JP2002303853A - 液晶表示素子用樹脂基板 - Google Patents

液晶表示素子用樹脂基板

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JP2002303853A
JP2002303853A JP2001106066A JP2001106066A JP2002303853A JP 2002303853 A JP2002303853 A JP 2002303853A JP 2001106066 A JP2001106066 A JP 2001106066A JP 2001106066 A JP2001106066 A JP 2001106066A JP 2002303853 A JP2002303853 A JP 2002303853A
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JP2001106066A
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English (en)
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Hiromitsu Kuramoto
洋光 倉本
Sumio Shibahara
澄夫 柴原
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガラス転移温度200℃以上の耐熱性、透明
性、耐溶剤性、耐配向剤性、耐液晶性に優れた液晶表示
素子用樹脂基板を提供する。 【解決手段】 少なくともガラス転移温度が200℃以
上、かつ分子量が8000〜200000の下記一般式
(1)で示されるポリエステル樹脂を含むプラスチック
シートを用いることを特徴とする液晶表示素子用樹脂基
板。 【化4】 (R1、R2、R3、R4は水素又は炭素数1から7ま
でのアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基を表し、
それぞれ同じでも異なっても良い。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子用樹脂
基板に関し、さらに詳しくはガラス転移温度200℃以
上の耐熱性を有し、透明性、耐溶剤性、耐液晶性に優
れ、薄膜トランジスタ(以下TFTと称する)表示素子
に好適な液晶表示素子用樹脂基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子は薄膜化、軽量化、
大型化、任意の形状化、曲面表示対応などの高度な要求
がある。特に、携帯機器については軽量化、高耐久性が
強く要求され、これらの利用が拡大されるにつれて、従
来のガラス基板に変わりプラスチックを基板とする液晶
表示パネルが検討され、一部で実用化され始めた。しか
し、最近になってさらに液晶のカラー動画化に伴い高速
応答性が要求され、TFTの需要が高まりつつあるが、
TFT用液晶表示基板には依然としてガラス基板が使
われており、軽量化、高耐久性の強い要求からプラスチ
ック化が望まれている。液晶表示素子用樹脂基板とし
て、特開平9−153767号公報や特開平10−15
38号公報等が開示されている。しかしながら、これら
の特許で例示されている樹脂のガラス転移温度は200
℃以下であり、CVD(Chemical Vapou
r Deposition)等の高温工程を経るTFT
素子製造工程では反りや変形が発生するおそれがある。
さらに、TFT素子製造工程においては例えばTN、S
TN素子製造工程とは異なり、レジストの除去に使用さ
れるジメチルスホキシド(DMSO)及びフォトリソグ
ラフィーの現像液に対する耐性が必要であり、さらに表
示素子に用いられる液晶ミクスチャー自体に対しても耐
性が必要とされる。また、液晶表示用樹脂基板に耐熱性
の高い特定のフッ素化ポリイミドを用いた例(特開平3
−246515号)があるが、用いている原料が非常に
高価であるため、実生産に用いることは実用的ではな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、TFT液晶表示素子基板等にも適用できる
ガラス転移温度200℃以上の耐熱性、透明性、耐溶剤
性、耐液晶性に優れた液晶表示素子用樹脂基板を提供す
ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (1) 少なくともガラス転移温度が200℃以上、か
つ分子量が8000〜200000の下記一般式(1)
で示されるポリエステル樹脂を含むプラスチックシート
を用いることを特徴とする液晶表示素子用樹脂基板。
【0005】
【化2】
【0006】(R1、R2、R3、R4は水素又は炭素
数1から7までのアルキル基、アラルキル基、アルコキ
シ基を表し、それぞれ同じでも異なっても良い。) (2) プラスチックシートがジメチルスルホキシド
(DMSO)中40℃で1時間加熱しても浸食されない
(1)項記載の液晶表示素子用樹脂基板。 (3) プラスチックシートが(a)前記一般式(1)
で示されるポリエステル樹脂99〜1重量部、(b)不
飽和基を2つ以上有する多官能モノマー1〜99重量部
からなることを特徴とする(2)項記載の液晶表示素子
用樹脂基板。 (4) 不飽和基を2つ以上有する多官能モノマー
(b)の不飽和基がアリル基、ビニル基、アクリル基、
メタクリル基から選ばれた一種以上であることを特徴と
する(3)項記載の液晶表示素子用樹脂基板。 (5) 不飽和基を2つ以上有する化合物(b)がジシ
クロペンタジエニルジアクリレートであることを特徴と
する(3)または(4)項記載の液晶表示素子用樹脂基
板。 (6) 有機過酸化物、電子線、紫外線から選ばれた一
種以上の架橋方法で架橋処理された(2)〜(5)項の
いずれかに記載の液晶表示素子用樹脂基板。である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の液晶表示素子用樹脂基板
は、ガラス転移温度が200℃以上のポリエステル樹脂
を含むプラスチックシートを用いることを特徴としてお
り、本発明でいうポリエステル樹脂は、特定のビスフェ
ノールと芳香族ジカルボン酸誘導体とを界面重縮合ある
いは溶融重縮合させて得られる芳香族ポリエステルを指
す。本発明のポリエステル樹脂に用いるビスフェノール
は、一般式(2)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、 R1、R2、R3、R4は前記
と同じである。)で表される。ここで一般式(2)で表
されるビスフェノールとしては、様々なものが適用でき
る。具体的な例としては、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス
(4−ヒドロキシ−3、5−ジメチルフェニル)フルオ
レン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェ
ニル)フルオレンなどが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。また、これらの中でも9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが特に好まし
い。これらのビスフェノールは、単独で用いてもよく、
目的に応じて二種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
たさらに本発明の構成を満たす限りにおいて、すでに例
示されたこれらのビスフェノールと例えばビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)メタン[通称ビスフェノールF]、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[通称ビ
スフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)シクロヘキサン、4,4−ジヒドロキシジフェニ
ルエーテル、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン
[通称ビスフェノールS]、4,4−ジヒドロキシジフ
ェニルスルフィド、4,4−ジヒドロキシビフェノール
などのビスフェノールと共重合させても良い。
【0010】また、本発明のポリエステル樹脂は不飽和
基を含有する構造でもよく、不飽和基を含有することで
架橋させることもできる。不飽和基を含有したポリエス
テル樹脂としては、末端に不飽和基を付加したもの、不
飽和基を含有するビスフェノールと共重合したものなど
が挙げられる。末端の不飽和基としては、アリル基、ア
クリル基、メタクリル基、マレイミド基などが例示でき
る。不飽和基を含有するビスフェノールとしては、ビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)メタン(通称
ジアリルビスフェノールF)、1,1−ビス(3−アリ
ル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス
(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称ジアリルビスフェノールA)、ビス(3−アリル−4
−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アリル−
4−ヒドロキシフェニル)スルホン(通称ジアリルビス
フェノールS)、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、3、3−ジアリル−4、4−ヒド
ロキシビフェノールなどが例示できるが、これらに限定
されるわけではない。
【0011】本発明で用いるジカルボン酸成分は、イソ
フタル酸及び/又はテレフタル酸である。イソフタル酸
とテレフタル酸は、モル比3/7〜7/3の範囲で混合
して用いるのが好ましく、4/6〜6/4のモル比が最
も好ましい。本発明の芳香族ポリエステル樹脂は、芳香
族ポリエステル樹脂を製造する際に用いられる公知の方
法で製造できる。例えば、ビスフェノールのアルカリ水
溶液と、水に相溶しない有機溶剤に溶解した芳香族ジカ
ルボン酸クロリドとを混合して合成するいわゆる界面重
合法よって製造することができる。また、芳香族ジカル
ボン酸のフェニルエステルとビスフェノールとを加熱す
る溶融重合法等によっても製造することができる。しか
し、溶融重合法の場合、高温に加熱する必要があり、重
合物が着色しやすいという問題があるので、界面重合法
の方が好ましい。
【0012】界面重合法によって製造する場合には、例
えば、イソフタル酸ジクロライドとテレフタル酸ジクロ
ライドの塩化メチレン溶液にビスフェノールの水酸化ナ
トリウム混合水溶液を添加し、5〜25℃で撹拌下に5
分間〜5時間程度重合することによって得られる。水と
相溶しない有機溶剤としては、塩化メチレンの他、クロ
ロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロルベンゼン、
キシレン等が用いられる。アルカリ水溶液としては、水
酸化ナトリウムの他に水酸化カリウム、ピリジンなどの
水溶液が用いられる。重合反応には、重合反応を活性化
させるために、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等
の相関移動触媒、例えばトリエチルアミン、ベンジルト
リエチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモ
ニウムブロミド等を用いることができる。また、所定の
分子量の重合体を得るために、分子量調節剤を用いて分
子量を調節しても良い。分子量調節剤としては、一価の
フェノール化合物が用いられる。例えば、p−tert
−ブチルフェノールなどを用いることができる。
【0013】本発明のポリエステル樹脂はガラス転移温
度200℃以上が好ましく、更に好ましくは220℃以
上である。樹脂のガラス転移温度が200℃以下になる
とTFT素子製造工程で反りや変形が発生するおそれが
ある。本発明のポリエステル樹脂の数平均分子量は8千
〜20万であり、1万〜15万であることがより好まし
く、1万5千〜10万であることが最も好ましい。数平
均分子量が8千以下では、重合物が脆くなる傾向にあ
り、20万を越えると粘度が高く成りすぎて成形性が悪
くなる傾向にある。
【0014】本発明の液晶表示素子用樹脂基板はジメチ
ルスルホキシド(DMSO)に対する耐性が必要であ
る。DMSOに対する耐性を付与する方法としては 1、耐薬品性に優れる樹脂をプラスチックシートにコー
トする。 2、架橋可能な官能基を持つポリエステル樹脂を架橋さ
せる。 3、ポリエステル樹脂に架橋可能な多官能モノマーをブ
レンドして架橋させる。 等を挙げることができる。これらのなかでも十分な耐薬
品性を付与させるために多官能モノマーをブレンドさせ
て架橋させる方法が好ましい。
【0015】本発明で用いる不飽和基を2つ以上有する
多官能モノマー(b)としては、不飽和基を2つ以上有
する種々の化合物が適用できる。不飽和基としては、ア
リル基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基などが好
ましい。本発明で用いる不飽和基を2つ以上有する多官
能モノマーの具体例としては、トリアリルイソシアヌレ
ート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレー
トなどの多官能アリル化合物、ジビニルビフェニル、ジ
ビニルベンゼン、トリビニルシクロヘキサンなどの多官
能ビニル化合物、イソシアヌル酸トリアクリレート、イ
ソシアヌル酸トリエトキシトリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パントリエトキシトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリプロポキシトリアクリレート、グリセリルプ
ロポキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルコキシ
レイテッドビスフェノールAジアクリレート、プロポキ
シレイテッドビスフェノールAジアクリレート、アルコ
キシレイテッド水添ビスフェノールAジアクリレート、
プロポキシレイテッド水添ビスフェノールAジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリ
コールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアル
コキシジアクリレート、ジシクロペンタジエニルジアク
リレート、水添ジシクロペンタジエニルジアクリレート
などの多官能アクリレート化合物、前記多官能アクリレ
ート化合物のアクリル基をメタクリル基に換えた多官能
メタクリレート化合物などが挙げられるが、これらに限
定されるものではない。また、これらの中でもジシクロ
ペンタジエニルジアクリレートが特に好ましい。
【0016】本発明で用いるポリエステル樹脂(a)と
不飽和基を2つ以上有する多官能モノマー(b)との割
合は、(a)/(b)の重量%で、99/1〜1/99
であることが好ましく、98/2〜10/90がより好
ましく、95/5〜50/50が特に好ましい。(a)
の割合が1重量%以下では架橋物が脆くなる傾向にあ
り、99重量%を越えると(b)の添加効果が認められ
ず、耐溶剤性が不十分になるおそれがある。本発明の液
晶表示素子用樹脂基板の架橋方法は、不飽和基の反応に
よって重合させることができる方法であればいかなる方
法でも適用できる。中でも、透明性の点から、有機過酸
化物、電子線、紫外線が好ましく、紫外線を用いた架橋
が特に好ましい。
【0017】本発明の液晶表示素子用樹脂基板は、有機
過酸化物、電子線、紫外線等で架橋することにより優れ
た耐溶剤性を有する部材となる。部材の成形方法は、ポ
リエステル樹脂(a)と不飽和基を2つ以上有する多官
能モノマー(b)からなる組成物の粘度に合わせて加工
方法を選択することができる。例えば、樹脂組成物を溶
剤に溶かしたものをキャストし、溶媒を蒸発した後、電
子線又は紫外線照射、もしくは加熱によって架橋して成
形する、また、直接ロール又はベルトにキャストする、
さらには研磨ガラス等よりなる電子線や紫外線が透過可
能な2枚の相対する平板を用い、スペーサー等によりキ
ャビティーを形成させ、周辺部をシールしてなる注入型
に注入して、電子線又は紫外線照射、もしくは加熱によ
って架橋して成形することができる。また、樹脂組成物
を押出成形した後、電子線又は紫外線、もしくは加熱に
より架橋して成形してもよい。
【0018】(有機過酸化物架橋)有機過酸化物による
架橋は、不飽和ポリエステル等で適用されている通常の
有機過酸化物による架橋方法をそのまま適用できる。本
発明で使用される有機過酸化物としては、ジアルキルパ
ーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオ
キサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステル
など公知のものを用いることができる。具体的には、ジ
クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル
−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキシン−3、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルモノカーボネートなどが挙げられる。有機過酸化
物の配合量は、(a)+(b)の100重量部に対し
て、0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部
がさらに好ましい。有機過酸化物の配合量が0.1重量
部より少ないと、充分な架橋が得られず耐溶剤性に劣る
傾向にあり、10重量部より多いと架橋品の外観が悪化
する傾向にある。
【0019】(電子線による架橋)本発明の液晶表示素
子用樹脂基板は、電子線などの放射線によっても架橋で
きる。電子線の照射量は、100kGy〜2000kG
yの範囲が好ましく、500kGy〜1500kGyの
範囲がさらに好ましいが、この範囲を外れても得られる
架橋物の性質が目的範囲を外れない限り特に問題はな
い。放射線としては、種々の電子線加速器からの電子線
が好ましいが、放射性同位元素からのα線、β線、γ線
などの放射線も用いることができる。
【0020】(紫外線による架橋)本発明の液晶表示素
子用樹脂基板は、光重合開始剤を添加し、紫外線でも架
橋することができる。光重合開始剤としては、例えばベ
ンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ジ
エトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどが挙げられ
る。これらの光重合開始剤は2種以上を併用してもよ
い。光重合開始剤の添加量は、(a)+(b)の100
重量部に対して、0.02〜5重量部が好ましく、0.
05〜1重量部がさらに好ましい。光重合開始剤の添加
量が0.02重量部より少ないと十分に架橋できない傾
向にあり、5重量部を越えると色相が悪化する傾向にあ
る。紫外線の照射量は、光重合開始剤がラジカルを発生
する範囲であれば任意であるが、光重合開始剤の種類や
量に合わせて0.1〜200Jの範囲で照射するのが好
ましい。
【0021】本発明では、架橋をすみやかに完了させる
目的で、電子線や紫外線の照射と熱重合を併用してもよ
い。すなわち、電子線や紫外線照射と同時にもしくは照
射後に組成物を30〜300℃に加熱する。この場合、
有機過酸化物を添加してもよい。また、本発明において
電子線もしくは紫外線照射による架橋を行った後、架橋
物を加熱することにより重合反応の完結及び重合時に発
生する内部歪みを低減することも可能である。加熱温度
は、架橋物の組成やガラス転移温度に合わせて適宜選択
するのが好ましい。本発明の液晶表示素子用樹脂基板に
は、熱安定性、耐候性、耐久性、耐水性、防蝕性等を改
良するために、前述の成分以外に、紫外線吸収剤、光安
定剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、離型剤、イ
オン捕捉剤等の添加剤を加えて一層の性能改善を図るこ
ともできる。
【0022】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例によってさ
らに具体的に説明するが、本発明は、これらの例によっ
てなんら制限されるものではない。 合成例 [芳香族ポリエステル樹脂の合成]1Lの4ツ口フラス
コ(撹拌装置、環流管、ガス導入管、滴下ロート付き)
中で、1Mの水酸化ナトリウム水溶液163.2ml
に、ビスフェノールフルオレン28.0g、ベンジルテ
トラエチルアンモニウムクロライド0.48gを溶解さ
せ、これにテレフタル酸ジクロライドとイソフタル酸ジ
クロライドの1/1混合物15.48gを塩化メチレン
160mlに溶解した溶液を加え、室温で2時間激しく
撹拌した。反応終了後、有機相を分離し、水で洗浄した
のち、アセトン中に投入した。析出物を濾過し、アセト
ンで洗浄し、乾燥させた。その結果、数平均分子量4
2,000、ガラス転移温度Tg=320℃の芳香族ポ
リエステル樹脂を得た。
【0023】実施例1 合成したポリエステル樹脂5gと、シクロペンタジエニ
ルジアクリレート(DCPDA)5gをクロロホルム1
0gに溶解し、その中に光重合開始剤として1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン[チバガイギー社製
「イルガキュア184」]0.05gを溶解させた後、
この溶液を離型処理したガラス板上にキャストし、10
00mJ/cm2の紫外線を照射して架橋させた後、さ
らに窒素オーブン中で250℃*1時間減圧加熱して厚
さ0.2mmのシートを得た。
【0024】実施例2 合成したポリエステル樹脂8g、ジシクロペンタジエニ
ルジアクリレート(DCPDA)2gに変えた以外は実
施例1と同様にしてシートを得た。 実施例3 合成したポリエステル樹脂8g、ジビニルビフェニル
(DVBP)2gをクロロホルム20gに溶解した溶液
を離型処理したガラス板上にキャストし、1000kG
yの電子線を照射して架橋させた後、さらに減圧下のオ
ーブン中で250℃*1時間減圧加熱して厚さ0.2m
mのシートを得た。 実施例4 合成したポリエステル樹脂8g、ジビニルビフェニル
(DVBP)2gをクロロホルム20gに溶解し、その
中に有機過酸化物としてビス(t−ブチルパーオキシ)
ジイソプロピルベンゼン[日本油脂(株)製「パーブチ
ルP」]0.2gを溶解させた後、この溶液を離型処理
したガラス板上にキャストし、窒素雰囲気下のオーブン
中で150℃*1時間+175℃*1時間+200℃*
1時間加熱して架橋させた後、さらに減圧下のオーブン
中で250℃*1時間減圧加熱して厚さ0.2mmのシ
ートを得た。
【0025】比較例1 ユニチカ(株)製ポリアリレート10gをクロロホルム
10gに溶解させた溶液を離型処理したガラス板上にキ
ャストし、窒素雰囲気下のオーブン中で100℃*1時
間加熱乾燥させた後、さらに減圧下のオーブン中で18
0℃*1時間減圧加熱して厚さ0.2mmのシートを得
た。 比較例2 ユニチカ(株)製ポリアリレート5gと、ジシクロペン
タジエニルジアクリレート(DCPDA)5gをクロロ
ホルム10gに溶解し、その中に光重合開始剤として1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[チバガイ
ギー社製「イルガキュア184」]0.05gを溶解さ
せた後、この溶液を離型処理したガラス板上にキャスト
し、1000mJ/cm2の紫外線を照射して架橋させ
た後、さらに窒素オーブン中で180℃*1時間減圧加
熱して厚さ0.2mmのシートを得た。
【0026】以上のようにして作成したシートについ
て、下記の方法により、色、光線透過率、耐溶剤性(D
MSO)、耐配向剤性、耐液晶性、耐熱性(Tg)、反
り、撓み等の変形を評価した。 <評価方法> 色: 目視によって外観を観察した。 光線透過率: 日立製作所製U3200型分光光度計
で550nmの光線透過率を測定した。 耐DMSO: 40℃のジメチルスルホキシド(DM
SO)に試料を浸漬して60分間放置した後、試料を取
り出し、目視にて外観を観察した。 耐配向剤性: スピンコーター上に試料を設置。その
表面にCRD−8201(住友ベークライト製)を滴下
した後、2500rpmでスピンコートを実施。180
℃60分乾燥処理後、目視にて外観を観察した。 耐液晶性: シートの表面にメルク社製ZIL−47
92を1滴たらし、120℃のオーブン中で1時間放置
した後、試料を取り出し、目視にて外観を観察した。 耐熱性(Tg): セイコー電子(株)製DMS−2
10型年男性測定装置で1Hzでのtanδの最大値を
ガラス転移点(Tg)とした。 反り、撓み等の変形:基板上に、アルミニウムをスパ
ッタリングにより3000Åの厚さで形成させ、フォト
リソグラフ法により、幅3μm、長さ30mmの模擬配
線パターンを形成させ、パターン両端5mmの部分に金
2000Åをのスパッタリングして5mm□の抵抗値測
定用電極を形成させた。つづいて、10mm□の開口部
を有するメタルマスクを配線パターンの中央部に配設
し、SiN(2000Å)/アモルファスSi(500
Å)/SiN(2000Å)の各層を連続CVDにより
形成させた。さらに、180℃のオーブンに1時間入
れ、常温に戻した後、目視にて外観を観察した。
【0027】評価結果を表−1〜2に示す。この結果か
ら明らかなように、実施例1〜4はいずれも従来のユニ
チカ(株)製ポリアリレートの欠点であった耐熱性、耐
溶剤性及び耐配向剤性が改善され、かつTgが200℃
以上の耐熱性、光線透過率が90%以上の透明性及び耐
液晶性を有するTFT液晶表示素子用樹脂基板に適した
シートを得ることができる。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子用樹脂基板は、ガ
ラス転移温度200℃以上の耐熱性、透明性、耐溶剤
性、耐配向剤性、耐液晶性に優れ、ガラス基板に代えて
TFT液晶表示用樹脂基板に好適に用いることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H090 JB03 JD08 JD13 JD17 4F071 AA33 AA48 AE02 AH12 AH17 BA02 BB02 BB12 BC01 4J026 AB09 AC33 AC34 BA01 BA27 BA28 DA02 DB06 DB15 DB36 FA09 GA08 4J029 AA04 AB07 AC01 AD01 AD07 AE04 BA01 BB12B BC04B CB06A HA01 HB05 KE03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともガラス転移温度が200℃以
    上、かつ分子量が8000〜200000の下記一般式
    (1)で示されるポリエステル樹脂を含むプラスチック
    シートを用いることを特徴とする液晶表示素子用樹脂基
    板。 【化1】 (R1、R2、R3、R4は水素又は炭素数1から7ま
    でのアルキル基、アラルキル基、アルコキシ基を表し、
    それぞれ同じでも異なっても良い。)
  2. 【請求項2】 プラスチックシートがジメチルスルホキ
    シド(DMSO)中40℃で1時間加熱しても浸食され
    ない請求項1記載の液晶表示素子用樹脂基板。
  3. 【請求項3】 プラスチックシートが(a)前記一般式
    (1)で示されるポリエステル樹脂99〜1重量部、
    (b)不飽和基を2つ以上有する多官能モノマー1〜9
    9重量部からなることを特徴とする請求項2記載の液晶
    表示素子用樹脂基板。
  4. 【請求項4】 不飽和基を2つ以上有する多官能モノマ
    ー(b)の不飽和基がアリル基、ビニル基、アクリル
    基、メタクリル基から選ばれた一種以上であることを特
    徴とする請求項3記載の液晶表示素子用樹脂基板。
  5. 【請求項5】 不飽和基を2つ以上有する化合物(b)
    がジシクロペンタジエニルジアクリレートであることを
    特徴とする請求項3または4記載の液晶表示素子用樹脂
    基板。
  6. 【請求項6】 有機過酸化物、電子線、紫外線から選ば
    れた一種以上の架橋方法で架橋処理された請求項2〜5
    のいずれか1項に記載の液晶表示素子用樹脂基板。
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