JP5387725B2 - 位相差フィルム - Google Patents
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Description
本発明はまた、このポリカーボネート樹脂から得られる位相差フィルムを用いた液晶パネルと画像表示装置に関する。
従来、液晶ディスプレイは、プラズマディスプレイと比較して大型化が難しく、40インチより小さいサイズまでが限度で、それより大型のものはプラズマディスプレイが優位と言われていたが、近年、40インチサイズを超えるような大型化が進んでいる。
また、(3)〜(5)においては一枚のフィルムで広帯域において位相差が負の波長分散特性を有するものの、(3)の特定のアセチル化度を有するセルロースアセテートは耐熱性が充分ではない。(4)及び(5)のフルオレン環を側鎖にもつビスフェノール構造を含むポリカーボネート共重合体を用いた場合、光弾性係数が高いため、大型TVでは貼付時の残留応力や吸湿による寸法変化により画像むらを発生させるという問題点があった。
(i) 正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、「第1のモノマー単位」という。)と負の屈折率異方性を有する高分子モノマー単位(以下、「第2のモノマー単位」という。)とを含む高分子から構成され、該高分子が酸素含有環状ジオール単位を有し、
(ii) 該第1のモノマー単位に基づく高分子のRe450/Re550は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のRe450/Re550よりも小さく、(ただし、「Re450」は「波長450nmでの当該高分子の位相差」を示し、「Re550」は「波長550での当該高分子の位相差」を示す。)
(iii) 正の屈折率異方性を有し、
(iv) 光弾性係数の絶対値が20×10−12Pa−1以下である高分子から構成される。
[11] [10]に記載の液晶パネルを備えることを特徴とする画像表示装置。
本発明のポリカーボネート樹脂は、下記一般式(I)で表される芳香族ジオール化合物を含むジオール成分、好ましくは、下記一般式(I)で表される芳香族ジオール化合物と、脂環式ジオール化合物及び/又はヘテロ原子を含む環状ジオール化合物とを含むジオール成分から誘導されたものである。
以下、溶融重合法による本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法について説明するが、本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法は、何ら以下に記載する方法に限定されるものではない。
溶融重合法で用いられる炭酸ジエステルとしては、通常、下記一般式(III)で表されるものが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂に使用する芳香族ジオール化合物は、下記一般式(I)で表される化合物である。
本発明のポリカーボネート樹脂の合成には、ジオール成分として上記芳香族ジオール化合物のみを用いても良いが、この芳香族ジオール化合物と脂環式ジオール化合物及び/又はヘテロ原子を含む環状ジオール化合物(以下、これらを「環状ジオール化合物」と称す場合がある。)とを併用することが好ましい。
特に、脂状ジオール化合物としては、下記構造式(II)、或いは下記一般式(IV)又は(V)で表される化合物が好ましい。
ジオール成分として前記一般式(I)で表される芳香族ジオール化合物と環状ジオール化合物(脂環式ジオール化合物及び/又はヘテロ原子を含む環状ジオール化合物)とを併用する場合、全ジオール成分中の芳香族ジオール化合物の割合を2〜30モル%とし、環状ジオール化合物の割合を30〜98モル%とすることが好ましい。
また、環状ジオール化合物中、前記構造式(II)で表される化合物は50モル%以上、特に50〜85モル%であることが好ましい。
特に好ましくは、全ジオール成分中に芳香族ジオール化合物を5〜25モル%、とりわけ10〜20モル%、前記構造式(II)で表される環状ジオール化合物を60〜80モル%、とりわけ65〜75モル%用いることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂の製造に当たり、前記一般式(I)で表される芳香族ジオール化合物は、固体として供給しても良いし、加熱して溶融状態として供給しても良いし、水溶液として供給しても良い。
一方、環状ジオール化合物も、固体として供給しても良いし、加熱して溶融状態として供給しても良いし、水に可溶なものであれば、水溶液として供給しても良い。
これらの原料ジオール化合物を溶融状態や、水溶液で供給すると、工業的に製造する際、計量や搬送がしやすいという利点がある。
溶融重合における重合触媒(エステル交換触媒)としては、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物が使用される。アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物と共に補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用することも可能であるが、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物のみを使用することが特に好ましい。
上記重合触媒の使用量は、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物を用いる場合、全ジオール成分1モルに対して、金属換算量として、通常、0.1〜100μモルの範囲内で用い、好ましくは0.5〜50μモルの範囲内であり、さらに好ましくは1〜25μモルの範囲内である。重合触媒の使用量が少なすぎると、所望の分子量のポリカーボネート樹脂を製造するのに必要な重合活性が得られず、一方、重合触媒の使用量が多すぎると、得られるポリカーボネート樹脂の色相が悪化し、副生成物が発生したりして流動性の低下やゲルの発生が多くなり、目標とする品質のポリカーボネート樹脂の製造が困難になる。
本発明のポリカーボネート樹脂を溶融重合法で製造する際に、着色を防止する目的で、リン酸化合物や亜リン酸化合物を重合時に添加することができる。
本発明において、ジオール成分、即ち、前記一般式(I)で表される芳香族ジオール化合物及び場合によっては用いられる式(II)、(IV)及び(V)等で表される環状ジオール化合物を重合触媒の存在下で炭酸ジエステルと反応させる方法は、通常、2段階以上の多段工程で実施される。具体的には、第1段目の反応は140〜220℃、好ましくは150〜200℃の温度で0.1〜10時間、好ましくは0.5〜3時間実施される。第2段目以降は、反応系の圧力を第1段目の圧力から徐々に下げながら反応温度を上げていき、同時に発生するフェノールを反応系外へ除きながら、最終的には反応系の圧力が200Pa以下で、210〜280℃の温度範囲のもとで重縮合反応を行う。
本発明のポリカーボネート樹脂には、成形時等における分子量の低下や色相の悪化を防止するために熱安定剤、酸化防止剤を、溶融成形時の離型性をより向上させるために離型剤を、耐候性を向上させるために光安定剤や紫外線吸収剤を、樹脂や紫外線吸収剤に基づく製品の黄色味を打ち消すためにブルーイング剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。
これらの熱安定剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
かかる熱安定剤は、溶融重合時に添加した添加量に加えて更に追加で配合することができる。即ち、適当量の亜リン酸化合物やリン酸化合物を配合して、ポリカーボネート共重合体を得た後に、後に記載する配合方法で、さらに亜リン酸化合物を配合すると、重合時のヘイズの上昇、着色、及び耐熱性の低下を回避して、さらに多くの熱安定剤を配合でき、色相の悪化の防止が可能となる。
これらの熱安定剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.0001〜1重量部が好ましく、0.0005〜0.5重量部がより好ましく、0.001〜0.2重量部が更に好ましい。
これら酸化防止剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.0001〜0.5重量部が好ましい。
高級脂肪酸エステルとしては、炭素原子数1〜20の一価又は多価アルコールと炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルが好ましい。かかる一価又は多価アルコールと飽和脂肪酸との部分エステル又は全エステルとしては、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸モノグリセリド、ベヘニン酸ベヘニル、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネ−ト、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等が挙げられる。
なかでも、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ベヘニン酸ベヘニルが好ましく用いられる。
高級脂肪酸としては、炭素原子数10〜30の飽和脂肪酸が好ましい。かかる脂肪酸としては、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。
これらの離型剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
かかる離型剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.01〜5重量部が好ましい。
光安定剤や紫外線吸収剤としては、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−クミル−6−ベンゾトリアゾールフェニル)、2,2’−p−フェニレンビス(1,3−ベンゾオキサジン−4−オン)等が挙げられる。
これらの光安定剤や紫外線吸収剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
かかる光安定剤や紫外線吸収剤の配合量は、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.01〜2重量部が好ましい。
具体的なブルーイング剤としては、例えば一般名Solvent Violet13[CA.No(カラーインデックスNo)60725]、一般名Solvent Viol et31[CA.No 68210、一般名Solvent Violet33[CA.No 60725;、一般名Solvent Blue94[CA.No 61500]、一般名Solvent Violet36[CA.No 68210]、一般名Solvent Blue97[バイエル社製「マクロレックスバイオレットRR」]及び一般名Solvent Blue45[CA.No61110]が代表例として挙げられる。
これらのブルーイング剤は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらブルーイング剤は、通常、ポリカーボネート樹脂を100重量部とした場合、0.1×10−4〜2×10−4重量部の割合で配合される。
本発明のポリカーボネート樹脂の固有粘度は、通常0.2〜1.0dl/g、好ましくは0.3〜0.8dl/gである。固有粘度が0.2dl/g未満の場合はこれを原料として溶融成形してフィルムを得るときその機械的強度が十分でなく、1.0dl/gより大きい場合は溶融時の流動性が低下して成形性に劣る。
本発明の光学フィルムは上述のようなポリカーボネート樹脂を原料として、フィルムを製膜することにより得ることができる。また、本発明の位相差フィルムは、本発明のポリカーボネート樹脂を原料として、フィルム又はシートを製膜し、製膜後に延伸することにより製造することができる。製膜方法としては、従来公知の溶融押出法、溶液キャスト法等を用いることができる。
(i) 正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、「第1のモノマー単位」という。)と負の屈折率異方性を有する高分子モノマー単位(以下、「第2のモノマー単位」という。)とを含む高分子から構成され、
(ii) 該第1のモノマー単位に基づく高分子のRe450/Re550は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のRe450/Re550よりも小さく、(ただし、「Re450」は「波長450nmでの当該高分子の位相差」を示し、「Re550」は「波長550での当該高分子の位相差」を示す。)
(iii) 正の屈折率異方性を有し、
(iv) 光弾性係数の絶対値が20×10−12Pa−1以下である高分子から構成される。
また、上記条件(ii)を満たさないものは、他の条件(i),(iii),(iv)を満たしても、必ずしも波長450〜630nmにおける位相差が長波長側ほど大きくなるとは限らない。
また、上記条件(iii)を満たさないものは、他の条件(i),(ii),(iv)を満たしても、必ずしも波長450〜630nmにおける位相差が長波長側ほど大きくなるとは限らない。
また、上記条件(iv)を満たさないものは、他の条件(i)〜(iii)を満たしても、大型液晶テレビ用の位相差フィルムとしては、色つきや色むらが発生し、実用上利用できない。
また、本発明の位相差フィルムを1/2波長板として用いる場合は、その位相差値は、200nmから400nmの範囲で選択される。
本発明の位相差フィルムを1/4波長板として用いる場合は、その位相差値は、90nmから200nmまでの範囲で選択される。1/4波長板としてのより好ましい位相差値は、100nmから180nmまでである。
本発明の位相差フィルムを1/4波長板とし、これを偏光板と積層貼合して円偏光板として用いることができる。その場合、一般には、偏光板の偏光軸と位相差フィルムの遅相軸は実質的に45°の相対角度を保ち積層される。
また、本発明の位相差フィルムを、偏光板を構成する偏光保護フィルムとして用いて積層してもかまわない。さらに、本発明の位相差フィルムをSTN液晶表示装置の色補償板とし、これを偏光板と積層貼合することにより楕円偏光板として用いることもできる。
以下において、ポリカーボネート樹脂及び光学フィルムの物性ないし特性の評価は次の方法により行った。
ポリカーボネート樹脂のガラス転移温度は、JIS K7121に従い、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、DSC220)を用いて測定した。ポリエステル樹脂約10mgを同社製アルミパンに入れて密封し、昇温速度20℃/分で室温から300℃まで昇温した。得られたDSCデータより、補外ガラス転移開始温度を採用した。
ポリカーボネート樹脂試料約0.25gを、フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合溶媒を用いて、濃度が約1.00g/dLとなるように溶解させ、濃度C(g/dL)を算出する。この試料溶液を、30℃まで冷却して保持し、全自動溶液粘度計(センテック社製「2CH型DJ504」)にて、試料溶液の落下秒数(t)および溶媒のみの落下秒数(t0)を測定し、下式により算出した。
固有粘度(IV)=((1+4KHηsp)0.5−1)/(2KHC)
ここで、 ηsp=t/t0−1 であり、tは試料溶液の落下秒数、t0は溶媒のみの落下秒数、Cは試料溶液濃度(g/dL)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。
He−Neレーザー、偏光子、補償板、検光子、光検出器からなる複屈折測定装置と振動型粘弾性測定装置(レオロジー社製DVE−3)を組み合わせた装置を用いて測定した。(詳細は、日本レオロジー学会誌Vol.19,p93−97(1991)を参照。)
80℃で5時間真空乾燥をしたポリエステル樹脂サンプル4.0gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.5mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度250℃で、予熱1分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスで、圧力20MPaで3分間加圧冷却しシートを作製した。シートから幅5mm、長さ20mmの試料を切り出し、粘弾性測定装置に固定し、25℃の室温で貯蔵弾性率E’を周波数96Hzにて測定した。同時に、出射されたレーザー光を偏光子、試料、補償板、検光子の順に通し、光検出器(フォトダイオード)で拾い、ロックインアンプを通して角周波数ω又は2ωの波形について、その振幅とひずみに対する位相差を求め、ひずみ光学係数O’を求めた。このとき、偏光子と検光子の方向は直交し、またそれぞれ、試料の伸長方向に対してπ/4の角度をなすように調整した。
光弾性係数Cは、貯蔵弾性率E’とひずみ光学係数O’を用いて次式より求めた。
C=O’/E’
80℃で5時間真空乾燥をしたポリエステル樹脂サンプル2.4gを、幅8cm、長さ8cm、厚さ0.3mmのスペーサーを用いて、熱プレスにて熱プレス温度250℃で、予熱1分、圧力20MPaの条件で1分間加圧後、スペーサーごと取り出し、水管冷却式プレスで圧力20MPaで3分間加圧冷却しシートを作製した。このシートから幅6cm、長さ6cmの試料を切り出した。この試料を、同時二軸延伸装置(T.M.Long社製)に装着し、所定の延伸温度で5分間加熱し、所定の倍率に一軸延伸し、1分間保持した後、試料を取り外した。このとき延伸方向に対して垂直方向は、保持した状態(延伸倍率1.0)で延伸を行った。
延伸された試料より幅4cm、長さ4cmに切り出し、位相差測定装置(王子計測機器社製KOBRA−WPR)を用いて測定波長450,500,550,590,630nmで位相差を測定し、波長分散性を測定した。波長分散性は、450nmと550nmで測定した位相差Re450とRe550の比(Re450/Re550)及び450nmと630nmの位相差Re450とRe630の比(Re450/Re630)を計算した。それぞれ1より大きいと波長分散は正であり、1未満では負となる。それぞれの位相差の比が、1未満で小さい程、負の波長分散性が強いことを示している。
前述の位相差測定装置より得られる測定波長590nmで測定した位相差を試料の厚みtで除したものを用いた。
複屈折率Δn=Re590/t
ジオール成分としては、下記のものを用いた。
ISOB:イソソルバイド
BCF:9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン
イソソルバイド(以下、「ISOB」と略記する)10.81質量部(74×10-3モル)に対して、フルオレン−9,9−ジエタノール(以下「DEF」と略記する。)2.09質量部(8×10-3モル)、ジフェニルカーボネート(以下「DPC」と略記する。)17.98質量部(83.9×10-3モル)、および触媒として、炭酸セシウム0.6×10−4質量部(0.205×10−6モル)を反応容器に投入し、窒素雰囲気下にて、加熱槽温度を150℃に加熱し、必要に応じて攪拌しながら、原料を溶解させた(約15分)。
次いで、圧力を常圧から13.3kPaにし、温度を190℃まで40分間かけて上昇させながら、発生するフェノールを反応容器外へ抜き出した。
反応容器全体を35分間、13.3kPaに保持しながら、その後240℃まで50分間で昇温した。そして10分間で6.7kPaにし、更に20分間かけて0.13kPaまで減圧し、その状態で90分間反応させた。その後、反応を終了し、生成した反応物を水中に押し出して、ポリカーボネート共重合体のペレットを得た。
得られたポリカーボネート共重合体の固有粘度は0.529dl/g、ガラス転移温度は140℃であった。これらの結果を表1に示す。
また、このポリカーボネート共重合体について、前述の光弾性係数、位相差、位相差の波長分散性及び複屈折の測定方法に従って測定した結果を表1に示す。
ISOB 9.06質量部(62×10-3モル)に対して、DEF 3.94質量部(16×10-3モル)、DPC 16.85質量部(79×10-3モル)、および触媒として、炭酸セシウム2.0×10−4質量部(0.62×10−6モル)で仕込み、実施例1と同様に原料を溶解させた。
次いで温度を180℃まで30分間で昇温し、さらに圧力を常圧から20kPa、温度200℃へ20分間かけて到達させた。
その後、温度は200℃で20分間保持し、225℃まで20分間かけて昇温し、225℃で30分間保持、240℃まで15分間かけて昇温した。その後重合終了まで240℃を保持した。一方、圧力は20kPaで50分間保持、さらに133Paまで60分間かけて減圧し、その後重合終了まで133Paを保持した。
得られたポリカーボネート共重合体の固有粘度、ガラス転移温度等の測定結果を表1に示す。
ビスフェノールA(以下「BisA」と略記する) 39.64質量部(0.174モル)に対して、9,9−ビス(4−ヒドロキシメチルフェニル)フルオレン(以下「BCF」と略記する) 80.33質量部(0.212モル)、DPC 90.93質量部(0.424モル)、および触媒として、水酸化ナトリウム1.2×10−4質量部(3.08×10−6モル)で仕込んだ以外は、実施例1と原料を溶解させた。
次いで、温度を190℃まで40分間で昇温し、さらに、190℃で15分間保持し、220℃まで30分間かけて昇温し、その後重合終了まで220℃を保持した。一方、圧力は13.3kPaで30分間かけて減圧し、その後13.3kPaで35分間保持した後6.65kPaまで10分間、133Paまで20分間かけて減圧した。その後重合終了まで133Paを保持した。
得られたポリカーボネート共重合体の固有粘度、ガラス転移温度等の測定結果を表1に示す。
BisA 83.5質量部(0.366モル)に対して、BCF 34.61質量部(0.091モル)、DPC 141.01質量部(0.658モル)、および触媒として、炭酸セシウム1.5×10−4質量部(3.66×10−6モル)で仕込んだ以外は、比較例1と同様に行った。測定した結果を表1に示す。
得られたポリカーボネート共重合体の固有粘度、ガラス転移温度等の測定結果を表1に示す。
ISOB 84.91質量部(0.581モル)に対して、BCF 24.44質量部(0.065モル)、DPC 141.06質量部(0.658モル)、および触媒として、炭酸セシウム5.1×10−4質量部(1.61×10−6モル)で仕込んだ以外は、比較例1と同様に行った。
得られたポリカーボネート共重合体の固有粘度、ガラス転移温度等の測定結果を表1に示す。
ISOB 84.91質量部(0.581モル)に対して、BCF 24.44質量部(0.065モル)、DPC 141.06質量部(0.658モル)、および触媒として、炭酸セシウム5.1×10−4質量部(1.61×10−6モル)で仕込んだ以外は、比較例1と同様に行った。
得られたポリカーボネート共重合体の固有粘度、ガラス転移温度等の測定結果を表1に示す。
Claims (11)
- 1枚の高分子配向フィルムからなる位相差フィルムであって、前記高分子配向フィルムが、下記条件(i)〜(iii)を満たし、波長450nmから630nmにおける位相差が長波長側ほど大きいこと特徴とする位相差フィルム。
(i) 正の屈折率異方性を有する高分子のモノマー単位(以下、「第1のモノマー単位」という。)と負の屈折率異方性を有する高分子モノマー単位(以下、「第2のモノマー単位」という。)とを含む高分子から構成され、該高分子が酸素含有環状ジオール単位を有し、
(ii) 該第1のモノマー単位に基づく高分子のRe450/Re550は、該第2のモノマー単位に基づく高分子のRe450/Re550よりも小さく、(ただし、「Re450」は「波長450nmでの当該高分子の位相差」を示し、「Re550」は「波長550での当該高分子の位相差」を示す。)
(iii) 正の屈折率異方性を有し、
(iv) 光弾性係数の絶対値が20×10−12Pa−1以下である高分子から構成される。 - 請求項1において、高分子がポリエステル樹脂又はポリカーボネート樹脂であることを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項2において、高分子がガラス転移温度110℃以上であるポリエステル樹脂又はポリカーボネート樹脂であることを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項4において、一般式(I)におけるXが直接結合であることを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項4又は5において、ジオール成分が、前記芳香族ジオール化合物と脂環式ジオール化合物及び/又はヘテロ原子を含む環状ジオール化合物とを含むことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項6又は7において、ジオール成分が、前記芳香族ジオール化合物を全ジオール成分に対し、2〜30モル%含み、脂環式ジオール化合物及び/又はヘテロ原子を含む環状ジオール化合物を全ジオール成分に対し、30〜98モル%含むことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項7又は8において、脂環式ジオール化合物及び/又はヘテロ原子を含む環状ジオール化合物が前記構造式(II)で表される化合物を50モル%以上含むことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の位相差フィルムを用いたことを特徴とする液晶パネル。
- 請求項10に記載の液晶パネルを備えることを特徴とする画像表示装置。
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