JP2009227840A - 環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料を用いて、発振波長390〜430nmの青紫色レーザー光を、高い照射密度で長時間にわたって照射しても、被照射部の白濁や透明性の低下がなく、機械的物性と光学特性の劣化が十分に抑制された光学部品を提供すること。
【解決手段】環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学成形品であって、該環状オレフィン系付加型重合体が、15ppb以下の金属元素Fe含有量を有するものである光学成形品。
【選択図】なし
【解決手段】環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学成形品であって、該環状オレフィン系付加型重合体が、15ppb以下の金属元素Fe含有量を有するものである光学成形品。
【選択図】なし
Description
本発明は、環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学成形品に関し、さらに詳しくは、耐ブルーレーザー性が著しく改善された光学成形品に関する。本発明の光学成形品は、波長390〜430nmの範囲にある青紫色レーザー光を照射して用いられる光学レンズなどの技術分野で好適に用いることができる。
通信や放送などの異なる複数のサービス形態を用いて、映像、画像、音、文字などの情報を高速で送受信するマルチメディアが発達している。それに伴い、該マルチメディアに対応するパーソナルコンピュータ、オーディオ・ビジュアル機器、テレビゲーム機などの情報処理機器が急速に普及している。
マルチメディアに対応可能な情報処理機器には、膨大な情報を保存し再生するために、CD−ROM、CD−R、MD、DVDなどの光学式情報記録媒体が装備されている。マルチメディアによる情報量の増大に対応するには、光学式情報記録媒体の記録密度を高くして、記録容量を大きくする必要がある。光学式情報記録媒体の高記録密度化が進められると、光学式情報記録媒体への情報の書き込み及び記録された情報の読み出しに使用するレーザー光を、より短波長とする必要が生じる。
近年、発振波長390nm〜430nmの青紫色レーザー光など、発振波長の短い半導体レーザー光を発振することができるレーザー装置の開発が進められており、従来の赤色半導体レーザー光よりも、より短波長のレーザー光の利用が可能になっている。
レーザー光を用いた光学式情報記録方式には、レーザー光の焦点を記録面上に合わせるためのレンズ(「ピックアップレンズ」と呼ばれている)が用いられている。このレンズとしては、一般に、非球面形状のプラスチックレンズが使用されている。該プラスチックレンズは、レーザー光が照射され透過する条件下で用いられるため、耐レーザー性に優れており、レーザー光の照射と透過によって性能が劣化することなく、高度の透明性を安定して保持できることが求められている。
このような耐レーザー性を有するプラスチックレンズの材料として、環状オレフィン系付加型重合体が注目されている。環状オレフィン系付加型重合体としては、少なくとも一種のノルボルネン系単量体(「環状オレフィン」ということがある)の付加型単独重合体または共重合体、及びα−オレフィンとノルボルネン系単量体との付加型共重合が代表的なものである。環状オレフィン系付加型重合体は、透明性、低複屈折性、耐吸水性、防湿性、耐熱性などに優れており、光学用樹脂材料として好適である。
例えば、特開2006−22264号公報(特許文献1)には、エチレン−テトラシクロドデセン付加型共重合体などのα−オレフィンとノルボルネン系単量体との付加型共重合に、ペンタエリスリトールと炭素数9〜27の脂肪酸とのエステルを含有させた熱可塑性樹脂組成物が開示されている。該熱可塑性樹脂組成物からなる成形品は、例えば、温度80℃と相対湿度90%の高温・高湿環境下に長時間にわたって置かれた場合に、光線透過率の低下や微小クラックの発生が抑制されている。
しかし、本発明者らの研究によれば、従来の環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる成形品に対して、発振波長が短い青色レーザー光を高照射密度で長時間にわたって照射すると、被照射部に白濁が生じたり、透明性が損なわれたりし易いことが判明した。
環状オレフィン系付加型重合体などの光学用樹脂材料には、一般に、耐光性、耐熱性、金型からの離型性などを向上させるために、ヒンダードアミン系光安定剤、酸化防止剤、ペンタエリスリトール脂肪酸エステルなどの離型剤などの各種添加剤が加えられている。環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる成形品が、青色レーザー光に対する耐性(以下「耐ブルーレーザー性」という)の点で十分に満足すべき特性を示すことができないことの一因は、これらの添加剤成分に起因するものと推定される。
しかし、添加剤に起因する問題は、添加剤の種類や純度、含有量、複数の添加剤の組み合わせなどを選択することによって解決できることがある。そのため、従来技術では、添加剤の種類や含有量などの選択に改良の重点が置かれていた。
他方、環状オレフィン系付加型共重合体の共重合組成や分子量、機械的物性などを向上させることにより、環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる成形品の光学特性の改良が図られてはいるが、環状オレフィン系付加型重合体自体に起因する耐ブルーレーザー性不足に関する問題点については、十分な認識がなく、十分な対応策がとられていなかった。
特開2006−22264号公報
本発明の課題は、環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学部品であって、光学式情報記録媒体の高記録密度化に対応することができる耐ブルーレーザー性に優れた光学部品を提供することにある。
より具体的に、本発明の課題は、環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料を用いて、発振波長390〜430nmの青紫色レーザー光を、高い照射密度で長時間にわたって照射しても、被照射部の白濁や透明性の低下がなく、機械的物性と光学特性の劣化が十分に抑制された光学部品を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、環状オレフィン系付加型重合体に含まれる金属元素Feの含有量、さらに加えて、金属元素Alの含有量と、環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学成形品の耐ブルーレーザー性との間に重要な関連性のあることを見出した。
環状オレフィン系付加型重合体には、合成に使用する単量体や触媒、合成装置などに由来する不純物が含まれているため、環状オレフィン系付加型重合体を光学用樹脂として用いる場合には、不純物が光学特性に悪影響を及ぼさないように精製されていた。例えば、環状オレフィン系付加型重合体は、その製造の最終工程において、有機溶剤による洗浄や小孔径フィルターによる濾過などによって、重合触媒などの不純物を除去していた。そのため、市販の環状オレフィン系付加型重合体の金属元素の含有量は、数十ppm程度にまで低減されている。
しかし、本発明者らが詳細に検討したところ、金属元素の含有量(重量基準)が従来技術では満足すべき低水準にある環状オレフィン系付加型重合体を用いたのでは、該重合体自体の耐ブルーレーザー性が不十分であるため、前記課題を達成できないことが判明した。
そこで、本発明者らは、さらに研究を行う過程で、環状オレフィン系付加型重合体に含まれる金属元素Feの含有量を、15ppb以下という極めて低水準になるまで徹底して精製した環状オレフィン系付加型重合体を用いたところ、耐ブルーレーザー性が顕著に向上した光学部品の得られることを見出した。
環状オレフィン系付加型重合体の精製法に工夫を加えて、金属元素Fe含有量の低減化に加えて、重合触媒に起因する金属元素Alの含有量、さらには、これら両者の合計含有量を一定値以下の低水準に低減することにより、耐ブルーレーザー性を安定して高水準に高めることができることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学成形品であって、該環状オレフィン系付加型重合体が、15ppb以下の金属元素Fe含有量を有するものであることを特徴とする光学成形品が提供される。
本発明によれば、環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学部品であって、光学式情報記録媒体の高記録密度化に対応することができる耐ブルーレーザー性に優れた光学部品が提供される。本発明によれば、環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料を用いて、発振波長390〜430nmの青紫色レーザー光を、高い照射密度で長時間にわたって照射しても、被照射部の白濁や透明性の低下がなく、機械的物性と光学特性の劣化が十分に抑制された光学部品が提供される。
1.環状オレフィン系付加型重合体:
本発明で使用する環状オレフィン系付加重合型重合体は、主鎖に脂環式構造を有する重合体の一種であり、透明性、低複屈折性、耐吸水性、防湿性、耐熱性、機械的物性などに優れた樹脂材料である。
本発明で使用する環状オレフィン系付加重合型重合体は、主鎖に脂環式構造を有する重合体の一種であり、透明性、低複屈折性、耐吸水性、防湿性、耐熱性、機械的物性などに優れた樹脂材料である。
脂環式構造としては、シクロアルカン構造及びシクロアルケン構造が挙げられるが、機械的強度、耐熱性、耐光性、耐候性などの観点から、シクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素数は、機械的強度、耐熱性、成形加工性などの観点から、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。
環状オレフィン系付加重合型重合体としては、例えば、(1)少なくとも一種のノルボルネン系単量体の付加型重合体または共重合体、(2)ノルボルネン系単量体と、該ノルボルネン系単量体と付加共重合可能な他の単量体との付加型共重合、及び(3)これらの付加型重合体の水素化物が挙げられる。
ノルボルネン系単量体と付加共重合可能な他の単量体としては、α−オレフィンが好ましい。付加型重合体の水素化物は、使用するノルボルネン系単量体が、環内に複数のオレフィン性二重結合を有する化合物である場合(例えば、ジシクロペンタジエン)や、分子中にアルキリデン基などの不飽和結合を有する置換基を有するものである場合に、付加重合後に、水素化触媒を用いて水素により水素添加する方法によって得ることができる。ノルボルネン系単量体が芳香環を有する化合物である場合、高度の光学特性を得る観点からは、芳香環の共役二重結合も水素化することが好ましい。
これらの中でも、光学特性や耐ブルーレーザー性の観点から、α−オレフィンとノルボルネン系単量体との付加型共重合が特に好ましい。α−オレフィンとノルボルネン系単量体との付加型共重合は、少なくとも一種のα−オレフィンと少なくとも一種のノルボルネン系単量体とを付加共重合させることにより得ることができる。α−オレフィンとノルボルネン系単量体との付加型共重合は、環内及び/または置換基に不飽和結合を有する場合には、水素化することが好ましい。ノルボルネン系単量体が芳香環を有する化合物である場合も、同様に水素化して脂環式構造に変換することが好ましい。
脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、通常50重量%以上、好ましくは60重量%以上である。α−オレフィンとノルボルネン系単量体との付加型共重合体の場合には、両者のモル比は、通常5:95〜95:5、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは20:80〜80:20の範囲内とすることが好ましい。エチレンなどのα−オレフィンは、分子量が小さいため、モル比が大きくても、重量割合は小さくなる。
(1)ノルボルネン系単量体:
ノルボルネン系単量体は、ノルボルナン環を有しないものと、ノルボルナン環を有するものとに大別することができる。
ノルボルネン系単量体は、ノルボルナン環を有しないものと、ノルボルナン環を有するものとに大別することができる。
ノルボルナン環を有しないノルボルネン系単量体の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名「ノルボルネン」)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのノルボルネンとその誘導体;トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3,7−ジエン(慣用名「ジシクロペンタジエン」)、トリシクロ[4.3.12,5.01,6]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.12,5.01,6]ウンデカ−3−エンなどのジシクロペンタジエンとその誘導体;テトラシクロ[7.4.110,13.01,9.02,7]トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(「1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン」ともいう)とその誘導体;テトラシクロ[8.4.111,14.01,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(「1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン」ともいう)とその誘導体;などが挙げられる。
ノルボルナン環を有するノルボルネン系単量体の具体例としては、テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン(慣用名「テトラシクロドデセン」)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.12,5.17,10.0]ドデカ−3−エンなどのテトラシクロドデセンとその誘導体;ペンタシクロ[6.5.11,8.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエンとその誘導体;ペンタシクロ[7.4.13,6.110,13.01,9.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエンとその誘導体;などが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(2)他の単量体(α−オレフィンなど):
ノルボルネン系付加重合型重合体には、少なくとも一種のノルボルネン系単量体の付加型重合体または共重合体と、ノルボルネン系単量体と他の単量体との付加型共重合体がある。
ノルボルネン系付加重合型重合体には、少なくとも一種のノルボルネン系単量体の付加型重合体または共重合体と、ノルボルネン系単量体と他の単量体との付加型共重合体がある。
ノルボルネン系単量体と共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20個を有するα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが挙げられる。
これらの共重合可能な単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。他の単量体の中でも、エチレンを含むα−オレフィンが好ましく、エチレンが特に好ましい。α−オレフィンとノルボルネン系単量体との付加型共重合体としては、エチレンとテトラシクロドデセン類との付加共重合体が好ましい。
(3)付加重合:
ノルボルネン系単量体の付加重合またはノルボルネン系単量体と共重合可能な他の単量体との付加重合は、これらの単量体成分を、溶媒中または無溶媒で、チタン、ジルコニウムまたはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃から100℃までの重合温度、0〜50kg/cm2 の重合圧力で重合させる方法により行うことができる。環状オレフィン系付加型重合体を水素化する場合は、常法に従って、該付加型重合体を、水素添加触媒の存在下に、水素により水素添加する方法を採用することができる。
ノルボルネン系単量体の付加重合またはノルボルネン系単量体と共重合可能な他の単量体との付加重合は、これらの単量体成分を、溶媒中または無溶媒で、チタン、ジルコニウムまたはバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系の存在下で、通常、−50℃から100℃までの重合温度、0〜50kg/cm2 の重合圧力で重合させる方法により行うことができる。環状オレフィン系付加型重合体を水素化する場合は、常法に従って、該付加型重合体を、水素添加触媒の存在下に、水素により水素添加する方法を採用することができる。
(4)環状オレフィン系付加型重合体の物性:
環状オレフィン系付加型重合体の分子量は、シクロヘキサン溶液(重合体が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜500,000、好ましくは10,000〜200,000、より好ましくは20,000〜100,000である。環状オレフィン系付加型重合体の重量平均分子量が前記範囲であることが、機械的物性と成形加工性とを高度にバランスさせる上で好ましい。GPCにより測定される環状オレフィン系付加型重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、通常5.0以下、好ましくは2.5以下である。
環状オレフィン系付加型重合体の分子量は、シクロヘキサン溶液(重合体が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜500,000、好ましくは10,000〜200,000、より好ましくは20,000〜100,000である。環状オレフィン系付加型重合体の重量平均分子量が前記範囲であることが、機械的物性と成形加工性とを高度にバランスさせる上で好ましい。GPCにより測定される環状オレフィン系付加型重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、通常5.0以下、好ましくは2.5以下である。
環状オレフィン系付加型重合体のガラス転移温度(Tg)は、通常50〜300℃、好ましくは100〜200℃、より好ましくは120〜180℃である。ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した値である。
環状オレフィン系付加重合型重合体は、不飽和結合を有するものである場合、水素添加して用いることが、耐レーザー性、透明性、耐熱性などの観点から好ましい。環状オレフィン系付加型重合体中の非共役の炭素−炭素二重結合の水素添加率は、通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは100%である。環状オレフィン系付加型重合体が芳香環を有するものである場合、その共役炭素−炭素二重結合の通常80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは99%以上、特に好ましくは100%を水素添加することが、耐レーザー性及び透明性がさらに優れることから好ましい。
2.金属元素含有量の低減方法:
環状オレフィン系付加型重合体中の金属元素含有量の低減方法としては、例えば、(1)環状オレフィン系付加型重合体の溶液を濾過フィルターを用いて濾過する方法、(2)環状オレフィン系付加型重合体の溶液を吸着剤で処理し、次いで、金属元素を吸着した吸着剤を濾過して除去する方法;等が挙げられる。
環状オレフィン系付加型重合体中の金属元素含有量の低減方法としては、例えば、(1)環状オレフィン系付加型重合体の溶液を濾過フィルターを用いて濾過する方法、(2)環状オレフィン系付加型重合体の溶液を吸着剤で処理し、次いで、金属元素を吸着した吸着剤を濾過して除去する方法;等が挙げられる。
(1)濾過フィルターによる濾過法:
環状オレフィン系付加型重合体の溶液を濾過フィルターを用いて濾過する方法としては、格別な制限はないが、例えば、環状オレフィン系付加型重合体の溶液を、a)孔径が通常50μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.3μm以下の機械的濾過フィルターで数回濾過する方法、b)電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターで濾過する方法、c)これらの方法を組み合わせた濾過法を挙げることができる。
環状オレフィン系付加型重合体の溶液を濾過フィルターを用いて濾過する方法としては、格別な制限はないが、例えば、環状オレフィン系付加型重合体の溶液を、a)孔径が通常50μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.3μm以下の機械的濾過フィルターで数回濾過する方法、b)電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターで濾過する方法、c)これらの方法を組み合わせた濾過法を挙げることができる。
これらの方法の中でも、電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターを用いる方法が、微細異物の除去性能が高く、機械的フィルターによる濾過では通過する微細異物が除去され、濾過後の再凝集による異物の再生成などが防止されるので好適である。機械的フィルターによる濾過と、電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターとを併用すると、金属元素Fe及びAlの除去性能が特に優れるため、より好ましい。
環状オレフィン系付加型重合体の溶液に用いる溶剤は、環状オレフィン系付加型重合体の種類や構造に応じて、溶解性、取扱性、乾燥性などの観点から適当なものが選択される。溶剤の具体例としては、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;クロロホルム、トリクレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ジシクロペンタジエンの水素添加物等の脂環族炭化水素系溶剤;テトラヒドロフラン等の環状エーテル溶剤などを挙げることができる。濾過の際の固形分の濃度は、通常1〜40重量%、好ましくは5〜35重量%、より好ましくは10〜30重量%である。溶液の固形分濃度が、過度に低いと大量の溶液を処理する必要があり、過度に高いと濾過性が低下する。
電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターは、電気的に荷電異物を捕捉除去する機能を有しており、通常、濾材に電荷を付与したものが用いられている。電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターとして、ゼータ電位を制御したゼータ電位濾過フィルターが好ましい。ゼータ電位濾過フィルターとしては、例えば、特表平4−504379号公報に記載されているセルロース繊維/シリカ/陽電荷変性系〔一次電荷変性剤(ポリアミド−ポリアミンエピクロロヒドリン樹脂など)と、二次電荷変性剤(脂肪族ポリアミン)とからなる〕のような、濾材に陽電荷変性剤を付与したフィルターなどが用いられる。
電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターに用いられる前記以外の濾材としては、例えば、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、PTFE製などの繊維製またはメンブランフィルター;セルロース製の繊維製フィルター;ガラス繊維製フィルター;珪藻土などの無機物製フィルター;金属繊維製フィルターなどが挙げられる。前記以外の陽電荷変性剤としては、例えば、メラミンホルムアルデヒド陽イオンコロイド、無機陽イオンコロイドシリカなどが挙げられる。市販の電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターとしては、陽電荷変性濾過フィルターが、キュノ社によって商標名「ゼータプラス」として販売されている。
電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターでの濾過は、処理能力が必ずしも高くないので、機械的濾過フィルターと組み合わせ濾過を行うことが好ましい。組み合わせる順番は、格別制限はないが、通常、機械的濾過フィルター、次いで、電荷的捕捉機能フィルターの順で使用することが好ましい。より好ましい組み合わせの具体例としては、機械的濾過フィルター/電荷的捕捉機能を有する濾過フィルター/機械的濾過フィルターが挙げられる。最初の機械的濾過フィルターの孔径を、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下とし、最後の機械的濾過フィルターの孔径を、0.3μm以下とすることが、金属元素の除去効率を高める上で好ましい。
機械的濾過フィルターとしては、溶剤によって悪影響を受けないものであれば特に限定はされず、例えば、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製メンブランフィルター、セルロース製の繊維製フィルター、ガラス繊維製フィルター、珪藻土などの無機物製フィルター、金属繊維製フィルターなどが挙げられる。
機械的濾過フィルターの孔径は、格別制限はないが、通常50μm以下、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下、特に好ましくは0.3μm以下である。これらの機械的濾過フィルターは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。電荷的捕捉機能を有するフィルターを用いない場合には、機械的濾過フィルターの孔径が0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下のものを用いて2回以上濾過操作を繰り返すことが好ましい。
(2)吸着剤による処理法:
環状オレフィン系付加型重合体の溶液を吸着剤で処理する方法において、使用する吸着剤としては、金属元素Fe及びAlを低減化できるものであれば、特に限定されない。吸着剤としては、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アルミナ、活性白土などのSiO2、Al2O3、またはこれらの結晶性若しくは非晶性の混合組成物が好ましい。
環状オレフィン系付加型重合体の溶液を吸着剤で処理する方法において、使用する吸着剤としては、金属元素Fe及びAlを低減化できるものであれば、特に限定されない。吸着剤としては、合成ゼオライト、天然ゼオライト、活性アルミナ、活性白土などのSiO2、Al2O3、またはこれらの結晶性若しくは非晶性の混合組成物が好ましい。
吸着剤の比表面積は、通常50m2/g以上、好ましくは100m2/g以上、より好ましくは200m2/g以上である。吸着剤の細孔容積は、通常0.5cm3/g以上、好ましくは0.6cm3/g以上、より好ましくは0.7cm3/g以上である。吸着剤の比表面積や細孔容積が小さすぎると、吸着能力が不十分となる。吸着剤粒子の粒径は、通常0.2μm以上、好ましく10μmから3cm、より好ましくは100μmから1cmの範囲内である。吸着剤の粒径が小さすぎると、吸着後の濾過による除去が困難であり、大きすぎると、カラムの充填率が悪かったり、長時間の処理を要し、好ましくない。
吸着処理としては、i)吸着剤を充填したカラムに溶液を通す方法、ii)溶液に吸着剤を添加し、攪拌し、次いで、溶液の濾過等により吸着剤を除去する方法などがある。
吸着剤充填カラムに溶液を通す方法では、吸着剤の充填率をρ(g/m3)、吸着剤の比表面積をS(m2/g)、カラムでの滞留時間をt(sec)としたとき、これらの積ρSt(秒/m)が、通常109以上になるように処理条件を設定することが好ましい。通常、比表面積Sは、100〜1000m2/g程度で、充填率ρは、4〜8×105g/m3程度であるので、滞留時間tを30秒以上にすることが好ましい。
吸着剤を充填するカラム大きさと比較して、多量の環状オレフィン系付加型重合体溶液を処理すると、短時間で吸着能が落ちることがある。そのため、処理時間の延長等が必要となり、さらには吸着能が飽和に達し、金属元素Fe及びAlを吸着しなくなるので、吸着処理後の溶液の着色の度合いが高くなり始めた時点で、新しい吸着剤に替えることが好ましい。
環状オレフィン系付加型重合体の溶液に吸着剤を添加する方法では、吸着剤の比表面積をS(m2/g)、吸着剤の添加量をm(g)、攪拌時間をt(秒)、処理する溶液量をV(g)、溶液の固形分濃度をcとしたとき、これらの積Smt/Vc(秒/m)が、通常103以上、好ましくは104以上、より好ましくは105以上であり、Sm/Vcが、通常1以上、好ましくは5以上、より好ましくは10以上であり、t(秒)が、通常100以上、好ましくは200以上、より好ましくは300以上になるように処理することが好ましい。攪拌効率によっては、攪拌時間を長くすることが好ましいが、攪拌効率の正確な制御は困難であるため、作業全体の効率が許す限りにおいて、長時間攪拌することが好ましい。
吸着剤の比表面積は、通常100〜1000m2/g程度であるので、溶液の固形分濃度が10%程度の場合、例えば、溶液1kgに対して吸着剤を10g以上添加し、100秒以攪拌することが望ましい。
吸着剤処理後に溶液の濾過を行い、溶液中の金属元素Fe及びAlを吸着した吸着剤を濾過して除去する。この濾過には、電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターや、その他の濾材として、前述のものが使用できる。電荷的捕捉機能を有する濾過フィルターでの濾過は、処理能力が必ずしも高くないので、通常は、機械的濾過フィルターと組み合わせて行うことが望ましい。組み合わせる順番は、格別制限はないが、通常、機械的濾過フィルター、次いで、電荷的捕捉機能フィルターの順で使用される。機械的濾過フィルターとしては、前述のものを同様に使用することができる。より好ましい組み合わせの具体例としては、機械的濾過フィルター/電荷的捕捉機能を有する濾過フィルター/機械的濾過フィルターが挙げられる。
3.金属元素Fe及びAlの含有量
本発明では、金属元素Feの含有量が15ppb以下、好ましくは13ppb以下の環状オレフィン系付加型重合体を用いて、光学部品を成形する。金属元素Feの含有量が15ppbより高い感状オレフィン系付加型重合体を用いると、該重合体自体の耐ブルーレーザー性が悪化し、高性能の光学部品を得ることができない。
本発明では、金属元素Feの含有量が15ppb以下、好ましくは13ppb以下の環状オレフィン系付加型重合体を用いて、光学部品を成形する。金属元素Feの含有量が15ppbより高い感状オレフィン系付加型重合体を用いると、該重合体自体の耐ブルーレーザー性が悪化し、高性能の光学部品を得ることができない。
金属元素Feの含有量が極めて少ない環状オレフィン系付加型重合体は、該環状オレフィン系付加型重合体を射出成形してなる縦65mm×横65mm×厚み3mmの板状成形体の縦横両方向により画定される2つの面のうちの一方の面上に、温度60℃及び相対湿度50%の環境下、出力強度200mW/cm2並びに被照射部における照射密度2,800mW/cm2の条件で、発振波長405±10nmのレーザー光を500時間にわたって連続的に照射したとき、被照射部に白濁の発生がなく、かつ、波長400nmで測定したレーザー光照射前の光線透過率(T0)とレーザー光照射後の光線透過率(T1)との差(T0−T1)が10%以下の耐ブルーレーザー性を示すものである。レーザー光照射前後の光線透過率の差(T0−T1)は、好ましくは9%以下、より好ましくは8%以下である。
環状オレフィン系付加型重合体の発振波長405±10nmでの耐ブルーレーザー性が不十分であると、発振波長390〜430nmの青紫色レーザー光を、高い照射密度で長時間にわたって照射した場合、被照射部の白濁や透明性の低下が生じやすくなり、成形品の表面に浮きが生じるなど表面特性も悪化する。特に高度の耐ブルーレーザー性を発揮するには、Fe含有量を12ppb以下、さらには10ppb以下にまで低減することが望ましい。
本発明で使用する環状オレフィン系付加型重合体は、金属元素Alの含有量が10ppb以下であることが好ましく、8ppb以下であることがより好ましい。金属元素Alは、付加重合触媒として使用する有機アルミニウム化合物に由来するものと推定される。金属元素Alの含有量が10ppbを超えて大きくなると、耐ブルーレーザー性が低下傾向を示し、照射後の成形品の表面状態も悪化する。
本発明で使用する環状オレフィン系付加型重合体は、金属元素Fe及びAlの合計含有量が20ppb以下であることが好ましい。金属元素Fe及びAlの合計含有量が20ppbを超えて大きくなると、耐ブルーレーザー性が低下傾向を示し、照射後の成形品の表面状態も悪化する。特に高度の耐ブルーレーザー性を発揮するには、金属元素Fe及びAlの合計含有量を19ppb以下、さらには17ppb以下にまで低減することが望ましい。
4.樹脂材料
本発明の光学部品は、前記特定の環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料を用いて成形されたものである。樹脂材料には、成形加工性や耐光性、耐候性、金型からの離型性などを向上させたり、各種用途に応じた特性を付与するために、所期の目的を損なわない範囲内で、各種添加剤を含有させることができる。
本発明の光学部品は、前記特定の環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料を用いて成形されたものである。樹脂材料には、成形加工性や耐光性、耐候性、金型からの離型性などを向上させたり、各種用途に応じた特性を付与するために、所期の目的を損なわない範囲内で、各種添加剤を含有させることができる。
添加剤としては、例えば、充填剤、酸化防止剤、光安定剤、離型剤、難燃剤、抗菌剤、木粉、カップリング剤、可塑剤、着色剤、滑剤、シリコーンオイル、発泡剤、界面活性剤、離型剤などの各種添加剤を配合することができる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)が好ましい。離型剤としては、多価アルコールの脂肪酸エステルが好ましい。
環状オレフィン系付加重合型重合体に各種添加剤を含有させる方法は、特に限定されず、濾過後の環状オレフィン系付加重合型重合体溶液に添加する方法や、溶融ブレンドする方法など任意の方法を採用することができる。具体的な方法としては、例えば、環状オレフィン系付加重合型重合体と各種添加剤を、ヘンシェルミキサー、V−ブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等を用いて混合し、次いで、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、ロール等を用いて溶融混練する方法;濾過後の環状オレフィン系付加重合型重合体の溶液に、各種添加剤を混合した後、溶剤等の揮発成分を除去する方法;などが挙げられる。
5.光学用成形品:
本発明で使用する環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料を成形して光学成形品を製造する。本発明の光学成形品は、樹脂材料を溶融成形する方法により好適に製造することができる。成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、プレス成形法、ブロー成形法、キャスト成形法など、通常の成形方法を用いることができる。
本発明で使用する環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料を成形して光学成形品を製造する。本発明の光学成形品は、樹脂材料を溶融成形する方法により好適に製造することができる。成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法、プレス成形法、ブロー成形法、キャスト成形法など、通常の成形方法を用いることができる。
本発明の光学成形品としては、例えば、ピックアップレンズ、ビデオカメラ用レンズ、望遠鏡レンズ、レーザビーム用fθレンズなどのレンズ類;光学式ビデオディスク、オーディオディスク、文書ファイルディスク、メモリディスクなどの光ディスク類;OHPフィルム等の光学フィルムなどの光学材料;フォトインタラプター、フォトカプラー、LEDランプ等の光半導体封止材;液晶表示装置用の位相差板、光拡散板、導光板、偏光板保護膜、集光シートなどの各種光学部材;などが挙げられる。
本発明の光学成形品は、ピックアップレンズやレーザービーム用fθレンズなどの光学レンズ類として、波長390〜430nmの青紫レーザーを用いる装置に使用するのに適している。本発明の光学成形品の形状は、球状、棒状、板状、ファイバー状、筒状など任意である。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、部及び%は、特に断りがない限り、重量基準である。各種物性及び特性の測定法は、次のとおりである。
(1)重量平均分子量(Mw)の測定:
重合体の重量平均分子量(Mw)は、シクロヘキサンを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)よる標準ポリスチレン換算によって求めた。
重合体の重量平均分子量(Mw)は、シクロヘキサンを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)よる標準ポリスチレン換算によって求めた。
(2)金属元素の分析:
i)蓋つき石英るつぼに、試料(樹脂組成物)1gを秤量する。空試験用の蓋つき石英るつぼも用意する。
i)蓋つき石英るつぼに、試料(樹脂組成物)1gを秤量する。空試験用の蓋つき石英るつぼも用意する。
ii)石英るつぼを、フード付きヒーター上で、温度プログラムに従って500℃まで加熱する。空試験用の蓋つき石英るつぼでも同様に加熱する。
iii)石英るつぼ中の試料がタール状になったら、バーナーで強熱して炭化させる。その後、石英るつぼを550℃の電気炉中に2時間入れて、試料の灰化処理を行う。空試験用の蓋つき石英るつぼでも同様に処理する。
iv)放冷後、石英るつぼ内に硝酸0.1mlを添加して、灰分を溶解させてから、超純水約7mlと共にテトラフルオロエチレン製容器に移す。該容器内に、フッ酸0.1mlを添加後、10mlに定容して容器に蓋をする。空試験用の蓋つき石英るつぼでも同様に処理する。
v)該容器を100℃のヒーターで15分間加熱した後、一晩放置して、灰分を完全に溶解させる。空試験用の蓋つき石英るつぼでも同様に処理する。
vi)上記v)で調製した溶液を用いて、ICP−MS測定を行う。
金属元素の含有量は、超微量のため、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer;誘導結合プラズマ質量分析計)を用いて定量する。
金属元素の含有量は、超微量のため、ICP−MS(Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer;誘導結合プラズマ質量分析計)を用いて定量する。
ICP−MS測定条件は、次のとおりである。装置は、Agilent7500cs(Agilent Tecnologies社製)で、測定モードは、ホットプラズマ、クールプラズマ、ヘリウムモード、水素モードの四つが可能である。本発明の測定法では、測定モードは、クールプラズマで、検量線は、絶対検量線法で行った。
(3)耐ブルーレーザー性の測定:
樹脂材料のペレットを用いて、射出成形機により、縦65mm×横65mm×厚み3mmの板状の成形体を各10枚作製した。該成形体を、温度60℃、相対湿度90%の環境下に100時間放置した後、レーザダイオード(ネオアーク社製、「TC4030S−F405ASU」)を用いて、発振波長405±10nmの青色レーザー光を、温度60℃、相対湿度50%の部屋に載置した成形体に500時間照射した。照射密度は、2,800mW/cm2(被照射部の面積から算出した)であった。
樹脂材料のペレットを用いて、射出成形機により、縦65mm×横65mm×厚み3mmの板状の成形体を各10枚作製した。該成形体を、温度60℃、相対湿度90%の環境下に100時間放置した後、レーザダイオード(ネオアーク社製、「TC4030S−F405ASU」)を用いて、発振波長405±10nmの青色レーザー光を、温度60℃、相対湿度50%の部屋に載置した成形体に500時間照射した。照射密度は、2,800mW/cm2(被照射部の面積から算出した)であった。
i)白濁度合い:
青色レーザー光照射後、成形体の被照射部を目視により観察して、以下の基準で白濁の度合いを判定した。
青色レーザー光照射後、成形体の被照射部を目視により観察して、以下の基準で白濁の度合いを判定した。
AA:10枚の成形体にまったく白濁が認められない。
A:10枚の成形体の中に僅かな白濁が認められるものが混在しているが、許容できる範囲内である。
B:10枚の成形体の殆どに白濁が認められる。
C:10枚の成形体のすべてに強い白濁が認められる。
A:10枚の成形体の中に僅かな白濁が認められるものが混在しているが、許容できる範囲内である。
B:10枚の成形体の殆どに白濁が認められる。
C:10枚の成形体のすべてに強い白濁が認められる。
ii)光線透過率:
紫外可視近赤外分光光度計を用いて、青色レーザー光照射前後の成形体の波長400nmにおける光線透過率(%)を測定した。レーザー光照射前の光線透過率(T0)とレーザー光照射後の光線透過率(T1)との差(T0−T1)を求めた。
紫外可視近赤外分光光度計を用いて、青色レーザー光照射前後の成形体の波長400nmにおける光線透過率(%)を測定した。レーザー光照射前の光線透過率(T0)とレーザー光照射後の光線透過率(T1)との差(T0−T1)を求めた。
iii)表面状態:
照射後における成形体の表面状態を、光学顕微鏡(ORYMPUS社製、X60)を用いて観察し、アプリケーション(成形体表面の浮き)の有無を、目視により確認し、以下の基準で評価した。
照射後における成形体の表面状態を、光学顕微鏡(ORYMPUS社製、X60)を用いて観察し、アプリケーション(成形体表面の浮き)の有無を、目視により確認し、以下の基準で評価した。
AA:10枚の成形体にまったく表面状態の悪化が認められない。
A:10枚の成形体の中に僅かな表面の浮きが認められるものが混在しているが、許容できる範囲内である。
B:10枚の成形体の殆どに表面の浮きが認められる。
C:10枚の成形体のすべてに強い表面の浮きが認められる。
A:10枚の成形体の中に僅かな表面の浮きが認められるものが混在しているが、許容できる範囲内である。
B:10枚の成形体の殆どに表面の浮きが認められる。
C:10枚の成形体のすべてに強い表面の浮きが認められる。
[実施例1]
(1)付加重合:
窒素雰囲気下、攪拌機付きオートクレーブ(反応器)に、トルエン1,000部、ジクロロエトキシオキソバナジウム0.91部、及びテトラシクロドデセン(以下、「TCD」と略記)30部を投入した。エチレンガスを流量100L/hrで反応器内に通しながら、エチルアルミニウムセスキクロリド12.4部を滴下して、10℃で30分間、エチレン(以下、「ET」と略記)とテトラシクロドデセン(TCD)との付加共重合反応を行った。反応溶液中に、メタノール10部を添加して、反応を停止させた。
(1)付加重合:
窒素雰囲気下、攪拌機付きオートクレーブ(反応器)に、トルエン1,000部、ジクロロエトキシオキソバナジウム0.91部、及びテトラシクロドデセン(以下、「TCD」と略記)30部を投入した。エチレンガスを流量100L/hrで反応器内に通しながら、エチルアルミニウムセスキクロリド12.4部を滴下して、10℃で30分間、エチレン(以下、「ET」と略記)とテトラシクロドデセン(TCD)との付加共重合反応を行った。反応溶液中に、メタノール10部を添加して、反応を停止させた。
(2)濾過:
上記反応溶液を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.5μm、ニチダイ社製)にて濾過した。次いで、得られた濾液を、ゼータプラスフィルター3OS(孔径0.5〜1μm、キュノ社製)で濾過した。さらに、得られた濾液を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.2μm、ニチダイ社製)で濾過し、異物を除去した。それぞれの濾過速度は、105mt/Vc(秒/m)に設定して、濾過を行った。
上記反応溶液を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.5μm、ニチダイ社製)にて濾過した。次いで、得られた濾液を、ゼータプラスフィルター3OS(孔径0.5〜1μm、キュノ社製)で濾過した。さらに、得られた濾液を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.2μm、ニチダイ社製)で濾過し、異物を除去した。それぞれの濾過速度は、105mt/Vc(秒/m)に設定して、濾過を行った。
(3)ET/TCD付加重合体:
最後の濾液を大量のイソプロパノールに注いで、ポリマーを析出させ、濾別して回収した。さらに、アセトン500部で洗浄した後、ポリマーを、圧力0.13×103Pa以下、温度80℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、ET/TCD付加共重合体(No.1)45部を得た。得られたET/TCD付加共重合体(No.1)のGPC測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、62,000であった。
最後の濾液を大量のイソプロパノールに注いで、ポリマーを析出させ、濾別して回収した。さらに、アセトン500部で洗浄した後、ポリマーを、圧力0.13×103Pa以下、温度80℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、ET/TCD付加共重合体(No.1)45部を得た。得られたET/TCD付加共重合体(No.1)のGPC測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、62,000であった。
ET/TCD付加共重合体(No.1)100重量部にヒンダードアミン系光安定剤(HALS)(BASF社製、製品名「ユビナール4050H」)0.1重量部を加え、2軸混練機(TEM35B、東芝機械社製)で混練し、ペレット化した。
(4)金属元素Fe及びAlの含有量の測定:
上記で得られたペレットを用いて、金属元素Fe及びAlの含有量の測定を行った。該ペレットには、溶融安定性を向上させるために少量の酸化防止剤を含有させているが、該酸化防止剤には金属元素が含まれていないため、金属元素の測定値に影響を及ぼすことはない。
上記で得られたペレットを用いて、金属元素Fe及びAlの含有量の測定を行った。該ペレットには、溶融安定性を向上させるために少量の酸化防止剤を含有させているが、該酸化防止剤には金属元素が含まれていないため、金属元素の測定値に影響を及ぼすことはない。
(5)耐ブルーレーザー性の測定:
上記ペレットを、真空プレス成形機を用いて、180℃で20分間、50MPaの条件でプレス成形し、縦65mm×横65mm×厚み3mmの板状の成形体を各10枚作製した。10枚の成形体の縦横両方向により画定される2つの面のうちの一方の面上に、青色レーザー光を照射し、耐ブルーレーザー性を測定した。結果を表1に示す。
上記ペレットを、真空プレス成形機を用いて、180℃で20分間、50MPaの条件でプレス成形し、縦65mm×横65mm×厚み3mmの板状の成形体を各10枚作製した。10枚の成形体の縦横両方向により画定される2つの面のうちの一方の面上に、青色レーザー光を照射し、耐ブルーレーザー性を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2]
助触媒のエチルアルミニウムセスキクロリドの使用量を12.4部から18.6部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてET/TCD付加共重合体(No.2)を得た。このET/TCD付加共重合体(No.2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、金属元素Fe及びAlの含有量を測定した。さらに、このET/TCD付加共重合体(No.2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして板状の成形体を作製し、耐ブルーレーザー性を測定した。結果を表1に示す。
助触媒のエチルアルミニウムセスキクロリドの使用量を12.4部から18.6部に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてET/TCD付加共重合体(No.2)を得た。このET/TCD付加共重合体(No.2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、金属元素Fe及びAlの含有量を測定した。さらに、このET/TCD付加共重合体(No.2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして板状の成形体を作製し、耐ブルーレーザー性を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
窒素雰囲気下、攪拌機付きオートクレーブに、トルエン1,000部、ジクロロエトキシオキソバナジウム0.91部、及びテトラシクロドデセン30部を投入した。エチレンガスを流量100L/hrで反応器内に通しながら、エチルアルミニウムセスキクロリド12.4部を滴下して、10℃で30分間付加重合反応を行った。反応液にメタノール10部を添加して反応を停止させた。その後、反応液を金属ファイバー製フィルター(孔径0.5μm、ニチダイ社製)にて濾過した。次いで濾液に大量のイソプロパノールを注いで、ポリマーを析出させ、濾別してポリマーを回収した。得られたポリマーを、アセトン500部で洗浄した後、圧力0.13×103Pa以下、温度80℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、ET/TCD付加共重合体(No.3)を得た。このET/TCD付加共重合体(No.3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、金属元素Fe及びAlの含有量を測定した。さらに、このET/TCD付加共重合体(No.3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして板状の成形体を作製し、耐ブルーレーザー性を測定した。結果を表1に示す。
窒素雰囲気下、攪拌機付きオートクレーブに、トルエン1,000部、ジクロロエトキシオキソバナジウム0.91部、及びテトラシクロドデセン30部を投入した。エチレンガスを流量100L/hrで反応器内に通しながら、エチルアルミニウムセスキクロリド12.4部を滴下して、10℃で30分間付加重合反応を行った。反応液にメタノール10部を添加して反応を停止させた。その後、反応液を金属ファイバー製フィルター(孔径0.5μm、ニチダイ社製)にて濾過した。次いで濾液に大量のイソプロパノールを注いで、ポリマーを析出させ、濾別してポリマーを回収した。得られたポリマーを、アセトン500部で洗浄した後、圧力0.13×103Pa以下、温度80℃に設定した減圧乾燥器中で48時間乾燥し、ET/TCD付加共重合体(No.3)を得た。このET/TCD付加共重合体(No.3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、金属元素Fe及びAlの含有量を測定した。さらに、このET/TCD付加共重合体(No.3)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして板状の成形体を作製し、耐ブルーレーザー性を測定した。結果を表1に示す。
[比較例2]
助触媒のエチルアルミニウムセスキクロリドの使用量を12.4部から18.6部に変更したこと以外は、比較例1と同様にしてET/TCD付加共重合体(No.4)を得た。このET/TCD付加共重合体(No.4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、金属元素Fe及びAlの含有量を測定した。さらに、このET/TCD付加共重合体(No.4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして板状の成形体を作製し、耐ブルーレーザー性を測定した。結果を表1に示す。
助触媒のエチルアルミニウムセスキクロリドの使用量を12.4部から18.6部に変更したこと以外は、比較例1と同様にしてET/TCD付加共重合体(No.4)を得た。このET/TCD付加共重合体(No.4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてペレットを作製し、金属元素Fe及びAlの含有量を測定した。さらに、このET/TCD付加共重合体(No.4)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして板状の成形体を作製し、耐ブルーレーザー性を測定した。結果を表1に示す。
本発明の光学成形品は、高い光線透過率を有すると共に、青紫色レーザー光に対する耐性に優れており、光学レンズなどの各種光学物品として利用することができる。
Claims (4)
- 環状オレフィン系付加型重合体を含有する樹脂材料からなる光学成形品であって、該環状オレフィン系付加型重合体が、15ppb以下の金属元素Fe含有量を有するものであることを特徴とする光学成形品。
- 該環状オレフィン系付加型重合体が、10ppb以下の金属元素Al含有量を有するものである請求項1記載の光学成形品。
- 該環状オレフィン系付加型重合体が、20ppb以下の金属元素Fe及びAlの合計含有量を有するものである請求項1または2記載の光学成形品。
- 該環状オレフィン系付加型重合体が、該環状オレフィン系付加型重合体を射出成形してなる縦65mm×横65mm×厚み3mmの板状成形体の縦横両方向により画定される2つの面のうちの一方の面上に、温度60℃及び相対湿度50%の環境下、出力強度200mW/cm2並びに被照射部における照射密度2,800mW/cm2の条件で、発振波長405±10nmのレーザー光を500時間にわたって連続的に照射したとき、被照射部に白濁の発生がなく、かつ、波長400nmで測定したレーザー光照射前の光線透過率(T0)とレーザー光照射後の光線透過率(T1)との差(T0−T1)が10%以下の耐ブルーレーザー性を示すものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学成形品。
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