JP4037203B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム材およびその製造方法、および電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム材およびその製造方法、および電解コンデンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサの電極材として使用されるアルミニウム材およびその製造方法、さらにこのアルミニウム材が電極材として用いられた電解コンデンサに関するものである。
【0002】
なお、この明細書において、「アルミニウム」の語はアルミニウムおよびその合金の両者を含む意味で用いられる。
【0003】
【従来の技術】
通常、電解コンデンサ電極に使用されるアルミニウム材は、拡面率を高めて静電容量を向上させるために電気化学的あるいは化学的エッチング処理がなされる。
【0004】
とりわけ、近年、ノート型パーソナルコンピューター用交流−直流コンバータ電源、あるいは、照明器具、空調機、冷蔵庫、洗濯機等におけるインバータ電源採用に伴って、コンデンサの定格電圧の上昇、静電容量の増大に対するニーズが高まっている。このため、高い定格電圧域においても高く均一な静電容量が得られるアルミニウム材が求められている。
【0005】
静電容量を増大しあるいは均一化する方法としては、アルミニウム材表面における立方体方位の結晶粒の高い占有面積率を確保し、表面酸化膜に均一な欠陥を形成してエッチングによるピット核を均一化することや、焼鈍条件の制御によって酸化膜の生成を制御することが知られている。このような結晶組織や酸化膜が制御されたアルミニウム材およびその製造方法については、例えば次のようなものがある。
【0006】
特開平10−242001号公報には、コイルにおける静電容量を均一化するために、焼鈍中の炉内雰囲気との接触を抑制して、コイルの幅方向での酸化膜の厚みの差異を低減させた電解コンデンサ用アルミニウム箔のコイルとその製造方法が記載されている。また、酸化膜の均一化を図るために焼鈍の前のコイルにネット状のラップで覆う方法が開示されている。
【0007】
特開平11−172389号公報には、コイル内でのアルミニウム箔の静電容量を均一化する方法として、不活性雰囲気の焼鈍での昇温時、特定の温度以上に達した段階で、炉内雰囲気を排気し、真空雰囲気で焼鈍する方法が記載されている。
【0008】
特開平3−257147号公報には、コイル内のアルミニウム箔の静電容量を制御する方法として、最終箔製品の3.3〜20倍まで冷間圧延した際に、表面をアルカリ、または酸洗浄し、その後さらに冷間圧延することにより、酸化膜厚と(100)面の占有率を制御する方法が記載されている。
【0009】
特開平5−279815号公報には、表層の酸化膜厚が2〜2.5Åのときに洗浄し、さらに仕上焼鈍前に酸化膜厚が10Å以下に成長するように加熱処理する方法が記載されている。
【0010】
また、特開2001−135553号公報には、(100)面の高占有率を達成した上で、酸化膜の溶解性を早めることによってエッチングピットを均一に形成し、高い静電容量を得ることが記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高い定格電圧においてコンデンサの静電容量を高めるには、エッチングおよび引き続く化成処理により得られるエッチピット内部の酸化膜の耐電圧を高める必要があり、エッチピットを極力粗く分散させ、かつ、エッチピットの径を増大させ得ることが必要である。そして、エッチピットの径を増大させるには、エッチピットの核となる欠陥の形成をエッチングの前処理段階で少なく抑える必要がある。しかし、エッチピット核となる欠陥を抑制するために前処理を弱めると、前処理に用いられる酸に対する溶解性の相違、あるいはアルミニウム箔の表面に形成されている酸化膜の厚さによりエッチピット核の分散が異なってくる。
【0012】
さらに、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の多くは、高い(100)方位密度を確保するため、1回以上の焼鈍を要するが、その多くはコイルの状態でバッチ焼鈍する。このため、コイル内には炉内での温度、接触する雰囲気に対する不均一が生じて、上記の酸化膜厚、あるいは酸に対する溶解特性がコイルの内部で異なってくる。
【0013】
しかしながら、高い定格電圧において静電容量の増大と均一化を図るためには、上述した観点から、上述の各技術にはそれぞれ次のような問題点がある。
【0014】
特開平10−242001号公報に記載された方法は、エッチング時の前処理での酸化膜の溶解時間の均一化には、酸化膜厚のみでなく溶解挙動自体が均一である必要があり、単なる酸化膜厚の均一性では不十分である。また、ラップでコイルを覆う作業が煩雑であり、コストも増大する。
【0015】
特開平11−172389号公報に記載された方法は、高温での不活性ガスの排気と、炉内圧を真空に近い状態まで低下させる必要があり、炉体構造の寿命、および排気設備において安全性を確保するためには、経済的に不利である。
【0016】
特開平3−257147号公報に記載された方法において、洗浄時の箔厚を規定する理由として、この範囲を下回る倍率では、溶解洗浄により表面が荒れるためとされている。また、上回る倍率では後工程での酸化膜形成が厚くなるとされている。しかし、この方法では、洗浄後の冷間圧延において、加工熱が生じ、外気との接触状態の不均一により、酸化膜に不均一が生じる場合がある。
【0017】
特開平5−279815号公報に記載された方法では、高い定格電圧用途のアルミニウム箔では、最終焼鈍温度が高く、酸化膜をこのような厚さに制御するには、雰囲気管理が極めて困難で、経済的でない。
【0018】
特開2001−135553号公報に記載された方法では、溶解性に言及されているものの、高い定格電圧において優位性を発揮しうる粗いエッチピットの分散形態が得られるか開示されていない。
【0019】
本発明は、このような技術背景に鑑み、高い定格電圧における電解コンデンサの静電容量の増大と均一化をなし得る電解コンデンサ電極用アルミニウム材およびその製造方法、さらにはこのアルミニウム材を用いた電解コンデンサの提供を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、アルミニウム材のエッチングにおいて、エッチングの前処理における酸化膜の溶解挙動がエッチピットの発生に影響を及ぼしていることに着目し、ピットの径を増大できるような広いエッチピットの分散間隔が得られるエッチング前処理と、このエッチング前処理条件で均一な酸化膜溶解挙動が得られるアルミニウム材の表面酸化膜条件と、高い定格電圧において高容量でコイル内での容量分布の均一な電解コンデンサ電極用アルミニウム材とその製造方法を確立した。
【0021】
即ち、本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、Al純度が99.9%以上からなり、表面において立方体方位の結晶粒が90%以上の面積を占めるアルミニウム材であって、40℃、2mol/lのりん酸水溶液中にアルミニウム材を浸漬して50mVで120Hzの交流電圧を与え、該アルミニウム材の静電容量と浸漬時間との関係を示すS字静電容量曲線(A)において、静電容量の最大変化率の傾きを有する直線(B)と、最大静電容量の漸近直線(C)との交点(P)に対応する浸漬時間によって定義される酸化膜溶解時間(TR)が60〜90秒の範囲にあり、かつ酸化膜溶解時間(TR)の変動幅が10秒以内となされていることを基本要旨とする。
【0022】
前記電解コンデンサ電極用アルミニウム材において、前記アルミニウム材はコイル状に巻かれたコイル材である。
【0023】
また、前記電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、表面に形成されている酸化膜の厚さが3nm以上4.2nm未満であることが好ましい。
【0024】
また、前記アルミニウム材は中高圧用陽極材であることが好ましい。
【0025】
本発明の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法は、Al純度99.9%以上のアルミニウムを熱間圧延した後、複数回の冷間圧延、中間焼鈍、軽圧下冷間圧延、最終焼鈍を順次行うアルミニウム材の製造工程において、中間焼鈍を行う前で、アルミニウム素材の厚さが最終製品厚の1.2〜3倍の段階で該アルミニウム素材を洗浄し、軽圧下冷間圧延をアルミニウム素材表面温度が50℃以下のときに行い、中間焼鈍を、露点−70℃〜−30℃の不活性ガス雰囲気中で、160℃〜300℃で2〜30時間保持することとし、最終焼鈍を、露点−70℃〜−30℃の不活性ガス雰囲気中で、加熱保持温度をT(℃)、保持時間をt(時間)とした場合に、
480℃≦T≦560℃ … 1)
−T/20+30≦t≦−T/20+55 … 2)
なるT,tの関係を充足する条件で行い、請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム材を製造することを基本要旨とする。
【0026】
前記電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法において、中間焼鈍前の洗浄は、アルミニウム素材の厚さが最終製品厚の1.2〜1.5倍の段階で行うことが好ましい。
【0027】
また、軽圧下冷間圧延は、アルミニウム素材表面温度が40℃以下のときに行うことが好ましい。
【0028】
また、中間焼鈍は、露点−60℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気中で、170℃〜280℃で4〜25時間の保持で行うことが好ましい。
【0029】
また、最終焼鈍は、露点−60℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気中で、加熱保持温度T(℃)を490℃≦T≦550℃で行うことが好ましい。
【0030】
本発明の電解コンデンサは、請求項1〜4のいずれかの電解コンデンサ電極用アルミニウム材が電極材として用いられていることを要旨とする。
本発明に規定する電解コンデンサ電極用アルミニウム材の構成要素の作用を以下に詳述する。
【0031】
アルミニウム材において、Al純度は99.9%以上とする。不純物量が増えるとエッチング時に過剰溶解して表面から板厚中心に向かって垂直に形成されるエッチピットが不均一に形成される。なお、アルミニウム材の表層部には、アルミニウム材製造の過程で施される焼鈍で特定元素が濃化する場合がある。この表層での濃化領域は極めて薄い領域なので、前記Al純度は極表層部を除く基材部について満たしてることを前提とする。特に好ましいAl純度は99.99%以上である。
【0032】
アルミニウム材表面における結晶方位の立方体方位からのずれは、Al純度と同様にエッチング時にエッチピット形成が不均一となるため、箔表面において立方体方位の結晶粒が90%以上の面積を占めることとする。特に好ましい面積率は95%以上である。
【0033】
電解コンデンサ電極用アルミニウム材では、エッチングの前処理において、アルミニウム材表面の酸化膜が部分的に溶解する状態でとどめ、酸化膜の有無による電流の流れ易さに違いを生じさせ、その後のエッチング処理においてエッチピットを大きな分散間隔で均一に形成させる。このため、本発明では、Al純度および結晶粒の立方体方位面積率によって規定した上で、エッチピットの分散性および形成均一性を、部分的溶解にとどめ得る溶解時間を、りん酸水溶液によって定義する酸化膜溶解時間(TR)として規定する。
【0034】
本発明において、前記酸化膜溶解時間(TR)は次の方法で定義する。
【0035】
まず、アルミニウム材を0.2 mol/l、40℃のりん酸水溶液中に浸漬して、50mVで120Hzの交流電圧を与えた際に、連続的に静電容量を測定し、図1に示す静電容量と浸漬時間との関係を示すS字静電容量曲線(A)を求める。アルミニウム材表面の酸化膜の厚さは浸漬時間の経過に伴って減少するが、全く均一に減少するものでなく、途中過程では、厚みに不均一が生じる。部分的に酸化膜が消失した部位では、酸化膜に代わる被膜が成長し、酸化膜に代わる誘電体被膜として働くため、次第に静電容量の変化率は減少し始める。このような溶解挙動に基づき、元からあった酸化膜はりん酸水溶液中で成長する被膜への変化は漸次進行するため、元の酸化膜が消滅した時間はS字静電容量曲線には明確に現れない。そこで、本発明では、酸化膜溶解時間(TR)を次の方法で定義する。
【0036】
1)静電容量と浸漬時間の関係を示すS字静電容量曲線(A)を求める(図1)。
【0037】
2)このS字静電容量曲線(A)において、静電容量の最大変化率の傾きを有する直線(B)、即ち最大変化率を示す位置で接線をひく。
【0038】
3)S字静電容量曲線(A)において、最大静電容量の漸近直線(C)をひく。
【0039】
4)(B)(C)の交点を(P)とし、(P)に対応する浸漬時間(TR)を酸化膜溶解時間とする。
【0040】
上述の方法で定義される酸化膜溶解時間(TR)を60〜90秒の範囲とする。酸化膜溶解時間(TR)が90秒を超えると、エッチング前処理による表面酸化膜の溶解が少なく、エッチピットの形成が不均一となり、60秒未満であれば酸化膜の全て溶解し、エッチピット形成が過度に微細になる。また、アルミニウム材における溶解時間(TR)の変動幅、即ちアルミニウム材における溶解時間(TR)の最大値と最小値との差は10秒以内とする。変動幅が10秒を越えると溶解が不均一となり、所期するエッチングピットを形成することができない。好ましい酸化膜溶解時間(TR)は60〜80秒であり、好ましい変動幅は5秒以下である。
【0041】
なお、本発明において、酸化膜溶解時間(TR)はアルミニウム材における部分的な酸化膜溶解状態を確保するものであり、溶解性試験を行うことが本発明の趣旨ではない。従って、エッチングの前処理におRける溶解状態を明確に定義し、上述したりん酸水溶液による酸化膜溶解時間(TR)と同等の溶解状態を確保しうる試験方法や、その試験方法によって定義されたアルミニウム材を排除するものではない。例えば、溶解時間が長く、部分的な酸化膜溶解状態を比較的容易に選定できる酸性水溶液であれば、りん酸水溶液以外によっても溶解状態を定義することができる。
【0042】
また、前記酸化膜溶解時間(TR)は溶解速度に基づくパラメータであるから、化学組成や熱処理方法等の異なるアルミニウム材のエッチング特性を共通のパラメータで評価して静電容量を把握することができる。
【0043】
本発明のアルミニウム材は、寸法や形態を限定するものではない。しかし、酸化膜溶解時間(TR)の変動幅を10秒以下に規定することによって、長尺のアルミニウム材が巻かれたコイル材におけるエッチピットの均一形成性を確保することができる。変動幅とは、エッチングに供する単位の材料内、例えばアルミニウムコイル材においてはコイル内、の溶解時間の最大値と最小値の差であり、材料の長さ方向、幅方向から代表的な部位を10点前後サンプリングし、溶解時間を測定することによって求められる。
【0044】
また、アルミニウム材において、酸化膜厚が過度に増大すると、本発明で規定する前処理における部分的な酸化膜溶解が大きく変動する。そこで、本発明では酸化膜厚が3nm以上4.2nm未満であることを推奨する。一方、酸化膜厚が薄くても酸化膜溶解時間(TR)が不均一になることはないが、焼鈍時の酸素濃度を過度に抑制する必要があり、真空排気や、封入する雰囲気ガス中の酸素濃度を低減する厳しい工程管理が必要となる。酸化膜厚が3nm以上であれば、酸化膜溶解時間(TR)の均一性を確保しつつ、焼鈍工程管理の容易性をも確保することができる。このため、酸化膜厚として3nm以上4.2nm未満を推奨できる。さらに好ましい酸化膜厚は3〜4nmである。
【0045】
本発明のアルミニウム材は、その後拡面率向上のためのエッチングが施される。アルミニウム材は、立方体方位占有率および溶解性が制御されているから、エッチングによって大径で粗くかつ均一に分散するエッチングピットが形成される。このため、陽極材として用いて、化成処理によって耐電圧の高い酸化膜が形成される。また、耐電圧性皮膜を形成させても大きい実効面積を有する点で陽極材に適している。さらに、高い定格電圧において高くかつ均一な静電容量が得られるから、中圧用および高圧用電解コンデンサ電極材に適している。また、この電極材を用いた電解コンデンサは大きな容量を実現できる。
【0046】
また、本発明のアルミニウム材の厚さは限定されない。箔と称される200μm以下のものも、それ以上の厚いものも本発明に含まれる。
【0047】
上述の特性を有する電解コンデンサ電極用アルミニウム材は、本発明の方法によって製造することができる。
【0048】
即ち、Al純度99.9%以上のアルミニウムを熱間圧延した後、複数回の冷間圧延、中間焼鈍、軽圧下冷間圧延、最終焼鈍を順次行うアルミニウム材の製造工程において、中間焼鈍前の洗浄、軽圧下冷間圧延時のアルミニウム材温度、中間焼鈍、最終焼鈍の各工程について規定する。
【0049】
中間焼鈍前の洗浄は、アルミニウム素材の厚さが最終製品厚の1.2〜3倍の段階で行う。この洗浄により、本発明に規定する立方体方位占有率と溶解時間(TR)とを有する酸化膜特性を得ることができる。アルミニウム素材の厚さが1.2倍未満にまで薄く圧延された状態で洗浄すると、後工程の中間焼鈍、軽圧下冷間圧延、最終焼鈍で立方体方位の組織が減少し、電解コンデンサ電極用アルミニウム材としての特性が劣化する。また、3倍を越える厚い状態で洗浄すると、中間焼鈍の後の軽圧下冷間圧延において、圧延速度によってはアルミニウム材の表面温度が圧延による変形量の増大により上昇し、更に不均一な酸化膜を形成する。そこで、本発明では中間焼鈍前の洗浄を実施するアルミニウム素材の厚さ範囲を、最終製品厚の1.2〜3倍に規定する。この範囲の厚さであれば、該当する洗浄は、中間焼鈍の直前であっても、途中の冷延工程の間であっても特に支障はない。特に好ましいアルミニウム材の厚さは、最終製品厚の1.2〜1.5倍である。
【0050】
前記洗浄には、表面の凹凸を極力小さく抑えるため、低濃度のオルトケイ酸ソーダのような微弱なアルカリ性水溶液、または低濃度のりん酸水溶液のような微弱な酸性水溶液を用いることが望ましい。
【0051】
上述の洗浄後、中間焼鈍が施されたアルミニウム材には、最終焼鈍での立方体方位制御のために軽圧下冷間圧延がなされる。ここで、軽圧下とは10〜25%程度の圧下率である。この軽圧下冷間圧延で生じる新生アルミニウム表面への酸化膜不均一形成を抑制するため、冷間圧延時の表面温度上昇による酸化抑制をはかることが好ましい。そこで、中間焼鈍に続く軽圧下冷間圧延におけるアルミニウム素材表面温度を50℃以下とする。これを越える温度では、圧延後、緩やかな冷却の間に外気の空気との接触により酸化膜の不均一が生じるおそれがある。好ましい表面温度は40℃以下である。また、アルミニウム材がコイル材の場合は、コイル素材の外周面における温度を上記温度とする。
【0052】
また、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造工程において、コイル材として焼鈍される場合であっても、コイル端部では炉内に封入される不活性ガスに曝される。このとき、雰囲気ガスに含まれる微量酸素により表面酸化膜が端部で顕著に成長する。この酸化膜の成長は、焼鈍温度の上昇と、焼鈍時間の増大におよそ比例する。そこで本発明では、このようなコイル端部の酸化膜成長を極力抑制するために、中間焼鈍では、露点−70℃〜−30℃の不活性ガス雰囲気で、160℃〜300℃で2〜30時間保持することとする。また、特に高温で保持される最終焼鈍においては、その条件を、露点−70℃〜−30℃の不活性ガス雰囲気中で、加熱保持温度をT(℃)、保持時間をt(時間)とした場合に、下記式1)、2)を満たす範囲とする。
【0053】
480℃≦T≦560℃ …1)
−T/20+30≦t≦−T/20+55 …2)
上記を越える温度、時間条件では、端部の酸化膜成長が顕著になる。また、上記に満たない温度、時間では、再結晶した立方体方位の結晶粒成長が不十分となる。中間焼鈍の好ましい条件は、露点−60℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気中で、170℃〜280℃で4〜25時間の保持である。最終焼鈍の好ましい条件は、露点−60℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気中で、加熱保持温度T(℃)が490℃≦T≦550℃である。
【0054】
また、焼鈍時の不活性ガス雰囲気は、中間焼鈍にあっては窒素ガスを推奨でき、最終焼鈍にあってはArガスまたは窒素ガスを推奨できる。
【0055】
なお、本発明のアルミニウム材の製造に際し、上述の工程以外の工程、即ちアルミニウム材料の溶解・成分調整・スラブ鋳造、均熱処理、熱間圧延、冷間圧延は、一般法に従えばよく、特に限定すべき工程の指定はない。また、最終焼鈍前等の洗浄も適宜行う。
【0056】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
〔試験1〕
表1に示すNo.1〜4の4種類の化学組成のアルミニウム鋳塊に対し、常法による面削、熱間圧延を行った後、続いて冷間圧延、中間工程での洗浄、中間焼鈍、軽圧下冷間圧延、洗浄および最終焼鈍を実施し、表2に示すNo.1−1〜1−22の22種類のアルミニウム材を製作した。製作したアルミニウム材は、いずれも最終的な製品厚さが110μmであり、幅1000mm×全長5000mのものをコイルに巻き取った。この製造工程において、中間焼鈍前の洗浄時の素材厚と、中間焼鈍温度と雰囲気条件、軽圧下冷間圧延時の素コイル表面温度、最終焼鈍温度と雰囲気条件を本発明範囲内で調整し種々の酸化膜特性のアルミニウム材を得た。
【0057】
そして、各コイルから、コイルの長さ方向において外周側から100m以内、中央部、および内周側から100m以内の各部位において、コイルの幅方向両端部から20mmの位置と、幅中央部の位置から合計9点の測定用サンプルを抽出し、酸化膜厚さ、酸化膜溶解時間、立方体方位の結晶粒の面積率、静電容量を次の方法によって測定した。
【0058】
(1) 酸化膜厚さの測定方法
Hunter-Fowle法(Hunter-Fowle法:JOURNAL OF THE ELECTROCHEMICAL SOCIETY,101.No.9(1954),p.481)に準拠して測定した。
【0059】
(2) 酸化膜溶解時間の測定方法
酸化膜溶解時間は、40℃、2mol/lのりん酸水溶液中に該当アルミニウム材を浸漬し、50mVで120Hzの交流電流を与えた際の、静電容量と浸漬時間との関係を示すS字静電容量曲線(A)において、静電容量の最大変化率の傾きを有する直線(B)と、最大静電容量の漸近直線(C)との交点(P)に対応する浸漬時間(TR)とする(図1参照)。
【0060】
(3) 立法体方位方位の結晶粒の面積率の測定方法
液組成(35%HCl:60%HNO3:48%HFを容積比75:25:1で混合)の処理液を30℃に保持し、この処理液中にアルミニウム材を30秒浸漬した後、水洗、乾燥して、(100)方位の結晶粒と、他方位の結晶粒の光沢を変化させて、画像処理により(100)方位の結晶粒の面積率を測定した。
【0061】
(4) 静電容量の測定方法
該当アルミニウム材を、40℃の2mol/lのリン酸水溶液に60秒浸漬する前処理を行った。
【0062】
引き続き、一次エッチングを、液組成HCl:1mol/l+H2SO4:3mol/lを含む液温75℃の混合水溶液に浸漬した後、電流密度D.C.0.2A/cm2で、時間100秒で実施した。
【0063】
その後、二次エッチングを、液組成HCl:1.5mol/l+(COOH)2:1/200mol/lを含む液温90℃の混合水溶液に10分間浸漬した。
【0064】
これらエッチング処理後、洗浄、乾燥を行い、化成電圧450Vで、EIAJ規格に準拠して化成処理し、静電容量を測定した。
【0065】
表2に、アルミニウム材のAl純度を再掲するとともに、これらの測定結果を示す。前記測定項目のうち、酸化膜厚さおよび立方体方位面積率については最大値および最小値を示す。酸化膜溶解時間については最大値、最小値およびこれらの差を変動幅として示す。静電容量は、No.1−2の最小値を100%とした静電容量比で表すものとし、これらの最大値および最小値を示す。さらに、静電容量比と最大値と最小値との差によって静電容量の均一性を次の基準に判定した。
【0066】
×:静電容量比が100%未満または差が5%以上である
○:静電容量比が100%以上かつ差が2〜5%未満である。
【0067】
◎:静電容量比が100%以上かつ差が2%未満である。
【0068】
【表1】
Figure 0004037203
【0069】
【表2】
Figure 0004037203
【0070】
この結果、試験No.1−2、1−4、1−5、1−8、1−9、1−11、1−13、1−15、1−16、1−18〜22は、本発明のAl純度、酸化膜特性、立方体方位面積率を満足しており、静電容量が高く、かつ均一であった。
【0071】
これらの中でも、酸化膜厚さが4.0nm以下のNo.1−4、1−5、1−8、1−9、1−11、1−13、1−15、1−16、1−19〜22は、特に静電容量の均一性が優れていた。ただし、No.1−22は均一で高い静電容量を得ることができたが、3nm未満の薄い酸化膜を形成するために、焼鈍時に厳密な雰囲気制御を必要とするため、製造コストの点では他のNo.のアルミニウム材が有利であった。
【0072】
一方、試験No.1−1,1−3,1−6,1−10、1−12のアルミニウム材では、酸化膜溶解時間の差が大きく、かつ溶解時間の最大値が範囲上限を超えており、静電容量の変動が大きい。試験No.1−7では、酸化膜溶解時間が本発明範囲より短く、全体的な静電容量比が小さい。また、No.1−14は立方体方位面積率が低く、静電容量の小さいものであった。また、1−17は、Al純度および立方体方位面積率が低く、静電容量が小さく変動幅の大きいものであった。
〔試験2〕
表1のNo.5に記載した化学組成のアルミニウム鋳塊に対し、常法による面削、熱間圧延を行った後、続いて冷間圧延、中間工程での洗浄、中間焼鈍、軽圧下冷間圧延、洗浄および最終焼鈍を実施し、表3のNo.2−1〜2−8の8種類の厚さ105μmのアルミニウム材を製作し、試験1と同じくコイル材とした。一連の製造工程において、中間焼鈍直前の洗浄時のアルミニウム素材厚さおよび中間焼鈍後の軽圧下冷間圧延開始時のコイル素材の外周の表面温度を、表3に示す条件に設定した。また洗浄は、40℃、0.1%オルトケイ酸ソーダ水溶液に30秒間浸漬するものとした。なお、中間焼鈍および最終焼鈍は各No.で共通とした。中間焼鈍条件は、窒素雰囲気中で220℃×20時間、露点は−50℃である。最終焼鈍条件は、アルゴン雰囲気中で520℃×12時間、露点は−50℃である。
【0073】
以上の工程で製作した各No.のアルミニウム材について、洗浄時のアルミニウム素材厚さの最終製品厚さ(105μm)に対する倍率を表3に示す。
【0074】
次いで、試験1と同様に、各コイル材から9点の測定用サンプルを抽出し、酸化膜厚さ、酸化膜溶解時間、立方体方位の結晶粒の面積率、静電容量を測定した。静電容量は、No.2−2の最小値を100%とする静電容量比を求め、その均一性を判定した。これらの結果を表3に示す。
【0075】
【表3】
Figure 0004037203
【0076】
表3の結果より、No.2−2〜4、2−6、7は、静電容量が高く、かつ均一であった。
【0077】
一方、No.2−1は、洗浄時の素材厚が製品厚に比べ発明範囲より薄く、また、No.2−5は、コイル洗浄時の素材厚が製品厚に比べ発明範囲より厚い。このため、静電容量が低くしかも均一性の悪いものであった。また、軽圧下冷間圧延時のコイル表面温度の高いNo.2−8も静電容量が低く均一性の悪いものであった。
〔試験3〕
表1のNo.6に記載した化学組成のアルミニウム鋳塊に対し、常法による面削、熱間圧延を行った後、続いて冷間圧延、中間工程での洗浄、中間焼鈍、軽圧下冷間圧延、洗浄および最終焼鈍を実施し、表4のNo.3−1〜3−13の13種類の厚さ105μmのアルミニウム材を製作し、試験1と同じくコイル材とした。一連の製造工程において、アルミニウム素材の厚さが150μmのときに、試験2と同一処理液で洗浄を行い、直後に露点−50℃の窒素雰囲気中で220℃×20時間の共通条件で中間焼鈍を行った。その後、コイル素材の表面温度が35℃の時に105μmの最終厚さに軽圧下冷間圧延を行った。即ち、洗浄時のアルミニウム素材の厚さは最終製品に対して1.4倍である。そして、最終焼鈍をアルゴン雰囲気中で表4に示す温度および保持時間で行った。最終焼鈍における露点は−50℃で共通とした。
【0078】
次いで、試験1と同様に、各コイル材から9点の測定用サンプルを抽出し、酸化膜厚さ、酸化膜溶解時間、立方体方位の結晶粒の面積率、静電容量を測定した。静電容量は、No.3−1の最小値を98%とする静電容量比を求め、その均一性を判定した。これらの結果を表4に示す。
【0079】
【表4】
Figure 0004037203
【0080】
表4の結果より、最終焼鈍条件が下記式1)2)を満たすNo.3−2〜3、3−7〜8、3−11〜12は、静電容量が高くかつ均一性が優れていた。
【0081】
480℃≦T≦560℃ …1)
−T/20+30≦t≦−T/20+55 …2)
〔試験4〕
表1のNo.5に記載した化学組成のアルミニウム鋳塊に対し、常法による面削、熱間圧延を行った後、続いて冷間圧延、中間工程での洗浄、中間焼鈍、軽圧下冷間圧延、洗浄および最終焼鈍を実施し、表5のNo.4−1〜4−13の13種類の厚さ105μmのアルミニウム材を製作し、試験1と同じくコイル材とした。一連の製造工程において、アルミニウム素材の厚さが150μmのときに、試験2と同一処理液で洗浄を行い、直後に窒素雰囲気中で表5に示す条件で中間焼鈍を行った。その後、コイル素材の表面温度が35℃の時に最終厚さに軽圧下冷間圧延を行った。即ち、洗浄時のアルミニウム素材の厚さは最終製品に対して1.4倍である。そして、最終焼鈍をアルゴン雰囲気中で表5に示す条件で行った。
【0082】
次いで、試験1と同様に、各コイル材から9点の測定用サンプルを抽出し、酸化膜厚さ、酸化膜溶解時間、立方体方位の結晶粒の面積率、静電容量を測定した。静電容量は、No.4−2の最小値を100%とする静電容量比を求め、その均一性を判定した。これらの結果を表5に示す。
【0083】
【表5】
Figure 0004037203
【0084】
表4の結果より、中間焼鈍条件が露点−70〜−30℃、160〜300℃×2〜30時間を満たし、かつ最終焼鈍条件が下記式1)2)を満たすものは、静電容量が高くかつ均一性が優れていた。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1にかかる発明によれば、エッチングの前処理において酸化膜が部分溶解され、その後のエッチングによってエッチピットが大きな分散間隔で均一に形成される。このため、耐電圧の高い酸化膜が形成され、高い定格電圧においても高く均一な静電容量を得ることができる。
【0086】
請求項2にかかる発明によれば、コイルとしてのアルミニウム材において、高く均一な静電容量を得ることができる。
【0087】
請求項3にかかる発明によれば、さらに酸化膜の溶解性が均一となり、さらに高く均一な静電容量が得られる。
【0088】
請求項4にかかる発明によれば、中高圧用陽極材において高く均一な静電容量を得ることができる。
【0089】
請求項5にかかる発明によれば、エッチングの前処理において酸化膜が部分溶解され、その後のエッチングによってエッチピットが大きな分散間隔で均一に形成しうる電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造できる。ひいては、高い定格電圧においても高く均一な静電容量を得られるアルミニウム材を製造できる。
【0090】
請求項6〜9にかかる各発明によれば、さらに酸化膜の溶解性が均一となり、さらに高く均一な静電容量を得られる電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造できる。
【0091】
請求項10にかかる発明は、本発明のアルミニウム材を電極材として用いるため、大きな均一な静電容量を有する電解コンデンサとなし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において定義される酸化膜溶解時間の算出に使用するS字静電容量曲線を示す図面である。
【符号の説明】
A…S字静電容量曲線
B…静電容量の最大変化率の傾きを有する直線
C…最大静電容量の漸近直線
P…A、Bの交点
R…酸化膜溶解時間

Claims (10)

  1. Al純度が99.9%以上からなり、表面において立方体方位の結晶粒が90%以上の面積を占めるアルミニウム材であって、
    40℃、2mol/lのりん酸水溶液中にアルミニウム材を浸漬して50mVで120Hzの交流電圧を与え、該アルミニウム材の静電容量と浸漬時間との関係を示すS字静電容量曲線(A)において、静電容量の最大変化率の傾きを有する直線(B)と、最大静電容量の漸近直線(C)との交点(P)に対応する浸漬時間によって定義される酸化膜溶解時間(TR)が60〜90秒の範囲にあり、かつ酸化膜溶解時間(TR)の変動幅が10秒以内となされていることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  2. 前記アルミニウム材はコイル状に巻かれたコイル材である請求項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  3. 表面に形成されている酸化膜の厚さが3nm以上4.2nm未満である請求項1または2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  4. 前記アルミニウム材は中高圧用陽極材である請求項1〜3のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材。
  5. Al純度99.9%以上のアルミニウムを熱間圧延した後、複数回の冷間圧延、中間焼鈍、軽圧下冷間圧延、最終焼鈍を順次行うアルミニウム材の製造工程において、
    中間焼鈍を行う前で、アルミニウム素材の厚さが最終製品厚の1.2〜3倍の段階で該アルミニウム素材を洗浄し、
    軽圧下冷間圧延をアルミニウム素材表面温度が50℃以下のときに行い、
    中間焼鈍を、露点−70℃〜−30℃の不活性ガス雰囲気中で、160℃〜300℃で2〜30時間保持することとし、
    最終焼鈍を、露点−70℃〜−30℃の不活性ガス雰囲気中で、加熱保持温度をT(℃)、保持時間をt(時間)とした場合に、
    480℃≦T≦560℃ … 1)
    −T/20+30≦t≦−T/20+55 … 2)
    なるT,tの関係を充足する条件で行い、請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム材を製造することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  6. 中間焼鈍前の洗浄は、アルミニウム素材の厚さが最終製品厚の1.2〜1.5倍の段階で行う請求項5に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  7. 軽圧下冷間圧延は、アルミニウム素材表面温度が40℃以下のときに行う請求項5または6に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  8. 中間焼鈍は、露点−60℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気中で、170℃〜280℃で4〜25時間の保持で行う請求項5〜7のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  9. 最終焼鈍は、露点−60℃〜−40℃の不活性ガス雰囲気中で、加熱保持温度T(℃)を490℃≦T≦550℃で行う請求項5〜8のいずれかに記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  10. 請求項1〜4のいずれかに記載された電解コンデンサ電極用アルミニウム材が電極材として用いられていることを特徴とする電解コンデンサ。
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