JP2013239576A - 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法及びアルミニウム箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム箔焼鈍前の残留圧延油量を30〜70mg/m2に規制し、かつ焼鈍条件を還元性雰囲気中で500〜600℃、4時間以上で行うと限定することで、上記課題である焼き付きを改善し、なおかつ適度なエッチングピットの開始点をつくることができる。それにより粗面化処理率の高いアルミニウム箔を提供するものである。
【選択図】図1
Description
本発明にかかる製造方法及び、アルミニウム箔は、上記事情を背景としてなされたものであり静電容量が大きく、安定した静電容量を有する電解コンデンサ電極用のアルミニウム箔の製造方法及びアルミニウム箔の提供を目的とする。
(1)電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法であって、残留圧延油が、30〜70mg/m2であるアルミニウム箔を、還元性雰囲気中で500〜600℃、4時間以上の焼鈍を行うことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
(2)(1)にかかる製造方法であって、焼鈍時の還元性雰囲気が水素ガス雰囲気であることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
(3)残留圧延油が、30〜70mg/m2であるアルミニウム箔に、還元性雰囲気中で500〜600℃、4時間以上の焼鈍処理を施した電解コンデンサ用アルミニウム箔であって、表面に酸化被膜が形成されており、酸化被膜のバリアー層の膜厚が10〜30Åであることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔。
(4)(3)で記載されたアルミニウム箔であって、厚みが100〜150μmであることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔
(5)(3)で記載されたアルミニウム箔であって、エッチングピットの起点となるクラックが、コイル全体に分散していることにより、粗面化効率に優れた電解コンデンサ用アルミニウム箔。
このときアルミニウム箔上の残油量が30mg/m2未満であると、後述する後工程である焼鈍において、圧延油の分解の際に発生するクラックの起点の密度が不十分でありエッチングによる粗面化処理において、適度な粗面化が行われない。また圧延油の残留量が70mg/m2を越えると、発生するクラックが高密度化してしまいエッチング時にエッチングピット同士の連結などが発生し、かえって表面積の増大を阻害し、結果として粗面化効率がさがってしまう。したがって圧延油の残油量は30mg/m2以上であり70mg/m2以下であることが望ましい。
還元性ガスとして、水素ガスを用いる場合の酸素濃度は、爆発限界を考慮し、0.3体積%以下とする。また、水素ガス以外の残部分がアルゴン、窒素等の不活性ガスで構成される場合、水素ガス濃度を数%下げることは可能であり、コストの点でわずかなメリットがあるものの、この場合、制御が複雑となるため、好ましくない。
上記のように高い濃度の還元性雰囲気中で焼鈍処理を行うことでアルミニウム箔表面に10〜30Åの厚さの酸化被膜が形成されるとともに、アルミニウム箔表面に付着している油分が還元され高温加熱状態で分解、ガス化し、アルミニウム箔から容易に離脱する。
前記の保持温度において、保持時間は12時間以下であることが好ましく、6時間以下であることがより好ましい。保持時間を12時間より長くするとブロッキング現象が起こりやすくなり、12時間以下、特に6時間以下に抑えることで、ブロッキング現象は起こりにくくなる。また、生産性の観点からも、保持時間は短いほうが好ましく、実用上は10時間以下であることが好ましい。
電解コンデンサ用アルミニウム箔の粗面化処理は、前処理工程、エッチングピット発生工程、エッチングピット径拡大工程とによって行うことができる。前処理工程では、電解コンデンサ用アルミニウム箔を5%水酸化ナトリウム溶液(温度40℃)に60秒程度浸漬する。次に、エッチングピット発生工程を行う。この工程では、電解コンデンサ用アルミニウム箔を3M硫酸と1M塩酸との混合溶液(温度75℃)中に浸漬し、200mA/cm2の直流電流で120秒電解する(1段目のエッチング)。これにより、電解コンデンサ用アルミニウム箔の表面に、各立方晶の(100)面に対して略垂直方向に伸びる腐食孔(ピット)が発生する。
この工程でも、前工程と同様に、本発明により製造される電解コンデンサ用アルミニウム箔が適度な化学溶解性を有していることにより、ピットの孔径が均一に効率よく拡大する。以上の工程により、電解コンデンサ用アルミニウム箔の表面に、十分な深さを有するピットが高密度且つ均一に形成され、電解コンデンサ用アルミニウム箔の実効的な表面積が拡大する。ここで、この粗面化処理は、いずれの工程も無電解エッチングであるため、電力消費量の問題が無く、低いコストで行うことができる。
「実施例1〜6及び比較例1〜11」
以下に明記した手順で各試験片を製造、評価した。各実施例においては、焼鈍前油量を30〜70mg/m2の範囲内で、焼鈍時の保持温度500〜600℃の範囲内で4時間以上、焼鈍雰囲気は水素ガスにて実施した。各比較例においては、焼鈍前油量30〜70mg/m2の範囲外、又は焼鈍時の保持温度500〜600℃の範囲外、又は焼鈍時間4時間未満、又は焼鈍時の雰囲気を不活性ガスであるアルゴンガス雰囲気にて実施した。
・静電容量の測定を行った。なお、実施例1の静電容量を100%とし、実施例2〜6、比較例1〜11に関しては実施例1に対する百分率として評価をおこなった。
・端点の変色に関しては目視にて評価をおこなった。目視で観察できないレベルを◎、茶褐色で変色幅が5mm以内であれば○、茶褐色で変色幅が5mm以上を△、幅に関係なく黒変した場合は×とした。◎及び○を良好であると判断した。
・ブロッキング現象の評価は、焼鈍後のアルミニウム箔コイルを巻き出す際に、密着なく巻出しを行うことができたものを◎、巻きだす際に密着はあるが皺が入らなかったものは○、部分的に皺が発生したものを△、連続して皺が発生したものを×とした。
これらから本発明である、焼鈍前の油量制御による効果及び焼鈍時の還元性雰囲気による効果を実証できた。
12 焼鈍後アルミニウム箔
13 巻き直し後アルミニウム箔
20 アルミニウム基材
21 酸化被膜
21a バリアー層(酸化被膜)
21b ポーラス層(酸化被膜)
30 クラック
Claims (5)
- 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法であって、残留圧延油が、30〜70mg/m2であるアルミニウム箔を、還元性雰囲気中で500〜600℃、4時間以上の焼鈍を行うことを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- 請求項1にかかる製造方法であって、焼鈍時の還元性雰囲気が水素ガス雰囲気であることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。
- 残留圧延油が、30〜70mg/m2であるアルミニウム箔に、還元性雰囲気中で500〜600℃、4時間以上の焼鈍処理を施した電解コンデンサ用アルミニウム箔であって、表面に酸化被膜が形成されており、酸化被膜のバリアー層の膜厚が10〜30Åであることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔。
- 請求項3で記載されたアルミニウム箔であって、厚みが100〜150μmであることを特徴とする電解コンデンサ用アルミニウム箔。
- 請求項3で記載されたアルミニウム箔であって、エッチングピットの起点となるクラックが、コイル全体に分散していることにより、粗面化効率に優れた電解コンデンサ用アルミニウム箔。
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