JP2005268773A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材およびアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材およびアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】従来の電解コンデンサ用アルミニウム材の製造法において、アルミニウム材表面層を洗浄により溶解させる際に、アルミニウム材表層の溶け方が不均質であるため最終焼鈍後のアルミニウム材のエッチング特性が不十分であるという問題点を解決し、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法を提供する。
【解決手段】
アルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去する。そして、その後最終焼鈍する。
【選択図】 なし

Description

この発明は、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、アルミニウム電解コンデンサ用陽極材およびアルミニウム電解コンデンサに関する。
なお、この明細書において「アルミニウム」の語はその合金を含む意味で用い、アルミニウム材には箔と板およびこれらを用いた成形体が含まれる。
アルミニウム電解コンデンサ用電極材料として一般に用いられるアルミニウム材は、静電容量を大きくする目的で、電気化学的あるいは化学的エッチング処理を施して、アルミニウム材の実効面積を拡大することが行われている。
直流エッチング法でトンネル状ピットを生成させる電解コンデンサ陽極用アルミニウム材の製造においては、アルミニウムの立方体集合組織を発達させるために500℃前後の温度で不活性雰囲気もしくは真空中で最終焼鈍するのが一般的である。最終焼鈍は、冷間圧延より後の工程で行われる。また、冷間圧延工程の途中において、最終焼鈍後の立方体方位占有率を高めるために必要に応じて焼鈍を実施しても良い。上記冷間圧延工程途中の焼鈍を中間焼鈍と称し、一般には窒素やアルゴン等の不活性雰囲気中で実施される。
最終焼鈍後のアルミニウム材のエッチング特性は、焼鈍前のアルミニウム材の特性に大きく依存することから、アルミニウム材表面層の特性を均一化するために、冷間圧延の途中や冷間圧延終了後にアルミニウムを溶解する液で洗浄することが検討されている。
特許文献1には、アルミニウム板の厚さ(t)が式3.3to≦t≦20to(toは最終箔厚)を満足する厚みに冷間圧延された後に、アルカリ性水溶液又は酸性水溶液を用いてアルミニウム板の表面を溶解洗浄し、その後更に冷間圧延を施すことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法により、厚い酸化皮膜の形成が防止されることが記載されている。
また、特許文献2には、アルミニウム箔の表面層を除去する工程と、除去後、温度40〜350℃、露点:0〜80℃、時間:30〜1800秒の条件で加熱酸化する工程と、加熱酸化後、非酸化性雰囲気で焼鈍する工程を実施することにより、焼鈍後のアルミニウム箔表面層の酸化膜を薄くでき、かつエッチング液中で速やかに溶解除去することが開示され、また、アルミニウム箔の表面層を除去する手段として水酸化ナトリウム等のアルカリ溶液、酸溶液を用いた洗浄が例示されている。
また、特許文献3には、純度99.99%以上で粗面化率向上不純物を含む原箔を250℃〜530℃で一次焼鈍した後、アルミニウム箔の表面層を除去し、その後、500℃以上で最終焼鈍を行う電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法が開示されている。この特許文献3の方法によれば、アルミニウム箔表面層のFe平均濃度が内部の2.0比以下とすることにより静電容量の高いコンデンサを得ることができる電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を提供できるとされている。
特開平3−257137号公報 特開平7−201673号公報 特開2001−210561号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、洗浄する前のアルミニウム材表面層は不均質であるため、洗浄時のアルミニウム材の表面層の溶け方は不均質となり、このため最終焼鈍後のアルミニウム材のエッチング特性の向上は不十分であった。
また、特許文献2に記載された技術では、焼鈍前の加熱酸化はアルミニウム材表層酸化膜の均質化に寄与するものの、除去前のアルミニウム材表面層の特性が不均質であるため、アルカリ溶液あるいは酸溶液を用いて洗浄した後の酸化膜は不均質となり、その後の加熱酸化によるエッチング特性の向上には限界があった。
また、特許文献3では、表面層除去前の一次焼鈍中の雰囲気が記載されておらず、本願記載の酸化性雰囲気中で加熱した後表面層を均一に除去する方法が検討されていない。
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、従来の電解コンデンサ用アルミニウム材の製造法において、アルミニウム材表面層を洗浄により溶解させる際に、アルミニウム材表面層の溶け方が不均質であるため最終焼鈍後のアルミニウム材のエッチング特性が不十分であるという問題点を解決し、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材の製造方法及びアルミニウム電解コンデンサを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、この発明は、以下の手段を提供する。
(1)アルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去し、その後最終焼鈍することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(2)冷間圧延終了後にアルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去し、その後最終焼鈍することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(3)洗浄に用いる洗浄液がアルカリ性水溶液である前項1または前項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(4)洗浄に用いる洗浄液が酸性水溶液である前項1または前項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(5)洗浄は、アルカリ性水溶液による洗浄と酸性水溶液による洗浄の順次的実施により行われる前項1または前項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(6)アルカリが水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウムの中から選ばれた1種または2種以上である前項3または請求項5に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(7)酸性水溶液中の酸が塩酸、硫酸、硝酸、リン元素を含む酸の中から選ばれた1種または2種以上である前項4または前項5に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(8)酸化性雰囲気中での加熱後の洗浄によるアルミニウム材の表面層平均除去量が、以下に規定する除去量D(nm)においてアルミニウム材片面あたり1nm以上500nm以下である前項1ないし前項7の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
除去量D(nm)=E(g/cm2)×107/2.7(g/cm3
ただし、Eは洗浄による単位表面積当たりの質量減
2.7g/cm3はアルミニウムの密度
(9)酸化性雰囲気中での加熱温度が50〜400℃である前項1ないし前項8の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(10)酸化性雰囲気中での加熱時間が3秒以上72時間以下である前項9に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(11) 酸化雰囲気中での加熱における雰囲気中の酸素濃度が0.1体積%以上である前項1ないし前項10の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(12)酸化性雰囲気中での加熱前、もしくは酸化性雰囲気中での加熱後アルミニウム材表面層の洗浄前に、脱脂を行う前項1ないし前項11の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(13)有機溶剤を用いて脱脂を行う前項12に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(14)界面活性剤が添加された水を用いて脱脂を行う前項12に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(15)最終焼鈍が不活性ガス雰囲気中で行われる前項1ないし前項14の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(16)最終焼鈍が450℃以上600℃以下の温度で行われる前項1ないし前項15の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(17)アルミニウム材のアルミニウム純度が99.9質量%以上である前項1ないし前項16の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(18)前項1ないし前項17の何れか1項に記載の製造方法によって製造された電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(19)中圧用または高圧用陽極材である前項18に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
(20) 前項1ないし前項17の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたアルミニウム材に、エッチングを実施することを特徴とする電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(21)エッチング後、化成処理を実施する前項20に記載の電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(22)エッチングの少なくとも一部が直流電解エッチングである前項20または21に記載の電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(23)前項20ないし前項22の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
(24)電極材として前項20ないし前項22の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたアルミニウム電極材が用いられていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
前項(1)に係る発明によれば、アルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去するから、洗浄時にアルミニウム材を均一に溶解することができ、その後最終焼鈍により、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得ることができる。
前項(2)に係る発明によれば、冷間圧延終了後にアルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去するから、洗浄時にアルミニウム材を均一に溶解することができ、その後最終焼鈍により、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得ることができる。
前項(3)に係る発明によれば、洗浄に用いる洗浄液がアルカリ性水溶液であるから、アルミニウム材表面層を洗浄により確実に除去することができる。
前項(4)に係る発明によれば、洗浄に用いる洗浄液が酸性水溶液であるからアルミニウム材表面層を洗浄により確実に除去することができる。
前項(5)にかかる発明によれば、洗浄は、アルカリ性水溶液による洗浄と酸性水溶液による洗浄の順次的実施により行われるためアルミニウム材表面層を洗浄により確実に除去することができる。
前項(6)に係る発明によれば、アルカリが水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウムの中から選ばれた1種または2種以上であるから、より効果的な表面層の除去を行うことができる。
前項(7)に係る発明によれば、酸性水溶液中の酸が塩酸、硫酸、硝酸、リン元素を含む酸の中から選ばれた1種または2種以上であるから、より効果的な表面層の除去を行うことができる。
前項(8)に係る発明によれば、洗浄によるアルミニウム材表面層平均除去量が、以下に規定する除去量D(nm)においてアルミニウム材片面あたり1nm以上500nm以下であるから、アルミニウム材の均一溶解による静電容量の増大効果を確実に得ることができる。
除去量D(nm)=E(g/cm2)×107/2.7(g/cm3
ただし、Eは洗浄による単位表面積当たりの質量減
2.7g/cm3はアルミニウムの密度
前項(9)に係る発明によれば、酸化性雰囲気中での加熱温度が50〜400℃であるから、アルミニウム材表面層の過度の厚さの酸化膜の生成を抑制しながら十分に酸化させることができ、その後の洗浄による表面層の除去時に表面層を均一に溶解することができる。
前項(10)に係る発明によれば、酸化性雰囲気中での加熱時間が3秒以上72時間以下であるから、アルミニウム材の表面層を過度の厚さの酸化膜の生成を抑制しながら十分に酸化させることができ、その後の洗浄による表面層の除去時に表面層を均一に溶解することができる。
前項(11)に係る発明によれば、 酸化雰囲気中での加熱における雰囲気中の酸素濃度が0.1体積%以上であるから、アルミニウム材表面層を均一に溶解することができる。
前項(12)に係る発明によれば、酸化性雰囲気中での加熱前、もしくは酸化性雰囲気中での加熱後アルミニウム材表面層の洗浄前に、脱脂を行うから、アルミニウム材の表面に付着している油分を除去することができ、より性能の良い電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(13)に係る発明によれば、有機溶剤を用いて脱脂を行うから、確実に脱脂を行うことができる。
前項(14)に係る発明によれば、界面活性剤が添加された水を用いて脱脂を行うから、確実に脱脂を行うことができる。
前項(15)に係る発明によれば、最終焼鈍が不活性ガス雰囲気中で行われるから、酸化皮膜の厚さの増大化を抑制することができ、アルミニウム材の酸化雰囲気中での加熱及び洗浄による表面層の除去の効果を有効に発揮させることができる。
前項(16)に係る発明によれば、最終焼鈍が450℃以上600℃以下の温度で行われるから、エッチピットが均一に生成するアルミニウム材表面を得ることができる。
前項(17)に係る発明によれば、アルミニウム材のアルミニウム純度が99.9質量%以上であるから不純物が多すぎることによるエッチング特性の劣化を防止することができる。
前項(18)に係る発明によれば、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材となし得る。
前項(19)に係る発明によれば、エッチング特性に優れた中圧用または高圧用陽極材となし得る。
前項(20)に係る発明によれば、エッチングにより大きな静電容量を有する電解コンデンサ用電極材を製造することができる。
前項(21)に係る発明によれば、エッチング後に化成処理を実施するから、陽極材として好適な電解コンデンサ用電極材を製造することができる。
前項(22)に係る発明によれば、 エッチングの少なくとも一部を直流電解エッチングで行うことにより、深くて太い多数のトンネル状ピットを生成することができ、前記酸化性雰囲気中での加熱及び洗浄による表面層除去による前記効果を効率的に発揮させることができる。
前項(23)に係る発明によれば、高静電容量のアルミニウム電解コンデンサ用陽極材となし得る。
前項(24)に係る発明によれば、高静電容量のアルミニウム電解コンデンサとなし得る。
本願発明者は、アルミニウム材表面層を洗浄により除去する前にアルミニウム材を酸化性雰囲気で加熱することにより、洗浄時にアルミニウム材表面層が均一に溶解し、その後の最終焼鈍後により得られるアルミニウム材に電解エッチングを施したときに生成するエッチピットが均一になり、エッチング特性が顕著に向上することを見出した。
以下に、電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法を詳細に説明する。
アルミニウム材の純度は電解コンデンサ用に使用される範囲であれば特に限定されないが、純度99.9質量%以上のものが好ましく、特に99.95質量%以上が好ましい。なお、本発明においてアルミニウム材の純度は100質量%からFe, SiおよびCuの合計濃度(質量%)を差し引いた値とする。
Pbは最終焼鈍時にアルミニウム材表層に濃化し、エッチピット生成に大きく影響を及ぼす。直流エッチング法によりトンネル状エッチピットを生成させる際に、Pbが少なすぎるとエッチング法によってはエッチピット分散性が悪く、多すぎるとアルミニウム材の表面溶解が多くなることから、必要に応じて適量のPbがアルミニウム材中に含まれていてもよい。例えば、アルミニウム材中に0.00002〜0.0002質量%のPbが含まれるようアルミニウム材溶解時に調整することが推奨できる。
アルミニウム材の製造は、限定されないが、アルミニウム材の溶解成分調整・スラブ鋳造、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、仕上げ冷間圧延(低圧下圧延)を含む冷間圧延、最終焼鈍の順に実施され、最終焼鈍前に酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去させる。好ましくは、冷間圧延後に酸化性雰囲気中での加熱及び表面層の洗浄除去を行うのがよい。また、冷間圧延工程の途中において、最終焼鈍後の立方体方位占有率を高めるために必要に応じて中間焼鈍を実施する。
前記酸化性雰囲気中での加熱とアルミニウム材表面層の洗浄除去は、それぞれ1回ずつ行っても良く、また加熱と洗浄除去を交互に複数回行っても良い。
前記酸化性雰囲気中での加熱は、加熱体との接触によるものではなく、雰囲気加熱により行われる。雰囲気加熱は、アルミニウム材と加熱体が接触しないため、加熱体との接触加熱のように加熱時に皺や疵が発生する恐れがないため、本発明では雰囲気加熱が行われる。
酸化性雰囲気中での加熱方法としては、送風加熱、輻射加熱などを例示できる。また、加熱されるアルミニウム材の形態は特に限定されるものではなく、コイルに巻き取った状態でバッチ加熱しても良いし、コイルを巻き戻し連続加熱したのちコイルに巻き取っても良い。
酸化性雰囲気中でのアルミニウム材の加熱温度は50〜400℃であることが好ましい。加熱温度が50℃未満では、アルミニウム材表層の酸化が不十分でアルミニウム材表面層除去時にアルミニウム材が均一に溶解しない恐れがある。加熱温度が400℃を越えるとアルミニウム材表層酸化膜が厚くなりアルミニウム材の溶解性が低下し、アルミニウム材を均一に溶解させることが困難になる。特に好ましいアルミニウム材の加熱温度は70〜350℃であり、とりわけ70〜240℃が好ましい。
加熱時間は3秒以上72時間以下であることが好ましい。加熱時間が3秒未満ではアルミニウム材表面層の酸化が不十分であるため、表面層除去時にアルミニウム材が均一に溶解せず、加熱時間が72時間を超えるとアルミニウム材表面層除去時の溶解均一性は殆ど変わらなくなるため、加熱時のエネルギー消費によりコスト高となる。特に好ましい加熱時間は10秒以上48時間以下であり、とりわけ70秒以上48時間以下が良い。
酸化雰囲気中での加熱温度と時間は、加熱方法により適正な条件が選択される。例えば、コイルとして巻き取った状態でアルミニウム材を加熱する場合には、50℃〜240℃にて30分から72時間加熱されることが好ましく、さらに70℃〜240℃にて1時間から48時間加熱されることが好ましい。また、コイルを巻き解いた状態のアルミニウム材あるいはシート状にカットしたアルミニウム材を加熱する場合の加熱時間t(時間)は加熱温度をx(℃)とすると、10/(1.44×x1.5)≦t≦72であることが好ましくさらに、10/(1.44×x1.5)≦t≦48であることが好ましい。
酸化性雰囲気中でのアルミニウム材の加熱における酸化性雰囲気中の酸素濃度は0.1体積%以上であることが好ましい。酸素濃度が0.1体積%未満では加熱時にアルミニウム材表面が十分酸化されない恐れがある。酸素濃度は特に1体積%以上であることが好ましく、とりわけ5体積%以上であることが好ましく、空気を酸化性雰囲気として好適に利用できる。
洗浄によるアルミニウム材表面層の除去に用いる洗浄液は特に限定されないが、アルカリ性水溶液、酸水溶液を用いることができる。表面層の除去は、アルカリ性水溶液あるいは酸水溶液のどちらかを用いて行ってもよく、アルカリ水溶液を用いて実施した後酸水溶液を用いて洗浄しても良い。
アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウムが例示でき、これらアルカリの中から選ばれた1種あるいは2種以上を水に溶解させ洗浄液として用いることができる。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン元素を含む酸の中から選ばれる1種または2種以上を用いる。リン元素を含む酸としてはオルトリン酸(以後リン酸と称す。)、ピロリン酸、メタリン酸、ポリリン酸を例示できる。また、アルミニウム材表面層除去に用いる酸として、過塩素酸及び次亜塩素酸を利用しても良い。
アルミニウム材の表面層除去量は、アルカリまたは酸の濃度、アルカリまたは酸水溶液の温度およびアルミニウム材とアルカリまたは酸水溶液との接触時間を適正なものにすることにより調節される。また、アルミニウム材表面層の洗浄効果を高める目的で洗浄液に界面活性剤やキレート剤を添加しても良い。
前記洗浄によるアルミニウム材表面層の除去量は平均値で、アルミニウム材片面あたり1nm以上500nm以下であることが好ましい。表面層除去量が1nm未満の場合アルミニウム材表面層の酸化膜の除去が不十分な恐があり、500nmより多く表層を除去するとアルミニウム材表面層のエッチピット核の生成が抑制されるため却ってエッチング特性が悪く静電容量が低下する恐れがある。洗浄による特に好ましい表面層除去量は1.5nm以上200nm以下であり、さらに5nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上150nm以下がより好ましい。
なお、アルミニウム材表面層酸化膜と金属のアルミニウムは密度が異なるが、本願においてアルミニウム材の表面層除去量D(nm)は洗浄による単位表面積当たりの質量減E(g/cm2)とアルミニウムの密度2.7g/cm3を用いて、D(nm)=E×107/2.7と規定する。
洗浄液とアルミニウム材との接触方法としては、特に限定されないが、浸漬、洗浄液表面へのアルミニウム材の接触、スプレー等があげられる。
洗浄液とアルミニウム材との接触方法としては、特に限定されないが、浸漬、洗浄液表面へのアルミニウム材の接触、スプレー等が挙げられる。
本発明で規定した以外の工程および工程条件については、特に限定されることはなく、常法に従って行えば良い。また、アルミニウム材のエッチング条件との関係で、アルミニウム材の製造方法は適宜変更される。
また冷間圧延後であって洗浄によるアルミニウム材の表面層除去前に、脱脂を行ってもよい。脱脂方法は特に限定されないが、有機溶剤もしくは水に界面活性剤を添加した液とアルミニウム材を接触させる事により行うことができる。有機溶剤もしくは水に界面活性剤を添加した液とアルミニウム材との接触方法としては、特に限定されないが、浸漬、洗浄液表面へのアルミニウム材の接触、スプレー等があげられる。
有機溶剤は特に限定されるものではないが、例として、アルコール、ジオール、トルエン・キシレン等の芳香族炭化水素、アルカン系炭化水素、シクロヘキサン、ケトン、エーテル、エステル、石油製品等があげられる。
上記アルコールの例としては、メタノール(CH3OH)、エタノール(C2H5OH)、1-プロパノール(CH3CH2CH2OH)、2-プロパノール(CH3CH2(OH)CH3)、1-ブタノール(CH3CH2CH2CH2OH)、2-ブタノール(CH3CH2CH2(OH)CH3)、1-ペンタノール(CH3CH2CH2CH2CH2OH)、2-ペンタノール(CH3CH2CH2CH2(OH)CH3)等が挙げられ、CnH2n+1OH(n=1〜10の自然数)で表されるものが好ましい。また、シクロヘキサノール等の脂環炭化水素類も用いることが出来る。
上記ジオールの例としては1,2-エタンジオール(HOCH2CH2OH)、1,2-プロパンジオール(CH3CH(OH)CH2OH)、1,3-プロパンジオール(HOCH2CH2CH2OH)等が例示できる。
上記アルカン系炭化水素の例としては、ペンタン(C5H12)、ヘキサン(C6H14)、ヘプタン(C7H16)、オクタン(C8H18)、ノナン(C9H20)、デカン(C10H22)等が挙げられCnH2n+2(n=5〜15の自然数)で表されるものが好ましい。またシクロヘキサン等脂環式炭化水素の適用も可能である。
上記ケトンの例としてはアセトン(CH3COCH3)、2-ブタノン(CH3COC2H5)、3-ペンタノン(CH3CH2COCH2CH3)、3-メチル-2-ブタノン(CH3COCH(CH3)2)等が例示でき、R1COR2(R1およびR2:脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の炭素数の合計が8以下)で表されるものが好ましい。また、シクロヘシサノン(C6H10O)等環状ケトンを用いても良い。
上記エーテルの例としては、R1-O-R2(R1およびR2:脂肪族炭化水素基であり、R1とR2の炭素数の合計が8以下)で表される物質、2-メトキシエタノール(CH3OCH2CH2OH)、2-エトキシエタノール(CH3CH2OCH2CH2OH)、2-ブトキシエタノール(CH3CH2CH2CH2OCH2CH2OH)、2-(2-エトキシ)エトキシエタノール(CH3CH2OCH2CH2OCH2CH2OH)、等のグリコールエーテルも含まれる。
上記エステルの例としては、CH3COOR(R:炭素数1〜5である脂肪族炭化水素基)で表される酢酸エステルが例示できる。
上記石油製品の例としては、工業ガソリン(JIS K 2201)、自動車ガソリン(JIS K 2202)、航空ガソリン(JIS K 2206)、灯油(JIS K 2203)、軽油(JIS K 2204)、航空ガソリン(JIS K 2206)、石油エーテル(JIS K 8593)、石油ベンジン(JIS K 8594)、リグロイン(JIS K 8937)、ケロシン等が挙げられる。
上記脱脂に用いる水に界面活性剤を添加した液に含まれる界面活性剤は特に限定されるものではないが、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤を用いることが出来る。
アニオン界面活性剤として硫酸エステル塩、スルホン酸塩を用いることができる。
上記硫酸エステル塩としては、R-OSO3Na(R=炭素数8〜18の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基)が利用でき、具体的にはドデシル硫酸ナトリウム(C12H25OSO3Na)、ヘキサデシル硫酸ナトリウム(C16H33OSO3Na)、ステアリル硫酸ナトリウム(C18H37OSO3Na)、オレイル硫酸ナトリウム(C18H35OSO3Na)等が例示できる。
上記スルホン酸塩はR-SO3Na(R=炭素数8〜18の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基)もしくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(C12H25-C6H4-SO3Na)等のR-SO3Na(R:アルキル基が炭素数8〜14の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基であるアルキルベンジル基)で表されるものを用いることができる。
カチオン界面活性剤としてR-N(CH3)3・Cl (R=炭素数8〜16の飽和炭化水素基)で表される第4級アンモニウム塩を用いることができる。
非イオン性界面活性剤として、R-O-(-CH2CH2O)nH(R=炭素数8〜16の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基、n=6〜14)またはR-O-(-CH2CH2O)nH(R=アルキル基が炭素数8〜12の飽和炭化水素基もしくは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素基であるアルキルフェニル基、n=6〜14)で表されるポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤を例示できる。なおnが上記範囲より多いものが非イオン性界面活性剤中に50%以下のモル比で含まれていても良い。
上記界面活性剤の少なくとも1種類以上を水に添加し洗浄液として用いる事ができる。界面活性剤の炭素数が上記範囲より少ない界面活性剤が50%以下のモル比で添加されていても良い。なお、アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤を水中で混合させると沈殿が生成するため、混合は避けることが好ましい。
界面活性剤の添加濃度は特に規定されないが脱脂効果を発揮させるために臨界ミセル濃度以上であることが好ましい。
アルミニウム材の最終焼鈍における処理雰囲気は特に限定されるものではないが、酸化皮膜の厚さを増大させすぎないように、水分および酸素の少ない雰囲気中で加熱するのが好ましい。具体的には、アルゴン、窒素などの不活性ガス中あるいは0.1Pa以下の真空中で加熱することが好ましい。また、最終焼鈍の雰囲気として水素ガスも好適に利用できる。
最終焼鈍後のアルミニウム材の立方体方位占有率は90%以上が好ましい。
最終焼鈍の方法は特に限定されるものではなく、コイルに巻き取った状態でバッチ焼鈍しても良く、コイルを巻き戻し連続焼鈍したのちコイルに巻き取っても良く、バッチ焼鈍と連続焼鈍の少なくともどちらかを複数回行っても良い。
焼鈍時の温度、時間は特に限定されるものではないが、例えばコイルの状態でバッチ焼鈍を行う場合には、450〜600℃にて10分〜50時間焼鈍するのが好ましい。温度が450℃未満、時間が10分未満では、エッチピットが均一に生成する表面が得られない恐れがあるからである。逆に600℃を越えて焼鈍すると、コイルでバッチ焼鈍する場合はアルミニウム材が密着を起こし易くなり、また50時間を超えて焼鈍してもエッチングによる拡面効果は飽和し、却って熱エネルギーコストの増大を招く。特に好ましい焼鈍
温度は450〜590℃、さらに好ましくは460〜580℃である。特に好ましい焼鈍時間は20分〜40時間である。
また、昇温速度・パターンは特に限定されず、一定速度で昇温させても良く、昇温、温度保持を繰り返しながらステップ昇温・冷却させても良く、焼鈍工程にて450〜600℃の温度域で合計10分〜50時間焼鈍されれば良い。
最終焼鈍後に得られる電解コンデンサ電極用アルミニウム材の厚さは特に規定されない。箔と称される200μm以下のものも、それ以上の厚いものも本発明に含まれる。
最終焼鈍を経たアルミニウム材には、拡面積率向上のためエッチング処理を実施する。エッチング処理条件は特に限定されないが、好ましくは直流エッチング法を採用するのが良い。直流エッチング法によって、前記焼鈍において生成が促進されたエッチピットの核となる部分において、深く太くエッチングされ、多数のトンネル状ピットが生成され、高静電容量が実現される。
エッチング処理後、望ましくは化成処理を行って陽極材とするのが良く、特に、中圧用および高圧用の電解コンデンサ電極材として用いるのが良いが、陰極材として用いることを妨げるものではない。また、この電極材を用いた電解コンデンサは大きな静電容量を実現できる。
本発明で規定した工程以外の工程および工程条件は限定されず、常法に従って行われる。また、アルミニウム材のエッチング条件との関係で、アルミニウム材の製造工程は適宜変更される。
なお、静電容量の測定は常法に従えば良く、化成処理されたエッチド箔について、例えば30℃の80g/Lのホウ酸アンモニウム水溶液中で、ステンレス板を対極として120Hzにて測定する方法を例示できる。
以下に本発明の実施例および比較例を示す。
[シート状アルミニウム材を用いた実施例]
アルミニウムスラブを熱間圧延して得られた板を冷間圧延し、中間焼鈍した後、さらに仕上げ冷間圧延し、厚さ110μm、純度99.99質量%のアルミニウム材とした。そして、このアルミニウム材を切断しシート状にした。表1に冷間圧延の後に実施した工程の種類(工程1〜工程5)、表2に表1中の酸化性雰囲気中での加熱(工程2)の条件、表3及び表4に表1中の洗浄によるアルミニウム材表面層除去(工程4)の条件を示す。なお、アルミニウム材の表面層除去量は洗浄液への浸漬時間により制御した。
なお、アルミニウム材表面層除去量は洗浄液への浸漬時間により制御し、アルカリ洗浄の後に酸洗浄を実施する場合にはアルカリ洗浄液への浸漬時間を調節することにより除去量を制御した。
実施例1
アルミニウムスラブに熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍及び仕上げ冷間圧延を順次施して得られた厚さ110μm、純度99.99%のシート状アルミニウム材を、表5に記載のように、n-ヘキサンにより脱脂し(工程1)、空気中で150℃にて24時間加熱後(工程2)、80℃20質量%硫酸水溶液に浸漬することにより、アルミニウム材表面層を平均で10nm除去させた(工程4)。その後、アルゴン雰囲気中で540℃にて4時間最終焼鈍し(工程5)、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
実施例2〜実施例49、比較例1〜比較例3
表5〜表7に示す条件にて電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
上記の各実施例および比較例で得られたアルミニウム材を、HCl 1.0mol/LとH2SO4 3.5mol/Lを含む液温75℃の水溶液に一定時間浸漬した後、同組成、同温度の水溶液で電流密度0.2A/cm2で直流電解エッチングを施した。
電解処理後のアルミニウム材をさらに前記組成の塩酸―硫酸混合水溶液に90℃にて360秒浸漬し、ピット径を太くしエッチド箔を得た。得られたエッチド箔を化成電圧270VにてEIAJ規格に従い化成処理し、静電容量測定用サンプルとした。
表5〜表7に比較例3の静電容量を100としたときの相対静電容量を示す。
Figure 2005268773
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上記表の結果から理解されるように、冷間圧延終了後であって最終焼鈍前に酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去させることにより、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得ることができる。
一方、酸化雰囲気中での加熱を行うことなく洗浄によりアルミニウム材表面層を除去した後焼鈍した比較例1では、洗浄時のアルミニウム材の溶解性が不均一であるために、また酸化性雰囲気中での加熱後に洗浄によるアルミニウム材表面層の除去を行うことなく焼鈍した比較例2では、圧延時のロールコーティングによる汚染層や油分が多く残留するために、何れも静電容量が低いものであった。
また、アルミニウム材表面層を洗浄により除去した後、酸化性雰囲気で加熱した比較例3では、比較例1および比較例2に比べ静電容量が高いが、洗浄時に不均質に溶解したアルミニウム材表面層を、酸化性雰囲気中での加熱により十分均質化できないため、静電容量が実施例に及ばないものであった。
[コイル状アルミニウム材を用いた実施例]
Fe:0.0015質量%、Si:0.0022質量%、Cu:0.0055質量%、Pb:0.00006質量%を含有するアルミニウムスラブに熱間圧延、冷間圧延を施し、幅500mmのアルミニウム材コイルを得た。
そして、このアルミニウム材コイルに、中間焼鈍を実施した後、圧下率20%で仕上げ冷間圧延を施し、アルミニウム材の厚さ110μm、長さ2000mとした。
次いで、実施例201〜204については、表10に示す条件にて酸化性雰囲気中で加熱したのち、洗浄により表面層を除去した。比較例201については、酸化性雰囲気中の加熱を行うことなく、洗浄により表面層を除去した。
その後、アルゴン雰囲気中で540℃で4時間の最終焼鈍を実施して、電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
表8に酸化性雰囲気中での加熱の具体的な条件、表9に洗浄によるアルミニウム材表面層除去の具体的な条件を示す。なお、アルミニウム材表面層除去量は洗浄液への浸漬時間により制御し、アルカリ洗浄の後に酸洗浄を実施する場合にはアルカリ洗浄液への浸漬時間を調節することにより除去量を制御した。
上記の各実施例および比較例で得られたアルミニウム材コイルを巻きほどいて、HCl 1.0mol/LとH2SO4 3.5mol/Lを含む液温75℃の水溶液に一定時間浸漬した後、同組成、同温度の水溶液で電流密度0.2A/cm2で直流電解エッチングを施した。
電解処理後のアルミニウム材をさらに前記組成の塩酸―硫酸混合水溶液に90℃にて360秒浸漬し、ピット径を太くしエッチド箔を得た。得られたエッチド箔を化成電圧270VにてEIAJ規格に従い化成処理し、静電容量測定用サンプルとした。
表10に比較例201の静電容量を100としたときの相対静電容量を示す。
Figure 2005268773
Figure 2005268773
Figure 2005268773
上記表の結果から理解されるように、実施例201〜204は、冷間圧延終了後最終焼鈍前に、酸化性雰囲気中の加熱を行った後、洗浄によりアルミニウム材表面層を除去することにより、表面層除去時のアルミニウム材の溶解性が均一になり、エッチング特性に優れ静電容量が高い。
これに対して、比較例201は、酸化性雰囲気中の加熱を行わなかったため、洗浄によるアルミニウム材表面層除去時のアルミニウム材の溶解性が不均一であり静電容量が低い。

Claims (24)

  1. アルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去し、その後最終焼鈍することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  2. 冷間圧延終了後にアルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱した後、アルミニウム材表面層を洗浄により除去し、その後最終焼鈍することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  3. 洗浄に用いる洗浄液がアルカリ性水溶液である請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  4. 洗浄に用いる洗浄液が酸性水溶液である請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  5. 洗浄は、アルカリ性水溶液による洗浄と酸性水溶液による洗浄の順次的実施により行われる請求項1または請求項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  6. アルカリが水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、オルトケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウムの中から選ばれた1種または2種以上である請求項3または請求項5に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  7. 酸性水溶液中の酸が塩酸、硫酸、硝酸、リン元素を含む酸の中から選ばれた1種または2種以上である請求項4または請求項5に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  8. 酸化性雰囲気中での加熱後の洗浄によるアルミニウム材の表面層平均除去量が、以下に規定する除去量D(nm)においてアルミニウム材片面あたり1nm以上500nm以下である請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
    除去量D(nm)=E(g/cm2)×107/2.7(g/cm3
    ただし、Eは洗浄による単位表面積当たりの質量減
    2.7g/cm3はアルミニウムの密度
  9. 酸化性雰囲気中での加熱温度が50〜400℃である請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  10. 酸化性雰囲気中での加熱時間が3秒以上72時間以下である請求項9に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  11. 酸化雰囲気中での加熱における雰囲気中の酸素濃度が0.1体積%以上である請求項1ないし請求項10の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  12. 酸化性雰囲気中での加熱前、もしくは酸化性雰囲気中での加熱後アルミニウム材表面層の洗浄前に、脱脂を行う請求項1ないし請求項11の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  13. 有機溶剤を用いて脱脂を行う請求項12に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  14. 界面活性剤が添加された水を用いて脱脂を行う請求項12に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  15. 最終焼鈍が不活性ガス雰囲気中で行われる請求項1ないし請求項14の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  16. 最終焼鈍が450℃以上600℃以下の温度で行われる請求項1ないし請求項15の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  17. アルミニウム材のアルミニウム純度が99.9質量%以上である請求項1ないし請求項16の何れか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  18. 請求項1ないし請求項17の何れか1項に記載の製造方法によって製造された電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  19. 中圧用または高圧用陽極材である請求項18に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  20. 請求項1ないし請求項17の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたアルミニウム材に、エッチングを実施することを特徴とする電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  21. エッチング後、化成処理を実施する請求項20に記載の電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  22. エッチングの少なくとも一部が直流電解エッチングである請求項20または21に記載の電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  23. 請求項20ないし請求項22の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたアルミニウム電解コンデンサ用陽極材。
  24. 電極材として請求項20ないし請求項22の何れか1項に記載の製造方法によって製造されたアルミニウム電極材が用いられていることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
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