JPWO2007088941A1 - 重合体組成物 - Google Patents

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Abstract

低ヨウ素価の脂環構造含有重合体に、N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−N,N’−ビス−ホルミル−ヘキサメチレンジアミンなどの光安定剤と、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートなどの酸化防止剤とを添加して、ヨウ素価0.1以上0.55以下の重合体組成物を得る。そして、この脂環構造含有重合体と、光安定剤及び/又は酸化防止剤とを含有する重合体組成物を成形してヨウ素価0.1以上0.6以下の光学成形体を得る。

Description

本発明は、光線透過率が高く、高い温度においてブルーレーザを照射しても、又高温度高湿度の環境下におかれていても、光線透過率が低下し難い成形体を得ることができる重合体組成物に関する。
光学成形体は、屈折、反射、回折、複屈折などの光学的現象を利用して、種々用途に適用される成形体である。光学用成形体としては、例えば、凸レンズ、凹レンズ、フレネルレンズ、コリメートレンズ、レンチキュラーレンズ、ピックアップレンズ、グレーティングレンズ、ジオデシックレンズ、fθレンズ、非球面レンズなどの光学機器用レンズ;プリズム;MO、DVD、CD等の光情報記録媒体;位相差板、偏光板、光反射板、光拡散板、導光板、プリズムシートなどの表示装置用光学シート若しくは板;などが挙げられる。
これらの中で、光によって情報の書き込み及び読み取りを行う情報機器に用いられる光学成形体、例えば、ピックアップレンズやプリズムなどは、光の積算照射量が多くなっても、その特性が変わらないことが強く求められている。特に、高い記録密度を実現可能なブルーレーザ光を用いた情報機器が開発され、これに対応したブルーレーザ用光学成形体の開発が求められている。
光学成形体に用いる透明重合体組成物として、例えば、特許文献1に開示されるような、シクロオレフィン系樹脂と、光安定剤及び/又は酸化防止剤を配合した組成物が知られており、その組成物を成形してレンズを得ることが知られている。
光学成形体の耐光安定性、酸化防止性を高めるために適するとして様々な光安定剤及び/又は酸化防止剤が提案されている。例えば、特許文献2には、脂環構造含有重合体にジブチルアミンと1,3,5−トリアジン・N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物を配合した組成物が開示されている。特許文献3には、脂環構造含有重合体にビス(2,2’6,6’−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケートを配合した重合体組成物が開示されている。特許文献4には、熱可塑性ノルボルネン樹脂に、[1−{2−(3−[3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル]プロピオニルオキシ)エチル}−4−{3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル}プロピオニルオキシ]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを配合した組成物が開示されている。特許文献5には、脂環構造含有重合体に、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物やビス[1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル][{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ブチルマロネートなどを配合した組成物が開示されている。また、特許文献6及び特許文献7には、N,N’−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−N,N’−ビスホルミル−ヘキサメチレンジアミンなどのピペリジン誘導体が開示され、それをポリエチレン、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリレート樹脂などの合成樹脂に配合することが開示されている。特許文献6には、このピペリジン誘導体が固有の色を持たず、有機重合体との相溶性が良好で、低い蒸気圧を有し、熱分解に対しても安定であると述べている。
一方、脂環構造含有重合体の検討もされている。例えば、特許文献8には、ヨウ素価が0.7〜1.0のα−オレフィン及び/又はシクロオレフィンからなるランダム多元共重合体が記載されている。また特許文献9には、ヨウ素価が1.0未満のノルボルネン系重合体と、ラクトン系酸化防止剤と、フェノール系酸化防止剤及び/又はリン系酸化防止剤とを少なくとも含有するノルボルネン系重合体組成物が開示されている。
特開2005−202056号公報 特開2003−276047号公報 特開平7−216152号公報 特開平9−268250号公報 WO01/92412号公報 特開平1−160959号公報 特表2003−529588号公報 特開昭61−115912号公報 特開2000−143944号公報
これら特許文献に開示されているような重合体組成物を成形することによって得られたレンズ成形物は、室温下で比較的弱い光の照射であれば、白濁などの光学特性の低下を招くことがない。しかしながら、高い温度で、強い光のブルーレーザが照射された場合には、光線透過率が大幅に低下して、レンズ特性を保てないことがあった。
そして、本発明者は、この現象が、重合体組成物中に、わずかに存在する不飽和結合に起因することを確認した。重合体を高度に水素化して、1H−NMRスペクトルから算出される水素化率が高い重合体を用いた場合であっても、実際の成形体製造のために重合体を十分に乾燥させた場合、その乾燥工程で樹脂中に不飽和結合が生じる。また、重合体組成物に、配合される光安定剤や酸化防止剤は、極少量ではあるけれど、これらの配合剤そのものや、配合剤に付着した不純物などに起因する不飽和結合がある。こうした、わずかな不飽和結合が、ブルーレーザ光が照射される環境では、レンズ特性を大きく左右することが判った。
本発明の目的は、初期状態の光線透過率が高く、そして高い温度においてブルーレーザを照射した後でも、または高温度高湿度の環境下におかれた後でも、光線透過率が低下し難い成形体を得ることができる重合体組成物を提供することにある。
本発明者は、前記の目的を達成するために種々検討した結果、環状オレフィン樹脂などの脂環構造含有重合体と、光安定剤及び/又は酸化防止剤とを含有する組成物において、ヨウ素価を0.1以上0.55以下にした重合体組成物を成形すると、初期状態の光線透過率が高く、そして高い温度においてブルーレーザを照射した後でも、または高温度高湿度の環境下におかれた後でも、光線透過率が低下し難い成形体が得られることを見出した。本発明はこの知見に基づいて完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の態様が含まれる。
(1) 脂環構造含有重合体と、光安定剤及び/又は酸化防止剤とを含有し、ヨウ素価が0.1以上0.55以下である重合体組成物。
(2) 脂環構造含有重合体のヨウ素価が0.1以下である前記の重合体組成物。
(3) 脂環構造含有重合体がノルボルネン系重合体である前記の重合体組成物。
(4) ノルボルネン系重合体がノルボルネン系モノマーと、付加共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体の水素化物である前記の重合体組成物。
(5) 脂環構造含有重合体がビニル脂環式炭化水素重合体である前記の重合体組成物。
(6) 光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤である前記の重合体組成物。
(7) 光安定剤がN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミンである前記の重合体組成物。
(8) 酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤である前記の重合体組成物。
(9) 酸化防止剤が2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートである前記の重合体組成物。
(10) さらに耐湿剤を含有する前記の重合体組成物。
(11) 脂環構造含有重合体と、光安定剤及び/又は酸化防止剤とを含有する重合体組成物からなるヨウ素価が0.1以上0.6以下である光学成形体。
(12) 脂環構造含有重合体のヨウ素価が0.1以下である前記の光学成形体。
(13) 脂環構造含有重合体がノルボルネン系重合体である前記の光学成形体。
(14) ノルボルネン系重合体がノルボルネン系モノマーと、付加共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体の水素化物である前記の光学成形体。
(15) 脂環構造含有重合体がビニル脂環式炭化水素重合体である前記の光学成形体。
(16) 光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤である前記の光学成形体。
(17) 光安定剤がN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミンである前記の光学成形体。
(18) 酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤である前記の光学成形体。
(19) 酸化防止剤が2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートである前記の光学成形体。
(20) さらに耐湿剤を含有する前記の光学成形体。
本発明の重合体組成物を用いた成形体は、透明性に優れ、且つブルーレーザを室温下で長時間照射しても、光線透過率がほとんど低下しないだけでなく、高い温度においてブルーレーザを照射した後でも、又は高温度高湿度の環境下におかれた後でも、光線透過率が低下し難い。そのため、本発明の重合体組成物は、レンズ、回折格子、プリズムなどの光学材料として、特にブルーレーザを使用する光学材料として好適である。
本発明の重合体組成物は、脂環構造含有重合体と、光安定剤及び/又は酸化防止剤とを含有するものである。
(脂環構造含有重合体)
本発明に用いる脂環構造含有重合体は、重合体の繰り返し単位中に脂環構造を含有する重合体である。脂環構造は、主鎖及び側鎖のいずれに有していてもよいが、得られる成形体の機械強度、耐熱性などの観点から、主鎖に脂環構造を含有するものが好ましい。
脂環構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、重合体の熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。
脂環構造を構成する炭素原子数は、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲にある。炭素原子数がこの範囲にあると、得られる成形体の耐熱性が優れる。
脂環構造含有重合体中の脂環構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択すればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環構造含有重合体中の脂環構造を有する繰り返し単位の割合がこの範囲にあると、得られる成形体の耐熱性が優れる。
なお、脂環構造含有重合体中の脂環構造を有する繰り返し単位以外の残部は、使用目的に応じて適宜選択される。
脂環構造含有重合体の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン重合体、(3)環状共役ジエン重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体などが挙げられる。
これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体、環状共役ジエン重合体、及びビニル脂環式炭化水素重合体が好ましく、得られる成形体の耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体、及びビニル脂環式炭化水素重合体がより好ましい。
(1)ノルボルネン系重合体
ノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環重合体及びこれらの水素化物;ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと付加共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体及びこれらの水素化物などが挙げられる。
ノルボルネン系重合体を得るために使用されるノルボルネン系モノマーは、ノルボルネン構造を有する単量体である。
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、テトラシクロ[7.4.0.02,7.110,13]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体などが挙げられる。置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが例示でき、上記ノルボルネン系モノマーは、これらの置換基を2種以上有していてもよい。
置換基を有するノルボルネン系モノマーとしては、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
これらノルボルネン系モノマーの開環重合体、又はノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環重合体は、モノマー成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。
開環重合触媒としては、ルテニウムやオスミウムなどの金属のハロゲン化物、硝酸塩又はアセチルアセトン化合物と還元剤とからなる触媒;チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物又はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物などの助触媒とからなる触媒;などを挙げることができる。
ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィンモノマーなどを挙げることができる。
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
ノルボルネン系モノマーの付加重合体、又はノルボルネン系モノマーとこれと付加共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体は、モノマー成分を、公知の付加重合触媒、例えば、チタン化合物、ジルコニウム化合物又はバナジウム化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて重合させることによって得ることができる。
ノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられる。
これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。これらのノルボルネン系モノマーと付加共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
ノルボルネン系モノマーとこれと付加共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
また、ヨウ素価0.1以下の付加重合体を得るには、モノマー成分を付加重合した後、水素化することが好ましい。水素化触媒として、ニッケル、パラジウムなどの金属を担体に担持した触媒などの公知の不均一系触媒を適宜組み合わせて用いることができる。水素化触媒として特にニッケルを含む触媒とパラジウムを含む触媒とを組み合わせるのが好ましい。
担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、珪藻土などが挙げられる。
水素化反応は、通常溶媒中で行われる。溶媒としては単量体を重合する時に使用可能な溶媒と同じものを用いることができる。
水素化反応は、通常100〜200℃、好ましくは130〜195℃の温度範囲で、通常0.01〜10MPa、好ましくは0.05〜6MPa、より好ましくは0.1〜5MPaの水素圧で行われる。
(2)単環の環状オレフィン重合体
単環の環状オレフィン重合体としては、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの、単環の環状オレフィンモノマーの付加重合体及びこれらの水素化物などが挙げられる。
(3)環状共役ジエン重合体
環状共役ジエン重合体としては、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエンモノマーを1,2−又は1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などが挙げられる。
ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン重合体又は環状共役ジエン重合体の重量平均分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000、特に好ましくは20,000〜60,000の範囲である。重量平均分子量がこの範囲にあると、得られる重合体組成物の成形加工性及び得られる成形体の機械的強度が高度にバランスされて好適である。
ここで、重量平均分子量は、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレン又はポリスチレン換算の値である。
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素モノマーの重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族モノマーの重合体の芳香環水素化物;などが挙げられ、さらにビニル脂環式炭化水素モノマーやビニル芳香族モノマーと、これらのモノマーと共重合可能なブタジエン、イソプレンなどの他のモノマーとのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物などが挙げられる。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、又はそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
ビニル脂環式炭化水素重合体が、ビニル芳香族モノマーの重合体の芳香環水素化物である場合、芳香環部分が水素化されている必要がある。従って、本発明で用いるビニル脂環式炭化水素重合体の水素化率は、通常、実質的に100%である。ここで水素化率が実質的に100%というのは、1H−NMRスペクトルで、芳香環に起因するピークと脂肪族性の炭素−炭素二重結合に起因するピークとが検出されないことを言う。
このような高い水素化率を得ることができれば、ヨウ素価が0.1以下の重合体を得ることができる。水素化の条件としては、前述した付加重合体の水素化反応の条件と同様の条件が採用される。
ビニル脂環式炭化水素重合体の重量平均分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000の範囲にある。重量平均分子量がこの範囲にあると、得られる重合体組成物の成形加工性及び得られる成形体の機械的強度が高度にバランスされるので好ましい。
ここで、重量平均分子量は、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン又はテトラヒドロフラン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレン(トルエン又はテトラヒドロフランを用いた場合はポリスチレン換算)の値である。
(光安定剤)
本発明の重合体組成物に含有させることができる光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)、ベンゾエート系光安定剤などを挙げることができる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミン及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネートなどを挙げることができる。
ベンゾエート系光安定剤としては、例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどを挙げることができる。
これらの光安定剤は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中で、ヒンダードアミン系光安定剤を好適に用いることができ、中でも特に、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミンを好適に用いることができる。
光安定剤の添加量は、色度の観点から脂環構造含有重合体100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、0.02〜1重量部であることがより好ましく、0.05〜0.5重量部であることが特に好ましい。
(酸化防止剤)
本発明の重合体組成物に含有させることができる酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などが挙げられる。これらの中でも、フェノール系酸化防止剤が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤がより好ましい。
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタンなどが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどが挙げられる。
イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル 3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル 3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
これら酸化防止剤はそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができるが、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。組み合わせて使用する場合にはフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との併用が、成形体の透明性に優れるので好ましい。
酸化防止剤の配合量は、適宜選択されるが、脂環構造含有重合体100重量部に対して、通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.01〜0.1重量部の範囲である。
本発明の重合体組成物には、光安定剤及び酸化防止剤以外に、耐湿剤、滑剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、熱安定剤、造核剤、分散剤、塩素捕捉剤、結晶化核剤、防曇剤、顔料、染料、有機物充填材、無機物充填材、金属不活性化剤、汚染防止材、抗菌剤、及び他の種類の重合体(ゴムや樹脂)などの重合体に一般的に配合される成分が適宜配合されていてもよい。
(耐湿剤)
本発明の重合体組成物に耐湿剤を配合することが、高温高湿条件下でも良好な光学特性を維持することが可能となるので好ましい。耐湿剤としては、母材となる樹脂との屈折率の差が小さい軟質重合体が有効であり、かつヨウ素価の低いものが望ましい。
軟質重合体としては液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、低ヨウ素価のエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;ポリブタジエン水添体、ポリイソプレン水添体、ブタジエン・スチレンランダム共重合体水添体、イソプレン・スチレンランダム共重合体水添体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体水添体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体水添体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体水添体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体水添体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体水添体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体水添体などの低ヨウ素価ジエン系軟質重合体;
ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサン、などのケイ素含有軟質重合体; ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ブチルアクリレート・スチレン共重合体などのα,β−不飽和酸からなる軟質重合体; ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などの不飽和アルコール及びアミン又はそのアシル誘導体又はアセタールからなる軟質重合体; ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴム、などのエポキシ系軟質重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴム、などのフッ素系軟質重合体;天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどの軟質重合体が挙げられる。
耐湿剤の量は、本発明重合体組成物のヨウ素価の範囲を逸脱しない範囲である。
本発明の重合体組成物は、その調製法によって、特に限定されない。たとえば、脂環構造含有重合体を、ロール、ニーダー、押出混練機、バンバリーミキサー、フィーダールーダー等の混練器で練りながら、前記配合剤を添加する方法;脂環構造含有重合体の溶液と配合剤を溶解又は分散させた液とを混ぜ合わせ、次いで該混合液から溶媒を除去する方法;などが挙げられる。
前者の調製法では、混練時の温度を、好ましくは250℃以下、より好ましくは200〜230℃とすることが低ヨウ素価を維持するために有効である。また混練時の樹脂滞留時間は120秒間以内とすることが好ましい。さらに不活性ガス雰囲気下で混練することが好ましい。
後者の調製法では、混合液から溶媒を除去する際の温度を290℃以下にし、且つ減圧ないしは不活性ガス雰囲気下にすることが低ヨウ素価を維持するために好ましい。
本発明の重合体組成物は、そのヨウ素価が、0.1以上0.55以下、好ましくは0.1以上0.5以下であることが必要である。ヨウ素価が0.1未満になるような重合体組成物を得るには、光安定剤や酸化防止剤などの配合量を極度に抑える必要があるため、成形体の酸化や耐湿劣化が進行してしまう。逆にヨウ素価が、0.55を超える重合体組成物は、ブルーレーザ光などの強い光の照射による劣化を抑えられなくなる。
重合体組成物のヨウ素価を小さくするためには、重合体組成物を構成する脂環構造含有重合体と、光安定剤及び/又は酸化防止剤とを、ともにヨウ素価の低いものから選択することが必要である。特に脂環構造含有重合体はヨウ素価0.1以下のものから選択することが好ましい。なお、本発明においてヨウ素価は、JIS K 6235に規定されたヨウ素価法によって測定された値である。
本発明の光学成形体は、例えば、前記の重合体組成物を公知の成形方法で成形することによって得られる。成形方法としては、例えば、溶液流延法、溶融押出成形法、プレス成形法、インフレーション成形法、射出成形法、ブロー成形法、延伸成形法等が挙げられる。本発明の光学成形体を得るためには、成形において重合体組成物に掛かる熱履歴を小さくしたり、酸化を抑えたりしてヨウ素価上昇を抑えるようにする。たとえば、重合体組成物の高温溶融状態での滞留時間を短くすること及び/又は不活性ガス雰囲気下で成形を実施することが挙げられ、これら手段を講じることによってヨウ素価が0.1以上0.6以下の光学成形体を得ることができる。より具体的には、成形時の樹脂温度を230〜280℃にすることが好ましく、成形時の樹脂滞留時間を200秒間以内とすることが好ましい。
本発明の光学成形体は、ブルーレーザに対する耐性が高いので、ブルーレーザを使用する光学部品、特にピックアップレンズやプリズムレンズなどのブルーレーザ光の積算照射量が多くなる光学部材に好適である。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、部及び%は重量基準、圧力はMPaである。
(合成例1)
乾燥し、窒素置換したステンレス鋼製耐圧容器に、スチレン76部とイソプレン4部とを密封し攪拌して混合モノマーを調製した。次に、乾燥し、窒素置換した電磁撹拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに、脱水シクロヘキサン320部、混合モノマー4部及びジブチルエーテル0.1部を仕込み、それらを50℃に加温し撹拌しているところにn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(濃度15%)0.18部を添加して重合反応を開始した。反応開始から0.5時間経過した時から、重合反応溶液に混合モノマー76部を1時間かけて連続的に添加し、重合反応を継続させた。混合モノマーの添加終了時から0.5時間経過した時に、イソプロピルアルコール0.1部を添加して重合反応を停止させ、スチレン−イソプレン共重合体を得た。
次いで、上記重合反応溶液400部に、ニッケル水素化触媒(60%ニッケル担持、シリカアルミナ担体)8部を添加し、それをステンレス鋼製オートクレーブに仕込んだ。オートクレーブ内部を水素ガスで置換し、オートクレーブ内部の圧力を4.5MPaに保つように水素を供給し、160℃で6時間水素化反応を行った。次いで、加圧濾過器を用いて、圧力0.25MPaで加圧濾過し、触媒が除去された無色透明な溶液を得た。この水素化反応溶液をアセトン250部とイソプロパノール250部との混合溶液に、攪拌しながら注いで、水素化物を沈澱させ、濾別して回収した。回収した水素化物をさらにアセトン200部で洗浄し、次いで100℃の真空乾燥器で24時間減圧乾燥させた。水素化物の収率は99%であった。この水素化物は、重量平均分子量(Mw)が91,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.27、ガラス転移温度は125℃、ヨウ素価は0.05であった。
(合成例2)
攪拌機付き耐圧反応器に、トルエン860部、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン200部、及びトルエン5.18部に溶解したトリエチルアルミニウム0.630部を仕込んだ。
ガラス器に、トルエン43.5部、rac−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジクロリド0.04部、及びトルエン2.56部に溶解したメチルアルミノキサン0.499部を仕込み、混合し、これらを前記耐圧反応器に添加した。
0.2MPaのエチレンガスを耐圧反応器に導入し、40℃で重合反応を開始した。40分間経過後、脱圧して、メタノール5部を添加し、重合反応を停止させた。この溶液を濾過し、多量の塩酸酸性メタノールに注いで付加重合体を析出させた。析出した付加重合体を分取し、洗浄し、100℃で15時間減圧乾燥した。付加重合体は、重量平均分子量が62,000、数平均分子量が31,000、付加重合体中の1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン単位/エチレン単位のモル比は43/57で、ガラス転移温度は168℃、ヨウ素価は0.40であった。
(合成例3)
合成例2で得た重合体150部をトルエン283部及びシクロヘキサン567部の混合溶媒に溶解し、シリカ担持パラジウム触媒30部を添加し、かき混ぜた。電熱加熱装置と電磁攪拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに前記溶液を仕込んだ。オートクレーブの内圧を4.5MPa、温度を180℃に維持して水素を供給し、15時間水素化反応を行った。反応液を濾過し、無色透明な溶液を得た。この溶液を多量のメタノールに注ぎ、重合体水素化物を析出させた。析出した重合体水素化物を分取し、洗浄し、100℃で15時間減圧乾燥した。重合体水素化物は、重量平均分子量が41,000、数平均分子量が22,000、ガラス転移温度が145℃であった。芳香環の水素化率が99%以上であった。また、重合体水素化物のヨウ素価は0.08であった。
(比較例1)
合成例1で得られた水素化物(ヨウ素価0.05)100部と、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミン(光安定剤A)0.1部と、セプトン2002(クラレ社製:スチレン・オレフィンブロック共重合体、耐湿剤B)0.2部とを、2軸混練機(スクリュー径37mm、L/D=32、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度230℃、フィードレート10kg/時間、樹脂滞留時間80秒、重合体及び添加剤の導入口を窒素雰囲気にする。)で混練して押し出し、ペレット化した重合体組成物を得た。この重合体組成物のヨウ素価は0.79であった。
得られたペレットを80℃で4時間加熱し乾燥させ、次いで窒素雰囲気とされたペレット投入口から該ペレットを射出成形装置に投入し、樹脂温度260℃、樹脂滞留時間180秒間、射出速度10mm/秒で射出成形し65mm×65mm×3mmの成形体を2個得た。一方の成形体をニッパーで1cm角程度に細かく割り、それをクロロホルムに溶解し、ヨウ素価を測定した。この成形体は滴定により求めたヨウ素価が0.85であった。
次に、もう一方の成形体を用いて下記の評価試験を行った。成形体は、光線透過率が87.8%、耐高温高湿性が0.6%、耐高温レーザ性が44.8%であった。
(光線透過率)
成形体の光路長3mm、波長400nmにおける光線透過率を、分光光度計(日本分光社製、「V−570」)を用いて測定した。
(耐高温高湿性)
成形体を温度60℃、相対湿度95%の高温高湿試験器内に120時間放置し、次いで試験器から急いで取り出して24時間室温内に放置した。これにより、成形体の周辺環境を高温高湿環境から室温環境に急激に変化させた。この環境変化を与える前と環境変化を与えた後の成形体について、光路長65mm、波長700nmにおける光線透過率を、分光光度計(日本分光社製、「V−570」)を用いてそれぞれ測定し、高温高湿試験器に入れる前の光線透過率からの低下量を求めた。この低下量が小さいほど耐高温高湿性に優れていることを示す。
(耐高温レーザ性)
成形体に、80℃の環境下で、405±10nm、400mW/cm2のダイオードレーザを240時間照射した。レーザ照射後の成形体の光線透過率を分光光度計(日本分光社製、「V−570」)を用いて測定し、レーザ照射前の光線透過率からの低下量を求めた。この低下量が小さいほど耐レーザ性に優れていることを示す。
Figure 2007088941
(実施例1)
更に、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート(酸化防止剤C)0.05部を配合したこと以外は、比較例1と同様にして重合体組成物のペレットを得、ヨウ素価を測定した。重合体組成物のヨウ素価は0.39であった。
また、このペレットを用いたこと以外は、比較例1と同様にして成形体を得、ヨウ素価を測定し、評価試験を行った。成形体のヨウ素価は0.45であった。成形体は、400nmにおける光線透過率が91.0%、耐高温高湿性が0.6%、耐高温レーザ性が0.5%であった。
(比較例2)
更に、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−ターシャリー−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−ターシャリー−ペンチルフェニルアクリレート(酸化防止剤C)0.2部を配合したこと以外は、比較例1と同様にして重合体組成物のペレットを得、ヨウ素価を測定した。重合体組成物のヨウ素価は0.63であった。
また、このペレットを用いたこと以外は、比較例1と同様にして成形体を得、ヨウ素価を測定し、評価試験を行った。成形体のヨウ素価は0.65であった。成形体は、400nmにおける光線透過率が89.9%、耐高温高湿性が0.6%、耐高温レーザ性が25.1%であった。
(比較例3)
合成例1で得られた水素化物を、合成例2で得られた付加重合体(ヨウ素価0.40)に換えたこと以外は、実施例1と同様にして重合体組成物のペレットを得、ヨウ素価を測定した。重合体組成物のヨウ素価は0.56であった。
また、このペレットを用いたこと以外は、比較例1と同様にして成形体を得、ヨウ素価を測定し、評価試験を行った。成形体のヨウ素価は0.63であった。成形体は、400nmにおける光線透過率が88.9%、耐高温高湿性が0.7%、耐高温レーザ性が31.5%であった。
(比較例4)
合成例1で得られた水素化物を、合成例3で得られた重合体水素化物(ヨウ素価0.08)に換え、さらに2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート(酸化防止剤C)0.2部を配合したこと以外は、比較例1と同様にして重合体組成物のペレットを得、ヨウ素価を測定した。重合体組成物のヨウ素価は0.67であった。
また、このペレットを用いたこと以外は、比較例1と同様にして成形体を得、ヨウ素価を測定し、評価試験を行った。成形体のヨウ素価は0.68であった。成形体は、400nmにおける光線透過率が89.8%、耐高温高湿性が0.8%、耐高温レーザ性が36.2%であった。
(実施例2)
合成例1で得られた水素化物を、合成例3で得られた重合体水素化物(ヨウ素価0.08)に変えたこと以外は、実施例1と同様にして重合体組成物のペレットを得、ヨウ素価を測定した。重合体組成物のヨウ素価は0.36であった。
また、このペレットを用いたこと以外は、比較例1と同様にして成形体を得、ヨウ素価を測定し、評価試験を行った。成形体のヨウ素価は0.38であった。成形体は400nmにおける光線透過率が90.7%、耐高温高湿性が0.8%、耐高温レーザ性が0.8%であった。
(比較例5)
実施例1において、重合体と添加剤とを2軸混練する際の樹脂温度を260℃、フィードレートを5kg/時間、樹脂滞留時間を160秒間、重合体及び添加剤の導入口を大気雰囲気とした以外は実施例1と同様にして重合体組成物を得た。重合体組成物のヨウ素価は0.72であった。
また、実施例1において、ペレット投入口を大気雰囲気とし、射出成形する際の樹脂温度を300℃、樹脂滞留時間を210秒間とした以外は実施例1と同様にして成形体を得、ヨウ素価を測定し、評価試験を行った。成形体のヨウ素価は1.21であった。成形体は400nmにおける光線透過率が86.0%、耐高温高湿性が0.8%、耐高温レーザ性が66%であった。
(比較例6)
実施例2において、重合体と添加剤とを2軸混練する際の樹脂温度を260℃、フィードレートを5kg/時間、樹脂滞留時間を160秒間、重合体及び添加剤の導入口を大気雰囲気とした以外は実施例2と同様にして重合体組成物を得た。重合体組成物のヨウ素価は0.95であった。
また、実施例2において、ペレット投入口を大気雰囲気とし、射出成形する際の樹脂温度を300℃、樹脂滞留時間を210秒間とした以外は実施例2と同様にして成形体を得、ヨウ素価を測定し、評価試験を行った。成形体のヨウ素価は1.42であった。成形体は400nmにおける光線透過率が85.0%、耐高温高湿性が0.8%、耐高温レーザ性が78%であった。

Claims (20)

  1. 脂環構造含有重合体と、光安定剤及び/又は酸化防止剤とを含有し、ヨウ素価が0.1以上0.55以下である重合体組成物。
  2. 脂環構造含有重合体のヨウ素価が0.1以下である請求項1に記載の重合体組成物。
  3. 脂環構造含有重合体がノルボルネン系重合体である請求項1に記載の重合体組成物。
  4. ノルボルネン系重合体がノルボルネン系モノマーと、付加共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体の水素化物である請求項3に記載の重合体組成物。
  5. 脂環構造含有重合体がビニル脂環式炭化水素重合体である請求項1に記載の重合体組成物。
  6. 光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤である請求項1に記載の重合体組成物。
  7. 光安定剤がN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミンである請求項1に記載の重合体組成物。
  8. 酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤である請求項1に記載の重合体組成物。
  9. 酸化防止剤が2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートである請求項1に記載の重合体組成物。
  10. さらに耐湿剤を含有する請求項1に記載の重合体組成物。
  11. 脂環構造含有重合体と、光安定剤及び/又は酸化防止剤とを含有する重合体組成物からなるヨウ素価が0.1以上0.6以下である光学成形体。
  12. 脂環構造含有重合体のヨウ素価が0.1以下である請求項11に記載の光学成形体。
  13. 脂環構造含有重合体がノルボルネン系重合体である請求項11に記載の光学成形体。
  14. ノルボルネン系重合体がノルボルネン系モノマーと、付加共重合可能なその他のモノマーとの付加重合体の水素化物である請求項13に記載の光学成形体。
  15. 脂環構造含有重合体がビニル脂環式炭化水素重合体である請求項11に記載の光学成形体。
  16. 光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤である請求項11に記載の光学成形体。
  17. 光安定剤がN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミンである請求項11に記載の光学成形体。
  18. 酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤である請求項11に記載の光学成形体。
  19. 酸化防止剤が2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートである請求項11に記載の光学成形体。
  20. さらに耐湿剤を含有する請求項11に記載の光学成形体。
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