JP6802161B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6802161B2
JP6802161B2 JP2017531045A JP2017531045A JP6802161B2 JP 6802161 B2 JP6802161 B2 JP 6802161B2 JP 2017531045 A JP2017531045 A JP 2017531045A JP 2017531045 A JP2017531045 A JP 2017531045A JP 6802161 B2 JP6802161 B2 JP 6802161B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aluminum
aluminum material
electrolytic capacitor
hot rolling
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017531045A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017018029A1 (ja
Inventor
西森 秀樹
秀樹 西森
智明 山ノ井
智明 山ノ井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Denko KK filed Critical Showa Denko KK
Publication of JPWO2017018029A1 publication Critical patent/JPWO2017018029A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6802161B2 publication Critical patent/JP6802161B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/004Details
    • H01G9/04Electrodes or formation of dielectric layers thereon
    • H01G9/048Electrodes or formation of dielectric layers thereon characterised by their structure
    • H01G9/055Etched foil electrodes

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

この発明は、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法に関する。
なお、この明細書において「アルミニウム」の語はその合金を含む意味で用い、アルミニウム材には箔と板およびこれらを用いた成形体が含まれる。
アルミニウム電解コンデンサ用電極材料として一般に用いられるアルミニウム材は、静電容量を大きくする目的で、電気化学的あるいは化学的エッチング処理を施して、アルミニウム材の実効面積を拡大することが行われている。
直流エッチング法でトンネル状ピットを生成させる中高圧電解コンデンサ陽極用アルミニウム材の製造においては、最終焼鈍後のアルミニウムの立方体集合組織を発達させるために、熱間圧延条件の検討が行われている。
特許文献1では、電解コンデンサ用アルミニウム鋳塊に570〜630℃の温度範囲で4〜24時間の均質化処理を施した後、ただちにほぼ均質化処理温度で粗熱間圧延に着手し、480〜530℃の温度で粗熱間圧延を終了し、更に300〜380℃で1〜12時間の焼鈍を行い、最後に常法によって冷間圧延、箔圧延および最終焼鈍を実施する電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法が示されている。
特許文献2には、熱間圧延工程における最後の再結晶時の板厚と断面の平均結晶粒径との関係を規定した電解コンデンサ電極用アルミニウム材が開示されている。
特許文献3では、前加熱後直ちに熱間圧延を開始し、板厚100〜20mmになった時点で冷却速度0.5℃/sec以上の冷却速度で380〜450℃の温度まで冷却し、その後の1パスを25%以上の圧下率で圧延する工程と、その後、引き続いて板厚3〜50mmまで熱間圧延する工程とを実施することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法が示されている。
特開平4−89118号公報 特開平11−50213号公報 特開平7−211591号公報
しかしながら、特許文献1記載の製法では、粗熱間圧延後のアルミニウム板の温度が高温であり、アルミニウムの再結晶が完了するまで放置し、仕上げ熱間圧延後を経た後、焼鈍を行うため、冷間圧延開始前のアルミニウム結晶粒を微細なものとすることが困難であり、最終焼鈍後の立方体方位占有面積率の向上には限界があった。
また、引用文献2では、熱間粗圧延ラスト2パスのパススケジュールが例示されているが、熱間粗圧延終了後のアルミニウム板の温度は高く、熱間粗圧延終了後の保持により再結晶が進むため、アルミニウム結晶粒の微細化には不利であり、引用文献1同様最終焼鈍後の立方体方位占有面積率の改善は不十分であった。
引用文献3では、熱間圧延の途中において、特定の板厚で特定の温度まで冷却した後、規定の圧下率で圧延することにより、アルミニウム板を再結晶させるが、再結晶直前のパス以外の熱間圧延条件の検討が不十分であった。
本願発明は、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の立方体方位制御において、熱間圧延工程の検討が不十分であるという問題点を解決し、高い立方体方位占有面積率を有し、エッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、電解コンデンサ電極用アルミニウム材、電解コンデンサ用電極材およびアルミニウム電解コンデンサを提供することを課題とする。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の好ましい実施形態から明らかであろう。
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)アルミニウム鋳瑰に少なくとも粗熱間圧延と仕上げ熱間圧延を実施して電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造するに際し、前記粗熱間圧延工程が複数のパスからなり、前記仕上げ熱間圧延が1回のパスからなり、前記粗熱間圧延の途中においてアルミニウム材の温度を調節する直前のパスを第1の制御パス、アルミニウム材の温度を調節する直後のパスを第2の制御パスとしたとき、前記第1の制御パスを25%以上75%以下の圧下率で実施した後、アルミニウム材の温度を400℃以上500℃以下に調節し、さらに引き続いて前記第2の制御パスを25%以上75%以下の圧下率で実施し、粗熱間圧延終了後から前記仕上げ熱間圧延までの間でのアルミニウム材の表面温度が380℃以下とすることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(2)前記第1の制御パスの圧下率が35%以上70%以下、前記第2の制御パスの圧下率が35%以上70%以下である前項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(3)前記第1の制御パスの圧下率が40%以上70%以下、前記第2の制御パスの圧下率が45%以上70%以下である前項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(4)前記第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さが10mm以上220mm以下、前記第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さが5mm以上100mm以下である前項1ないし前項3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(5)前記第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さが10mm以上150mm以下、前記第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さが5mm以上60mm以下である前項1ないし前項3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(6)前記第1の制御パス後であって前記第2の制御パス前に調節するアルミニウム材の温度が420℃以上480℃以下である前項1ないし前項5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(7)前記アルミニウム材のアルミニウム純度が99.9質量%以上である前項1ないし前項6のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(8)最終焼鈍を実施する前項1ないし前項7のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
(9)前項1ないし前項8のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法により得られた電解コンデンサ電極用アルミニウム材にさらにエッチングを施すことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(10)前記エッチングの少なくとも一部が直流エッチングである前項9に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(11)前記エッチング終了後さらに化成処理を実施する前項9または前項10に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
(12)前項9ないし前項11のいずれか1項に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法により得られたアルミニウム電解コンデンサ用電極材を用いることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサの製造方法。
前項(1)に記載の発明によれば、第1の制御パスを25%以上75%以下の圧下率で実施した後、アルミニウム材の温度を400℃以上500℃以下に調節し、さらに引き続いて第2の制御パスを25%以上75%以下の圧下率で実施し、粗熱間圧延終了後から前記仕上げ熱間圧延までの間でのアルミニウム材の温度が380℃以下とするため、微細で均質なアルミニウム結晶粒の組織が得られ、このため高い立方体方位占有率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(2)に記載の発明によれば、 第1の制御パスの圧下率が35%以上70%以下、第2の制御パスの圧下率が35%以上70%以下であるため、より高い立方体方位占有面積率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(3)に記載の発明によれば、第1の制御パスの圧下率が40%以上70%以下、第2の制御パスの圧下率が45%以上70%以下であるため、特に高い立方体方位占有面積率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(4)に記載の発明によれば、第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さが20mm以上220mm以下、第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さが10mm以上100mm以下であるため、アルミニウム結晶粒の組織の均質化を達成するとともにその後の熱間圧延により必要な熱間加工度を得ることができ、このため高い立方体方位占有面積率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(5)に記載の発明によれば、前記第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さが20mm以上150mm以下、前記第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さが10mm以上60mm以下であるため、アルミニウム結晶粒の組織をより均質化なものとするとともにその後の熱間圧延により十分な熱間加工度を得ることができ、このためより高い立方体方位占有面積率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(6)記載の発明によれば、第1の制御パス後であって第2の制御パス前に調節するアルミニウム材の温度が420℃以上480℃以下であるから、より高い立方体方位占有面積率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(7)に記載の発明によれば、アルミニウム材のアルミニウム純度が99.9質量%以上であるため、アルミニウム材中の不純物が少なく、高い立方体方位占有面積率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(8)に記載の発明によれば、最終焼鈍によるアルミニウムの再結晶により、高い立方体方位占有面積率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を製造することができる。
前項(9)に記載の発明によれば、エッチングにより大きな静電容量を有するアルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造することができる。
前項(10)に記載の発明によれば、エッチングの少なくとも一部が直流エッチングにより行われるから、深くて太い多数のトンネル状ピットが生成された、大きな静電容量を有するアルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造することができる。
前項(11)に記載の発明によれば、さらに化成処理が施されているから、陽極材として好適なアルミニウム電解コンデンサ用電極材を製造することができる。
前項(12)に記載の発明によれば、高静電容量のアルミニウム電解コンデンサを製造することができる。
本願発明者は、複数のパスからなるアルミニウム材の粗熱間圧延を、25%以上75%以下の圧下率で行った後、アルミニウム材の温度を400℃以上500℃以下に調節し、さらに引き続いて25%以上75%以下の圧下率で圧延する工程を含み、粗熱間圧延終了後から前記仕上げ熱間圧延までの間でのアルミニウム材の温度が380℃以下となるように実施することにより、最終焼鈍後のアルミニウム材の立方体方位占有面積率が改善することを見出した。
以下に、電解コンデンサ用アルミニウム材の製造方法を詳細に説明する。
アルミニウム材の純度は電解コンデンサ用に使用される範囲であれば特に限定されないが、良好な立方体方位占有率を得るために、純度99.9質量%以上のものが好ましく、特に99.99質量%以上が好ましい。なお、本発明においてアルミニウム材の純度は100質量%からFe、SiおよびCuの合計濃度(質量%)を差し引いた値とする。
アルミニウム材の製造工程は、溶解成分調整・スラブ鋳造、面削、均熱、熱間圧延前加熱、熱間圧延(粗熱間圧延、仕上げ熱間圧延)、冷間圧延、中間焼鈍、仕上げ冷間圧延(軽圧下圧延)、最終焼鈍の順に実施される。なお、スラブの面削は均熱の前に行ってもよい。均熱、熱間圧延前加熱を順次実施する場合は、均熱を行った後冷却した後、熱間圧延前加熱を行っても良いし、均熱と熱間圧延前加熱を連続して行っても良い。
また、熱間圧延等の検討により必要な立方体方位占有面積率が得られる場合は、中間焼鈍、仕上げ冷間圧延(軽圧下圧延)を省略してもよい。
溶解成分調整・スラブ鋳造、面削および均熱は常法により行えばよい。
アルミニウム鋳塊の熱間圧延前加熱は、熱間圧延開始温度か、もしくは熱間圧延開始温度より高い温度で行われる。
熱間圧延前に加熱を施した後、アルミニウム鋳塊を熱間圧延前加熱温度か、もしくは熱間圧延前加熱温度より低い温度まで冷却した後、粗熱間圧延を開始する。
粗熱間圧延を開始する直前のアルミニウム鋳塊の温度は450℃以上580℃以下であることが好ましい。アルミニウム鋳瑰の温度が450℃未満であると、Al−Feあるいは Al−Fe−Si系の微細析出物がマトリックス内に析出し、最終焼鈍後もこの微細析出物が再固溶することなく残るため、エッチング時に局部溶解を起こし、高静電容量を得ることができない恐れがある。粗熱間圧延を開始する直前のアルミニウム鋳瑰の温度が580℃を超えると、熱間圧延初期の結晶粒が粗大化するため、熱間圧延による結晶粒の微細化には不利であり、最終焼鈍後のアルミニウム材の立方体方位占有率の改善が困難になる。さらに好ましくは、熱間圧延を開始する直前の温度は460℃以上580℃以下が良い。
複数のパスからなる粗熱間圧延は、25%以上75%以下の圧下率でアルミニウム材を圧延(以下、第1の制御パスと呼ぶ。)した後、アルミニウム材の温度を400℃以上500℃以下に調節し、さらに引き続いて25%以上75%以下の圧下率でアルミニウム材を圧延(以下、第2の制御パスと呼ぶ。)する工程を含み、粗熱間圧延終了後から仕上げ熱間圧延までの間でのアルミニウム材の温度が380℃以下となるように実施する。
第1の制御パスは1回のパスであって、アルミニウム圧延組織を均質化する目的で行う。第1の制御パスの圧下率が25%より低くなると、アルミニウム圧延組織の均質化が不十分であり、高立方体方位占有面積率の改善が不十分になる。第1の制御パスの圧下率が75%より高くなると板クラウンの制御が困難になる。第1の制御パス後の圧下率は、35%以上70%以下であることが好ましく、40%以上70%以下であることが更に好ましい。
第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さは、10mm以上220mm以下であることが好ましい。第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さが薄すぎるとその後の熱間加工度が不十分になり、逆に厚すぎるとアルミニウム結晶粒の組織の均質化が不十分であるため、板厚が薄すぎても厚すぎても高い立方体方位占有面積率を得ることが困難になる。第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さは、更に10mm以上150mm以下であることが好ましく、特に20mm以上100mm以下が好ましい。
第1の制御パスの後、アルミニウム材の温度を400℃以上500℃以下に調節し、さらに引き続いて第2の制御パスを実施する。第1の制御パス後のアルミニウム材の温度が400℃以上500℃以下である場合は、そのまま第2の制御パスを実施することができる。第1の制御パスの後、アルミニウム材の温度が500℃よりも高い場合は、400℃以上500℃以下の温度になるよう冷却した後、第2の制御パスを実施する。前記アルミニウム材の冷却方法は限定されないが、水冷、送風、放冷により実施することができる。
冷却は第1の制御パスの圧延を行いながら圧延した部位から順次実施しても良いし、冷却した部位から第2の制御パスを順次行っても良い。また、第1の制御パスの圧延が終了した後、アルミニウム材全体を冷却してから第2の制御パスの圧延を実施しても良い。
第2の制御パスを実施する前のアルミニウム材の温度が400℃未満の場合、温度が低すぎるため、第2の制御パスによるアルミニウムの再結晶が進行せず高い立方体方位占有面積率が得られない。一方、第2の制御パスを実施する前のアルミニウム材の温度が500℃を超える場合、第2の制御パスによるアルミニウムの再結晶が大きくなり、熱間圧延後の結晶粒を微細化できず、やはり高い立方体方位占有率を得ることができない。第2の制御パスを実施する前のアルミニウム材の温度は更に、420℃以上480℃以下であることが好ましい。
第2の制御パスは1回のパスであって、パス後にアルミニウム再結晶粒を生成させ、熱間圧延上がりの結晶粒を微細なものとすることを目的とし、アルミニウム材の温度を400℃以上500℃以下とした後、25%以上75%以下の圧下率でアルミニウム材を圧延する。第2の制御パスの圧下率が25%より低くなると、アルミニウムの再結晶が進行せず、高い立方体方位占有率を得ることができない。第2の制御パスの圧下率が75%より高くなると板クラウンの制御が困難になる。第2の制御パスの圧下率は、35%以上70%以下であることが好ましく、45%以上70%以下であることが更に好ましい。
なお、粗熱間圧延において、圧延直前のアルミニウム材の温度が400℃以上500℃以下であり圧下率が25%以上75%以下であるパスが複数回存在する場合は、圧延直前のアルミニウム材の温度が450℃であるか、もしくは450℃に最も近い1回のパスを第2の制御パスと規定する。
なお、上記規定で第2の制御パスが特定できない2つのケースについて下記のように規定する。
1つ目のケースは、圧延直前のアルミニウム材の温度が400℃以上500℃以下であり圧下率が25%以上75%以下であるパスが2回であって2回のパスの圧延直前のアルミニウム材の温度と450℃との温度差が等しい場合であり、上記2回のパスのうち2回目のパスを第2の制御パスと規定する。
2つ目のケースは、圧延直前のアルミニウム材の温度が400℃以上500℃以下であり圧下率が25%以上75%以下であるパスが3回以上であって、圧延直前のアルミニウム材の温度と450℃との温度差が最も小さいパスが複数回存在する場合であり、圧延直前のアルミニウム材の温度と450℃との温度差が最も小さい複数回のパスのうち、最後に実施するパスを第2の制御パスと規定する。
圧延直前のアルミニウム材の温度が400℃以上500℃以下であるパスが複数回存在する場合も、第2の制御パス直前のパスを第1の制御パスとする。
第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さは、5mm以上100mm以下であることが好ましい。第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さが薄すぎるとその後の熱間加工度が不十分になり、逆に厚すぎるとアルミニウム結晶粒の組織の均質化が不十分であるため、アルミニウム材が薄すぎても厚すぎても高い立方体方位占有面積率を得ることが困難になる。第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さは、5mm以上60mm以下であることがさらに好ましく、特に10mm以上40mm以下が好ましい。
第2の制御パスの後、所定の厚さになるまで粗熱間圧延を継続する。第2の制御パスにより所定の厚さに到達している場合、第2の制御パスを粗熱間圧延の最終パスとすることがある。
粗熱間圧延の最終パスの圧延上がり以降の熱間圧延においてアルミニウム材の温度が高すぎる場合、部分的に再結晶が進行し不均一な組織になり立方体方位占有面積率が低下するため、粗熱間圧延終了後から仕上げ熱間圧延までの間でのアルミニウム材の表面温度は380℃以下とする。粗熱間圧延上がりの温度が低すぎる場合には、クーラントの水分による腐食や乳化剤の残渣がアルミニウム表面に固着することにより、電解エッチング時にエッチピット発生および成長が妨害される表面品質異常が発生し易くなる。粗熱間圧延上がりのアルミニウム材の温度は200℃以上380℃以下が好ましい。
第2の制御パスを粗熱間圧延の最終パスとする場合の圧延上がりの温度は、第2の制御パスより後のパスを粗熱間圧延の最終パスとする場合する場合と同様に380℃以下とする。
粗熱間圧延の後、仕上げ熱間圧延を行う。仕上げ熱間圧延は、1機の圧延機もしくは2機以上の圧延機が連続して設置された圧延機を用いて1方向からアルミニウム板を導入し1回のパスで実施される。冷間圧延をコイルで実施する場合には、仕上げ熱間圧延後巻き取り装置で巻き取って熱延コイルとする。
粗熱間圧延の最終パス後に部分的な再結晶を進行させず、更に仕上げ熱間圧延により加工組織を発達させ最終焼鈍後に高い立方体方位占有面積率を有するアルミニウム材を得るため、仕上げ熱間圧延後の温度は300℃以下であることが好ましい。
仕上げ熱間圧延上がりのアルミニウム材の厚さは、3mm以上15mm以下であることが好ましい。3mm未満であると、その後の冷間加工度が低すぎ圧延集合組織の発達が不十分になり、高い立方体方位占有面積率を得ることが困難になる。一方15mmを超えると、冷間圧延工程のパス数が多くなるため、冷間圧延に多く時間を要し生産性が悪い。
仕上げ冷間圧延は中間焼鈍と組み合わせて立方体方位の制御のため行われる工程であり、公知の方法を用いることができる。
仕上げ冷間圧延における圧下率は7%以上30%以下であることが好ましい。圧下率が7%未満の場合には、立方体方位を有する結晶粒を優先成長させるための加工歪が不十分であり、圧下率が30%を越えると、導入された加工歪によって最終焼鈍時に非立方体方位粒が成長し、立方体方位を有する結晶粒を優先的に成長させにくくなる。
仕上げ冷間圧延後最終焼鈍前に必要に応じて洗浄を行う。洗浄方法は特に限定されないが、有機溶剤洗浄、酸性水溶液、塩基性水溶液、水に界面活性剤を添加したもの等が利用できる。
洗浄後最終焼鈍前にスリッター機を用いて、アルミニウム材コイルを分割してもよく、製品幅への調整のためアルミニウム材のトリミングを実施してもよい。
アルミニウム材の最終焼鈍における処理雰囲気は特に限定されるものではないが、酸化皮膜の厚さを増大させすぎないように、水分および酸素の少ない雰囲気中で加熱するのが好ましい。具体的には、アルゴン、窒素などの不活性ガス中あるいは0.1Pa以下の真空中で加熱することが好ましい。また、最終焼鈍の雰囲気として水素ガスも好適に利用できる。
最終焼鈍の方法は特に限定されるものではなく、コイルに巻き取った状態でバッチ焼鈍しても良く、コイルを巻き戻し連続焼鈍したのちコイルに巻き取っても良い。
焼鈍時の温度、時間は特に限定されるものではないが、例えばコイルの状態でバッチ焼鈍を行う場合には、450〜600℃にて10分〜50時間焼鈍するのが好ましい。温度が450℃未満、時間が10分未満では、エッチピットが均一に生成する表面が得られない恐れがあり、逆に600℃を越えて焼鈍すると、コイルでバッチ焼鈍する場合はアルミニウム材が密着を起こし易くなり、また50時間を超えて焼鈍してもエッチングによる拡面効果は飽和し、却って熱エネルギーコストの増大を招く。特に好ましい焼鈍温度は450〜590℃、さらに好ましくは460〜580℃特に460〜570℃である。特に好ましい焼鈍時間は20分〜40時間である。
最終焼鈍後に得られる電解コンデンサ電極用アルミニウム材の厚さは特に規定されない。箔と称される200μm以下のものも、それ以上の厚いものも本発明に含まれる。
最終焼鈍後にスリッター機を用いてアルミニウム材コイルの端部をトリミングしても良いし、巻き戻し巻き取りの途中でコイルを必要なサイズに分割しても良い。
最終焼鈍もしくは最終焼鈍後のスリットを経て得られたアルミニウム材には、拡面率向上のためエッチング処理を施す。エッチング処理条件は特に限定されないが、好ましくは直流エッチング法を採用するのが良い。直流エッチング法によって、前記焼鈍において生成が促進されたエッチピットの核となる部分において、深く太くエッチングされ、多数のトンネル状ピットが生成され、高静電容量が実現される。
エッチング処理後、望ましくは化成処理を行って陽極材とするのが良く、特に、中圧用および高圧用の電解コンデンサ電極材として用いるのが良いが、陰極材として用いることを妨げるものではない。また、この電極材を用いた電解コンデンサは大きな静電容量を実現できる。
本発明で規定した以外の工程および工程条件は限定されず、常法に従って行われる。また、アルミニウム材のエッチング条件との関係で、アルミニウム材の製造工程は適宜変更される。
最終焼鈍もしくは最終焼鈍後のスリットを経て得られたアルミニウム材の立方体方位占有面積率は、化学処理を施してアルミニウム材表面の結晶粒を露出させ、画像処理を用い立方体方位の面積の比率を求めることにより得られる。
以下に本発明の実施例および比較例を示す。
表1に示す科学組成の異なるアルミニウムスラブをDC鋳造法により得た。
[実施例1]
表1に示す化学組成番号1のアルミニウムスラブに面削を施しスラブの厚さを400mmとした後に、加熱炉中で600℃12時間の均熱を行った後、同じ加熱炉中で550℃3時間熱間圧延前加熱を行い、550℃で粗熱間圧延を開始した。
粗熱間圧延の途中において、圧下率55%で第1の制御パスを実施し、板厚を50mmとした。第1の制御パス完了後第2の制御パス開始前にアルミニウム材を水冷し、アルミニウム材の温度を450℃とした後、圧下率60%で第2の制御パスを実施しアルミニウム材の厚さを20mmとした。さらに、粗熱間圧延を継続し、粗熱間上がり温度324℃、厚さ12mmのアルミニウム材とした後、1パスの仕上げ熱間圧延を実施し厚さ5mmの仕上げ熱間圧延材を得た。仕上げ熱間圧延後のアルミニウム材の温度は221℃であった。なお、粗熱間圧延の途中、粗熱間圧延後および仕上げ熱間圧延後のアルミニウム材の温度は接触式温度計をアルミニウム材表面に接触させ測定した。
得られた仕上げ熱間圧延後のアルミニウム材を室温まで冷却した後、冷間圧延、窒素中での250℃×24時間の中間焼鈍、圧下率15%の仕上げ冷間圧延、n−ヘキサンでの脱脂、500℃×10時間の窒素中での最終焼鈍を順次実施し、厚さ120μmの電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
得られた最終焼鈍後のアルミニウム材を35%HCl:60%HNO3:48%HFを容積比75:25:1で混合した処理液を用いた。この処理液を30℃に保持し、アルミニウム材を30秒浸漬した後、水洗および乾燥することにより、立方体方位の結晶粒と、他方位の結晶粒の光沢を変化させて、画像処理により立方体方位占有面積率を測定した結果99.9%であった。
得られた最終焼鈍後のアルミニウム材を、液温80℃、2mol/LのH2SO4水溶液に60秒浸漬した後、水洗し、前処理を行った。次に、対極として同じ大きさの2枚のカーボン板を向かい合ったカーボン表面間の距離が35mmとなるように平行に設置したHCl:1.0mol/LとH2SO4:3.5mol/Lを含む液温80℃の水溶液中に、2枚のカーボン板と平行かつ2枚のカーボン板と等距離になるよう前処理上がりのアルミニウム材を配置し、アルミニウム材投影面積あたり電流密度0.4A/cm2の直流電流を印加しアルミニウム材両面に対し電解エッチングを施した。
電解処理後のアルミニウム材をさらに前記組成の塩酸―硫酸混合水溶液に90℃にて360秒浸漬し、ピット径を太くしエッチド材を得た。得られたエッチド材を化成電圧270VにてEIAJ規格に従い化成処理し、静電容量測定用サンプルとし、30℃の80g/Lのホウ酸アンモニウム水溶液中で、ステンレス板を対極として120Hzにて静電容量を測定した。相対静電容量は後述の比較例1に対し105%であった。
[実施例2〜21、比較例1〜6]
表2および表3に記載の化学組成番号のアルミニウムスラブに面削を施しスラブの厚さを400mmとした後に、加熱炉中で600℃12時間の均熱を行った後、同じ加熱炉中で表2および表3に記載の粗熱間圧延開始温度にて3時間熱間圧延前加熱を行い、次いで粗熱間圧延を開始し、表2および表3記載の熱間圧延条件を適用し仕上げ熱間圧延後のアルミニウム材を得た。表2および表3に、粗熱間圧延条件、仕上げ熱間圧延上がり温度および仕上げ熱間圧延上がり厚さを示す。粗熱間圧延の途中、粗熱間圧延後および仕上げ熱間圧延後のアルミニウム材の温度は接触式温度計をアルミニウム材表面に接触させ測定した値である。
なお、実施例20では、粗熱間圧延の第1の制御パス終了後第2の制御パス開始前に、アルミニウム材を大気中で放冷した。実施例21では、第1の制御パス完了後アルミニウム材の表面温度を測定した後、冷却せずそのまま、第2の制御パスを実施した。実施例2〜10、実施例12〜17、実施例19〜21、比較例1〜3および比較例6では第2の制御パス実施後さらに表2および表3記載の粗熱間圧延上がり厚さまで粗熱間圧延を継続した。一方、実施例11、実施例18、比較例4および比較例5では第2の制御パスを粗熱間圧延の最終パスとした。
比較例3および比較例4では、粗熱間圧延において圧延直前のアルミニウム材温度が第2の制御パス直前の規定温度範囲である400℃以上500℃以下を満たすパスを実施しなかった為、圧下率が25%以上75%以下でありパス直前の温度が前記規定温度範囲外で規定温度上限もしくは規定温度下限に最も近いパスを第2の制御パスとした。
次に、得られた仕上げ熱間圧延後のアルミニウム材を室温まで冷却した後、冷間圧延、窒素中での250℃×24時間の中間焼鈍、圧下率15%の仕上げ冷間圧延、n−ヘキサンでの脱脂、500℃×10時間の窒素中での最終焼鈍を順次実施し、厚さ120μmの電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得た。
得られた電解コンデンサ電極用アルミニウム材の立方体方位占有面積率および静電容量を実施例1と同様にして求めた。それらの結果を表2及び表3に示す。なお、相対静電容量は比較例1の値を100%としたときの相対値を示す。
Figure 0006802161
Figure 0006802161
Figure 0006802161
表2の結果から、複数のパスからなる粗熱間圧延の途中においてアルミニウム材の表面温度を調節する直前のパスを第1の制御パス、アルミニウム材の表面温度を調節する直後のパスを第2の制御パスとしたとき、前記第1の制御パスを25%以上75%以下の圧下率の実施した後、アルミニウム材の表面温度を400℃以上500℃以下に調節し、さらに引き続いて前記第2の制御パスを25%以上75%以下の圧下率で実施し、粗熱間圧延終了後のアルミニウム材の表面温度を380℃以下とした本願発明範囲を満たす実施例では、高い立方体方位占有面積率を有しエッチング特性に優れた電解コンデンサ電極用アルミニウム材を得ることができることを確認できた。
一方、表3に示すように、比較例1は第1の制御パスの圧下率、比較例2は第2の制御パス圧下率、比較例3および比較例4は第2の制御パス前温度、比較例5は粗熱間圧延上がりのアルミニウム材の温度、比較例6は第1の制御パスの圧下率および第2の制御パス圧下率が、それぞれ本願発明範囲を逸脱するために立方体方位占有面積率および相対静電容量が実施例より低い。
本願は、2015年7月30日付で出願された日本国特許出願の特願2015−151085号の優先権主張を伴うものであり、その開示内容は、そのまま本願の一部を構成するものである。
ここに用いられた用語及び表現は、説明のために用いられたものであって限定的に解釈するために用いられたものではなく、ここに示され且つ述べられた特徴事項の如何なる均等物をも排除するものではなく、この発明のクレームされた範囲内における各種変形をも許容するものであると認識されなければならない。
本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものであるが、この開示は本発明の原理の実施例を提供するものと見なされるべきであって、それら実施例は、本発明をここに記載しかつ/または図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、多くの図示実施形態がここに記載されている。
本発明の図示実施形態を幾つかここに記載したが、本発明は、ここに記載した各種の好ましい実施形態に限定されるものではなく、この開示に基づいていわゆる当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良及び/又は変更を有するありとあらゆる実施形態をも包含するものである。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施例に限定されるべきではなく、そのような実施例は非排他的であると解釈されるべきである。
この発明は、電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造、およびアルミニウム電解コンデンサの製造に利用することができる。

Claims (11)

  1. アルミニウム鋳塊に面削、均熱、粗熱間圧延、仕上げ熱間圧延、冷間圧延を実施することにより板状ないし箔状とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法であって、アルミニウム純度が99.99%以上であり、粗熱間圧延を開始する直前の温度を450℃以上580℃以下とし、前記粗熱間圧延工程が複数のパスからなり、前記仕上げ熱間圧延が1回のパスからなり、前記粗熱間圧延の途中においてアルミニウム材の温度を調節する直前のパスを第1の制御パス、アルミニウム材の温度を調節する直後のパスを第2の制御パスとしたとき、前記第1の制御パスを25%以上75%以下の圧下率で実施した後、アルミニウム材の温度を400℃以上500℃以下に調節し、さらに引き続いて前記第2の制御パスを25%以上75%以下の圧下率で実施し、粗熱間圧延終了後から前記仕上げ熱間圧延までの間でのアルミニウム材の温度が380℃以下とすることを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  2. 前記第1の制御パスの圧下率が35%以上70%以下、前記第2の制御パスの圧下率が35%以上70%以下である請求項1に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  3. 前記第1の制御パスの圧下率が40%以上70%以下、前記第2の制御パスの圧下率が45%以上70%以下である請求項2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  4. 前記第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さが10mm以上220mm以下、前記第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さが5mm以上100mm以下である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  5. 前記第1の制御パス後のアルミニウム材の厚さが10mm以上150mm以下、前記第2の制御パス後のアルミニウム材の厚さが5mm以上60mm以下である請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  6. 前記第1の制御パス後であって前記第2の制御パス前に調節するアルミニウム材の温度が420℃以上480℃以下である請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  7. 冷間圧延後に最終焼鈍を実施する請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法により得られた電解コンデンサ電極用アルミニウム材にさらにエッチングを施すことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  9. エッチングの少なくとも一部が直流エッチングである請求項に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  10. エッチング終了後さらに化成処理を実施する請求項または請求項に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法。
  11. 請求項ないし請求項10のいずれか1項に記載のアルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法により得られたアルミニウム電解コンデンサ用電極材を用いることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサの製造方法。
JP2017531045A 2015-07-30 2016-05-18 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法 Active JP6802161B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015151085 2015-07-30
JP2015151085 2015-07-30
PCT/JP2016/064769 WO2017018029A1 (ja) 2015-07-30 2016-05-18 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017018029A1 JPWO2017018029A1 (ja) 2018-05-17
JP6802161B2 true JP6802161B2 (ja) 2020-12-16

Family

ID=57884291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017531045A Active JP6802161B2 (ja) 2015-07-30 2016-05-18 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6802161B2 (ja)
CN (1) CN107849671B (ja)
WO (1) WO2017018029A1 (ja)

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2756861B2 (ja) * 1990-08-01 1998-05-25 日本軽金属株式会社 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔の製造方法
JP3203665B2 (ja) * 1991-01-23 2001-08-27 日本製箔株式会社 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔の製造方法
JP3203666B2 (ja) * 1991-02-13 2001-08-27 日本製箔株式会社 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金箔の製造方法
JP3293081B2 (ja) * 1992-08-28 2002-06-17 日本軽金属株式会社 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔及びその製造方法
JP3308456B2 (ja) * 1996-09-05 2002-07-29 住友軽金属工業株式会社 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法
JP2002151362A (ja) * 2000-11-09 2002-05-24 Nippon Foil Mfg Co Ltd 電解コンデンサ陽極低電圧用アルミニウム合金箔及びその製造方法
CN1121506C (zh) * 2001-09-06 2003-09-17 北京南辰秀普金属材料研究所 电解电容器高压阳极用铝箔的生产工艺
DE60329004D1 (de) * 2002-06-28 2009-10-08 Showa Denko Kk Verfahren zur herstellung von aluminiummaterial für eine elektrode eines elektrolytischen kondensators
CN1807673B (zh) * 2005-12-17 2010-04-21 乳源东阳光精箔有限公司 一种电解电容器高压阳极用铝箔的制造方法
JP5026778B2 (ja) * 2006-12-13 2012-09-19 昭和電工株式会社 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔とその製造方法、電解コンデンサ用電極材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材およびアルミニウム電解コンデンサ
CN101425382A (zh) * 2007-11-01 2009-05-06 北京伟豪铝业有限责任公司 一种电解电容器用环保节能型高压阳极铝箔
JP2011094171A (ja) * 2009-10-27 2011-05-12 Mitsubishi Alum Co Ltd 電解コンデンサ用アルミニウム箔

Also Published As

Publication number Publication date
CN107849671B (zh) 2019-08-09
JPWO2017018029A1 (ja) 2018-05-17
WO2017018029A1 (ja) 2017-02-02
CN107849671A (zh) 2018-03-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6154565B1 (ja) Cu−Ni−Si系銅合金板材および製造法
KR101690394B1 (ko) 탄탈 스퍼터링 타깃의 제조 방법
CN113260727B (zh) 钛板和铜箔制造滚筒
JP2017179457A (ja) Al−Mg―Si系合金材
JP3293081B2 (ja) 電解コンデンサ陽極用アルミニウム箔及びその製造方法
JP2017179442A (ja) Al−Mg―Si系合金材
JP2016183369A (ja) 冷間圧延用圧延板の製造方法及び純チタン板の製造方法
CN113710825B (zh) 钛板、钛轧卷和铜箔制造滚筒
JP6802161B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム材の製造方法、アルミニウム電解コンデンサ用電極材の製造方法、およびアルミニウム電解コンデンサの製造方法
CN106715755A (zh) 难以产生表面瑕疵的热轧用钛铸坯及其制造方法
JP2017179456A (ja) Al−Mg―Si系合金材
JP2017179443A (ja) Al−Mg―Si系合金材
JP4037203B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム材およびその製造方法、および電解コンデンサ
JPH0488153A (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法
JP4094292B2 (ja) 微細かつ均一な金属組織を有する銅箔製造ドラム用チタンの製造方法
JP2003119555A (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔及びその製造方法
CN107847995B (zh) 电解电容器电极用铝材料的制造方法、铝电解电容器用电极材料的制造方法、和铝电解电容器的制造方法
JP4916698B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム材とその製造方法、電解コンデンサ用電極材の製造方法、電解コンデンサ用陽極材及びアルミニウム電解コンデンサ
JP4793827B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔およびその製造方法
JP4964437B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム合金材及びその製造方法、電解コンデンサ用陽極材、電解コンデンサ用電極材の製造方法並びにアルミニウム電解コンデンサ
JP3899479B2 (ja) 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
JP5053539B2 (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム合金材及びその製造方法、電解コンデンサ用電極材の製造方法、電解コンデンサ用陽極材並びにアルミニウム電解コンデンサ
JP2006169571A (ja) 電解コンデンサ用アルミニウム箔及びその製造方法
KR20220147213A (ko) 열교환기용 알루미늄 합금의 제조 방법
RU2113922C1 (ru) Способ изготовления алюминиевой ленты

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190301

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200414

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201104

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201126

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6802161

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250