについて測定した静電容量を、比較例1を100とした場合の相対値にて表1に示す。
Figure 2009102741
上記実施例と比較例の比較により、最終焼鈍焼鈍後に接触加熱を行うことにより静電容量が向上することが分かる。

Claims (11)

  1. アルミニウムスラブに熱間圧延、冷間圧延、最終焼鈍を実施してアルミニウム材としたのち、このアルミニウム材を加熱体との接触により加熱することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  2. 加熱体の表面温度が80〜400℃、アルミニウム材と加熱体との接触時間が0.001〜60秒である請求項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  3. 最終焼鈍がアルミニウム実体温度450〜600℃にて不活性ガス雰囲気中で行われる請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム電極材の製造方法
  4. 加熱体が熱ロールである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  5. 加熱体との接触後、アルミニウム材を冷却する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  6. アルミニウム材の冷却を冷却ロールとの接触により行う請求項5に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の製造方法によって製造された電解コンデンサ用アルミニウム材。
  8. 中圧用または高圧用である請求項7に記載の電解コンデンサ用アルミニウム材。
  9. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の製造方法によって製造されたアルミニウム材に、焼鈍後、エッチングを実施することを特徴とする電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  10. エッチングが直流エッチングである請求項9に記載の電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  11. 電極材として、請求項9または請求項10に記載の製造方法によって製造されたアルミニウム電極材が用いられていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
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