JP2002008953A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高静電容量の電解コンデンサ電極箔を得るこ
とのできるアルミニウム箔の製造方法を提供する。 【解決手段】 常法でアルミニウム箔を得た後、このア
ルミニウム箔に以下の方法で最終焼鈍を施す。まず、最
小焼鈍炉内にアルミニウム箔を置く。そして、焼鈍炉内
の温度を所定温度まで昇温させる昇温工程の前に焼鈍炉
内から大気を排気して、焼鈍炉内の圧力を50Pa以下
にする。その後、水素ガスを10容積%以上含む不活性
ガスを、焼鈍炉内に導入する。そして、この不活性ガス
雰囲気下で昇温工程を経た後、焼鈍炉内を所定温度に保
持する保持工程、及び焼鈍炉内の温度を降温させる冷却
工程を経て、焼鈍炉内のアルミニウム箔を最終焼鈍す
る。保持工程及び冷却工程も、不活性ガス雰囲気下で行
うのが好ましい。また、最終焼鈍中に、焼鈍炉内に大気
が流入しないように、焼鈍炉内の圧力を、常に、大気圧
よりも0.1〜5kPa高く維持しておくのが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高静電容量の電解
コンデンサ電極箔(特に陽極箔)を得るのに好適なアル
ミニウム箔の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電解コンデンサ電極箔は、ア
ルミニウム箔にエッチングを施すことにより、製造され
ている。エッチングは、アルミニウム箔の表面に微細な
トンネル状エッチピットを形成させ、箔の表面積を増大
させて、静電容量を高めるために行われる。従って、高
静電容量の電解コンデンサ用電極箔を得るためには、エ
ッチング特性の良好なアルミニウム箔を使用して、製造
する必要がある。
【0003】アルミニウム箔のエッチング特性は、箔表
面に形成された酸化皮膜の厚さに関係することが知られ
ている。即ち、酸化皮膜の厚さが厚すぎると、エッチン
グ処理の際の前処理においても、酸化皮膜が十分に除去
されないため、エッチング処理しても、トンネル状エッ
チピットが形成されにくくなることが知られている。と
ころで、アルミニウム箔の製造工程中、酸化皮膜の厚さ
が厚くなりやすいのは、最終焼鈍工程である。即ち、最
終焼鈍工程において、アルミニウム箔が高温下に長時間
置かれるため、ここでアルミニウム箔表面が雰囲気中の
含酸素化合物によって酸化され、酸化皮膜が成長するの
である。
【0004】このため、本件出願人は、最終焼鈍工程
を、実質的に含酸素化合物(例えば、酸素、二酸化炭
素、一酸化炭素、オゾン、水蒸気)の不存在下で行うこ
とを提案した(特開平2−240246号公報)。確か
に、この方法は、最終焼鈍工程において、酸化皮膜の成
長をある程度防止しうるものである。しかし、それでも
なお、雰囲気中に存在する微量の含酸素化合物の存在に
より、酸化皮膜の成長を十分に防止することができなか
った。なお、雰囲気中の微量の含酸素化合物は、焼鈍前
から焼鈍炉中に存在する場合と、焼鈍中に、アルミニウ
ム箔表面に残留している油分等から発生する場合とがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、焼
鈍炉内の温度を所定温度まで昇温させる昇温工程、焼鈍
炉内を所定温度に保持する保持工程及び焼鈍炉内の温度
を降温させる冷却工程よりなる最終焼鈍工程において、
特に焼鈍工程の最初の昇温工程で、焼鈍炉内を還元性ガ
スである水素ガスを含む不活性ガス雰囲気とすることに
より、水素ガスで焼鈍炉内の微量の含酸素化合物を捕捉
し、この微量の含酸素化合物がアルミニウム箔表面の酸
化皮膜を成長させるのを防止しようというものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、アルミ
ニウム箔を焼鈍炉内で最終焼鈍して、電解コンデンサ電
極用アルミニウム箔を製造する方法において、焼鈍炉内
の温度を所定温度まで昇温させる昇温工程の前に焼鈍炉
内から大気を排気して、該焼鈍炉内の圧力を50Pa以
下にした後、水素ガスを10容積%以上含む不活性ガス
を導入して、該焼鈍炉内の雰囲気を該不活性ガス雰囲気
とした状態で、該昇温工程を経ることを特徴とする電解
コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法に関するも
のである。
【0007】この方法は、まず、昇温前に焼鈍炉内の大
気を排気する。排気した後の真空度(焼鈍炉内の圧力)
は50Pa以下であるのが好ましい。真空度が50Pa
を超えると、焼鈍炉内の酸素濃度が高すぎて、最終焼鈍
時に、アルミニウム箔表面の酸化皮膜が成長する恐れが
生じる。
【0008】排気後、水素ガスを10容積%以上含む不
活性ガスを、焼鈍炉内に導入する。この不活性ガスは、
水素ガス100容積%であっても良いし、水素ガスの他
に窒素ガスやアルゴンガス等との混合ガスであっても良
い。水素ガスが10容積%未満である不活性ガスを用い
ると、水素ガスによる還元作用、即ち、焼鈍炉内に存在
する微量の含酸素化合物を捕捉する作用が低下し、アル
ミニウム箔表面の酸化皮膜が成長する恐れがある。焼鈍
炉内に、水素ガスを10容積%以上含む不活性ガスを導
入した後の、焼鈍炉内の圧力は、大気圧よりも0.1〜
5kPa高く維持するのが好ましい。焼鈍炉内の圧力が
大気圧よりも低いと、焼鈍炉の隙間から、酸素を含む大
気が炉内に流入する恐れがあるためである。なお、焼鈍
炉に隙間が生じているか否かは、焼鈍前に漏れ試験(例
えば、ヘリウムリークデデクタによる漏れ試験)を行っ
て調べておくのが好ましい。この漏れ試験で漏れが認め
られなくても、最終焼鈍中に、焼鈍炉に隙間が生じ、大
気が流入する恐れがあるので、やはり、焼鈍炉内の圧力
は、大気圧よりも高くしておくのが好ましい。
【0009】昇温工程を終えた後、その雰囲気のまま保
持工程及び冷却工程を経て最終焼鈍を施しても良い。こ
の場合、特に冷却工程では、焼鈍炉内の圧力が低下する
ので、焼鈍炉内に大気が流入する可能性がある(焼鈍炉
に漏れがなければ、大気が流入しない可能性もあ
る。)。そこで、冷却工程又は保持工程において、不活
性ガスを焼鈍炉内に導入して、焼鈍炉内の圧力を大気圧
よりも、0.1〜5kPa高くしておくのが好ましい。
即ち、昇温工程、保持工程及び冷却工程の全ての工程
で、焼鈍炉内の圧力を大気圧よりも、0.1〜5kPa
高くしておけば、焼鈍炉に隙間があっても、大気が焼鈍
炉内に流入しにくく、好ましい。保持工程や冷却工程で
導入する不活性ガスとしては、水素ガスを10容積%以
上含む不活性ガスであっても良いし、水素ガスを含まな
い不活性ガス(例えば、窒素ガスやアルゴンガス等)で
あっても良い。焼鈍炉内の圧力が(大気圧+0.1kP
a)よりも低いと、大気が焼鈍炉内に流入する恐れが生
じる。また、焼鈍炉内の圧力が(大気圧+5kPa)を
超えると、炉本体を耐圧構造にしなければならず、炉製
造コストが高くなるため、不合理である。
【0010】昇温工程、保持工程及び冷却工程の全ての
工程で、常に、焼鈍炉内の圧力を大気圧よりも0.1〜
5kPa高くしておくには、焼鈍炉内に不活性ガスを流
入させながら、全ての工程を実施するのが良い。また、
流入させる不活性ガスとしては、どのようなものであっ
てもよいが、水素ガスを10容積%以上含む不活性ガス
を用いるのが好ましい。
【0011】また、昇温工程を終えた後、その雰囲気ガ
スを置換しても良い。例えば、昇温工程を終えた後、昇
温工程における雰囲気ガスである水素ガスを10容積%
以上含む不活性ガスを、水素ガスを含まない不活性ガス
(例えば、窒素ガスやアルゴンガス)に置換しても良
い。昇温工程は、水素ガスを含む不活性ガス雰囲気で行
わなければならないが、保持工程や冷却工程(特に保持
工程)は、水素ガスを含まない不活性ガス雰囲気で行っ
ても良い。これは、含酸素化合物が当初から焼鈍炉に残
留していることが多く、またアルミニウム箔から生じる
含酸素化合物も昇温工程で生じることが多いからであ
る。
【0012】以上のような最終焼鈍を、アルミニウム箔
に施すことによって、表面酸化皮膜の薄い電解コンデン
サ電極用アルミニウム箔が得られるのである。そして、
この電極用アルミニウム箔は、最終焼鈍を経ているの
で、軟質アルミニウム箔ということになる。
【0013】
【実施例】実施例A1 通常の均質化処理,熱間圧延,冷間圧延,中間焼鈍,冷
間仕上圧延及び洗浄工程を経て得られた、厚さ0.10
6mmアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔
(コイル)を焼鈍炉内に置いた。そして、焼鈍炉内から
大気を排気して、焼鈍炉内の真空度を10Paとした。
その後、水素ガス100容積%よりなる不活性ガスを焼
鈍炉内に導入し、炉内の圧力を(大気圧+0.5kP
a)とした。そして、約200℃/hr.の昇温速度で
550℃まで昇温した後、550℃で5時間保持し、そ
の後、約200℃/hr.の降温速度で冷却した。この
昇温工程、保持工程及び冷却工程のいずれの工程でも、
水素ガス100容積%よりなる不活性ガスを、焼鈍炉内
に1.0Nl(ノルマルリットル)/min.の流入量
で流入させると共に、焼鈍炉内の圧力が(大気圧+0.
5kPa)に維持されるよう、適宜、焼鈍炉内のガスを
排気した。以上のような条件で、アルミニウム箔に最終
焼鈍を施して電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔を得
た。
【0014】実施例A2 (i)排気した際の焼鈍炉内の真空度を50Paとする
こと、(ii)昇温速度を約50℃/hr.とすること、
及び(iii )冷却速度を約50℃/hr.とすることの
他は、実施例A1と同様の方法により、電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔を得た。
【0015】実施例A3 (i)水素ガス50容積%と窒素ガス50容積%よりな
る不活性ガスを焼鈍炉内に導入し、炉内の圧力を(大気
圧+2.0kPa)とすること、及び(ii)水素ガス5
0容積%と窒素ガス50容積%よりなる不活性ガスを、
焼鈍炉内に2.0リットル/min.の流入量で流入さ
せると共に、焼鈍炉内の圧力が(大気圧+2.0kP
a)に維持されるよう、適宜、焼鈍炉内のガスを排気す
ることの他は、実施例A2と同様の方法により、電解コ
ンデンサ陽極用アルミニウム箔を得た。
【0016】実施例A4 実施例A3で用いた水素ガス50容積%と窒素ガス50
容積%よりなる不活性ガスに代えて、水素ガス25容積
%と窒素ガス75容積%よりなる不活性ガスを用いる他
は、実施例A3と同様の方法により、電解コンデンサ陽
極用アルミニウム箔を得た。
【0017】比較例A1 (i)排気した際の焼鈍炉内の真空度を100Paとす
ること、及び(ii)実施例A3で用いた水素ガス50容
積%と窒素ガス50容積%よりなる不活性ガスに代え
て、窒素ガス100容積%よりなる不活性ガスを用いる
ことの他は、実施例A3と同様の方法により、電解コン
デンサ陽極用アルミニウム箔を得た。
【0018】比較例A2 (i)排気した際の焼鈍炉内の真空度を200Paとす
ること、及び(ii)実施例A3で用いた水素ガス50容
積%と窒素ガス50容積%よりなる不活性ガスに代え
て、アルゴンガス100容積%よりなる不活性ガスを用
いることの他は、実施例A3と同様の方法により、電解
コンデンサ陽極用アルミニウム箔を得た。
【0019】実施例B1 通常の均質化処理,熱間圧延,冷間圧延,中間焼鈍,冷
間仕上圧延及び洗浄工程を経て得られた、厚さ0.10
6mmアルミニウム箔を準備した。このアルミニウム箔
(コイル)を焼鈍炉内に置いた。そして、焼鈍炉内から
大気を排気して、焼鈍炉内の真空度を10Paとした。
その後、水素ガス50容積%と窒素ガス50容積%とよ
りなる不活性ガスを焼鈍炉内に導入し、炉内の圧力を
(大気圧+0.5kPa)とした。そして、約200℃
/hr.の昇温速度で550℃まで昇温した。この昇温
工程においては、水素ガス50容積%と窒素ガス50容
積%とよりなる不活性ガスを、焼鈍炉内に1.0Nl/
min.の流入量で流入させると共に、焼鈍炉内の圧力
が(大気圧+0.5kPa)に維持されるよう、適宜、
焼鈍炉内のガスを排気した。
【0020】温度が550℃まで昇温した後、焼鈍炉内
に流入する不活性ガスを、アルゴンガス100容積%よ
りなる不活性ガスに切り替えた。そして、550℃で5
時間保持した。保持工程においても、アルゴンガスの流
入量は1.0Nl/min.であり、焼鈍炉内の圧力が
(大気圧+0.5kPa)に維持されるよう、適宜、焼
鈍炉内のガスを排気した。保持工程を終えた後、焼鈍炉
内に流入するアルゴンガスを、水素ガス100容積%よ
りなる不活性ガスに切り替えて、約200℃/hr.の
降温速度で冷却した。この冷却工程においても、水素ガ
スの流入量は1.0Nl/min.であり、焼鈍炉内の
圧力が(大気圧+0.5kPa)に維持されるよう、適
宜、焼鈍炉内のガスを排気した。以上のような条件で、
アルミニウム箔に最終焼鈍を施して電解コンデンサ陽極
用アルミニウム箔を得た。
【0021】実施例B2 (i)排気した際の焼鈍炉内の真空度を50Paとする
こと、(ii)昇温速度を約50℃/hr.とすること、
及び(iii )冷却速度を約50℃/hr.とすることの
他は、実施例B1と同様の方法により、電解コンデンサ
陽極用アルミニウム箔を得た。
【0022】実施例B3 (i)水素ガス25容積%と窒素ガス75容積%よりな
る不活性ガスを焼鈍炉内に導入し、炉内の圧力を(大気
圧+2.0kPa)とすること、(ii)昇温工程におい
て、水素ガス25容積%と窒素ガス75容積%よりなる
不活性ガスを、焼鈍炉内に2.0Nl/min.の流入
量で流入させると共に、焼鈍炉内の圧力が(大気圧+
2.0kPa)に維持されるよう、適宜、焼鈍炉内のガ
スを排気すること、(iii )保持工程において、アルゴ
ンガスの流入量を2.0Nl/min.とし、焼鈍炉内
の圧力が(大気圧+2.0kPa)に維持されるよう、
適宜、焼鈍炉内のガスを排気すること、及び(iv)冷却
工程において、水素ガスの流入量を2.0Nl/mi
n.とし、焼鈍炉内の圧力が(大気圧+2.0kPa)
に維持されるよう、適宜、焼鈍炉内のガスを排気するこ
との他は、実施例B2と同様の方法により、電解コンデ
ンサ陽極用アルミニウム箔を得た。
【0023】実施例B4 (i)水素ガス100容積%よりなる不活性ガスを焼鈍
炉内に導入すること、及び(ii)昇温工程において、水
素ガス100容積%よりなる不活性ガスを、焼鈍炉内に
流入させることの他は、実施例B3と同様の方法によ
り、電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔を得た。
【0024】比較例B1 (i)排気した際の焼鈍炉内の真空度を100Paとす
ること、(ii)窒素ガス100容積%よりなる不活性ガ
スを焼鈍炉内に導入すること、(iii )昇温工程におい
て、窒素ガス100容積%よりなる不活性ガスを、焼鈍
炉内に流入させること、(iv)冷却工程において、窒素
ガス100容積%よりなる不活性ガスを、焼鈍炉内に流
入させることの他は、実施例B3と同様の方法により、
電解コンデ陽極用アルミニウム箔を得た。
【0025】比較例B2 (i)排気した際の焼鈍炉内の真空度を200Paとす
ること、(ii)アルゴンガス100容積%よりなる不活
性ガスを焼鈍炉内に導入すること、(iii )昇温工程に
おいて、アルゴンガス100容積%よりなる不活性ガス
を、焼鈍炉内に流入させること、(iv)冷却工程におい
て、アルゴンガス100容積%よりなる不活性ガスを、
焼鈍炉内に流入させることの他は、実施例B3と同様の
方法により、電解コンデ陽極用アルミニウム箔を得た。
【0026】得られた各電解コンデンサ陽極用アルミニ
ウム箔について、以下の条件で酸化皮膜の厚さ(nm)
を測定し、表1に示した。 〔酸化皮膜の厚さ〕各電解コンデンサ陽極用アルミニウ
ム箔から巾10mm×長さ130mmの試料片を採取
し、長さ100mmの部分まで、10質量%濃度のアジ
ピン酸アンモニウム水溶液(液温25℃)中に浸漬し、
DC0.4mAの定電流を流した時の電圧−時間曲線の
変曲点の電圧(V)に1.4(nm/V)を乗じた値
を、酸化皮膜の厚さとした。
【0027】また、得られた各電解コンデンサ陽極用ア
ルミニウム箔に、以下の条件でエッチング処理及び化成
処理を施した。 〔エッチング処理〕 前処理:濃度0.1質量%の水酸化ナトリウム水溶液
(液温50℃)中に、各電解コンデンサ陽極用アルミニ
ウム箔から採取した各試料箔を60秒間浸漬した。 本処理:1モル濃度塩酸+3モル濃度硫酸の混合水溶液
(液温85℃)中に、前処理を終えた各試料箔を浸漬
し、DC0.2A/cm2の電流密度で240秒間の電
解エッチングを行い、更にその後、同混合水溶液中にて
10分間浸漬してエッチングを終了した。エッチング終
了後、常法によって水洗及び乾燥した。なお、上記モル
濃度は、モル/lのことである。 〔化成処理〕エッチング処理を終えた各試料箔から、巾
10mm×長さ50mmの各試験箔を採取した。この各
試験箔を、EIAJ法に則って、対向電極をSUS 3
04として、化成処理を375Vf.で行い、各陽極試
料箔を得た。
【0028】得られた各陽極試料箔を用いて、以下の方
法で静電容量(μF/cm2)を測定した。即ち、この
陽極試料箔1枚(大きさ:巾10mm×長さ50mm)
を、13質量%濃度の五硼酸アンモニウム水溶液(液温
30℃)中に浸漬し、対向電極を静電容量が40000
μF以上のエッチドアルミニウム箔として、120Hz
の直列等価回路でLCRメーター用いて静電容量(μF
/cm2)を測定した。この結果を、表1に示した。表
1に示した静電容量は、実施例A群については、比較例
A1の電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔から得られ
た陽極試料箔の静電容量を100%として、これとの相
対比較で求めたものであり、実施例B群については、比
較例B1の電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔から得
られた陽極試料箔の静電容量を100%として、これと
の相対比較で求めたものである。
【0029】
【表1】
【0030】表1の結果から明らかなように、実施例に
係る方法で得られた各電解コンデンサ電極用アルミニウ
ム箔の場合、比較例のものに比べて、酸化皮膜の厚さは
相対的に薄く、得られる電極箔の静電容量も高かった。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る方法
で得られた電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、表
面酸化皮膜の厚さが薄く、エッチング特性に優れてお
り、これをエッチング処理して得られた電解コンデンサ
電極箔(特に、陽極箔)は静電容量が大きく、単位面積
当たり大容量のコンデンサを得ることができるという効
果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22F 1/00 622 C22F 1/00 691A 661 691B 691 691C 692Z H01G 9/04 346 692 9/24 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム箔を焼鈍炉内で最終焼鈍し
    て、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を製造する方
    法において、焼鈍炉内の温度を所定温度まで昇温させる
    昇温工程の前に焼鈍炉内から大気を排気して、該焼鈍炉
    内の圧力を50Pa以下にした後、水素ガスを10容積
    %以上含む不活性ガスを導入して、該焼鈍炉内の雰囲気
    を該不活性ガス雰囲気とした状態で、該昇温工程を経る
    ことを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 昇温工程後、焼鈍炉内を所定温度に保持
    する保持工程及び焼鈍炉内の温度を降温させる冷却工程
    においても、該焼鈍炉内の雰囲気を不活性ガス雰囲気に
    する請求項1記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム
    箔の製造方法。
  3. 【請求項3】 焼鈍炉内の圧力を、常に、大気圧よりも
    0.1〜5kPa高く維持して最終焼鈍を行う請求項1
    又は2記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 焼鈍炉内に、水素ガスを10容積%以上
    含む不活性ガスを流入させながら最終焼鈍を行う請求項
    1乃至3のいずれか一項に記載の電解コンデンサ電極用
    アルミニウム箔の製造方法。
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