JP4602775B2 - 高耐熱非晶性ポリエステル - Google Patents
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Description
上述のように、簡便な方法で製造できる、十分な耐熱性を有する非晶性ポリエステルは未だ知られていない。
[1] 1)非晶性であり、かつ2)ガラス転移温度が100℃以上180℃未満であるポリエステルであって、当該ポリエステルは、3)主たるモノマーとして、下記式(1)で示されるジカルボン酸Aと、下記式(2)で示される脂肪族ジヒドロキシ化合物Bと、下記式(3)で示される脂肪族ジヒドロキシ化合物Cとを共重合せしめ、4)該ポリエステル中における脂肪族ジヒドロキシ化合物Bの残基と脂肪族ジヒドロキシ化合物Cの残基のモル組成比が0<{B/(B+C)}×100≦100であることを特徴とするポリエステル。
0.95<R(450)/R(550)<1.15 (4)
上記基は1種類でも2種類以上組み合わされていてもよい。
上記基は1種類でも2種類以上組み合わされていてもよい。
上記基は1種類でも2種類以上組み合わされていてもよい。
上記フィルムの厚さとしては、10μm〜200μmの範囲が好ましい。
<評価法>
(1)還元粘度ηsp/Cの測定
ηsp/Cの測定は、テトラクロロエタン/フェノール=40/60重量比の混合溶液10ml中に試料120mgを溶解させた溶液を調整し、35℃にて測定した。
(2)DSC測定
DSCはTAインスツルメンツ社製DSC2920型示差走査熱量計を用いて測定した。試料片はよく乾燥させたフィルムから切り出し、5.0mgを専用アルミパンに入れて測定に使用した。昇温速度は10℃/分である。
(3)ポリエステル組成測定(プロトンNMR)
ポリエステル組成測定は、重クロロホルム中、日本電子製核磁気共鳴装置JNM−EX270スペクトルメーターを使用し、7〜8.5ppmに観測される芳香族基由来のピーク面積比を用いて算出した。
(4)面内位相差値の測定
面内位相差値Rは日本分光(株)製分光エリプソメータM150を用い、入射光線とフィルム表面が直交する状態で測定した。
(5)色相評価
ポリエステルフィルムの色相評価は島津製作所製UV−2400PCを用い、カラー測定モードで求められたL、a、b値で評価した。
(6)ポリエステルフィルムの一軸延伸
ポリエステルフィルムの延伸は、カトーテック社製延伸機を用い、各ポリエステルフィルムのTg−5℃にて、33.3%/分の延伸速度で100%、即ち二倍延伸した。
留出物トラップ、空冷冷却管を具えた100ml三口フラスコを用意し、予め内部を窒素置換した。テレフタル酸ジメチル9.709g(0.05モル)、9,9’−ジヒドロキシメチルフルオレン4.526g(0.02モル)エチレングリコール6.207g(0.1モル)、酢酸カルシウム・一水和物15.8mg(0.1ミリモル)、及び三酸化アンチモン7.2mg(0.025ミリモル)を、窒素気流下でフラスコに仕込んだ。フラスコを180℃に加熱、内容物を溶解せしめ、15分毎に10℃の速度で昇温しながら200℃に到達させエステル交換を行った。メタノールの理論留出量である4mlの留出が終わったことを確認し、着色防止剤としてリン酸トリメチルを14mg(1×10−4モル)加え、フラスコ内を90分かけて0.5mmHgに減圧した。続いてフラスコ内を30分に渡って270℃にまで昇温し、高重合度化を行った。270℃に到達後、2時間保持した時点で重合を終了し、フラスコ内のポリエステル溶融物を取り出した。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
9,9’−ジヒドロキシメチルフルオレンを6.788g(0.03モル)に変えた以外は実施例1と全く同様の方法でポリエステル重合を実施した。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
9,9’−ジヒドロキシメチルフルオレンを9.051g(0.04モル)に変えた以外は実施例1と全く同様の方法でポリエステル重合を実施した。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
9,9’−ジヒドロキシメチルフルオレンを11.314g(0.05モル)に変えた以外は実施例1と全く同様の方法でポリエステル重合を実施した。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
テレフタル酸ジメチルをテレフタル酸ジフェニル15.916g(0.05モル)、9,9’−ジヒドロキシメチルフルオレンを9.051g(0.04モル)に変えた以外は実施例1と全く同様の方法でポリエステル重合を実施した。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
テレフタル酸ジメチルをテレフタル酸ジフェニル15.916g(0.05モル)、9,9’−ジヒドロキシメチルフルオレンを11.314g(0.05モル)に変えた以外は実施例1と全く同様の方法でポリエステル重合を実施した。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
9,9’−ジヒドロキシメチルフルオレンを2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオール8.311g(0.05モル)に変えた以外は実施例1と全く同様の方法でポリエステル重合を実施した。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
テレフタル酸ジメチルを2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル12.212g(0.05モル)、に変えた以外は実施例1と全く同様の方法でポリエステル重合を実施した。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
実施例1〜6、8、および比較例2にて得たポリエステルを夫々クロロホルムに溶解し、20重量%のフィルム原液とした。この原液をガラス板上に塗布し、この上を、クリアランスが40μmのドクターナイフで掃引して製膜した。これを一昼夜室温で乾燥させた後に剥離し、目視では着色が無い透明フィルムを得ることができた。更にこのフィルムを20cm四方の金属製枠に挟み込み、熱風循環型乾燥機を用いて50℃で乾燥させた。このようにして得られたフィルム原反を一軸二倍延伸に供した。
得られたフィルムのL、a、b値、450、及び550nmにおける面内位相差比R(450)/R(550)を表2に示す。
9,9’−ジヒドロキシメチルフルオレンの替わりにR2、R3の何れにも芳香族基を持たない1,4−シクロヘキサンジメタノールを用いた以外は実施例1と同様の方法でポリエステルの重合を行った。色相良好なポリエステルが得られたものの、Tgが低く、本発明請求の範囲を達成するには至らなかった。得られたポリエステルの還元粘度、Tg、及びプロトンNMRによる組成解析結果を表1に記載した。
Claims (9)
- 1)非晶性であり、かつ2)ガラス転移温度が100℃以上180℃未満であるポリエステルであって、当該ポリエステルは、3)主たるモノマーとして、下記式(1)で示されるジカルボン酸Aと、下記式(2)で示される脂肪族ジヒドロキシ化合物Bと、下記式(3)で示される脂肪族ジヒドロキシ化合物Cとを共重合せしめ、4)該ポリエステル中における脂肪族ジヒドロキシ化合物Bの残基と脂肪族ジヒドロキシ化合物Cの残基のモル組成比が0<{B/(B+C)}×100≦100であることを特徴とするポリエステル。
- 該ポリエステルにおける脂肪族ジヒドロキシ化合物BとCのモル組成比{B/(B+C)}×100が20より大きく80以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル。
- 上記式(1)におけるR1がフェニレン基であり、上記式(2)におけるR2及びR3は環を形成したフルオレン−9,9−ジイル基であり、上記式(3)におけるR4がエチレン基であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のポリエステル。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルを10%以上100%未満含むことを特徴とする樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルを製膜して得られるフィルム。
- 請求項5記載の樹脂組成物を製膜して得られるフィルム。
- 延伸されたものである、請求項6または7に記載のフィルム。
- 位相差を有し、かつ波長450nmにおける面内位相差R(450)と、550nmにおける面内位相差R(550)との比(R(450)/R(550))が下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項8記載のフィルム。
0.95<R(450)/R(550)<1.15 (4)
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JPH0921908A (ja) * | 1995-07-05 | 1997-01-21 | Goyo Paper Working Co Ltd | レンズシート |
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