JPH0762028A - 熱可塑性ノルボルネンポリマー - Google Patents

熱可塑性ノルボルネンポリマー

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JPH0762028A
JPH0762028A JP5232389A JP23238993A JPH0762028A JP H0762028 A JPH0762028 A JP H0762028A JP 5232389 A JP5232389 A JP 5232389A JP 23238993 A JP23238993 A JP 23238993A JP H0762028 A JPH0762028 A JP H0762028A
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polymer
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Kikuko Honda
喜久子 本多
Hironobu Shinohara
弘信 篠原
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Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐水性、透明性、成形性、機械的強
度に優れた成形品を与えるポリマー。 【構成】 熱可塑性ノルボルネンポリマーにおいて、高
速液体クロマトグラフィーにより測定した数平均分子量
(Mn)が5,000以上50,000未満、重量平均
分子量(Mw)が40,000以上500,000未
満、分子量分布(Mw/Mn)が2.5を超え10以下
であることを特徴とする成形用材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性ノルボルネン
ポリマーからなる耐熱性、耐水性、透明性に優れ、かつ
優れた成形性を有し、さらに機械的強度に優れた成形品
を与える成形用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレン、ポリプロピレンに代表さ
れるポリオレフィン系ポリマーは、一般に耐水性に優
れ、成形性が良好であるので、各種成形用材料として広
範な用途に用いられている。しかし、これらのポリマー
は耐熱性が十分でなく、70〜80℃以下の比較的低い
温度で加熱変形してしまい、それ以上の温度では使用で
きないという欠点があった。また、これらのポリマーは
透明性に欠けるので、光学用途に使用することはできな
かった。
【0003】一方、光ディスク基板やプラスチックレン
ズなどの光学用成形材料として、ポリカーボネート(P
C)およびポリメチルメタクリレート(PMMA)が主
として用いられている。しかし、PCは複屈折が大き
く、またPMMAは吸水性が大きく、耐熱性も不十分で
あるので、ますます高度化する要求に応えることが困難
となってきている。
【0004】最近、ノルボルネン系モノマーの開環重合
体の水素添加物やノルボルネン系モノマーとエチレンと
の付加重合体のような熱可塑性ノルボルネンポリマーが
光学用成形材料として注目されている。これら熱可塑性
ノルボルネンポリマーは耐水性に優れ、またガラス転移
温度100℃以上の高い耐熱性を有し、さらに全光線透
過率90%以上の高い透明性と低複屈折を有する材料で
ある。しかしながら、これらの熱可塑性ノルボルネンポ
リマーは、熱変形温度が高いために成形を高い温度で行
なう必要が生じていたが、高温にするとポリマーが着色
したり、焼けが発生したりするために、できる限り低温
にて成形したいという要望があった。一方、低温にて成
形すると、樹脂の流動が不十分なために、複屈折が大き
く生じたり、成形品に歪が生じてしまう問題があった。
また、得られる成形品はポリエチレンやポリプロピレン
などに比べ、機械的強度に劣るという問題点があった。
【0005】このような問題を改善する目的で、分子量
と分子量分布をそれぞれ特定した熱可塑性ノルボルネン
ポリマーからなる成形用材料が特開平3−109418
号公報および特開平3−223328号公報で開示され
ているが、前報では、Mnを2×104 〜5×104
小さく保ち、分子量分布をMw/Mn≦2.5と小さく
してシャープにする方法、後報では、Mnを5×104
〜5×105 と大きくし、Mw/Mn≧2.2以上にし
てブロードにする方法が提案されている。ところが、前
報では、分子量が小さく、分子量分布がシャープになっ
ているために、高分子部分が存在しないことにより、成
形品の機械強度が劣る問題を有していた。また、後方で
は、分子量が大きく、分布量分布も大きいために、流動
性が不十分となり、複屈折が大きく生じたり、歪が生じ
たりする欠点があった。また、流動性を上げるために高
温にして成形すると、焼けが生じたり、成形品が着色し
たりする問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は耐熱性、耐水
性、透明性に優れ、着色や焼けが生じない成形が可能で
あり、かつ優れた成形性を有するため複屈折や歪みが小
さく、しかも機械的強度に優れた成形品を与える成形用
材料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は熱可塑性ノルボ
ルネンポリマーであって、高速液体マロマトグラフィー
により測定した数平均分子量(Mn)が5,000以上
50,000未満、重量平均分子量(Mw)が40,0
00以上500,000未満、分子量分布(Mw/M
n)が2.5を超え10以下であることを特徴とする成
形用材料を提供するものである。
【0008】本発明が対象とする成形用材料は、熱可塑
性ノルボルネンポリマーであって、具体例としては、下
記一般式(I)〜(IV)で表わされるノルボルナン骨
格を含むポリマーを挙げることができる。
【0009】
【化1】
【0010】
【化2】
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】[式中、A、B、CおよびDは、水素原
子、炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロ
ゲン原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−
(CH2 n COOR1 、−(CH2 n OCOR1
−(CH2 n OR1 、−(CH2 n CN、−(CH
2 n CONR3 2 、−(CH2 n COOZ、−
(CH2 n OCOZ、−(CH2 n OZ、−(CH
2 n W、またはBとCから構成された−OC−O−C
O−、−OC−NR4 −CO−、もしくは(多)環状ア
ルキレン基を示す。ここで、R1 、R2 、R3 およびR
4 は炭素数1〜20の炭化水素基、Zはハロゲン原子で
置換された炭化水素基、WはSiR5 p 3-p 〔R5 は
炭素数1〜10の炭化水素基、Fはハロゲン原子、−O
COR6 または−OR6 (R6 は炭素数1〜10の炭化
水素基を示す。)、pは0〜3の整数を示す。〕、nは
0〜10の整数を示す。]
【0014】本発明において使用することのできるノル
ボルナン骨格を有する環状オレフィン系樹脂としては、
例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭62
−252406号公報、特開昭62−252407号公
報、特開平2−133413号公報、特開昭63−14
5324号公報、特開昭63−264626号公報、特
開平1−240517号公報、特公昭57−8815号
公報などに記載されている樹脂などを挙げることができ
る。
【0015】前記一般式(I)〜(IV)で表わされる
ノルボルナン骨格を含むポリマーにおいて、A、B、C
およびDのうちに極性基−(CO2 n COOR1 を含
むことが高いガラス転移温度を有する点で好ましい。特
に、−(CO2 n COOR1 で表わされる基のうち、
nの値が小さいものほどガラス転移温度がさらに高くな
るので好ましい。
【0016】前記一般式において、R1 は炭素数1〜2
0の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほどポリマ
ーの吸湿性が小さくなるので好ましいが、ポリマーのガ
ラス転移温度とのバランスの点から、炭素数1〜4の鎖
状アルキル基または炭素数5以上の(多)環状アルキル
基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、シ
クロヘキシル基であることが好ましい。
【0017】合成したポリマーの分子鎖中に残留する不
飽和結合を水素添加反応により飽和させる場合、水素添
加率が高いほど熱や光に対する安定性に優れたものにな
るので、水素添加率は60MHz、 1H−NMRで測定
した値が50%以上、好ましくは90%以上、特に98
%以上が好ましい。水素添加触媒としては、一般に用い
られている触媒をそのまま適用することができる。
【0018】本発明における熱可塑性ノルボルネンポリ
マーは、トルエンを溶剤とする高速液体クロマトグラフ
ィー分析により測定したポリスチレン換算の数平均分子
量(Mn)が5,000以上50,000未満、好まし
くは5,000〜45,000の範囲であり、重量平均
分子量(Mw)が40,000以上500,000未
満、好ましくは50,000〜400,000の範囲で
あって、その分子量分布(Mw/Mn)は2.5を超え
10以下であることが必要である。MnおよびMwが上
記範囲より小さいと十分な強度をもつ成形品が得られな
い。逆に、この範囲よりも大きいと粘度が高すぎるため
成形が困難である。また、分子量分布(Mw/Mn)は
2.5を超え10以下であることが必要であり、特に3
を超え10以下であることが好ましい。
【0019】一般に、熱可塑性ポリマーは、分子量分布
の小さい、単分散に近いポリマーほど強度、成形性のバ
ランスに優れていて、性能がよいとされている、しかし
ながら、熱可塑性ノルボルネンポリマーのように耐熱性
が高く、成形温度が300℃近くの高温を要し、しかも
剛性の高いポリマーでは分子量分布(Mw/Mn)が大
きいものの方が、成形時には低分子量の分子の存在によ
って成形性が改良され、均一で歪みの小さな成形品が得
られるうえに、高分子量の分子の存在によって成形品の
機械的強度が向上するので好ましい。分子量分布が10
を超えると低分子量が増え、成形時に剥離などが生じや
すくなり、強度も低下する。また、2.5以下だと成形
性と強度のバランスが悪くなる。
【0020】このような分子量分布をもった熱可塑性ノ
ルボルネンポリマーは、合成反応において、例えば触媒
の使用量を加減したり、重合温度を変えたり、分子量調
節剤を用いる場合には、その種類や量を加減したり、さ
らにはモノマーをプロップで反応系に後添加したり、あ
るいは分子量の小さいものと大きなものを別々に合成し
ておいて、これらをブレンドして分子量を広げるなどと
方法により製造することができる。
【0021】該熱可塑性ノルボルネンポリマーを射出成
形に用いる場合、ポリマーの数平均分子量(Mn)は
5,000以上25,000未満、重量平均分子量(M
w)は40,000以上95,000未満、分子量分布
(Mw/Mn)は2.5を超え5.0以下であることが
望ましい。Mn、Mwが上記の範囲より大きいと射出成
形時の流動性が悪くなり、射出成形品の複屈折が大きく
なる。逆に、Mn、Mwが上記範囲より小さいと射出成
形品の強度が劣る。Mw/Mnが上記の範囲を超えると
低分子が増えるため成形品に剥離が生じる。
【0022】該熱可塑性ノルボルネンポリマーを押出成
形に用いる場合、ポリマーの数平均分子量(Mn)は2
5,000以上50,000未満、重量平均分子量(M
w)は95,000以上500,000未満、分子量分
布(Mw/Mn)は3.0を超え10以下であることが
望ましい。Mn、Mwが上記の範囲より大きいと粘度が
大きくなり、押出成形が困難となる。逆に、Mn、Mw
が上記範囲より小さいと押出成形品の強度が悪くなる。
Mw/Mnが上記の範囲より小さいと押出成形時に内部
歪みが生じ、平坦な成形品が得られない。逆に、Mw/
Mnが上記範囲より大きくなると溶融粘度が高いわりに
は十分な強度の成形品が得られなくなるなど、強度と成
形性のバランスが著しく低下する。
【0023】本発明の熱可塑性ノルボルネンポリマーか
らなる成形用材料は、公知の酸化防止剤、例えば2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−(1−
メチルシクロヘキシル)−4,6−ジルチルフェノー
ル、2,2−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、トリス(ジ−ノニルフェニルホス
ファイト);紫外線吸収剤、例えばp−t−ブチルフェ
ニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メト
キシ−ベンゾフェノン、2−(2′−ジヒドロキシ−
4′−m−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール;
滑剤、例えばパラフィンワックス、シリコーンオイル、
ステアリン酸、硬化油、ステアロアミド、メチレンビス
ステアロアミド、m−メチルステアレート、ケトンワッ
クス、オクチルアルコール、ヒドロキシステアリン酸ト
リグリセリド;難燃剤、例えば酸化アンチモン、水酸化
アルミニウム、ホウ酸亜鉛、塩素化パラフィン、テトラ
ブロモブタンフェノールA;帯電防止剤、例えばステア
ロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチル、ア
ンモニウムトレート;着色剤、例えば酸化チタン、カー
ボンブラック;充填剤、例えば酸化カルシウム、クレ
ー、シリカ、ガラス繊維、ガラス球、カーボン繊維;顔
料などを必要に応じて配合されていてもよい。
【0024】また、本発明の熱可塑性ノルボルネンポリ
マーからなる成形用材料には、必要に応じて他の熱可塑
性ポリマーが添加されていてもよい。この他の熱可塑性
ポリマーとしては、ガラス転移温度が25℃以上のポリ
マーであり、非晶質ポリマー、結晶性ポリマー、液晶ポ
リマーなどが含まれる。具体的な熱可塑性ポリマーの例
としては、スチレン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマ
ー、アクリル系ポリマー、ポリフェニレンエーテル、ポ
リアリーレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリスチレ
ン、ポリイミドなどが挙げられる。
【0025】本発明の熱可塑性ノルボルネンポリマーと
他の熱可塑性ポリマーとの割合は、重量比で10〜9
5:90〜5、好ましくは15〜90:85〜10、さ
らに20〜80:80〜20となる割合である。さら
に、該熱可塑性ノルボルネンポリマーと他の熱可塑性ポ
リマーをブレンドした樹脂組成物には、ゴム質重合体お
よびゴム強化熱可塑性ポリマーが、それぞれ単独あるい
はこれらの両方が含有されているものであってもよい。
ここで、ゴム質重合体としては、ガラス転移温度が0℃
以下の重合体であって、通常のゴム状重合体および熱可
塑性エラストマーが含まれる。
【0026】本発明の熱可塑性ノルボルネンポリマー
は、公知の成形手段、すなわち射出成形法、圧縮成形
法、押出成形法、キャスト成形法などを適用して成形品
となされる。ここで、該熱可塑性ノルボルネンポリマー
の成形品の形態は、どのような形態であってもよい。例
えば、該熱可塑性ノルボルネンポリマーを最終成形品に
する前の中間成形品の形態や、最終成形品のいずれであ
ってもよい。
【0027】<用 途>本発明の成形用材料は、コンパ
クトディスク、レーザーディスク、書換可能型光ディス
ク、ミニディスクなどの光ディスク;一般カメラ用レン
ズ、ビデオカメラ用レンズ、望遠鏡用レンズ、レーザー
ビーム用レンズ、光ディスクのピックアップレンズ、め
がねレンズ、コンタクトレンズなどのプラスチックレン
ズ;光学用シート、光学用フィルム、耐熱透明フィル
ム、透明導電性フィルム、OHPフィルムなどのシート
・フィルム;光ファイバーおよびそのコネクター類;プ
ラスチックやエラストマーの改質材;プラスチックコー
ト、感熱紙コート、磁気カードコートなどのコーティン
グ材;CCDリッド、CCDケース、LED、封止材な
どの電気・電子部品;自動車用のフロントガラス、オー
トバイの風防、航空機機用窓材、住宅用窓、透明シャッ
ター、照明器具などの窓材および鏡;耐熱透明容器、食
品容器、医療器具、その他日用品など広範な用途に使用
することができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに
限定されるものではない。また、以下の実施例および比
較例において特に断りのない限り、部および%は重量基
準である。
【0029】<参考例1>窒素雰囲気下において、窒素
置換した反応器内に8−メチル−8−カルボキシルテト
ラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセ
ン100部、トルエン300部、1−ヘキセン13部を
加え、撹拌しながら80℃に加熱した。これにパラアル
デヒドの0.1mol/lのトルエン溶液0.9部、ジ
エチルアルミニウムクロリドの0.5mol/lのトル
エン溶液1.5部、WCl6 の0.05mol/lのク
ロロベンゼン溶液1部を加え、80℃で3時間反応させ
た。重合反応終了後、重合溶液を大量のメタノール中に
加えてポリマーを析出させ、濾別分離後真空乾燥を行な
ってポリマー95部を得た。このポリマー100部をテ
トラヒドロフラン2000部に溶解して重合体溶液を調
製した。この重合体溶液に水素添加触媒としてパラジウ
ム触媒(活性炭担持触媒;バラジウム濃度=5重量%)
10部を加え、オートクレーブ中で水素ガス圧150k
g/cm2 、反応温度150℃で4時間加熱することに
より、水素添加反応を行なった。反応終了後、反応系の
冷却および水素ガスの放圧を行ない、さらに水素添加触
媒を濾別し、濾液にメタノールを添加して水素添加重合
体を凝固させ、乾燥して回収した。得られたポリマーの
水素添加率は実質上100%であった。また、トルエン
を溶剤に用いた高速液体クロマトグラフィー(HLC)
分析(温度38℃、流量1.0ml/分で測定)で分子
量(ポリスチレン換算)を測定した結果、数平均分子量
(Mn)は1.2×104 、重量平均分子量(Mw)は
4.8×104 、分子量分布(Mw/Mn)は4.0で
あった。
【0030】<参考例2>1−ヘキセンの添加量を9部
に変えたほかは、参考例1と同じ条件でポリマーの合成
を行なった。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)
は1.8×104、重量平均分子量(Mw)は7.2×
104 、分子量分布(Mw/Mn)は4.0であった。
【0031】<参考例3>1−ヘキセンの添加量を4部
に変えたほかは、参考例1と同じ条件でポリマーの合成
を行なった。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)
は2.6×104、重量平均分子量(Mw)は13.0
×104 、分子量分布(Mw/Mn)は5.0であっ
た。
【0032】<実施例1>参考例1のポリマーを乾燥
後、40φベント付押出機でペレット化し、樹脂温度2
90℃で射出成形によりテストピースを作成し、物性を
評価した。このポリマーのメルトフローレイトは、温度
260℃、荷重10kgで25g/10minであっ
た。射出成形により得られた板は着色や焼けによる黒点
はなく、複屈折を複屈折自動測定装置を用い633nm
で測定したところ、絶対値の最大値が15nmであっ
た。また、曲げ強度をASTM D790によって測定
したところ、1000kgf/cm2 であった。
【0033】<実施例2>参考例2のポリマーを実施例
1と同様に射出成形を行なった。このポリマーのメルト
フローレイトは、温度260℃、荷重10kgで13g
/10min、複屈折は絶対値の最大値が18nm、曲
げ強度は1300kgf/cm2 であった。
【0034】<実施例3>6−エチリデン−2−テトラ
シクロドデセンを、参考例1と同じ条件で開環重合した
後、水添し、数平均分子量(Mn)が1.5×104
重量平均分子量(Mw)が6.5×104 、分子量分布
(Mw/Mn)が4.3のポリマーを得た。このポリマ
ーを実施例1と同様に射出成形によりテストピースを作
成した。このポリマーのメルトフローレイトは、温度2
60℃、荷重10kgで18g/10min、複屈折は
絶対値の最大値が16nm、曲げ強度は1150kgf
/cm2 であった。
【0035】<比較例1>1−ヘキセンの添加量を1.
5部とした以外は、参考例1と同様にポリマーの合成を
行なった。得られたポリマーの数平均分子量(Mn)は
2.0×104 、重量平均分子量(Mw)は22.0×
104 、分子量分布(Mw/Mn)は11.0であっ
た。このポリマーを実施例1と同様に射出成形によりテ
ストピースを作成した。このポリマーのメルトフローレ
イトは、温度260℃、荷重10kgで3g/10mi
n、複屈折は絶対値の最大値が32nm、曲げ強度は1
050kgf/cm2 であり、複屈折が大きく、成形性
に劣るものであった。
【0036】<比較例2>窒素置換した反応器内に、ト
ルエン15部、1−ヘキセン0.7部とを仕込み、撹拌
しながら80℃に加熱した。次いで、この溶液中に6−
エチリデン−2−テトラシクロドデセン24部と、WC
6 0.05mol/lのジメトキシエタン溶液0.7
5部をトルエン50部に溶解した触媒溶液と、ジエチル
アルミニウムクロリド1.20mol/lのトルエン溶
液0.6部をトルエン24部に溶解した触媒溶液とを、
1時間にわたって連続的に添加した後、反応温度を80
℃に保ちながら、さらに2時間反応させた。重合反応終
了後、参考例1と同様に水添し、数平均分子量(Mn)
が2.6×104 、重量平均分子量(Mw)が6.1×
104 、分子量分布(Mw/Mn)が2.3のポリマー
を得た。このポリマーを実施例1と同様に射出成形によ
りテストピースを作成した。このポリマーのメルトフロ
ーレイトは、温度260℃、荷重10kgで80g/1
0min、複屈折は絶対値の最大値が17nm、曲げ強
度が750kgf/cm2 と強度が著しく低いものであ
った。
【0037】<実施例4>参考例3のポリマーを押出機
で270℃、330℃で押出成形してテストピースを作
成した。このポリマーのメルトフローレイトは、温度2
60℃、荷重10kgで2g/10minであった。こ
のテストピースの中心部の複屈折による光学歪みを、白
色光源の上に直交ニコルの置かれた偏光板の間にテスト
ピースを置き、これらの上から目視で観察したところ、
色は付かず光学歪みは十分小さかった。曲げ強度は15
00kgf/cm2 であった。
【0038】<比較例3>モノマーを8−メチル−8−
カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5
7,10]−3−ドデセン30部に変え、反応容器に最初
に仕込んだ1−ヘキセンの量を0.33部に変更して分
子量調節剤溶液を調製し、ジエチルアルミニウムクロリ
ドのトルエン溶液に代えてトリエチルアルミニウム1.
15mol/l)0.1部を用い、前記分子量調節溶液
中に1−ヘキセン0.11部をモノマーと共に連続的に
添加したこと以外は、比較例2と同様に開環重合および
水添を行なった。得られたポリマーの数平均分子量(M
n)は4.0×104 、重量平均分子量(Mw)は9.
6×104 、分子量分布(Mw/Mn)は2.4であっ
た。このポリマーを実施例4と同様に射出成形によりテ
ストピースを作成した。このポリマーのメルトフローレ
イトは、温度260℃、荷重10kgで2g/10mi
nであった。このテストピースの曲げ強度は1550k
gf/cm2 であった。テストピースの中心部の複屈折
による光学歪みを実施例4と同様に観察したところ、色
の付いたしま模様があり、光学歪みが大きいことを示す
ものであった。
【0039】
【発明の効果】本発明によれは、熱可塑性ノルボルネン
ポリマーからなる耐熱性、耐水性、透明性に優れ、かつ
優れた成形性を有し、さらに機械的強度に優れた成形品
を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ノルボルネンポリマーにおい
    て、高速液体クロマトグラフィーにより測定したポリス
    チレン換算の数平均分子量(Mn)が5,000以上5
    0,000未満、重量平均分子量(Mw)が40,00
    0以上500,000未満、分子量分布(Mw/Mn)
    が2.5を超え10以下であることを特徴とする成形用
    材料。
JP23238993A 1993-08-25 1993-08-25 熱可塑性ノルボルネンポリマー Expired - Lifetime JP3384054B2 (ja)

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WO2005040236A1 (ja) * 2003-10-24 2005-05-06 Jsr Corporation アイオノマー及びその製造方法並びに成形品

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