JPH07216152A - 環状オレフィン系樹脂組成物製容器 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂組成物製容器

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Publication number
JPH07216152A
JPH07216152A JP1357194A JP1357194A JPH07216152A JP H07216152 A JPH07216152 A JP H07216152A JP 1357194 A JP1357194 A JP 1357194A JP 1357194 A JP1357194 A JP 1357194A JP H07216152 A JPH07216152 A JP H07216152A
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JP
Japan
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cyclic olefin
group
formula
ring
ethylene
Prior art date
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Pending
Application number
JP1357194A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Hirose
瀬 敏 行 広
Shigetoshi Nishijima
島 茂 俊 西
Yozo Yamamoto
本 陽 造 山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、環状オレフィン系樹脂組成物から
形成され、長期間保存しても容器自体が着色したり機械
的強度が低下したりすることがなく、しかも内容物を長
期間にわたって保存しうるような防湿性、耐候(光)
性、紫外線遮蔽性に優れた容器を提供する。 【構成】[A]下記の群から選ばれる少なくとも1種の
環状オレフィン系樹脂100重量部; [A-1]エチレンと特定の環状オレフィンとのランダム
共重合体、[A-2]環状オレフィンの開環重合体または
共重合体、[A-3][A-2]の水素化物および[A-4][A
-1]、[A-2]または[A-3]のグラフト変性物、および
特定量の[B] 紫外線吸収剤と[C]ヒンダードアミ
ン系化合物とからなる環状オレフィン系樹脂組成物から
形成された容器:

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、環状オレフィン系樹脂組
成物から形成され、防湿性、耐候(光)性、紫外線遮蔽
性に優れた容器に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】エチレン、プロピレンなどのα−
オレフィンを重合させて得られるポリオレフィンは、従
来から耐薬品性および耐溶剤性に優れた樹脂として広く
利用されているが、透明性、耐熱性、剛性については十
分であるとはいえないことがある。このためポリオレフ
ィンに造核剤を添加したり、溶融状態にあるポリオレフ
ィンを徐冷したりして結晶化度を上げることによりポリ
オレフィンの透明性、耐熱性、剛性を改善しているが、
このような方法によって透明性、耐熱性、剛性が充分に
改善されたポリオレフィンが得られているとは言い難
い。
【0003】ところで上記のような従来のポリオレフィ
ンに対して、エチレンと嵩高なオレフィンとを反応させ
て得られる共重合体は、耐熱性などの諸特性に優れてい
ることが報告されている(例えば米国特許第 883,372号
明細書、特開昭46-14910号公報参照)。
【0004】本出願人も、このような嵩高なオレフィン
から得られるポリオレフィンについて研究し、エチレン
と特定の嵩高な環状オレフィンとから透明性、耐熱性、
剛性に優れたエチレンと環状オレフィンとの共重合体を
得て既に出願を行っている(特開昭 60-168708号、同 6
1-120816号、同 61-115912号、同61-115916 号、同 61-
271308号、同 61-272216号、同 62-252406号、同 62-25
2407号公報参照)。
【0005】そしてこのように透明性、耐熱性、剛性に
優れたエチレン/環状オレフィン共重合体などの環状オ
レフィン系樹脂から容器を形成することも知られている
が、このような容器では、長期間保存すると容器自体が
着色したり、機械的強度が低下したり、あるいは内容物
が変質してしまうことがあった。
【0006】本発明者らは、このような問題点を解決す
べく鋭意研究したところ、環状オレフィン系樹脂は紫外
線によって劣化することがあるとともに、紫外線などを
充分に透過し、この紫外線によって内容物が変質してし
まうことを見出した。
【0007】本発明者らは、上記のような知見に基づい
てさらに研究したところ、環状オレフィン系樹脂と紫外
線吸収剤とヒンダードアミン系安定剤とからなる環状オ
レフィン系樹脂組成物からなる容器は、長期間保存して
も容器自体が着色したり、機械的強度が低下したりする
ことがなく、しかも内容物を長期間わたって安定に保存
しうることを見出して本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に鑑み
てなされたものであり、環状オレフィン系樹脂組成物か
ら形成され、防湿性(水蒸気バリヤー性)、耐候(光)
性、紫外線遮蔽性に優れ、長期間保存しても容器自体が
着色したり機械的強度が低下したりすることがなく、し
かも内容物を長期間わたって安定に保存しうるような容
器を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る容器は、[A]下記[A-
1]、[A-2]、[A-3]および[A-4]からなる群から選
ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂;100
重量部と、[B]紫外線吸収剤;0.01〜2.0重量
部と、[C]ヒンダードアミン系安定剤;0.01〜
2.0重量部とからなる環状オレフィン系樹脂組成物か
ら形成されていることを特徴としている。
【0010】[A-1]エチレンと下記式[I]または[I
I]で表される環状オレフィンとを共重合させて得られ
るエチレン・環状オレフィンランダム共重合体;
【0011】
【化3】
【0012】(式[I]中、nは0または1であり、m
は0または正の整数であり、qは0または1であり、R
1 〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に水素
原子、ハロゲン原子またはハロゲンで置換されていても
よい炭化水素基であり、R15〜R18は互いに結合して単
環または多環を形成していてもよく、かつ該単環または
多環は二重結合を有していてもよく、またR15とR16
で、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成してい
てもよい。)、
【0013】
【化4】
【0014】(式[II]中、pおよびqは0または正の
整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1
〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロ
ゲンで置換されていてもよい炭化水素基またはアルコキ
シ基であり、R9 またはR10が結合している炭素原子
と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合して
いる炭素原子とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレ
ン基を介して結合していてもよく、またn=m=0のと
きR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環
または多環の芳香族環を形成していてもよい。)、[A-
2]上記式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンの開環重合体または共重合体、[A-3]上記[A-2]開
環重合体または共重合体の水素化物、および[A-4]上
記[A-1]、[A-2]または[A-3]のグラフト変性物。
【0015】上記のような[A]環状オレフィン系樹脂
と、特定量の[B]紫外線吸収剤と[C]ヒンダードア
ミン系安定剤とからなる環状オレフィン系樹脂組成物か
ら形成される本発明に係る容器は、防湿性(水蒸気バリ
ヤー性)、耐候(光)性、紫外線遮蔽性に優れており、
長期間保存しても容器自体が着色したり機械的強度が低
下したりすることがなく、しかも内容物を長期間にわた
って保存しうる。
【0016】本発明では、上記のような[A]環状オレ
フィン系樹脂として、[A-1]エチレンと環状オレフィ
ンとの共重合体のうちでもエチレンと式[I]で表され
る環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・
環状オレフィンランダム共重合体が好ましく、さらにこ
の式[I]において、nは0であり、mは0、1または
2であることが好ましく、特にこの式[I]で表される
環状オレフィンがテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3
- ドデセンであることが好ましい。
【0017】
【発明の具体的説明】本発明に係る容器は、環状オレフ
ィン系樹脂組成物を容器形状に賦形することにより形成
される。
【0018】まず本発明に係る容器を形成する環状オレ
フィン系樹脂組成物について説明する。この環状オレフ
ィン系樹脂組成物は、[A]環状オレフィン系樹脂と、
特定量の[B]紫外線吸収剤と[C] ヒンダードアミ
ン系安定剤とからなる。
【0019】[A]環状オレフィン系樹脂 本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂[A]は、
[A-1]エチレンと下記式[I]または[II]で表され
る環状オレフィンとのランダム共重合体、[A-2]下記
式[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環
重合体または共重合体、[A-3]上記[A-2]開環重合体
または共重合体の水素化物および[A-4]上記[A-1]、
[A-2]または[A-3]のグラフト変性物からなる群から
選ばれる少なくとも1種である。
【0020】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
[A]は、サーマル・メカニカルアナライザーで測定し
た軟化温度(TMA)が、60℃以上好ましくは70℃
以上であり、ガラス転移点(Tg)は、50℃以上好ま
しくは60℃以上であることが望ましい。
【0021】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
[A]は、X線回折法によって測定される結晶化度が、
0〜20%好ましくは0〜2%であることが望ましい。
また環状オレフィン系樹脂[A]は、135℃のデカリ
ン中で測定される極限粘度[η]が、通常0.05〜1
0dl/g好ましくは0.3〜2.0dl/gさらに好ましく
は0.4〜1.2dl/gであることが望ましい。
【0022】ここでまず本発明で用いられる環状オレフ
ィン系樹脂[A]を形成する環状オレフィンについて説
明する。環状オレフィン
【0023】
【化5】
【0024】上記式[I]中、nは0または1であり、
mは0または正の整数であり、qは0または1である。
なおqが1の場合には、Ra およびRb は、それぞれ独
立に、下記の原子または炭化水素基であり、qが0の場
合には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成す
る。
【0025】R1 〜R18ならびにRa およびRb は、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素
基である。ここでハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0026】また炭化水素基としては、それぞれ独立
に、通常炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数
3〜15のシクロアルキル基、芳香族炭化水素基が挙げ
られる。より具体的には、アルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アミル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基お
よびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基とし
ては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水素基
としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
【0027】これらの炭化水素基は、ハロゲン原子で置
換されていてもよい。さらに上記式[I]において、R
15とR16とが、R17とR18とが、R15とR17とが、R16
とR18とが、R15とR18とが、あるいはR16とR17とが
それぞれ結合して(互いに共同して)、単環または多環
を形成していてもよく、しかもこのようにして形成され
た単環または多環は二重結合を有していてもよい。ここ
で形成される単環または多環を具体的に下記に例示す
る。
【0028】
【化6】
【0029】なお上記例示において、1または2の番号
を賦した炭素原子は、式[I]においてそれぞれR
15(R16)またはR17(R18)が結合している炭素原子
を表す。またR15とR16とで、またはR17とR18とでア
ルキリデン基を形成していてもよい。このようなアルキ
リデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデン
基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例とし
ては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピ
リデン基を挙げることができる。
【0030】
【化7】
【0031】式[II]中、pおよびqは0または正の整
数であり、mおよびnは0、1または2である。またR
1 〜R19は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、
炭化水素基またはアルコキシ基である。
【0032】ハロゲン原子は、上記式[I]におけるハ
ロゲン原子と同じ意味である。また炭化水素基として
は、それぞれ独立に炭素原子数1〜20のアルキル基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子
数3〜15のシクロアルキル基または芳香族炭化水素基
が挙げられる。より具体的には、アルキル基としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ア
ミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル
基およびオクタデシル基が挙げられ、シクロアルキル基
としては、シクロヘキシル基が挙げられ、芳香族炭化水
素基としては、アリール基およびアラルキル基、具体的
には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル基
およびフェニルエチル基などが挙げられる。
【0033】アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基およびプロポキシ基などを挙げることができる。
これらの炭化水素基およびアルコキシ基は、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子で置換されて
いてもよい。
【0034】ここで、R9 およびR10が結合している炭
素原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結
合している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜
3のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわ
ち上記二個の炭素原子がアルキレン基を介して結合して
いる場合には、R9 およびR13で表される基が、または
10およびR11で表される基が互いに共同して、メチレ
ン基(-CH2-) 、エチレン基(-CH2CH2-) またはプロピレ
ン基(-CH2CH2CH2-) のうちのいずれかのアルキレン基を
形成している。
【0035】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環として、たとえば下記のようなn=m=0
のときR15とR12がさらに芳香族環を形成している基が
挙げられる。
【0036】
【化8】
【0037】ここで、qは式[II]におけるqと同じ意
味である。上記のような式[I]または[II]で表され
る環状オレフィンとしては、具体的には、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト-2-エン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.
12,5.17,10]-3- ドデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.
1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン誘導体、
オクタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.0
12,17]-5-ドコセン誘導体、ペンタシクロ[6.6.1.
13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導体、ヘプタシク
ロ-5-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセ
ン誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導
体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ペンタデセ
ン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペン
タシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-ペンタデセン
誘導体、ペンタシクロ[8.7.0.1.3.6.110,17.112,15.0
2,7.011,16]-4-エイコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.
1.14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5-
ペンタコセン誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,3.
19,12.08,13]-3-ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ
[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ヘンエ
イコセン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.1
16,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-5-ヘキサコセン誘
導体、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン
誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒドロア
ントラセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナフチレ
ン付加物などが挙げることができる。
【0038】以下に上記のような式[I]または[II]
で表される環状オレフィンのより具体的な例を示す。
【0039】
【化9】
【0040】
【化10】
【0041】
【化11】
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】
【化19】
【0050】
【化20】
【0051】
【化21】
【0052】
【化22】
【0053】
【化23】
【0054】
【化24】
【0055】
【化25】
【0056】
【化26】
【0057】
【化27】
【0058】
【化28】
【0059】
【化29】
【0060】上記のような一般式[I]または[II]で
表される環状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応
する構造を有するオレフィン類とを、ディールス・アル
ダー反応させることによって製造することができる。
【0061】これらの環状オレフィンは、単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明で
用いられる環状オレフィン系樹脂は、上記のような式
[I]または[II]で表される環状オレフィンを用い
て、たとえば特開昭60-168708号、同61-120816号、同61
-115912号、同61-115916号、同61-271308号、同61-2722
16号、同62-252406号および同62-252407号などの公報に
おいて本出願人が提案した方法に従い、適宜条件を選択
することにより製造することができる。
【0062】[A-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体 [A-1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体
は、エチレンから誘導される構成単位を通常は52〜9
0モル%、好ましくは55〜80モル%の量で、環状オ
レフィンから誘導される構成単位を通常は10〜48モ
ル%、好ましくは20〜45モル%の量で含有してい
る。なおエチレン組成および環状オレフィン組成は、13
C−NMRによって測定される。
【0063】この[A-1]エチレン・環状オレフィンラ
ンダム共重合体では、上記のようなエチレンから誘導さ
れる構成単位と環状オレフィンから誘導される構成単位
とが、ランダムに配列して結合し、実質的に線状構造を
有している。この共重合体が実質的に線状であって、実
質的にゲル状架橋構造を有していないことは、この共重
合体が有機溶媒に溶解した際に、この溶液に不溶分が含
まれていないことにより確認することができる。たとえ
ば後述するようにして極限粘度[η]を測定する際に、
この共重合体が135℃のデカリンに完全に溶解するこ
とにより確認することができる。
【0064】本発明で用いられる[A-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体において、上記式[I]
または[II]で表される環状オレフィンの少なくとも一
部は、下記式[III]または[IV]で示される繰り返し
単位を構成していると考えられる。
【0065】
【化30】
【0066】式[III]において、n、m、q、R1
18ならびにRa 、Rb は式[I]と同じ意味である。
【0067】
【化31】
【0068】式[IV]において、n、m、p、qおよび
1 〜R19は式[II]と同じ意味である。また本発明で
用いられる[A-1]エチレン・環状オレフィンランダム
共重合体は、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応
じて他の共重合可能なモノマーから誘導される構成単位
を有していてもよい。
【0069】このような他のモノマーとしては、上記の
ようなエチレンまたは環状オレフィン以外のオレフィン
を挙げることができ、具体的には、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-
メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1
-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘ
キセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセ
ン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-
ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタ
デセンおよび1-エイコセンなどの炭素数3〜20のα-
オレフィン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、3,4-ジメチルシクロペンテン、3-メチルシクロ
ヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセンおよ
びシクロオクテン、3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタ
ノ-1H-インデンなどのシクロオレフィン、2-ノルボルネ
ン、5-メチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネ
ン、5-イソプロピル-2-ノルボルネン、5-n-ブチル-2-ノ
ルボルネン、5-イソブチル-2-ノルボルネン、5,6-ジメ
チル-2-ノルボルネン、5-クロロ-2-ノルボルネンおよび
5-フルオロ-2-ノルボルネンなどのノルボルネン類、1,4
-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル
-1,4-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、ジシクロペン
タジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネンおよび5-ビニ
ル-2-ノルボルネンなどの非共役ジエン類を挙げること
ができる。
【0070】これらの他のモノマーは、単独であるいは
組み合わせて用いることができる。[A-1]エチレン・
環状オレフィンランダム共重合体において、上記のよう
な他のモノマーから誘導される構成単位は、通常は20
モル%以下、好ましくは10モル%以下の量で含有され
ていてもよい。
【0071】本発明で用いられる[A-1]エチレン・環
状オレフィンランダム共重合体は、エチレンと式[I]
または[II]で表される環状オレフィンとを用いて上記
公報に開示された製造方法により製造することができ
る。これらのうちでも、この共重合を炭化水素溶媒中で
行ない、触媒として該炭化水素溶媒に可溶性のバナジウ
ム化合物および有機アルミニウム化合物から形成される
触媒を用いて[A-1]エチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体を製造することが好ましい。
【0072】また、この共重合反応では固体状IVB族メ
タロセン系触媒を用いることもできる。ここで固体状IV
B族メタロセン系触媒とは、シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む遷移金属化合物と、有機アルミニ
ウムオキシ化合物と、必要により配合される有機アルミ
ニウム化合物とからなる触媒である。ここでVI族の遷移
金属としては、ジルコニウム、チタンまたはハフニウム
であり、これらの遷移金属は少なくとも1個のシクロペ
ンタジエニル骨格を含む配位子を有している。ここで、
シクロペンタジエニル骨格を含む配位子の例としてはア
ルキル基が置換していてもよいシクロペンタジエニル基
またはインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フロ
オレニル基を挙げることができる。これらの基は、アル
キレン基など他の基を介して結合していてもよい。ま
た、シクロペンタジエニル骨格を含む配位子以外の配位
子は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基等である。
【0073】さらに有機アルミニウムオキシ化合物およ
び有機アルミニウム化合物は、通常オレフィン系樹脂の
製造に使用されるものを用いることができる。このよう
な固体状IVB族メタロセン系触媒については、例えば特
開昭61-221206号、同64-106号および特開平2-173112号
公報等に記載されている。
【0074】[A-2]環状オレフィンの開環重合体また
は共重合体 環状オレフィンの開環重合体または開環共重合体におい
て、上記式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンの少なくとも一部は、下記式[V]または[VI]で表
される繰り返し単位を構成していると考えられる。
【0075】
【化32】
【0076】式[V]において、n、m、qおよびR1
〜R18ならびにRa およびRb は式[I]と同じ意味で
ある。
【0077】
【化33】
【0078】式[VI]において、n、m、p、qおよび
1 〜R19は式[II]と同じ意味である。
【0079】このような開環重合体または開環共重合体
は、前記公報に開示された製造方法により製造すること
ができ、例えば、上記式[I]で表される環状オレフィ
ンを開環重合触媒の存在下に、重合または共重合させる
ことにより製造することができる。
【0080】このような開環重合触媒としては、ルテニ
ウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウム
または白金などから選ばれる金属のハロゲン化物、硝酸
塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる
触媒、あるいは、チタン、パラジウム、ジルコニウムま
たはモリブテンなどから選ばれる金属のハロゲン化物ま
たはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合
物とからなる触媒を用いることができる。
【0081】[A-3]開環重合体または共重合体の水素
化物 本発明で用いられる[A-3]開環重合体または共重合体
の水素化物は、上記のようにして得られる開環重合体ま
たは共重合体[A-2]を、従来公知の水素添加触媒の存
在下に水素化して得られる。
【0082】この[A-3]開環重合体または共重合体の
水素化物において、式[I]または[II]で表される環
状オレフィンのうち少なくとも一部は、下記式[VII]
または[VIII]で表される繰り返し単位を有していると
考えられる。
【0083】
【化34】
【0084】式[VII]において、n、m、qおよびR
1 〜R18ならびにRa およびRb は式[I]と同じ意味
である。
【0085】
【化35】
【0086】式[VIII]において、n、m、p、q、R
1 〜R19は式[II]と同じ意味である。[A-4]グラフト変性物 環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物は、上記の[A-
1]エチレン・環状オレフィンランダム共重合体、[A-
2]環状オレフィンの開環重合体または共重合体、また
は[A-3]開環重合体または共重合体の水素化物のグラ
フト変性物である。
【0087】ここで変性剤としては、無水マレイン酸な
どの不飽和カルボン酸、これらの酸無水物または不飽和
カルボン酸のアルキルエステル等の誘導体などを挙げる
ことができる。
【0088】本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂
のグラフト変性物における変性率は、通常10モル%以
下である。このような環状オレフィン系樹脂のグラフト
変性物は、所望の変性率になるように環状オレフィン系
樹脂に変性剤を配合してグラフト重合させ製造すること
もできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次いでこ
の変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合する
ことにより製造することもできる。
【0089】本発明では、環状オレフィン系樹脂[A]
として、上記のような[A-1]、[A-2]、[A-3]およ
び[A-4]のいずれをも用いることができ、またこれら
を組み合わせて用いることもできる。
【0090】このような環状オレフィン系樹脂[A]の
うち、エチレン・環状オレフィンランダム共重合体[A-
1]が好ましく、エチレンと式[I]で示されるオレフ
ィンとのランダム共重合体がより好ましい。さらにこの
環状オレフィンを示す式[I]において、nは0であ
り、mは0、1または2であることが好ましく、特にこ
の式[I]で示される環状オレフィンがテトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセンであることが好まし
い。
【0091】このようなエチレン・環状オレフィンラン
ダム共重合体[A-1]を含む環状オレフィン系樹脂組成
物からは、特に水蒸気バリヤー性(防湿性)に優れた容
器を形成することができる。
【0092】[B]紫外線吸収剤 本発明の環状オレフィン系樹脂組成物は、上記のような
[A]環状オレフィン系樹脂と、下記のような[B]紫
外線吸収剤と[C]ヒンダードアミン系安定剤とを特定量
で含有している。
【0093】本発明で用いられる[B]紫外線吸収剤と
しては、下記のような化合物が挙げられる。2-ヒドロキ
シ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オク
トキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベン
ゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾ
フェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,
4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキ
シ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノンなどのヒドロキシベ
ンゾフェノン類、2-(2'-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メ
チルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒ
ドロキシ-3',5'-ジ-t- ブチルフェニル)-5-クロロベン
ゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニ
ル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-
t-ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-
(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル) ベンゾトリア
ゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-アミルフェニ
ル) ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-
t-ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2-[2'-ヒド
ロキシ-3',5'-ビス(α,α-ジメチルベンジル)]ベン
ゾトリアゾール、2-[2'-ヒドロキシ-3'-(3'',4'',5'',
6''-テトラヒドロフタロイド-メチル)-5'-メチルフェニ
ル]-ベンゾトリアゾール、2,2-メチレンビス[4-(1,1,3,
3-テトラメチルブチル)-6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-
イル)フェノール] などのベンゾトリアゾール類、メチ
ル-3-[3-t-ブチル-5-(2H- ベンゾトリアゾール-2-イ
ル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオネートとポリエチ
レングリコール(分子量約300)との縮合物、フェニ
ルサリシレート、p-t-ブチルフェニルサリシレート、2,
4-ジ-t-ブチルフエニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ
ベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシベンゾエートなどのベンゾエート類、2,2'-チオ
ビス(4-t-オクチルフェノール)Ni塩、[2,2'-チオ
ビス(4-t-オクチルフェノラート)]-n-ブチルアミン
Ni塩、(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホ
スホン酸モノエチルエステルNi塩、(3,5-ジ-t- ブチ
ル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホン酸モノオクチルエ
ステルNi塩、ジブチルジチオカルバメートNi塩など
のニッケル化合物類、α-シアノ-β-メチル-β(p-メト
キシフェニル)アクリル酸メチル、α-シアノ-β,β-
ジフェニルアクリル酸メチルなどの置換アクリロニトリ
ル類、N-2-エチルフェニル-N'-2-エトキシ-5-t-フエニ
ルシュウ酸ジアミド、N-2-エチルフエニル-N'-2-エトキ
シフェニルシュウ酸アミドなどのシュウ酸ジアニリド類
などが挙げられる。
【0094】これらのうちでも、2-ヒドロキシ-4-n- オ
クトキシベンゾフェノン、2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-
3'-t-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリ
アゾールが好ましく用いられる。
【0095】これらは、2種以上組合わせて用いること
もできる。[C]ヒンダードアミン系安定剤 本発明で用いられる[C]ヒンダードアミン系安定剤と
しては、下記のような化合物が挙げられる。
【0096】ビス(2,2',6,6'-テトラメチル-4-ピペリジ
ル)セバケート、コハク酸ジメチル-1-(2-ヒドロキシエ
チル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン
重縮合物、ポリ[[6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)イ
ミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6-テト
ラメチル-4- ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ]、テ
トラキス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-1,2,3,
4-ブタンテトラカルボキシレート、2,2,6,6-テトラメチ
ル-4-ピペリジルベンゾエート、ビス-(1,2,6,6-ペンタ
メチル-4-ピペリジル)-2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシベンジル)-2-n-ブチルマロネート、ビス-(N-メチ
ル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、
1,1'-(1,2-エタンジイル)ビス(3,3,5,5-テトラメチル
ピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6-テトラメチル-4
-ピペリジル/トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカル
ボキシレート、(ミックスト1,2,2,6,6-ペンタメチル-4
-ピペリジル/トリデシル)-1,2,3,4-ブタンテトラカル
ボキシレート、ミックスト{2,2,6,6-テトラメチル-4-
ピペリジル/β, β, β',β'-テトラメチル-3,9-[2,4,
8,10-テトラオキサスピロ(5,5) ウンデカン]ジエチ
ル}-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、ミック
スト{1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル/β, β,
β',β'-テトラメチル-3,9-[2,4,8,10-テトラオキサス
ピロ(5,5) ウンデカン]ジエチル}-1,2,3,4-ブタンテ
トラカルボキシレート、N,N'-ビス(3- アミノプロピ
ル)エチレンジアミン-2,4-ビス[N-ブチル-N-(1,2,2,6,
6-ペンタメチル-4-ピペリジル)アミノ]-6-クロロ-1,3,
5-トリアジン縮合物、ポリ[6-N-モルホリル-1,3,5-ト
リアジン-2,4-ジイル][(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピ
ペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6-テトラ
メチル-4-ピペリジル)イミド]、N,N'-ビス(2,2,6,6-
テトラメチル-4-ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン
と1,2-ジブロモエタンとの縮合物、[N-(2,2,6,6-テト
ラメチル-4-ピペリジル)-2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラ
メチル-4-ピペリジル)イミノ]プロピオンアミドなど
が挙げられる。
【0097】これらのうちでも、ビス(2,2',6,6'-テト
ラメチル-4-ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチ
ル-1-(2-ヒドロキシエチル)-4-ヒドロキシ-2,2,6,6- テ
トラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[6-(1,1,3,3- テ
トラメチルブチル)イミノ-1,3,5- トリアジン-2-4- ジ
イル][(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジル)イミ
ノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペ
リジル)イミノ]、テトラキス(2,2,6,6- テトラメチル
-4- ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス-(1,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル)-2-
(3,5- ジ-tert-ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-2-n-ブ
チルマロネート、1,1'-(1,2-エタンジイル)ビス(3,3,
5,5- テトラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,
6,6-テトラメチル-4- ピペリジル/トリデシル)-1,2,3,
4-ブタンテトラカルボキシレート、(ミックスト1,2,2,
6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル/トリデシル)-1,2,3,
4-ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト{2,2,6,
6-テトラメチル-4- ピペリジル/β, β, β',β'-テト
ラメチル-3,9-[2,4,8,10- テトラオキサスピロ(5,5) ウ
ンデカン]ジエチル}-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキ
シレート、ミックスト{1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピ
ペリジル/β, β, β',β'-テトラメチル-3,9-[2,4,8,
10- テトラオキサスピロ(5,5) ウンデカン]ジエチル}
-1,2,3,4- ブタンテトラカルボキシレート、N,N'- ビス
(3- アミノプロピル)エチレンジアミン-2,4- ビス[N-
ブチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル)ア
ミノ]-6-クロロ-1,3,5- トリアジン縮合物、ポリ[6-N-
モルホリル-1,3,5- トリアジン-2,4- ジイル][(2,2,
6,6- テトラメチル-4- ピペリジル) イミノ]ヘキサメ
チレン[(2,2,6,6- テトラメチル-4-ピペリジル) イミ
ノ]、N,N'-ビス(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジ
ル)ヘキサメチレンジアミンと1,2-ジブロモエタンとの
縮合物、[N-(2,2,6,6- テトラメチル-4- ピペリジル)-
2-メチル-2-(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル) イ
ミノ]プロピオンアミドが好ましく、特にビス(2,2',6,
6'-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケートが好ましく
用いられる。
【0098】これらは、2種以上組合わせて用いること
もできる。本発明に係る容器を形成する環状オレフィン
系樹脂組成物は、上記のような[A]環状オレフィン系
樹脂と[B]紫外線吸収剤と[C]ヒンダードアミン系
安定剤とからなり、[A]環状オレフィン系樹脂100
重量部に対して[B]紫外線吸収剤を、0. 01〜2.
0重量部好ましくは0. 05〜1. 0重量部の量で含有
しており、[C]ヒンダードアミン系安定剤を、0. 0
1〜2. 0重量部好ましくは0.05〜1. 0重量部の
量で含有している。
【0099】なおこの[B]紫外線吸収剤と[C]ヒン
ダードアミン系安定剤とは、適宜の割合で含有されてい
てよいが、通常[B]:[C](重量比)が1:99〜
99:1あることが望ましい。
【0100】上記のような量で[B]紫外線吸収剤と
[C]ヒンダードアミン系安定剤とを含む環状オレフィ
ン系樹脂組成物の成形体(容器)は、特に紫外線遮蔽効
果および耐侯性に優れ、長期間太陽光などに晒される場
合にも成形体の強度低下および着色(変色)などを有効
的に防止することができる。
【0101】他の成分 本発明では、環状オレフィン系樹脂組成物は、上記のよ
うな成分[A]、[B]および[C]とともにさらに必
要に応じて他の成分を含有していてもよい。他の成分と
しては、具体的にたとえば、本発明に係る容器の靱性、
耐衝撃性を改良するためにゴム状弾性体を含有させても
よく、弾性率0.1〜20000kg/cm 2 好ましくは1
0〜15000kg/cm2 さらに好ましくは10〜100
00kg/cm2 であるゴム状弾性体を用いることが望まし
い。なおこの弾性率は、ASTMTYPE−IVに準拠し
た形状の試験片を、厚さ2mm、チャック間64mm、
引張り速度50mm/分の条件で測定される。
【0102】本発明で用いられるゴム状弾性体は、ガラ
ス転移温度(Tg)が通常0℃以下好ましくは−10℃
以下さらに好ましくは−20℃以下であることが望まし
く、またX線回折法によって測定される結晶化度が、3
0%以下好ましくは20%以下であることが望ましく、
通常低結晶性または非晶性であり、非晶性であることが
望ましい。
【0103】またゴム状弾性体は、135℃、デカリン
中で測定される極限粘度[η]が、通常、0.01〜1
0dl/g好ましくは0.08〜7dl/gであることが望
ましい。
【0104】このようなゴム状弾性体としては、具体的
にたとえば、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、
プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムなどのα−オ
レフィン共重合体ゴムが挙げられる。このようなゴム
は、2種以上組合せて用いてもよい。
【0105】このエチレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ムを構成するα−オレフィンとしては、炭素数3〜20
のα−オレフィンが挙げられ、具体的に、プロピレン、
1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテ
ン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メ
チル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル
-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-
ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセ
ン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-
オクタデセン、1-エイコセンおよびこれらの組合せが挙
げられる。これらのうち、炭素数3〜10のα−オレフ
ィンが好ましく、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、
1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デ
センなどが好ましい。
【0106】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合体ゴムにおいては、エチレンα−オレフィンとのモル
比(エチレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの
種類によっても異なるが、通常1/99〜99/1好ま
しくは30/70〜95/5であることが望ましい。
【0107】またプロピレン・α-オレフィン共重合体
ゴムを構成するα−オレフィンとしては、炭素数4〜2
0のα−オレフィンが挙げられ、具体的には上記の例示
のうちプロピレンを除くα−オレフィンが挙げられる。
【0108】これらのうち、炭素数4〜10のα−オレ
フィンが好ましく、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなど
が好ましい。
【0109】このようなプロピレン・α−オレフィン共
重合体ゴムにおいては、プロピレンとα- オレフィンと
のモル比(プロピレン/α- オレフィン)は、α- オレ
フィンの種類によっても異なるが、30/70〜95/
5であることが好ましい。
【0110】上記のようなα−オレフィン共重合体ゴム
は、該α−オレフィン共重合体ゴムの特性を損なわない
範囲内で、上記α−オレフィンと共重合可能なジエン化
合物などから誘導される構成単位を含有していてもよ
い。
【0111】このようなジエン化合物としては、具体的
に、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-
1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、7-メ
チル-1,6-オクタジエンなどの鎖状非共役ジエン、シク
ロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラ
ヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-エチリデン
-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソ
プロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソ
プロペニル-2-ノルボルネンなどの環状非共役ジエン、
2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデ
ン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル
-2,2-ノルボルナジエンなどのジエン化合物が挙げられ
る。これらは2種以上の組合わせであってもよい。
【0112】本発明で用いられるα−オレフィン共重合
体ゴムは、このようなジエンから誘導される構成単位
を、通常1〜20モル%好ましくは2〜15モル%の量
で含有していてもよい。
【0113】本発明では、ゴム状弾性体として上記のう
ちでも、エチレン含有量30〜95モル%、結晶化度1
0%以下のエチレン・プロピレン共重合体ゴムまたはエ
チレン・α- オレフィン共重合体ゴムが好ましく用いら
れる。
【0114】本発明では、上記のα−オレフィン共重合
体ゴムとともに必要に応じて他のゴム状弾性体たとえば
SBS、SIS、SEBS、SEPSなどのスチレン系
ブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリブタジエン、
フッ素ゴム、シリコンゴム、SBR、ニトリルゴムなど
を用いることもできる。
【0115】さらに環状オレフィン系樹脂組成物は、本
発明の目的を損なわない範囲で他の任意成分たとえば、
添加剤、酸化防止剤、架橋剤、架橋助剤、耐熱安定剤、
帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇
剤、滑剤、染料、顔料、鉱物油系軟化剤、石油樹脂、ワ
ックス、充填材などを含有していてもよい。
【0116】このような任意成分としては、より具体的
にたとえば、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸アルキルエステル、2,2'-オギザミドビス[エチ
ル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、1,2-ヒドロキシステ
アリン酸カルシウムなどの脂肪族金属塩、グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンジステアレート、ペンタエ
リスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトール
ジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレー
トなどの多価アルコール脂肪族エステルなどが挙げられ
る。
【0117】これらは2種以上組み合わせて用いてもよ
く、たとえばテトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンと
ステアリン酸亜鉛またはステアリン酸カルシウムとを組
合わせて用いることができる。
【0118】無機および有機充填材としては、シリカ、
ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、
軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイト、硫
酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウム、亜硫
酸カリウム、タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガ
ラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト、グラファイト、アルミニ
ウム粉、硫化モリブデンなどが挙げられる。
【0119】また任意成分としては、本発明の目的を損
なわない範囲の量の高分子材料たとえばポリアミド、ポ
リエステルなどを挙げることができる。環状オレフィン
系樹脂組成物は、上記のような各成分から従来公知の樹
脂組成物を調製する方法により調製される。具体的には
たとえば、環状オレフィン系樹脂[A]と、成分[B]
と、さらに必要に応じて他の成分とを押出機、ニーダ
ー、ロールなどで機械的にブレンドする方法、これら各
成分を適当な良溶媒に溶解し、またはそれぞれ別々に溶
解した後混合した後、溶媒を除去する方法、これらを組
合せた方法により調製される。
【0120】上記のような溶媒としては、たとえばヘキ
サン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、四
塩化炭素などが用いられる。
【0121】容 器 本発明に係る容器は、上記のような環状オレフィン系樹
脂組成物から形成され、環状オレフィン系樹脂組成物を
種々の成形法により所定形状に賦形することにより得ら
れる。
【0122】環状オレフィン系樹脂組成物から所定形状
の容器を得るには、具体的にたとえば、ダイレクトブロ
ー法、インジェクションブロー法、射出成形法、一旦チ
ューブ類に押出成形した後所定形状に成形する方法、シ
ート状体に成形した後所定形状に真空または圧空成形す
る方法などが挙げられる。
【0123】本発明に係る環状オレフィン樹脂製容器
は、このようにして種々の用途の容器として成形される
が、具体的にたとえば、錠剤ビン、目薬瓶、バイアル
瓶、プレフィルドシリンジなどの注射筒、ブリスターパ
ック、輸液ボトル、廃血液タンクなどの医療用容器、化
粧水用容器、乳液用容器、香水用容器などの化粧品用容
器、絵の具、ポスターカラーなどの容器、培養瓶、シャ
ーレ、ビーカ、メスシンダー、分析セルなどの理化学容
器、ペン軸などのチューブ状容器、シリコンウエハケー
スなどの電子材料用ケース、清涼飲料水、醤油、ケチャ
ップ、プリンなどを収容する食品用ボトルまたはカップ
などとして好ましく用いられる。
【0124】
【発明の効果】本発明に係る環状オレフィン樹脂製容器
は、透明性、耐熱性、剛性に優れるとともに、防湿性
(水蒸気バリヤー性)、紫外線遮蔽性、耐候(光)性に
も優れている。
【0125】したがって本発明に係る環状オレフィン樹
脂製容器は、長期間に亘り各種用途の容器として使用し
た場合にも、容器が変色(着色)したり、透明性、強度
が低下したりすることがないとともに、空気中の水分、
紫外線などによる内容物の変質を防止することができ
る。
【0126】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例により限定されるものではな
い。
【0127】以下の実施例では、通常容器を製造する場
合に採用される射出成形法によって下記のような環状オ
レフィン系樹脂組成物から試験片を形成し、この試験片
について種々の物性を測定した。
【0128】[評価方法] (i) 軟化温度(TMA) デュポン社製 Thermal Mechanical Analyzerを用いて、
厚さ1mmのシートの熱変形挙動により測定した。シー
ト上に石英製針を載せて荷重49gをかけ、速度5℃/
分で昇温させ、針がシートに0.635mm侵入した温度
をTMAとした。 (ii)ガラス転移温度(Tg) SEIKO電子工業(株)製DSC−20を用いて、昇
温速度10℃/分で測定した。 (iii) 曲げ試験 ASTM D790に準拠して測定した。
【0129】厚さ1/8インチの射出試験片を用いて、
クロスヘッドスピード20mm/分、23℃にて試験を行
って、曲げ弾性率および曲げ強度を測定した。 (iv) 色差(ΔE) JIS Z8730 1968 に準拠して測定した。
【0130】
【実施例1】成分[A]として下記に示す環状オレフィ
ン樹脂[A-1] 100重量部と、成分[B]として2-(2'
-ヒドロキシ-3'-t-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロ
ロベンゾトリアゾール0.1重量部と、成分[C]とし
てビス(2,2',6,6'-テトラメチル-4-ピペリジン)セバ
ケート0.1重量部とを、二軸押出機(44mmφ)に
装入して、230℃で溶融混練してペレットを得た。
【0131】得られたペレットから、射出成形機(IS
−55EPN、東芝機械(株)製)により127mm×
12.7mm×2mmtの試験片を作成した。環状オレフィン樹脂[A-1] エチレンとテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデ
セン(以下TCD−3と略記する)とのランダム共重合
体; エチレン含量=75モル%、 MFR(260℃、2160g)=39g/10分、 極限粘度[η](135℃デカリン中)=0.60dl/
g、 軟化温度(TMA)=90℃、ガラス転移温度(Tg)
=80℃。
【0132】この試験片をサンシャィンウェザロメータ
内にセットし、ブラックパネル温度63℃、光照射時間
102分、ウォーターシャワー18分の条件で耐候試験
を行った。
【0133】耐候試験後の試験片について測定した色差
と曲げ強度とを表1に示す。
【0134】
【実施例2】実施例1において、成分[B]を2-ヒドロ
キシ-4-n- オクトキシベンゾフェノンに代えた以外は実
施例1と同様にして試験片を作成して耐候試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0135】
【比較例1】実施例1において、成分[B]と[C]を
用いなかった以外は実施例1と同様にして試験片を作成
して耐候試験を行った。結果を表1に示す。
【0136】
【比較例2】実施例1において、2-(2'-ヒドロキシ-3'
-t-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリア
ゾール(成分[B])の量を0.2重量部に変え、成分
[C]を用いなかった以外は実施例1と同様にして試験
片を作成して耐候試験を行った。結果を表1に示す。
【0137】
【比較例3】実施例1において、成分[B]を用いず、
ビス(2,2',6,6'-テトラメチル-4-ピペリジン)セバケ
ート(成分[C])の量を0.2重量部に変えた以外は
実施例1と同様にして試験片を作成して耐候試験を行っ
た。結果を表1に示す。
【0138】
【表1】
【0139】
【実施例3】実施例1において、成分[A]として環状
オレフィン樹脂[A-1] に代えて下記の環状オレフィン[A
-2] を用いた以外は、実施例1と同様にして試験片を作
成し、耐候試験を行った。
【0140】結果を表2に示す。環状オレフィン樹脂[A-2] エチレン/TCD−3ランダム共重合体; エチレン含量=65モル%、 MFR(260℃、2160g)=15g/10分、 軟化温度(TMA)=115℃、ガラス転移温度(T
g)=100℃。
【0141】
【実施例4】実施例3において、成分[B]を2-ヒドロ
キシ-4-n- オクトキシベンゾフェノンに代えた以外は実
施例3と同様にして試験片を作成して耐候試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0142】
【比較例4】実施例3において、成分[B]と[C]を
用いなかった以外は実施例3と同様にして試験片を作成
して耐候試験を行った。結果を表2に示す。
【0143】
【比較例5】実施例3において、2-(2'-ヒドロキシ-3'
-t-ブチル-5'-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリア
ゾール(成分[B])の量を0.2重量部に変え、成分
[C]を用いなかった以外は実施例3と同様にして試験
片を作成して耐候試験を行った。結果を表2に示す。
【0144】
【比較例6】実施例3において、成分[B]を用いず、
ビス(2,2',6,6'-テトラメチル-4-ピペリジン)セバケ
ート(成分[C])の量を0.2重量部に変えた以外は
実施例3と同様にして試験片を作成して耐候試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0145】
【表2】
【0146】
【実施例5〜13】成分[A]として前記の環状オレフ
ィン樹脂[A-1]100重量部と、表1に示す量の成分
[B]と[C]とを、230℃に設定した二軸押出機
(44mmφ)に装入して、溶融混練してペレットを得
た。
【0147】得られたペレットから、射出成形機(IS
−55EPN、東芝機械(株)製)により130mm×
120mm×2mmtの角板を成形した。この角板につ
いて、紫外−可視分光光度計により、350nmと40
0nmにおける紫外線透過率を測定した。結果を表3に
示す。
【0148】
【比較例7】実施例5において、成分[B]と[C]と
を用いなかった以外は実施例5と同様にして角板を成形
した。
【0149】結果を表3に示す。
【0150】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/06 LLD

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]下記[A-1]、[A-2]、[A-3]お
    よび[A-4]からなる群から選ばれる少なくとも1種の
    環状オレフィン系樹脂;100重量部と、 [B]紫外線吸収剤;0.01〜2.0重量部と、 [C]ヒンダードアミン系安定剤;0.01〜2.0重
    量部とからなる環状オレフィン系樹脂組成物から形成さ
    れた容器: [A-1]エチレンと下記式[I]または[II]で表され
    る環状オレフィンとを共重合させて得られるエチレン・
    環状オレフィンランダム共重合体; 【化1】 (式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、qは0または1であり、R1 〜R18なら
    びにRaおよびRbは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲ
    ン原子またはハロゲンで置換されていてもよい炭化水素
    基であり、R15〜R18は互いに結合して単環または多環
    を形成していてもよく、かつ該単環または多環は二重結
    合を有していてもよく、またR15とR16とで、またはR
    17とR18とでアルキリデン基を形成していてもよ
    い。)、 【化2】 (式[II]中、pおよびqは0または正の整数であり、
    mおよびnは0、1または2であり、R1 〜R19はそれ
    ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換さ
    れていてもよい炭化水素基またはアルコキシ基であり、
    9 またはR10が結合している炭素原子と、R13が結合
    している炭素原子またはR11が結合している炭素原子と
    は直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン基を介して結
    合していてもよく、またn=m=0のときR15とR12
    たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
    香族環を形成していてもよい。)、 [A-2]上記式[I]または[II]で表される環状オレ
    フィンの開環重合体または共重合体、 [A-3]上記[A-2]開環重合体または共重合体の水素化
    物、および [A-4]上記[A-1]、[A-2]または[A-3]のグラフト
    変性物。
  2. 【請求項2】前記の[A]環状オレフィン系樹脂が、エ
    チレンと上記式[I]で表される環状オレフィンとを共
    重合させて得られるエチレン・環状オレフィンランダム
    共重合体[A-1]であることを特徴とする請求項1に記
    載の環状オレフィン系樹脂組成物から形成された容器。
  3. 【請求項3】上記式[I]で表される環状オレフィンに
    おいて、nは0であり、mは0、1または2であること
    を特徴とする請求項2に記載の環状オレフィン系樹脂組
    成物から形成された容器。
  4. 【請求項4】上記式[I]で表される環状オレフィン
    が、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3- ドデセンで
    あることを特徴とする請求項2または3に記載の環状オ
    レフィン系樹脂組成物から形成された容器。
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