JP2004123166A - ボックス型パレット - Google Patents
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Abstract
【課題】底蓋開放動作を適切にコントロールでき、底蓋開放時の衝突音の発生や衝突による部品劣化を防止できるボックス型パレットを提供する。
【解決手段】本発明は、下端が開放されたボックス体10の下端縁部に底蓋20の端部が回転自在に取り付けられて、ボックス体20の下端開口部が底蓋20によって開閉自在に構成され、閉塞状態にロックされた底蓋20が、そのロックを解除することによって、自重により開放されるようにしたボックス型パレットを対象とする。合成ゴム製の引張棒100の一端がボックス体20に取り付けられ、他端が底蓋に取り付けられる。引張棒100の引張力に抗して、底蓋20が開放されるよう構成される。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明は、下端が開放されたボックス体10の下端縁部に底蓋20の端部が回転自在に取り付けられて、ボックス体20の下端開口部が底蓋20によって開閉自在に構成され、閉塞状態にロックされた底蓋20が、そのロックを解除することによって、自重により開放されるようにしたボックス型パレットを対象とする。合成ゴム製の引張棒100の一端がボックス体20に取り付けられ、他端が底蓋に取り付けられる。引張棒100の引張力に抗して、底蓋20が開放されるよう構成される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば工場における廃棄物、パーツ等の一時収納や搬送等に用いられるボックス型パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のボックス型パレットとして、上下両端が開放されたボックス体における下端の一縁部に、底蓋の一縁部が回転自在に設けられ、底蓋によりボックス体の下端開口部が開閉されるよう構成され、閉塞状態にロックされた前記底蓋が、そのロックを解除することによって、自重により開放されるようにしたものが周知である。
【0003】
このようなボックス型パレットにおいては、フォークリフト等で持ち上げた状態で、底蓋を開放した際には、底蓋の軸支側端部に設けられた当たり金具がボックス体側のストッパープレートに緩衝部材等を介して衝突係止するが、その衝突時には、底蓋の荷重と内容物の荷重とが合わさった大きい荷重が加わるため、大きな衝撃音が発生して、周辺者に不快感を与えるばかりか、長期使用しているうちに、緩衝部材や底蓋の回転軸等が劣化破損してしまう恐れがあった。
【0004】
そこで、本願出願人は、下記特許文献1、2に示すように、底蓋を閉塞方向に補助的に付勢する巻ばねを有するボックス型パレットを提案した。
【0005】
この提案技術のボックス型パレットにおいては、底蓋開放時に、補助付勢手段の付勢力によって底蓋の開放方向への荷重が軽減されるため、底蓋開放時の衝撃力が緩和され、衝撃音が軽減されるとともに、緩衝部材や回転軸の早期劣化を防止することが可能となった。
【0006】
また下記特許文献3には、両開き式のボックス型パレットにおいて、各底蓋とボックス体との間に引張コイルばねを取り付けて、底蓋開放時に引張コイルばねの付勢力により、底蓋を閉塞方向に補助的に付勢するようにした技術も提供されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−48463号(図2)
【0008】
【特許文献2】
特開2002−160734号(図2)
【0009】
【特許文献3】
実開平6−56085号(図1、図6)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1ないし3のボックス型パレットは、底蓋を閉塞方向に付勢するための補助付勢手段として、巻ばねやコイルばね等のばね鋼製のものを用いるものであるが、ばね鋼製の補助付勢手段は、変形量が小さい初期の反発力が弱く、変形量が多くなるに従って反発力が次第に強くなるという性質を有している。従ってばね鋼製のばね部材を、上記のようなボックス型パレットの底蓋持ち上げ付勢手段として採用した場合、底蓋開放直後には、ばね部材の変形量が小さく反発力も小さくなる。このため例えば、内容物が1tonを超えるような高重量なものを収納している場合、底蓋開放直後の荷重を効率良く吸収することができず、底蓋が高速で開放するため、内容物が一度に落下してしまい、内容物をスムーズに安定した状態で排出するのが困難であった。また底蓋が急速に開放するため、その荷重を付勢手段の反発力では確実に吸収できず、底蓋の当たり金具がボックス体側の緩衝部材に強く衝突してしまう。このため、衝撃音の発生や回転軸の劣化を確実に防止できない場合があり、未だ改良の余地が残されている。
【0011】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、底蓋の開放動作を適切にコントロールすることができ、底蓋開放時の衝突音の発生を防止できるとともに、その衝突による部品劣化を有効に防止できて、十分な耐久性を得ることができるボックス型パレットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、下端が開放されたボックス体の下端縁部に底蓋の端部が回転自在に取り付けられて、前記ボックス体の下端開口部が前記底蓋によって開閉自在に構成され、閉塞状態にロックされた前記底蓋が、そのロックを解除することによって、自重により開放されるようにしたボックス型パレットであって、一端が前記ボックス体に取り付けられ、他端が前記底蓋に取り付けられたゴム製の引張棒が設けられ、前記引張棒の引張力に抗して、前記底蓋が開放されるよう構成されてなるものを要旨としている。
【0013】
この発明のボックス型パレットにおいては、底蓋を持ち上げ方向に補助的に付勢するための手段として、ゴム製引張棒を用いるものである。この引張棒は、巻ばねや引張コイルばね等のばね鋼部材とは異なり、伸び率(変形量)にかかわらず、引張力がほぼ一定であるため、底蓋開放中のいずれの位置においても底蓋に一定の引張力を付与することができ、底蓋の開放動作を適切にコントロールすることができる。
【0014】
例えばばね鋼部材を底蓋の持ち上げ付勢手段として採用した場合、変形量が小さい底蓋開放直後には、反発力も小さいため、開放直後の荷重を効率良く吸収できず、底蓋の開放速度を十分に低下させることが困難である。これに対し本発明のようにゴム製引張棒を採用する場合には、伸びが少ない開放直後においても底蓋に十分な引張力を付与することができ、高重量の内容物が収容されていようとも、底蓋開放直後の荷重を効率良く吸収することができ、底蓋を低速で円滑に開放させることができる。
【0015】
更に底蓋を低速で緩やかに開放させることができるため、その開放時の荷重を引張棒によって確実に吸収することができ、底蓋の軸支側が、ボックス体に強く衝突することはない。
【0016】
一方、本発明においては、前記引張棒が、前記ボックス体の両側外面に沿ってそれぞれ設けられ、前記引張棒の各一端が、前記ボックス体の両側外面にそれぞれ取り付けられるとともに、各他端が、前記底蓋の両側部における軸支側端部と開放側端部との中間位置に取り付けられてなる構成を採用するのが好ましい。
【0017】
すなわちこの構成を採用する場合には、放出される内容物が引張棒に干渉することがなく、内容物の放出をスムーズに行うことができる。更に引張棒によって底蓋に適度な引張力を付与することができる。
【0018】
また本発明においては、前記底蓋を開放した状態において、前記ボックス体の下端から前記底蓋にかけて配置される前記引張棒の引出領域に、チューブ状のプロテクタが外嵌されてなる構成を採用するのが良い。
【0019】
すなわちこの構成を採用する場合には、例えば、放出される内容物が、直接、引張棒に接触することがなく、その内容物の接触により引張棒が損傷するような不具合を確実に防止することができる。
【0020】
更に本発明においては、前記引張棒の中間領域が、ボックス体に設けられた滑車に掛け渡されて、前記引張棒が曲線状に配置されてなる構成を採用するのが望ましい。
【0021】
すなわちこの構成を採用する場合には、引張棒の長さを十分に確保することができ、引張棒の伸び率を抑えつつ、引出量を十分に確保することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3はこの発明の実施形態であるボックス型パレットを示す図である。これらの図に示すように、このパレットは、上下両端が開放された角筒状のボックス体(10)と、ボックス体(10)の下端開口部の形状に対応する平面視方形状の底蓋(20)とを有している。そして、ボックス体(10)の内部下端に、その後縁に沿って固定された蝶番軸(11)を回転軸として、底蓋(20)の後縁部が回転自在に取り付けられ、これによりボックス体(10)の下端開口部が底蓋(20)により開閉されるよう構成されている。
【0023】
図1ないし図3に示すように、ボックス体(10)の下端後縁部及び底蓋(20)の下面前端縁には、前後脚フレーム(31)(31)がそれぞれ固定されるとともに、底蓋(20)の下面両側縁部における前後両端を除く部分には、両側脚フレーム(32)(32)がそれぞれ固定される。
【0024】
図1ないし図4に示すように、底蓋(20)の下面両側部において、その後端位置から両側脚フレーム(32)の後端面には、L字型の当たり金具(40)が固定されている。またボックス体(10)の下端における両側部後端には、上記底蓋(20)の当たり金具(40)の両側及び後部を覆うようにして、ストッパープレート(41)が固定されている。このストッパープレート(41)において当たり金具(40)の後方に対応する領域には、垂直片(41a)が設けられており、この垂直片(41a)に、合成ゴム製緩衝部材(42)が固定されている。
【0025】
図1に示すように、底蓋(20)の両側縁部には、その両側縁部に沿って立ち上がるようにして、ガイドプレート(21)(21)が固定されるとともに、底蓋(20)の両側前端には、側方へ突出するように円柱形のフック受金具(22)が取り付けられている。
【0026】
図1及び図5に示すように、ボックス体(10)の下端前縁部には、その前縁部に沿って回転軸(24)が回転自在に取り付けられる。この回転軸(24)の両端には、上記フック受金具(22)に対応してフック(51)の上部が固定される。各フック(51)はその下端に設けられた係合片(51a)がそれぞれ後方に向くように配置されている。なお、左右の両フック(51)は、回転軸(24)の回転に伴って同期して揺動されるよう構成されている。
【0027】
ボックス体(10)の一側面において、一方側のフック(51)の上端には、連結レバー(52)の下端が固定される。またボックス体(10)の一側面側における下端後部には、支持金具(53)が固定されており、この支持金具(53)に操作レバー(54)の下端が回転自在に取り付けられている。
【0028】
また、上記連結レバー(52)の上端には、連結ロッド(55)の前端が回転自在に取り付けられるとともに、この連結ロッド(55)の後端に、上記操作レバー(54)の下部が回転自在に取り付けられる。
【0029】
ボックス体(10)の一側面における連結ロッド(55)の下方位置には、連結ロッド(55)を前方へ、つまりフック(51)を係合方向へ付勢するロッド付勢手段(56)が設けられている。そして、底蓋(20)を閉塞した状態では、ロッド付勢手段(56)により、連結ロッド(55)が前方へ付勢されて、フック(51)の係合片(51a)がフック受金具(22)に係合され、これにより底蓋(20)が閉塞状態に自動的にロックされるよう構成されている。
【0030】
またこの底蓋ロック状態から、操作レバー(54)を後方へ回転操作すると、連結ロッド(55)が、ロッド付勢手段(56)の付勢力に抗して後方へスライドしてフック(51)が回転し、係合片(51a)のフック受金具(22)への係合が解除される。こうしてロックを解除した際、ボックス型パレットが吊持されていると、底蓋(20)が自重により開放されることになる。
【0031】
また図3の実線に示すように、底蓋(20)が、所定の開放角度に維持された状態で、ボックス型パレットを設置面に降ろすと、底蓋(20)が設置面により上方へ押し上げられて、底蓋(20)が閉塞される。更にその閉塞時には、上記したように、フック(51)がフック受金具(22)に自動的に係合される。
【0032】
なお本実施形態においては、底蓋(20)の先端下端位置に、設置面と転がり接触して、底蓋(20)を閉塞方向にスムーズにガイドするためのコロ等のガイドローラ(図示省略)を設けるようにしても良い。、
一方、図1ないし図3に示すように、ボックス体(10)の両側面には、第1ないし第4の4つの定滑車(111)〜(114)が回転自在にそれぞれ取り付けられている。このうち、第1及び第3定滑車(111)(113)は、ボックス体(10)の両側面上端部に配置されるとともに、第2及び第4定滑車(112)(114)は、両側面下端部に配置されている。更に第4定滑車(114)は、ボックス体(10)の両側面における前後方向のほぼ中間位置に配置されている。
【0033】
本発明において、各滑車(111)〜(114)は、例えば合成樹脂製のものであっても、金属製のものであっても良く、更にベアリングを具備していても、具備していなくても良い。もっとも、生産性等を考慮すると、ベアリングのない合成樹脂製のものを使用するのが望ましい。
【0034】
更にボックス体(10)の両側面における第1定滑車(111)の前方には、固定片(110)が側方に突出するように固定されている。
【0035】
引張棒(100)は、所定の長さを有する丸棒状のゴム部材により構成されている。この引張棒(100)の一端には、ボルト軸(101)の一部がインサート成形されることにより、ボルト軸(101)がその一部を引張棒(100)の一端面から突出させた状態で強固に固定されている。更に引張棒(100)の他端には、端具(105)が固定されている。
【0036】
ここで、引張棒(100)としては、合成ゴムからなるもの、特にエチレン,プロピレン,ジエン共重合系合成ゴム(EPDM)等の合成ゴムからなるものを好適に使用することができる。なお言うまでもなく、引張棒(100)の素材は限定されるものではなく、所定の引張性能を有するゴム製のものであればどのようなものであっても良い。
【0037】
更に引張棒(100)は、その外観形状が棒状のものであれば良く、中実構造のものであっても、中空構造(チューブ状)のものであっても良いが、反発力を大きく確保するために、中実構造のものを使用するのが良い。
【0038】
更に引張棒(100)は、上記の丸棒状のものに限られず、角棒状のものであっても良い。
【0039】
この引張棒(100)の一端におけるボルト軸(101)が、ボックス体(10)側の固定片(110)に貫通されて、その固定片(110)の両側からナット(102)(102)がボルト軸(101)に締結される。これにより、ナット(102)のボルト軸(101)に対する締結位置を変更することにより、ボルト軸(101)、つまり引張棒(100)の一端を、固定片(110)に対し、長さ方向に位置調整自在に固定される。
【0040】
また引張棒(100)の中間領域は、第1ないし第4定滑車(111)〜(114)にこの順に掛け渡されて、蛇行状(曲線状)に配置される。更に引張棒(100)の他端における端具(105)が、底蓋(20)の両側面における前後方向中間位置に回転自在に固定される。
【0041】
また、引張棒(100)の他端側領域、換言すれば底蓋(20)を開放した際にボックス体(10)の下方側に引き出される領域(引出領域)には、軟質合成樹脂製のチューブ状プロテクタ(120)が外嵌状態に取り付けられている。
【0042】
そして、ボックス型パレットを吊持した状態で、底蓋(20)を開放した際には、引張棒(100)が引っ張られて伸長していき、図3の想像線に示すように底蓋(20)が最大開放角度まで開放した後、引張棒(100)の引張力により、底蓋(20)が閉塞方向に少量戻って、図3の実線に示すように所定の開放角度に維持される。
【0043】
なお、底蓋(20)がこの所定の開放角度に維持された状態において、ボックス型パレットを設置面に降ろした際には、底蓋(20)が自動的に閉塞されることは、既述した通りである。また底蓋(20)が最大開放角度を超えるような勢いで開放されたとしても、底蓋(20)の当たり金具(40)がボックス体(10)の緩衝部材(42)に当接係止することにより、底蓋(20)が最大開放角度を大きく超える位置まで開放されるのが防止される。
【0044】
ここで、本実施形態においては、図3の実線に示す状態での底蓋(20)の水平面に対する角度(開放維持角度)を、60〜80°に設定するのが良い。すなわち、この開放維持角度が過度に大きい場合には、底蓋(20)を開放維持角度に維持した状態で、パレットを設置面に降ろした際に、底蓋(20)の先端が設置面に掛止して、底蓋(20)が閉塞方向にスムーズにガイドされなくなり、底蓋(20)の閉塞操作が困難になる恐れがある。逆に開放維持角度が過度に小さい場合には、例えば内容物が軽量であると、底蓋が十分に開放しない恐れがあったり、また、引張棒(100)としても、引張力の強い大型のものを使用する必要があり、装置の大型化やコストの増大を来すとともに、底蓋開放時の引張棒(100)への負担も大きくなり、早期劣化を来す恐れがある。
【0045】
なお、引張棒(100)は、ナット(102)の締結量、つまりナット(102)を締結したり緩めたりして、調整ボルト(101)を前後にスライドさせることにより、テンションを調整することができ、この調整により、引張棒(100)の反発力を自在に調整できるよう構成されている。
【0046】
一方、図1に示すように、ボックス体(10)の前後板上部には、フォークリフトのフォークを差込可能なフォーク差込孔(12)が形成される。更にボックス体(10)上端の4つのコーナー部のやや内側には、クレーンのフック等を係止するための吊り金具(13)が突出するように設けられている。なお図1において、(80)は操作レバー(54)を遠隔から操作するための紐である。
【0047】
本実施形態のボックス型パレットは、以上の構成を有しており、パレット内に収容したパーツ等の内容物を、トラックの荷台等に移載する場合には、例えばフォークリフトのフォークを、フォーク差込孔(12)内に差し込んで、ボックス型パレットをトラック荷台の上方まで持ち上げ、その状態で、操作レバー(54)を後方に回転操作する。これにより、フック(51)のフック受金具(22)に対する係合が解除され、底蓋(20)が、その荷重と内容物の荷重とによって開放する。この開放に伴って、引張棒(100)が引っ張られて伸長するため、底蓋(20)は、引張棒(100)の引張付勢力に抗しながら開放される。このとき、引張棒(100)は、合成ゴムにより構成されているため、巻ばねや引張コイルばね等のばね鋼からなるばね部材と比較して、初期引張力を十分に得ることができる。このため、底蓋(20)は、緩やかな速度で開放していき、この開放に伴って内容物が少しずつ落下していく。更に底蓋(20)が開放するに従って、内容物が放出されて、底蓋(20)の開放方向への荷重が低減されていく。そして、内容物が全て放出された後、引張棒(100)の引張力に抗しつつ、慣性力のみで90°近くまで開放する。このとき、この慣性力が大きい場合、例えば内容物が高重量であった場合には、底蓋(20)の当たり金具(40)は、ストッパープレート(41)の緩衝部材(42)に当接することもあるが、底蓋(20)の当たり金具(40)は、引張棒(100)の反発力に抗しながらの慣性力のみで、緩衝部材(42)に当接するので、その当接時の衝撃が非常に小さくなる。
【0048】
一方、底蓋(20)が最大開放角度まで開放した後は、引張棒(100)の引張力により、底蓋(20)が閉塞方向にゆっくりと持ち上げられていき、60〜80°程度の開放角度で維持される。
【0049】
ここで、引張棒(100)は、合成ゴムにより構成しているため、伸縮変形量にかかわらず、引張力がほぼ一定であるため、引張棒(100)の反発力による最大開放時から閉塞方向に戻る際のスプリングバックが緩やかに行われる。すなわち、巻ばねや引張コイルばね等のばね鋼からなるばね部材は、変形量が大きくなるに従って、反発力が強くなるため、仮にこのようなばね部材を、底蓋の持ち上げ付勢手段として採用した場合には、最も変形量が大きい最大開放時にばね部材の反発力が過度に強くなり、底蓋が急速に戻るようになる。このため、この底蓋が周辺部材に干渉した際等に不具合が生じる恐れがある。更にスプリングバックが速いため、底蓋が最大開放状態から所定の開放維持角度に静止するまで時間が長く、長時間揺動し続けるようになり、この間、底蓋の閉塞作業等を行うことができず、作業効率の低下を来す恐れがある。
【0050】
これに対し、本実施形態において、引張棒(100)は、伸縮変形量にかかわらず、引張力がほぼ一定であるため、最も変形量が大きい最大開放時における引張棒(100)の引張力が過度に強くなることはなく、底蓋(20)のスプリングバックが緩やかに行われる。従って、底蓋(20)が周辺部材に干渉するのを未然に防止することができるとともに、たとえ干渉したとしても不具合が生じることはない。更にスプリングバックが緩やかであるため、底蓋(20)が所定の開放維持角度に静止するまでの時間が短くなり、底蓋解放後直ちに底蓋(20)の閉塞作業を行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0051】
一方、内容物を放出した後は、ボックス型パレットを設置面に降ろして、上記したように底蓋(20)を閉塞させるものである。
【0052】
以上のように、本実施形態のボックス型パレットによれば、ボックス体(10)と底蓋(20)との間に合成ゴム製の引張棒(100)を配置して、その引張棒(100)の引張力に抗して底蓋(20)を開放させるよう構成しているため、底蓋開放直後における引張棒(100)による引張力を十分に確保することができる。このためたとえ高重量の内容物が収容されていようとも、底蓋開放直後の荷重を効率良く吸収することができ、底蓋(20)を低速で円滑に開放させることができ、内容物をスムーズに排出することができる。更に底蓋(20)が緩やかに低速で開放するため、その開放時の荷重を引張棒(100)によって確実に吸収することができ、底蓋(20)が完全に開ききる前に、開放動作が終了し、底蓋側の当たり金具(40)が、ストッパープレート(41)の緩衝部材(42)に衝突することなく、たとえ衝突したとしても軽く接触する程度となる。その結果、衝突により衝撃音が発生するのを防止できるとともに、緩衝部材(42)や蝶番軸(11)等の部品に多大な衝撃力が加わることがなく、部品の早期劣化を防止でき、十分な耐久性を得ることができる。
【0053】
更に底蓋(20)が最大開放状態から引張棒(100)の引張力によって戻る際のスプリングバックが緩やかであるため、底蓋(20)が周辺部材に干渉するのを未然に防止することができるとともに、干渉したとしても不具合が生じることはない。更にスプリングバックが緩やかであるため、底蓋(20)が所定の開放維持角度に静止するまでの時間が短くなり、底蓋解放後直ちに底蓋(20)の閉塞作業を行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
【0054】
また本実施形態においては、引張棒(100)をボックス体(10)の左右両側に設けるものであるため、底蓋(20)をバランス良く付勢することができ、底蓋(20)の開閉動作を安定させて行うことができる。
【0055】
更に引張棒(100)の他端(下端)を底蓋(20)の両側縁部における軸支側端部と開放側端部との中間位置(前後方向中間位置)に取り付けているため、内容物の放出をスムーズに行えるとともに、引張棒(100)として長さの短いものを用いることができる。すなわち引張棒の下端を底蓋の前端に取り付けた場合には、底蓋を開放して内容物を放出する際に、放出される内容物が引張棒に干渉して、内容物の放出をスムーズに行うことが困難になるとともに、底蓋開放時における引張棒(100)の引出量が多くなり、引張棒として長さの長いものを用いる必要がある。これに対し、本実施形態においては、引張棒(100)の下端を底蓋(20)の前後方向中間位置に取り付けているため、放出される内容物が引張棒(100)に干渉することがなく、内容物の放出をスムーズに行えるとともに、底蓋開放時における引張棒(100)の引出量も少なくなり、引張棒(100)として短いものを使用でき、構造の簡素化を図ることができる。
【0056】
なお、引張棒(100)の下端を底蓋(20)の軸支側端部(後端)に取り付けた場合、引張棒(100)の引張力のみでは、底蓋(20)の閉塞方向への付勢力を十分に得ることができない恐れがあり、好ましくない。
【0057】
また本実施形態においては、引張棒(100)の他端側領域(引出領域)にチューブ状プロテクタ(120)を外嵌しているため、放出される内容物が、直接引張棒(100)に接触することがなく、その内容物の接触により引張棒(100)が損傷するような不具合を防止でき、耐久性を向上させることができる。
【0058】
なお、言うまでもなく、プロテクタ(120)は、引張棒(100)の引出領域のみならず、他の領域にも設けるようにしても良く、更に引張棒全域に設けるようにしても良い。
【0059】
また本実施形態においては、ボックス体(10)の側面に設けた滑車(111)〜(114)に、引張棒(100)を掛け渡して蛇行状に配置するものであるため、引張棒(100)の長さを十分に確保することができる。このため、引張棒(100)の伸び率を抑えつつ、引出量を十分に確保することができ、引張棒(100)を底蓋(20)の持ち上げ付勢手段として確実に利用することができる。
【0060】
ここで、本実施形態においては、底蓋(20)の最大開放状態における引張棒(100)の伸び率を、10〜40%、好ましくは下限値を20%以上、上限値を30%以下に設定するのが好ましい。すなわち、伸び率が大き過ぎる場合には、底蓋開放時における引張棒(100)の負担が大きくなり、引張棒(100)が早期に劣化する恐れがある。逆に伸び率を過度に小さくしようとすると、引張棒自体の長さを長くする必要があり、引張棒(100)の設置形状等が複雑になって構造の複雑化、ひいては組付作業の困難化を来す恐れがある。
【0061】
なお参考までに、引張棒等のゴム棒は、最大伸び率を50%程度に設定するのが通例である。
【0062】
また本実施形態のボックス型パレットにおいては、底蓋(20)の最大開放角度を90°以下に設定しているため、パレットをフォークリフト等で持ち上げて底蓋(20)を開放した場合に、底蓋(20)がフォークリフトのマストに衝接することがなく、衝突音の発生等を有効に防止することができる。
【0063】
なお上記実施形態においては、本発明を、ボックス体の下端開口部を1枚の底蓋により開放する片開き式のボックス型パレットに適用した場合について説明したが、本発明はそれだけに限られず、底蓋が2枚に分割された両開き式のボックス型パレットにも適用することができる。
【0064】
また上記実施形態においては、引張棒(100)の一端(上端)を位置固定状態に取り付けるようにしているが、本発明はそれだけに限られず、引張棒(100)の一端をボックス体(10)に上下方向にスライド自在に取り付けておき、底蓋開放直後には、引張棒(100)が下方にスライドして、底蓋が所定量開放してから、引張棒(100)が引っ張られて底蓋(20)に引張力が付与されるように構成しても良い。
【0065】
もっとも、この場合には、開放直後に、底蓋(20)に引張力が付与されてないため、底蓋(20)の開放速度が速くなる恐れがあるため、上記実施形態のように引張棒(100)の一端は、固定しておくのが好ましい。
【0066】
また本発明においては、滑車(111)〜(114)を必ずしも設ける必要はないが、引張棒の長さを十分に確保するためには、2個以上設けるのが良い。
【0067】
また本発明においては、ボックス体(10)の両側面における引張棒(100)が設置される部分に、着脱自在にカバー部材を取り付けるようにしても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、この発明のボックス型パレットによれば、ボックス体と底蓋との間にゴム製の引張棒を設けて、その引張棒の引張力に抗して、底蓋を開放させるものである。ここでゴム製引張棒は、ばね鋼部材とは異なり、伸び率にかかわらず、引張力がほぼ一定であるため、開放位置にかかわらず底蓋に一定の引張力を付与することができ、底蓋の開放動作を適切にコントロールすることができる。このため例えば、開放直後における底蓋に十分な引張力を付与することができ、高重量の内容物が収容されていようとも、底蓋開放直後の荷重を効率良く吸収することができ、底蓋を低速で円滑に開放させることができ、内容物をスムーズに排出することができる。更に底蓋を緩やかに低速で開放させることができるため、その開放時の荷重を引張棒によって確実に吸収することができ、底蓋の軸支側が、ボックス体に強く衝突することはない。従って、衝突により衝撃音が発生するのを防止できるとともに、構成部品に多大な衝撃力が加わることがなく、部品の早期劣化を防止でき、十分な耐久性を得ることができるという効果がある。
【0069】
本発明において、引張棒下端を底蓋の両側部中間に取り付ける場合には、放出される内容物が引張棒に干渉することがなく、内容物の放出をスムーズに行えるとともに、引張棒によって底蓋に適度な引張力を付与することができるという利点がある。
【0070】
また本発明において、引張棒他端側の引出領域にチューブ状プロテクタを外嵌する場合には、放出される内容物が、直接、引張棒に接触することがなく、その内容物の接触により引張棒が損傷するような不具合を防止でき、耐久性を向上させることができるという利点がある。
【0071】
更に本発明において、ボックス体側面に滑車を設けて、その滑車に、引張棒を掛け渡して蛇行状等の曲線状に配置する場合には、引張棒の長さを十分に確保することができ、引張棒の伸び率を抑えつつ、引出量を十分に確保することができ、引張棒を底蓋の持ち上げ付勢手段として好適に利用することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるボックス型パレットを示す斜視図である。
【図2】実施形態のボックス型パレットを底蓋開放状態で示す側面図である。
【図3】実施形態のボックス型パレットを底蓋閉塞状態で示す側面図である。
【図4】実施形態のボックス型パレットにおけるストッパープレート周辺を示す側面断面図である。
【図5】実施形態のボックス型パレットにおけるレバー操作力伝達機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…ボックス体
20…底蓋
100…引張棒
111〜114…定滑車
120…プロテクタ
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば工場における廃棄物、パーツ等の一時収納や搬送等に用いられるボックス型パレットに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のボックス型パレットとして、上下両端が開放されたボックス体における下端の一縁部に、底蓋の一縁部が回転自在に設けられ、底蓋によりボックス体の下端開口部が開閉されるよう構成され、閉塞状態にロックされた前記底蓋が、そのロックを解除することによって、自重により開放されるようにしたものが周知である。
【0003】
このようなボックス型パレットにおいては、フォークリフト等で持ち上げた状態で、底蓋を開放した際には、底蓋の軸支側端部に設けられた当たり金具がボックス体側のストッパープレートに緩衝部材等を介して衝突係止するが、その衝突時には、底蓋の荷重と内容物の荷重とが合わさった大きい荷重が加わるため、大きな衝撃音が発生して、周辺者に不快感を与えるばかりか、長期使用しているうちに、緩衝部材や底蓋の回転軸等が劣化破損してしまう恐れがあった。
【0004】
そこで、本願出願人は、下記特許文献1、2に示すように、底蓋を閉塞方向に補助的に付勢する巻ばねを有するボックス型パレットを提案した。
【0005】
この提案技術のボックス型パレットにおいては、底蓋開放時に、補助付勢手段の付勢力によって底蓋の開放方向への荷重が軽減されるため、底蓋開放時の衝撃力が緩和され、衝撃音が軽減されるとともに、緩衝部材や回転軸の早期劣化を防止することが可能となった。
【0006】
また下記特許文献3には、両開き式のボックス型パレットにおいて、各底蓋とボックス体との間に引張コイルばねを取り付けて、底蓋開放時に引張コイルばねの付勢力により、底蓋を閉塞方向に補助的に付勢するようにした技術も提供されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−48463号(図2)
【0008】
【特許文献2】
特開2002−160734号(図2)
【0009】
【特許文献3】
実開平6−56085号(図1、図6)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1ないし3のボックス型パレットは、底蓋を閉塞方向に付勢するための補助付勢手段として、巻ばねやコイルばね等のばね鋼製のものを用いるものであるが、ばね鋼製の補助付勢手段は、変形量が小さい初期の反発力が弱く、変形量が多くなるに従って反発力が次第に強くなるという性質を有している。従ってばね鋼製のばね部材を、上記のようなボックス型パレットの底蓋持ち上げ付勢手段として採用した場合、底蓋開放直後には、ばね部材の変形量が小さく反発力も小さくなる。このため例えば、内容物が1tonを超えるような高重量なものを収納している場合、底蓋開放直後の荷重を効率良く吸収することができず、底蓋が高速で開放するため、内容物が一度に落下してしまい、内容物をスムーズに安定した状態で排出するのが困難であった。また底蓋が急速に開放するため、その荷重を付勢手段の反発力では確実に吸収できず、底蓋の当たり金具がボックス体側の緩衝部材に強く衝突してしまう。このため、衝撃音の発生や回転軸の劣化を確実に防止できない場合があり、未だ改良の余地が残されている。
【0011】
この発明は、上記従来技術の問題を解消し、底蓋の開放動作を適切にコントロールすることができ、底蓋開放時の衝突音の発生を防止できるとともに、その衝突による部品劣化を有効に防止できて、十分な耐久性を得ることができるボックス型パレットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明は、下端が開放されたボックス体の下端縁部に底蓋の端部が回転自在に取り付けられて、前記ボックス体の下端開口部が前記底蓋によって開閉自在に構成され、閉塞状態にロックされた前記底蓋が、そのロックを解除することによって、自重により開放されるようにしたボックス型パレットであって、一端が前記ボックス体に取り付けられ、他端が前記底蓋に取り付けられたゴム製の引張棒が設けられ、前記引張棒の引張力に抗して、前記底蓋が開放されるよう構成されてなるものを要旨としている。
【0013】
この発明のボックス型パレットにおいては、底蓋を持ち上げ方向に補助的に付勢するための手段として、ゴム製引張棒を用いるものである。この引張棒は、巻ばねや引張コイルばね等のばね鋼部材とは異なり、伸び率(変形量)にかかわらず、引張力がほぼ一定であるため、底蓋開放中のいずれの位置においても底蓋に一定の引張力を付与することができ、底蓋の開放動作を適切にコントロールすることができる。
【0014】
例えばばね鋼部材を底蓋の持ち上げ付勢手段として採用した場合、変形量が小さい底蓋開放直後には、反発力も小さいため、開放直後の荷重を効率良く吸収できず、底蓋の開放速度を十分に低下させることが困難である。これに対し本発明のようにゴム製引張棒を採用する場合には、伸びが少ない開放直後においても底蓋に十分な引張力を付与することができ、高重量の内容物が収容されていようとも、底蓋開放直後の荷重を効率良く吸収することができ、底蓋を低速で円滑に開放させることができる。
【0015】
更に底蓋を低速で緩やかに開放させることができるため、その開放時の荷重を引張棒によって確実に吸収することができ、底蓋の軸支側が、ボックス体に強く衝突することはない。
【0016】
一方、本発明においては、前記引張棒が、前記ボックス体の両側外面に沿ってそれぞれ設けられ、前記引張棒の各一端が、前記ボックス体の両側外面にそれぞれ取り付けられるとともに、各他端が、前記底蓋の両側部における軸支側端部と開放側端部との中間位置に取り付けられてなる構成を採用するのが好ましい。
【0017】
すなわちこの構成を採用する場合には、放出される内容物が引張棒に干渉することがなく、内容物の放出をスムーズに行うことができる。更に引張棒によって底蓋に適度な引張力を付与することができる。
【0018】
また本発明においては、前記底蓋を開放した状態において、前記ボックス体の下端から前記底蓋にかけて配置される前記引張棒の引出領域に、チューブ状のプロテクタが外嵌されてなる構成を採用するのが良い。
【0019】
すなわちこの構成を採用する場合には、例えば、放出される内容物が、直接、引張棒に接触することがなく、その内容物の接触により引張棒が損傷するような不具合を確実に防止することができる。
【0020】
更に本発明においては、前記引張棒の中間領域が、ボックス体に設けられた滑車に掛け渡されて、前記引張棒が曲線状に配置されてなる構成を採用するのが望ましい。
【0021】
すなわちこの構成を採用する場合には、引張棒の長さを十分に確保することができ、引張棒の伸び率を抑えつつ、引出量を十分に確保することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1ないし図3はこの発明の実施形態であるボックス型パレットを示す図である。これらの図に示すように、このパレットは、上下両端が開放された角筒状のボックス体(10)と、ボックス体(10)の下端開口部の形状に対応する平面視方形状の底蓋(20)とを有している。そして、ボックス体(10)の内部下端に、その後縁に沿って固定された蝶番軸(11)を回転軸として、底蓋(20)の後縁部が回転自在に取り付けられ、これによりボックス体(10)の下端開口部が底蓋(20)により開閉されるよう構成されている。
【0023】
図1ないし図3に示すように、ボックス体(10)の下端後縁部及び底蓋(20)の下面前端縁には、前後脚フレーム(31)(31)がそれぞれ固定されるとともに、底蓋(20)の下面両側縁部における前後両端を除く部分には、両側脚フレーム(32)(32)がそれぞれ固定される。
【0024】
図1ないし図4に示すように、底蓋(20)の下面両側部において、その後端位置から両側脚フレーム(32)の後端面には、L字型の当たり金具(40)が固定されている。またボックス体(10)の下端における両側部後端には、上記底蓋(20)の当たり金具(40)の両側及び後部を覆うようにして、ストッパープレート(41)が固定されている。このストッパープレート(41)において当たり金具(40)の後方に対応する領域には、垂直片(41a)が設けられており、この垂直片(41a)に、合成ゴム製緩衝部材(42)が固定されている。
【0025】
図1に示すように、底蓋(20)の両側縁部には、その両側縁部に沿って立ち上がるようにして、ガイドプレート(21)(21)が固定されるとともに、底蓋(20)の両側前端には、側方へ突出するように円柱形のフック受金具(22)が取り付けられている。
【0026】
図1及び図5に示すように、ボックス体(10)の下端前縁部には、その前縁部に沿って回転軸(24)が回転自在に取り付けられる。この回転軸(24)の両端には、上記フック受金具(22)に対応してフック(51)の上部が固定される。各フック(51)はその下端に設けられた係合片(51a)がそれぞれ後方に向くように配置されている。なお、左右の両フック(51)は、回転軸(24)の回転に伴って同期して揺動されるよう構成されている。
【0027】
ボックス体(10)の一側面において、一方側のフック(51)の上端には、連結レバー(52)の下端が固定される。またボックス体(10)の一側面側における下端後部には、支持金具(53)が固定されており、この支持金具(53)に操作レバー(54)の下端が回転自在に取り付けられている。
【0028】
また、上記連結レバー(52)の上端には、連結ロッド(55)の前端が回転自在に取り付けられるとともに、この連結ロッド(55)の後端に、上記操作レバー(54)の下部が回転自在に取り付けられる。
【0029】
ボックス体(10)の一側面における連結ロッド(55)の下方位置には、連結ロッド(55)を前方へ、つまりフック(51)を係合方向へ付勢するロッド付勢手段(56)が設けられている。そして、底蓋(20)を閉塞した状態では、ロッド付勢手段(56)により、連結ロッド(55)が前方へ付勢されて、フック(51)の係合片(51a)がフック受金具(22)に係合され、これにより底蓋(20)が閉塞状態に自動的にロックされるよう構成されている。
【0030】
またこの底蓋ロック状態から、操作レバー(54)を後方へ回転操作すると、連結ロッド(55)が、ロッド付勢手段(56)の付勢力に抗して後方へスライドしてフック(51)が回転し、係合片(51a)のフック受金具(22)への係合が解除される。こうしてロックを解除した際、ボックス型パレットが吊持されていると、底蓋(20)が自重により開放されることになる。
【0031】
また図3の実線に示すように、底蓋(20)が、所定の開放角度に維持された状態で、ボックス型パレットを設置面に降ろすと、底蓋(20)が設置面により上方へ押し上げられて、底蓋(20)が閉塞される。更にその閉塞時には、上記したように、フック(51)がフック受金具(22)に自動的に係合される。
【0032】
なお本実施形態においては、底蓋(20)の先端下端位置に、設置面と転がり接触して、底蓋(20)を閉塞方向にスムーズにガイドするためのコロ等のガイドローラ(図示省略)を設けるようにしても良い。、
一方、図1ないし図3に示すように、ボックス体(10)の両側面には、第1ないし第4の4つの定滑車(111)〜(114)が回転自在にそれぞれ取り付けられている。このうち、第1及び第3定滑車(111)(113)は、ボックス体(10)の両側面上端部に配置されるとともに、第2及び第4定滑車(112)(114)は、両側面下端部に配置されている。更に第4定滑車(114)は、ボックス体(10)の両側面における前後方向のほぼ中間位置に配置されている。
【0033】
本発明において、各滑車(111)〜(114)は、例えば合成樹脂製のものであっても、金属製のものであっても良く、更にベアリングを具備していても、具備していなくても良い。もっとも、生産性等を考慮すると、ベアリングのない合成樹脂製のものを使用するのが望ましい。
【0034】
更にボックス体(10)の両側面における第1定滑車(111)の前方には、固定片(110)が側方に突出するように固定されている。
【0035】
引張棒(100)は、所定の長さを有する丸棒状のゴム部材により構成されている。この引張棒(100)の一端には、ボルト軸(101)の一部がインサート成形されることにより、ボルト軸(101)がその一部を引張棒(100)の一端面から突出させた状態で強固に固定されている。更に引張棒(100)の他端には、端具(105)が固定されている。
【0036】
ここで、引張棒(100)としては、合成ゴムからなるもの、特にエチレン,プロピレン,ジエン共重合系合成ゴム(EPDM)等の合成ゴムからなるものを好適に使用することができる。なお言うまでもなく、引張棒(100)の素材は限定されるものではなく、所定の引張性能を有するゴム製のものであればどのようなものであっても良い。
【0037】
更に引張棒(100)は、その外観形状が棒状のものであれば良く、中実構造のものであっても、中空構造(チューブ状)のものであっても良いが、反発力を大きく確保するために、中実構造のものを使用するのが良い。
【0038】
更に引張棒(100)は、上記の丸棒状のものに限られず、角棒状のものであっても良い。
【0039】
この引張棒(100)の一端におけるボルト軸(101)が、ボックス体(10)側の固定片(110)に貫通されて、その固定片(110)の両側からナット(102)(102)がボルト軸(101)に締結される。これにより、ナット(102)のボルト軸(101)に対する締結位置を変更することにより、ボルト軸(101)、つまり引張棒(100)の一端を、固定片(110)に対し、長さ方向に位置調整自在に固定される。
【0040】
また引張棒(100)の中間領域は、第1ないし第4定滑車(111)〜(114)にこの順に掛け渡されて、蛇行状(曲線状)に配置される。更に引張棒(100)の他端における端具(105)が、底蓋(20)の両側面における前後方向中間位置に回転自在に固定される。
【0041】
また、引張棒(100)の他端側領域、換言すれば底蓋(20)を開放した際にボックス体(10)の下方側に引き出される領域(引出領域)には、軟質合成樹脂製のチューブ状プロテクタ(120)が外嵌状態に取り付けられている。
【0042】
そして、ボックス型パレットを吊持した状態で、底蓋(20)を開放した際には、引張棒(100)が引っ張られて伸長していき、図3の想像線に示すように底蓋(20)が最大開放角度まで開放した後、引張棒(100)の引張力により、底蓋(20)が閉塞方向に少量戻って、図3の実線に示すように所定の開放角度に維持される。
【0043】
なお、底蓋(20)がこの所定の開放角度に維持された状態において、ボックス型パレットを設置面に降ろした際には、底蓋(20)が自動的に閉塞されることは、既述した通りである。また底蓋(20)が最大開放角度を超えるような勢いで開放されたとしても、底蓋(20)の当たり金具(40)がボックス体(10)の緩衝部材(42)に当接係止することにより、底蓋(20)が最大開放角度を大きく超える位置まで開放されるのが防止される。
【0044】
ここで、本実施形態においては、図3の実線に示す状態での底蓋(20)の水平面に対する角度(開放維持角度)を、60〜80°に設定するのが良い。すなわち、この開放維持角度が過度に大きい場合には、底蓋(20)を開放維持角度に維持した状態で、パレットを設置面に降ろした際に、底蓋(20)の先端が設置面に掛止して、底蓋(20)が閉塞方向にスムーズにガイドされなくなり、底蓋(20)の閉塞操作が困難になる恐れがある。逆に開放維持角度が過度に小さい場合には、例えば内容物が軽量であると、底蓋が十分に開放しない恐れがあったり、また、引張棒(100)としても、引張力の強い大型のものを使用する必要があり、装置の大型化やコストの増大を来すとともに、底蓋開放時の引張棒(100)への負担も大きくなり、早期劣化を来す恐れがある。
【0045】
なお、引張棒(100)は、ナット(102)の締結量、つまりナット(102)を締結したり緩めたりして、調整ボルト(101)を前後にスライドさせることにより、テンションを調整することができ、この調整により、引張棒(100)の反発力を自在に調整できるよう構成されている。
【0046】
一方、図1に示すように、ボックス体(10)の前後板上部には、フォークリフトのフォークを差込可能なフォーク差込孔(12)が形成される。更にボックス体(10)上端の4つのコーナー部のやや内側には、クレーンのフック等を係止するための吊り金具(13)が突出するように設けられている。なお図1において、(80)は操作レバー(54)を遠隔から操作するための紐である。
【0047】
本実施形態のボックス型パレットは、以上の構成を有しており、パレット内に収容したパーツ等の内容物を、トラックの荷台等に移載する場合には、例えばフォークリフトのフォークを、フォーク差込孔(12)内に差し込んで、ボックス型パレットをトラック荷台の上方まで持ち上げ、その状態で、操作レバー(54)を後方に回転操作する。これにより、フック(51)のフック受金具(22)に対する係合が解除され、底蓋(20)が、その荷重と内容物の荷重とによって開放する。この開放に伴って、引張棒(100)が引っ張られて伸長するため、底蓋(20)は、引張棒(100)の引張付勢力に抗しながら開放される。このとき、引張棒(100)は、合成ゴムにより構成されているため、巻ばねや引張コイルばね等のばね鋼からなるばね部材と比較して、初期引張力を十分に得ることができる。このため、底蓋(20)は、緩やかな速度で開放していき、この開放に伴って内容物が少しずつ落下していく。更に底蓋(20)が開放するに従って、内容物が放出されて、底蓋(20)の開放方向への荷重が低減されていく。そして、内容物が全て放出された後、引張棒(100)の引張力に抗しつつ、慣性力のみで90°近くまで開放する。このとき、この慣性力が大きい場合、例えば内容物が高重量であった場合には、底蓋(20)の当たり金具(40)は、ストッパープレート(41)の緩衝部材(42)に当接することもあるが、底蓋(20)の当たり金具(40)は、引張棒(100)の反発力に抗しながらの慣性力のみで、緩衝部材(42)に当接するので、その当接時の衝撃が非常に小さくなる。
【0048】
一方、底蓋(20)が最大開放角度まで開放した後は、引張棒(100)の引張力により、底蓋(20)が閉塞方向にゆっくりと持ち上げられていき、60〜80°程度の開放角度で維持される。
【0049】
ここで、引張棒(100)は、合成ゴムにより構成しているため、伸縮変形量にかかわらず、引張力がほぼ一定であるため、引張棒(100)の反発力による最大開放時から閉塞方向に戻る際のスプリングバックが緩やかに行われる。すなわち、巻ばねや引張コイルばね等のばね鋼からなるばね部材は、変形量が大きくなるに従って、反発力が強くなるため、仮にこのようなばね部材を、底蓋の持ち上げ付勢手段として採用した場合には、最も変形量が大きい最大開放時にばね部材の反発力が過度に強くなり、底蓋が急速に戻るようになる。このため、この底蓋が周辺部材に干渉した際等に不具合が生じる恐れがある。更にスプリングバックが速いため、底蓋が最大開放状態から所定の開放維持角度に静止するまで時間が長く、長時間揺動し続けるようになり、この間、底蓋の閉塞作業等を行うことができず、作業効率の低下を来す恐れがある。
【0050】
これに対し、本実施形態において、引張棒(100)は、伸縮変形量にかかわらず、引張力がほぼ一定であるため、最も変形量が大きい最大開放時における引張棒(100)の引張力が過度に強くなることはなく、底蓋(20)のスプリングバックが緩やかに行われる。従って、底蓋(20)が周辺部材に干渉するのを未然に防止することができるとともに、たとえ干渉したとしても不具合が生じることはない。更にスプリングバックが緩やかであるため、底蓋(20)が所定の開放維持角度に静止するまでの時間が短くなり、底蓋解放後直ちに底蓋(20)の閉塞作業を行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0051】
一方、内容物を放出した後は、ボックス型パレットを設置面に降ろして、上記したように底蓋(20)を閉塞させるものである。
【0052】
以上のように、本実施形態のボックス型パレットによれば、ボックス体(10)と底蓋(20)との間に合成ゴム製の引張棒(100)を配置して、その引張棒(100)の引張力に抗して底蓋(20)を開放させるよう構成しているため、底蓋開放直後における引張棒(100)による引張力を十分に確保することができる。このためたとえ高重量の内容物が収容されていようとも、底蓋開放直後の荷重を効率良く吸収することができ、底蓋(20)を低速で円滑に開放させることができ、内容物をスムーズに排出することができる。更に底蓋(20)が緩やかに低速で開放するため、その開放時の荷重を引張棒(100)によって確実に吸収することができ、底蓋(20)が完全に開ききる前に、開放動作が終了し、底蓋側の当たり金具(40)が、ストッパープレート(41)の緩衝部材(42)に衝突することなく、たとえ衝突したとしても軽く接触する程度となる。その結果、衝突により衝撃音が発生するのを防止できるとともに、緩衝部材(42)や蝶番軸(11)等の部品に多大な衝撃力が加わることがなく、部品の早期劣化を防止でき、十分な耐久性を得ることができる。
【0053】
更に底蓋(20)が最大開放状態から引張棒(100)の引張力によって戻る際のスプリングバックが緩やかであるため、底蓋(20)が周辺部材に干渉するのを未然に防止することができるとともに、干渉したとしても不具合が生じることはない。更にスプリングバックが緩やかであるため、底蓋(20)が所定の開放維持角度に静止するまでの時間が短くなり、底蓋解放後直ちに底蓋(20)の閉塞作業を行うことができるので、作業効率を向上させることができる。
【0054】
また本実施形態においては、引張棒(100)をボックス体(10)の左右両側に設けるものであるため、底蓋(20)をバランス良く付勢することができ、底蓋(20)の開閉動作を安定させて行うことができる。
【0055】
更に引張棒(100)の他端(下端)を底蓋(20)の両側縁部における軸支側端部と開放側端部との中間位置(前後方向中間位置)に取り付けているため、内容物の放出をスムーズに行えるとともに、引張棒(100)として長さの短いものを用いることができる。すなわち引張棒の下端を底蓋の前端に取り付けた場合には、底蓋を開放して内容物を放出する際に、放出される内容物が引張棒に干渉して、内容物の放出をスムーズに行うことが困難になるとともに、底蓋開放時における引張棒(100)の引出量が多くなり、引張棒として長さの長いものを用いる必要がある。これに対し、本実施形態においては、引張棒(100)の下端を底蓋(20)の前後方向中間位置に取り付けているため、放出される内容物が引張棒(100)に干渉することがなく、内容物の放出をスムーズに行えるとともに、底蓋開放時における引張棒(100)の引出量も少なくなり、引張棒(100)として短いものを使用でき、構造の簡素化を図ることができる。
【0056】
なお、引張棒(100)の下端を底蓋(20)の軸支側端部(後端)に取り付けた場合、引張棒(100)の引張力のみでは、底蓋(20)の閉塞方向への付勢力を十分に得ることができない恐れがあり、好ましくない。
【0057】
また本実施形態においては、引張棒(100)の他端側領域(引出領域)にチューブ状プロテクタ(120)を外嵌しているため、放出される内容物が、直接引張棒(100)に接触することがなく、その内容物の接触により引張棒(100)が損傷するような不具合を防止でき、耐久性を向上させることができる。
【0058】
なお、言うまでもなく、プロテクタ(120)は、引張棒(100)の引出領域のみならず、他の領域にも設けるようにしても良く、更に引張棒全域に設けるようにしても良い。
【0059】
また本実施形態においては、ボックス体(10)の側面に設けた滑車(111)〜(114)に、引張棒(100)を掛け渡して蛇行状に配置するものであるため、引張棒(100)の長さを十分に確保することができる。このため、引張棒(100)の伸び率を抑えつつ、引出量を十分に確保することができ、引張棒(100)を底蓋(20)の持ち上げ付勢手段として確実に利用することができる。
【0060】
ここで、本実施形態においては、底蓋(20)の最大開放状態における引張棒(100)の伸び率を、10〜40%、好ましくは下限値を20%以上、上限値を30%以下に設定するのが好ましい。すなわち、伸び率が大き過ぎる場合には、底蓋開放時における引張棒(100)の負担が大きくなり、引張棒(100)が早期に劣化する恐れがある。逆に伸び率を過度に小さくしようとすると、引張棒自体の長さを長くする必要があり、引張棒(100)の設置形状等が複雑になって構造の複雑化、ひいては組付作業の困難化を来す恐れがある。
【0061】
なお参考までに、引張棒等のゴム棒は、最大伸び率を50%程度に設定するのが通例である。
【0062】
また本実施形態のボックス型パレットにおいては、底蓋(20)の最大開放角度を90°以下に設定しているため、パレットをフォークリフト等で持ち上げて底蓋(20)を開放した場合に、底蓋(20)がフォークリフトのマストに衝接することがなく、衝突音の発生等を有効に防止することができる。
【0063】
なお上記実施形態においては、本発明を、ボックス体の下端開口部を1枚の底蓋により開放する片開き式のボックス型パレットに適用した場合について説明したが、本発明はそれだけに限られず、底蓋が2枚に分割された両開き式のボックス型パレットにも適用することができる。
【0064】
また上記実施形態においては、引張棒(100)の一端(上端)を位置固定状態に取り付けるようにしているが、本発明はそれだけに限られず、引張棒(100)の一端をボックス体(10)に上下方向にスライド自在に取り付けておき、底蓋開放直後には、引張棒(100)が下方にスライドして、底蓋が所定量開放してから、引張棒(100)が引っ張られて底蓋(20)に引張力が付与されるように構成しても良い。
【0065】
もっとも、この場合には、開放直後に、底蓋(20)に引張力が付与されてないため、底蓋(20)の開放速度が速くなる恐れがあるため、上記実施形態のように引張棒(100)の一端は、固定しておくのが好ましい。
【0066】
また本発明においては、滑車(111)〜(114)を必ずしも設ける必要はないが、引張棒の長さを十分に確保するためには、2個以上設けるのが良い。
【0067】
また本発明においては、ボックス体(10)の両側面における引張棒(100)が設置される部分に、着脱自在にカバー部材を取り付けるようにしても良い。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、この発明のボックス型パレットによれば、ボックス体と底蓋との間にゴム製の引張棒を設けて、その引張棒の引張力に抗して、底蓋を開放させるものである。ここでゴム製引張棒は、ばね鋼部材とは異なり、伸び率にかかわらず、引張力がほぼ一定であるため、開放位置にかかわらず底蓋に一定の引張力を付与することができ、底蓋の開放動作を適切にコントロールすることができる。このため例えば、開放直後における底蓋に十分な引張力を付与することができ、高重量の内容物が収容されていようとも、底蓋開放直後の荷重を効率良く吸収することができ、底蓋を低速で円滑に開放させることができ、内容物をスムーズに排出することができる。更に底蓋を緩やかに低速で開放させることができるため、その開放時の荷重を引張棒によって確実に吸収することができ、底蓋の軸支側が、ボックス体に強く衝突することはない。従って、衝突により衝撃音が発生するのを防止できるとともに、構成部品に多大な衝撃力が加わることがなく、部品の早期劣化を防止でき、十分な耐久性を得ることができるという効果がある。
【0069】
本発明において、引張棒下端を底蓋の両側部中間に取り付ける場合には、放出される内容物が引張棒に干渉することがなく、内容物の放出をスムーズに行えるとともに、引張棒によって底蓋に適度な引張力を付与することができるという利点がある。
【0070】
また本発明において、引張棒他端側の引出領域にチューブ状プロテクタを外嵌する場合には、放出される内容物が、直接、引張棒に接触することがなく、その内容物の接触により引張棒が損傷するような不具合を防止でき、耐久性を向上させることができるという利点がある。
【0071】
更に本発明において、ボックス体側面に滑車を設けて、その滑車に、引張棒を掛け渡して蛇行状等の曲線状に配置する場合には、引張棒の長さを十分に確保することができ、引張棒の伸び率を抑えつつ、引出量を十分に確保することができ、引張棒を底蓋の持ち上げ付勢手段として好適に利用することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態であるボックス型パレットを示す斜視図である。
【図2】実施形態のボックス型パレットを底蓋開放状態で示す側面図である。
【図3】実施形態のボックス型パレットを底蓋閉塞状態で示す側面図である。
【図4】実施形態のボックス型パレットにおけるストッパープレート周辺を示す側面断面図である。
【図5】実施形態のボックス型パレットにおけるレバー操作力伝達機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
10…ボックス体
20…底蓋
100…引張棒
111〜114…定滑車
120…プロテクタ
Claims (4)
- 下端が開放されたボックス体の下端縁部に底蓋の端部が回転自在に取り付けられて、前記ボックス体の下端開口部が前記底蓋によって開閉自在に構成され、閉塞状態にロックされた前記底蓋が、そのロックを解除することによって、自重により開放されるようにしたボックス型パレットであって、
一端が前記ボックス体に取り付けられ、他端が前記底蓋に取り付けられたゴム製の引張棒が設けられ、
前記引張棒の引張力に抗して、前記底蓋が開放されるよう構成されてなることを特徴とするボックス型パレット。 - 前記引張棒が、前記ボックス体の両側外面に沿ってそれぞれ設けられ、
前記引張棒の各一端が、前記ボックス体の両側外面にそれぞれ取り付けられるとともに、各他端が、前記底蓋の両側部における軸支側端部と開放側端部との中間位置に取り付けられてなる請求項1記載のボックス型パレット。 - 前記底蓋を開放した状態において、前記ボックス体の下端から前記底蓋にかけて配置される前記引張棒の引出領域に、チューブ状のプロテクタが外嵌されてなる請求項1又は2記載のボックス型パレット。
- 前記引張棒の中間領域が、ボックス体に設けられた滑車に掛け渡されて、
前記引張棒が曲線状に配置されてなる請求項1ないし3のいずれかに記載のボックス型パレット。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2002-10-02 JP JP2002289445A patent/JP2004123166A/ja active Pending
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