JP4827103B2 - 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents
電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4827103B2 JP4827103B2 JP2007209094A JP2007209094A JP4827103B2 JP 4827103 B2 JP4827103 B2 JP 4827103B2 JP 2007209094 A JP2007209094 A JP 2007209094A JP 2007209094 A JP2007209094 A JP 2007209094A JP 4827103 B2 JP4827103 B2 JP 4827103B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ppm
- aluminum foil
- electrolytic capacitor
- foil
- final annealing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Metal Rolling (AREA)
Description
また、箔厚が>150μm以上の場合、500℃以上の最終焼鈍を行えば、高い立方晶率が得られることを本願発明者等は知見している。
さらに材質面から途中工程を簡略化する方法として、CuとNiを適量添加する方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、Cuの含有は、電解コンデンサ製品中で電解液中に溶解し、通電時に再析出をおこし、スパーク故障の原因になるという問題点を有している。スパーク故障の原因を有しているため、エッチング終了後に、濃硝酸浸漬処理等でエッチング箔表面のCuを除去している。
本発明は、中間焼鈍を施さずとも、広範囲の箔厚全般で高い立方晶率が得られ、さらにCu成分を含まないため、エッチング工程の簡略化が可能な電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法を提供するものである。
一般的に,熱間圧延終了時点ですでに立方晶の核となるCube粒が存在し、冷間圧延途中で、中間焼鈍にて部分再結晶させ、付加的圧延を行うことでCube粒以外の粒に歪を与え、最終焼鈍時にCube粒が優先成長することにより、高い立方晶率を得ている。しかし、Niなどの成分を適量添加した箔は、このような製造条件を用いずとも、Cube粒が十分に成長するため、圧延材を最終焼鈍するだけで、高い立方晶率が得られる。
Si、FeはAlと化合し適度に析出物を生成し、再結晶粒の粗大化を抑制し、Cube粒の優先成長を促進することができる。ただし、各々、5ppm未満の場合精製コストが高くなり、工業的には不向きである。一方、各々40ppm超の場合、析出物の総量が多くなりすぎてCube粒の優先成長まで制御するため、高い立方晶率が得られなくなる。
このため、Si、Feの含有量を上記範囲に定める。なお、望ましい下限は、Si、Feともに10ppmであり、望ましい上限はSi、Feともに20ppmである。
Pbはエッチングにおける表面溶解を均一にする元素である。ただし、0.1ppm未満ではその効果が期待できず、3ppm超では溶解性が高くなりすぎて過剰溶解を起こす。したがって、Pbの含有量を上記に定める。なお、望ましい下限は、0.2ppmであり、望ましい上限は1ppmである。
Niは、Cube粒の優先成長を促す元素であり、広範な厚さのアルミニウム箔において中間焼鈍を施すことなく最終焼鈍のみで高い立方晶率を得ることを可能にする。この作用を十分に得るためには15ppm以上の含有が必要であり、15ppm未満では、Cube粒成長が不十分であるため中間焼鈍なしで所望の立方晶率を得ることが困難になる。一方、Niを150ppm超含有すると、最終焼鈍後のNi表面濃縮量が多くなりすぎ、エッチングにおいて過剰溶解が発生するため、立方晶率は95%以上得られるが、エッチングが困難な箔となる。したがって、Ni含有量を上記に定める。なお、望ましい下限は、20ppm、望ましい上限は100ppmである。
CuはAlの再結晶を抑制する元素であるが、Cube粒の優先成長を抑制するため、多く含有するとNiの添加量を200ppm以上にする必要が生じる。この場合、上記した通り、過剰溶解が発生する。一方、 Ni添加量を過剰溶解の問題ない範囲以下とした場合、95%の立方晶率を得ることは困難になり、中間焼鈍、付加的圧延を適正に行い、Cube粒の優先成長を確保する必要があり、本特許の趣旨である、製造工程の簡略化はできなくなる。このため、Cuはできるだけ含まないのがよいが、地金等に含まれ、不回避なCu以外は無添加とするため、10ppm未満とする。なお、望ましくは、5ppm以下である。
この範囲を超えてCu以外の不純物を含むと、不純物とアルミの析出物が多くなり、Ni添加だけでは高い立方晶率が得られにくくなる。望ましくは50ppm以下である。
本発明の成分となるように調製された高純度アルミニウム材は、常法により得ることができ、本発明としては特にその製造方法が限定されるものではない。例えば、半連続鋳造によって得たスラブを熱間圧延したものを用いることができるし、その他に連続鋳造により得られる高純度アルミニウム材を対象とするものであってもよい。該アルミニウム材は、好適には純度99.95%以上とする。
最終冷間圧延後には、最終焼鈍熱処理を行う。最終焼鈍の加熱条件は本発明としては特に限定されないが、例えば450〜600℃、2〜8時間の条件を例示することができる。
エッチング処理においては、前記成分の設定によって高い立方晶率が得られており、箔にピットが高密度で形成され、高い粗面化率が得られる。この箔を常法により電解コンデンサに電極として組み込むことにより静電容量の高いコンデンサが得られる。
本発明のアルミニウム材によって得られるアルミニウム箔は、中高圧電解コンデンサの陽極として使用するのが好適であるが、本発明としてはこれに限定されるものではなく、より化成電圧の低いコンデンサ用としても使用することができ、また電解コンデンサの陰極用の材料として使用することもできる。
また、圧延加工率の影響を調べるため、表2中の加工率にて圧延を行った。その際の、均熱処理、熱間圧延仕上がり温度は表1と同じとした。
この試料を、画像解析装置に取り込み、立方体方位占有率を評価し、その結果を表1、2に示した。
又、表2に示すように、本発明の実施例材は、圧延加工率の影響を受けずに、中間焼鈍を行わない工程で高い立方晶率が得られることが確認できた。
Claims (3)
- 質量比で、Si:5〜40ppm、Fe:5〜40ppm、Pb:0.1〜3ppm、Ni:15〜150ppmを含有し、残部がAlと不回避不純物からなり、該不回避不純物としてのCuが10ppm未満であり、かつ、Cu以外の不回避不純物の総量が100ppm以下である電解コンデンサ電極用アルミニウム材を中間焼鈍することなく冷間圧延し、その後、高立方晶率を得るための最終焼鈍熱処理を行うことを特徴とする電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法。
- 前記最終焼鈍熱処理は、450〜600℃で2〜8時間の加熱条件で行われることを特徴とする請求項1記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法。
- 前記最終焼鈍熱処理によって立方晶率を95%以上とすることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007209094A JP4827103B2 (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007209094A JP4827103B2 (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005173774A Division JP4521771B2 (ja) | 2005-06-14 | 2005-06-14 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008019509A JP2008019509A (ja) | 2008-01-31 |
JP4827103B2 true JP4827103B2 (ja) | 2011-11-30 |
Family
ID=39075685
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007209094A Expired - Fee Related JP4827103B2 (ja) | 2007-08-10 | 2007-08-10 | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4827103B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008150692A (ja) * | 2006-12-20 | 2008-07-03 | Mitsubishi Alum Co Ltd | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材 |
CN112646999A (zh) * | 2019-10-09 | 2021-04-13 | 昭和电工株式会社 | 高压电解电容器阳极用铝轧制材料及其制造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63255911A (ja) * | 1987-04-14 | 1988-10-24 | 東洋アルミニウム株式会社 | 電解コンデンサ−用アルミニウム箔 |
JPH03122239A (ja) * | 1989-10-05 | 1991-05-24 | Showa Alum Corp | 電解コンデンサ陰極箔用アルミニウム合金 |
JP4088726B2 (ja) * | 1998-06-16 | 2008-05-21 | 東洋アルミニウム株式会社 | 電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金箔 |
JP3473683B2 (ja) * | 1999-03-12 | 2003-12-08 | 日本ケミコン株式会社 | 電解コンデンサ用アルミニウム箔 |
JP2001294961A (ja) * | 2000-04-18 | 2001-10-26 | Nippon Foil Mfg Co Ltd | 電解コンデンサ電極用アルミニウム合金箔 |
-
2007
- 2007-08-10 JP JP2007209094A patent/JP4827103B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008019509A (ja) | 2008-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3689323B2 (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材 | |
JP2013124402A (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔およびその製造方法 | |
JP4521771B2 (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材 | |
JP2007046093A (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔およびその製造方法 | |
JP4827103B2 (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 | |
JP2009249668A (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔およびその製造方法 | |
JP4237236B2 (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔およびその製造方法 | |
JP5019371B2 (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔材 | |
JP4021923B1 (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔およびその製造方法 | |
JP4060493B2 (ja) | 電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔の製造方法 | |
JP2007169690A (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔 | |
JP3920301B2 (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔 | |
JP4793827B2 (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔およびその製造方法 | |
JP2008150692A (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム材 | |
JP3920306B1 (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔 | |
JP5396156B2 (ja) | 電解コンデンサ陰極用アルミニウム合金箔及びその製造方法 | |
JP4964437B2 (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム合金材及びその製造方法、電解コンデンサ用陽極材、電解コンデンサ用電極材の製造方法並びにアルミニウム電解コンデンサ | |
JP2010013714A (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 | |
JP4021922B1 (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔の製造方法 | |
JP2005174949A (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法。 | |
JP2009270138A (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔 | |
JP2008140997A (ja) | 電解コンデンサ用アルミニウム箔の製造方法 | |
JP4539911B2 (ja) | 電極コンデンサ陽極用アルミニウム箔およびその製造方法 | |
JP4958464B2 (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 | |
JP2010100917A (ja) | 電解コンデンサ電極用アルミニウム箔 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080602 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20110907 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20110907 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140922 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |