JP4881306B2 - 樹脂組成物および光学部品 - Google Patents

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Description

本発明は、光線透過率等の光学特性に優れる樹脂組成物、該樹脂組成物を成形して得られる光学部品、および光学部品を用いた光ピックアップ装置に関するものである。より詳しくは、405nm前後の、いわゆる青紫光のレーザー光源を用いる光ピックアップ装置、および光ピックアップ装置に用いられる光学部品への使用に最適な樹脂組成物、該樹脂組成物を成形して得られる光学部品および、光学部品を用いた光ピックアップ装置に関する。
現在までに、CD(コンパクト・ディスク)、DVD(ディジタル・ビデオ・ディスク、あるいはディジタル・バーサタイル・ディスク)などの光情報記録媒体(光ディスク、あるいはメディアともいう)に対して情報の再生・記録を行うための光ピックアップ装置(光ヘッド、光ヘッド装置などともいわれる)が開発および製造され、一般に普及している。また最近では、より高密度の情報記録を可能とした光情報記録媒体の規格についても研究開発が行われている。
このような光ピックアップ装置は、レーザーダイオードなどの光源から出射された光束を、ビーム整形プリズム、コリメータ、ビームスプリッタ、対物レンズ等の光学部品からなる光学系を介して光ディスクの情報記録面に集光させてスポットを形成する。そして、記録面上の情報記録孔、いわゆるピットからの反射光を、再度光学系を介して今度はセンサー上に集光させ、電気信号に変換することにより情報を再生する。この際、情報記録孔の形状によって反射光の光束も変化するため、これを利用して、「0」、「1」の情報を区別する。なお、光ディスクの情報記録面の上には保護基板として、プラスティック製の保護層、カバーガラスとも言われる保護層が設けられている。
またCD−R、CD−RW等の記録型メディアに情報の記録を行う場合、記録面上にレーザー光束によるスポットを形成し、記録面上の記録材に熱化学変化を生ぜしめる。これによって、たとえばCD−Rの場合は熱拡散性色素が不可逆変化することにより、情報記録孔と同様の形状が形成される。CD−RWの場合は相変化型材料を用いているため、熱化学変化によって結晶状態と非晶質状態との間で可逆変化するので、情報の書き換えが可能となる。
そしてCD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、対物レンズの開口数(NA)が0.45前後であり、用いられる光源の波長は785nm前後である。また記録用としては、開口数0.50程度のものが用いられることが多い。なお、CD規格の光ディスクの保護基板厚さは1.2mmである。
光情報記録媒体としてCDが広く普及しているが、ここ数年、DVDが普及してきている。DVDは、CDに比べて保護基板厚を薄くし、さらに情報記録孔を小さくすることにより、情報記録量を多くしたものである。DVDは、CDが約600〜700MB程度であるのに対し、約4.7GBという大容量の記録容量を有し、映画等の動画像を記録した頒布媒体として用いられることが多い。
DVD規格の光ディスクから情報を再生するための光ピックアップ装置は、原理的にはCD用の光ピックアップ装置と同様の構造を有している。しかしながら、前述のように情報記録孔が小さくなっていること等から、NAが0.60前後の対物レンズや、655nm前後の光源波長が用いられている。また記録用としては、NAが0.65程度の対物レンズが用いられることが多い。なお、DVD規格の光ディスクの保護基板厚さは0.6mmである。
またDVD規格の光ディスクについても記録型のものが既に実用化されており、DVD−RAM、DVD−RW/R、DVD+RW/Rなどの各規格がある。これらに関する技術的原理もまた、CD規格の場合と同じである。そして上述の通り、さらに高密度・高容量の光ディスクが提案されつつある。このような光ディスクに対しては、405nm前後の光源波長を有する、いわゆる青紫光のレーザー光源が用いられている。「高密度・高容量の光ディスク」については、使用される波長が決まったとしても、保護基板厚、記憶容量、NA等は一律には決まらない。
記録密度を大幅に向上させるためには、光ディスクの保護基板厚を薄くし、それにともなってNAを大きくすることになる。逆に、保護基板厚およびNAを、DVDなどの従来の光ディスクの規格と同様とすることもできる。この際は物理的な記録密度は大幅には増大しないものの、光学系として要求される性能が比較的緩やかになる。
具体的には、保護基板の厚さが0.1mmとなるように薄くしたものや、DVDと同じ0.6mmにしたものなどが提案されている。
上述してきたような光ピックアップ装置に用いられる光学部品の多くは、プラスティック樹脂によって射出成形されたものか、またはガラス製の押圧成形されたものがほとんどである。このうち、後者のガラス製の光学部品は、一般に温度変化に対する屈折率変化が小さい。そのため、熱源となる光源近くに配置されるビーム整形プリズムに用いられるが、その一方で製造コストが比較的高いという問題がある。このため、コリメータ、カップリングレンズ、対物レンズなどの各光学部品への採用は減少している。これに対して前者のプラスティック樹脂製の光学部品は、射出成形によって安価に製造できるというメリットがあるため、最近では非常に多く用いられている。しかしながら、プラスティック素材は使用波長域に吸収を有し、使用に伴い光学性能が劣化することがある。
また、情報の再生、いわゆる読み出しを高速で行ったり、あるいは情報の記録を高速で行うためには、光量を向上させて、集光スポットを確実に形成する必要がある。光量を向上させる最も簡単な方法は、レーザーダイオードのパワーをあげることによって、ダイオードの発光量を上昇させることである。しかしながら、使用に伴う光学部品の光学性能の劣化が大きくなり、設計通りの光学性能を達成できなくなるという問題が生じる。また、レーザーのパワー上昇に伴い、雰囲気温度が上昇することも、樹脂の劣化を促進する要因となる。また、高速で作動させるためには、アクチュエータを高速で稼動する必要がある。これにより熱が発生するため、同様に樹脂の劣化を促進する要因となる。
そこで光学部品に用いられるプラスティックの、使用時の光学性能の変化を抑制するための様々な工夫が提案されている。
例えば、特許文献1には、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンの開環重合体の水素添加物などの熱可塑性ノルボルネン系樹脂100質量部に対し、ヒンダードアミン系耐光安定剤0.03〜1質量部、フェノール系酸化防止剤0.002〜2質量部、およびリン系酸化防止剤0.002〜1質量部を含有する樹脂組成物が記載されている。しかし、特許文献1に記載の樹脂組成物は、光に対する安定性が充分でなく青紫レーザー光源を用いる光ピックアップ装置に用いるのに適さない。また、フェノール系酸化防止剤とヒンダードアミン系耐光安定剤とから形成される塩により着色するため、透過率を悪化させる欠点があった。また、成形時の発泡が起こりやすく、複屈折が悪いため高精度の光学部品が得られない問題もある。
また、特許文献2には、ビニル脂環式炭化水素重合体と、数平均分子量(Mn)が1,000〜10,000のヒンダードアミン系耐光安定剤とを含有する樹脂組成物が記載されている。この樹脂組成物は、加工安定性に優れ、耐光安定性、耐熱性、透明性に優れた成形体を得ることができると記載されている。この樹脂組成物は前記技術に比較して成形時の発泡性および複屈折は改善されるものの、光に対する安定性は充分でなく青紫レーザー光源を用いる光ピックアップ装置に用いるのに適さない。また、特許文献2に記載の樹脂組成物は、青紫レーザー光照射により白濁してしまうという欠点があった。
また、特許文献3には、環状ポリオレフィン系樹脂、分子量が300以上、温度20℃における蒸気圧が1×10−8Pa以下であり加熱減量測定での5%質量減少温度が200℃以上であるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤および、分子量が500以上、温度20℃における蒸気圧が1×10−6Pa以下であり加熱減量測定での5%質量減少温度が250℃以上であるヒンダードアミン系光安定剤を含有する、耐候性樹脂組成物が開示される。この樹脂組成物は、耐候性および耐光性に優れるとともに、透明性、耐熱性に優れ、成形加工時の発塵性が少なく、光学部品に成形加工した際に優れた光学特性を発揮すると記載されている。この樹脂組成物によれば、耐熱性が向上し、前技術同様に成形時の発泡は抑えられるものの、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤による吸収があり実際には青紫レーザー光源を用いる光ピックアップ装置に用いるのに適さない。また、吸水率が高いという欠点もあった。
また、特許文献4には、ビニル脂環式炭化水素重合体100質量部および酸化防止剤0.001〜2.0質量部を含有する樹脂組成物からなるペレットAと、ビニル脂環式炭化水素重合体100質量部および耐光安定剤2〜20質量部を含有する樹脂組成物からなるペレットBとを、質量比で5≦A/B≦50の比率で混合し、次いで、溶融成形する技術が記載されている。この方法によれば、着色がなく、長期に紫外線を照射しても色調変化しない成形体を得ることができると記載されている。しかしながら、成形時の安定性、樹脂の透明性および光に対する安定性ともに充分でなく、実際に青紫レーザー光源を用いる光ピックアップ装置に用いるのに適さない。また、製造および成形工程が煩雑で、大量生産に向いている方法とは言えない。
また、特許文献5には、芳香族ビニル単量体を付加重合反応させ、次いで芳香環を水素化することによって得られた脂環基含有エチレン性不飽和単量体単位を有する重合体(A)と、6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンのような一分子内に燐酸エステル構造とフェノール構造とを有する酸化防止剤(B)とを含有する樹脂組成物が開示されている。この樹脂組成物の成形体は、機械的強度に優れ、さらに青紫色レーザーなどの短波長で高強度の光線を照射しても着色しないと記載されている。しかしながら、使用中の樹脂の劣化により光学性能は充分に安定しているとは言えず、青紫レーザー光源を用いる光ピックアップ装置に用いるのが困難であった。
特開平9−268250号公報 WO 01/092412 特開2001−72839号公報 特開2003−276047号公報 特開2004−83813号公報
本発明の課題は、成形性、低複屈折、耐熱性、大量生産性、機械強度、光線透過率を維持しつつ、青紫レーザー光源使用中の光線透過率の低下のみならず光学性能劣化の極めて小さい、光学部品に好適な樹脂組成物、該樹脂組成物を成形して得られる光学部品、および光学部品を使用した光ピックアップ装置を提供することである。
本発明者らは、繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体および、特定のヒンダートアミン系化合物を含む樹脂組成物が、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)樹脂組成物、(2)光学部品、(3)光ピックアップ装置を提供する。
(1)繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体および下記化学式[1]乃至[6]で表される化合物、一般式(14)で表される化合物、および一般式(13)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であるヒンダートアミン系化合物を含む樹脂組成物であって、該重合体100質量部に対して、ヒンダートアミン系化合物0.05〜5質量部を含む樹脂組成物。
Figure 0004881306
Figure 0004881306
(式(14)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜9のアルコキシ基または炭素原子数2〜9のアシル基を示す。mは0〜50の実数である。nは重合度を示し2〜50の実数である。)
Figure 0004881306
(式(13)中、RおよびRは、いずれも水素原子であるか、いずれもメチル基である。
は水素原子である。
はNである。
およびWは、N(R)を示し、Rは−Cである。
、それぞれ1種であってもよく、2種を任意の割合で有していてもよい。
は0〜50の実数、nは3、aは2、bは1である。)
(2)上記(1)に記載の樹脂組成物を成形して得られる光学部品。
(3)上記(2)の光学部品を用いた、光ピックアップ装置。
本発明の樹脂組成物によれば、成形性、低複屈折、耐熱性、大量生産性、機械強度、光線透過率を維持しつつ、青紫レーザー光源使用中の光線透過率の低下のみならず光学性能劣化が極めて小さいため、光学部品に好適に用いることができる。本発明の樹脂組成物からなる光学部品および光ピックアップ装置は、充分な光学性能を持ちながら、紫外に近い領域のレーザ光で用いても劣化を起こし難く、また使用に際して性能に変化が生じ難いことから、工業的に極めて価値がある。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本発明に関わる光ピックアップ装置の図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体]
本発明の繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体(以下、単に「脂環族構造を有する重合体」ともいう)は、重合体の繰り返し単位の少なくとも一部に脂環族構造を有するものであればよく、具体的には一般式(2)で表される1種ないし2種以上の重合体を含むことが好ましい。
(化2)
Figure 0004881306
式(2)中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数であり、好ましくは0である。
は、炭素原子数2〜20、好ましくは2〜12の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
は、水素原子、又は、炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
は、炭素原子数2〜10、好ましくは2〜5の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
Qは、COORである。Rは、水素原子、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。好ましくは、水素原子、又は炭素原子数1〜3の炭化水素基である。
なお、R、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
また前記一般式(2)において、Rは、好ましくは、炭素原子数2〜12の炭化水素基から選ばれる1種ないし2種以上の2価の基であり、さらに好ましくはn=0の場合、一般式(3)で表される2価の基であり、最も好ましくは、前記一般式(3)において、pが0または1である2価の基である。Rの構造は1種のみ用いても、2種以上を併用しても構わない。
(化3)
Figure 0004881306
ここで、式(3)中、pは、0〜2の整数である。
また、前記一般式(2)において、Rの例としては水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基等が挙げられるが、好ましくは、水素原子および/またはメチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
また、前記一般式(2)において、Rの例としては、n=0の場合、以下の一般式(4)〜(6)などが挙げられる。
(化4)
Figure 0004881306
式(4)〜式(6)中、Rは一般式(2)に同じ。
また、前記一般式(2)において、nは好ましくは0である。
また、重合のタイプは本発明において全く制限されるものではなく、付加重合、開環重合等の公知の様々な重合タイプを適用することができる。付加重合としては、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等を挙げることができる。本発明においては、光学性能の劣化を抑制する観点からランダム共重合体を用いることが好ましい。
主たる成分として用いられる樹脂の構造が上記のものであると、透明性、屈折率および複屈折率等の光学物性に優れ、高精度の光学部品を得ることができる。
(繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体の例示)
前記一般式(2)で表される重合体を大きくわけると、以下の(i)〜(iv)の4種の重合体に大別される。
(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体
(ii)開環重合体またはその水素添加物
(iii)ポリスチレン誘導体の水素添加物
(iv)その他の重合体
以下、順に説明する。
[(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体]
(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体は、一般式(7)で表現される環状オレフィン系共重合体である。例えば、エチレンまたは炭素原子数が3〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン由来の構成単位(A)と、環状オレフィン由来の構成単位(B)とからなる。
(化5)
Figure 0004881306
式(7)中、Rは、炭素原子数2〜20、好ましくは2〜12の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
は、水素原子、又は炭素原子数1〜10、好ましくは1〜5の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
なお、RおよびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。好ましくは50/50≦y/x≦95/5、さらに好ましくは、55/45≦y/x≦80/20である。x,yはモル基準である。
(エチレンまたはα−オレフィン由来の構成単位(A))
エチレンまたはα−オレフィン由来の構成単位(A)は、下記のようなエチレン、または炭素原子数が3〜30の直鎖状または分岐状のα−オレフィン由来の構成単位である。
具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのなかでは、エチレンが好ましい。これらのエチレンまたはα−オレフィン由来の構成単位は、本発明の効果を損なわない範囲で2種以上含まれていてもよい。
(環状オレフィン由来の構成単位(B))
環状オレフィン由来の構成単位(B)は、下記一般式(8)、一般式(9)および一般式(10)で表される環状オレフィン由来の構成単位よりなる群から選ばれる少なくとも1種からなる。
一般式(8)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、以下の構造を有するものである。
(化6)
Figure 0004881306
式(8)中、uは0または1であり、vは0または正の整数であり、wは0または1である。なお、wが1の場合には、wを用いて表される環は6員環となり、wが0の場合には、この環は5員環となる。R61〜R78ならびにRa1およびRb1は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子である。また炭化水素基としては、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基が挙げられる。
より具体的には、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アミル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどが挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、上記炭素原子数1〜20のアルキル基に1個または複数のハロゲン原子が置換した基が挙げられる。またシクロアルキル基としては、シクロヘキシルなどが挙げられ、芳香族炭化水素基としてはフェニル、ナフチルなどが挙げられる。
さらに上記一般式(8)において、R75とR76とが、R77とR78とが、R75とR77とが、R76とR78とが、R75とR78とが、またはR76とR77とがそれぞれ結合して、すなわち互いに共同して、単環または多環の基を形成していてもよい。さらに、このようにして形成された単環または多環が二重結合を有していてもよい。単環よりも多環のほうが少ない含有量で高いガラス転移温度(Tg)の共重合体を得られるので、耐熱性の面から多環が好ましい。またさらに、少ない環状オレフィン仕込み量で製造できる利点がある。ここで形成される単環または多環の基としては、具体的に以下のようなものが挙げられる。
(化7)
Figure 0004881306
上記例示において、1または2の番号を付した炭素原子は、上記一般式(8)においてそれぞれR75(R76)またはR77(R78)が結合している炭素原子を表す。
75とR76とで、またはR77とR78とでアルキリデン基を形成していてもよい。このアルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20である。アルキリデン基の具体的な例としては、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデンなどが挙げられる。
一般式(9)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、以下の構造を有するものである。
(化8)
Figure 0004881306
式(9)中、xおよびdは0または1以上の正の整数であり、yおよびzは0、1または2である。また、R81〜R99は、お互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはアルコキシ基であり、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。またy=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。
ハロゲン原子としては、上記式(8)中のハロゲン原子と同じものを例示することができる。
脂肪族炭化水素基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基または炭素原子数3〜15のシクロアルキル基が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アミル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシルなどが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロヘキシルなどが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、具体的には、フェニル、トリル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチルなどが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロホキシなどが挙げられる。ここで、R89およびR90が結合している炭素原子と、R93が結合している炭素原子またはR91が結合している炭素原子とは、直接または炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合している場合には、R89とR93とが、または、R90とR91とが互いに共同して、メチレン基(−CH−)、エチレン基(−CHCH−)またはプロピレン基(−CHCHCH−)の内のいずれかのアルキレン基を形成している。
さらに、y=z=0のとき、R95とR92またはR95とR99とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよい。具体的には、y=z=0のとき、R95とR92とにより形成される以下のような芳香族環が挙げられる。単環よりも多環のほうが少ない含有量で高いガラス転移温度(Tg)の共重合体を得られるので、耐熱性の面から多環が好ましい。またさらに、少ない環状オレフィン仕込み量で製造できる利点がある。
(化9)
Figure 0004881306
lは上記一般式(9)におけるdと同じである。
一般式(10)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、以下の構造を有するものである。
(化10)
Figure 0004881306
式(10)中、R100とR101は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜5の炭化水素基であり、またfは1≦f≦18である。炭素原子数1〜5の炭化水素基としては好ましくはアルキル基、ハロゲン化アルキル基またはシクロアルキル基を挙げることができる。これらの具体例は上記式(8)のR61〜R78の具体例から明らかである。
上記のような一般式(8)、(9)または(10)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)として、具体的には、ビシクロ−2−ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト−2−エン誘導体)、トリシクロ−3−デセン誘導体、トリシクロ−3−ウンデセン誘導体、テトラシクロ−3−ドデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ−3−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ−5−ドコセン誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセン誘導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物の誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン誘導体、炭素原子数3〜20のシクロアルキレン誘導体などが挙げられる。
また上記の一般式(8)、(9)または(10)で表わされる環状オレフィン由来の構成単位(B)の中で、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体およびヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,709,14]−4−ヘプタデセン誘導体が好ましく、特にテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンが好ましい。
上記のような一般式(8)または(9)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、シクロペンタジエンと対応する構造を有するオレフィン類とをディールス・アルダー反応させることによって製造することができる。これらの一般式(8)、(9)または(10)で表される環状オレフィン由来の構成単位(B)は、2種以上含まれていてもよい。また、上記モノマーを用いて重合したものは必要に応じて変成することができ、その場合にモノマー由来の構造単位の構造を変化させることができる。たとえば水素添加処理によって、条件によりモノマー由来の構造単位中のベンゼン環等をシクロヘキシル環とすることができる。
本発明において、「(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体」としては、エチレンと、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとからなる共重合体であることが好ましい。
また、共重合のタイプは本発明において全く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができるが、好ましくはランダムコポリマーである。
[(ii)開環重合体またはその水素添加物]
(ii)開環重合体またはその水素添加物とは、前記一般式(2)における好ましい例として挙げた構造のうち、一般式(5)で表わされる構成単位を含む環式オレフィン重合体である。
また、環式オレフィン重合体は、極性基を有するものであってもよい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基などが挙げられる。
環式オレフィン重合体は、通常、環式オレフィンを重合することによって、具体的には、脂環式オレフィンを開環重合することによって得られる。また、極性基を有する環式オレフィン重合体は、例えば、前記環式オレフィン重合体に極性基を有する化合物を変性反応により導入することによって、あるいは極性基を含有する単量体を共重合成分として共重合することによって得られる。
環式オレフィン重合体を得るために使用される脂環式オレフィンとして具体的には、
ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−メチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルビニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピルビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ〔4.3.0.12,5〕デカ−3−エン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ〔4.4.0.12,5〕ウンデカ−3−エン、テトラシクロ〔7.4.0.110,13.02,7〕−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ〔8.4.0.111,14.03,8〕−テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン)、テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6.02,7.09,13〕−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ〔7.4.0.13,6.110,13.02,7〕−ペンタデカ−4,11−ジエンなどのノルボルネン系単量体;
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテンのごとき単環のシクロアルケン;ビニルシクロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体;
シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの脂環式共役ジエン系単量体;などが挙げられる。脂環式オレフィンは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、共重合可能な単量体を必要に応じて共重合させることができる。その具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂環式オレフィンの重合方法は、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。これらの開環重合物は、耐熱性、安定性、光学物性の面から、水素添加して用いることが好ましい。水素添加方法は公知の方法を用いることができる。
[(iii)ポリスチレン誘導体の水素添加物]
(iii)ポリスチレン誘導体の水素添加物としては、ビニル化合物を単量体として得られる(共)重合体の水素添加物である。ビニル化合物としては、ビニル芳香族化合物、ビニル脂環式炭化水素化合物などを挙げることができる。
ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチレン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレンなどのスチレン類等を挙げることができる。
ビニル脂環式炭化水素化合物としては、ビニルシクロヘキサン、3−メチルイソプロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン類;4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペニルシクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシクロヘキセン類等を挙げることができる。
本発明においては、前述の単量体と共重合可能な他の単量体を共重合させてもよい。共重合可能な単量体としては、エチレン、プロピレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン系単量体;シクロペンタジエン、1−メチルシクロペンタジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチルシクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、5,5−ジメチルシクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどのシクロペンタジエン系単量体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどのモノ環状オレフィン系単量体;ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、フラン、チオフェン、1,3−シクロヘキサジエンなどの共役ジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなどのニトリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、などの(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和脂肪酸系単量体;フェニルマレイミド;メチルビニルエーテル;N−ビニルカルバゾール、N−ビニル−2−ピロリドンなどの複素環含有ビニル化合物系単量体等が挙げられる。
重合に用いる上記単量体の混合物は、耐熱性、低複屈折性、機械強度等の観点から、ビニル芳香族化合物および/またはビニル脂環式炭化水素化合物を、通常、50質量%以上、好ましくは70〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%含有するものが好ましい。単量体混合物は、ビニル芳香族化合物およびビニル脂環式炭化水素化合物の双方を含有していても構わない。
[(iv)その他の重合体]
(iv)その他の重合体としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物(エチレンや、α−オレフィンなど)との付加重合体、単環シクロアルケンの重合体、脂環式共役ジエン系単量体の重合体、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体、芳香族オレフィン重合体などが挙げられるが、前記(i)〜(iii)に含まれない構造であっても、一般式(2)の範囲内において、任意に選択可能である。例えば、前記、(i)〜(iii)相互、あるいは、公知の共重合可能なモノマーを共重合せしめたものが挙げられる。
また、共重合のタイプは本発明において全く制限されるものではなく、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、交互共重合等、公知の様々な共重合タイプを適用することができるが、好ましくはランダムコポリマーである。
上記(i)〜(iv)で大別される4種のポリマーのうち、光学特性上好ましいものは(i)エチレンまたはα−オレフィンとシクロオレフィンとの共重合体であり、その中でも最も好ましいものはエチレン・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン共重合体である。
(主鎖の一部として用いることのできるその他の構造)
また本発明で用いられる、脂環族構造を有する重合体は、本発明の成形方法によって得られる製品の良好な物性を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な単量体から誘導される繰り返し構造単位を有していてもよい。その共重合比は限定されないが、好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは0〜10モル%であり、共重合量が20モル%以下であれば、光学物性を損なうことなく、高精度の光学部品を得ることができる。また、共重合の種類は限定されない。
(繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体の分子量)
本発明で用いられる脂環族構造を有する重合体の分子量は限定されるものではないが、分子量の代替指標として極限粘度[η]を用いた場合、好ましくは、温度135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]が、0.03〜10dl/g、さらに好ましくは0.05〜5dl/gであり、最も好ましくは0.10〜2dl/gである。極限粘度[η]が上記範囲にあると、良好な成形性を得ることができるとともに、成形物の機械的強度が損なわれることがない。
(繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体のガラス転移温度)
本発明で使用される繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは、50〜240℃である。さらに好ましくは50〜160℃である。最も好ましくは、100〜150℃である。ガラス転移温度(Tg)が上記範囲であると、成形品を光学部品として使用する際に、十分な耐熱性を得ることができるとともに、良好な成形性を得ることができる。
ガラス転移温度の測定装置等は限定されるものではない。例えば示差走査熱量計(DSC)を用いて、熱可塑性非晶性樹脂のガラス転移温度を測定することができる。例えば、SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて昇温速度10℃/分で測定する方法などが挙げられる。
このような脂環族構造を有する重合体は、各々以下のようにして製造することができる。
(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭62−252406号公報、特開昭62−252407号公報などの方法に従い適宜条件を選択することにより製造することができる。(ii)開環重合体またはその水素添加物は、特開昭60−26024号公報、特開平9−268250号公報、特開昭63−145324号公報、特開2001−72839号公報などの方法に従い適宜条件を選択することにより製造することができる。(iii)ポリスチレン誘導体の水素添加物は、WO 01/092412、特開2003−276047号公報、特開2004−83813号公報などの方法に従い適宜条件を選択することにより製造することができる。
さらに、脂環族構造を有する重合体の製造工程において、少なくとも一度、該重合体または該重合体および原料である単量体を含む系に、水素添加触媒および水素を接触させて、該重合体および/または単量体が持つ不飽和結合の少なくとも一部を水素化することで、該重合体の耐熱性、透明性等の光学性能を向上させることができる。なお、上記水素化いわゆる水素添加は、従来公知の方法で行うことができる。
[ヒンダートアミン系化合物]
本発明で使用される、ヒンダートアミン系化合物としては、以下の一般式(1)で表わされる化合物が挙げられる。本発明において用いられるヒンダートアミン系化合物は、立体障害アミン構造を有する。
(化11)
Figure 0004881306
式(1)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜9のアルコキシ基または炭素原子数2〜9のアシル基であり、好ましくは水素原子またはメチル基、さらに好ましくは水素原子である。このような構造である場合、十分な耐候性を得ることができる。
Xは直接結合、または、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、リン原子から選ばれる少なくとも1種を含み、分子量12〜10000であるa+b価の基を示す。基の構造は限定されないが、分子量が10000以下であると、樹脂中での十分な移動速度が得られ、光学性能を損なうことなく良好な耐光性を得ることができる。
Yは直接結合、または、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子、リン原子から選ばれる少なくとも1種を含む分子量12〜10000の基を示す。
なお、R、XおよびYは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
aおよびbはそれぞれの構造単位の分子内における数を示し、いずれも1以上の実数である。aが0より大きいと耐光性が発現し、bが0より大きいと樹脂との親和性が得られる。製造方法によっては、aおよび/またはbの一部が0となるものが混入する場合がある。その場合、aおよび/またはbの一部が0となるものも用いることができる。またaは1〜50、好ましくは1〜40の実数、bは1〜50、好ましくは1〜40の実数であり、a,bがこれらの数字範囲内であると、ヒンダートアミン系化合物の樹脂中での十分な移動速度が得られ、光学性能のバランスを損なうことがない。
またmは0〜50の実数、好ましくは1〜50の実数、より好ましくは3〜50の実数、さらに好ましくは5〜50、特に好ましくは5〜34の実数である。上記範囲であると、樹脂との親和性が得られ、良好な耐光性を得ることができる。
また、前記一般式(1)で表わされるヒンダートアミン系化合物の好ましい例としては、入手のし易さと安定性等の理由により、以下の一般式(11)〜(13)から選ばれる少なくとも1種の構造であることが好ましい。
(化12)
Figure 0004881306
式(11)中、Aは酸素原子またはNHである。Rは水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜9のアルコキシ基または炭素原子数2〜9のアシル基を示す。Xは1種ないし2種以上の分子量12〜100の炭化水素基を示す。なお、A、RおよびXは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。mは0〜50の実数、aは1〜3の実数、bは1〜3の実数である。
(化13)
Figure 0004881306
(式(12)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜9のアルコキシ基または炭素原子数2〜9のアシル基を示す。Xは分子量12〜10000の1種ないし2種以上の炭化水素基を示す。なお、RおよびXは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。mは0〜50の実数、aは1〜50の実数、bは1〜50の実数である。)
Figure 0004881306
式(13)中、RおよびRは、各々独立に水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜9のアルコキシ基、または炭素原子数2〜9のアシル基であり、好ましくは、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基およびアシル基であり、特に好ましくは水素原子とメチル基である。
は水素原子または炭素原子数1〜9のアルキル基であり、好ましくは水素原子および炭素原子数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子とメチル基である。
はNHまたは酸素原子であり、特に好ましくはNHである。
およびWは、各々独立に酸素原子またはN(R)を示し、好ましくはN(R)である。WまたはWがN(R)である場合、Rは水素原子または炭素原子数1〜9のアルキル基であり、特に炭素原子数2〜6のアルキル基が好ましく、n−ブチル基が最も好ましい。
なお、R、R、R、R、W、WおよびXは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
また、mは0〜50の実数であり、好ましくは1〜50の実数、より好ましくは3〜50の実数、さらに好ましくは5〜34の実数、特に好ましくは5〜17の実数である。nは2または3であり、好ましくは3である。aは1または2であり、好ましくは2である。bは1または2であり、好ましくは1である。
式(13)の化合物におけるmの下限値が1以上であると、式(13)の化合物は、脂環族構造を有する重合体のうちでも特に、「(i)エチレンまたはα−オレフィンと環状オレフィンとの共重合体」との相溶性に優れる。そのため、樹脂組成物から得られる成形体は、青紫色レーザに対する光線透過率の低下のみならず光学性能の劣化を効果的に抑制することができる。
一般式(11)のヒンダートアミン系化合物の具体例としては以下の化学式[1]〜[6]が挙げられる。
(化15)
Figure 0004881306
一般式(12)の好ましい態様としては、一般式(14)に示される構造を例示することができる。
(化16)
Figure 0004881306
ここで、Rおよびmは一般式(12)と同様であり、nは重合度を示し2〜50の実数である。
一般式(14)の具体例としては、以下の化学式[7]および化学式[8]が挙げられる。
(化17)
Figure 0004881306
ここで、nは重合度を示し、2〜50の実数である。
また、一般式(13)の具体例としては、以下の化学式[9]〜[17]が挙げられる。
(化18)
Figure 0004881306
(化19)
Figure 0004881306
(ヒンダートアミン系化合物の分子量)
一般式(1)で表されるヒンダートアミン系化合物の分子量は限定されるものではないが、光学部品としての具体的な用途、成形物の形状に応じた最適な分子量のものを選択する必要がある。例えば、光ピックアップ装置に用いられる光学部品にはさまざまな形状のものがあり、一概に言えるものではないが、分子量は好ましくは500〜50000、さらに好ましくは1000〜20000、最も好ましくは1000〜10000である。分子量が上記範囲内であれば、樹脂中でのヒンダートアミン系化合物の十分な移動速度を得ることができ、本発明で使用される脂環構造を有する重合体の持つ光学性能を損なうことなく、良好な耐光安定性と光学性能を得ることができる。さらに、ヒンダートアミン系化合物が必要以上に成形体の表面に浮き出ることがなく光学性能も損なわれず好ましい。
(ヒンダートアミン系化合物の添加量)
本発明で使用されるヒンダートアミン系化合物の添加量は、脂環族構造を有する重合体100質量部に対し、好ましくは0.05〜5質量部であり、さらに好ましくは0.2〜5質量部であり、最も好ましくは、0.4〜4質量部である。ヒンダートアミン系化合物を上記範囲で使用することで、脂環族構造を有する重合体の成形性、機械強度、耐熱性および透明性を損なうことなく、良好な耐光性を得ることができる。
(ヒンダートアミン系化合物の製法)
本発明で使用されるヒンダートアミン系化合物として、一般式(11)および一般式(12)で表わされる化合物は、市場から容易に入手可能であり、例えば、旭電化工業(株)製、ADKSTAB LA−67、BASF社製、Uvinul 5050Hなどが例示できる。また一般式(13)で表わされる化合物は、以下の一般式(15)で表わされる化合物と一般式(16)で表わされる化合物とを、カップリングさせることにより製造することができる。
(化20)
Figure 0004881306
式(15)中、RおよびRは水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜9のアルコキシ基および炭素原子数2〜9アシル基であり、好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基およびアシル基であり、特に好ましくは水素原子とメチル基である。WおよびWは同一または異なっていてもよく、酸素原子またはN(R)を示し、好ましくはN(R)である。WまたはWがN(R)である場合、Rは水素原子または炭素原子数1〜9のアルキル基であり、特に炭素原子数2〜6のアルキル基が好ましく、n−ブチル基が最も好ましい。
(化21)
Figure 0004881306
式(16)中、Rは水素原子および炭素原子数1〜9のアルキル基であり、好ましくは水素原子および炭素原子数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子とメチル基である。XはNHまたは酸素原子であり、特に好ましくはNHである。
また、mは0〜50の実数であり、好ましくは5〜34の実数、さらに好ましくは5〜17の実数である。nは2または3であり、好ましくは3である。aは1または2であり、好ましくは2である。bは1または2であり、好ましくは1である。
一般式(16)で表わされる2つのアミノ基末端を持つ化合物は、分子内に直鎖または分岐鎖のアルキル鎖末端を持つ市販品のアミンから既知の合成法により入手することができ、例えば特表平9−506501号公報、特表平9−508170号公報に記載の方法で合成することができる。
以下に、一般式(15)で表される化合物と一般式(16)で表される化合物の反応により、本発明の一般式(13)で表される化合物を得る方法について、さらに詳細に説明する。
一般式(15)で表される化合物と一般式(16)で表される化合物とのモル比は、最も好ましくは2:1であるが、いずれか片方の化合物を過剰量供給してもよい。過剰量を用いる場合、その量は好ましい量に対して1.01〜10.0倍である。両化合物の反応器への仕込み方は特に制限はなく、例えば、両化合物全量を一括して反応器に移し、反応を開始させてもよいし、片方の化合物中に、もう片方の化合物を反応させながら徐々に添加してもよい。
反応は、脱酸剤の存在下に実施してもよい。使用する脱酸剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの無機塩;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)などの有機塩基を挙げることができる。
反応に用いる溶媒としては、反応に影響しない溶媒であればよく、特に限定されないが、例えば、水;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの飽和炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルなどのエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類;アセトニトリルなどのニトリル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)などを挙げることができる。
これらの溶媒は単独あるいは混合物として使用することができ、混合物として用いる場合、任意の比で使用できる。なお、原料の一般式(15)で表される化合物と一般式(16)で表される化合物は、反応溶媒に溶解させて反応させてもよいし、スラリー状態で反応させてもよい。なお水と相溶しない有機溶媒と水との混合物を反応溶媒として選択した場合は、テトラブチルアンモニウム塩(例えば硫酸水素テトラブチルアンモニウム)などの相間移動触媒を共存させてもよい。
反応溶媒の使用量は特に限定されないが、原料の一般式(15)で表される化合物1gに対して、1〜1000g、好ましくは1〜500g、より好ましくは1〜100gの範囲である。
本反応は、0℃から溶媒の沸点までの温度範囲で実施される。好ましくは、50〜150℃で実施される。なお、オートクレーブ中で反応する場合は、前記の温度範囲に限定されず、0〜300℃、好ましくは0〜250℃の範囲で実施される。
反応時間は特に限定されず、原料、反応条件等に応じて適宜決められるが、通常10分〜72時間である。
本発明の一般式(13)で表される化合物の単離方法については、特に限定されない。生成物が反応溶媒から析出した場合は、濾取もしくは遠心分離することによって単離が可能であり、反応溶媒に溶解している場合は、減圧下溶媒を留去する方法や適当な溶媒を加えて析出させ、濾取もしくは遠心分離する方法が採用可能である。また適当な酸と処理することにより、塩を形成させて前記操作を行ってもよく、これらの方法を組み合わせて実施してもよい。
[リン系安定剤]
本発明の樹脂組成物は、繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体100質量部に対して、リン系安定剤を0.01〜1質量部含むことが好ましい。リン系安定剤によって、本発明の樹脂組成物にレーザー照射を行った際に発生する白濁を抑えることができ、上記数値範囲において特にその効果に優れる。
リン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用される物であれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレンなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C15)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)などのジホスファイト系化合物等を挙げることができる。その他、耐加水分解性を上げる目的で、立体障害の高い基を周囲に持つ比較的高分子量のリン系安定剤、たとえば、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、一分子内に燐酸エステル構造とフェノール構造とを有するものとして例えば、6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン、6−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンなどを用いることもできる。
これらの中でも、6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミンなどが特に好ましい。
[親水性安定剤]
本発明の樹脂組成物は、樹脂の耐湿熱特性の向上や、成形時の離型性の向上等を目的として、親水性の安定剤を添加することが好ましい。親水性安定剤として例えば、特開平9−241484号公報に記載の多価アルコール類、特開2001−26718号公報に記載の多価アルコール、多価アルコールと脂肪酸のエステル、ソルビトール系誘導体、親水基と疎水基とを有する化合物などが挙げられる。
(多価アルコール)
多価アルコールとしては、分子量が2000以下で、同一分子中のヒドロキシル基の数に対する炭素原子数の比率が1.5〜30、好ましくは3〜20、特に好ましくは6〜20で、炭素原子数が6以上のものが挙げられる。この比率と炭素原子数の範囲内であれば、熱可塑性樹脂との相溶性が良く、溶融混練時に発泡を起こして透明性に悪影響を及ぼすこともない。好ましい炭素原子数の範囲は6〜100であり、さらに好ましくは、6〜60である。
この多価アルコールとしては、分子中の少なくとも1個のヒドロキシル基が、1級炭素原子と結合しているもの、あるいは、炭素原子数/ヒドロキシル基数の比率が1.5〜30で炭素原子数6以上の多価アルコールが好ましい。
本発明の多価アルコールには、分子内にエーテル結合、チオエーテル結合、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基を有しているものも含まれるが、好ましくは脂肪族多価アルコールである。
多価アルコールの具体例としては、3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−トリヒドロキシヘキサデカン、ジヒドロキシオクタン、トリヒドロキシオクタン、テトラヒドロキシオクタン、ジヒドロキシノナン、トリヒドロキシノナン、テトラヒドロキシノナン、ペンタヒドロキシノナン、ヘキサヒドロキシノナン、ジヒドロキシトリアコンタン、トリヒドロキシトリアコンタン、エイコサヒドロキシトリアコンタンなどが挙げられる。これらの中では、3,7,11,15−テトラメチル−1,2,3−トリヒドロキシヘキサデカンが好ましい。
また、多価アルコールとして、具体的には1,2−ヘキサデカンジオール、2,3−ヘプタデカンジオール、1,3−オクタデカンジオール、1,2−デシルテトラデカンジオールなども挙げられる。
(多価アルコールと脂肪酸のエステル)
多価アルコールと脂肪酸のエステルとしては、たとえば、特開2001−26682号公報に記載のソルビトール系誘導体等が透明性に優れ、高温高湿度雰囲気下における透明性低下が少ない樹脂組成物が得られるので好適に用いられる。
その他のエステルとしては、特公平07−007529号公報記載の多価アルコールの脂肪酸エステルがグリセリンまたはペンタエリスリトールの一部をエステル化したものであるものも好適な例として挙げられる。
(ソルビトール系誘導体)
ソルビトール系誘導体としては、下記の一般式(17)〜(22)で表される化合物を挙げることができる。
(化22)
Figure 0004881306
式(17)中、各R、R'は互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルコキシ基のいずれかであり、mおよびnはそれぞれ独立に0〜3の整数である。
上記式(17)で表される化合物として具体的には、1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−n−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−s−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(2',4'−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトールおよび1,3,2,4−ジ(p−クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの2個以上の混合物を例示でき、特に1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−クロルベンジリデン)ソルビトールおよびそれらの2種以上の混合物が好適に使用できる。
上記のソルビトール系誘導体の中では、下記の一般式(18)で表される化合物を好ましい例として挙げることができる。
(化23)
Figure 0004881306
式(18)中、R、R'は互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基またはエチル基を示す。
(化24)
Figure 0004881306
式(19)中、各Rは互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルコキシ基のいずれかであり、mは0〜3の整数である。
上記の一般式(19)で表される化合物として具体的には、2,4−ベンジリデンソルビトール、2,4−p−n−プロピルベンジリデンソルビトール、2,4−p−i−プロピルベンジリデンソルビトール、2,4−p−n−ブチルベンジリデンソルビトール、2,4−p−s−ブチルベンジリデンソルビトール、2,4−p−t−ブチルベンジリデンソルビトール、2,4−(2',4'−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、2,4−p−メトキシベンジリデンソルビトール、2,4−p−エトキシベンジリデンソルビトール、2,4−p−クロルベンジリデンソルビトールおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
(化25)
Figure 0004881306
式(20)中、各Rは互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルコキシ基のいずれかであり、nは0〜3の整数である。
上記の式(20)で表される化合物として具体的には、1,3−ベンジリデンソルビトール、1,3−p−n−プロピルベンジリデンソルビトール、1,3−p−i−プロピルベンジリデンソルビトール、1,3−p−n−ブチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−s−ブチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−t−ブチルベンジリデンソルビトール、1,3−(2',4'−ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−p−メトキシベンジリデンソルビトール、1,3−p−エトキシベンジリデンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデンソルビトールおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
(化26)
Figure 0004881306
式(21)中、R1〜R4は炭素原子数10〜30の脂肪族アシル基または水素原子である。
上記の一般式(21)で表される化合物として具体的には、1,5−ソルビタンモノステアレート、1,5−ソルビタンジステアレート、1,5−ソルビタントリステアレート、1,5−ソルビタンモノラウレート、1,5−ソルビタンジラウレート、1,5−ソルビタントリラウレート、1,5−ソルビタンモノパルミテート、1,5−ソルビタンジパルミテート、1,5−ソルビタントリパルミテートおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
(化27)
Figure 0004881306
式(22)中、R5〜R8は炭素原子数10〜30の脂肪族アシル基または水素原子である。
上記の式(22)で表される化合物として具体的には、1,4−ソルビタンモノステアレート、1,4−ソルビタンジステアレート、1,4−ソルビタントリステアレート、1,4−ソルビタンモノラウレート、1,4−ソルビタンジラウレート、1,4−ソルビタントリラウレート、1,4−ソルビタンモノパルミテート、1,4−ソルビタンジパルミテート、1,4−ソルビタントリパルミテートおよびこれらの2種以上の混合物が使用できる。
上記のソルビトール系誘導体のなかでは、前記式(17)〜(20)で表されるベンジリデンソルビトール誘導体が好ましく、さらには、前記式(17)で表されるジベンジリデンソルビトール誘導体が好ましい。また上記の式(17)〜(22)で表されるソルビトール系誘導体は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上述したソルビトール系誘導体の分散性向上のために、それを脂肪酸と混合して使用してもよい。用いられる脂肪酸としては、炭素原子数10〜30の脂肪酸が挙げられる。
(その他のエステル)
その他の多価アルコールと脂肪酸とのエステルとしては、アルコール性水酸基の一部がエステル化されたものを使用する。したがって、使用される多価アルコール脂肪酸エステルの具体例の一部としてグリセリンモノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジステアレート、グリセリンジラウレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等のペンタエリスリトールの脂肪酸エステルが例示できる。
(親水基と疎水基とを有する化合物)
親水基と疎水基とを有する化合物としては、分子中に親水基と疎水基とを有する化合物において、該化合物の親水基がヒドロキシアルキル基であり、疎水基が炭素原子数6以上のアルキル基であるアミン化合物またはアミド化合物が挙げられる。
具体的には、たとえば、ミリスチルジエタノールアミン、2-ヒドロキシエチル-2-ヒドロキシドデシルアミン、2-ヒドロキシエチル-2-ヒドロキシトリデシルアミン、2-ヒドロキシエチル-2-ヒドロキシテトラデシルアミン、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ジ-2-ヒドロキシエチル-2-ヒドロキシドデシルアミン、アルキル(炭素原子数8〜18)ベンジルジメチルアンモニウムクロライド、エチレンビスアルキル(炭素原子数8〜18)アミド、ステアリルジエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、パルミチルジエタノールアミド、などが挙げられる。これらのうちでも、ヒドロキシアルキル基を有するアミン化合物またはアミド化合物が好ましく用いられる。
上記のような親水性安定剤の配合量は、本発明で使用される脂環族構造を有する重合体100質量部に対して、好ましくは0.0001〜10質量部、さらに好ましくは0.05〜5質量部、特に好ましくは0.1〜3質量部である。上記の量で用いることにより、温度や湿度変化における光線透過率の低下や、微小なクラックの発生を防止することができ、該重合体の持つ良好な光学性能を損なうことがない。
[その他の安定剤]
本発明で用いる樹脂組成物には、上述の成分に加えてさらに、本発明の光学部品の良好な特性を損なわない範囲で、公知の親水性安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、天然油、合成油、ワックス、有機または無機の充填剤などが配合されていてもよい。
たとえば、任意成分として配合される耐候安定剤は、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ニッケル系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線吸収剤が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、具体的には、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチル−フェニル)−5−クロロ・ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクトキシ・フェニル)ベンゾトリアゾールなどや、市販されているTinuvin 328、Tinuvin PS(共に、チバ・ガイギー社製)、やSEESORB709(2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、白石カルシウム社製)などのベンゾトリアゾール誘導体などが例示される。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、具体的には、2,4−ジヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ・ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルフォベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン・トリヒドレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシ)プロポキシベンゾフェノンなどや、Uvinul 490(2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ・ベンゾフェノンと他の四置換ベンゾフェノンの混合物、GAF社製)、Permyl B−100(ベンゾフェノン化合物、Ferro社製)などが例示される。
ヒンダードアミン系化合物としては、たとえば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N'−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N' −ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−N−オキシル、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシルピペリジン)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシピペリジル)ブタン−1,2,3,4−テトラカルボキシレート、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−(トリス(2,2,6,6−テトラメチル−N−オキシルピペリジル−4−オキシカルボニル)ブチルカルボニルオキシ)エチル)2,4,6,10−テトラオキサロスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物等が挙げられる。
また、任意成分として配合される耐熱安定剤としては、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2’−オキザミドビス[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなどの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることができ、また、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール−ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系安定剤を使用してもよい。
これらは単独で配合してもよいが、組み合わせて配合してもよい。たとえばテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノステアレートとの組み合わせなどを例示できる。これらの安定剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
また、プロセス酸化防止剤として、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2−第3ブチル−6−(3−第3ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−第3アミル−6−(1−(3,5−ジ−第3アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系フェノール化合物;2,6−ジ−第3ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−第3ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−第3ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−第3ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−第3ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス(2−(3−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)]、トリエチレングリコールビス(3−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)、トコフェノールなどのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第3ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−第3ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−(3,5−ジ−第3ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノール系化合物;などが挙げられ、これらの中でも、アクリレート系フェノール化合物やアルキル置換フェノール系化合物が好ましく、アルキル置換フェノール系化合物が特に好ましい。更にテトラキス(メチレン−3−(3’,5’−ジ−第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタンは耐熱性、安定性に優れ、好ましい。
イオウ系酸化防止剤は、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどを挙げることができる。
ラクトン系酸化防止剤は、ラクトン構造を含む化合物ものであれば特に限定はされないが、芳香族系のラクトン化合物が好ましい。この中でもベンゾフラノン骨格を有するものがより好ましく、さらにアリール基を置換基としてフラン環の側鎖に有する3−アリールベンゾフラン−2−オンがより好ましく、一例として5,7−ジ−第三ブチル−3−(3、4−ジ−メチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オンを挙げることができる。
[樹脂組成物の製造方法]
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。具体的には、脂環族構造を有する重合体およびヒンダートアミン系化合物、また目的に応じてリン系安定剤および親水性安定剤、さらに本発明の目的を損なわない範囲で上記その他の安定剤を添加して混合した後フラッシュ乾燥、または、各成分をヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、メルトブレンダー、ホモミキサー等を用いて混合した後、押出機を用いてペレット化することで、ペレット状の樹脂組成物として得ることができる。さらに、目的とする成形物の形状に応じて、射出成形法、押出成形法、吹込成形法、真空成形法、スラッシュ成形法等により、成形物として得ることができる。
(金属成分含有量)
本発明の樹脂組成物は、該樹脂組成物中に含まれる金属成分として、鉄原子(Fe)の含有量が5ppm以下であることが好ましい。鉄原子の含有量については公知の方法により定量することができ、例えば原子吸光分析などを例示することができる。鉄原子の含有量が5ppmを超えて微量でも樹脂中に存在すると、著しく耐光性が低下し、好ましくは1ppm以下、最も好ましくは0.5ppm以下である。
(その他の金属成分)
その他の金属成分についても、樹脂の劣化を促進する可能性がある金属成分については本発明の効果を妨げない範囲内に抑える必要があり、これら金属成分としては、例えばバナジウム、亜鉛、カルシウムなどが挙げられる。本発明においては、原料、触媒、プロセスから樹脂中に混入する金属を最小限とする必要があり、例えば塩酸吸収剤として用いられるステアリン酸亜鉛等の亜鉛化合物にも樹脂劣化促進効果がある。また、残留する金属触媒成分が少ないと透明性等の光学物性を損なうことがなく好ましい。
(全光線透過率および分光光線透過率)
本発明の樹脂組成物を光学用途に使用する場合、光線を透過させることが必須であるので、光線透過率が良好であることが好ましい。光線透過率は用途に応じて分光光線透過率または全光線透過率により規定される。
全光線、あるいは複数波長域での使用が想定される場合、全光線透過率が良いことが必要であり、反射防止膜を表面に設けていない状態での全光線透過率は85%以上、好ましくは88〜93%である。全光線透過率が85%以上であれば必要な光量を確保することができる。全光線透過率の測定方法は公知の方法が適用でき、測定装置等も限定されないが、例えばASTM D1003に準拠して、熱可塑性、非晶性樹脂を厚み3mmのシートに成形し、ヘーズメーターを用いて、本発明の樹脂組成物を成形して得られるシートの全光線透過率を測定する方法などが挙げられる。
また特定波長域のみで利用される光学系、たとえばレーザ光学系の場合、全光線透過率が高くなくても、該波長域での分光光線透過率が良ければ使用することができる。この場合、使用波長における、反射防止膜を表面に設けていない状態での分光光線透過率は好ましくは85%以上、さらに好ましくは86〜93%である。分光光線透過率が85%以上であれば必要な光量を確保することができる。また測定方法および装置としては公知の方法が適用でき、具体的には分光光度計を例示することができる。
また本発明の樹脂組成物からなる成形体は、300nm〜450nmの波長、さらに390〜420nmの波長、特に400〜420nmの波長、例えばレーザー光の光線透過率に優れる。波長400nmにおける分光光線透過率が85%以上、好ましくは86〜93%であり、且つ劣化を生じ難いことから、光学部品として使用した場合の光学性能の変化が生じにくい。
尚、光学部品として用いる場合、公知の反射防止膜を表面に設けることにより、光線透過率をさらに向上させることができる。
[光学部品]
本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、300nm〜450nmの範囲の光線透過率に優れる。そのため、300nm〜450nmの範囲の波長を含む光源を有する光学系において、光学部品として用いることができる。光学部品とは光学系機器等に使用される部品であり、具体的には、UV用の検出装置に使用する分析セル、UVカットフィルタを使用しない撮像系に使用される光学部品、太陽電池用フィルター等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、さらに光学レンズや光学プリズムとして、カメラの撮像系レンズ;顕微鏡、内視鏡、望遠鏡レンズなどのレンズ;眼鏡レンズなどの全光線透過型レンズ;CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などの光ディスクのピックアップレンズ;レーザービームプリンターのfθレンズ、センサー用レンズなどのレーザー走査系レンズ;カメラのファインダー系のプリズムレンズ;センサーレンズ、回折板、コリメータ、対物レンズ、ビームエキスパンダー、ビームシェイパーなどの光ピックアップ装置用レンズなどに、特に好適に用いることができる。本発明の樹脂組成物から得られる成形体は、390〜420nmの範囲の光線透過率に特に優れるため、青紫色レーザー光源を用いた光ピックアップ装置用レンズとして好適に用いることができる。光ディスク用途としては、CD、CD−ROM、WORM(追記型光ディスク)、MO(書き変え可能な光ディスク;光磁気ディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(デジタルビデオディスク)などが挙げられる。その他の光学用途としては、液晶ディスプレイなどの導光板;偏光フィルム、位相差フィルム、光拡散フィルムなどの光学フィルム;光拡散板;光カード;液晶表示素子基板などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、球状、棒状、板状、円柱状、筒状、チューブ状、繊維状、フィルムまたはシート形状などに成形して、例えば上記の種々の形態で使用することができる。
光学部品を成型する方法としては特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができ、その用途および形状にもよるが、射出成形法、押出成形法、吹込成形法、真空成形法、スラッシュ成形法等が適用可能であるが、射出成形法が成形性、生産性の観点から好ましい。また、成形条件は使用目的、または成形方法により適宜選択されるが、例えば射出成形における樹脂温度は、通常150〜400℃、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃の範囲で適宜選択される。
本発明の樹脂組成物は、低複屈折性、透明性、機械強度、耐熱性、低吸水性に優れるため、種々の用途に使用でき、特に光ピックアップ装置に使用される光学部品に好適に用いることができる。
[光路差付与構造]
光路差付与構造とは、光学部品の少なくとも一つの光学面に、該光学面を通過する所定の光に対して予め定められた光路差を付与する機能を持つ構造である。
以下、ピックアップ装置に関する図1にて、光路差付与構造をさらに詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物から得られる成形体は光学部品として、第1光源、前記第2光源および前記第3光源の共通光路に配置され、回折構造を有する対物レンズOBLに使用される。そして、対物レンズに鋸歯状の回折構造を設けている。
これは光軸を中心として、同心円状に細かい段差を設けたものであり、隣り合う輪帯を通過した光束は、所定の光路差を与えられる。そしてこの鋸歯のピッチ(回折パワー)や深さ(ブレイズド化波長)を設定することにより、「高密度な光ディスク」に対しては、第1光源からの光束が2次回折光による集光スポットとして形成され、DVDに対しては、第2光源からの光束が1次回折光による集光スポットとして形成されるようになっている。
このように、回折次数が異なる光を利用することにより、各々の場合における回折効率を高くすることができ、光量を確保することができる。
まだCDに対しては、第3光源からの光束を、DVDと同じ次数の回折光にすることが好ましいが、これは適宜他の次数になるようにしても良い。この例では、DVDと同じ1次の回折光として集光スポットを形成するようにしている。
このような回折構造は、光路差付与構造の一例であるが、他に公知の「位相差付与構造」や「マルチレベル構造」も採用することができる。
またここでは、光ディスクフォーマットの基板厚差にもとづく球面収差を補正する目的で光路差付与構造が採用されているが、それだけでなく、使用波長の波長差や、使用波長の変動(モードホップ)に基づいて生じる収差の補正にももちろん使用可能である。前者の場合は50ナノメートル以上の波長差に基づいて生じる球面色収差の補正であり、後者の場合は5nm以内の微小な波長変動を補正する。
この例では、回折構造を対物レンズに設けた例を説明したが、コリメータやカップリングレンズなどの他の光学部品に設けることはもちろん可能である。また屈折面、非球面を有する光学部品に、このような素材を用いることが、もっとも好ましい。本発明の樹脂組成物を用いることにより、従来ガラスでのみ実現できた長時間の使用が実現できるようになった上、さらにガラスレンズでは不可能であった光路差付与構造を有するレンズを容易に提供することができる。
[光ピックアップ装置]
光ピックアップ装置とは、光情報記録媒体に対して情報の再生および/または記録を行う機能を有する装置であって、光を出射する光源と、前記光の前記光情報記録媒体への照射および/または前記光情報記録媒体で反射される光の集光を行なう光学部品を備えたものである。光ピックアップ装置の仕様は限定されないが、本願発明の効果を説明するために、図1を参照して、光ピックアップ装置に使用される、本発明の樹脂組成物から得られる光学部品の例について説明する。
図1では、使用波長が405nmのいわゆる青紫色レーザー光源を用いた「高密度な光ディスク」、DVD、CDの3フォーマット互換の光ピックアップ装置をターゲットとしており、第1光情報記録媒体として保護基板厚t1が0.6mmの「高密度な光ディスク」、第2光情報記録媒体として保護基板厚t2が0.6mmのDVD、第3光情報記録媒体として保護基板厚t3が1.2mmのCDを想定している。それぞれD1、D2、D3が基板厚を示している。
図1は、本願発明に関わる光ピックアップ装置を示す模式図である。
レーザーダイオードLD1は、第1光源であり、波長λ1が405nmの青紫色レーザーが用いられるが、波長が390nm〜420nmである範囲のものを適宜採用することができる。LD2は、第2光源であり、波長λ2が655nmの赤色レーザーが用いられるが、波長が630nm〜680nmである範囲のものを適宜採用することができる。LD2は、第3光源でもあり、波長λ3が780nmの赤外レーザーが用いられるが、波長が750nm〜800nmである範囲のものを適宜採用することができる。
レーザーダイオードLD2は、第2の光源(DVD用の光源)、第3の光源(CD用の光源)の、2つの発光点を同一のパッケージに収めた、いわゆる2レーザー1パッケージの光源ユニットである。
このパッケージのうち、第2の光源を光軸上に位置するように調整するので、第3の光源については光軸上からやや離れた処に位置する。そのため、像高が生じてしまうものの、この特性を改善するための技術も既に知られており、それらの技術を必要に応じて適用することができる。ここでは補正板DPを用いることによりその補正を行っている。補正板DPにはグレーティングが形成されており、それによって光軸からのズレを補正する。
なおLD2から実線で描かれているのがDVD用の光源光束であり、点線で描かれているのがCD用の光源光束である。ビームスプリッタBS1はLD1およびLD2から入射する光源光束を対物レンズOBLの方向へ透過または反射させる。
LD1から投光された光束は、ビーム品位向上のため、ビームシェイパーBSLに入射してから上述のBS1を経て、コリメータCLに入射する。これによって無限平行光にコリメートされたのち、ビームスプリッタBS3、さらに凹レンズと凸レンズとから構成されるビームエキスパンダーBEを経て対物レンズOBLに入射する。そして第1光情報記録媒体の保護基板を介して情報記録面上に集光スポットを形成する。そして情報記録面上で反射したのち、同じ経路をたどって、コリメータCLを通過してから、ビームスプリッタBS3によって進行方向を変換された後、センサーレンズSL1を経てセンサーS1に集光する。このセンサーによって光電変換され、電気信号となる。
なおビームエキスパンダーBEと対物レンズOBLとの間には図示しないλ/4(四分の一波長)板が配置されており、行きと帰りとで丁度半波長分位相がずれて偏光方向が変わる。このため復路の光束はBS3によって進行方向が変わる。
さてビームシェイパーBSLは、光軸に対して垂直なある方向と、この方向に対して垂直な方向の、2つの方向に対してそれぞれ異なった曲率を有している(光軸について、回転非対象な曲率を有している)。
光源から出射された光束は、半導体光源の構造上、光軸に対して垂直である方向と、この方向に対して垂直な方向の、2つの方向に対してそれぞれ発散角が異なっており、光軸方向から見て楕円状のビームとなっている。このままでは光ディスク用の光源光束として好ましくないため、ビームシェイパーBSLによって各々の方向に異なった屈折作用を与えることにより、出射光束が略円形断面のビームとなるようにしている。またここではLD1の光路中にビームシェイパーBSLを配置しているが、LD2の光路に配置することも当然可能である。
LD2から投光された光束も、LD1の場合と同様に、光ディスク(第2光情報記録媒体、第3光情報記録媒体)に集光スポットを形成し、反射して最終的にセンサーS2に集光する。BS1によって光路が一致するようにせしめられているだけであって、LD1の場合と変わりはない。
なお対物レンズOBLは、この図では単一のレンズであるが、必要に応じて複数の光学部品から構成されるようにしてもよい。
本発明の樹脂組成物からなる成形体は低複屈折性を有することから、これらの構成の装置に最適に使用できることが明らかである。
[アクチュエータ]
光ピックアップ装置に関する図1において、各LDから投光された光束が光ディスクの保護基板を介して情報記録面に集光する状態が描かれているが、再生/記録する光ディスクによって、基本的な位置がアクチュエータによって切り替わり、その基準位置からピント合わせ(フォーカシング)を行う。
そして各々の光情報記録媒体の保護基板厚、さらにピットの大きさにより、対物レンズOBLに要求される開口数も異なる。ここでは、CD用の開口数は0.45、DVDおよび「高密度な光ディスク」の開口数は0.65としている。ただし、CDについては0.43〜0.50、DVDについては0.58〜0.68の範囲で適宜選択可能である。なおIRは不要光をカットするための絞りである。
また対物レンズOBLには平行光が入射しているが、コリメートせずに、有限発散光が入射するような構成であってもよい。
本発明の樹脂組成物を用いることにより、従来ガラスでのみ実現できた長時間の使用が実現できるようになった上、さらにアクチュエータ等による駆動に必要なトルクが、ガラスレンズに比べ大幅に軽減できることが明らかである。
(実施例)
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また実施例および比較例において、各性状の測定および物性測定方法は以下の方法で実施した。
まず、使用したヒンダートアミン系化合物の合成例を示す。また融点は、試料をキャピラリーに2〜3mm程度の厚さに採取し、浴液中で加熱した時の融け終わりの温度を示す。
(合成例1)
化学式[9]で表わされる化合物の合成。
(化28)
Figure 0004881306
N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン14.5g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン105.1g、炭酸カリウム30.4gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)600ml溶液を100℃で17時間攪拌した。さらにN,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン1.7gを溶液に追加し、100℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後に水500mlを加え、酢酸エチル700mlで抽出した。分液により得られた有機層を水500mlで2回、飽和食塩水50mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物 75.2gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.89−0.98(12H、m)、1.05−1.43(62H、m)、1.43−1.76(22H、m)、2.19(3H、s)、2.40(4H、t、J=6.8Hz)、3.30−3.44(12H、m)、5.18(4H、br)
MS(FD,m/z):1144
融点:85℃
(合成例2)
化学式[10]で表わされる化合物の合成。
(化29)
Figure 0004881306
(1)N,N−ビス(2−シアノエチル)ヘキシルアミンの合成
ヘキシルアミン15.5gの水溶液(150ml)に、室温下アクリロニトリル20.1gを0.5時間かけて滴下し、その後70℃で3時間撹拌した。室温まで放冷後、酢酸エチル150mlを加えて抽出した。分液により得た有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、溶媒を留去して標題化合物31.4gを無色油状物として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.89(3H、t、J=6.5Hz)、1.23−1.35(6H、m)、1.35−1.50(2H、m)、2.38−2.55(6H、m)、2.86(4H、t、6.8Hz)
(2)N,N−ビス(3−アミノプロピル)ヘキシルアミンの合成
オートクレーブにN,N−ビス(2−シアノエチル)ヘキシルアミン31.0g、RaneyCo4.65g、1,4−ジオキサン150mlを装入し、水素初気圧9.1MPa、110℃で2時間水素添加反応を行った。触媒を濾去後、得られた濾液を濃縮乾固することにより、標題化合物32.4gを淡赤色油状物として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.88(3H、t、J=6.6Hz)、1.26−1.34(6H、m)、1.34−1.50(2H、m)、1.50−1.69(4H、m)、2.35−2.47(6H、m)、2.67−2.79(4H、m)
GC−MS(m/z):215
(3)化学式[10]で表される化合物の合成
N,N−ビス(3−アミノプロピル)ヘキシルアミン21.5g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン112.9g、炭酸カリウム30.4gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)1000ml溶液を100℃で14時間攪拌した。さらにN,N−ビス(3−アミノプロピル)ヘキシルアミン3.2gを溶液に追加し、100℃で11時間攪拌した。室温まで放冷後に水500mlを加え、酢酸エチル700mlで抽出した。分液により得られた有機層を水500mlで2回、飽和食塩水30mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物 57.0gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.84−0.94(15H、m)、1.05−1.28(70H、m)、1.28−1.73(22H、m)、2.35(2H、t、J=7.6Hz)、2.46(4H、t、J=6.4Hz)、3.29−3.41(12H、m)、5.15(4H、br)
MS(FD,m/z):1214
融点:72℃
(合成例3)
化学式[11]で表わされる化合物の合成。
(化30)
Figure 0004881306
(1)N,N−ビス(2−シアノエチル)ドデシルアミンの合成
1−アミノドデカン27.8gのエタノール溶液(150ml) に、室温下アクリロニトリル39.8gを0.5時間かけて滴下し、その後、酢酸22.5gを0.5時間かけて滴下し、77℃で10時間攪拌した。室温まで放冷後に水150ml、28%アンモニア水22.8gを加え、酢酸エチル330mlで抽出した。分液により得た有機層を水100ml、飽和食塩水50mlで2回洗浄した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物39.7gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.90(3H、t、J=6.5Hz)、1.21−1.32(18H、m)、1.32−1.51(2H、m)、2.52−2.59(6H、m)、2.82(4H、t、6.5Hz)
(2)N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミンの合成
オートクレーブにN,N−ビス(2−シアノエチル)ドデシルアミン19.7g、RaneyCo1.97g、1,4−ジオキサン80mlを装入し、水素初気圧8.2MPa、120℃で2時間水素添加反応を行った。触媒を濾去後、得られた濾液を濃縮乾固することにより、標題化合物21.0gを淡赤色油状物として得た。本操作をもう一度行うことにより、計40.8gの標題化合物である淡赤色油状物を得た。
H NMR(CDCl):δ=0.88(3H、t、J=6.5Hz)、1.26−1.37(18H、m)、1.37−1.47(2H、m)、1.53−1.68(4H、m)、2.35−2.47(6H、m)、2.72−2.85(4H、m)
GC−MS(m/z):299
(3)化学式[11]で表される化合物の合成
N,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミン30.0g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン107.7g、炭酸カリウム30.4gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)700ml溶液を100℃で16時間攪拌した。室温まで放冷後に水500mlを加え、酢酸エチル700mlで抽出した。分液により得られた有機層を水500mlで2回、飽和食塩水50mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物 60.7gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.83−0.89(15H、m)、1.11−1.25(82H、m)、1.25−1.69(22H、m)、2.32(2H、t、J=7.6Hz)、2.43(4H、t、J=6.4Hz)、3.27−3.37(12H、m)、5.24(4H、br)
MS(FD,m/z):1298
融点:60℃
(合成例4)
化学式[12]で表わされる化合物の合成。
(化31)
Figure 0004881306
(1)N,N−ビス(2−シアノエチル)オクタデシルアミンの合成
ステアリルアミン41.7gのエタノール溶液(150ml) に、室温下アクリロニトリル40.2gを0.5時間かけて滴下し、その後、酢酸22.5gを0.5時間かけて滴下し、77℃で10時間攪拌した。室温まで放冷後に水200ml、28%アンモニア水22.8gを加え、酢酸エチル500mlで抽出した。分液により得た有機層を水100ml、飽和食塩水50mlで洗浄した。無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を留去後、濃縮残渣をイソプロピルアルコールを溶媒として再結晶化し、標題化合物42.4gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.88(3H、t、J=6.6Hz)、1.20−1.38(30H、m)、1.38−1.47(2H、m)、2.43−2.55(6H、m)、2.86(4H、t、6.9Hz)
(2)N,N−ビス(3−アミノプロピル)オクタデシルアミンの合成
オートクレーブにN,N−ビス(2−シアノエチル)オクタデシルアミン42.1g、RaneyCo3.26g、1,4−ジオキサン150mlを装入し、水素初気圧8.0MPa、110℃で2時間水素添加反応を行った。触媒を濾去後、得られた濾液を濃縮乾固することにより、標題化合物42.3gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.88(3H、t、J=6.6Hz)、1.26−1.36(30H、m)、1.36−1.47(2H、m)、1.53−1.66(4H、m)、2.35−2.50(6H、m)、2.72−2.79(4H、m)
GC−MS(m/z):383
(3)化学式[12]で表される化合物の合成
N,N−ビス(3−アミノプロピル)オクタデシルアミン38.4g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン107.7g、炭酸カリウム30.4gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)900ml溶液を100℃で16時間攪拌した。さらにN,N−ビス(3−アミノプロピル)オクタデシルアミン1.5gを溶液に追加し、100℃で11.5時間攪拌した。室温まで放冷後に水500mlを加え、酢酸エチル700mlで抽出した。分液により得られた有機層を水500mlで2回、飽和食塩水50mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物 74.2gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.85−0.94(15H、m)、1.05−1.33(94H、m)、1.33−1.73(22H、m)、2.35(2H、t、J=7.3Hz)、2.464H、t、J=6.4Hz)、3.29−3.43(12H、m)、5.26(4H、br)
MS(FD,m/z):1382
融点:46℃
(合成例5)
化学式[13]で表される化合物の合成。
(化32)
Figure 0004881306
N,N−ビス(3−アミノプロピル)ブチルアミン12.4g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン64.4g、炭酸カリウム10.0gのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)150ml溶液を120℃で8時間攪拌した。室温まで放冷後に水450mlを加え、酢酸エチル600mlで抽出した。分液により得られた有機層を水450mlで2回、飽和食塩水30mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物62.1gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.80−0.94(15H、m)、1.12(24H、s)、1.27(24H、s)、1.16−1.78(36H、m)、1.70(4H、t、J=6.6Hz)、2.29−2.40(2H、m)、2.45(4H、t、J=6.6Hz)、3.16−3.38(8H、m)、3.39(4H、dd、J=5.9、11.9Hz)、5.06−5.40(4H、m)
MS(FD,m/z):1186
融点:78℃
(合成例6)
化学式[14]で表される化合物の合成。
(化33)
Figure 0004881306
N,N−ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン4.49g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン33.5g、炭酸カリウム8.21gのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)75ml溶液を120℃で7時間攪拌した。室温まで放冷後に水200mlを加え、酢酸エチル300mlで抽出した。分液により得られた有機層を水200mlで2回、飽和食塩水30mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物21.2gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.90(12H、t、J=6.9Hz)、1.09(24H、s)、1.15(24H、s)、1.10−1.65(32H、m)、1.72(4H、t、J=6.9Hz)、2.18(3H、s)、2.24(12H、s)、2.38(4H、t、J=6.9Hz)、3.20−3.40(8H、m)、3.38(4H、dd、J=6.9、12.9Hz)、5.00−5.28(4H、m)
MS(FD,m/z):1200
融点:94℃
(合成例7)
化学式[15]で表される化合物の合成。
(化34)
Figure 0004881306
N,N−ビス(3−アミノプロピル)ブチルアミン8.44g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン50.8g、炭酸カリウム12.4gのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100ml溶液を120℃で7時間攪拌した。室温まで放冷後に水400mlを加え、酢酸エチル500mlで抽出した。分液により得られた有機層を水400mlで2回、飽和食塩水30mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物35.4gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.82−0.96(15H、m)、1.09(24H、s)、1.15(24H、s)、1.16−1.70(36H、m)、1.70(4H、t、J=6.6Hz)、2.24(12H、s)、2.31−2.40(2H、m)、2.45(4H、t、J=6.6Hz)、3.18−3.38(8H、m)、3.38(4H、dd、J=6.6、12.5Hz)、4.95−5.35(4H、m)
MS(FD,m/z):1242
融点:86℃
(合成例8)
化学式[16]で表される化合物の合成の合成。
(化35)
Figure 0004881306
合成例2と同様にして得られたN,N−ビス(3−アミノプロピル)ヘキシルメチルアミン28.8g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン120.1g、炭酸カリウム76.5gの1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)500ml溶液を100℃で12時間攪拌した。室温まで放冷後に水500mlを加え、酢酸エチル700mlで抽出した。分液により得られた有機層を水500mlで2回、飽和食塩水30mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物68.4gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.78−0.96(15H、m)、1.09(24H、s)、1.15(24H、s)、1.10−1.76(40H、m)、1.70(4H、t、J=6.6Hz)、2.24(12H、s)、2.28−2.40(2H、m)、2.45(4H、t、J=6.6Hz)、3.20−3.40(8H、m)、3.38(4H、dd、J=6.6、12.5Hz)、5.00−5.28(4H、m)
MS(FD,m/z):1270
融点:81℃
(合成例9)
化学式[17]で表される化合物の合成。
(化36)
Figure 0004881306
合成例3と同様にして得られたN,N−ビス(3−アミノプロピル)ドデシルアミン12.2g、2−クロロ−4,6−ビス(N−(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン45.1g、炭酸カリウム11.1gのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)100ml溶液を120℃で7時間攪拌した。室温まで放冷後に水350mlを加え、酢酸エチル400mlで抽出した。分液により得られた有機層を水350mlで2回、飽和食塩水30mlで1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物23.3gを白色固体として得た。
H NMR(CDCl):δ=0.80−0.96(15H、m)、1.09(24H、s)、1.15(24H、s)、1.10−1.70(52H、m)、1.70(4H、t、J=6.6Hz)、2.24(12H、s)、2.29−2.39(2H、m)、2.45(4H、t、J=6.6Hz)、3.18−3.40(8H、m)、3.38(4H、dd、J=6.6、12.5Hz)、5.00−5.32(4H、m)
MS(FD,m/z):1354
融点:67℃
次に、各物性値の測定方法は以下の通りである。
[溶融流れ指数(MFR)]
ASTM D1238に準じ260℃、荷重2.16kgで測定。
[軟化温度(TMA)]
デュポン社製 Thermal Mechanical Analyzerを用いて、厚さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。シート上に石英製針を載せて荷重49gをかけ、速度5℃/分で昇温させ、針がシートに0.635mm侵入した温度を軟化温度とした。
[ヘイズ(HAZE)]
シリンダー温度260℃、金型温度125℃に設定された射出成形機(東芝機械(株)製IS−50)により、射出成形された45mmφ×3mm(厚さ)の光学面を持つテストピースを用い、ASTM D1003に基づいて測定した。
[鉄原子の含有量]
樹脂組成物100gを蒸発皿に計りとり、電気炉にて、空気中400℃で30分間加熱して灰分を得た。この灰分中の鉄原子の量を、原子吸光分析により測定することにより、樹脂組成物中の鉄原子の量を求めた。
[波長400nmでの分光光線透過率(T400)]
シリンダー温度260℃、金型温度125℃に設定された射出成形機(東芝機械(株)製IS−50)により、射出成形された45mmφ×3mm(厚さ)の光学面を持つテストピースを用い、分光光度計を用いて、波長400nmにおける光線透過率を測定した。
[環境試験(Δヘイズ)]
上記ヘイズ測定の後、角板を温度80℃、相対湿度90%の雰囲気下に48時間放置した後、再度ヘイズ(Haze)を測定し、環境試験前に比較してのヘイズの増分をΔヘイズとした。
[青紫色レーザ光での信頼性評価]
シリンダー温度260℃、金型温度125℃に設定された射出成形機(東芝機械(株)製IS−50)により、射出成形された45mmφ×3mm(厚さ)の光学面を持つテストピースを用い、レーザーダイオード(ネオアーク社製TC4030S−F405ASU)を用いて波長405±10nm、200mW/cmの青紫色レーザ光を60℃の恒温槽に載置したテストピースの中心に1000時間照射した。照射前、および照射250時間毎に1000時間まで、テストピースの中心3mmφの波面RMS値を測定し、経時変化を評価した。RMS値の測定はレーザ干渉計(ザイゴ社製PTI 250RS(直線偏光仕様))を使用した。また、実体顕微鏡によりテストピース照射部位を観察し、白濁および異物付着の有無を確認した。結果は次の記号で表記した。
(RMS値の評価)
○:RMS値変化無し。
△:RMS値変化率が0.01λ未満で観測された。
×:RMS値が0.01λ以上変化している。または、測定不能となった。
(白濁および異物付着の評価)
▽:白濁および異物の付着が顕著に観察された。
実施例および比較例で使用したヒンダートアミン系化合物、リン系安定剤および親水性安定剤等は、以下の化合物を使用した。
(化合物A)
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物(旭電化工業株式会社製、商品名アデカスタブ LA−67)
(化合物B)
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−C12−21およびC18不飽和脂肪酸エステル(サイテック社製、商品名CYASORB UV−3853)
(化合物C)
下記の化学式[13]で表わされる化合物(BASF製、商品名Uvinul 5050H(分子量3500、融点125℃))
(化37)
Figure 0004881306
ここで、nは重合度を示示す。
(化合物D)
ビス(2,2’,6,6’−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(チバガイギー社製、商品名TINUVIN 770)
(化合物E)
合成例1により得られた、化学式[9]で表わされる化合物。
(化合物F)
合成例2により得られた、化学式[10]で表わされる化合物。
(化合物G)
合成例3により得られた、化学式[11]で表わされる化合物。
(化合物H)
合成例4により得られた、化学式[12]で表わされる化合物。
(化合物I)
合成例5によって得られた化学式[13]で表される化合物。
(化合物J)
合成例6によって得られた化学式[14]で表される化合物。
(化合物K)
合成例7によって得られた化学式[15]で表される化合物。
(化合物L)
合成例8によって得られた化学式[16]で表される化合物。
(化合物M)
合成例9によって得られた化学式[17]で表される化合物。
(リン系安定剤A)
トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン(チバガイギー社製、商品名IRGAFOS12)
(リン系安定剤B)
6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン(住友化学株式会社製、商品名スミライザーGP)
(親水性安定剤)
ペンタエリスリトールモノステアリルエステル(花王株式会社製、商品名エキセパールPE−MS)
[樹脂組成物Aの製造方法]
(触媒の調製)
VO(OC)Clをシクロヘキサンで希釈し、バナジウム濃度が6.7ミリモル/L−シクロヘキサンであるバナジウム触媒を調製した。エチルアルミニウムセスキクロリド(Al(C1.5Cl1.5)をシクロヘキサンで希釈し、アルミニウム濃度が107ミルモル/L−ヘキサンである有機アルミニウム化合物触媒を調製した。
(重 合)
攪拌式重合器(内径500mm、反応容積100L)を用いて、連続的にエチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとの共重合反応を行った。
この共重合反応を行う際には、前記方法によって調製されたバナジウム触媒を、重合溶媒として用いられた重合器内のシクロヘキサンに対するバナジウム触媒濃度が0.6ミリモル/Lになるような量で重合器内に供給した。
また、有機アルミニウム化合物であるエチルアルミニウムセスキクロリドを、Al/V=8.0になるような量で重合器内に供給した。重合温度を11℃とし、重合圧力を1.8kg/cmGとして連続的に共重合反応を行った。
(脱 灰)
重合器より抜出した、エチレン・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン共重合体溶液を、水およびpH調節剤として、濃度が25重量%のNaOH溶液をこの共重合体溶液に添加し重合反応を停止させ、また、共重合体中に存在する触媒残渣をこの共重合体溶液中から除去(脱灰)した。
前記脱灰処理を行った、エチレン・テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン共重合体のシクロヘキサン溶液に、必要に応じて、上記のリン系安定剤および親水性安定剤を表1に記載の量で添加した後、加熱工程にて熱源として20kg/cmGの水蒸気を用いた二重管式加熱器(外管径2B、内管径3/4B、長さ21m)に、シクロヘキサン溶液中の共重合体の濃度を5重量%とした前記共重合体のシクロヘキサン溶液を150kg/Hの量で供給して、180℃に加熱した。
次いで、熱源として25kg/cmGの水蒸気を用いた二重管式フラッシュ乾燥器(外管径2B、内管径3/4B、長さ27m)とフラッシュホッパー(容積200L)とを用いて、前記加熱工程を経た前記共重合体のシクロヘキサン溶液から重合溶媒であるシクロヘキサンとともに大半の未反応モノマーを除去することでフラッシュ乾燥された溶融状態の環状オレフィンランダム共重合体を得た。次いで、ベント付二軸混練押出機を用い、上記の溶融状態の環状オレフィンランダム共重合体を押出機の樹脂装入部より装入した後、ベント部分より揮発物を除去する目的で、トラップを介し真空ポンプで吸引しつつ、ベント部よりも下流側のシリンダー部に、前記の化合物A〜Mを表1に記載の量で添加し、押出機のベント部より下流側で混練して混合した。次いで、押出機出口に取り付けられたアンダーウォーターペレタイザーによりペレット化し、得られたペレットを温度100℃の熱風にて4時間乾燥した。
尚、表1中のリン系安定剤、親水性安定剤および化合物A〜Mの添加量は、重合体100質量部に対する添加量(質量部)である。
[樹脂組成物Bの製造方法]
窒素置換した耐圧容器に、スチレン7.68kgとイソプレン0.32kgを添加して混合攪拌し、脱水シクロヘキサン32kg、混合モノマー0.4kg及びジブチルエーテル0.01kgを仕込み、50℃で撹拌しながらn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(濃度15%)0.0454kgを添加して重合させた。重合開始から0.5時間経過後、混合モノマー7.6kgを1時間かけて連続的に添加した。混合モノマーの添加終了から0.5時間経過後、イソプロピルアルコール0.01kgを添加し、スチレン−イソプレンランダム共重合体が溶解した重合反応溶液を得た。
次いで、上記重合反応溶液40kgに、安定化ニッケル水素化触媒E22U(日揮化学工業社製;60%ニッケル担持シリカ−アルミナ担体)0.3kgを添加混合し混合液を得、それをオートクレーブに仕込んだ。該オートクレーブに水素ガスを供給し、撹拌しながら、オートクレーブ内を160℃、4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。水素化反応終了後、濾過により水素化触媒を除去して、無色透明な溶液を得た。
水素化されたスチレン−イソプレンランダム共重合体のシクロヘキサン溶液に、上記のリン系安定剤を表1に記載の量で添加した後、加熱工程にて熱源として20kg/cmGの水蒸気を用いた二重管式加熱器(外管径2B、内管径3/4B、長さ21m)に、シクロヘキサン溶液中の共重合体の濃度を5重量%とした前記共重合体のシクロヘキサン溶液を150kg/Hの量で供給して、180℃に加熱した。
次いで、熱源として25kg/cmGの水蒸気を用いた二重管式フラッシュ乾燥器(外管径2B、内管径3/4B、長さ27m)とフラッシュホッパー(容積200l)とを用いて、前記加熱工程を経た前記共重合体のシクロヘキサン溶液から重合溶媒であるシクロヘキサンとともに大半の未反応モノマーを除去することでフラッシュ乾燥された溶融状態のビニル脂環式炭化水素重合体を得た。次いで、ベント付二軸混練押出機を用い、上記の溶融状態のビニル脂環式炭化水素重合体を押出機の樹脂装入部より装入した後、ベント部分より揮発物を除去する目的で、トラップを介し真空ポンプで吸引しつつ、ベント部よりも下流側のシリンダー部に、前記の化合物GまたはHを表1に記載の量で添加し、押出機のベント部より下流側で混練して混合した。次いで、押出機出口に取り付けられたアンダーウォーターペレタイザーによりペレット化し、得られたペレットを温度100℃の熱風にて4時間乾燥した。
尚、表1中のリン系安定剤、および化合物GまたはHの添加量は、重合体100質量部に対する添加量(質量部)である。
[樹脂組成物Cの製造方法]
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン50kgに、1−ヘキセン0.082kg、ジブチルエーテル0.015kg、トリイソブチルアルミニウム0.03kgを室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、8−メチル−テトラシクロ〔4.4.0.12,5.17,10〕−ドデカ−3−エン(メチルテトラシクロドデセン、以下、「MTD」と略記する。)20kgと、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)8kgとを、2時間かけて連続的に添加し重合した。
重合溶液にブチルグリシジルエーテル0.106kgとイソプロピルアルコール0.052kgを加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させた。次いで、得られた開環重合体を含有する反応溶液70kgに対して、シクロヘキサン30kgを加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)0.5kgを加え、水素により5MPaに加圧し、撹拌しながら温度200℃まで加温し、4時間反応させ、さらに濾過により水素化触媒を除去して、無色透明な溶液を得た。
水素化されたMTD開環重合体のシクロヘキサン溶液に、上記のリン系安定剤を表1に記載の量で添加した後、加熱工程にて熱源として20kg/cmGの水蒸気を用いた二重管式加熱器(外管径2B、内管径3/4B、長さ21m)に、シクロヘキサン溶液中の共重合体の濃度を5重量%とした前記共重合体のシクロヘキサン溶液を150kg/Hの量で供給して、180℃に加熱した。
次いで、熱源として25kg/cmGの水蒸気を用いた二重管式フラッシュ乾燥器(外管径2B、内管径3/4B、長さ27m)とフラッシュホッパー(容積200l)とを用いて、前記加熱工程を経た前記共重合体のシクロヘキサン溶液から重合溶媒であるシクロヘキサンとともに大半の未反応モノマーを除去することでフラッシュ乾燥された溶融状態のMTD開環重合体の水素添加物を得た。次いで、ベント付二軸混練押出機を用い、上記の溶融状態のMTD開環重合体の水素添加物を押出機の樹脂装入部より装入した後、ベント部分より揮発物を除去する目的で、トラップを介し真空ポンプで吸引しつつ、ベント部よりも下流側のシリンダー部に、前記の化合物GまたはHを表1に記載の量で添加し、押出機のベント部より下流側で混練して混合した。次いで、押出機出口に取り付けられたアンダーウォーターペレタイザーによりペレット化し、得られたペレットを温度100℃の熱風にて4時間乾燥した。
尚、表1中のリン系安定剤および化合物GまたはHの添加量は、重合体100質量部に対する添加量(質量部)である。
(実施例1〜25および比較例1〜3)
上記の製造方法により、表1に示したリン系安定剤、親水性安定剤および化合物A〜Mを含む樹脂組成物(A)〜(C)を製造した。樹脂組成物の溶融流れ指数(MFR)、軟化温度(TMA)を表1に示す。
次いで、得られた樹脂組成物を、シリンダー温度260℃、金型温度125℃に設定された射出成形機(東芝機械(株)製IS−50)にて射出成形して、45mmφ×3mm(厚さ)の光学面を持つテストピース作製し、ヘイズ(HAZE)、波長400nmでの分光光線透過率(T400)、青紫色レーザ光での信頼性評価、および環境試験(Δヘイズ)を実施した。結果を表2に示す。
尚、実施例14と実施例15の添加剤処方は同じであるが、実施例14および実施例15の樹脂組成物中の鉄原子の含有量はそれぞれ、実施例14は0.4ppm、実施例15は5.6ppmであった。
(表1)
Figure 0004881306
(表2)
Figure 0004881306
本発明の樹脂組成物は、成形性、低複屈折、耐熱性、大量生産性、機械強度、光線透過率に優れ、特に、青紫レーザー光源使用中の光線透過率低下を防ぐことができ、光学性能の劣化が極めて小さい光学部品に好適な樹脂組成物である。本発明の樹脂組成物から得られる光学部品は、光ピックアップ装置に用いられる光学部品として好適に使用することができる。

Claims (22)

  1. 繰り返し構造単位の少なくとも一部に脂環族構造を有する重合体および下記化学式[1]乃至[6]で表される化合物、一般式(14)で表される化合物、および一般式(13)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種であるヒンダートアミン系化合物を含む樹脂組成物であって、該重合体100質量部に対して、ヒンダートアミン系化合物を0.05〜5質量部含む樹脂組成物;
    Figure 0004881306
    Figure 0004881306
    (式(14)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜9のアルキル基、炭素原子数1〜9のアルコキシ基または炭素原子数2〜9のアシル基を示す。mは0〜50の実数である。nは重合度を示し2〜50の実数である。)
    Figure 0004881306
    (式(13)中、RおよびRは、いずれも水素原子であるか、いずれもメチル基である。
    は水素原子である。
    はNである。
    およびWは、N(R)を示し、Rは−Cである。
    、それぞれ1種であってもよく、2種を任意の割合で有していてもよい。
    は0〜50の実数、nは3、aは2、bは1である。)
  2. 前記重合体が、一般式(2)
    Figure 0004881306
    (式(2)中、x,yは共重合比を示し、0/100≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。
    nは置換基Qの置換数を示し、0≦n≦2の実数である。
    は、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2+n価の基である。
    は、水素原子、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
    は、炭素原子数2〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる4価の基である。
    Qは、COOR(Rは、水素原子、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。)である。
    、R、RおよびQは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。)
    で表わされる、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記重合体が、下記一般式(7)
    Figure 0004881306
    (式(7)中、Rは、炭素原子数2〜20の炭化水素基よりなる群から選ばれる2価の基である。
    は、水素原子、又は炭素原子数1〜10の炭化水素基よりなる群から選ばれる1価の基である。
    およびRは、それぞれ1種であってもよく、2種以上を任意の割合で有していてもよい。
    x,yは共重合比を示し、5/95≦y/x≦95/5を満たす実数である。x,yはモル基準である。)
    で表される一種又は二種以上の構造を有する重合体である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記重合体の共重合比y/xが、50/50≦y/x≦95/5である、請求項2または3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記重合体が、エチレンおよびテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンからなる共重合体である、請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. ヒンダートアミン系化合物の分子量が、500〜50000であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 一般式(14)で表される前記化合物は、化学式[7]または化学式[8]で表される化合物であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂組成物:
    Figure 0004881306
    (式中、nは重合度を示し、2〜50の実数である。)。
  8. 一般式(13)において、mは1〜50の実数である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  9. 一般式(13)で表される前記化合物は、化学式[9]乃至化学式[17]のいずれかで表される化合物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の樹脂組成物:
    Figure 0004881306
    Figure 0004881306
  10. 鉄原子の含有量が5ppm以下である、請求項1乃至9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. 前記重合体100質量部に対して、リン系安定剤を0.01〜1質量部含む、請求項1乃至10のいずれかに記載の樹脂組成物。
  12. 前記重合体100質量部に対して、親水性安定剤を0.05〜5質量部含む、請求項1乃至11のいずれかに記載の樹脂組成物。
  13. 光学部品の成形に用いられる、請求項1乃至12のいずれかに記載の樹脂組成物。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の樹脂組成物を成形して得られる光学部品。
  15. 光路差付与構造を有する、請求項14に記載の光学部品。
  16. 光ピックアップ装置に用いられる、請求項14または15に記載の光学部品。
  17. 前記光ピックアップ装置は、波長の異なる複数の光源を用いるとともに、基板厚の異なる複数種の光情報記録媒体に対して情報の記録または再生が可能である、請求項16に記載の光学部品。
  18. 前記光源の少なくとも一つが、390nm〜420nmの波長を有する、請求項17に記載の光学部品。
  19. 前記光学部品の少なくとも一部がアクチュエータに保持されて可動可能である、請求項16乃至18のいずれかに記載の光学部品
  20. 請求項16乃至19のいずれかに記載の光学部品を用いた、光ピックアップ装置。
  21. 300nm〜450nmの範囲の波長を含む光源を有する光学系において用いられる、請求項14に記載の光学部品。
  22. 請求項1乃至13のいずれかに記載の樹脂組成物を光学部品の材料として用いる方法。
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