JP3899479B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電解コンデンサ電極用アルミニウム箔、特に中高圧用の陽極材料として用いられるアルミニウム箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
中高圧用電解コンデンサ電極用アルミニウム箔は、アルミニウム素箔を直流エッチングして粗面化し、150〜200V以上の電圧で化成処理して製造される。かかる電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の具備すべきことは静電容量の大きいことである。
【0003】
最終焼鈍したアルミニウム箔の再結晶集合組織において、立方体方位を有する結晶粒が多く存在すれば、このアルミニウム箔をエッチングした場合に{100}面に垂直に発達成長するトンネル状のエッチングピットの密度が大きくなり、静電容量が増大することは周知の事実である。このような立方体方位を有する結晶粒の体積率(以下「立方体方位占有率」と記す)を上げるための方法としては、現在最終焼鈍の温度を500℃程度以上の高温としたり、あるいは中間焼鈍〜スキンパス工程を導入する等の種々の方法が実施されている。
【0004】
しかしながら、これらの方法を用いても、非立方体方位の結晶粒が筋状に発生してしまう現象を抑制することができず、エッチド箔において筋っぽさが目立ち外観不良になってしまうとともに、全体的に立方体方位占有率が高い材料であっても、局所的に低容量の領域ができるため、この部分のエッチド箔を用いた電解コンデンサが不良になる等して、近年の電解コンデンサの小型化、高静電容量化の要求に対して十分な満足を得るものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、最終焼鈍後の非立方体方位の結晶粒が筋状に発生する現象およびエッチド箔の外観不良の発生を抑制し、均一で高い立方体方位占有率を有し、高静電容量を得る電解コンデンサ電極用アルミニウム箔を安定して提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは、鋭意研究の結果、箔製造工程における熱間圧延工程での再結晶状態は、最終焼鈍後の箔の再結晶組織およびエッチド箔の外観と相関関係があることを見出だし、かかる知見に基づいて本発明を完成したものである。
【0007】
即ち本発明は、アルミニウム純度99.9%以上のアルミニウム鋳塊に、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延、中間焼鈍、冷間圧延、さらに最終焼鈍を施すことによって製造される電解コンデンサ電極用アルミニウム箔において、熱間圧延工程における最後の再結晶時の板厚t(mm)が20〜70mmであって、さらに該板厚t(mm)と断面の平均結晶粒径d(mm)との関係が
0.5<d≦0.3・ln(t)−0.25
を満足することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔に関するものである。
【0008】
次に本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる鋳塊のアルミニウム純度は、99.9%以上に規制する。アルミニウム純度が99.9%未満では、箔のエッチング時にエッチングピットの成長が、多くの不純物の存在によって阻害され、均一な深いトンネル状のエッチングピットが形成できず、静電容量の高いアルミニウム箔を得ることができない。このアルミニウム純度は、99.98%以上とするのがより好ましい。
【0009】
アルミニウム箔の製造工程における熱間圧延工程では、圧下率、圧延温度、圧延パス間の保持時間および圧延後の冷却条件等によって再結晶回数が異なるが、本発明者らは、最後の再結晶が起こった時の断面の結晶粒の大きさが、最終焼鈍後の最終箔での筋状の非立方体方位粒の発生およびエッチド箔の外観に影響を及ぼすことを見出した。
【0010】
そこで本発明者らは、最後の再結晶時の板厚、その時の結晶粒の大きさと最終箔における筋状の非立方体方位粒の発生状況およびエッチド箔の外観との関係を種々検討を行った。その結果、以下のことが判明した。すなわち、最後の再結晶時の板厚がt(mm)のとき、断面の平均結晶粒径d(mm)が、
0.5<d≦0.3・ln(t)−0.25
で表される式の範囲内であるとき、最終箔において筋状の非立方体方位粒が発生せず、均一で高い立方体方位占有率が得られ、エッチド箔の外観不良の発生も認められない。
【0011】
結晶粒径を上記式の範囲内に抑える方法としては、各パス、特に下流での圧下量を大きくすること、また再結晶の回数を多くすることが有効である。再結晶の回数を多くするには、各パス間で再結晶が終了するよう、圧延・保持温度を高くして再結晶の進行を速めること、あるいはパス間の保持時間を長くすること等が挙げられる。具体的には、例えば最後の再結晶としたい板厚の前で圧下率30%以上の圧延を2パス以上、そのうち直前1パスの圧下率を50%以上とし、圧延温度を673K以上とすること等によって得られる。
【0012】
また、最後の再結晶時の板厚が20mm以上で、その時の断面の平均結晶粒径を0.5mm以下とするには、1パスの圧下量を大きくとらなければならないが、この場合ピックアップと称する表面欠陥が発生してしまう。したがって、断面の平均結晶粒径は0.5mmを越えるものとする。
【0013】
さらに、熱間圧延工程における最後の再結晶時の板厚tは20〜70mmとする。最後の再結晶時の板厚tが20mm未満では、その後の加工度が低く、十分な圧延集合組織が発達せず、高い立方体方位占有率が得られない。また最後の再結晶時の板厚tが70mmを越えると、再結晶粒が粗大になり局所的な立方体方位占有率の低下を招き易くなる。
【0014】
熱間圧延工程における最後の再結晶時の板厚を制御する方法としては、所定板厚より薄いところでは、圧延後再結晶が始まるまでに急冷する方法が挙げられる。圧延後急冷する方法としては、クーラントを材料にスプレーする方法を用いればよく、タンデム仕上げ圧延機を用いれば、多段圧延を行いながら急冷することもできる。他の方法として、1パスあたりの圧下率を20%以下と小さくすることによって再結晶を抑制する方法や、圧延温度を573K以下として再結晶を抑制する方法もある。
【0015】
なお、断面の平均粒径を測定する方法としては、工程途中で材料の一部を切断、急冷し、測定する方法、熱間圧延後の板幅方向(TD)−圧延面法線方向(ND)断面組織の板幅方向の結晶粒の長さから推定する方法等が挙げられる。
【0016】
熱間圧延終了後、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を施し、さらに最終焼鈍を実施する。これらの冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延、最終焼鈍は常法の条件により行えば良い。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
表1に示した化学組成で厚さ400mmのアルミニウム鋳塊を、600℃で10時間の均熱処理を行った後、直ちに表1に示す条件で熱間圧延を行った。各試料の最後の再結晶時の板厚および結晶粒径は、工程途中で材料の一部を切断、急冷し、調査した。その結果を表2に併記するとともに、図1に示す。
【0018】
熱間圧延終了後、冷間圧延、中間焼鈍、冷間圧延を行い、0.1mmの箔とした後、550℃×5時間の最終焼鈍を行った。
そして、得られた各アルミニウム箔を塩酸:硝酸:弗酸=50:47:3の容積比を有する溶液中に浸漬し、結晶粒を現出させ、筋状の非立方体方位粒の発生の確認および立方体方位占有率の測定を行った。筋状の非立方体方位粒の発生については、筋の発生が認められないもの○、やや認められるもの△、認められるもの×として判定を行った。その結果を表2に示す。立方体方位占有率については、50×50mm2 の視野に占める立方体方位の割合を画像解析装置にて測定した。その結果を表2に示す。
【0019】
次に、各アルミニウム箔にエッチングを施した後、これらエッチド箔の外観を目視で観察し、筋っぽさの目立たないもの○、やや目立つもの△、目立つもの×と判定を行った。その結果を表2に示す。エッチングは80℃の5%塩酸と10%硫酸の混合水溶液中で電流密度0.2A/cm2 の直流を300秒間通電した後、80℃の5%硼酸水溶液中で350Vの化成処理を施し、LCRメーターで静電容量を測定した。その結果を、比較例における試料 No.6のものの静電容量を100%とした時の相対比較として表2に示す。また、その他不具合の認められたものについて表2に示す。そしてこれらの測定結果の総合評価を表2および図1に示す。
【0020】
【表1】
Figure 0003899479
【0021】
【表2】
Figure 0003899479
【0022】
表2から明らかなように、本発明例である試料 No.1〜4は、いずれも筋状の非立方体方位粒の発生が認められず、高い立方体方位占有率を有し、静電容量が高く、外観不良も認められない。これらに対して比較例の試料 No.5は非立方体方位の粗大粒が認められ、同 No.6,8は筋状の非立方体方位粒の発生が認められた。さらに同 No.7はピックアップによる表面欠陥が認められた。また同 No.9,10は立方体方位占有率が低く、しかも No.9はアルミニウムの純度が劣っているので十分な静電容量が得られなかった。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな如く、本発明に係るアルミニウム箔は、筋状の非立方体方位粒の発生が認められず、均一で高い立方体方位占有率を有し、ひいては静電容量が高く、またエッチド箔における外観も良好な電解コンデンサ電極箔を確実にかつ安定して提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱間圧延工程における最後の再結晶板厚t(mm)とその時の断面平均結晶粒径d(mm)をマッピングしたグラフ図である。図中の○,△,×は箔特性の総合評価結果、▲1▼〜▲9▼,10は試料 No.である。

Claims (1)

  1. アルミニウム純度99.9%以上のアルミニウム鋳塊に、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延、中間焼鈍、冷間圧延、さらに最終焼鈍を施すことによって製造される電解コンデンサ電極用アルミニウム箔において、熱間圧延工程における最後の再結晶時の板厚t(mm)が20〜70mmであって、さらに該板厚t(mm)と断面の平均結晶粒径d(mm)との関係が
    0.5<d≦0.3・ln(t)−0.25
    を満足することを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔。
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