JP4924590B2 - 車両用報知装置 - Google Patents
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Description
従来技術としては、特許文献1に開示されている技術がある。この従来技術は、障害物を
検知する障害物検知手段と、この障害物検知手段の情報に基づいて接触の可能性があると
判断した場合、自車の走行速度を低下させることにより運転者に警告を与える警告減速手
段とを備えた車両衝突防止装置についてのものである。
そこで、本発明は、前述の実情に鑑みてなされたものであり、車速を低下させて警報を与える場合でも、ドライバの運転操作を有効にすることができる車両用報知装置の提供を目的とする。
図1は、第1の実施の形態であって、本発明に係る車両用報知装置が組み込まれている
走行制御システムの構成を示す。
この走行制御システムは、レーダ装置30、車速センサ1、障害物検出処理装置2、ブ
レーキペダル3、アクセルペダル4、制動力制御装置20、駆動力制御装置10、コント
ローラ5及びエンジン6を備えている。なお、特に示すまでもなく、車両は他の構成、例
えば操舵角センサ等も有している。
駆動力を発生するようにエンジン6を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発生
させる駆動力を変化させるように構成されている。
図2は、その駆動力制御装置10の構成をブロック図として示す。この駆動力制御装置
10は、ドライバ要求駆動力算出部11、加算器12及びエンジンコントローラ13を備
えている。
み量(以下、アクセルペダル踏み込み量という。)に従ってドライバが要求する駆動力(
以下、ドライバ要求駆動力という。)を算出する。例えば、ドライバ要求駆動力算出部1
1は、図3に示すようなアクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を定め
た特性マップ(ドライバ要求駆動力算出用マップ)を用いて、アクセルペダル踏み込み量
に対応するドライバ要求駆動力を得ている。そして、ドライバ要求駆動力算出部11は、
求めたドライバ要求駆動力を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。
なお、前記ドライバ要求駆動力算出用マップは、ドライバ要求駆動力算出部11が保持し
ている。
の制御指令を算出する。すなわち、エンジン6は、この制御指令に基づいて駆動される。
また、駆動力制御装置10には、加算器12に駆動力補正量が入力されており、その駆動
力補正量の入力がある場合には、エンジンコントローラ13には、加算器12でこの駆動
力補正量が加算された補正後のドライバ要求駆動力からなる目標駆動力が入力される。
ダル踏み込み量に応じてドライバ要求駆動力を算出し、その一方で、駆動力補正量が別途
入力された場合にはこの駆動力補正量を加算器12で加えた目標駆動力を得て、エンジン
コントローラ13でその目標駆動力に応じたエンジンへの制御指令を算出する。
制動力制御装置20は、ブレーキ操作手段であるブレーキペダル3の操作状態に応じた
制動力を発生するようにブレーキ液圧を制御するとともに、外部からの指令に応じて、発
生させる制動力を変化させるように構成されている。
20は、ドライバ要求制動力算出部21、加算器22及びブレーキ液圧コントローラ23
を備えている。
ドライバ要求制動力算出部21は、ブレーキの操作量であるブレーキペダル3の踏み込
み力(以下、ブレーキペダル踏み込み力という。)に従ってドライバが要求する駆動力(
以下、ドライバ要求制動力という。)を算出する。例えば、ドライバ要求制動力算出部2
1は、図5に示すように、ブレーキペダル踏み込み力とドライバ要求制動力との関係を定
めた特性マップ(ドライバ要求制動力算出用マップ)を用いて、ブレーキペダル踏み込み
力に対応するドライバ要求制動力を得ている。そして、ドライバ要求制動力算出部21は
、求めたドライバ要求制動力を加算器22を介してブレーキ液圧コントローラ23に出力
する。なお、前記ドライバ要求制動力算出用マップは、ドライバ要求制動力算出部21が
保持している。
液圧指令を算出する。また、制動力制御装置20には、加算器22に制動力補正量が入力
されており、その制動力補正量の入力がある場合には、ブレーキ液圧コントローラ23に
は、加算器22でこの制動力補正量が加算された補正後のドライバ要求制動力からなる目
標制動力が入力される。
ダル踏み込み力に応じてドライバ要求制動力を算出し、その一方で、制動力補正量が別途
入力された場合にはこの制動力補正量を加算器22で加えた目標駆動力を得て、ブレーキ
液圧コントローラ23で目標制動力に応じたブレーキ液圧指令を算出する。
レーダ装置30は、図1に示すように、車両前部に搭載されており、前方物体までの距
離を算出するように構成されている。
発光部31と、その反射光を受光し、その受光に応じた電圧を出力する受光部32とを備
え、発光部31と受光部32とが隣接して配置された構成になっている。ここで、発光部
31は、図6中に矢印Aとして示す方向に振れるように構成されて、スキャニング機構が
組み合わされたものになっている。そして、発光部31は、角度を変化させながら所定角
度範囲内で順次発光するようになっている。このレーダ装置30は、発光部31のレーザ
光の出射から受光部32における受光までの時間差に基づいて自車両から前方障害物20
0までの距離を計測する。
がら、各スキャニング位置或いはスキャニング角度について、反射光が受光されているか
否かの判定を行い、反射光を受光した場合に前方障害物200までの距離を算出する。さ
らに、レーダ装置30は、前方障害物200を検出したときのスキャニング角と当該前方
障害物200までの距離とに基づき、自車両に対しての当該前方障害物200の左右方向
の位置も算出する。すなわち、レーダ装置30は、自車両に対しての障害物200の相対
的な位置をも特定するように構成されている。
各スキャニング角で自車両に対しての障害物の相対的な位置を特定することで、図7に示
すように、スキャニング範囲内で検出できる複数の物体についての平面的な存在状態図を
得ることができる。
なお、レーダ装置30としては、発光部31が赤外線を使った光式のものに限定される
ものではなく、発光部31がマイクロ波やミリ波などを使った電波式のものであってもよ
く、また、ビデオ画像を処理することによって前方障害物200を検出するように構成さ
れているものであってもよい。レーダ装置30は、以上のようにして検出した結果を障害
物検出処理装置2に出力する。
報を得るように構成されている。具体的には、障害物検出処理装置2は、レーダ装置30
からスキャニング周期毎(或いはスキャンニング角度毎)に出力されてくる物体の存在状
態同士を比較し、物体の動きを判別するとともに、検出した物体間の近接状態や動きの類
似性等の情報に基づいてこれら物体が同一物体であるか異なる物体であるかを判別する。
前後方向距離X(m)、自車両に対する物体の左右方向距離Y(m)、その物体の幅W(
m)、さらに、自車両の走行速度とその物体の移動速度(走行速度)との相対速度ΔV(
m/s)を得ている。そして、障害物検出処理装置2は、複数の物体を特定した場合には
、各物体についてそれらの情報を得ている。障害物検出処理装置2は、これら情報を所定
の時間周期でコントローラ5に出力する。
では、コントローラ5の機能を特に本発明に係るものに限定して説明する。すなわち、コ
ントローラ5は、車速センサ1からの車速情報、前記障害物検出処理装置2の検出結果、
或いはアクセルペダル4の操作状態情報の各種情報が入力されており、これらの情報に基
づいて指令信号を演算し、求めた指令信号を前記駆動力制御装置10及び制動力制御装置
20それぞれに出力する。
の図8に示す処理をタイマ割り込みによって一定時間毎に呼び出すサブルーチンとして実
行している。
先ずステップS1において、コントローラ5は、車速センサ1及び図示しない舵角セン
サから車速データ及び舵角データを取込む。ここで、舵角センサ及び車速センサ1は、そ
れぞれ回転に応じた所定間隔のパルスを出力するエンコーダであり、コントローラ5は、
これらセンサからのパルス数をカウントし、これを積算することで操舵角δ(rad)及
び自車速V(m/s)を演算し、この結果を図示しないメモリに格納している。
を取り込む。ここで、取り込むアクセルペダル4の操作状態の情報とは、アクセルペダル
踏み込み量、すなわちストローク変位量である。
続いてステップS3において、コントローラ5は、障害物検出処理装置2における検出
結果である前後方向距離X(m)、左右方向距離Y(m)、物体幅W(m)及び相対速度
ΔV(m/s)を取込む。コントローラ5は、例えば障害物検出処理装置2との間の情報
交換をシリアル通信のような一般的な通信処理で行っている。そして、コントローラ5は
、取り込んだこれら情報をメモリに格納する。
基づいて次のような自車進路予測を行う。
自車速V及び操舵角δに応じて車両の旋回曲率ρ(1/m)を与える式は一般に下記(
1)式として知られている。
ρ={1/(1+A・V2 )}・(δ/N) ・・・(1)
ここで、Lは自車両のホイールベースであり、Aは車両に応じて定められたスタビリテ
ィー・ファクタと呼ぶ正の定数であり、Nはステアリングギア比である。
ここで、旋回半径Rは、旋回曲率ρを用いて下記(2)式として示すことができる。
R=1/ρ ・・・(2)
当該自車両の方向と鉛直にRだけ離れた位置(図9では右方向に離れている位置)にある
点を中心とした半径Rの円弧として予測できる。
なお、以下の説明では、操舵角δは、右方向に操舵された場合に正値をとり、左方向に
操舵された場合に負値をとるものとし、旋回曲率及び旋回半径についても、操舵角δが正
値をとる場合に右旋回、操舵角δが負値をとる場合に左旋回を意味するものとする。
、前述した予測進路はあくまでも自車の進行方向を予測した軌道にすぎないので、車幅或
いは車線幅を考慮して自車両が走行するであろう領域を決定する必要がある。図10は、
それらを考慮することで得た予測走路を示す。この図10に示す予測走路は、前述した予
測進路に自車両の幅Twを加えて得たものである。すなわち、予測走路は、前記予測進路
と同一点を中心とし半径がR−Tw/2の円弧と半径がR+Tw/2の円弧とで囲まれる
領域として得られる。
レートγと自車速Vとの関係として下記(3)式により得てもよい。
R=V/γ ・・・(3)
或いは、横加速度Ygと自車速Vとの関係として自車の予測進路を下記(4)式により
得てもよい。
R=V2/Yg ・・・(4)
なお、以下の説明は、最初に説明した自車速Vと操舵角δとの関係に基づいて予測進路
を求めていた場合を前提にした説明とする。
ップS5において、取り込んだ物体についての情報からそれらの物体が前記予測走路の走
路上にあるか否かを判断し、続くステップS6において、走路上にあると判断した物体の
うちの自車両に最も近い一の物体(障害物)を選択する。このような処理により、自車両
に対して非常に近い位置にある物体であっても、前述のように決定した自車両の予測走路
から外れているものは選択されないようになる。
(車両)について、接触可能性を判断して、接触可能性がある場合には制御量を計算する
。
すなわち、ステップS7において、コントローラ5は、接触の可能性を判断するために
、下記(5)式により、自車両とその物体(車両)との間の距離である車間時間THWを
算出する。
THW=X/V ・・・(5)
する。ここで、車間時間THWが閾値Thより小さい場合(THW<Th)、コントロー
ラ5は、自車両が物体に接触する可能性があると判断して、ステップS9に進み、後述す
る補正量算出の処理を行う。また、車間時間THWが閾値Th以上の場合(THW≧Th
)、コントローラ5は、自車両が物体に接触する可能性が低いと判断して、ステップS1
1において、補正量=0にする。
先ず、図11中(A)に示すように、自車両300と先行車両(前方車両)400との
間であり、自車両300の前方に仮想的な弾性体500があると仮定する。そして、自車
両300と先行車両400との間隔がある距離以下になったときに、仮想的な弾性体50
0が先行車両400に当たり圧縮され、これにより、弾性体500の反発力としての力が
自車両300に擬似的な走行抵抗としてかかるモデルを考える。
hに関連付けて下記(6)式として与える。
l=Th×Vh ・・・(6)
また、仮想的な弾性体500の弾性係数kは、適切な制御効果が得られるように調整で
きる制御パラメータにしている。
そして、図11中(B)に示すように、自車両300と先行車両400との間の距離が
短い場合に、仮想的な弾性体500の長さlを基準におき、前後方向距離Xに応じて変化
するものとして、仮想的の弾性体500による反発力Fcを下記(7)式として与える。
Fc=k×(l−X) ・・・(7)
このようなモデルにより、自車両300と先行車両400との間の距離が基準長さlよ
り短い場合に、弾性係数kを有する弾性体による反発力Fcを得ることができる。
力Fcを補正量(以下、反発力算出補正量ともいう。)として得ている。そして、コント
ローラ5は、ステップS10において、このようにして得た反発力算出補正量Fc或いは
前記ステップS11にて得た0である補正量(反発力算出補正量に対応する補正量)を駆
動力制御装置10や制動力制御装置20に出力する。
先ずステップS21において、コントローラ5は、予め読み込んでいるアクセルペダル
踏み込み量の情報に基づいて、アクセルペダル4が踏まれているか否かを判定する。ここ
で、コントローラ5は、アクセルペダル4が踏まれていない場合、ステップS22に進み
、アクセルペダル4が踏まれている場合、ステップS27に進む。
ステップS22では、コントローラ5は、アクセルペダル4を戻したか否かを判定する
。例えば、コントローラ5は、アクセルペダル踏み込み量の情報からそのアクセルペダル
4の戻り速度を求め、この戻り速度に基づいてアクセルペダル4を急に戻したか否かを判
定する。すなわち、コントローラ5は、戻り速度が早い場合、アクセルペダル4を急に戻
したと判断する。
3に進み、アクセルペダル4を急に戻している場合、ステップS25に進む。
コントローラ5は、ステップS23において、前記駆動力補正量として0を前記駆動力
制御装置10に出力し、さらに、ステップS24において、前記制動力補正量として前記
反発力算出補正量Fcを前記制動力制御装置20に出力する。
びステップS26において、図13中(A)に示すように、駆動力制御装置10に、駆動
力補正量として前記反発力算出補正量Fcから漸減させた値を出力しつつ最終的には0を
出力する一方で、図13中(B)に示すように、制動力制御装置20に、制動力補正量と
して漸増させた値を出力しつつ最終的には前記反発力算出補正量Fcを出力する。
7では、コントローラ5は、ドライバ要求駆動力Fdを推定する。具体的には、コントロ
ーラ5は、駆動力制御装置10がドライバ要求駆動力算出用に使用しているドライバ要求
駆動力算出用マップ(図3)と同一のマップを使用して、アクセルペダル踏み込み量に応
じたドライバ要求駆動力Fdを推定する。
が前記反発力算出補正量Fc以上である場合(Fd≧Fc)、ステップS29に進み、推
定したドライバ要求駆動力Fdが前記反発力算出補正量Fc未満である場合(Fd<Fc
)、ステップS31に進む。
コントローラ5は、ステップS29において、駆動力補正量として前記反発力算出補正
量Fcを駆動力制御装置10に出力し、さらに、ステップS30において、制動力補正量
として0を制動力制御装置20に出力する。
ドライバ要求駆動力Fdの負値(−Fd)を駆動力制御装置10に出力し、さらに、ステ
ップS32において、前記反発力算出補正量Fcから前記推定したドライバ要求駆動力F
dを引いた値(Fc−Fd)を制動力補正量として制動力制御装置20に出力する。
このようなコントローラ5の補正量出力処理により、駆動力制御装置10では、コント
ローラ5からの駆動力補正量をドライバ要求駆動力に加算した値として前記目標駆動力を
得て、制動力制御装置20では、コントローラ5からの制動力補正量をドライバ要求制動
力に加算した値として前記目標制動力を得る。
なお、コントローラ5における前記ステップS3〜ステップS8の処理、前記レーダ装
置30及び障害物検出処理装置2は、前方にある物体に自車両が接触する可能性を検出す
る接触可能性検出手段を構成している。なお、この接触可能性検出手段は、車両がおかれ
ている環境の状態を検出しているともいえる。また、コントローラ5における前記ステッ
プS9〜ステップS11及び図12に示した処理は、その接触可能性検出手段の検出結果
に基づいてアクセル操作手段の操作量に対する駆動トルクの発生量を補正する第1の補正
手段を構成している。
セルの操作量が所定の操作量より少ない場合、ブレーキ操作手段の操作量に対する制動ト
ルクの発生量を補正する第2の補正手段を構成している。
以上のような構成により、走行制御システムは、駆動力制御装置10によりアクセルペ
ダル4の操作状態に応じた駆動力を発生するようにエンジン6を制御するとともに、制動
力制御装置20によりブレーキペダル3の操作状態に応じた制動力を発生するようにブレ
ーキを制御している。
うな各操作状態に応じた制御量を補正している。すなわち、走行制御システムでは、レー
ダ装置30の検出状態に応じて障害物検出処理装置2により得た自車両の前方の障害物の
情報、車速センサ1からの自車速情報、及び操舵角センサからの操舵角情報に基づいて接
触可能性のある先行車両を特定し、図11に示した制御量補正用のモデルから前記特定し
た先行車両との車間距離に応じた反発力算出補正量Fcを求め、その反発力算出補正量F
cを利用してドライバの操作状態に応じた駆動力補正量及び制動力補正量をそれぞれ得て
、これら駆動力補正量及び制動力補正量で補正した目標駆動力及び目標制動力によってエ
ンジン6やブレーキを制御している。
そして、走行制御システムは、ドライバの操作状態に応じて次にように駆動力補正量及
び制動力補正量を得ている。
がされていない場合には、駆動力補正量として0が駆動力制御装置10に出力され、制動
力補正量として前記反発力算出補正量Fcが制動力制御装置20に出力されるので(前記
ステップS23、ステップS24)、制動力制御装置20側ではドライバ要求制動力に反
発力算出補正量Fc分が加算された目標制動力に応じたブレーキ液圧指令が得られ、この
ブレーキ液圧指令によりブレーキの駆動制御がなされる。これにより、車両は減速挙動を
示すようになる。ドライバは、この減速挙動を警告報知として、自車両が先行車両に接近
していることを知ることができる。
ら漸減させて最終的には0になる駆動力補正量が駆動力制御装置10に出力され、0から
漸増させて最終的には前記反発力算出補正量Fcになる制動力補正量が制動力制御装置2
0に出力される(前記ステップS25、ステップS26)。すなわち、所定の操作として
アクセルペダル4が急な戻し操作された場合、駆動トルクの発生量を減少させる割合を制
限し、さらに制動トルクの発生量を増加させる割合を制限し、補正への制限を加えている
。
力が補正されることで、前記目標駆動力がドライバ要求駆動力本来の値に対応したものに
徐々に戻り、制動力制御装置20ではそのような制動力補正量によりドライバ要求制動力
が補正されることで、前記目標制動力がドライバ要求制動力から徐々に増加したものとな
り、この結果、アクセルの戻し操作に対応して緩やかな減速挙動を示すようになる。ドラ
イバは、この減速挙動を警告報知として、自車両が先行車両に接近していることを知るこ
とができる。
動力Fdの推定値が前記反発力算出補正量Fc以上である場合には、駆動力補正量として
前記反発力算出補正量Fcの負値−Fcが駆動力制御装置10に出力され、制動力補正量
として0が制動力制御装置20に出力されるので(前記ステップS29、前記ステップS
30)、駆動力制御装置10側ではドライバ要求駆動力に前記負値−Fc分が加算された
目標駆動力が得られ、この目標駆動力になるようにエンジン6が駆動される。
、この結果、ドライバによるアクセルペダルの踏み込みに対して車両は鈍い加速挙動を示
すようになる。このように、アクセルペダル4を踏んでいるにもかかわらず期待したほど
の加速感が得られない状態になるので、ドライバは、このような鈍い加速挙動を警告報知
として、自車両が先行車両に接近していることを知ることができる。
力Fdの推定値が前記反発力算出補正量Fc未満である場合には、駆動力補正量として推
定したドライバ要求駆動力Fdの負値−Fdが駆動力制御装置10に出力され、前記反発
力算出補正量Fcから前記推定したドライバ要求駆動力Fdを引いた差分値(Fc−Fd
)が制動力補正量として制動力制御装置20に出力される(前記ステップS31、前記ス
テップS32)。
御装置20側ではドライバ要求制動力に前記負値−Fd分が加算された目標制動力が得ら
れ、この目標駆動力になるようにエンジン6が駆動され、制動力制御装置20側ではドラ
イバ要求制動力に前記差分値(Fc−Fd)が加算された目標制動力が得られ、この目標
制動力になるようにブレーキの制御がなされる。これにより、ドライバが要求した駆動力
に対して実際の駆動力が略0になり、さらに、ドライバが要求している制動力に対して実
際の制動力が前記差分値(Fc−Fd)分だけ大きくなる。すなわち、この処理では、ア
クセルペダル4を戻すにつれ、ドライバが要求している制動力に対して実際の制動力が大
きいものになる。
このような処理の結果、アクセルペダル踏み込み量が所定量に達していない場合、車両
は減速挙動を示すようになる。ドライバは、この減速挙動を警告報知として、自車両が先
行車両に接近していることを知ることができる。
の推定値が前記反発力算出補正量Fc未満である場合(Fd<Fc)、駆動力制御装置1
0の制御のみでは目標とする前記反発力算出補正量Fcを得ることができないので、駆動
力制御装置10に推定したドライバ要求駆動力Fdの負値−Fdを駆動力補正量として出
力する一方で、制動力補正装置20に不足分として前記差分値(Fc−Fd)を出力して
、前記反発力算出補正量(反発力)Fcを得るようにしている。或いは、このような処理
は、アクセルペダル踏み込み量が所定の値より小さい場合、そのアクセルペダル踏み込み
量に応じた緩制動を行うとともに、ブレーキペダル3の踏み込み量に対する制動トルクの
発生量の関係を増大方向に補正する処理ともいえる。
足分を調整して、駆動力制御装置10と制動力補正装置20とを協働させて、全体として
前記反発力Fcを得るようにして、その反発力Fcを走行抵抗として車両に作用させてい
る。
このようなことから、前述したように、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ
要求駆動力Fdの推定値が前記反発力算出補正量Fc以上である場合(Fd≧Fc)には
、Fd−Fc≧0であるので、前記反発力算出補正量Fcを駆動力補正量としてドライバ
要求駆動力Fdを補正(減算)してもドライバ要求駆動力の差分が正値として残るので、
制動力補正量を0とすることで制動力制御装置20の補正に頼らずに、前記反発力算出補
正量Fcの負値を駆動力補正量として与えて駆動力制御装置10のみで補正を行い、全体
として反発力Fcを発生させて、その反発力Fcを走行抵抗として車両に作用させている
。
の特性を簡便に示す図である。
この図14に示すように、アクセルペダル踏み込み量が多い場合はこれに対する駆動力
の特性を反発力算出補正量Fcにより減少方向に補正し(図中Bとして示す特性)、一方
、アクセルペダル踏み込み量が少ない場合には、駆動力が発生しないように補正するとと
もに(図中Cとして示す特性)、そのアクセルペダル踏み込み量の増加に対して減少する
制動力が発生するように補正している(図中Dとして示す特性)。さらに、ブレーキペダ
ル3が踏み込まれた際には反発力算出補正量Fcに基づいて制動力が増大する方向に特性
を補正し(図中Eとして示す特性)、全体として車両の走行抵抗が反発力算出補正量(反
発力)Fcに相当して増大する特性を作り出している。
の接近状態に応じて算出し、これを絶対的な補正量として、この絶対的な補正量を実現す
るような駆動力補正量及び制動力補正量を駆動力制御装置10及び制動力制御装置20そ
れぞれに出力し、ドライバ要求駆動力及びドライバ要求制動力を補正することで、反発力
に応じて車両に鈍い加速を与え或いは車両を減速させ、ドライバに警報報知を行っている
。
なるように構築することで、自車両が前方車両に近づくにつれて走行抵抗を大きくしてい
るので、自車両が前方車両へ接触する可能性の高まりに応じて走行抵抗を連続的に変化さ
せてドライバに警告報知することができる。これにより、ドライバは、走行抵抗の大きさ
に応じて前方車両への接触可能性の高さを推測できるようになる。
態により実現しているので、アクセルペダル4を踏み込んだ際、その値は補正されるもの
のドライバ要求駆動力そのものは出力されるので、ドライバによるアクセルペダル4の踏
み込み操作を有効にすることができる。これにより、アクセルペダル踏み込み量を多くす
れば、駆動力を発生させることができるので、すなわち、前記仮想的な弾性体の反発力以
上の駆動力にすれば加速できるので、これにより、ドライバの意思通りの自車両の動作、
例えば先行車の回避行動等を実現することができる。このように、本発明によれば、ドラ
イバの意思を妨げることなく警報報知を行うことが可能になる。
方に仮想的な弾性体を設けて行う場合について説明したが、これに限定されるものではな
く、車間距離を関数にして増加するような量を他の手法を用いて算出するようにしてもよ
い。
例えば、図15に示すように、自車両の前方に仮想的な勾配路を設けて補正量を算出し
てもよい。
この場合、先行車両への接近状態に応じて変化する仮想的な勾配αを定義して、この勾
配αを用いて下記(8)式により補正量を定義する。
補正量=m×sin(α) ・・・(8)
ここで、mは自車重量である。このような(8)式によれば、車間距離が短いほど、勾
配αを大きくすることで、車間距離が短いほど、補正量は大きな値を示すようになる。
しておき、このルックアップテーブルを用いて先行車両への接近状態に応じて変化する補
正量を決定するようにしてもよい。このようなルックアップテーブルを用いれば、演算が
不要であるので先行車量への近接状態に対応する補正量を簡単に求めることができる。
また、前記車間時間の閾値は一定値でもよいが、自車速等に応じて変化するようなもの
でもよい。
が組み込まれている走行制御システムであり、前記反発力算出補正量Fcをドライバによ
る操作状態にリンクさせて調整する構成になっている。なお、第2の実施の形態の走行制
御システムは、特に言及しない限り、前述の第1の実施の形態の走行制御システムと同様
な構成であり、その説明は省略する。
第2の実施の形態の走行制御システムでは、そのように補正量を調整する補正量調整手
段を備えており、本実施の形態では、その補正量調整手段を前記コントローラ5が有して
いる場合について説明する。
たコントローラ5の処理手順とは、前記ステップS9の補正量算出処理の後にステップS
40として補正量調整処理を行っている点で異なっている。
図17は、そのステップS40における補正量調整処理の具体的な処理手順を示す。
先ずステップS41において、コントローラ5は、アクセルペダル踏み込み量THと所
定の閾値TH0とを比較する。ここで、アクセルペダル踏み込み量THが所定の閾値TH
0よりも大きい場合(TH>TH0)、コントローラ5は、ステップS42に進み、前記
反発力算出補正量Fcを低減させる補正量調整処理を行う。
反発力算出補正量Fcにアクセルペダル踏み込み量THに応じて得た補正係数α1を乗じ
て新たな反発力算出補正量Fcを得ることで補正量の低減を実現している。
α1=(THmax−TH)/(THmax−TH0) ・・・(9)
Fc=Fc・α1 ・・・(10)
この(9)式及び(10)式は、前述したようにTH>TH0のもとで使用される式で
あり、THmaxは最大踏み込み量である。この(9)式及び(10)式によれば、TH
>TH0のもとでは、アクセルペダル踏み込み量THが多いほど、反発力算出補正量Fc
はより小さい値に再設定される。
0)、コントローラ5は、このようは補正量の調整を行わずに当該処理を終了する。すな
わち、反発力算出補正量Fcを維持して、前記ステップS10に進む。
このような補正量調整処理により新たな反発力算出補正量Fcを得ている。
そして、コントローラ5は、前述の第1の実施の形態と同様に、ステップS10におい
て出力処理を行い、図12に示した処理手順に従って新たな反発力算出補正量Fcに応じ
た駆動力補正量や制動力補正量を適宜決定して、駆動力及び制動力を調整している。
い場合には反発力算出補正量Fcを低減し、さらにその低減する割合をアクセルペダル踏
み込み量に応じて決定することで、アクセルペダル踏み込み量が多い場合には、補正の影
響を少なくして、通常時に近い駆動力特性を得ることができる。これにより、ドライバは
、アクセルペダル4を大きく踏み込むことで、その加速を通常の加速と同等なものとして
得ることができるようになる。
この図18に示すように、アクセルペダル踏み込み量THが所定の閾値TH0よりも大
きい領域では、駆動力の特性が通常時に近い特性として得られるようになる(図中Fとし
て示す特性)。
なお、前述の第2の実施の形態では、反発力算出補正量Fcの調整を(9)式及び(1
0)式といった数式から算出しているが、これに限定されるものではない。例えば、アク
セルペダル踏み込み量に応じた低減量(補正量の補正係数)を定義するルックアップテー
ブル等を用いてもよい。これにより、例えば、駆動力及び制動力の特性を簡便に示す図1
9に示すように、アクセルペダル踏み込み量THが所定の閾値TH0よりも大きい領域で
、通常時に近い特性として得られる駆動力の特性を、より自由度をもたせた特性として得
ることができるようになる(図中Gとして示す特性)。
うに調整しなくてもよい。すなわち例えば、駆動力及び制動力の特性を簡便に示す図20
に示すように、アクセルペダル踏み込み量が多い領域では、反発力算出補正量Fcの減少
量を小さくするような調整をして、ドライバの意思に反して鈍い加速化を呈する状態を維
持するようにしてもよい。
調整対象として説明したが、第1の実施の形態で説明したような勾配αに応じて変化する
補正量を調整対象としてもよい。
また、前述の第2の実施の形態では、反発力算出補正量Fcを調整するドライバの操作
状態のパラメータがアクセルペダル踏み込み量である場合を説明したが、これに限定され
るものではない。すなわち、ドライバの操作状態のパラメータにアクセルペダル踏み込み
速度を用い、このアクセルペダル踏み込み速度に応じて反発力算出補正量Fcを調整する
こともできる。
0において実行される処理である。
先ずステップS51において、コントローラ5は、アクセルペダル踏み込み量THに基
づいて踏み込み速度dTHを算出する。ここで、踏み込み速度dTHは、アクセルペダル
踏み込み量を時間系列に沿った差分処理を行い、若干のスムージング処理を行うことによ
り得たり、或いは擬似微分フィルタにより得る。
そして、ステップS52において、コントローラ5は、踏み込み速度dTHと所定の閾
値dTH0とを比較する。ここで、踏み込み速度dTHが所定の閾値dTH0よりも大き
い場合(dTH>dTH0)、コントローラ5は、ステップS53に進み、前記反発力算
出補正量Fcを低減させる補正量調整処理を行う。
、補正量の低減は、踏み込み速度dTHに応じた低減量(補正量の補正係数)を定義する
ルックアップテーブル等を用いて行う。例えば、図22に示すように、前記所定の閾値d
TH0以上の領域では踏み込み速度dTHに応じて変化するような補正係数を用意してお
き、このような補正係数を前処理(前記ステップS9の処理)で得た反発力算出補正量F
cに乗算することで、新たな反発力算出補正量Fcを得るようにする。
なお、踏み込み速度dTHが所定の閾値dTH0以下である場合(dTH≦dTH0)
、コントローラ5は、このようは補正量の調整を行わずに当該処理を終了する。すなわち
、反発力算出補正量Fcを維持して、ステップS10に進む。
このように、踏み込み速度dTHに基づいて調整し、新たな反発力算出補正量Fcを得
てもよい。
出補正量Fcを調整するので、アクセルペダル踏み込み量が多くない場合においても、速
やかに駆動力を回復させ、加速を得ることができるようになる。
図23は、この場合の駆動力及び制動力の特性を簡便に示した図である。
この図23に示すように、踏み込み速度dTHが大きいほど、図中I1として示す特性
から図中I2として示す特性への変化としてみられるように駆動力特性及び制動力特性が
推移していき、駆動力特性及び制動力特性が通常時に近い特性として得られるようになる
。
が組み込まれている走行制御システムであり、ドライバによる実際のブレーキペダル3の
踏み込み力も考慮して、反発力算出補正量Fcに基づく前記制動力補正量を決定するよう
な構成になっている。なお、第3の実施の形態の走行制御システムは、特に言及しない限
り、前述の第1の実施の形態の走行制御システムと同様な構成であり、その説明は省略す
る。
第3の実施の形態の走行制御システムでは、図24に示すように、アクセルペダル4の
踏み込み量に加えて、ブレーキペダル3の踏み込み力もコントローラ5に入力されている
。
0における反発力算出補正量Fcの補正量出力処理になる。図25に示すように、その処
理は、前記図8に示したコントローラ5の処理におけるステップS24或いはステップS
26の後に、ステップS60にて制動力比較処理を行うようになっている。図26は、そ
の制動力比較処理の処理手順を示す。
先ずステップS61において、コントローラ5は、ドライバ要求制動力Fbを推定する
。具体的には、コントローラ5は、前記制動力制御装置20がドライバ要求制動力算出用
に使用しているドライバ要求制動力算出用マップ(図5)と同一のマップを使用して、ブ
レーキペダル踏み込み量に応じたドライバ要求制動力Fbを推定する。
が前記反発力算出補正量Fcよりも大きい場合(Fb>Fc)、ステップS63に進み、
推定したドライバ要求制動力Fbが前記反発力算出補正量Fc以下である場合(Fd≦F
c)、ステップS64に進む。
ステップS63では、コントローラ5は、制動力補正量として0を制動力制御装置20
に出力する。
一方、ステップS64では、コントローラ5は、前記反発力算出補正量Fcから前記推
定したドライバ要求制動力Fbを引いた差分値(Fc−Fb)を制動力補正量として制動
力制御装置20に出力する。
推定したドライバ要求制動力Fbが前記反発力算出補正量Fcよりも大きい場合(Fb>
Fc)、すなわち、ドライバが要求する制動力が反発力算出補正量Fcを上回っている場
合、制動力補正量を0にして、また、推定したドライバ要求制動力Fbが前記反発力算出
補正量Fc以下である場合(Fb≦Fc)、すなわち、ドライバが要求する制動力より反
発力算出補正量Fcが大きい場合、制動力補正量を前記差分値(Fc−Fb)にしている
。
算出補正量(反発力)Fcよりも大きい場合には、制動力補正量を0にすることで、反発
力算出補正量(反発力)Fcの働きを解除或いは禁止して、ドライバが要求する制動力F
bを優先的に採用して、ドライバの意志に従った所望の制動力を発生させる。その一方で
、ドライバがブレーキペダル3を操作した場合でも、その踏み込み力が反発力算出補正量
(反発力)Fcよりも小さい場合には、制動力補正量を前記差分値(Fc−Fb)にする
ことで、ドライバが要求する制動力Fbに前記差分値(Fc−Fb)を加えて、反発力算
出補正量(反発力)Fc相当の制動力を得るようにしている。
る。この図27に示すように、ブレーキペダル3の踏み込みがあった場合には、制動力の
特性が反発力算出補正量(反発力)Fcに補正され(図中Jとして示す特性)、ブレーキ
ペダル3の踏み込み力がある値以上になると、反発力算出補正量(反発力)Fcの働きが
解除或いは禁止されて、制動力の特性がドライバが要求する制動力Fbに従った特性にな
る(図中Kとして示す特性)。
由度を、さらに高めることができる。
なお、駆動力及び制動力の特性でみた場合、図28に示すように、反発力算出補正量(
反発力)Fc相当の制動力からドライバが要求する制動力Fbに従った制動力に推移する
領域が滑らかに変化するように、制動力補正量を決定するようにしてもよい。
ルクの発生量を増加方向に補正する場合を説明したが、駆動トルクの発生量や制動トルク
の発生量に対する補正がこのような補正となることに限定されるものではない。
また、前述の実施の形態では、前方にある物体に車両が接触する可能性に基づいて、ア
クセルペダル4の踏み込み量に対する駆動トルクの発生量を補正することについて説明し
た。しかし、これに限定されるものではなく、車両がおかれている環境の状態を検出して
、その検出結果に基づいてアクセルペダル4の踏み込み量に対する駆動トルクの発生量を
補正するようにしてもよい。
が走行している環境についての具体例としては、走行路面がスリップ路面である走行環境
がある。このような場合において、その路面状態の検出により、アクセルペダル4の踏み
込み量に対する駆動トルクの発生量を補正するようにしてもよい。
なお、前述したような前方にある物体に車両が接触する可能性があるといった状態は、
車両が走行している環境という概念に含まれるともいえる。
に対する駆動トルクの発生量を補正するような場合においても、そのアクセルペダル4の
操作手段の操作量が所定の操作量のとき(例えば、操作量が一定量に達していないとき)
には、制動トルクの発生量を補正し、駆動トルクの発生量の補正を補うようにしてもよい
。これにより、車両の走行状態を所望の状態にすることができるようになる。
が組み込まれている走行制御システムであり、所定条件の場合には駆動力補正中のドライ
バ要求駆動力を補正する構成になっている。ここで、駆動力補正中とは、前述したように
駆動力制御装置10において加算器12に駆動力補正量が入力されている場合をいう。
なお、第4の実施の形態の走行制御システムは、特に言及しない限り、前述の第1の実
施の形態の走行制御システムと同様な構成であり、その説明は省略する。
御装置10は、図29に示すように、ドライバ要求駆動力算出部11に補正量算出判断結
果が入力されるようになっている。ここで、補正量算出判断結果とは、前記図8の駆動力
制御装置10による処理内容の結果、特に前記図8のステップS9やステップS10(図
12参照)の結果である。
先ずステップS101において、駆動力制御装置10は、補正量出力中か否かを判定す
る。すなわち、補正量算出判断結果に基づいて駆動力補正中か否かを判定する。ここで、
駆動力制御装置10は、補正量出力中の場合、ステップS102に進み、補正量出力中で
ない場合、ステップS104に進む。
ステップS102では、駆動力制御装置10は、補正量出力開始後(駆動力補正開始後
)の初回の処理か否かを判定する。ここで、駆動力制御装置10は、補正量出力開始後(
駆動力補正開始後)の初回の処理の場合、ステップS103に進み、補正量出力開始後(
駆動力補正開始後)の初回の処理でない場合(2回目以降の処理の場合)、ステップS1
05に進む。
。ここで、駆動力制御装置10は記憶手段41にそのアクセルペダル踏み込み量を初期値
(以下、アクセルペダル踏み込み量初期値という。)AC0として記憶する。そして、駆
動力制御装置10は、ステップS104に進む。
ステップS104では、駆動力制御装置10は、通常時の特性のドライバ要求駆動力を
算出する。すなわち、ドライバ要求駆動力算出部11が、前記図3に示す特性マップに基
づいて、アクセルペダル踏み込み量に対応するドライバ要求駆動力を算出する。このよう
に、補正量出力開始後(駆動力補正開始後)の初回の処理の場合には、駆動力制御装置1
0(ドライバ要求駆動力算出部11)は、アクセルペダル踏み込み量初期値AC0に対応
するドライバ要求駆動力を算出する。
ドライバ要求駆動力を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。
一方、補正量出力開始後(駆動力補正開始後)の初回の処理でない場合に進むステップ
S105では、駆動力制御装置10は、現時点のアクセルペダル踏み込み量(以下、アク
セルペダル踏み込み量今回値という。)AC1と前記記憶手段41に記憶したアクセルペ
ダル踏み込み量初期値AC0との差分値(AC1−AC0、以下踏み増し量という。)Δ
ACを算出する。
今回値AC1と、前記記憶手段41に記憶したアクセルペダル踏み込み量初期値AC0と
を比較する。ここで、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1がアクセルペダル踏み込み
量初期値AC0以下の場合(AC1≦AC0)、すなわちアクセルペダル踏み込み量が変
化していない、或いは減少している場合(ΔAC≦0)、ステップS104に進み、アク
セルペダル踏み込み量今回値AC1がアクセルペダル踏み込み量初期値AC0より大きい
場合(AC1>AC0)、すなわちアクセルペダル4が踏み込まれている場合(ΔAC>
0)、ステップS107に進む。
1に基づいて、通常時の特性のドライバ要求駆動力を算出する。すなわち、ドライバ要求
駆動力算出部11が、前記図3に示す特性マップに基づいて、アクセルペダル踏み込み量
今回値AC1に対応するドライバ要求駆動力を算出する。
一方、ステップS107では、駆動力制御装置10(具体的にはドライバ要求駆動力算
出部11)は、ドライバ要求駆動力の補正値を算出する。具体的には次のように算出する
。
イバ要求駆動力(Fd0)を算出し、また、アクセルペダル踏み込み量今回値AC1に対
応するドライバ要求駆動力(Fd1(>Fd0))を算出する。そして、これら値を用い
て下記(11)式によりドライバ要求駆動力(Fd)を算出する。
Fd=Fd0+(Fd1−Fd0)×C0 ・・・(11)
ここで、C0は0〜1の範囲内で定めた係数である。
バ要求駆動力(Fd)を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。
なお、ステップS101において補正量出力中でない場合にステップS104に進んだ
場合には、駆動力制御装置10は、その時点でのアクセルペダル踏み込み量に基づいて、
通常時の特性のドライバ要求駆動力を算出する。すなわち、ドライバ要求駆動力算出部1
1が、前記図3に示す特性マップに基づいて、その時点でのアクセルペダル踏み込み量に
対応するドライバ要求駆動力を算出する。
セルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関係を示す。
この図31に示すように、補正量の出力が開始された時点のアクセルペダル踏み込み量
(アクセルペダル踏み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値A
C1が小さくなる場合(AC1≦AC0)、すなわちアクセルペダル4が操作されていな
い、或いはアクセルペダル4が戻されている場合(ΔAC≦0)、ドライバ要求駆動力が
通常時の特性になる。
み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値AC1が大きい場合(
AC1>AC0)、すなわちアクセルペダル4を踏み増した場合(ΔAC>0)、アクセ
ルペダル踏み込み量(AC1)に対してドライバ要求駆動力が通常時のものより小さくな
るように補正される。すなわち、アクセルペダル4を踏み込んでも、駆動力の感度が低下
するように補正される。
び制動力を補正してドライバに警報報知を行うことができることに加え、そのように前方
車両に自車両が接近している際にドライバがアクセルペダル4を操作した場合には、急な
トルク変動を発生させることなく、スムーズに加速させることができるようになる。
くほど、その接近の警報報知のための減速度が大きくなる。このような前提のもと、ドラ
イバがアクセルペダル4を操作した場合、さらに自車両が前方車両に接近することになり
、結果として、さらに減速してしまうことになる。すなわち、ドライバがアクセルペダル
4を踏み込んでいるのにもかかわらず、自車両がさらに減速してしまう。しかし、アクセ
ルペダル踏み込み量に対してドライバ要求駆動力が通常のものより小さくなるように補正
することで、自車両が前方車両に接近してしまうことを抑制し、これにより自車両に警報
報知として発生させる減速度を小さくして、これにより、ドライバのアクセルペダル4の
操作に応じて自車両をスムーズに加速させることができる。
駆動力を補正しているが、この補正処理による効果と同等な効果を、コントローラ5が算
出する反発力算出補正量Fcを補正することでも得ることができる。
すなわち、図30に示した処理と同様な処理をコントローラ5でも行う。この場合、図
30の処理中のステップS107では、補正ドライバ要求駆動力の算出に換えて反発力算
出補正量Fcを補正する。また、図30の処理中のステップS104では、ドライバ要求
駆動力の算出に換えて反発力算出補正量Fcを採用する処理(反発力算出補正量Fcを補
正しない処理)を行う。
み込み量初期値AC0のときに得られる反発力算出補正量Fcに対して、アクセルペダル
踏み込み量今回値AC1に対応する新たな反発力算出補正量Fcを算出する。このとき、
新たな反発力算出補正量Fcは、アクセルペダル踏み込み量初期値AC0のときに得られ
る反発力算出補正量Fcよりも大きくなる。
正量Fcとの関係を示す。
この図32に示すように、補正量の出力が開始された時点のアクセルペダル踏み込み量
(アクセルペダル踏み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値A
C1が小さくなる場合(AC1≦AC0)、すなわちアクセルペダル4を操作していない
、或いはアクセルペダル4を戻している場合(ΔAC≦0)、当初の反発力算出補正量F
cは維持される。
み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダル踏み込み量今回値AC1が大きい場合(
AC1>AC0)、すなわちアクセルペダル4を踏み増した場合(ΔAC>0)、そのア
クセルペダル踏み込み量(AC1)に応じて反発力算出補正量Fcが増加方向に補正され
るようになる。これにより、反発力算出補正量Fcが自車両への走行抵抗として作用する
ことから、アクセルペダル4を踏み込んでも、駆動力の感度がより低下するようになる。
これにより、アクセルペダル踏み込み量に基づいてドライバ要求駆動力を補正する場合と
同様に、前方車両への接近状態に応じて駆動力及び制動力を補正してドライバに警報報知
を行うことができることに加え、そのように前方車両に自車両が接近している際にドライ
バがアクセルペダル4を操作した場合には、急なトルク変動を発生させることなく、スム
ーズに加速させることができるようになる。
この図33に示すように、低速域では係数C0を小さい値(0に近く)に維持する一方、
高速域では自車速に応じて係数C0を増加させて、係数C0を1に近づけるようにする。
図34は、前記図31と同様にアクセルペダル踏み込み量とドライバ要求駆動力との関
係を示すものであり、前記係数C0を、前記図33に示すような特性のもとで自車速に応
じて設定した場合の関係を示す。
セルペダル踏み込み量(アクセルペダル踏み込み量初期値)AC0に対してアクセルペダ
ル踏み込み量今回値AC1が大きい場合(AC1>AC0)、すなわちアクセルペダル4
を踏み増した場合(ΔAC>0)、アクセルペダル踏み込み量(AC1)に対してドライ
バ要求駆動力が通常時のものより小さくなるように補正される。そして、高速域の場合に
は、アクセルペダル4の踏み増し量に対してドライバ要求駆動力が通常時特性のように増
加し、それに比較して、低速域の場合には、そのような増加分は少なくなる。
鈍くなる。例えば、車間距離が短い場合において、運転者は低速走行時に頻繁にアクセル
ペダル踏み込み量を変化させることがある。このような場合でも、急なトルク変動が発生
してしまうことを効果的に防止することができる。その一方で、高速走行時には、アクセ
ルペダルを踏み込めば円滑に加速させることができるようになる。
が低下する方向に変更することもできる。例えば、図35に示すように、前記図30の処
理の一部を変更することで、そのように車線変更動作があった場合の処理を実現できる。
この図35に示すように、前記ステップS106とステップS107との間にステップ
S111及びステップS112の処理を加える。すなわち、ステップS106で、アクセ
ルペダル踏み込み量今回値AC1がアクセルペダル踏み込み量初期値AC0より大きい場
合(AC1>AC0)、ステップS111に進む。
かを判定する。ここで、自車両の車線変更動作の検出手段としては、周知の様々な手法を
適用可能である。例えば、自車両の車線変更動作の検出手段としては、所定の範囲(操舵
角)以上の操舵が行われたか否かで判断する手段やウインカの作動状態で判断する手段等
がある。このような自車両の車線変更動作の検出手段により、自車両が車線変更動作して
いるか否かを判定する。
に進み、自車両が車線変更動作にない場合、前記ステップS107に進む。
ステップS112では、駆動力制御装置10は、前記係数C0を大きい値に変更する。
具体的には、係数C0を1又はそれに近い値に変更する。そして、駆動力制御装置10は
、前記ステップS107に進む。
。ここで、前記ステップS112で係数C0が大きい値(1又はそれに近い値)に変更さ
れている場合には、ドライバ要求駆動力(Fd)は、アクセルペダル踏み込み量今回値A
C1に対応するドライバ要求駆動力(Fd1)そのもの或いはそれに近い値になる。
そして、駆動力制御装置10は、前述の第1の実施の形態と同様に、その求めたドライ
バ要求駆動力(Fd)を加算器12を介してエンジンコントローラ13に出力する。
に変更、具体的には係数C0を1又はそれに近い値に変更するので、アクセルペダル踏み
込み量に対するドライバ要求駆動力の出力特性が通常時の特性になる。これにより、自車
両が車線変更動作を行った際には通常状態に近い駆動力特性によって、自車両がスムーズ
に加速できるようになる。よって、接近状態にある前方車両を車線変更して追い越す際に
は、走行抵抗を受けることなく加速できるので、スムーズな追い越しができるようになる
。
なお、この第4の実施の形態において、図29に示す駆動力制御装置10による図30
や図35の処理は、第1の補正手段が駆動トルクの発生量を補正している間、車両に作用
する駆動トルク及び制動トルクのうちの少なくとも一方について、そのトルク変動量を制
限するトルク変動制限手段を構成している。
が組み込まれている走行制御システムであり、前述の第4の実施の形態と同様に、所定条
件の場合には駆動力補正中のドライバ要求駆動力を補正する構成になっている。さらに、
この第5の実施の形態では、制動力補正中のドライバ要求制動力についても、所定条件の
場合には補正する構成になっている。なお、第5の実施の形態では、コントローラ5の処
理によりそのような補正処理を実現している。
施の形態の走行制御システムと同様な構成であり、その説明は省略する。
図36は、第5の実施の形態におけるコントローラ5の処理手順を示す。この図36に
示す処理は、前記図8のステップS10における反発力算出補正量Fcの補正量出力処理
になる。
この図36に示すように、ステップS23及びステップS24、ステップS29及びス
テップS30、或いはステップS31及びステップS32の後に、新たにステップS12
1及びステップS123の処理を設けている。
この場合さらにステップS24で制動力補正量を反発力算出補正量Fcにしている。また
、コントローラ5は、ステップS29で駆動力補正量を反発力算出補正量Fcにしており
、この場合さらにステップS30で制動力補正量を0にしている。また、コントローラ5
は、ステップS31で駆動力補正量をドライバ要求駆動力Fdの負値(−Fd)にしてお
り、この場合さらにステップS32で制動力補正量を、反発力算出補正量Fcからドライ
バ要求駆動力Fdを引いた値(Fc−Fd)としている。このように、コントローラ5は
、ステップS23及びステップS24、ステップS29及びステップS30、或いはステ
ップS31及びステップS32において、条件に応じて駆動力補正量及び制動力補正量を
得ている。
否かの判定を行っておらず、これに伴いアクセルペダル4を急に戻した場合のステップS
25及びステップS26の処理も行っていない。
第5の実施の形態では、以上のステップS23及びステップS24、ステップS29及
びステップS30、或いはステップS31及びステップS32の後に先ずステップS12
1に進む。
コントローラ5は、ステップS23及びステップS24、ステップS29及びステップS
30、或いはステップS31及びステップS32で得ている駆動力補正量及び制動力補正
量によりドライバ要求駆動力及びドライバ要求制動力をそれぞれ補正する。具体的には、
コントローラ5は、ドライバ要求駆動力に駆動力補正量を加算し、また、ドライバ要求制
動力に制動力補正量を加算する。すなわち、コントローラ5は、駆動力制御装置10にお
いてドライバ要求駆動力算出部11と加算器12とが行う処理と同様に、ドライバ要求駆
動力に駆動力補正量を加算する。また、コントローラ5は、制動力制御装置20において
ドライバ要求制動力算出部21と加算器22とが行う処理と同様に、ドライバ要求制動力
に制動力補正量を加算する。
要求値という。)及びドライバ要求制動力(以下、制動力要求値という。)を記憶手段4
2に記憶する。
続いてステップS123において、コントローラ5は、駆動力及び制動力の制限処理を
行う。具体的には、先ず今回値である駆動力要求値及び制動力要求値を記憶手段42に記
憶されている前回値である駆動力要求値及び制動力要求値をそれぞれ比較する。
、駆動力変化制限量という。)より大きい場合、当該今回得た駆動力要求値を制限する。
例えば、前回得ている駆動力要求値に駆動力変化制限量を加算して、今回の駆動力要求値
にする。そして、このように制限した場合、その値を今回の駆動力要求値として記憶手段
42に記憶する。一方、今回得た駆動力用要求値と前回得ている駆動力要求値との差分が
駆動力変化制限量以下の場合、当該今回得た駆動力要求値を維持する。
求値との差分が所定の値(以下、制動力変化制限量という。)より大きい場合、当該今回
得た制動力要求値を制限する。例えば、前回得ている制動力要求値に制動力変化制限量を
加算して、今回の制動力要求値にする。そして、このように制限した場合、その値を今回
の制動力要求値として記憶手段42に記憶する。一方、今回得た制動力要求値と前回得て
いる制動力要求値との差分が制動力変化制限量以下の場合、当該今回得た制動力要求値を
維持する。
なお、制動力変化制限量は、前記駆動力変化制限量と同じ値でもよく、異なる値でもよ
い。
値が維持されている今回の駆動力要求値や制動力要求値をエンジンコントローラ13及び
ブレーキ液圧コントローラ23にそれぞれ出力する。
エンジンコントローラ13は、前述の第1の実施の形態と同様に、入力された駆動力要
求値(ドライバ要求駆動力)を目標駆動力としてエンジン6への制御指令を算出する。ま
た、ブレーキ液圧コントローラ23は、前述の第1の実施の形態と同様に、入力された制
動力要求値(ドライバ要求制動力)を目標制動力としてブレーキ液圧指令を算出する。
動力算出部21から出力されるドライバ要求駆動力やドライバ要求制動力がエンジンコン
トローラ13及びブレーキ液圧コントローラ23に入力される構成になっている。よって
、この第5の実施の形態のように、コントローラ5からエンジンコントローラ13及びブ
レーキ液圧コントローラ23それぞれにドライバ要求駆動力(駆動力要求値)やドライバ
要求制動力(制動力要求値)を出力すると、異なる値がコントローラ5からエンジンコン
トローラ13やブレーキ液圧コントローラ23にそれぞれ入力されるようになる。このよ
うな事態を避けるために、例えば、ドライバ要求駆動力算出部11やドライバ要求制動力
算出部21から出力されるドライバ要求駆動力やドライバ要求制動力よりも、コントロー
ラ5が出力するドライバ要求駆動力やドライバ要求制動力を優先的に採用するようにした
ほうが好ましい。
が駆動力変化制限量より大きい場合には、当該今回得た駆動力要求値を制限する。
図37は、そのような制限をしている場合と制限をしていない場合の駆動力要求値の時
間変化を示す。この図37に示すように、駆動力要求値は、今回得た値と前回得ている値
との差分が駆動力変化制限量より大きい場合、当該駆動力変化制限量を限度として変化し
ていくようになる。例えば、これにより、ドライバによるアクセルペダル4の戻し量が、
ある一定量より多い場合でも、自車両の減速度が所定の減速度よりも小さくならないよう
にしている。
より大きい場合には、当該今回得た制動力要求値を制限する。すなわち例えば、ドライバ
によるブレーキペダル3の踏み込み力が一定値より大きい場合、自車両の減速度が所定の
減速度よりも小さくならないようにしている。
これにより、前方車両への接近時にドライバがアクセルペダル4を急に離したり、ブレ
ーキペダル3を急に踏み込んだりしても、急なトルク変動が発生してしまうことを防止し
ている。これにより、乗心地が損なわれてしまうことを効果的に防止することができる。
特に、急にアクセルペダル4を放してしまうと駆動力がかかっている状態から制動力がか
かる状態に急に変化してしまい、乗心地を悪化させてしまうが、前述したような処理によ
りこれを防止できる。
において、ドライバの操作により自車両が加速することや減速することが、その接近状態
を示す警報報知のための減速度に影響を与える。よって、自車両が加速度や減速度が大き
いと、その変化に応じて警報報知のための減速度も急に変化するようになる。しかし、ド
ライバの操作による自車両の加速や減速を制限することで、警報報知のための減速度が急
激に変化してしまうことを防止できる。これにより、自車両は、ドライバの操作に応じて
スムーズに加速したり減速したりするようになる。
定されるものではない。
例えば、駆動力要求値や制動力要求値を個別に制限しているが、これに限定されるもの
ではなく、最終的に車両に作用する駆動力及び制動力のうちの少なくとも一方に着目し、
その駆動力及び制動力のうちの少なくとも一方を制限するようにしてもよい。すなわち、
前述の説明では、エンジンコントローラ13に出力する駆動力要求値を制限し、或いはブ
レーキ液圧コントローラ23に出力する制動力要求値を制限している。これに対して、最
終的に車両に作用する駆動力や制動力に着目して、この駆動力や制動力を制限することで
、最終的な車両挙動自体を制限するようにする。
力)と前回自車両に作用していた駆動力との差分が所定の値(以下、制・駆動力変化制限
量という。)より大きい場合、当該今回自車両に作用する駆動力を制限する。一方、今回
自車両に作用する駆動力と前回自車両に作用していた駆動力との差分が制・駆動力変化制
限量以下の場合、当該今回自車両に作用する駆動力を維持する。
)と前回自車両に作用していた制動力との差分が制・駆動力変化制限量より大きい場合、
当該今回自車両に作用する制動力を制限する。一方、今回自車両に作用する制動力と前回
自車両に作用していた制動力との差分が制・駆動力変化制限量以下の場合、当該今回自車
両に作用する制動力を維持する。
なお、車両に作用する力が駆動力から制動力に切り替わる場合、或いは駆動力から制動
力に切り替わる場合、これらの場合にも、制・駆動力変化制限量を基準として、駆動力や
制動力を制限する。
間変化を示す。この図38に示すように、駆動力や制動力は、今回自車両に作用する値と
前回自車両に作用していた値との差分が制・駆動力変化制限量より大きい場合には、当該
制・駆動力変化制限量を限度として変化していくようになる。
これにより、前述の駆動力要求値や制動力要求値を個別に制限している場合と同様に、
前方車両への接近時にドライバによるアクセルペダル4やブレーキペダル3の操作により
、急なトルク変動が発生させてしまい、乗心地が損なわれてしまう、といったことを効果
的に防止することができる。
変可能にしてもよい。以下の説明では、駆動力変化制限量、駆動力変化制限量及び制・駆
動力変化制限量を、単に制限量という場合もある。
図39は、その設定処理をコントローラ5の処理手順を示す。この図39に示すように
、前記図36に示すコントローラ5の処理内容に対し、前記ステップS121と前記ステ
ップS123との間にステップS122として制限量の算出処理を設けている。
えば、相対速度ΔVが小さくなるほど、駆動力変化制限量や駆動力変化制限量を小さくす
る。或いは、相対速度ΔVが小さくなるほど、制・駆動力変化制限量を小さくする。ここ
で扱う相対速度ΔVは、自車両が当該前方車両に接近していく場合が正値となる値とする
。よって、相対速度ΔVが正値で大きくなるほど、自車両が前方車両と接近度合いが高く
なり、相対速度ΔVが正値で小さくなるほど、自車両が前方車両と接近度合いが低くなる
。例えば、図40に示すように、相対速度ΔVが小さくなるほど、制・駆動力変化制限量
を小さくする。
制限量を用いて、前述の説明と同様に駆動力及び制動力の制限処理を行う。
このように、相対速度ΔVが大きくなるほど、駆動力変化制限量或いは駆動力変化制限
量、又は制・駆動力変化制限量を大きくすることで、前方車両との相対速度が大きい場合
、駆動力要求値或いは制動力要求値又は自車両に作用する制動力或いは駆動力自体を大き
く変化させることができる。
前方車両との接触を回避するために、ドライバはアクセルペダル4を急に放したり、ブレ
ーキペダル3を大きく踏み込んだりする。このような場合でも、自車両がすばやく減速す
るようになる。また、前方車両との接近度合いが大きく、前方車両との接触可能性が高い
場合には、ドライバは、ブレーキペダル3を放してアクセルペダル4を大きく踏み込んだ
りして、前方車両を追い越すことで当該前方車両との接触を回避する。このような場合に
も、すみやかに前方車両を追い越すことができるようになる。
て設定するようにする。すなわち、アクセルペダル踏み込み量に応じて、トルク変動量の
大きさを設定する。
例えば、アクセルペダル踏み込み量が多くなるほど、駆動力変化制限量や駆動力変化制
限量を小さくする。また、これと同様な処理として、前記制・駆動力変化制限量をアクセ
ルペダル踏み込み量に基づいて設定してもよい。例えば、アクセルペダル踏み込み量が多
くなるほど、制・駆動力変化制限量を小さくする。例えば、図41に示すように、アクセ
ルペダル踏み込み量が多い領域で、制・駆動力変化制限量を小さくする。
力変化制限量を小さくする、又はアクセルペダル踏み込み量が多くなるほど、制・駆動力
変化制限量を小さくすることで、アクセルペダル踏み込み量が多い場合、駆動力要求値或
いは制動力要求値又は自車両に作用する制動力或いは駆動力自体の変化を小さくする。こ
れにより、アクセルペダル4を踏み込んでいる状態では制限量が小さい値に設定されるの
で、アクセルペダル4の操作に対するトルク変動が小さくなり、乗心地がよくなる。その
一方で、前方車両に自車両が急接近してアクセルペダル4を戻した場合、制限量が大きい
値に設定されるので、すばやく自車両が減速するようになる。
み込み量に基づいて設定する制限量とのうちから一の制限量を選択して、この選択した一
の制限量を設定するようにしてもよい。具体的には、前述の相対速度ΔVに基づいて設定
する制限量と、アクセルペダル踏み込み量に基づいて設定する制限量とを比較して、大き
い方の制限量を最終的な設定値にするようにしてもよい。これにより、アクセルペダル踏
み込み量に基づいて制限量が設定されれば、アクセルペダル4が戻されたとき(アクセル
ペダル踏み込み量が少ないとき)に、制限量が大きくなり、その一方で、相対速度ΔVに
基づいて制限量が設定されれば、前方車両との相対速度が大きいときに制限量が大きくな
る。
くなる。なお、この場合、相対速度ΔVが小さいことが前提となる。その一方で、前方車
両に自車両が急接近してアクセルペダル4が大きく操作されたようなときには、制限量が
大きく設定されることで、そのアクセルペダル4の操作に応じて自車両が動作するように
なる。すなわち、前方車両との接近度合いが大きく、前方車両との接触可能性が高い場合
、前方車両との接触を回避するために、ドライバはアクセルペダル4を急に放したり、ブ
レーキペダル3を大きく踏み込んだりするが、このような場合に対応して、自車両がすば
やく減速するようになる。また、前方車両との接近度合いが大きく、前方車両との接触可
能性が高い場合に、ドライバは、ブレーキペダル3を放してアクセルペダル4を大きく踏
み込んだりして、前方車両を追い越すことで当該前方車両との接触を回避するが、このよ
うな場合にも、すみやかに前方車両を追い越すことができるようになる。
が組み込まれている走行制御システムであり、車間時間THWとの関係で反発力算出補正
量(以下、第1の補正量という。)Fc1を得て、また、衝突時間TTCとの関係で反発
力算出補正量(以下、第2の補正量という。)Fc2を得て、この第1及び第2の補正量
Fc1,Fc2のうちのいずれか一方を最終的な設定値にする構成になっている。すなわ
ち、前述の第1の実施の形態では、車間時間THWとの関係で反発力算出補正量Fc(前
記第1の補正量Fc1相当)を得ているが、この第6の実施の形態では、さらに衝突時間
TTCとの関係で第2の補正量Fc2を得て、この第2の補正量と第1の実施の形態で得
ているような反発力算出補正量Fc(前記第1の補正量Fc1相当)のうちのいずれか一
方を最終的な設定値にしている。
に示すように、前記図8に示すコントローラ5の処理内容のステップS6〜ステップS9
に換えて、ステップS131〜ステップS140の処理を行うようになっている。
すなわち、ステップS5の後のステップS131において、コントローラ5は、車間時
間及び衝突時間を算出する。ここで、コントローラ5は、接触の可能性を判断するために
、下記(12)式(前記(5)式と同じ式)により、自車両とその物体(車両)との間の
距離である車間時間THWiを算出する。
THWi=Xi/V ・・・(12)
間TTCiを算出する。
TTCi=Xi/ΔVi ・・・(13)
なお、(12)式及び(13)式中、車間時間THWi、衝突時間TTCi、前後方向距
離Xiや相対速度ΔViにおける添え字iは、前記ステップS5で検出した物体(障害物)
の番号(処理用識別番号)を示す。
続いてステップS132において、コントローラ5は、走路上にあると判断した物体の
うち、前記車間時間THWiが最小になる物体(障害物)を選択する。
、車間時間用閾値という。)Th1とを比較する。ここで、車間時間THWiが車間時間
用閾値Th1以上の場合(THWi≧Th1)、コントローラ5は、自車両が物体に接触
する可能性が低いと判断して、ステップS136において、第1の補正量を0にする。そ
して、コントローラ5は、ステップS135に進む。また、車間時間THWiが車間時間
用閾値Th1より小さい場合(THWi<Th1)、コントローラ5は、自車両が物体に
接触する可能性があると判断して、ステップS134に進む。
出する。
すなわち、図11中(A)に示したモデルにおける仮想的な弾性体500の長さ(以下
、車間時間対応長さという。)l1を自車速V及び前記車間時間用閾値Th1に関連付け
て下記(14)式として与える。
l1=Th1×V ・・・(14)
ここで、仮想的な弾性体500の弾性係数k1は、適切な制御効果が得られるように調
整できる制御パラメータにしている。
そして、この車間時間対応長さl1を用いて、反発力(第1の補正量)Fc1を下記(
15)式として与える。
Fc1=k1×(l1−Xi) ・・・(15)
うち、前記ステップS131で得た衝突時間TTCiが最小になる物体(障害物)を選択
する。
続いてステップS137において、コントローラ5は、衝突時間TTCiと閾値(以下
、衝突時間用閾値という。)Th2とを比較する。ここで、衝突時間TTCiが衝突時間
用閾値Th2以上の場合(TTCi≧Th2)、コントローラ5は、自車両が物体に接触
する可能性が低いと判断して、ステップS139において、第2の補正量を0にする。そ
して、コントローラ5は、ステップS140に進む。また、衝突時間TTCiが衝突時間
用閾値Th2より小さい場合(TTCi<Th2)、コントローラ5は、自車両が物体に
接触する可能性があると判断して、ステップS138に進む。
算出する。
ここでは、図11中(A)に示したモデルにおける仮想的な弾性体500の長さ(以下
、衝突時間対応長さという。)l2を相対速度ΔV及び前記衝突時間用閾値Th2に関連
付けて下記(16)式により与える。
また、仮想的な弾性体500の弾性係数k2は、適切な制御効果が得られるように調整
できる制御パラメータにしている。
そして、この衝突時間対応長さl2を用いて、反発力(第2の補正量)Fc2を下記(
17)式により与える。
Fc2=k2×(l2−Xi) ・・・(17)
の補正量Fc2のうち、大きい方の値を選択する。そして、コントローラ5は、続くステ
ップS10において、ステップS140で選択した第1の補正量Fc1又は第2の補正量
Fc2を反発力Fcとし、これを、前述の実施の形態と同様に、駆動力制御装置10や制
動力制御装置20に出力する。ステップS10では、前述の実施の形態と同様に、反発力
Fc(第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2)に基づいて、駆動量補正量及び制動
力補正量を算出する。
る。すなわち、反発力Fc(第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2)により補正さ
れたドライバ要求駆動力(駆動力要求値)及びドライバ要求制動力(制動力要求値)が、
駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を用いてそれぞれ制限される。
また、前記図39に示す処理手順により駆動量補正量及び制動力補正量を算出すること
もできる。この場合、反発力Fc(第1の補正量Fc1又は第2の補正量Fc2)により
補正されたドライバ要求駆動力(駆動力要求値)及びドライバ要求制動力(制動力要求値
)が、相対速度に基づいて設定した駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を用いてそれ
ぞれ制限される。
ら最終的な反発力(補正量)Fcを選択していることに対応して、そのように選択された
補正量Fc1,Fc2に基づいて駆動力変化制限量及び制動力変化制限量の設定を行う。
具体的には、第1の補正量Fc1を選択した場合には、駆動力変化制限量及び制動力変化
制限量を大きい値に設定して、第2の補正量Fc2を選択した場合には、駆動力変化制限
量及び制動力変化制限量を小さい値に設定する。
車間時間THWと衝突時間TTCといった2種類の指標により接触する可能性が最も高い
物体を特定して、その特定した物体を基準に補正量Fcを算出する。これにより、接触す
る可能性が高い物体の特定を最適に行うことができ、最適な減速制御及び警告報知ができ
ようになる。
力変化制限量を大きい値に設定し、それ以外の場合、すなわち第1の補正量Fc1を用い
て制御を行う場合には、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を小さい値に設定するこ
とで、前方車両への接触可能性の高さに応じて乗心地性と素早い制動力の発生とを両立す
ることが可能になる。
例えば、第2の補正量Fcを用いて制御を行う場合とは、前方車両への接近度が大きい
場合である。このような場合に、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を大きくするこ
とで、前述の第5の実施の形態でも説明したように(図40参照)、ドライバがアクセル
ペダル4を急に放したり、ブレーキペダル3を大きく踏み込んだりする動作に対応して、
自車両がすばやく減速するようになる。
正量Fc2から一義的に駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定するようにしてい
るが、第1の補正量Fc1、第2の補正量Fc2に基づいて行う駆動力変化制限量及び制
動力変化制限量の設定はこれに限定されないことはいうまでもない。例えば、第1の補正
量Fc1と第2の補正量Fc2との関係から制限量を2段階或いはそれ以上の段階として
設定してもよい。また、図43(例えばテーブル)に示すように、第1の補正量Fc1と
第2の補正量Fc2との関係から駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定してもよ
い。図43に示すように、第1の補正量Fc1と第2の補正量Fc2との関係から駆動力
変化制限量及び制動力変化制限量を設定するようにすれば、第1の補正量Fc1と第2の
補正量Fc2との関係に対応する駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定すること
ができる。
ちから最終的な反発力(補正量)Fcを選択しているが、第1の補正量Fc1及び第2の
補正量Fc2による最終的な反発力(補正量)Fcの決定はこのようになされることに限
定されるものではない。例えば、第1の補正量Fc1と第2の補正量Fc2との和からな
る補正量(以下、補正量総和値という。)を算出するようにしてもよい。さらに、このよ
うな場合には、補正量総和値に基づいて駆動力変化制限量及び制動力変化制限量を設定す
るようにしてもよい。例えば、下記(18)式により、補正量総和値に基づいて駆動力変
化制限量及び制動力変化制限量(制限量)を設定する。
制限量=第2の補正量/補正量総和値 ・・・(18)
限量を設定できる。この場合、例えば図44に示すように、前記比率が高くなるに従って
、制限量が大きくなるようにする。
なお、前述の第6の実施の形態では、反発力Fc(第1の補正量Fc1又は第2の補正
量Fc2)により補正されたドライバ要求駆動力(駆動力要求値)及びドライバ要求制動
力(制動力要求値)そのものを制限する場合について説明しているが、自車両に作用する
駆動力や制動力を制限するようにしてもよい。よって、この場合、駆動力や制動力を制限
する制・駆動力変化制限量を、駆動力変化制限量及び制動力変化制限量と同様に、第1の
補正量Fc1や第2の補正量Fc2の関係から種々の手法により決定してもよい。
2 障害物検出処理装置
3 ブレーキペダル
4 アクセルペダル
5 コントローラ
6 エンジン
10 駆動力制御装置
11 ドライバ要求駆動力算出部
12 加算器
13 エンジンコントローラ
20 制動力制御装置
21 ドライバ要求制動力算出部
22 加算器
23 ブレーキ液圧コントローラ
30 レーダ装置
31 発光部
32 受光部
41,42 記憶手段
200 前方障害物
300 自車両
400 前方車両(先行車両)
500 仮想的な弾性体
Claims (3)
- アクセル操作手段の操作量に応じた駆動トルクを発生するようにエンジンを制御するエンジン制御手段を備える車両の接触を防止する車両用報知装置であって、
前方にある物体に車両が接触する可能性を検出する接触可能性検出手段と、
前記接触可能性検出手段の検出結果に基づいて前記アクセル操作手段の操作量に対する前記駆動トルクの発生量を減少させる補正をする補正手段と、を備え、
前記補正手段は、前記補正を開始した時点から前記アクセル操作手段の操作量を増している場合、前記補正の量を、前記補正を開始した時点から前記アクセル操作手段の操作量を増していない場合よりも大きくすることを特徴とする車両用報知装置。 - 前記補正手段は、さらに、前記補正を開始した時点から前記アクセル操作手段の操作量を増している場合であって高速域にあるとき、前記補正の量を、前記操作量を増している場合であって低速域にあるときよりも小さくすることを特徴とする請求項1記載の車両用報知装置。
- 前記補正手段は、さらに、前記補正を開始した時点から前記アクセル操作手段の操作量を増している場合であって車線変更動作を行っているとき、前記補正の量を、前記操作量を増している場合であって車線変更動作を行っていないときよりも小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用報知装置。
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