JPH07196885A - 摺動性透明フィルム - Google Patents

摺動性透明フィルム

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JPH07196885A
JPH07196885A JP1141094A JP1141094A JPH07196885A JP H07196885 A JPH07196885 A JP H07196885A JP 1141094 A JP1141094 A JP 1141094A JP 1141094 A JP1141094 A JP 1141094A JP H07196885 A JPH07196885 A JP H07196885A
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JP
Japan
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weight
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polymer particles
polyolefin resin
transparent film
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JP1141094A
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English (en)
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Kazuhiko Yamamoto
山本  和彦
Masayuki Hattori
雅幸 服部
Kazutomi Fukui
司臣 福井
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、摺動性の良好な透明フィルムを提
供する。 【構成】 環状ポリオレフィン系樹脂(a)100重量
部に、屈折率(nD 25)が環状ポリオレフィン系樹脂の
D 25±0.02の範囲にあり、かつ平均粒子径0.1
〜20μmの架橋ポリマー粒子(b)0.1〜100重
量部を配合したことを特徴とする摺動性透明フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は摺動性に優れた透明フィ
ルム、ならびに摺動性と耐衝撃性の優れた透明フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱性の透明熱可塑性樹脂とし
て、環状ポリオレフィン系樹脂が注目されている。環状
ポリオレフィン系樹脂は、特開平1−36615号公
報、特開昭61−292601号公報、特開昭63−2
18726号公報、特開平2−133413号公報など
に開示されている。これらの樹脂は、脂肪族よりなる主
鎖をもち、特徴としてその主鎖中に脂肪族多環環状構造
を含むものである。環状ポリオレフィン系樹脂は、主鎖
構造の剛直性に起因する高いガラス転移温度、主鎖構造
の嵩高さが結晶化を妨げ、非晶質であることに起因する
高い透明性、環構造のため、主鎖方向に対して共有結合
の方向がランダムとなり、重合体の繰り返し単位当たり
の分極率の異方性がほとんどないこと、ひいては成形時
の配向によって複屈折を起こさないことに起因し、成形
体が低複屈折率となるなどの優れた力学的、光学的性質
をもつ。このように、環状ポリオレフィン系樹脂は、従
来の代表的な透明熱可塑性樹脂であるポリメチルメタク
リレート(PMMA)やポリカーボネート(PC)に較
べて耐熱性に優れ、低複屈折率であることから、光学用
材料などに使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、環状ポ
リオレフィン系樹脂は摺動性が十分でないため、成形材
料として採用されない場合がある。本発明は以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
優れた摺動性と透明性を有するフィルム、ならびに優れ
た摺動性、耐衝撃性および透明性を有する透明フィルム
を提供する。
【0004】
【発明が解決するための手段】本発明は、環状ポリオレ
フィン系樹脂(a)100重量部に、屈折率(nD 25
が環状ポリオレフィン系樹脂のnD 25±0.02の範囲
にあり、かつ平均粒子径0.1〜20μmである架橋ポ
リマー粒子(b)0.1〜100重量部が含有された組
成物からなる摺動性透明フィルム、ならびに上記の組成
物100重量部に、屈折率(nD 25)が環状ポリオレフ
ィン系樹脂のnD 25±0.02の範囲にあるゴム質重合
体(c)を1〜40重量部配合してなる摺動性透明フィ
ルムに関する。
【0005】本発明の摺動性透明フィルムに適用される
環状ポリオレフィン系樹脂とは、飽和脂肪族よりなる主
鎖をもち、特徴として、その主鎖中に脂肪族多環環状構
造を含むものであるが、その具体例としては、その繰り
返し単位中にノルボルネン骨格を有するものである。例
えば、この環状ポリオレフィン系樹脂としては、一般式
(I)〜(IV)で表わされるノルボルネン骨格を含む
熱可塑性樹脂を挙げることができる。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】
【化3】
【0009】
【化4】
【0010】[式中、A、B、CおよびDは水素原子、
炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン
原子で置換された炭素数1〜10の炭化水素基、−(C
2n COOR1 、−(CH2 n OCOR1 、−
(CH2 n OR1 、−(CH2 n CN、−(C
2 n CONR3 2 、−(CH2 n COOZ、−
(CH2 n OCOZ、−(CH2 n OZ、−(CH
2 n W、またはBとCから構成された もしくは(多)環状アルキレン基を示す。ここで、
1 、R2 、R3 およびR4 は炭素数1〜20の炭化水
素基、Zはハロゲン原子で置換された炭化水素基、Wは
SiR5 p 3-p 〔R5 は炭素数1〜10の炭化水素
基、Fはハロゲン原子、−OCOR6 または−OR
6 (R6 は炭素数1〜10の炭化水素基を示す)、pは
0〜3の整数を示す〕、nは0〜10の整数を示す。]
【0011】本発明において使用することのできるノル
ボルナン骨格を有する環状ポリオレフィン系樹脂として
は、例えば、特開昭60−168708号公報、特開昭
62−252406号公報、特開昭62−252407
号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63−
145324号公報、特開昭63−264626号公
報、特開平1−240517号公報、特公昭57−88
15号公報などに記載されている樹脂などを挙げること
ができる。この環状ポリオレフィン系樹脂の具体例とし
ては、下記一般式(V)で表わされる少なくとも1種の
テトラシクロドデセン誘導体または該テトラシクロドデ
センと共重合可能な不飽和環状化合物とをメタセシス重
合して得られる重合体を水素添加して得られる水添重合
体を挙げることができる。
【0012】
【化5】
【0013】(式中、A〜Dは前記に同じ。) 前記一般式(V)で表わされるテトラシクロドデセン誘
導体において、A、B、CおよびDのうちに極性基を含
むことが、密着性が優れたものとなる点で好ましい。さ
らに、この極性基が−(CH2 n COOR1 で表わさ
れる基であることが、得られる水添重合体が高いガラス
転移温度を有するものとなる点で好ましい。特に、この
−(CH2 n COOR1 で表わされる基よりなる極性
置換基は、一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体
の1分子あたりに1個含有されることが、得られる水添
重合体の高い耐熱性を保持したまま、吸湿性を低くでき
る点で好ましい。また、−(CH2 n COOR1 で表
わされる基のうち、nの値が小さいものほど、得られる
水添重合体のガラス転移温度がさらに高くなるので好ま
しい。
【0014】前記一般式において、R1 は炭素数1〜2
0の炭化水素基であるが、炭素数が多くなるほど得られ
る水添重合体の吸湿性が小さくなる点では好ましいが、
得られる水添重合体のガラス転移温度とのバランスの点
から、炭素数1〜4の鎖状アルキル基または炭素数5以
上の(多)環状アルキル基であることが好ましく、特に
メチル基、エチル基、シクロヘキシル基であることが好
ましい。さらに、−(CH2 n COOR1 で表わされ
る基が結合した炭素原子に、同時に炭素数1〜10の炭
化化水素が置換基として結合されている一般式(V)の
テトラシクロドデセン誘導体は、得られる水添重合体の
ガラス転移温度を低下させずに、吸湿性を低下させるの
で好ましい。特に、この置換基がメチル基またはエチル
基である一般式(V)のテトラシクロドデセン誘導体
は、その合成が容易な点で好ましい。これらのテトラシ
クロドデセン誘導体、あるいはこれと共重合可能な不飽
和環状化合物の混合物は、例えば特願平4−77520
号明細書第12頁第12行〜第22頁第6行に記載され
た方法によって、メタセシス重合で水素添加され、本発
明に使用されるポリオレフィン系樹脂とすることができ
る。
【0015】本発明において、環状ポリオレフィン系樹
脂として使用される前記水添重合体は、クロロホルム
中、30℃で測定される固有粘度([η]inh )が、
0.3〜1.5dl/gの範囲であることが好ましい。
[η]inh が上記範囲にあることによって、成形加工
性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性などが良好
である。 また、水添重合体の水素添加率は、60MH
z 1H−NMRで測定した値が50%以上、好ましく
は90%以上、さらに好ましくは98%以上である。水
素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたも
のとなる。
【0016】(b)成分(架橋ポリマー粒子) 本発明で使用される架橋ポリマー粒子の製造方法とし
て、例えば重量平均分子量が500〜10,000の範
囲にあるシードポリマー粒子1重量%を含む水性分散体
100重量部に、架橋性モノマーを3重量%以上含む重
合性モノマーを2〜500重量部を添加し、シードポリ
マー粒子に重合性モノマーを吸収させて重合する。シー
ドポリマー粒子の組成は、重合に用いるモノマーに溶解
または膨潤するものであれば制限されないが、重合に用
いるモノマーと同系統のものであることが好ましい。具
体的には、ポリスチレン、その他のポリマー粒子が好ま
しく用いられる。
【0017】架橋性モノマーとしては、ジビニルベンゼ
ンに代表される非共役ジビニル化合物あるいはトリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレートなどに代表される多価アクリレ
ート化合物などの2個以上、好ましくは2個の共重合性
二重結合を有する化合物を好ましく用いることができ
る。
【0018】また、架橋性モノマーとともに用いられる
重合性モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレ
ンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルなどの
シアン化ビニル化合物、ブチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸などの不飽和脂肪酸、アクリルアミ
ド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーなどを挙
げることができる。
【0019】本発明では、架橋ポリマー粒子の屈折率
(nD 25)は(a)環状ポリオレフィン系樹脂の屈折率
±0.02の範囲にあることが必要である。架橋ポリマ
ー粒子の屈折率は使用するモノマーの種類、量を適宜調
整することで、目的のD 25を得ることができる。本発明
で使用される架橋ポリマー粒子の粒径は、通常、0.1
〜20μm、好ましくは0.2〜10μm、さらに好ま
しくは0.3〜0.8μmである。この粒径が0.1μ
m未満ではフィルムの摺動性の改良にならず、また20
μmを超えると透明性が悪化する。本発明において、架
橋ポリマー粒子の使用量は、本発明の(a)成分100
重量部に対して、0.1〜100重量部、好ましくは
0.2〜50重量部、さらに好ましくは0.2〜30重
量部である。架橋ポリマー粒子の使用量が0.1重量部
未満の場合、耐摩耗性が不十分であり、一方、100重
量部を超えると、フィルムの強度が劣るようになる。
【0020】(c)成分(ゴム質重合体) 本発明のゴム質重合体(c)の屈折率(nD 25)は、本
発明の(a)成分の屈折率nD 25±0.02の範囲にあ
るものである。この範囲にある(c)成分を用いると、
一段と優れた摺動性透明フィルムが得られる。(c)成
分として、好ましくは、水素化スチレン−ブタジエンの
ランダム共重合体、ブロック共重合体またはブロック−
ランダム共重合体であって、スチレン含有量が20〜4
5重量%のもの、ならびにブタジエンとアクリル酸エス
テルの共重合対であって、しかもブタジエンとアクリル
酸エステルの重量比が10〜90:90〜10であるも
の、ならびにこれらの100重量部にスチレンおよび/
またはアクリロニトルが0〜30重量部の割合で共重合
されたもの、およびその水素添加物を挙げることができ
る。
【0021】(c)成分は、環状オレフィン系樹脂
(a)との相溶性を向上する目的で、エポキシ基、カル
ボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、酸無水物基、
オキサゾリン基などの特定の官能基によって変性された
ものであってもよい。本発明の(c)成分の配合量は、
(a)成分と(b)成分の合計量100重量部に対し
て、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは5〜
30重量部、特に好ましくは8〜25重量部である。
(c)成分の配合量が1重量部未満であると、(c)成
分の添加目的である耐衝撃性の改良効果が十分でなく、
一方、40重量部を超えると、剛性が低下するので好ま
しくない。
【0022】上記の(a)成分および(b)成分からな
る摺動性透明フィルム、または(a)成分、(b)成分
および(c)成分からなる摺動性透明フィルムにおい
て、必要に応じて本発明の目的の効果を損なわない範囲
で不活性粒子を添加してもよい。ここで、不活性粒子と
しては、シリカ、酸化チタン、カオリナイト、炭酸カル
シウムなどの無機粒子、ならびに架橋ポリスチレン系ビ
ーズ、ポリアクリル酸系ビーズなどの有機粒子が挙げら
る。また、必要に応じて、不活性粒子の凝集を抑えるた
めの凝集防止剤、フィルムの静電密着性を改善するため
の添加剤、着色などの副反応を防止するための安定剤、
着色剤、静電防止剤、紫外線吸収剤などの種類の添加剤
を添加してもよい。
【0023】本発明のフィルムの製造方法としては、
(a)成分と(b)成分、あるいは(a)成分と(b)
成分と(c)成分とを、二軸押出機、ブラベンダー、ロ
ール混練機などで混合するか、該(a)成分を溶液とし
て、これに(b)成分、あるいは(b)、(c)成分を
混合するなどして、混合物ペレットを作製し、プレス成
形機などの熱加工機成形してフィルムに成形することが
できる。また、該(a)成分を溶液とした場合には、キ
ャスト成形法によってもフィルムを製造することができ
る。
【0024】本発明のフィルムは、成形後、ステンター
法、チューブラー法などの公知の方法によってさらに一
軸または二軸に延伸して配向フィルムとすることもでき
る。二軸配向フィルムを作製する場合、同時に二方向に
延伸してもよいし、縦方向および横方向を別々に延伸し
てもよい。延伸時の温度は、フィルムの主成分のガラス
転移温度より高い温度で行なうことが好ましい。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明がこれによって限定されるものではない。なお、
各特性の測定、評価は下記の条件に従って行なった。 全光線透過率(Tt):ASTM D1003 摩擦係数:一定荷重(100g)でフィルムを走行さ
せ、摩擦力を測定し、摩擦係数μ=F/Nを求めた。 引張強度および伸び(TS,TE):ASTM D79
【0026】(参考例)(a)成分 (a−1)(水添ノネボルネン系樹脂)の製造: チッ素
ガスで置換した反応容器内に、8−メチル−8−メトキ
シカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .1
7,10]3−ドデセン500gと、1,2−ジクロロエタ
ン2,000mlと、分子量調節剤である1−ヘキセン
3.8gと、触媒として六塩化タングステンの濃度0.
05モル/リットルのクロロベンゼン溶液91.6ml
と、パラアルデヒドの濃度0.1モル/リットルの1,
2−ジクロロエタン溶液68.7mlと、トリイソブチ
ルアルミニウムの濃度0.5モル/リットルのトルエン
溶液37mlとを加え、60℃で10時間反応させるこ
とにより、固有粘度[ηinh ]が0.56dl/g(ク
ロロホルム中、30℃、濃度0.5g/dl)の開環重
合体450gを得た。この重合体を9,000mlのテ
トラヒドロフランに溶解し、高圧反応器に仕込み、水添
触媒としてパラジウム濃度が5重量%のパラジウム−ア
ルミナ触媒45gを加え、水素ガスを圧力が100kg
/cm2 となるように仕込んで、150℃で5時間水添
反応させた。水添反応後、触媒をろ別し、溶液を塩酸酸
性の大過剰量のメタノール中に注いで、水添ノルボルネ
ン系樹脂(a)−1を得た。この水添ノルボルネン系樹
脂(a)−1水添率は実質上100%、屈折率
(nd 25)は1.511であった。
【0027】(b)成分の製造 スチレン18重量部、メチルメタクリレート80重量
部、メタクリル酸2重量、t−ドデシルメチカプタン1
0重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
05重量部、過硫酸カリウム0.4重量部、および水2
00重量部を容量2リッルのフラスコに入れ、撹拌しな
がらチッ素ガス中にて70℃に昇温して6時間重合を行
なった。これにより、重合収率98%、粒子径0.45
μm、粒子径の標準偏差値が0.015μmのシードポ
リマー粒子Aを得た。ここで粒子径は、透過型電子顕微
鏡写真により100個のポリマー粒子について計測した
値である。このシードポリマー粒子Aは、トルエン溶解
分98%、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーで
測定した分子量が、重量平均分子量(Mw)=5,00
0、数平均分子量(Mn)=3,100であった。
【0028】次に、シードポリマー粒子A(固形分換
算)8重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.2重量部、
過硫酸ナトリウム0.5重量部、水500重量部、メチ
ルメタクリレート82重量部、およびジビニルベンゼン
18重量部を混合して、30℃で10分間撹拌してシー
ドポリマー粒子にモノマーを吸収させた。次に、これを
70℃に昇温して3時間重合を行なったところ、重合収
率は99%、200メッシュのフィルターに残る重合凝
固物は0.02%(対重合固形分)であり、高い重合安
定性で架橋ポリマー粒子(b−1)が得られた。この架
橋ポリマー粒子は、平均粒子径1.02μmであり、か
つ真球であった。また、nd 25=1.51であった。ま
た、上記と同様の製造法により、粒子径が0.61μm
の架橋ポリマー粒子(b−2)、3.25μmの架橋ポ
リマー粒子(b−3)、および5.01μmの架橋ポリ
マー粒子(b−4)をそれぞれ得た。
【0029】(c)成分 (c−1)(水素化ブロック共重合体)の製造: 内容積5リットルのオートクレーブに、脱気脱水し
たシクロヘキサン2,500gとスチレン100gとを
仕込んだ後、テトラヒドロフラン9.8gおよびn−ブ
チルリチウム0.2gを加え、50℃で等温重合を行な
った(第1段重合)。重合添加率がほぼ100%となっ
た後、引き続いて、1,3−ブタン325gとスチレン
75gの混合物を10分間当たり75gの割合で連続的
に添加しながら、70℃で重合を行なった(第2段重
合)。
【0030】 添加した単量体の重合添加率がほぼ1
00%に達した後、反応液を70℃に冷却し、n−ブチ
ルリチウム0.6gと、2,6−t−ブチルクレゾール
0.6gと、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム
ジクロリド0.28gと、ジエチルアルミニウム1.1
gとを加え、水素ガスを1.0kg/cm2 の圧力に保
ちながら、1時間水素化反応させた。
【0031】次いで、反応液を室温に冷却し、オートク
レーブから取り出した後、スチームストリッピングで脱
溶媒し、120℃のロールで乾燥して、次のような水素
化ブロック共重合体(C)−1を得た。 全結合スチレン含量(%) 35 全共重合体に対する第1段目重合体ブロックの割合(%) 20 ブロック共重合体中のブタジエン部分のビニル結合含量(%) 40 水 添 率 (%) 98 分 子 量 (1×104 ) 16 メルトフローレート(230℃、5kg、単位=g/10分) 屈 折 率 (nD 25) 1.515
【0032】実施例1〜7および比較例1〜4 重合体(a−1)または重合体(a−1)90重量%、
およびスレチン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体水添物10重量%からなる組成物100重量部に、架
橋ポリマー粒子(b−1)〜(b−4)を表1に示す量
添加し、50m/m押出機を用いて280℃で混練し、
ペレット化した。このペレットを40m/m押出機を用
いて300℃で平均厚100μmのフィルムを製造し
た。得られたフィルムの引張強度、伸び、全光線透過
率、摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明のフィルムは摺動性と透明性に優
れており、光学用部品として有効である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状ポリオレフィン系樹脂(a)100
    重量部に、屈折率(nD 25)が環状ポリオレフィン系樹
    脂のnD 25±0.02の範囲にあり、かつ平均粒子径
    0.1〜20μmである架橋ポリマー粒子(b)0.1
    〜100重量部が含有された組成物からなる特徴とする
    摺動性透明フィルム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の環状オレフィン系樹脂と
    架橋ポリマー粒子からなる組成物100重量部に、屈折
    率(nD 25)が環状ポリオレフィン系樹脂のnD 25±
    0.02の範囲にあるゴム質重合体(c)を1〜40重
    量部配合してなる摺動性透明フィルム。
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JP2001123076A (ja) * 1999-08-17 2001-05-08 Mitsui Chemicals Inc 透明樹脂成形体および用途

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