JP2006282888A - 脂環構造含有重合体及び配合剤を含有する樹脂組成物の製造方法、及び樹脂組成物 - Google Patents

脂環構造含有重合体及び配合剤を含有する樹脂組成物の製造方法、及び樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】蛍光顕微鏡で観察される異物量が少ない成形体が得られる、脂環構造含有重合体を含有する樹脂組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】特定の溶媒に10重量%未満で配合剤を溶解した特定量の配合剤溶液を、脂環構造含有溶剤を溶媒とする脂環構造含有重合体の溶液に、添加して混合し、樹脂組成物の溶液を得、次いで樹脂組成物の溶液から溶媒を除去する、脂環構造含有重合体を含有する樹脂組成物の製造方法
【選択図】 なし

Description

本発明は、脂環構造含有重合体及び配合剤を含有する樹脂組成物の製造方法、及びその製造方法によって得られる樹脂組成物に関し、詳しくは、異物が少ない成形体が得られる、脂環構造含有重合体及び配合剤を含有する樹脂組成物の製造方法、及びその製造方法によって得られる樹脂組成物に関する。
従来より、脂環構造含有重合体は、透明性、低吸湿性、耐薬品性、耐熱性などに優れ、複屈折が小さいため、例えば、光ディスク基板、光学レンズなどの光学材料、医療用器材などの成形材料、磁気ディスク基板などの分野への用途展開が図られている。
しかしながら、脂環構造含有重合体は、微細に検査すると、極めて多数の異物を含む場合があった。これらの異物としては、重合工程、水素添加工程、後処理工程などの諸工程で混入する、微小な粒状物や繊維状物などの不純物や、重合触媒や水素化触媒の残渣などであると考えられていた。
これらの微小な異物は、環状炭化水素系重合体と相溶することがないため、これらの異物を多量に含有する環状炭化水素系重合体を、光学レンズなどの光学部品、あるいは光ディスク基板や磁気ディスク基板などの情報記録媒体基板などの成形体に成形した場合、得られた成形体の性能や機能に重大な悪影響を及ぼす。例えば、光学レンズの場合、微小異物が多量に存在すると、曇り価(ヘーズ値)が大きくなり、表面または内部に不透明なもやがかかった状態となりやすい。光ディスク基板の場合、微小異物が多量に存在すると、信号再生時のノイズや信号エラーの原因となる。光ディスクは、レーザ光を用いて情報の再生または記録を行うが、技術開発が急速に進み、最近では、DVD(デジタルビデオディスク)が製品化されるに至っている。DVDなどの大容量の光情報記録媒体は、従来のDC(コンパクトディスク)やLD(レーザディスク)よりも記録密度が格段に大きくなっており、情報の記録及び読み出しに用いるレーザ光のスポット径も極めて小さくなっている。したがって、光ディスク基板中の微小異物であっても、エラーを起こしやすく、ビットエラーレートが大きくなりやすい。磁気ディスク基板の場合、微小異物が多量に存在すると、これらの異物が基板表面に多数の突起となって出現する。表面突起は、磁気ヘッドに触れてトラッキングエラーを生じさせやすい。
また、これらの微小な異物を多量に含有する環状炭化水素系重合体からなる成形体をシリコンウェーハのキャリアー(プラスチックケース)などの半導体関連部品として使用すると、成形体から微小な異物が発生して、シリコンウェーハを汚染するなどの問題が生じやすい。例えば、シリコンウェーハをプラスチックケースに入れて、エッチングの薬液処理や超音波洗浄などを行うと、プラスチックケースから微小な異物が発生してシリコンウェーハに付着する。したがって、微小な異物を多量に含有する環状炭化水素系重合体は、半導体製造工程での処理容器などの半導体関連部品の分野に使用することが制限される。
これらの異物量を低減する方法として、特許文献1には、脂環構造含有重合体及び配合剤を含有する樹脂組成物の有機溶媒溶液を電荷的捕捉機能を有するフィルターで濾過する方法が開示されている。
特開2000−212226号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法で得られた樹脂組成物を成形してなる成形体を蛍光顕微鏡で観察すると異物が多数存在することが判明した。
従って本発明の課題は、蛍光顕微鏡で観察される異物量が少ない成形体が得られる、脂環構造含有重合体を含有する樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者は、蛍光顕微鏡で観察される異物について、詳細な調査、分析を行った。その結果、製造工程で混入する異物は、メンブランフィルターやポリマーフィルターで物理的に除去可能であるが、それらの混入する異物以外にも異物が存在し、その異物は、メンブランフィルターやポリマーフィルターを通り抜ける場合があることを見出した。
本発明者らは更に、そのフィルターを通り抜ける異物について分析したところ、それらの異物は、配合剤由来の異物であることを見出した。特に、脂環構造含有重合体のような極性の低い重合体に対してフェノール系、リン系、硫黄系などの酸化防止剤や、HALS、UVAなどの多くの配合剤は極性が高く相溶し難いため添加方法によっては析出や凝集などが生じやすく、異物となる事がわかった。
本発明者らは、更に鋭意検討を重ね、それらの配合剤を含有する、脂環構造含有重合体の樹脂組成物であっても、配合剤の配合方法によっては、得られる成形体に、蛍光顕微鏡で観察される異物が少ないことを見出し本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、
脂環構造含有重合体及び配合剤を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
(I)温度T(℃)の、脂環構造含有溶剤を溶媒(A)とする脂環構造含有重合体の溶液に、
温度T(℃)における配合剤の溶解度が20〜50重量%である溶媒(B)に10重量%未満で配合剤を溶解した配合剤溶液を、
前記脂環構造含有重合体100重量部に対して配合剤が0.01〜5重量部でかつ
前記脂環構造含有重合体の溶液の重量100部に対して配合剤溶液が0.5〜10重量部の範囲で添加して混合し樹脂組成物の溶液を得る工程、
(II)工程Iによって得られた、樹脂組成物の溶液から溶媒を除去する工程、
を有する、脂環構造含有重合体を含有する樹脂組成物の製造方法が提供される。
前記の樹脂組成物の製造方法は、T(℃)が10〜120℃の範囲である場合に好適である。
また、前記の樹脂組成物の製造方法は、配合剤が、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]であるときに好適である。
更に、前記の製造方法によって得られる樹脂組成物、及びその樹脂組成物を成形してなる成形体が提供される。
該成形体は、光学部品に好適である。
本発明の、製造方法によって得られる樹脂組成物を成形してなる成形体は、蛍光顕微鏡で観察される異物量が少ない。
本発明の脂環構造含有重合体及び配合剤を含有する樹脂組成物の製造方法は、(I)温度T(℃)の、脂環構造含有溶剤を溶媒(A)とする脂環構造含有重合体の溶液に、温度T(℃)における配合剤の溶解度が20〜50重量%である溶媒(B)に10重量%未満で配合剤を溶解した配合剤溶液を、前記脂環構造含有重合体100重量部に対して配合剤が0.01〜5重量部でかつ前記脂環構造含有重合体の溶液の重量100部に対して配合剤溶液が0.5〜10重量部の範囲で添加して混合し樹脂組成物の溶液を得る工程、(II)工程Iによって得られた、樹脂組成物の溶液から溶媒を除去する工程、を有する。
(脂環式構造含有重合体)
本発明に用いられる脂環式構造含有重合体は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を含有する重合体であり、脂環式構造を主鎖及び側鎖のいずれに有していてもよい。
脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、重合体の熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。
脂環式構造を構成する炭素原子数は、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲にある。炭素原子数がこの範囲にあると、得られる成形体の耐熱性の点で好ましい。
脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあると、得られる成形体の耐熱性の点で好ましい。
なお、脂環式構造含有重合体中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環式構造含有重合体の具体例としては、(ア)ノルボルネン系重合体、(イ)単環の環状オレフィン重合体、(ウ)環状共役ジエン重合体、(エ)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。
これらの中でも、得られる成形体の耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体、環状共役ジエン重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物が好ましく、ノルボルネン系重合体、ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物がより好ましく、ノルボルネン系重合体の水素化物が特に好ましい。
(ア)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系モノマ−の開環重合体、ノルボルネン系モノマ−とこれと開環共重合可能なその他のモノマ−との開環重合体、これらの水素化物、ノルボルネン系モノマ−の付加重合体、ノルボルネン系モノマ−とこれと共重合可能なその他のモノマ−との付加重合体などが挙げられる。これらの中でも、得られる成形体の耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系モノマ−の開環重合体水素化物が最も好ましい。
本発明においてノルボルネン系モノマ−とは、式(1)で表されるノルボルネン構造を有する化合物である。
Figure 2006282888
ノルボルネン系モノマ−としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、テトラシクロ[7.4.0.02,7.110,13]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、及びその誘導体などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが例示でき、上記ノルボルネン系モノマ−は、これらを2種以上有していてもよい。
具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
置換基の中でも、得られる成形体の耐湿性等の観点で、アルキル基、アルキレン基、ビニル基などの極性を有さない置換基が好ましい。
これらのノルボルネン系モノマ−は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
ノルボルネン系モノマ−と開環共重合可能なその他のモノマ−としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィンモノマ−などを挙げることができる。これらのノルボルネン系モノマ−と開環共重合可能なその他のモノマ−は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
これらノルボルネン系モノマ−の開環重合体、またはノルボルネン系モノマ−とこれと開環共重合可能なその他のモノマ−との開環重合体は、モノマ−成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。
開環重合触媒としては、ルテニウム及びオスミウムなどの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、並びに還元剤からなる触媒;チタン、ジルコニウム、タングステン及びモリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物、並びに有機アルミニウム化合物などの助触媒からなる触媒;などを挙げることができる。
重合反応形態は、溶液重合、スラリー重合等のいずれでも構わないが、溶液重合を用いると、反応熱の除去が容易である。使用する溶媒としては、たとえば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、トリシクロ[4.3.0.12,5 ]デカン等の脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。中でも脂環式炭化水素類を用いると、後述する水素化反応にも不活性な溶媒としてそのまま使用できるので好ましい。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。これらの溶媒使用量は、全使用モノマー100重量部に対して、通常200〜2000重量部である。
ノルボルネン系モノマ−の開環重合体の水素化物は、通常、前記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系モノマ−の付加重合体、またはノルボルネン系モノマ−とこれと付加共重合可能なその他のモノマ−との付加重合体は、これらのモノマ−を、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物からなる触媒を用いて(共)重合させて得ることができる。
ノルボルネン系モノマ−と付加共重合可能なその他のモノマ−としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
これらの、ノルボルネン系モノマ−と付加共重合可能なその他のモノマ−は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマ−とこれと付加共重合可能なその他のモノマ−とを付加重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマ−由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマ−由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
(イ)単環の環状オレフィン重合体
単環の環状オレフィン重合体としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィンモノマ−の付加重合体などが挙げられる。
(ウ)環状共役ジエン重合体
環状共役ジエン重合体としては、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエンモノマ−を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などが挙げられる。
ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン重合体又は環状共役ジエン重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、重量平均分子量(Mw)で、通常5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、得られる樹脂組成物の成形加工性及び得られる成形体の機械的強度が高度にバランスされて好適である。
本発明において、重合体の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ノルボルネン系開環重合体水素添加物がテトラヒドロフランに可溶な場合は、テトラヒドロフランを溶媒にして40℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンで換算した値であり、ノルボルネン系開環重合体水素添加物がテトラヒドロフランに不溶でありシクロヘキサンに可溶な場合は、シクロヘキサンを溶媒にして、40℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリイソプレンで換算した値である。
(エ)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系モノマ−の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系モノマ−の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系モノマ−と、これらのモノマ−と共重合可能な他のモノマ−とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
ビニル脂環式炭化水素重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、重量平均分子量(Mw)で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000の範囲にある。重量平均分子量がこの範囲にあると、得られる樹脂組成物の成形加工性及び得られる成形体の機械的強度とが高度にバランスされるので好ましい。
本発明に用いられる脂環式構造含有重合体のメルトマスフロ−レイト(MFR)は特に限定されないが、1〜100g/10min.の範囲にあると好ましく、2〜70g/10min.の範囲にあるとより好ましく、3〜50g/10min.の範囲にあると特に好ましい。MFRがこの範囲にあると、得られる成形体の成形性の点で好ましい。
本発明においてメルトマスフロ−レイト(MFR)は、温度280℃、荷重2.16kgの条件でJIS−K 7210に準じ測定した値である。
本発明に用いられる脂環式構造含有重合体のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、70℃以上であると好ましく、100〜250℃の範囲であるとより好ましく、100〜200℃の範囲であると特に好ましく、100〜140℃の範囲であると最も好ましい。Tgがこの範囲であると、重合体の混練性、得られる樹脂組成物の成形加工性並びに重合体及び得られる成形体の耐熱性が高度にバランスされ好ましい。
本発明の樹脂組成物中の脂環構造含有重合体の含有割合は、通常50〜99.99重量%、好ましくは80〜99.99重量%、より好ましくは85〜99.9重量%、特に好ましくは95〜99.5重量%である。
(配合剤)
本発明に用いられる配合剤は特に限定されない。
配合剤としては、酸化防止剤、滑剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、離型剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、熱安定剤、造核剤、分散剤、塩素捕捉剤、結晶化核剤、防曇剤、顔料、染料、有機物充填材、無機物充填材、中和剤、分解剤、金属不活性化剤、汚染防止材、抗菌剤、及び他の種類の重合体(ゴムや樹脂)などが挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられ、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤がより好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタンなどが挙げられる。中でもペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]が好ましい。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル 3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
他の種類の重合体(ゴムや樹脂)としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴムなどのイソブチレン系重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などのジエン系重合体;ポリブチルアクリレ−ト、ポリヒドロキシエチルメタクリレ−トなどのアクリル系重合体;ポリビニルアルコ−ル、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などのビニル化合物の重合体;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素系重合体;などが挙げられる。これらの他の種類の重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性反応により官能基を導入したものでもよい。上記重合体の中でもジエン系重合体が好ましく、特に該重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械強度、柔軟性、分散性の点で好ましい。
(樹脂組成物の製造方法)
本発明の樹脂組成物の製造方法は、(I)温度T(℃)の、脂環構造含有溶剤を溶媒(A)とする脂環構造含有重合体の溶液に、温度T(℃)における配合剤の溶解度が20〜50重量%である溶媒(B)に10重量%未満で配合剤を溶解した配合剤溶液を、前記脂環構造含有重合体100重量部に対して配合剤が0.01〜5重量部でかつ前記脂環構造含有重合体の溶液の重量100部に対して配合剤溶液が0.5〜10重量部の範囲で添加して混合し樹脂組成物の溶液を得る工程、(II)工程Iによって得られた、樹脂組成物の溶液から溶媒を除去する工程、を有する。
脂環構造含有重合体の溶液の温度T(℃)は、特に限定されないが、重合体の溶解性、配合剤の溶解性の点で、10〜120℃であると好ましく、20〜100℃であるとより好ましい。
脂環構造含有重合体100重量部に対する配合剤の量は、0.05〜3重量部であると好ましく、0.1〜2重量部であるとより好ましい。
脂環構造含有重合体の溶液の重量100部に対する配合剤溶液の量は、1〜8重量部であると好ましく、1〜5重量部であるとより好ましい。
樹脂組成物の溶液から溶媒を除去する方法は特に限定されないが、樹脂組成物の溶液を、通常25kPa以下、好ましくは15kPa以下、より好ましくは5kPa以下の圧力下で、通常220〜300℃、好ましくは240〜290℃、より好ましくは250〜270℃の温度に加熱して、溶媒及び揮発成分を除去する。
揮発成分としては、重合工程の反応液を直接水素添加反応に供した場合に含有される未反応モノマーなどがある。
操作時間は、溶媒及び揮発成分を充分に除去し得る時間とするが、通常、10分間以上である。操作圧力が高すぎると、蒸発速度が遅く生産性が悪いことに加えて、溶媒及び揮発成分の残留量が多くなる。操作温度が高すぎると、脂環構造含有重合体の熱分解や着色が起こりやすくなる。該重合体が熱分解すると、分子量が低下したり、分子量分布が増大したりする。操作温度が低すぎると、蒸発速度が遅く生産性が悪いことに加えて、溶媒及び揮発成分の残留量が多くなる。この際、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で処理することができる。脂環構造含有重合体は、酸素の存在下で加熱すると、熱劣化により変色することがある。
(成形体)
本発明の樹脂組成物は公知の成形方法により成形し成形体とすることができる。
成形方法としては、射出成形、プレス成形、押出ブロ−成形、射出ブロ−成形、多層ブロ−成形、コネクションブロ−成形、二重壁ブロ−成形、延伸ブロ−成形、真空成形、回転成形などが挙げられる。これらの中でも、射出成形法及びプレス成形法が、凹凸形状の面内のバラツキを小さくでき好適である。プレス成形法としては、溶融押出法により作製したシ−ト又はフィルム等を成形しようとする凹凸状の金型内で加温・加圧する方法が挙げられる。
成形条件は、成形法及び使用する樹脂組成物によって適宜選択される。
樹脂温度は、通常100〜400℃、好ましくは200〜380℃、より好ましくは200〜370℃である。また、射出圧力は、通常0.1〜100MPa、好ましくは0.5〜50MPaである。
本発明の成形体は、蛍光顕微鏡で観察される異物量が少ない。本発明の成形体は、各種成形品として広範な分野において有用である。
例えば、医療用器材;電気絶縁材料;電子部品処理用器材;光学部品;受光素子用窓透の電子部品用途;窓、機器部品、ハウジング等の構造材料や建材;バンパー、ルームミラー、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、インストルメントパネル等の自動車用器材;スピーカーコーン材、スピーカー用振動素子、電子レンジ容器等の電気用器材;ボトル、リターナブルボトル、哺乳瓶等の食品容器;ラップ等の包装材料;フィルム、シート、ヘルメット等の種々の用途に利用できる。
中でも、本発明の成形体は、蛍光顕微鏡で観察される異物量が少ないので光学部品などの用途に好適である。
光学部品の具体例としては、光学レンズ、導光板、プリズムシ−ト、フレネルレンズ、レンチキュラ−レンズ、光ディスク、光ディスク基板、ブルーレーザー用光ディスク、ブルーレーザー用光ディスク基板、光磁気ディスク、光磁気ディスク基板、光カ−ド基板、光導波路などが挙げられ、特に、フレネルレンズ、レンチキュラ−レンズ、プリズムシ−トなどの拡散または集光シ−トや導光板などが好適である。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の例において、特に断りのない限り、部及び%は重量基準、圧力はゲ−ジ圧である。
(分子量)
重合体の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ノルボルネン系開環重合体水素添加物がテトラヒドロフランに可溶な場合は、テトラヒドロフランを溶媒にして40℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリスチレンで換算した値であり、ノルボルネン系開環重合体水素添加物がテトラヒドロフランに不溶でありシクロヘキサンに可溶な場合は、シクロヘキサンを溶媒にして、40℃でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリイソプレンで換算した値である。
(水素添加率)
主鎖および環状炭化水素構造の水素添加率はH‐NMRスペクトルを測定して算出した。
(ガラス転移温度(Tg))
DSC(セイコーインスツルメンツ株式会社製;DSC220)により測定した。
(異物量評価)
異物の観察は、コンピュータ制御落射蛍光顕微鏡(オリンパス社製、BX61−FL)を用いBV励起(435nm)、200倍率で観察した。厚さ0.6mmの成形品を顕微鏡に置き、1cm×1cmの視野にある蛍光を発する異物の個数を1cm当たりの異物個数として求めた(体積:0.6cm)。更に、異物の大きさによっても分類した。
異物の大きさが5μm以下で個数が5個以下の時に光学材料として問題無く使用できるため○、異物の大きさが5μm以上で6個以上を△、10個以上を×で相対評価した。
[配合剤の溶解性]
ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]のシクロヘキサン、トルエン及びキシレンに対する溶解性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2006282888
(参考例1:脂環構造含有重合体の溶液)
乾燥し、窒素置換したステンレス製耐圧容器に、脱水したシクロヘキサン/トルエン(=2/1(重量比))400部に1−ヘキセン0.97部、イソプロピルエ−テル0.25部、イソブチルアルコ−ル0.18部、イソブチルアルミニウム0.48部及び六塩化タングステン0.77重量%トルエン溶液42部を室温で反応容器に入れ混合した後、45℃で1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン200部及び六塩化タングステン0.77重量%トルエン溶液25重量部を2時間かけて連続添加し、重合した。得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は26000、分子量分布(Mw/Mn)は1.72であった。
次いで、上記重合体を含有する重合反応溶液300重量部を攪拌器付きオ−トクレ−ブに移し、珪藻土担持ニッケル触媒(日産ガ−ドラ−触媒製;G−96D、ニッケル担持率58重量%)11部を加え、180℃、4.5MPaで10時間反応させた。水素添加反応終了後、ラジオライト♯500をろ過床として、加圧ろ過器[フンダフィルタ−、石川島播磨重工社製]を使用し、圧力0.25MPa、温度40℃で加圧ろ過して、更にこのろ液を「ゼ−タプラスフィルタ−30S」(孔径0.5〜1μm、キュノ社製)と金属ファイバ−製フィルタ−(孔径0.2μm、ニチダイ社製)でろ過して異物を除去し、脂環構造含有重合体の溶液(A)を得た。
脂環構造含有重合体の溶液(A)は、シクロヘキサン400部を溶媒とする、脂環構造含有重合体約200部の溶液である。
(参考例2:配合剤溶液)
配合剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]を9重量部、溶媒として、キシレン91重量部を25℃で混合撹拌して、配合剤溶液(B1)を得た。
(実施例1)
参考例1で得られた、脂環構造含有重合体の溶液(A)を、40℃の一定温度で撹拌し、参考例2で得られた配合剤溶液(B1)を25℃に加温した配管を通して添加して2時間混合し、樹脂組成物の溶液(C1)を得た。
次いで、樹脂組成物の溶液(C1)を予備加熱装置で250℃に加熱し、圧力3MPaで円筒型濃縮乾燥機[日立製作所製]に連続的に供給した。濃縮乾燥機の運転条件は、圧力60kPa、内部の濃縮された重合体溶液の温度が290℃となるように調節した。濃縮された溶液は、濃縮乾燥機から連続的に導出し、さらに同型の濃縮乾燥機に温度290℃を保ったまま、圧力1.5MPaで供給した。運転条件は、圧力1.5kPa、温度290℃とした。溶融状態の重合体は、濃縮乾燥機から連続的に導出し、クラス100のクリ−ンル−ム内でダイから押し出し、水冷後、ペレタイザ−[OSP−2、長田製作所製]でカッティングしてペレットP1を得た。
次に、ペレットP1を用い、クラス1000のクリーンルーム内で射出成形機[ファナック社製「ロボショットα−100B」、型締め力最大100t]により、樹脂温度280℃、金型温度140℃で、保圧100MPa(Pmin)にて、横90mm、縦60mm、高さ(h)0.6mmの成形体(1)を得た。成形体(1)の異物量評価を行った。結果を表2に示す。
(参考例2:配合剤溶液)
配合剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]を7重量部、溶媒として、キシレン93重量部を40℃で混合撹拌して、配合剤溶液(B2)を得た。
(実施例2)
配合剤溶液(B1)の代わりに配合剤溶液(B2)を用いて40℃に加温した配管を通して配合剤溶液を添加した以外は、実施例1と同様にして、成形体(2)を得た。得られた成形体(2)の異物量評価を行った。結果を表2に示す。
(参考例3:配合剤溶液)
配合剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]を7重量部、溶媒として、トルエン93重量部を40℃で混合撹拌して、配合剤溶液(B3)を得た。
(実施例3)
配合剤溶液(B2)の代わりに配合剤溶液(B3)を用いて25℃に加温した配管を通して配合剤溶液を添加した以外は、実施例2と同様にして、成形体(3)を得た。得られた成形体(3)の異物量評価を行った。結果を表2に示す。
(参考例4:配合剤溶液)
配合剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]を20重量部、溶媒として、キシレン80重量部を25℃で混合撹拌して、配合剤溶液(B4)を得た。
(比較例1)
配合剤溶液(B1)の代わりに配合剤溶液(B4)を用いた以外は、実施例1と同様にして、成形体(4)を得た。得られた成形体(4)の異物量評価を行った。結果を表2に示す。
(参考例5:配合剤溶液)
配合剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]を30重量部、溶媒として、シクロヘキサン70重量部を25℃で混合撹拌して、配合剤溶液(B5)を得た。
(比較例2)
配合剤溶液(B1)の代わりに配合剤溶液(B5)を用いた以外は、実施例1と同様にして、成形体(5)を得た。得られた成形体(5)の異物量評価を行った。結果を表2に示す。
(参考例6:配合剤溶液)
配合剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]を10重量部、溶媒として、シクロヘキサン90重量部を40℃で混合撹拌して、配合剤溶液(B6)を得た。
(比較例3)
配合剤溶液(B2)の代わりに配合剤溶液(B6)を用いた以外は、実施例2と同様にして、成形体(6)を得た。得られた成形体(6)の異物量評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2006282888
表2より以下のことがわかる。
実施例1では、平均異物径も5μmと非常に小さく異物個数も1cm当たり3個と良好であることがわかった。実施例2、3も同様に異物が観察されず非常に良好であった。それに対して、比較例1では平均異物径は10μmと比較的大きく数も1cm当たり10個程度と比較的多く光学材料としては使用できない。比較例2、3では平均異物径が50μm以上と大きく数も1cm当たり14〜28個と非常に多く光学材料として使用できないことがわかった。

Claims (6)

  1. 脂環構造含有重合体及び配合剤を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
    (I)温度T(℃)の、脂環構造含有溶剤を溶媒(A)とする脂環構造含有重合体の溶液に、
    温度T(℃)における配合剤の溶解度が20〜50重量%である溶媒(B)に10重量%未満で配合剤を溶解した配合剤溶液を、
    前記脂環構造含有重合体100重量部に対して配合剤が0.01〜5重量部でかつ
    前記脂環構造含有重合体の溶液の重量100部に対して配合剤溶液が0.5〜10重量部の範囲で添加して混合し樹脂組成物の溶液を得る工程、
    (II)工程Iによって得られた、樹脂組成物の溶液から溶媒を除去する工程、
    を有する、脂環構造含有重合体を含有する樹脂組成物の製造方法。
  2. (℃)が10〜120℃の範囲である請求項1に記載の脂環構造含有重合体を含有する樹脂組成物の製造方法。
  3. 配合剤が、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト]である請求項1又は2に記載の脂環構造含有重合体を含有する樹脂組成物の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法によって得られる樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
  6. 光学部品である請求項5に記載の成形体。
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