JP3232764B2 - 耐熱性樹脂組成物 - Google Patents
耐熱性樹脂組成物Info
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Description
脂に特定のリン系酸化防止剤を配合した耐熱性に優れた
樹脂組成物に関する。
タクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、3−
メチルペンテン樹脂などが知られている。これらの樹脂
は、工業的にも大量に製造され、その良好な透明性を生
かし、各分野で大量に使用されている。しかしながら、
これらの樹脂は、耐熱性が必ずしも充分ではなく、例え
ば上記樹脂のうち一番耐熱性の高い樹脂とされるポリカ
ーボネートでも、その耐熱性の指標であるガラス転移温
度は150℃程度であり、より高い耐熱性を持つ樹脂の
開発が望まれている。
として、極性置換基を有するノルボルネン誘導体の開環
重合体が提案されている。しかしながら、ノルボルネン
誘導体の開環重合体は、その主鎖に炭素−炭素二重結合
を持つため、高温下での酸化劣化が激しく、高いガラス
転移温度を持つに係わらず、耐熱性ポリマーとしては実
用化されていなかった。このため、上記開環重合体を水
添することにより、その酸化劣化性を改良する試みが提
案されている(特公昭57−8815号公報)。この水
添による酸化劣化性の改良は、従来の未水添重合体に較
べ、その耐酸化劣化性を大幅に向上させることができる
が、高いガラス転移温度を持つ高耐熱性樹脂の場合、必
然的に加工温度を高くする必要があり、このため加工時
の劣化、特に黄変着色が依然として問題となっている。
命的なので、これを防止すべく酸化防止剤を配合する方
法が種々提案されている(例えば、特開平2−2797
60号公報)。これらの酸化防止剤を配合する方法は、
一次酸化防止剤であるヒンダードフェノールによりラジ
カル捕捉し、二次酸化防止剤であるリン化合物により高
分子中に劣化とともに発生するヒドロパーオキサイドを
還元し分解するものである。また、ヒンダードフェノー
ルは、実使用温度での劣化に、リンは加工時における高
温下での劣化に効果を発揮できるよう配合されていると
もいえる。しかしながら、リンを含む酸化防止剤は、長
時間厳しい条件下に晒されると、加水分解を起こし、こ
れによって発生する物質がむしろ着色を促進することが
あり、充分満足できるものではなかった。
術の課題を背景になされたもので、水添ノルボルネン系
樹脂に、リンを含む酸化防止剤が加水分解を生起し、着
色をむしろ促進するという問題が起きないような酸化防
止剤を配合することにより、耐熱劣化性に優れ、特に光
学材料として好適な耐熱性樹脂組成物を提供することを
目的とする。
(I)で表される少なくとも1種のノルボルネン誘導体
または該ノルボルネン誘導体と共重合可能な不飽和環状
化合物とを、メタセシス重合して得られる重合体(以
下、単に「重合体」ということがある)を水添して得ら
れる水添ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、下記
一般式(II) で表されるリン系酸化防止剤および/また
は下記一般式(III)で表されるリン系酸化防止剤0.0
1〜10重量部を含有させてなる耐熱性樹脂組成物を提
供するものである。
または炭素数1〜10の炭化水素基、XおよびYは水素
原子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ま
たは1価の有機極性基を示し、nは0〜10の整数を示
す。〕
0の炭化水素基である。〕
は、炭素数1〜30の炭化水素基である。〕本発明にお
いて、前記重合体としては、一般式(I)で表されるノ
ルボルネン誘導体を付加重合して得ることもできる。し
かしながら、本発明の水添ノルボルネン系樹脂は、好ま
しくはメタセシス開環重合し、水添して得られる水添ノ
ルボルネン系樹脂である。本発明の耐熱性樹脂組成物に
使用される水添ノルボルネン系樹脂について説明する
と、該樹脂を構成する一般式(I)で表されるノルボル
ネン誘導体において、得られる成形品の耐熱性を高める
ために、置換基XおよびYの少なくとも1つは、水素原
子および炭化水素基から選ばれる基以外の基であること
が好ましい。さらに、置換基XおよびYの一方が式−
(CH2 )n COOR5 で表されるカルボン酸エステル
であると、樹脂製造時の水添工程で変化しないという点
で好ましく、他の一方が水素原子または炭化水素基であ
ることが樹脂の吸水性が高くならないという点で好まし
い。また、−(CH2 )n COOR5 で表されるカルボ
ン酸エステル基のうち、nの小さいものほど水添ノルボ
ルネン系樹脂の耐熱性が高くなるので好ましく、特に式
−(CH2 )n COOR5 において、nが0であること
が前記誘導体を合成する上で、また水添ノルボルネン系
樹脂の安定性の面からみて好ましい。ここで、R5 は、
炭素数1〜20の脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水
素基であるが、炭素数の大きいものほど得られる水添ノ
ルボルネン系樹脂の吸水性が低くなる点では好ましい
が、熱分解性は一般に炭素数が大きくなるほど高くなる
ので、該樹脂の特徴を最大限に生かすには、炭素数1〜
4の鎖状炭化水素基、炭素数5以上の脂環式炭化水素
基、またはフェニル基、置換フェニル基が好ましく、さ
らには前記誘導体としてはmが1の8−メチル−8−メ
トキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .
17,10〕−3−ドデセンが好ましい。
ノルボルネン誘導体を2種以上使用し、共重合体であっ
てもよい。例えば、8−メチル−8−メトキシカルボニ
ルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−
ドデセンと5−メチル−5−メトキシカルボニルビシク
ロ〔2.2.1〕−2−ヘプテンを共重合することもで
きる。この組み合わせは、5−メチル−5−メトキシカ
ルボニルビシクロ〔2.2.1〕−2−ヘプテンが、8
−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.
4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセン製造の中間体
として得られるため特に好ましい。
ン誘導体と共重合可能な不飽和環状化合物としては、シ
クロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シク
ロオクテン、ジシクロペンタジエン、ビシクロ〔2.
2.1〕ヘプテン、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕
−8−デセン、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕−3
−デセン、テトラシクロ〔4.4.0.12,5 .
17,10〕−3−ドデセン、ペンタシクロ〔6.5.1.
13,6 .02,7 .09,13〕−4−ペンタデセン、ペンタ
シクロ〔6.5.1.13,6 .02,7 .09,13〕−11
−ペンタデセン、ペンタシクロ〔7.4.0.13,4 .
010,13 .02,7 〕−4−ペンタデセン、ペンタシクロ
〔6.6.1.13,6 .02,7 .09,13〕−4−ヘキサ
デセンなどのシクロアルカン、またそのアルキル置換体
を挙げることができる。これらの共重合可能な不飽和環
状化合物のうち、特に好ましいものは入手が容易なジシ
クロペンタジエンである。共重合可能な不飽和環状化合
物を用い、一般式(I)で表されるノルボルネン誘導体
との共重合体を得る場合、該誘導体が少ないと、最終的
に得られる樹脂は高い耐熱性を持つことができないた
め、一般式(I)で表されるノルボルネン誘導体の割合
は、5モル%以上、好ましくは20モル%以上、より好
ましくは50モル%以上である。
ン誘導体の重合を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン
−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖
に炭素−炭素二重結合を含んだ不飽和炭化水素系重合体
の存在下に行うこともでき、この場合、得られる水添ノ
ルボルネン系樹脂は、特に耐衝撃性が高い。これらの不
飽和炭化水素系重合体のうち、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−イソプレン共重合体が、透明な成形
品を得やすいので好ましい。この場合、スチレンとジエ
ンの共重合体は、ランダム共重合体であっても、ブロッ
ク共重合体であってもよい。不飽和炭化水素系重合体存
在下の重合の際、該重合体は、一般式(I)で表される
ノルボルネン誘導体に対し、1〜90重量%、好ましく
は3〜70重量%、さらに好ましくは5〜40重量%使
用される。
ン換算の重量平均分子量で20,000〜700,00
0、好ましくは30,000〜500,000である。
重合体を得るためのメタセシス重合および該重合体の水
素添加方法は、特開平1−132626号公報に記載さ
れている方法と同様の方法が挙げられる。このようにし
て得られる水添ノルボルネン系樹脂の水添率は、60M
Hz NMRで測定し、δ=4.5〜6.0ppmの範
囲のピークの水添反応による減少から計算して、通常、
98%以上であることが必要である。98%未満では、
たとえ本発明の酸化防止剤を添加しても、耐酸化劣化性
の良好な組成物は得られず、本発明の目的が達成されな
い。水添率が高いほど酸化防止剤の添加効果が顕著に表
れるので好ましく、その意味で水添率は99%以上であ
ることが好ましい。
剤は、上記一般式(II) および/または(III)で表され
る化合物である。一般式(II) において、R1 は、炭素
数1〜10の炭化水素基であり、好ましくはメチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、n−アミル
基、i−ペンチル基、neo−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、i−ヘキシル基、ビニル基、アリル基、i−プロ
ペニル基であり、さらに好ましくはt−ブチル基、t−
アミル基である。一般式(II) で表されるリン系酸化防
止剤の具体例としては、3,9−ビス{2−2(2,
4,8,10−テトラ−t−アミル−12H−ジベンゾ
〔d,g〕〔1,3,2〕ジオキサホスホシン−6−オ
キシ)−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、3,9−
ビス{2−2(2,4,8,10−テトラ−t−ブチル
−12H−ジベンゾ〔d,g〕〔1,3,2〕ジオキサ
ホスホシン−6−オキシ)−1,1−ジメチルエチル}
−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウ
ンデカンなどを挙げることができる。
およびR4 は、炭素数1〜30の炭化水素である。ここ
で、R2 としては、好ましくはメチル基、フェニル基、
neo−ペンチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n
−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル
基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘ
プタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル
基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル基、n−ド
コシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基であ
る。R3 およびR4 は、好ましくはメチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、sec−ブチル基、n−アミル基、i−
ペンチル基、neo−ペンチル基、n−ヘキシル基、i
−ヘキシル基、ビニル基、アリル基、i−プロペニル基
であり、さらに好ましくはt−ブチル基、t−アミル基
である。一般式(III)で表されるリン系酸化防止剤の具
体例は、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシ
カルボニルエチル−フェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−オ
クタデシルオキシカルボニルエチル−フェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
化防止剤に加えて、分子量350以上のヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤を配合することが望ましい。上記ヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤としては、着色の点か
ら3−(3,5−ジ−アルキル置換−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオン酸アルキルエステル構造を有するも
のがより好ましく、さらにフェニル基上のアルキル置換
基は、メチル基、t−ブチル基、あるいはt−アミル基
がより好ましい。アルキルエステル部は、炭素数30以
下のアルキルモノエステルまたは分子量300以下の多
価アルコールを原料とする多価エステルがより好まし
い。
剤のより好ましい具体例としては、ペンタエリスリチル
−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9−ビス
{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメ
チルエチル}2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン、オクタデシル−3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕などが挙げられる。
ン系酸化防止剤と上記ヒンダードフェノール系酸化防止
剤の使用量は、水添ノルボルネン系樹脂100重量部に
対し、いずれも0.01〜10重量部、好ましくは0.
1〜5重量部である。0.01重量部未満では、充分な
酸化劣化防止効果を得ることができず、一方10重量部
を超えて添加すると、樹脂の機械的強度が低下して好ま
しくない。
防止剤を添加する方法としては、一般式(I)で表され
るノルボルネン誘導体の合成時または精製時に添加する
方法、水添後の樹脂溶液に添加する方法、水添後の樹脂
の精製時に添加する方法、ペレット化の際に添加する方
法などが挙げられ、樹脂そのものに添加する以外、溶媒
などにあらかじめ添加しておくこともでき、特に限定さ
れるものではない。
光による樹脂の劣化を防止する効果のある安定剤を、耐
熱性を損なわない範囲で1種または2種以上組み合わせ
て用いてもよい。安定剤として用いられるもののうち、
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、サルチレー
ト系、ベンゾトリアゾール系などが挙げられる。以下
に、安定剤の具体例を列記する。
ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、ジオ
クチルフェニルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フ
ェニレンジアミン、N′,N′−ジ−β−ナフチル−p
−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フ
ェニル−p−フェニレンジアミン、2−(3,5−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマ
ロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)、ポリ{〔6−(1,1,3,3−テトラ
メチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,
4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、コハ
ク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重
縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケートなどが挙げられる。
ドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2,2′,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、
2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン
など挙げられる。
サルチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−
3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンゾ
エート、フェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンゾエート、2−メチル−4−t−ブチルフェ
ニル−3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシ
ベンゾエートなどが挙げられる
−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブ
チル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−3′,5′−ジ−t−アミルフェニ
ル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
ヒドラジド、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒド
ラジン、N−サリシロイル−N′−アルデヒドヒドラジ
ンなどが挙げられる。
マニ油、エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレー
ト、エポキシオクチルステアレート、エポキシラウリル
ステアレート、低分子量エポキシ樹脂などが挙げられ
る。以上の各安定剤は、1種または2種以上混合して用
いられる。
要に応じて高級ジカルボン酸金属塩、高級カルボン酸エ
ステルなどの滑剤、可塑剤、帯電防止剤、無機および有
機系着色剤、発泡剤、無機および有機系充填剤、上記以
外の難燃剤、表面光沢改良剤、艶消し剤などを添加する
ことができる。これらの各種添加剤は、樹脂組成物の製
造工程中あるいはその後の加工工程において添加するこ
とができる。
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキ
シングロールなどの混合機を用い、水添ノルボルネン系
樹脂および上記酸化防止剤、さらに必要に応じて使用さ
れる添加剤を混合することによって得られる。本発明の
耐熱性樹脂組成物の製造方法の一例を示すと、ミキサー
で各成分を混合したのち、押出機を用い、200〜40
0℃で溶融混練りして造粒物を得る方法、さらに簡便な
方法としては、各成分を、直接、成形機内で溶融混練り
して組成物を得る方法などが挙げられる。
で使用することができるが、各種極性材料との親和性が
良好であることから、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維
あるいはこれらの粉末、炭酸カルシウム、タルク、セッ
コウ、アルミナ、シリカ、雲母、チッ化ホウ素、ジルコ
ニア、炭化ケイ素、チタン酸カリウムなどの複合材料と
して使用することもできる。
ディスク基板、光ファイバー、発光ダイオード・フォト
カプラーなどの封止剤、CCDのリッドなどの光学材料
のほか、窓ガラス、自動車用ガラス、フィルム、OHP
やセル画用のシート、眼鏡レンズ、および一般成形品な
どに用いることができる。
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
いかぎり重量基準である。また、実施例中の固有粘度、
色相は、次のようにして測定したものである。固有粘度〔η〕inh クロロホルム中、30℃、濃度0.5g/dlで測定し
た。樹脂は、熱などにより劣化すると、固有粘度が低下
する。粉末からペレット、成形品を経て加熱後まで固有
粘度の数値が変化しないということは、樹脂が劣化して
いないことを示す。色相 各種酸化防止剤をドライブレンドしたペレット化前の粉
末樹脂組成物、それを押出機で溶融混練りして得たペレ
ット、さらにこのペレットを射出成形した成形板を、そ
れぞれ15%塩化メチレン溶液とし、JIS K710
3に従って黄色度(YI値)を透過光で測定した。さら
に、上記成形板を150℃の循環熱完全オーブン中で耐
熱試験を行い、50時間後の黄色度を測定した。
の製造) チッ素雰囲気下において、チッ素置換した内容積50リ
ットルの反応器内に、、構造式(I)で表される単量
体、すなわち8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセ
ンを5kgと、トルエン20リットル、分子量調節剤で
ある1−ヘキセン650gと、触媒として六塩化タング
ステンの濃度0.05モル/lのクロロベンゼン溶液8
6mlと、パラアルデヒドの濃度0.1モル/lのトル
エン溶液34mlと、ジエチルアルミニウムモノクロリ
ドの濃度0.5モル/lのトルエン溶液205mlとを
加え、80℃で4時間反応させることにより、重合体を
得た。この重合体溶液に、水5g、メタノール50gを
加えたのち、高圧反応器に移し、水添触媒としてRuH
Cl(CO)〔P(C6 H5 )3 〕3 を5.0g加え、
温度165℃、水素ガス圧100kg/cm2 で5時間
水添反応を行った。
gとメタノール20リットルを加え、60℃で1時間混
合し、その後、冷却、静置後、分液して上層を破棄する
ことにより、触媒含有量が低減した水素化重合体溶液を
得た。この水素化重合体溶液に、トルエン5リットル、
乳酸50g、メタノール15リットルを加え、60℃で
1時間混合した。その後、冷却、静置後、分液して上層
を破棄することにより、触媒含有量の低減した水素化重
合体溶液を得た。この水素化重合体溶液に、トルエン5
リットル、メタノール15リットルを加え、60℃で1
時間混合したのち、冷却、静置後、分液して上層を破棄
することにより、実用上問題となる量の金属を含まない
水素化重合体溶液を得た。この水素化重合体溶液を、ス
チームストリッピング、真空乾燥することにより、水添
ノルボルネン系樹脂M−1を得た。得られた樹脂の固有
粘度〔η〕inh (クロロホルム中、30℃、濃度0.5
g/dl)は0.50dl/gで、 1H−NMRチャー
ト上、オレフィンピークは実質的に認められず、水添率
は99%以上であった。
の製造) 参考例1において、上記構造式(I)で表される単量
体、すなわち8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセ
ンを4.5kgと、構造式(II) で表される単量体、す
なわち5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ
〔2.2.1.〕−2−ヘプテンを0.5kgに代えた
以外は、参考例1と同様にして重合、水添などを行い、
樹脂M−2を得た。得られた樹脂の固有粘度〔η〕inh
は0.65dl/gで、 1H−NMRチャート上、オレ
フィンピークは実質的に認められず、水添率は99%で
あった。
の製造) 参考例1において、上記構造式(I)で表される単量
体、すなわち8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセ
ンを4.5kgと、構造式(III)で表される単量体、す
なわちジシクロペンタジエンを0.5kgに代えた以外
は、参考例1と同様にして重合、水添などを行い、樹脂
M−3を得た。得られた樹脂の固有粘度〔η〕inh は
0.60dl/gで、 1H−NMRチャート上、オレフ
ィンピークは実質的に認められず、水添率は99%であ
った。
の製造) 参考例1において、水添触媒量と水添時間を変えた以外
は、参考例1と同様にして重合、水添などを行い、樹脂
M−4を得た。得られた樹脂M−4の固有粘度〔η〕
inh は0.47dl/g、また 1H−NMRチャート
上、オレフィンピークは実質的に認められず、水添率は
99%であった。
止剤を、表1に示す量でドライブレンドし、押出機でペ
レット化した。得られたペレットを、下記条件で射出成
形し、さらに成形品を150℃の循環熱完全オーブン中
に50時間放置し、固有粘度の変化と色相の変化をそれ
ぞれ測定した。結果を表1に示す。ペレット化 押出機;VSK40〔中谷機械(株)製〕、40mm スクリュー回転数;150rpm 温度;280℃射出成形 射出成形機;IS80A〔東芝機械(株)製〕 5オンス 射出圧力;900kg/cm2 スクリュー回転数;80rpm 背圧;60kg/cm2 サイクル;45秒 金型温度;80℃
剤の詳細は、次のとおりである。 A;オクタデシル−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕 B;ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕 C;3,9−ビス{2−(2,4,8,10−テトラ−
t−アミル−12H−ジベンゾ〔d,g〕〔1,3,
2〕ジオキサホスホシン−6−オキシ)−1,1−ジメ
チルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカン〔下記構造式(IV) で表す。〕
メトキシカルボニルエチル−フェニル)ペンタエリスリ
トールジホスファイト〔下記構造式(V)で表す。〕
−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイ
ト F;トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファ
イト)
水添率の水添ノルボルネン系樹脂と特定の酸化防止剤の
組み合わせにより、酸化劣化によって起こる着色が大幅
に改良され、従来問題となっていた過酷な条件下での黄
変着色の問題を解決することが可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記一般式(I)で表される少なくとも
1種のノルボルネン誘導体または該ノルボルネン誘導体
と共重合可能な不飽和環状化合物とを、メタセシス重合
して得られる重合体を水添して得られる水添ノルボルネ
ン系樹脂100重量部に対し、下記一般式(II) で表さ
れるリン系酸化防止剤および/または下記一般式(III)
で表されるリン系酸化防止剤0.01〜10重量部を含
有させてなる耐熱性樹脂組成物。 【化1】 〔一般式(I)中、AおよびBは水素原子または炭素数
1〜10の炭化水素基、XおよびYは水素原子、炭素数
1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、または1価の有
機極性基を示し、nは0〜10の整数を示す。〕 【化2】 〔一般式(II) 中、R1 は、炭素数1〜10の炭化水素
基である。〕 【化3】 〔一般式(III)中、R2 、R3 およびR4 は、炭素数1
〜30の炭化水素基である。〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9049893A JP3232764B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 耐熱性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP9049893A JP3232764B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | 耐熱性樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06279656A JPH06279656A (ja) | 1994-10-04 |
JP3232764B2 true JP3232764B2 (ja) | 2001-11-26 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|---|
JP2006143927A (ja) * | 2004-11-22 | 2006-06-08 | Konica Minolta Opto Inc | 光学素子及び光ピックアップ装置 |
JPWO2007088941A1 (ja) * | 2006-02-03 | 2009-06-25 | 日本ゼオン株式会社 | 重合体組成物 |
JP2014234431A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | ポリプラスチックス株式会社 | 環状オレフィン系樹脂用曇り防止剤、当該曇り防止剤を含む環状オレフィン系樹脂組成物、ならびに、当該組成物を用いた光学材料及び光学部品 |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP9049893A patent/JP3232764B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH06279656A (ja) | 1994-10-04 |
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