JPH10330873A - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 - Google Patents

電解コンデンサ電極用アルミニウム箔

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JPH10330873A
JPH10330873A JP9161893A JP16189397A JPH10330873A JP H10330873 A JPH10330873 A JP H10330873A JP 9161893 A JP9161893 A JP 9161893A JP 16189397 A JP16189397 A JP 16189397A JP H10330873 A JPH10330873 A JP H10330873A
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foil
rolling
aluminum
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aluminum foil
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JP9161893A
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English (en)
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Mutsuko Watanabe
睦子 渡辺
Hidemiki Matsumoto
英幹 松本
Jun Shimizu
遵 清水
Tetsuya Yamakoshi
哲弥 山越
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Toyo Aluminum KK
Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Toyo Aluminum KK
Furukawa Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来より高い静電容量を可能にする電解コン
デンサ電極用アルミニウム箔を開発すること。 【解決手段】 アルミニウム純度99.9%以上のアルミニ
ウム鋳塊に、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延、中間焼鈍、
スキンパス、さらに最終焼鈍を施すことによって製造さ
れる電解コンデンサ電極用アルミニウム箔において、
{123}<634>方位に対する{011}<211
>方位の相対強度が、 1.2以上である板厚0.2 〜0.5mm
の箔地を用いることを特徴とする電解コンデンサ電極用
アルミニウム箔。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサ電
極用アルミニウム箔、特に中高圧用の陽極材料として用
いられるアルミニウム箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】中高圧用電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム箔は、アルミニウム素箔を直流エッチングして粗面
化し、 150〜200 V以上の電圧で化成処理して製造され
る。かかる電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の具備
すべきことは静電容量の大きいことである。
【0003】一般に最終焼鈍したアルミニウム箔の再結
晶集合組織において、立方体方位を有する結晶粒が多く
存在すれば、このアルミニウム箔をエッチングした場合
に{100}面に垂直に発達成長するトンネル状のエッ
チングピットの密度が大きくなり、静電容量が増大する
ことは周知の事実である。このためこのような立方体方
位を有する結晶粒の体積率(以下「立方体方位占有率」
と記す)を上げるために、最終焼鈍の温度を 500℃程度
以上の高温にしたり、中間焼鈍〜スキンパス工程を導入
する等の種々の方法が実施されている。しかしながら、
従来のこれらの方法を用いても、近年の電解コンデンサ
の小型化、高静電容量化の要求に対して十分な満足を与
えるものではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る技術的背景に鑑みてなされたものであって、高い立方
体方位占有率を有し、高静電容量を得ることのできる電
解コンデンサ電極用アルミニウム箔を安定して提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、冷間圧延集合組織と最終焼鈍後の再
結晶集合組織との関係に着目し、種々研究を重ねた。そ
の結果、冷間圧延板において{011}<211>方位
への集積が強く、{123}<634>方位への集積が
弱いほど立方体方位占有率が高くなることを見出した。
【0006】これまで、圧延集合組織である{123}
<634>方位(S方位と呼ばれる)は、立方体方位に
対して<111>軸まわりに40°の回転関係にあり、両
者は優先方位成長説でいうところの成長し易い方位関係
にあたることが報告されている。一方、上記{123}
<634>方位は、<111>軸のまわりに40°の回転
関係を保って再結晶し、R方位(S方位と同方位)と呼
ばれる新粒に置き替わり、このR方位は立方体方位と競
合するという報告もある。今回、本発明者らが実施した
研究では、{123}<634>方位は立方体方位の成
長を阻止し、もう一つの圧延集合組織である{011}
<211>方位は立方体方位の発達を促進するものと推
定された。かかる知見に基づいて、本発明者らは、高立
方体方位占有率を有する電解コンデンサ電極用アルミニ
ウム箔を安定して供給しうることを見出し、本発明に到
達したのである。
【0007】即ち、本発明は、アルミニウム純度99.9%
以上のアルミニウム鋳塊に、熱間圧延、冷間圧延、箔圧
延、中間焼鈍、スキンパス、さらに最終焼鈍を施すこと
によって製造される電解コンデンサ電極用アルミニウム
箔において、{123}<634>方位に対する{01
1}<211>方位の相対強度が、 1.2以上である板厚
0.2〜0.5mm の箔地を用いることを特徴とする電解コン
デンサ電極用アルミニウム箔であり、さらにこの際、熱
間圧延工程における最後の再結晶板厚が20〜70mmである
ことを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔
に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】次に本発明について詳細に説明す
る。本発明に用いる鋳塊のアルミニウム純度は、99.9%
以上に規定する。アルミニウム純度が99.9%未満では、
箔のエッチング時にエッチングピットの成長が多くの不
純物の存在によって阻害されて、均一な深いトンネル状
のエッチングピットが形成できず、静電容量の高いアル
ミニウム箔を得ることができない。このアルミニウム純
度は、 99.98%以上とするのがより好ましい。
【0009】本発明は上記アルミニウム鋳塊から製造す
る箔において、集合組織を規定した箔地を用いることに
よって、高い立方体方位占有率を有する箔を得るもので
ある。本発明において、板厚 0.2〜0.5mm の箔地の{1
23}<634>方位に対する{011}<211>方
位の相対強度を 1.2以上とするのは、 1.2未満では十分
な立方体方位占有率が得られないからである。この方位
の相対強度は、 1.5以上がより好ましい。各方位の強度
は、X線回折により完全極点図を測定し、結晶方位分布
関数(ODF)を用いた三次元方位解析を行うことによ
って得られる。
【0010】また、測定を板厚 0.2〜0.5mm の箔地で行
うのは、この範囲では圧延集合組織が適度に発達してお
り、冷間圧延集合組織と箔での立方体方位占有率との関
係が最も顕著に現れるためである。 0.5mm以上の板厚で
は、圧下率が低すぎるため圧延集合組織が未発達で、材
料間での集合組織の差が十分に顕在化しておらず、一方
0.2mm未満の板厚では、圧延集合組織の発達が進みすぎ
るため、再び差が小さくなってしまうため、適当ではな
い。
【0011】このような集合組織は、熱間圧延工程にお
ける最後の再結晶板厚、即ち熱間圧延後再結晶する最後
の板厚を20〜70mmとすることで得られる。本発明では、
圧延集合組織の発達には、冷間圧延のみではなく、熱間
圧延工程における最後の再結晶板厚からの加工度も影響
していることを見出した。即ち、熱間圧延工程における
最後の再結晶板厚が20mm未満では、その後の加工度が低
く、十分な圧延集合組織が発達しないため、本発明の集
合組織が得られず、立方体方位占有率が低下してしま
う。また最後の再結晶板厚が70mmを越えると、再結晶粒
が粗大になり局所的な立方体方位占有率の低下を招き易
くなる。
【0012】熱間圧延工程における最後の再結晶板厚を
20mm以上70mm以下とする方法としては、20mm以上の板厚
までは、圧延温度を高く、圧延後の保持時間を長くする
ことによって再結晶を生じさせ、板厚が20mm未満では、
圧延後再結晶が始まるまでに急冷する方法が挙げられ
る。圧延後急冷する方法としては、クーラントを材料に
スプレーする方法を用いればよく、タンデム仕上げ圧延
機を用いれば、多段圧延を行いながら急冷することもで
きる。他の方法として、1パスあたりの圧下率を20%以
下と小さくすることによって再結晶を抑制する方法や、
圧延温度を 300℃以下として再結晶を抑制する方法もあ
る。
【0013】熱間圧延終了後、冷間圧延、次いで箔圧延
を行い、箔圧延の最終段階で中間焼鈍、スキンパスを施
し、さらに最終焼鈍を実施する。これらの冷間圧延、箔
圧延、中間焼鈍、スキンパス、最終焼鈍は常法の条件に
より行えば良い。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。表1に示した化学組成で厚さ 400mmのアルミ
ニウム鋳塊を、 600℃で10時間の均熱処理を行った後、
直ちに表1に示す条件で熱間圧延を行った。試料 No.1
〜5については、熱間粗圧延終了時に確実に再結晶させ
るために、ラストパスの圧下率を40%以上とした。ま
た、試料 No.6〜7については、熱間圧延終了後、中間
焼鈍を行い、再結晶させた。なお試料 No.8はAlの純
度が99.9wt%以下のものである。各試料の最後の再結晶
板厚は、工程途中で材料の一部を切断、急冷し、調査し
た。その結果を表2に併記する。
【0015】熱間圧延終了後、冷間圧延を行い板厚 0.4
mmの箔地を得た。これらの箔地において、X線回折装置
を用いて{111}および{200}完全極点図を測定
し、さらに結晶方位分布関数を用いた三次元方位解析を
行い、各方位の方位密度の比をとることにより、{12
3}<634>方位に対する{011}<211>方位
の相対強度を求めた。その結果を表2に示す。
【0016】さらに、各試料について0.13mmまで箔圧延
を行い、 250℃×5時間の中間焼鈍を施した。その後、
スキンパスを施し、 0.1mmの箔とした後、 550℃×5時
間の最終焼鈍を行った。そして、得られた各アルミニウ
ム箔の立方体方位占有率を測定した。その結果を表2に
示す。立方体方位占有率は、塩酸:硝酸:弗酸=50:4
7:3の容積比を有する溶液中に箔を浸漬し、結晶粒を
現出させ、50×50mm2 の視野に占める立方体方位の割合
を画像解析装置にて測定した。
【0017】次に、各アルミニウム箔にエッチングを実
施した。エッチングは80℃の5%塩酸と10%硫酸の混合
水溶液中で電流密度 0.2A/cm2 の直流を 300秒間通電
した。その後、80℃の5%硼酸水溶液中で 350Vの化成
処理を施し、LCRメーターで静電容量を測定した。そ
の結果を、試料 No.5の静電容量を 100%とした時の相
対比較として表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
よれば電解コンデンサ電極用アルミニウム箔が、高い立
方体方位占有率を有するので静電容量の高い電解コンデ
ンサ電極箔を容易かつ確実に安定して提供することがで
きるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C22F 1/00 606 C22F 1/00 622 622 661Z 661 H01G 9/04 346 (72)発明者 松本 英幹 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 清水 遵 大阪府大阪市中央区久太郎町三丁目6番8 号 東洋アルミニウム株式会社内 (72)発明者 山越 哲弥 大阪府大阪市中央区久太郎町三丁目6番8 号 東洋アルミニウム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム純度99.9%以上のアルミニ
    ウム鋳塊に、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延、中間焼鈍、
    スキンパス、さらに最終焼鈍を施すことによって製造さ
    れる電解コンデンサ電極用アルミニウム箔において、
    {123}<634>方位に対する{011}<211
    >方位の相対強度が、 1.2以上である板厚 0.2〜0.5mm
    の箔地を用いることを特徴とする電解コンデンサ電極用
    アルミニウム箔。
  2. 【請求項2】 熱間圧延工程における最後の再結晶板厚
    が20〜70mmであることを特徴とする請求項1記載の電解
    コンデンサ電極用アルミニウム箔。
JP9161893A 1997-06-04 1997-06-04 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 Pending JPH10330873A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000269092A (ja) * 1999-03-18 2000-09-29 Kobe Steel Ltd エッチング性に優れた電解コンデンサー電極用アルミニウム箔地およびその製法
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