JP3123086B2 - 熱可塑性樹脂組成物の成形方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物の成形方法Info
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- JP3123086B2 JP3123086B2 JP1675791A JP1675791A JP3123086B2 JP 3123086 B2 JP3123086 B2 JP 3123086B2 JP 1675791 A JP1675791 A JP 1675791A JP 1675791 A JP1675791 A JP 1675791A JP 3123086 B2 JP3123086 B2 JP 3123086B2
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- component
- thermoplastic resin
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- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成物の
成形方法に関し、さらに詳細には水添ノルボルネン系樹
脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物の成形品に優れた
物性を発揮させるための成形方法に関する。
成形方法に関し、さらに詳細には水添ノルボルネン系樹
脂を主成分とする熱可塑性樹脂組成物の成形品に優れた
物性を発揮させるための成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネン誘導体をメタセシス触媒に
より開環重合(メタセシス重合)させた重合体を水素添
加(以下「水添」という)して得られる熱安定性に優れ
た樹脂(水添ノルボルネン系樹脂)は、例えば特開平1
−240517号公報などにおいて提案されている。こ
の水添ノルボルネン系樹脂は、耐熱性と耐光性に優れて
いるが、耐薬品性が劣るため、自動車部品、電気・電子
機器、OA機器部品用として採用し、外観を良好とする
ために塗装した場合には、表面の肌荒れ現象などの不良
現象が発生することがあり、実用に供しえない場合があ
る。
より開環重合(メタセシス重合)させた重合体を水素添
加(以下「水添」という)して得られる熱安定性に優れ
た樹脂(水添ノルボルネン系樹脂)は、例えば特開平1
−240517号公報などにおいて提案されている。こ
の水添ノルボルネン系樹脂は、耐熱性と耐光性に優れて
いるが、耐薬品性が劣るため、自動車部品、電気・電子
機器、OA機器部品用として採用し、外観を良好とする
ために塗装した場合には、表面の肌荒れ現象などの不良
現象が発生することがあり、実用に供しえない場合があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、ノルボルネン系樹脂
を主成分とする熱可塑性樹脂組成物の成形品に、優れた
耐熱性、耐光性、および耐薬品性を付与することが可能
な成形方法を提供するものである。
術の課題を背景になされたもので、ノルボルネン系樹脂
を主成分とする熱可塑性樹脂組成物の成形品に、優れた
耐熱性、耐光性、および耐薬品性を付与することが可能
な成形方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(A)成
分50〜100重量%および下記(B)成分50〜0重
量%を含有する熱可塑性樹脂組成物を、金型温度Tg−
70℃〜Tg+10℃(ただし、Tgはガラス転移温
度)、樹脂温度280〜360℃、かつ下記で表される
射出速度(X)を5×102 〜2×104 (sec-1)
の条件下で射出成形することを特徴とする熱可塑性樹脂
組成物の成形方法を提供するものである。(A)成分;
式(I)で表される少なくとも1種のノルボルネン誘導
体または該ノルボルネン誘導体と共重合可能な不飽和環
状化合物とを、メタセシス重合して得られる重合体を水
添して得られる水添ノルボルネン系樹脂。
分50〜100重量%および下記(B)成分50〜0重
量%を含有する熱可塑性樹脂組成物を、金型温度Tg−
70℃〜Tg+10℃(ただし、Tgはガラス転移温
度)、樹脂温度280〜360℃、かつ下記で表される
射出速度(X)を5×102 〜2×104 (sec-1)
の条件下で射出成形することを特徴とする熱可塑性樹脂
組成物の成形方法を提供するものである。(A)成分;
式(I)で表される少なくとも1種のノルボルネン誘導
体または該ノルボルネン誘導体と共重合可能な不飽和環
状化合物とを、メタセシス重合して得られる重合体を水
添して得られる水添ノルボルネン系樹脂。
【0005】
【化2】
【0006】〔式中、mは0または1、AおよびBは水
素原子または炭素数1〜10の炭化水素基、X′および
Yは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、 −(CH2 )n COOR1 、−(CH2 )n OCO
R1 、−(CH2 )n CN、 −(CH2 )n CONR2 R3 、−(CH2 )n COO
Z、−(CH2 )n OCOZ、−(CH2 )n OZ、−
(CH2 )n W、またはX′とYから構成された なお、R1 、R2 、R3 およびR4 は炭素数1〜20の
炭化水素基、Zは炭化水素基、WはSiR5 p D
3-p (R5 は炭素数1〜10の炭化水素基、Dは−OC
OR5 または−OR5 、pは0〜3の整数である)、n
は0〜10の整数を示す。〕 (B)成分;ゴム状重合体および/または(A)成分以
外の熱可塑性樹脂。射出速度;ここで、射出速度(X)
は、溶融樹脂がゲート通過時の溶融樹脂の速度であり、
次式で表される。 (イ)ゲートが長方形の場合 X=6Q/WH2 〔式中、Qは流出量(cc/sec)、Wは幅(m
m)、Hは厚み(mm)を示す。〕 (ロ)ゲートが円形の場合 X=4Q/πR3 〔式中、Qは前記(イ)に同じ、Rは半径(mm)を示
す。〕
素原子または炭素数1〜10の炭化水素基、X′および
Yは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、 −(CH2 )n COOR1 、−(CH2 )n OCO
R1 、−(CH2 )n CN、 −(CH2 )n CONR2 R3 、−(CH2 )n COO
Z、−(CH2 )n OCOZ、−(CH2 )n OZ、−
(CH2 )n W、またはX′とYから構成された なお、R1 、R2 、R3 およびR4 は炭素数1〜20の
炭化水素基、Zは炭化水素基、WはSiR5 p D
3-p (R5 は炭素数1〜10の炭化水素基、Dは−OC
OR5 または−OR5 、pは0〜3の整数である)、n
は0〜10の整数を示す。〕 (B)成分;ゴム状重合体および/または(A)成分以
外の熱可塑性樹脂。射出速度;ここで、射出速度(X)
は、溶融樹脂がゲート通過時の溶融樹脂の速度であり、
次式で表される。 (イ)ゲートが長方形の場合 X=6Q/WH2 〔式中、Qは流出量(cc/sec)、Wは幅(m
m)、Hは厚み(mm)を示す。〕 (ロ)ゲートが円形の場合 X=4Q/πR3 〔式中、Qは前記(イ)に同じ、Rは半径(mm)を示
す。〕
【0007】 まず、(A)水添ノルボルネン系樹脂につ
いて説明すると、該樹脂を構成する式(I)で表される
化合物において、得られる成形品の耐熱性を高めるため
に、置換基X′およびYの少なくとも1つは、水素原子
および炭化水素基から選ばれる基以外の基であることが
好ましい。さらに、置換基X′およびYの一方が式−
(CH2 )n COOR1 で表されるカルボン酸エステル
であると、樹脂製造時の水添工程で変化しないという点
で好ましく、他の一方が水素原子または炭化水素基であ
ることが樹脂の吸水性が高くならないという点で好まし
い。また、−(CH2 )n COOR1 で表されるカルボ
ン酸エステル基のうち、nの小さいものほど水添ノルボ
ルネン系樹脂の耐熱性が高くなるので好ましく、特に式
−(CH2 )n COOR1 において、nが0であること
が前記化合物を合成する上で、また水添ノルボルネン系
樹脂の安定性の面からみて好ましい。R1 は、炭素数1
〜20の脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であ
るが、炭素数の大きいものほど得られる水添ノルボルネ
ン系樹脂の吸水性が低くなる点では好ましいが、熱分解
性は一般に炭素数が大きくなるほど高くなるので、該樹
脂の特徴を最大限に生かすには、炭素数1〜4の鎖状炭
化水素基、炭素数5以上の脂環式炭化水素基、またはフ
ェニル基、置換フェニル基が好ましく、さらには前記化
合物としてはmが1の8−メチル−8−メトキシカルボ
ニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3
−ドデセンが好ましい。
いて説明すると、該樹脂を構成する式(I)で表される
化合物において、得られる成形品の耐熱性を高めるため
に、置換基X′およびYの少なくとも1つは、水素原子
および炭化水素基から選ばれる基以外の基であることが
好ましい。さらに、置換基X′およびYの一方が式−
(CH2 )n COOR1 で表されるカルボン酸エステル
であると、樹脂製造時の水添工程で変化しないという点
で好ましく、他の一方が水素原子または炭化水素基であ
ることが樹脂の吸水性が高くならないという点で好まし
い。また、−(CH2 )n COOR1 で表されるカルボ
ン酸エステル基のうち、nの小さいものほど水添ノルボ
ルネン系樹脂の耐熱性が高くなるので好ましく、特に式
−(CH2 )n COOR1 において、nが0であること
が前記化合物を合成する上で、また水添ノルボルネン系
樹脂の安定性の面からみて好ましい。R1 は、炭素数1
〜20の脂肪族、脂環族、または芳香族炭化水素基であ
るが、炭素数の大きいものほど得られる水添ノルボルネ
ン系樹脂の吸水性が低くなる点では好ましいが、熱分解
性は一般に炭素数が大きくなるほど高くなるので、該樹
脂の特徴を最大限に生かすには、炭素数1〜4の鎖状炭
化水素基、炭素数5以上の脂環式炭化水素基、またはフ
ェニル基、置換フェニル基が好ましく、さらには前記化
合物としてはmが1の8−メチル−8−メトキシカルボ
ニルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3
−ドデセンが好ましい。
【0008】 重合体は、式(I)で表される化合物を2
種以上使用し、共重合体とすることもできる。例えば、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセンと5−
メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ〔2.2.
1〕−2−ヘプテンを共重合することもできる。この組
み合わせは、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシ
クロ〔2.2.1〕−2−ヘプテンが、8−メチル−8
−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕−3−ドデセン製造の中間体として得ら
れるため特に好ましい。また、式(I)で表される化合
物と共重合可能な他の単量体としては、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテ
ン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6 .09,7 .0
9,13〕−11−ペンタデセンなどのシクロアルカン、ま
たそのアルキル置換体を挙げることができる。共重合可
能な他の単量体を用い、式(I)で表される化合物との
共重合体を得る場合、該化合物が少ないと、最終的に得
られる樹脂は高い耐熱性を持つことができないため、式
(I)で表される化合物の割合は、50モル%以上、好
ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以
上である。
種以上使用し、共重合体とすることもできる。例えば、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ
〔4.4.0.12,5 .17,10〕−3−ドデセンと5−
メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ〔2.2.
1〕−2−ヘプテンを共重合することもできる。この組
み合わせは、5−メチル−5−メトキシカルボニルビシ
クロ〔2.2.1〕−2−ヘプテンが、8−メチル−8
−メトキシカルボニルテトラシクロ〔4.4.0.1
2,5 .17,10〕−3−ドデセン製造の中間体として得ら
れるため特に好ましい。また、式(I)で表される化合
物と共重合可能な他の単量体としては、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテ
ン、ペンタシクロ〔6.5.1.13,6 .09,7 .0
9,13〕−11−ペンタデセンなどのシクロアルカン、ま
たそのアルキル置換体を挙げることができる。共重合可
能な他の単量体を用い、式(I)で表される化合物との
共重合体を得る場合、該化合物が少ないと、最終的に得
られる樹脂は高い耐熱性を持つことができないため、式
(I)で表される化合物の割合は、50モル%以上、好
ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以
上である。
【0009】 また、式(I)で表される化合物の重合
を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン
共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素二
重結合を含んだ不飽和炭化水素系重合体の存在下に行う
こともでき、この場合、得られる水添ノルボルネン系樹
脂は、特に耐衝撃性が高い。これらの不飽和炭化水素系
重合体のうち、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体が、透明な成形品を得やすいの
で好ましい。この場合、スチレンとジエンの共重合体
は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体で
あってもよい。不飽和炭化水素系重合体存在下の重合の
際、該重合体は、式(I)で表される化合物に対し、1
〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、さらに好ま
しくは5〜30重量%使用される。
を、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタ
ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン
共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素二
重結合を含んだ不飽和炭化水素系重合体の存在下に行う
こともでき、この場合、得られる水添ノルボルネン系樹
脂は、特に耐衝撃性が高い。これらの不飽和炭化水素系
重合体のうち、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレ
ン−イソプレン共重合体が、透明な成形品を得やすいの
で好ましい。この場合、スチレンとジエンの共重合体
は、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体で
あってもよい。不飽和炭化水素系重合体存在下の重合の
際、該重合体は、式(I)で表される化合物に対し、1
〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、さらに好ま
しくは5〜30重量%使用される。
【0010】 本発明に用いられる重合体は、ポリスチレ
ン換算の重量平均分子量で20,000〜700,00
0、好ましくは30,000〜500,000である。
重合体を得るためのメタセシス重合および該重合体の水
素添加方法は、特開平1−132626号公報の記載さ
れている方法と同様の方法が挙げられる。このようにし
て得られる水添ノルボルネン系樹脂の水添率は、60M
Hz NMRで測定し、δ=4.5〜6.0ppmの範
囲のピークの水添反応による減少から計算して、通常、
50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは
80%以上、特に好ましくは90%以上であり、50%
未満では、水添ノルボルネン系樹脂の熱安定性が低くな
るのみでなく、その物性が変化して良好な特性が確実に
発現されなくなる。なお、本発明に用いられる水添ノル
ボルネン系樹脂のゲル含有量は1重量%以下、好ましく
は0.1重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%
以下、水分含有量は300ppm以下、好ましくは10
0ppm以下、ハロゲン含有量は50ppm以下、好ま
しくは20ppm以下である。
ン換算の重量平均分子量で20,000〜700,00
0、好ましくは30,000〜500,000である。
重合体を得るためのメタセシス重合および該重合体の水
素添加方法は、特開平1−132626号公報の記載さ
れている方法と同様の方法が挙げられる。このようにし
て得られる水添ノルボルネン系樹脂の水添率は、60M
Hz NMRで測定し、δ=4.5〜6.0ppmの範
囲のピークの水添反応による減少から計算して、通常、
50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは
80%以上、特に好ましくは90%以上であり、50%
未満では、水添ノルボルネン系樹脂の熱安定性が低くな
るのみでなく、その物性が変化して良好な特性が確実に
発現されなくなる。なお、本発明に用いられる水添ノル
ボルネン系樹脂のゲル含有量は1重量%以下、好ましく
は0.1重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%
以下、水分含有量は300ppm以下、好ましくは10
0ppm以下、ハロゲン含有量は50ppm以下、好ま
しくは20ppm以下である。
【0011】 次に、本発明に用いられる(B)成分は、
ゴム質重合体および/または前記(A)成分以外の熱可
塑性樹脂である。ここで、(B)成分として用いられる
ゴム質重合体は、ガラス転移温度が0℃以下の重合体で
あって、通常のゴム状重合体および熱可塑性エラストマ
ーが含まれる。このゴム状重合体としては、例えばエチ
レン−α−オレフィン系ゴム質重合体;エチレン−α−
オレフィン−ポリエン共重合ゴム;エチレン−メチルメ
タクリレート、エチレン−ブチルアクリレートなどのエ
チレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチ
レン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共
重合体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重合
体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタ
ジエンまたはスチレン−イソプレンのランダム共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエ
ン−イソプレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)
アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル
−アクリロニトリル−スチレン共重合体などのジエン系
ゴム;ブチレン−イソプレン共重合体などが挙げられ、
これらは単独あるいは併用することができる。また、ゴ
ム質重合体は、前記のゴム状重合体をジビニルベンゼン
などの公知の架橋剤を使用して架橋させたものであって
もよい。前記ゴム状重合体よりなるゴム質重合体は、そ
のムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が5〜200で
あることが好ましい。
ゴム質重合体および/または前記(A)成分以外の熱可
塑性樹脂である。ここで、(B)成分として用いられる
ゴム質重合体は、ガラス転移温度が0℃以下の重合体で
あって、通常のゴム状重合体および熱可塑性エラストマ
ーが含まれる。このゴム状重合体としては、例えばエチ
レン−α−オレフィン系ゴム質重合体;エチレン−α−
オレフィン−ポリエン共重合ゴム;エチレン−メチルメ
タクリレート、エチレン−ブチルアクリレートなどのエ
チレンと不飽和カルボン酸エステルとの共重合体;エチ
レン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共
重合体;アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ラウリルなどのアクリル酸アルキルエステルの重合
体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタ
ジエンまたはスチレン−イソプレンのランダム共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエ
ン−イソプレン共重合体、ブタジエン−(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル共重合体、ブタジエン−(メタ)
アクリル酸アルキルエステル−アクリロニトリル共重合
体、ブタジエン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル
−アクリロニトリル−スチレン共重合体などのジエン系
ゴム;ブチレン−イソプレン共重合体などが挙げられ、
これらは単独あるいは併用することができる。また、ゴ
ム質重合体は、前記のゴム状重合体をジビニルベンゼン
などの公知の架橋剤を使用して架橋させたものであって
もよい。前記ゴム状重合体よりなるゴム質重合体は、そ
のムーニー粘度(ML1+4 、100℃)が5〜200で
あることが好ましい。
【0012】 また、ゴム質重合体として用いられる熱可
塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、
スチレン−イソプレンブロック共重合体、水添スチレン
−イソプレンブロック共重合体などの芳香族ビニル−共
役ジエン系ブロック共重合体、低結晶性ポリブタジエン
樹脂、エチレン−プロピレンエラストマー、スチレング
ラフト−エチレン−プロピレンエラストマー、熱可塑性
ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオノマー樹
脂などを挙げることができる。特に好ましい透明性およ
び鮮明性を有する成形品を得るために好ましいゴム質重
合体としては、水添スチレン−ブタジエンの、ランダム
共重合体、ブロック共重合体またはブロック−ランダム
共重合体であって、スチレン含有量が20〜45重量%
のもの、ブタジエンとアクリル酸エステルの共重合体で
あって、しかもブタジエンとアクリル酸エステルの重量
比が10〜90:90〜10であるもの、ならびにこれ
らの100重量部にスチレンおよび/またはアクリロニ
トリルが0〜30重量%の割合で共重合されたもの、お
よびその水添物を挙げることができる。ゴム質重合体
は、(A)水添ノルボルネン系樹脂との相溶性を向上さ
せる目的で、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、酸無水物基、オキサゾリン基などの特
定の官能基によって変性されたものであってもよい。ゴ
ム質重合体を(B)成分として含有させることにより、
最終的に得られる成形品は、一段と優れた耐衝撃性およ
び延性を有することができる。
塑性エラストマーとしては、例えばスチレン−ブタジエ
ンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、
スチレン−イソプレンブロック共重合体、水添スチレン
−イソプレンブロック共重合体などの芳香族ビニル−共
役ジエン系ブロック共重合体、低結晶性ポリブタジエン
樹脂、エチレン−プロピレンエラストマー、スチレング
ラフト−エチレン−プロピレンエラストマー、熱可塑性
ポリエステルエラストマー、エチレン系アイオノマー樹
脂などを挙げることができる。特に好ましい透明性およ
び鮮明性を有する成形品を得るために好ましいゴム質重
合体としては、水添スチレン−ブタジエンの、ランダム
共重合体、ブロック共重合体またはブロック−ランダム
共重合体であって、スチレン含有量が20〜45重量%
のもの、ブタジエンとアクリル酸エステルの共重合体で
あって、しかもブタジエンとアクリル酸エステルの重量
比が10〜90:90〜10であるもの、ならびにこれ
らの100重量部にスチレンおよび/またはアクリロニ
トリルが0〜30重量%の割合で共重合されたもの、お
よびその水添物を挙げることができる。ゴム質重合体
は、(A)水添ノルボルネン系樹脂との相溶性を向上さ
せる目的で、エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、酸無水物基、オキサゾリン基などの特
定の官能基によって変性されたものであってもよい。ゴ
ム質重合体を(B)成分として含有させることにより、
最終的に得られる成形品は、一段と優れた耐衝撃性およ
び延性を有することができる。
【0013】 また、(B)成分として用いられる熱可塑
性樹脂は、前記(A)成分以外の熱可塑性樹脂であって
ガラス転移温度が25℃以上の重合体であり、非晶性ポ
リマー、結晶性ポリマー、液晶ポリマーなどが含まれ
る。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン系
樹脂、ゴム強化スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹
脂などを挙げることができる。このうち、本発明に有用
なポリオレフィン系樹脂としてはポリプロピレンなどを
挙げることができ、ゴム強化スチレン系樹脂としてはA
BS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂、さら
には該ABS樹脂とMBS樹脂においてブタジエン系ゴ
ムに代えて芳香族ビニル−共役ジエンのブロック共重合
体の水添物を用いた樹脂などを挙げることができ、さら
にスチレン系樹脂としてはポリスチレン、ポリクロルス
チレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
α−メチルスチレン共重合体、スチレン−α−メチルス
チレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−
メチルスチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチ
ル共重合体などを挙げることができ、これらは1種単独
であるいは2種以上を併用することができる。前記熱可
塑性樹脂を(B)成分として含有させることにより、最
終的に得られる成形品に高い流動性と優れた成形加工性
を付与することができる。
性樹脂は、前記(A)成分以外の熱可塑性樹脂であって
ガラス転移温度が25℃以上の重合体であり、非晶性ポ
リマー、結晶性ポリマー、液晶ポリマーなどが含まれ
る。熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン系
樹脂、ゴム強化スチレン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリイミド樹
脂などを挙げることができる。このうち、本発明に有用
なポリオレフィン系樹脂としてはポリプロピレンなどを
挙げることができ、ゴム強化スチレン系樹脂としてはA
BS樹脂、AES樹脂、AAS樹脂、MBS樹脂、さら
には該ABS樹脂とMBS樹脂においてブタジエン系ゴ
ムに代えて芳香族ビニル−共役ジエンのブロック共重合
体の水添物を用いた樹脂などを挙げることができ、さら
にスチレン系樹脂としてはポリスチレン、ポリクロルス
チレン、ポリα−メチルスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
α−メチルスチレン共重合体、スチレン−α−メチルス
チレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−α−
メチルスチレン−アクリロニトリル−メタクリル酸メチ
ル共重合体などを挙げることができ、これらは1種単独
であるいは2種以上を併用することができる。前記熱可
塑性樹脂を(B)成分として含有させることにより、最
終的に得られる成形品に高い流動性と優れた成形加工性
を付与することができる。
【0014】 本発明において、熱可塑性樹脂組成物中の
(A)成分の割合は50重量%以上、好ましくは60重
量%以上、さらに好ましくは70重量%以上であり、従
って(B)成分の割合は50重量%以下である。熱可塑
性樹脂組成物中の(A)成分の割合が50重量%未満で
は、最終的に得られる成形品の耐熱性あるいは耐光性が
低下する場合がある。
(A)成分の割合は50重量%以上、好ましくは60重
量%以上、さらに好ましくは70重量%以上であり、従
って(B)成分の割合は50重量%以下である。熱可塑
性樹脂組成物中の(A)成分の割合が50重量%未満で
は、最終的に得られる成形品の耐熱性あるいは耐光性が
低下する場合がある。
【0015】 本発明の熱可塑性樹脂組成物中には、さら
に必要に応じて通常用いられる添加剤を配合されていて
もよい。この添加剤としては、酸化防止剤、例えば2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1
−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノー
ル、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、トリス(ジ−ノニルフェニルホス
ファイト);紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メト
キシ−ベンゾフェノン、2−(2′−ジヒドロキシ−
4′−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;
滑剤、例えばパラフィンワックス、シリコーンオイル、
ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビス
ステアロアミド、m−ブチルステアレート、ケトンワッ
クス、オクチルアルコール、ヒドロキシステアリン酸ト
リグリセリド;難燃剤、例えば酸化アンチモン、水酸化
アルミニウム、ホウ酸亜鉛、塩素化パラフィン、テトラ
ブロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビ
スフェノールA;帯電防止剤、例えばステアロアミドプ
ロピルジメチル−β−ヒドロキシエチル、アンモニウム
トレート;着色剤、例えば酸化チタン、カーボンブラッ
ク;充填剤、例えば酸化カルシウム、クレー、シリカ、
ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維;顔料などが挙げ
られる。
に必要に応じて通常用いられる添加剤を配合されていて
もよい。この添加剤としては、酸化防止剤、例えば2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1
−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノー
ル、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、トリス(ジ−ノニルフェニルホス
ファイト);紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メト
キシ−ベンゾフェノン、2−(2′−ジヒドロキシ−
4′−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;
滑剤、例えばパラフィンワックス、シリコーンオイル、
ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビス
ステアロアミド、m−ブチルステアレート、ケトンワッ
クス、オクチルアルコール、ヒドロキシステアリン酸ト
リグリセリド;難燃剤、例えば酸化アンチモン、水酸化
アルミニウム、ホウ酸亜鉛、塩素化パラフィン、テトラ
ブロモブタン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモビ
スフェノールA;帯電防止剤、例えばステアロアミドプ
ロピルジメチル−β−ヒドロキシエチル、アンモニウム
トレート;着色剤、例えば酸化チタン、カーボンブラッ
ク;充填剤、例えば酸化カルシウム、クレー、シリカ、
ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維;顔料などが挙げ
られる。
【0016】 本発明に使用される熱可塑性樹脂組成物
は、単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリーミキ
サー、ニーダー、ミキシングロールなどの混合機を用
い、(A)〜(B)成分、さらに必要に応じて使用され
る添加剤を混合することによって得られる。本発明に使
用される熱可塑性樹脂組成物の製造方法の一例を示す
と、ミキサーで各成分を混合したのち、押し出し機を用
い、250〜350℃で溶融混練りして造粒物を得る方
法、さらに簡便な方法としては、各成分を、直接、成形
機内で溶融混練りして組成物を得る方法などが挙げられ
る。
は、単軸押し出し機、二軸押し出し機、バンバリーミキ
サー、ニーダー、ミキシングロールなどの混合機を用
い、(A)〜(B)成分、さらに必要に応じて使用され
る添加剤を混合することによって得られる。本発明に使
用される熱可塑性樹脂組成物の製造方法の一例を示す
と、ミキサーで各成分を混合したのち、押し出し機を用
い、250〜350℃で溶融混練りして造粒物を得る方
法、さらに簡便な方法としては、各成分を、直接、成形
機内で溶融混練りして組成物を得る方法などが挙げられ
る。
【0017】 本発明は、このようにして得られる熱可塑
性樹脂組成物を射出成形機を用いて特定の条件下で成形
することにより、歪みのない優れた性能を有する成形品
を得るものである。ここで、特定の条件とは、金型温
度、樹脂温度、および射出速度の三つを特定の条件に設
定することにある。すなわち、金型温度は、熱可塑性樹
脂組成物のガラス転移温度(Tg)−70℃〜Tg+1
0℃、好ましくはTg−50℃〜Tg+10℃である。
なお、熱可塑性樹脂組成物が二つ以上のTgを有する場
合には、(A)成分のTgを用いる。金型温度がTg−
70℃未満の場合、耐薬品性が悪化し、一方Tg+10
℃を超えると、成形品を金型から変形させずに取り出す
ことが困難となる。なお、金型温度は、樹脂組成物の熱
変形温度(℃)(HDT;ASTM D648、264
psi)を基準として、(HDT−40)〜(HDT+
20)(℃)が好ましく、さらに好ましくは(HDT−
25)〜(HDT+20)(℃)である。また、射出成
形時の樹脂温度は、280〜360℃、好ましくは30
0〜350℃、さらに好ましくは310〜340℃であ
る。樹脂温度が280℃未満では、樹脂の流動性が低
く、成形歪みが発生し耐薬品性が悪くなる。一方、樹脂
温度が360℃を超えると、熱安定性が不良のため、得
られる成形品の外観、耐薬品性が悪化する。さらに、本
発明の成形方法では、射出速度を特定の範囲とする。こ
こで、射出速度(X)は、溶融樹脂のゲート通過時の溶
融樹脂の速度で表し、下記の式で計算した値である。 (イ)ゲートが長方形の場合 X=6Q/WH2 〔式中、Qは流出量(cc/sec)、Wは幅(m
m)、Hは厚み(mm)を示す。〕 (ロ)ゲートが円形の場合 X=4Q/πR3 〔式中、Qは前記(イ)に同じ、Rは半径(mm)を示
す。〕このようにして定義される射出速度(X)の範囲
は、5×102 〜2×104(sec-1)、好ましくは
1×103 〜1×104 (sec-1)である。射出速度
(X)が5×102 (sec-1)未満の場合は、外観不
良が発生し、また耐薬品性が低くなる。一方、射出速度
(X)が2×104 (sec-1)を超えると、耐薬品性
が悪化する。射出速度(X)の制御は、成形機の射出速
度、射出圧力ならびに金型のゲート形状およびゲート面
積によって行う。なお、一つの成形品においても、形
状、特性などを考慮して、射出速度を変えて成形するこ
とがよくある。このような射出速度を多段で変化させて
成形する場合、成形品全体の半分以上を前記の規定の射
出速度(X)で成形すればよい。
性樹脂組成物を射出成形機を用いて特定の条件下で成形
することにより、歪みのない優れた性能を有する成形品
を得るものである。ここで、特定の条件とは、金型温
度、樹脂温度、および射出速度の三つを特定の条件に設
定することにある。すなわち、金型温度は、熱可塑性樹
脂組成物のガラス転移温度(Tg)−70℃〜Tg+1
0℃、好ましくはTg−50℃〜Tg+10℃である。
なお、熱可塑性樹脂組成物が二つ以上のTgを有する場
合には、(A)成分のTgを用いる。金型温度がTg−
70℃未満の場合、耐薬品性が悪化し、一方Tg+10
℃を超えると、成形品を金型から変形させずに取り出す
ことが困難となる。なお、金型温度は、樹脂組成物の熱
変形温度(℃)(HDT;ASTM D648、264
psi)を基準として、(HDT−40)〜(HDT+
20)(℃)が好ましく、さらに好ましくは(HDT−
25)〜(HDT+20)(℃)である。また、射出成
形時の樹脂温度は、280〜360℃、好ましくは30
0〜350℃、さらに好ましくは310〜340℃であ
る。樹脂温度が280℃未満では、樹脂の流動性が低
く、成形歪みが発生し耐薬品性が悪くなる。一方、樹脂
温度が360℃を超えると、熱安定性が不良のため、得
られる成形品の外観、耐薬品性が悪化する。さらに、本
発明の成形方法では、射出速度を特定の範囲とする。こ
こで、射出速度(X)は、溶融樹脂のゲート通過時の溶
融樹脂の速度で表し、下記の式で計算した値である。 (イ)ゲートが長方形の場合 X=6Q/WH2 〔式中、Qは流出量(cc/sec)、Wは幅(m
m)、Hは厚み(mm)を示す。〕 (ロ)ゲートが円形の場合 X=4Q/πR3 〔式中、Qは前記(イ)に同じ、Rは半径(mm)を示
す。〕このようにして定義される射出速度(X)の範囲
は、5×102 〜2×104(sec-1)、好ましくは
1×103 〜1×104 (sec-1)である。射出速度
(X)が5×102 (sec-1)未満の場合は、外観不
良が発生し、また耐薬品性が低くなる。一方、射出速度
(X)が2×104 (sec-1)を超えると、耐薬品性
が悪化する。射出速度(X)の制御は、成形機の射出速
度、射出圧力ならびに金型のゲート形状およびゲート面
積によって行う。なお、一つの成形品においても、形
状、特性などを考慮して、射出速度を変えて成形するこ
とがよくある。このような射出速度を多段で変化させて
成形する場合、成形品全体の半分以上を前記の規定の射
出速度(X)で成形すればよい。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
いかぎり重量基準である。また、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。配合物(熱可塑性樹脂組成物)のガラス転移温度(T
g) 差動走査熱量計(DSC)にて、20℃/分の条件で測
定した。耐熱性 熱変形温度(HDT)を、ASTM D648に準じて
1/2″の厚みの試験片で測定した。耐光性 QUV(スガ試験機)を用いて、100時間照射し、変
色度合い(ΔE)を測定した。耐薬品性 試験片(5″×1/2″×1/8″)の中央に定歪み1
%をかけた状態でエタノールまたは/トルエン中に浸漬
して割れるまでの時間を測定した。外観 成形品を目視判定し、○を良好、×を不良と評価した。
に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもの
ではない。なお、実施例中、部および%は、特に断らな
いかぎり重量基準である。また、実施例中の各種の測定
は、次のとおりである。配合物(熱可塑性樹脂組成物)のガラス転移温度(T
g) 差動走査熱量計(DSC)にて、20℃/分の条件で測
定した。耐熱性 熱変形温度(HDT)を、ASTM D648に準じて
1/2″の厚みの試験片で測定した。耐光性 QUV(スガ試験機)を用いて、100時間照射し、変
色度合い(ΔE)を測定した。耐薬品性 試験片(5″×1/2″×1/8″)の中央に定歪み1
%をかけた状態でエタノールまたは/トルエン中に浸漬
して割れるまでの時間を測定した。外観 成形品を目視判定し、○を良好、×を不良と評価した。
【0019】 参考例(A)成分の調製 (A)−1(水添ノルボルネン系樹脂)の製造; チッ素ガスで置換した反応容器内に、下記式(II)で表
される特定単量体、すなわち8−メチル−8−カルボキ
シメチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕
−3−ドデセン500gと、1,2−ジクロロエタン
2,000mlと、分子量調節剤である1−ヘキセン
3.8gと、触媒として六塩化タングステンの濃度0.
05モル/lのクロロベンゼン溶液91.6mlと、パ
ラアルデヒドの濃度0.1モル/lの1,2−ジクロロ
エタン溶液68.7mlと、トリイソブチルアルミニウ
ムの濃度0.5モル/lのトルエン溶液37mlとを加
え、60℃で10時間反応させることにより、固有粘度
〔η〕inh が0.56dl/g(クロロホルム中、30
℃、濃度0.5g/dl)の重合体450gを得た。こ
の重合体を9,000mlのテトラヒドロフランに溶解
し、高圧反応器に仕込み、水添触媒としてパラジウム濃
度が5%のパラジウム−アルミナ触媒45gを加え、水
素ガスを圧力が100kg/cm2になるように仕込んで、1
50℃で5時間水添反応させた。水添反応後、触媒をろ
別し、溶液を塩酸酸性の大過剰量のメタノール中に注い
で、水添ノルボルネン系樹脂(A)−1を得た。この水
添ノルボルネン系樹脂(A)−1の水添率は実質上10
0%、屈折率(nD 25)は1.511であった。
される特定単量体、すなわち8−メチル−8−カルボキ
シメチルテトラシクロ〔4.4.0.12,5 .17,10〕
−3−ドデセン500gと、1,2−ジクロロエタン
2,000mlと、分子量調節剤である1−ヘキセン
3.8gと、触媒として六塩化タングステンの濃度0.
05モル/lのクロロベンゼン溶液91.6mlと、パ
ラアルデヒドの濃度0.1モル/lの1,2−ジクロロ
エタン溶液68.7mlと、トリイソブチルアルミニウ
ムの濃度0.5モル/lのトルエン溶液37mlとを加
え、60℃で10時間反応させることにより、固有粘度
〔η〕inh が0.56dl/g(クロロホルム中、30
℃、濃度0.5g/dl)の重合体450gを得た。こ
の重合体を9,000mlのテトラヒドロフランに溶解
し、高圧反応器に仕込み、水添触媒としてパラジウム濃
度が5%のパラジウム−アルミナ触媒45gを加え、水
素ガスを圧力が100kg/cm2になるように仕込んで、1
50℃で5時間水添反応させた。水添反応後、触媒をろ
別し、溶液を塩酸酸性の大過剰量のメタノール中に注い
で、水添ノルボルネン系樹脂(A)−1を得た。この水
添ノルボルネン系樹脂(A)−1の水添率は実質上10
0%、屈折率(nD 25)は1.511であった。
【0020】
【化3】
【0021】 (B)成分の調製 (B)−1(水素化ブロック共重合体)の製造; 内容積5Lのオートクレーブに、脱気脱水したシクロ
ヘキサン2,500gとスチレン100gとを仕込んだ
のち、テトラヒドロフラン9.8gおよびn−ブチルリ
チウム0.2gを加え、50℃で等温重合を行った(第
1段重合)。重合転化率がほぼ100%となったのち、
引き続いて1,3−ブタジエン325gとスチレン75
gの混合物を10分間あたり75gの割合で連続的に添
加しながら、70℃で重合を行った(第2段重合)。
添加した単量体の重合転化率がほぼ100%に達したの
ち、反応液を70℃に冷却し、n−ブチルリチウム0.
6gと、2,6−t−ブチルクレゾール0.6gと、ビ
ス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.
28gと、ジエチルアルミニウム1.1gとを加え、水
素ガスを1.0kg/cm2の圧力に保ちながら、1時間水素
化反応させた。次いで、反応液を室温に冷却し、オート
クレーブから取り出したのち、スチームストリッピング
で脱溶媒し、120℃のロールで乾燥して、次のような
水素化ブロック共重合体(B)−1を得た。 全結合スチレン含量(%) 35 全共重合体に対する第1段目重合体ブロックの割合(%) 20 ブロック共重合体中のブタジエン部分のビニル結合含量(%) 40 水添率(%) 98 分子量(×104 ) 16 メルトフローレート(230℃、5kg) 30 屈折率(nD 25) 1.515 (B)−2;ポリプロピレン〔三菱油化(株)製、BC
−8〕を用いた。
ヘキサン2,500gとスチレン100gとを仕込んだ
のち、テトラヒドロフラン9.8gおよびn−ブチルリ
チウム0.2gを加え、50℃で等温重合を行った(第
1段重合)。重合転化率がほぼ100%となったのち、
引き続いて1,3−ブタジエン325gとスチレン75
gの混合物を10分間あたり75gの割合で連続的に添
加しながら、70℃で重合を行った(第2段重合)。
添加した単量体の重合転化率がほぼ100%に達したの
ち、反応液を70℃に冷却し、n−ブチルリチウム0.
6gと、2,6−t−ブチルクレゾール0.6gと、ビ
ス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド0.
28gと、ジエチルアルミニウム1.1gとを加え、水
素ガスを1.0kg/cm2の圧力に保ちながら、1時間水素
化反応させた。次いで、反応液を室温に冷却し、オート
クレーブから取り出したのち、スチームストリッピング
で脱溶媒し、120℃のロールで乾燥して、次のような
水素化ブロック共重合体(B)−1を得た。 全結合スチレン含量(%) 35 全共重合体に対する第1段目重合体ブロックの割合(%) 20 ブロック共重合体中のブタジエン部分のビニル結合含量(%) 40 水添率(%) 98 分子量(×104 ) 16 メルトフローレート(230℃、5kg) 30 屈折率(nD 25) 1.515 (B)−2;ポリプロピレン〔三菱油化(株)製、BC
−8〕を用いた。
【0022】 実施例1〜10、比較例1〜5、比較例8 前記(A)−1成分を、表1〜3に示す配合処方で配合
し、50mmφの押し出し機を用いて溶融混練りしペレ
ットを作製した。このペレットを、射出成形機〔東芝機
械(株)製、IS−125A〕を用いて、射出成形条件
を表1〜3のように変えて成形し、テストピースを作製
し、物性を評価した。結果を表1〜3に示す。 実施例11〜12、比較例6 表2〜3に示す(A)−1/(B)−1比率について、
射出成形条件を変えてテストピースを作製、物性を評価
した。結果を表2〜3に示す。 実施例13〜14、比較例7 表2〜3 に示す(A)−1/(B)−2比率について、
射出成形条件を変えてテストピースを作製、物性を評価
した。結果を表2〜3に示す。表1〜3から明らかなよ
うに、実施例1〜14では、いずれも耐熱性、耐光性お
よび耐薬品性に優れた成形品が得られている。これに対
し、比較例1は、金型温度が下限値を下回っているため
耐薬品性が劣る。比較例2は、樹脂温度が下限値を下回
っているため耐薬品性が劣る。比較例3は、樹脂温度が
上限値を超えるため耐薬品性が劣る。比較例4は、射出
速度が上限を超えているため耐薬品性が劣る。比較例5
は、射出速度が下限値を下回っているため耐薬品性が劣
る。比較例6は、(B)−1成分が上限値を上回ってい
るため、耐熱性、耐光性および耐薬品性が劣る。比較例
7は、(B)−2成分が上限値を上回っているため、耐
熱性、耐光性が劣る。比較例8は、金型温度が高すぎて
成形品が得られなかった。
し、50mmφの押し出し機を用いて溶融混練りしペレ
ットを作製した。このペレットを、射出成形機〔東芝機
械(株)製、IS−125A〕を用いて、射出成形条件
を表1〜3のように変えて成形し、テストピースを作製
し、物性を評価した。結果を表1〜3に示す。 実施例11〜12、比較例6 表2〜3に示す(A)−1/(B)−1比率について、
射出成形条件を変えてテストピースを作製、物性を評価
した。結果を表2〜3に示す。 実施例13〜14、比較例7 表2〜3 に示す(A)−1/(B)−2比率について、
射出成形条件を変えてテストピースを作製、物性を評価
した。結果を表2〜3に示す。表1〜3から明らかなよ
うに、実施例1〜14では、いずれも耐熱性、耐光性お
よび耐薬品性に優れた成形品が得られている。これに対
し、比較例1は、金型温度が下限値を下回っているため
耐薬品性が劣る。比較例2は、樹脂温度が下限値を下回
っているため耐薬品性が劣る。比較例3は、樹脂温度が
上限値を超えるため耐薬品性が劣る。比較例4は、射出
速度が上限を超えているため耐薬品性が劣る。比較例5
は、射出速度が下限値を下回っているため耐薬品性が劣
る。比較例6は、(B)−1成分が上限値を上回ってい
るため、耐熱性、耐光性および耐薬品性が劣る。比較例
7は、(B)−2成分が上限値を上回っているため、耐
熱性、耐光性が劣る。比較例8は、金型温度が高すぎて
成形品が得られなかった。
【0023】
【表1】 |−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | 実 施 例 | | |−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| | | 1| 2| 3| 4| 5| 6| 7| 8| |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |配合処方(部) | | | | | | | | | |(A)−1 | 100| 100| 100| 100| 100| 100| 100| 100| |(B)−1 | - | - | - | - | - | - | - | - | |(B)−2 | - | - | - | - | - | - | - | - | |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |上記配合物のTg| 171| 171| 171| 171| 171| 171| 171| 171| | (℃)| | | | | | | | | |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |射出成形条件 | | | | | | | | | |金型温度(℃) | 150| 150| 150| 150| 150| 110| 130| 170| |樹脂温度(℃) | 320| 320| 320| 280| 350| 320| 320| 320| |射出速度(X) | 8×| 1×| 1×| 7×| 6×| 5×| 5×| 4×| | (sec -1) | 103| 104| 103| 103| 103| 103| 103| 103| |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |物性 | | | | | | | | | |耐熱性(℃) | 165| 164| 164| 163| 165| 164| 164| 167| |耐光性(ΔE) | 1.8| 1.6| 2.0| 1.8| 1.7| 1.6| 1.5| 1.8| |耐薬品性(時間)| | | | | | | | | | エタノール | 97 | 94 | 89 | 93 | 92 | 90 | 88 | 89 | | メタノール | 13 | 12 | 14 | 10 | 11 | 15 | 14 | 10 | |外観 | ○| ○| ○| ○| ○| ○| ○| ○| |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|
【0024】
【表2】 |−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−−|−−−−−| | | 実 施 例 | 比較例 | | |−−|−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| | | 9| 10|11|12|13|14| 1| 2| |−−−−−−−−|−−|−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |配合処方(部) | | | | | | | | | |(A)−1 | 100| 100 | 80 | 80 | 80 | 80 | 100| 100| |(B)−1 | - | - | 20 | 20 | - | - | - | - | |(B)−2 | - | - | - | - | 20 | 20 | - | - | |−−−−−−−−|−−|−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |上記配合物のTg| 171| 171 | 158| 158| 160| 160| 171| 171| | (℃)| | | | | | | | | |−−−−−−−−|−−|−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |射出成形条件 | | | | | | | | | |金型温度(℃) | 150| 130 | 150| 130| 150| 130| 90 | 150| |樹脂温度(℃) | 320| 340 | 310| 310| 300| 320| 320| 260| |射出速度(X) | 7×| 1.7×| 7×| 3×| 9×| 3×| 7×| 6×| | (sec -1) | 102| 104| 103| 103| 103| 103| 103| 103| |−−−−−−−−|−−|−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |物性 | | | | | | | | | |耐熱性(℃) | 164| 164 | 153| 154| 149| 150| 163| 164| |耐光性(ΔE) | 1.6| 1.9 | 2.4| 2.6| 2.7| 2.4| 2.0| 2.0| |耐薬品性(時間)| | | | | | | | | | エタノール | 91 | 93 | 90 | 92 | 101| 103| 64 | 20 | | メタノール | 13 | 11 | 10 | 11 | 23 | 26 | 0.7| 0.6| |外観 | ○| ○ | ○| ○| ○| ○| ○| ○| |−−−−−−−−|−−|−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|
【0025】
【表3】 |−−−−−−−−|−−−−−−−−−−−−−−−−−| | | 比 較 例 | | |−−|−−|−−|−−|−−|−−| | | 3| 4| 5| 6| 7| 8| |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |配合処方(部) | | | | | | | |(A)−1 | 100| 100| 100| 40 | 40 | 100| |(B)−1 | - | - | - | 60 | - | - | |(B)−2 | - | - | - | - | 60 | - | |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |上記配合物のTg| 171| 171| 171| 150| 152| 171| | (℃)| | | | | | | |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |射出成形条件 | | | | | | | |金型温度(℃) | 150| 150| 150| 150| 150| 190| |樹脂温度(℃) | 380| 320| 320| 300| 310| 320| |射出速度(X) | 7×| 4×| 1×| 8×| 7×| 5×| | (sec -1)| 103| 104| 102| 103| 103| 103| |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−| |物性 | | | | | |金型| |耐熱性(℃) | 164| 162| 163| 98 | 108|より| |耐光性(ΔE) | 1.8| 1.7| 1.9| 4.1| 6.3|取り| |耐薬品性(時間)| | | | | |出せ| | エタノール | 70 | 13 | 46 | 23 | 80 |ず、| | メタノール | 1 | 0.4| 0.5| 1.3| 8 |成形| |外観 | ×| ○| ×| ○| ○|不可| |−−−−−−−−|−−|−−|−−|−−|−−|−−|
【0026】
【発明の効果】本発明は、水添ノルボルネン系樹脂を主
成分とする熱可塑性樹脂組成物を特定の条件下射出成形
することにより、耐熱性、耐光性、耐薬品性に優れた成
形品を得ることができる。本発明により得られる成形品
は、自動車部品、電気・電子部品、OA機器部品とし
て、工業的価値が極めて高いものである。
成分とする熱可塑性樹脂組成物を特定の条件下射出成形
することにより、耐熱性、耐光性、耐薬品性に優れた成
形品を得ることができる。本発明により得られる成形品
は、自動車部品、電気・電子部品、OA機器部品とし
て、工業的価値が極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/00 - 45/84
Claims (1)
- 【請求項1】 下記(A)成分50〜100重量%およ
び下記(B)成分50〜0重量%を含有する熱可塑性樹
脂組成物を、金型温度Tg−70℃〜Tg+10℃(た
だし、Tgはガラス転移温度)、樹脂温度280〜36
0℃、かつ下記で表される射出速度(X)を5×102
〜2×104 (sec-1)の条件下で射出成形すること
を特徴とする熱可塑性樹脂組成物の成形方法。 (A)成分;式(I)で表される少なくとも1種のノル
ボルネン誘導体または該ノルボルネン誘導体と共重合可
能な不飽和環状化合物とを、メタセシス重合して得られ
る重合体を水添して得られる水添ノルボルネン系樹脂。 【化1】 〔式中、mは0または1、AおよびBは水素原子または
炭素数1〜10の炭化水素基、X′およびYは水素原
子、炭素数1〜10の炭化水素基、 −(CH2 )n COOR1 、−(CH2 )n OCO
R1 、−(CH2 )n CN、 −(CH2 )n CONR2 R3 、−(CH2 )n COO
Z、 −(CH2 )n OCOZ、−(CH2 )n OZ、−(C
H2 )n W、またはX′とYから構成された なお、R1 、R2 、R3 およびR4 は炭素数1〜20の
炭化水素基、Zは炭化水素基、WはSiR5 p D
3-p (R5 は炭素数1〜10の炭化水素基、Dは−OC
OR5 または−OR5 、pは0〜3の整数である)、n
は0〜10の整数を示す。〕 (B)成分;ゴム状重合体および/または前記(A)成
分以外の熱可塑性樹脂。射出速度;ここで、射出速度
(X)は、溶融樹脂がゲート通過時の溶融樹脂の速度で
あり、次式で表される。 (イ)ゲートが長方形の場合 X=6Q/WH2 〔式中、Qは流出量(cc/sec)、Wは幅(m
m)、Hは厚み(mm)を示す。〕 (ロ)ゲートが円形の場合 X=4Q/πR3 〔式中、Qは前記(イ)に同じ、Rは半径(mm)を示
す。〕
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1675791A JP3123086B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 熱可塑性樹脂組成物の成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1675791A JP3123086B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 熱可塑性樹脂組成物の成形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04331112A JPH04331112A (ja) | 1992-11-19 |
JP3123086B2 true JP3123086B2 (ja) | 2001-01-09 |
Family
ID=11925110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1675791A Ceased JP3123086B2 (ja) | 1991-01-18 | 1991-01-18 | 熱可塑性樹脂組成物の成形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3123086B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001232658A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-28 | Teijin Chem Ltd | 多層構造を有する成形品の製造方法、およびそれから得られた成形品 |
-
1991
- 1991-01-18 JP JP1675791A patent/JP3123086B2/ja not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04331112A (ja) | 1992-11-19 |
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