JP3216477B2 - アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法

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JP3216477B2 JP09828495A JP9828495A JP3216477B2 JP 3216477 B2 JP3216477 B2 JP 3216477B2 JP 09828495 A JP09828495 A JP 09828495A JP 9828495 A JP9828495 A JP 9828495A JP 3216477 B2 JP3216477 B2 JP 3216477B2
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哲夫 園田
正則 岡林
恵美子 井垣
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミニウム電解コンデ
ンサ用電極箔の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム電解コンデンサの長寿命
化、高信頼性化には、化成皮膜の安定性が重要である。
化成皮膜はアルミニウム箔を弱酸性水溶液中で電気化学
的に陽極酸化(化成)して誘電体となる酸化アルミニウ
ムの皮膜を形成することであり、この化学反応の反応式
は、2Al+3H2O→Al23+3H2で示される。つ
まり、Alと水が反応した後、疑似ベーマイトAlO・
OHとよばれる物質に変わり、脱水して酸化アルミニウ
ムとなる。
【0003】一般に、化成工程では本化成で耐電圧皮膜
が形成されるが、得られた酸化皮膜の内部には欠陥部が
あって、コンデンサの信頼性を悪くしている。欠陥部が
開門されると電解液が浸入し漏れ電流が大きくなるとい
うような現象を起こす原因になる。そのため閉じ込めら
れた欠陥部を開門させ、その内部の化成が不十分な部分
を露出し、再び化成を行って、欠陥のない膜にしてしま
う減極処理が行われている。減極処理には、いろいろな
方法がある。広く用いられている方法としては、熱処理
によって物理的に欠陥部を開門し、内部を酸化物で埋め
てしまおうとする方法が知られている。熱処理を数回繰
り返すと化成終了時の漏れ電流が著しく低減される。ま
た、別の方法として、リン酸や酒石酸などの酸あるいは
アンモニア水などのアルカリ水溶液中に浸漬して、化学
的に箔表面の酸化アルミニウムを溶解し欠陥部を露出し
て、再び化成を行う方法がある。その他、熱水処理によ
っても減極効果がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、約14
0Vまでの低圧化成では減極処理としての熱処理によっ
て熱酸化皮膜が形成されて亀裂が生じ、再び化成を行っ
た後の漏れ電流は小さくなるが、無負荷放置での漏れ電
流による劣化が大きくなるという欠点がある。また酸や
アルカリに浸漬する処理では無負荷放置での漏れ電流に
よる劣化は小さくなるが、化成箔表面の酸化アルミニウ
ムの溶解により、静電容量が低下するという欠点があ
る。熱水処理でも温度が低く減極効果が不十分であるた
め、静電容量の低下を起こさずに無負荷放置での漏れ電
流による劣化を小さくすることは困難であるという問題
点を有していた。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、無負荷放置での漏れ電流による劣化を小さくするこ
とができるアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製
造方法は、化成工程の途中で減極処理として、加熱水蒸
気を含む不活性ガス中で化成箔の熱処理を行うようにし
たものである。
【0007】
【作用】上記製造方法によれば、化成工程の途中で減極
処理として、加熱水蒸気を含む不活性ガス中で化成箔の
熱処理を行うようにしているため、熱処理のときに生じ
た亀裂は水和物で修復された後、酸化アルミニウム層に
変わることになり、これにより、無負荷放置での漏れ電
流による劣化を小さくすることができる。また酸やアル
カリに浸漬する処理ではないため、化成箔表面の酸化ア
ルミニウムの溶解ということはなくなり、これにより静
電容量が低下するということもない。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を説明する。
【0009】(実施例1)低圧用電極箔に使用されるエ
ッチングされたアルミニウム箔について、70Vの化成
電圧で、アジピン酸アンモニウムの7%水溶液(85
℃)中で、電流密度50mA/cm2で陽極酸化(化成)
を行い、化成電圧まで上昇させた後、10分間保持し
た。そして純水で洗浄した後、減極処理として、化成箔
を熱処理炉に入れ、加熱水蒸気量が15〜20モル%と
なるように、所定の温度の純水に通した飽和水蒸気を含
む常圧の窒素ガス(不活性ガス)を前記熱処理炉内に1
リットル/分の流量で流しながら300℃の温度で2分
間熱処理を行った。その後アジピン酸アンモニウムの7
%水溶液(85℃)中で、電流密度50mA/cm2で再
化成を行い、化成電圧まで上昇させた後、10分間保持
した。そして純水で洗浄した後、化成箔を熱処理炉に入
れ、400℃で1分間乾燥した。
【0010】(実施例2)実施例1と同じエッチングさ
れたアルミニウム箔について、70Vの化成電圧で、ア
ジピン酸アンモニウムの7%水溶液(85℃)中で、電
流密度50mA/cm2で陽極酸化(化成)を行い、化成
電圧まで上昇させた後、10分間保持した。そして純水
で洗浄した後、減極処理として、化成箔を熱処理炉に入
れ、加熱水蒸気量が15〜20モル%となるように、所
定の温度の純水に通した飽和水蒸気を含む常圧の窒素ガ
ス(不活性ガス)を前記熱処理炉内に1リットル/分の
流量で流しながら500℃の温度で2分間熱処理を行っ
た。その後アジピン酸アンモニウムの7%水溶液(85
℃)中で、電流密度50mA/cm2で再化成を行い、化
成電圧まで上昇させた後、10分間保持した。そして純
水で洗浄した後、化成箔を熱処理炉に入れ、400℃で
1分間乾燥した。
【0011】(比較例1)実施例1と同じエッチングさ
れたアルミニウム箔について、70Vの化成電圧で、ア
ジピン酸アンモニウムの7%水溶液(85℃)中で、電
流密度50mA/cm2で陽極酸化(化成)を行い、化成
電圧まで上昇させた後、10分間保持した。そして純水
で洗浄した後、減極処理として、化成箔を熱処理炉に入
れ、温度が400℃の大気中で2分間熱処理を行った。
その後アジピン酸アンモニウムの7%水溶液(85℃)
中で、電流密度50mA/cm2で再化成を行い、化成電
圧まで上昇させた後、10分間保持した。そして純水で
洗浄した後、化成箔を熱処理炉に入れ、400℃で1分
間乾燥した。
【0012】(比較例2)実施例1と同じエッチングさ
れたアルミニウム箔について、70Vの化成電圧で、ア
ジピン酸アンモニウムの7%水溶液(85℃)中で、電
流密度50mA/cm2で陽極酸化(化成)を行い、化成
電圧まで上昇させた後、10分間保持した。そして純水
で洗浄した後、減極処理として、化成箔をリン酸5%水
溶液(65℃)に2分間浸漬した。その後アジピン酸ア
ンモニウムの7%水溶液(85℃)中で、電流密度50
mA/cm2で再化成を行い、化成電圧まで上昇させた
後、10分間保持した。そして純水で洗浄した後、化成
箔を熱処理炉に入れ、400℃で1分間乾燥した。
【0013】(比較例3)実施例1と同じエッチングさ
れたアルミニウム箔について、70Vの化成電圧で、ア
ジピン酸アンモニウムの7%水溶液(85℃)中で、電
流密度50mA/cm2で陽極酸化(化成)を行い、化成
電圧まで上昇させた後、10分間保持した。そして純水
で洗浄した後、減極処理として、化成箔を純水(95
℃)に2分間浸漬した。その後アジピン酸アンモニウム
の7%水溶液(85℃)中で、電流密度50mA/cm2
で再化成を行い、化成電圧まで上昇させた後、10分間
保持した。そして純水で洗浄した後、化成箔を熱処理炉
に入れ、400℃で1分間乾燥した。
【0014】(比較例4)実施例1と同じエッチングさ
れたアルミニウム箔について、70Vの化成電圧で、ア
ジピン酸アンモニウムの7%水溶液(85℃)中で、電
流密度50mA/cm2で陽極酸化(化成)を行い、化成
電圧まで上昇させた後、10分間保持した。そして純水
で洗浄した後、アジピン酸アンモニウムの7%水溶液
(85℃)中で、電流密度50mA/cm2で再化成を行
い、化成電圧まで上昇させた後、10分間保持した。そ
して純水で洗浄した後、化成箔を熱処理炉に入れ、40
0℃で1分間乾燥した。
【0015】(表1)は上記実施例1〜2および比較例
1〜4の各処理を行った場合における化成箔の単位面積
当たりの静電容量、漏れ電流と、これらの化成箔を高温
(95℃)の電解液中に1時間放置した後の漏れ電流を
示したものである。
【0016】
【表1】
【0017】(表1)から明らかなように、本発明の実
施例1〜2では、比較例1〜4に比べて無負荷放置での
漏れ電流による劣化を小さくさせることができるもので
ある。
【0018】上記本発明の実施例1〜2では、加熱水蒸
気を含む窒素ガス(不活性ガス)は、常圧のものを使用
しているため、連続工法が可能となり、工程の生産性と
簡素化に効果を有するものである。
【0019】また、上記本発明の実施例1〜2では、熱
処理炉内の温度が300℃(実施例1)、500℃(実
施例2)であるものについて説明したが、この熱処理炉
内の温度は、実施例1〜2の温度に限定されるものでは
なく、熱処理炉内の温度は、200〜600℃の範囲が
好ましいものである。
【0020】すなわち、熱処理炉内の温度が200℃未
満の場合は、減極効果が不十分であり、一方、600℃
を超えた場合は、アルミニウム電極箔の強度が低下する
原因となるものであり、したがって熱処理炉内の温度は
200〜600℃の範囲が好ましいものである。
【0021】また熱処理炉内の加熱水蒸気量は、5〜4
0モル%の範囲が好ましい。すなわち、5モル%未満の
場合は熱処理のときに生ずる亀裂を水和物で修復する効
果が十分に得られず、一方、40モル%を超えた場合は
水和皮膜が厚くなって単位面積当たりの静電容量低下の
原因となるものであり、したがって熱処理炉内の加熱水
蒸気量は5〜40モル%の範囲が好ましいものである。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明のアルミニウム電解
コンデンサ用電極箔の製造方法によれば、化成工程の途
中で減極処理として、加熱水蒸気を含む不活性ガス中で
化成箔の熱処理を行うようにしているため、熱処理のと
きに生じた亀裂は水和物で修復された後、酸化アルミニ
ウム層に変わることになり、これにより、無負荷放置で
の漏れ電流による劣化を小さくすることができる。また
酸やアルカリに浸漬する処理ではないため、化成箔表面
の酸化アルミニウムの溶解ということはなくなり、これ
により静電容量が低下するということもないものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井垣 恵美子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 棚橋 正和 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−266712(JP,A) 特開 平5−335186(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 11/00 - 11/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化成工程の途中で減極処理として、加熱
    水蒸気を含む不活性ガス中で化成箔の熱処理を行うよう
    にしたアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 化成工程の途中で減極処理として、温度
    が200〜600℃であり、かつ加熱水蒸気量5〜40
    モル%を含む常圧の不活性ガス中で化成箔の熱処理を行
    うようにしたアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製
    造方法。
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JP4641486B2 (ja) * 2005-10-28 2011-03-02 ニチコン株式会社 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法およびその製造装置
US8345409B2 (en) * 2010-03-31 2013-01-01 Nippon Chemi-Con Corporation Solid electrolytic capacitor
JP6043133B2 (ja) 2012-09-13 2016-12-14 日本軽金属株式会社 アルミニウム電解コンデンサ用電極の製造方法

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