JP4924870B2 - 開度規制装置 - Google Patents
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Description
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、装置本体側のスペースを必要以上に圧迫することなく、しかも開閉時の操作性に優れる開度規制装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明によれば、カバー部材と本体ケーシングとの間を紐状部材で連結しているが、これに、引取装置を設けて、引き込み方向への付勢力が働くようにした。このような構成であれば、カバー部材には、紐状部材を介して閉止方向に適度な大きさの力が、常時、加わる状態となる。従って、開放操作中においては、この閉止方向の力が勢いを抑えるように作用するので、カバー部材が勢いよく開放されることがない。また、引取装置は、通常、デットスペースになっていることが多いカバー部材の裏面に設置されているので、装置の小型化を図る上でも好適である。
また、カバー部材は、引取装置の付勢力により特定の方向に引かれた状態となるので、がたつきも抑えられる。
カバー部材の両側で重量に偏りがある場合、カバー部材に対して開操作を行うと、軽い側に比べて、重い側は勢いよく開いてしまう。従って、引取装置の引き込み力の大きさを重量に応じて、カバー部材の両側で変えてやること望ましく、係る構成とすれば、カバー部材の両側でバランスがとれ、操作性が優れるものとなる。
一方、1本の紐状部材では、いずれの場所でも同じ大きさの張力が発生する。そのため、共通の紐状部材によってカバー部材を両持ち支持させる場合(請求項1の発明の場合)、カバー部材の両側には、紐状部材を介して同じ大きさの張力が加わる。従って、上述のように、引き込み力の大きさを、カバー部材の両側で変えることは出来ない。
以上のことから、請求項2の発明では、紐状部材の張架位置を、カバー部材の重量の偏りに対応して変えることとした。すなわち、重量の重い側では、ヒンジ軸に対して張架位置を遠い位置に設定し、これとは反対に、重量の軽い側では、張架位置を近い位置に設置してやる。このように張架位置を設定してやれば、カバー部材の両側において、紐状部材を介して加わる張力それ自体の大きさは同じであっても、いわゆるモーメントアームの大きさが、重量が重い側では長く、重量が軽い側では短くなる。従って、紐状部材を介してカバー部材に加わる閉止方向のトルクが、重い側では大きく、軽い側では小さく出来るので、重量の偏りに対してバランスをとることができる。
すなわち、重量の偏りに拘わらず、カバー部材のいずれの場所においても、同じような操作感覚でカバー部材を開操作できる。
請求項3並びに請求項8の発明によれば、滑車ホルダを使用してストッパ装置を実現させている。このような構成であれば、ストッパ装置としてそれ専用に部品を設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
請求項4並びに請求項9の発明によれば、紐状部材上に設けた突起部を使用してストッパ装置を実現させている。このような構成であれば、シンプルであるし、突起部の設置場所が比較的自由に選べるので、他の部品との干渉を容易に回避でき、設定し易いという利点がある。
請求項5の発明によれば、紐状部材としてのワイヤはステンレス製である。ステンレス製であれば、強度が高く、信頼性の高い開度規制構造を提供できる。
また、ステンレス製であれば導電性を有するので、ワイヤを介して本体ケーシングにカバー部材を導通出来る。従って、静電気対策(カバー部材の静電気を本体ケーシングに逃がすことが出来る)としても有効である。
請求項6の発明によれば、カバー部材の開度規制を両持ち状態で行なっている。両持ち支持する場合、通常であれば、一対、すなわち2本の紐状部材を使用するが、本発明では、これを1本の紐状部材で実現させている。従って、紐状部材の点数を少なく出来る。
カバー部材の両側で重量に偏りがある場合、カバー部材に対して開操作を行うと、軽い側に比べて、重い側は勢いよく開いてしまう。従って、引取装置の引き込み力の大きさも重量に応じて、カバー部材の両側で変えてやること望ましく、係る構成とすれば、カバー部材の両側でバランスがとれ、操作性が優れるものとなる。
一方、1本の紐状部材では、いずれの場所でも同じ大きさの張力が発生する。そのため、共通の紐状部材によってカバー部材を両持ち支持させる場合(請求項6の発明の場合)、カバー部材の両側には、紐状部材を介して同じ大きさの張力が加わる。従って、上述のように、引き込み力の大きさを、カバー部材の両側で変えることは出来ない。
以上のことから、請求項7の発明では、紐状部材の張架位置を、カバー部材の重量の偏りに対応して変えることとした。すなわち、重量の重い側では、ヒンジ軸に対して張架位置を遠い位置に設定し、これとは反対に、重量の軽い側では、張架位置を近い位置に設置してやる。このように張架位置を設定してやれば、カバー部材の両側において、紐状部材を介して加わる張力それ自体の大きさは同じであっても、いわゆるモーメントアームの大きさが、重量が重い側では長く、重量が軽い側では短くなる。従って、紐状部材を介してカバー部材に加わる閉止方向のトルクが、重い側では大きく、軽い側では小さく出来るので、重量の偏りに対してバランスをとることができる。
すなわち、重量の偏りに拘わらず、カバー部材のいずれの場所においても、同じような操作感覚でカバー部材を開操作できる。
本発明の実施形態1を図1ないし図11によって説明する。
図1は、レーザプリンタの斜視図、図2はフロントカバーを開放させた状態を示す斜視図である。プリンタ1は、前方に開口するボックス状をなす本体ケーシング2を備えている。
レーザプリンタ1は、複数のドラムサブユニット28K〜28Cを図3における左右方向に並列的に配置した横置きタイプのタンデム型カラーレーザプリンタであって、本体ケーシング2内に、記録媒体としての用紙を給紙するための給紙部4、給紙された用紙3上に画像を形成するための画像形成部5などを備える。
A.給紙部の構成
給紙部4は大まかには、給紙カセット10、分離ローラ11、給紙ローラ13などから構成される。分離ローラ11並びに給紙ローラ13は給紙カセット10に積載された用紙を一枚ずつ取り出すものである。また、図3における符号15、符号16、符号17は、それぞれ紙粉取りローラ、ピンチローラ、レジストローラである。紙粉取りローラ15は、用紙上の紙粉を取り除くためのものであり、レジストローラ17は、送り出された用紙の斜行を修正させるためのものである。
画像形成部5は、大まかにはスキャナ部20、プロセス部21、転写部22および定着部23などから構成されている。
(B−1)スキャナ部
スキャナ部20は、本体ケーシング2の上部に配置されている。このスキャナ部20は、前後左右方向に延びる支持板24と、この支持板24の上面に固定されるスキャナユニット25とを備えている。スキャナユニット25内には、たとえば、4つの光源、ポリゴンミラー、fθレンズ、反射鏡、面倒れ補正レンズなどの光学部材が配置されており、各光源から発光される画像データに基づくレーザビームは、ポリゴンミラーで偏向および走査されて、fθレンズおよび面倒れ補正レンズを通過し、また、反射鏡で反射された後、後述する各色の感光ドラム29の表面上に高速走査にて照射される。
プロセス部21は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に対応して、4つのドラムサブユニット28K〜28Cと4つの現像カートリッジ27K〜27Cとを備える。
転写部22は、駆動ローラ56、従動ローラ57、並びに4つの転写ローラ59間に無端状の用紙搬送ベルト58を架け渡したベルトユニットを備える。
定着部23は、転写部22の後部側に設置されている。定着部23は、加熱ローラ65と、同加熱ローラ65に対して対向対置される加圧ローラ66とからなる。加熱ローラ65は加熱のためのハロゲンランプ(図示せず)を備え、各転写ローラ59により用紙上に転写されたカラーのトナー像(現像剤像)を、用紙が加熱ローラ65と加圧ローラ66との間を通過する間に熱定着させるものである。
次に、図4ないし図9を参照して、開度規制装置Sについて説明する。
図4は開度規制装置の全体構成を示す斜視図、図5は滑車保持プレートの構成を示す斜視図、図6は滑車の斜視図である。
まず、本体ケーシング2の着脱口8をフロントカバー9で閉止した状態では、図10に示すように、動滑車160は定滑車150との滑車間距離がL1の位置で停止された状態にある。
本実施形態によれば、フロントカバー9と本体ケーシング2との間をワイヤWで連結しているが、これに、ワイヤ引取装置100を設けて、引き込み方向への付勢力が働くようにした。このような構成であれば、フロントカバー9には、ワイヤWを介して閉止方向に適度な大きさの力が、常時、加わる状態となる。従って、開操作中においては、この閉止方向の力が勢いを抑えるように作用するので、フロントカバー9が勢いよく開放されることがない。
次に、本発明の実施形態2を図12ないし図13によって説明する。
実施形態1では、ワイヤ引取装置100をフロントカバー9側に設置したが、実施形態2のものは、本体ケーシング2側に設置している。具体的には、本体ケーシング2の天上壁(排紙トレイ68)の下部にワイヤ引取装置210を設置されている(図12参照)。
次に、本発明の実施形態3を図14ないし図15によって説明する。
フロントカバー9の開度規制を行なうには、ワイヤ引取装置100から引き出されるワイヤWの長さを所定長に制限する必要があるが、実施形態1では、これを、動滑車160の移動を規制することで実現させた。すなわち、図11に示すように、両滑車150、160の滑車間距離がL2となったところで、動滑車160の動きが規制され、それ以上、ワイヤWを引き出せないようになっていた。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
2…本体ケーシング
9…フロントカバー(カバー部材の一例)
100…ワイヤ引取装置
110…滑車装置
135…プレート側ストッパ部(ストッパ装置の一例)
179…滑車側ストッパ片(ストッパ装置の一例)
150…定滑車
160…動滑車
J…ヒンジ軸
W…ワイヤ(紐状部材の一例)
Claims (9)
- 記録媒体に画像を形成するための装置を内部に収容する本体ケーシングに、ヒンジ軸を介して連結されたカバー部材の開き角度を所定角度に規制する開度規制装置であって、
一端が前記本体ケーシングに固定された紐状部材と、
前記カバー部材の裏面に設置され、前記紐状部材を引き込み方向に付勢して引取る引取装置と、
前記引取装置から引き出される紐状部材の引き出し量が所定量に達したときに、それ以上の引き出しを規制するストッパ装置と、から構成され、
前記引取装置は、
少なくとも1以上の動滑車を有する滑車装置と、
前記動滑車を引き込み方向に付勢する付勢手段と、から構成され、
前記動滑車の前記付勢力に抗する変位動作により前記紐状部材の引き出しがなされ、前記動滑車の前記付勢力に従った変位動作により前記紐状部材の引き込みがなされ、
さらに、
前記引取装置は、前記動滑車を含む複数個の滑車間に、両端がいずれも引き出し可能な自由端となるように1本の紐状部材を掛け渡した両端引き出しタイプのものであり、
前記紐状部材の両自由端を、前記本体ケーシングにおける前記ヒンジの軸方向の両側にそれぞれ固定することで前記紐状部材を用いた前記カバー部材の開度規制を両持ち状態で行なうことを特徴とする開度規制装置。 - 前記本体ケーシングに対して前記カバー部材の下部が前記ヒンジ軸により連結され、カバー部材が上開きする構成であるとともに、
前記カバー部材について、前記ヒンジ軸の両側で重量に偏りがあるものにおいて、
前記カバー部材と前記本体ケーシングとを連結する前記紐状部材の張架位置が、前記カバー部材の重量の偏りに対応して前記ヒンジ軸の両側で変えてあることを特徴とする請求項1に記載の開度規制装置。 - 前記動滑車に滑車ホルダが設けられたものにおいて、
前記紐状部材の引き出し量が所定量に達すると、前記滑車ホルダの一部が、他の部品に当接して前記動滑車の変位動作が規制され、これにより、前記紐状部材の引き出しが規制されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の開度規制装置。 - 前記引取装置から引き出される前記紐状部材上に、突起部が設けられる一方、
前記カバー部材における紐状部材の配索経路上には、前記突起部に対する規制部が設けられ、
前記引取装置から引き出される紐状部材の引き出し量が所定量に達したときに、前記突起部が、前記規制部に当接して前記紐状部材の引き出しが規制されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の開度規制装置。 - 前記紐状部材は、ステンレス製の撚り線ワイヤであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の開度規制装置。
- 記録媒体に画像を形成するための装置を内部に収容する本体ケーシングに、ヒンジ軸を介して連結されたカバー部材の開き角度を規制する開度規制装置であって、
一端がカバー部材に固定された紐状部材と、
前記本体ケーシングに設置され、前記紐状部材を引き込み方向に付勢して引取る引取装置と、
前記引取装置から引き出される紐状部材の引き出し量が所定量に達したときに、それ以上の引き出しを規制するストッパ装置と、から構成され、
前記引取装置は、前記動滑車を含む複数個の滑車間に、両端がいずれも引き出し可能な自由端となるように1本の紐状部材を掛け渡した両端引き出しタイプのものであり、
前記紐状部材の両自由端を、前記カバー部材における前記ヒンジの軸方向の両側にそれぞれ固定することで前記紐状部材を用いた前記カバー部材の開度規制を両持ち状態で行なう開度規制装置。 - 前記本体ケーシングに対して前記カバー部材の下部が前記ヒンジ軸により連結され、前記カバー部材が上開きする構成であるとともに、
前記カバー部材について、前記ヒンジ軸の両側で重量に偏りがあるものにおいて、
前記カバー部材と前記本体ケーシングとの間に掛けられた前記紐状部材の張架位置が、前記カバー部材の重量の偏りに対応して前記ヒンジ軸の両側で変えてあることを特徴とする請求項6に記載の開度規制装置。 - 前記動滑車に滑車ホルダが設けられたものにおいて、
前記紐状部材の引き出し量が所定量に達すると、前記滑車ホルダの一部が、他の部品に当接して前記動滑車の変位動作が規制され、これにより、前記紐状部材の引き出しが規制されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の開度規制装置。 - 前記引取装置から引き出される前記紐状部材の途上に、突起部が設けられる一方、
前記本体ケーシングにおける紐状部材の配索経路上には、前記突起部に対する規制部が設けられ、
前記引取装置から引き出される紐状部材の引き出し量が所定量に達したときに、前記突起部が、前記規制部に当接して前記紐状部材の引き出しが規制されることを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の開度規制装置。
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