JP2000319366A - ポリエステル重合体及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル重合体及びその製造方法

Info

Publication number
JP2000319366A
JP2000319366A JP11130968A JP13096899A JP2000319366A JP 2000319366 A JP2000319366 A JP 2000319366A JP 11130968 A JP11130968 A JP 11130968A JP 13096899 A JP13096899 A JP 13096899A JP 2000319366 A JP2000319366 A JP 2000319366A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyester polymer
chda
mol
cyclohexanedicarboxylic acid
dihydroxy compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11130968A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuaki Yamada
光昭 山田
Yasuhiro Suda
康裕 須田
Hideto Yamada
秀人 山田
Kunihiro Iwaizumi
国弘 岩泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd, Osaka Gas Co Ltd filed Critical Seiko Kagaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP11130968A priority Critical patent/JP2000319366A/ja
Publication of JP2000319366A publication Critical patent/JP2000319366A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、透明性、屈折率が高く、複屈折率及
び吸水性が低い、光学機器用材料として好適なポリエス
テル重合体を提供する。 【解決手段】 1,4−trans−シクロヘキサンジ
カルボン酸80〜100重量%と1,4−cis−シク
ロヘキサンジカルボン酸0〜20重量%とからなる1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸と、フルオレン骨格を
有する特定のジヒドロキシ化合物(例えば、9,9−ビ
ス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオ
レン)とをエステル化反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフルオレン骨格を有
するポリエステル重合体及びその製造方法に関し、詳し
くは、耐熱性、透明性及び屈折率が高く、かつ複屈折率
及び吸水性が低いため、光学機器用材料として好適なポ
リエステル重合体及びその製造方法に関する。本発明の
ポリエステル重合体は、CDピックアップレンズ、フレ
ネルレンズなどの光学レンズ、プロジェクションテレビ
用スクリーン、位相差フィルムなどのフィルム、プラス
チック光ファイバー、光ディスク基板などの材料として
有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、光学レンズや光ディスク基板など
の光学機器用材料としては、ガラス又はプラスチックが
用いられてきた。しかし、ガラスは光学特性、耐薬品
性、耐候性などに優れているが、加工性、量産性が悪
く、重くて割れやすいという欠点がある。そこで、最近
ガラスに代わる光学機器用材料として、軽量で強靭なプ
ラスチックが注目を浴びており、代表的なプラスチック
材料としては、ポリメチルメタクリレート(以下「PM
MA」と略する)やポリカーボネート(以下「PC」と
略する)、非晶性ポリオレフィンなどが挙げられる。
【0003】PMMAは透明性、耐候性に優れ、複屈折
率が極めて低いうえに成形性も良好であることから、C
Dピックアップレンズ、フレネルレンズなどの光学レン
ズ、プロジェクションテレビ用スクリーン、位相差フィ
ルムなどのフィルム、プラスチック光ファイバー、光デ
ィスク基板などに使用されている。しかし、吸水性が高
く、耐熱性が乏しいという欠点を有する。特に吸水性が
高いために、レンズに使用した場合には、環境変化によ
って面精度が崩れ、屈折率が変化してレンズの収差が増
大し、光ディスク基板に使用した場合には、吸水により
膨張、変形や反りを生じるという欠点がある。
【0004】PCは耐熱性、透明性に優れ、吸水性は極
めて低く、寸法安定性にも優れるが、成形体の複屈折率
が高いという欠点を有する。複屈折率が高いと、光ディ
スク基板などに使用した場合、反射光の偏光方向がず
れ、検出部に達する光が少なくなり、ノイズが増加する
原因となる。
【0005】さらに、吸水性と複屈折率を改良した光学
機器用材料として、非晶性ポリオレフィン系の新規ポリ
マーが開発されており、例として、エチレンと環状オレ
フィンとの共重合体や多環ノルボルネン系メタクリレー
ト共重合体などが挙げられる。しかし、これらは吸水性
と複屈折率が極めて低く、優れた光学特性を有している
ものの、屈折率が1.60を超えるものではない。ま
た、これらは極めて高価であるため、経済的な面でも問
題がある。
【0006】近年、これらの欠点を解決するための光学
機器用材料として、ポリエステル樹脂が提案されてお
り、例えば、芳香族ジカルボン酸とフルオレン骨格を有
するジヒドロキシ化合物とを反応させて得られる、透明
性、耐熱性に優れ、光学異方性の小さい芳香族ポリエス
テル重合体(特開平3−168211号公報)、芳香族
ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸とフルオレン骨格
を有するジヒドロキシ化合物とを反応させて得られる耐
熱性に優れたポリエステル成形材料(特公平4−229
31号公報)、芳香族ジカルボン酸又はそのジエステル
誘導体と9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)フルオレンを代表例とする特殊ジヒドロキシ化合物
とエチレングリコールを代表例とする脂肪族ジオールと
を共重合した耐熱性、光学特性に優れ、成形性の良い光
学材料用ポリエステル重合体(特開平6−49186号
公報)、ジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性誘
導体と少なくとも2種類以上の特定のジヒドロキシ化合
物とグリコールからなる光学特性、耐熱性に優れ、一般
的な有機溶媒への溶解性が良好であり、優れた機械特性
及び成形性を有するポリエステル重合体(特開平8−1
00053号公報)、脂環骨格を含有し、分子量分布が
狭く、耐熱性、透明性、耐湿性の優れたポリエステル樹
脂及びその製造方法(特開平8−127642号公
報)、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とジ
ヒドロキシ化合物からなるポリエステル重合体であっ
て、ジカルボン酸が脂環族ジカルボン酸を含み、ジヒド
ロキシ化合物が9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]フルオレンに代表されるフルオレン
類を含むポリエステル重合体及びその成形体(特開平9
−302077号公報)などがある。
【0007】前記各公報に開示されている各種ポリエス
テル樹脂は、耐熱性、透明性、光学異方性、耐湿性及び
成形性などにおいて、それぞれに優れた性質を有しては
いるものの、光学機器用材料として要求される特性をす
べて満たすものは未だ見い出されていないのが現状であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前記従
来技術の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の
単量体を用いたポリエステル重合体がこれらの問題点を
解決し得ることを見い出し、本発明を完成したものであ
って、その目的とするところは、より耐熱性に優れてい
ると共に、高い屈折率を有し、複屈折率及び吸水性が低
いポリエステル重合体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
の構成を有するポリエステル重合体及びその製造方法に
関するものである。
【0010】請求項1の発明は、1,4−シクロヘキサ
ンジカルボン酸と一般式(1)で表わされるジヒドロキ
シ化合物とを反応させて得られるポリエステル重合体で
あって、前記1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が、
1,4−trans−シクロヘキサンジカルボン酸 8
0〜100 モル%と、1,4−cis−シクロヘキサ
ンジカルボン酸 0〜20 モル%とから構成されるこ
とを特徴とするポリエステル重合体という構成のもので
ある。
【0011】なお、trans型及びcis型の1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸の構造は下記式(2)及
び式(3)で表わされる。
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】請求項2の発明は、請求項1において、一
般式(1)で表わされるジヒドロキシ化合物が、9,9
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フ
ルオレンであるポリエステル重合体という構成である。
【0015】なお、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル]フルオレンの構造は下記式
(4)で表わされる。
【0016】
【化4】
【0017】請求項3の発明は、ポリエステル重合体の
製造方法という構成である。
【0018】本発明の構成をより詳しく説明すれば次の
通りである。
【0019】本発明のポリエステル重合体は、式(2)
及び式(3)で表わされる1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸と式(1)で表わされるジヒドロキシ化合物と
を反応させて得られ、下記一般式(5)で表わされる。
【0020】
【化5】
【0021】(R1、R2、R3、R4はH又は炭素数1〜
4のアルキル基、mは2〜4の整数、nは2以上の整数
で、通常は5〜100の整数を示す)。
【0022】前記一般式(5)で表わされるポリエステ
ル重合体の共重合成分として使用する1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸において、2個のカルボキシル基と
それぞれに隣接する水素原子がtransの配置をとる
1,4−trans−シクロヘキサンジカルボン酸を8
0〜100モル%、2個のカルボキシル基とそれぞれに
隣接する水素原子がcisの配置をとる1,4−cis
−シクロヘキサンジカルボン酸を0〜20モル%含むこ
とが本発明の骨子とする点である。
【0023】本発明者らは、trans型を80モル%
以上含むことによって、ポリエステル重合体の種々の光
学特性がさらに向上することを見い出した。特に、tr
ans型を多く含むポリエステル重合体は、cis型を
多く含むポリエステル重合体と比較すると、ガラス転移
温度(Tg)が高くなり、耐熱性の向上が顕著であるた
め、成形品が熱によって変形し難くなるという利点があ
る。
【0024】一般に、ジカルボン酸成分として、テレフ
タル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を用い
ると、その芳香環により、ポリエステル重合体の耐熱性
及び屈折率は向上するが、複屈折率が高くなることが知
られている。分散特性を示すアッベ数は屈折率の上昇に
ともなって減少するため、芳香族ジカルボン酸による芳
香環の導入は屈折率とアッベ数のバランスを考慮して行
わなければならない。本発明では、芳香環をもたない
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を用いることによ
り、耐熱性を低下させることなく複屈折率の上昇及びア
ッベ数の低下を抑制することができる。さらにtran
s構造をもつ1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を、
全カルボン酸に対して80〜100モル%、好ましくは
90〜100モル%含有させることによって、より耐熱
性、屈折率を向上させることができる。
【0025】また、一般に使用されるジヒドロキシ化合
物としては、式(1)以外に、例えばエチレングリコー
ル、1,4−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール等の脂肪族グリコール
類、シクロペンタンジメタノール、シクロヘキサンジメ
タノールなどの脂環族グリコール類、1,4−ベンゼン
ジメタノールなどの芳香族ジオールなどが挙げられる。
しかし、本発明におけるジヒドロキシ化合物の成分とし
て、式(1)のジヒドロキシ化合物と上記のジヒドロキ
シ化合物を併用した場合には、耐熱性などの物性が劣
る。したがって、ジヒドロキシ化合物としては式(1)
の化合物を単独で用いることが望ましい。
【0026】本発明において、一般式(1)で表わされ
るジヒドロキシ化合物は、剛直なフルオレン環と2個の
ベンゼン環を有することにより、ポリエステル重合体の
耐熱性と屈折率を向上させると共に、フルオレン環の平
面とベンゼン環の平面とが互いに直交する立体配座をと
るため、複屈折率を低減させる効果を付与する単量体と
して極めて有効なものである。
【0027】本発明のポリエステル重合体は、ジヒドロ
キシ化合物残基の中に、疎水性のアルキル基を有するこ
とがあるビスフェニルフルオレン残基と、親水性のアル
キレングリコール残基が共存するが、アルキル基を有す
ることがあるビスフェニルフルオレン残基の分子量が大
きく(含有量が多く)、エチレングリコール残基の含有
量が少ないため、吸水率が低くなると考えられる。
【0028】一般に、重合体の極限粘度が高いと成形時
の流動性が悪くなり、成形品の応力歪みや分子配向を生
じ、複屈折率の上昇をきたす。ポリカーボネートでは分
子量を下げることによって極限粘度を低くし、複屈折率
の上昇を緩和している。本発明では、ジカルボン酸成分
として、テレフタル酸ではなく、テレフタル酸の芳香環
を完全水素化した構造を有する1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸を用いることによって、ポリエステル重合
体成形時の流動性が悪くなるのを緩和している。
【0029】本発明のポリエステル重合体は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いてポ
リスチレンを標準として換算した重量平均分子量が10
000以上、好ましくは10000〜50000、さら
に好ましくは20000〜40000である。重量平均
分子量が10000未満では充分な機械的強度が得られ
ず、50000を超えると成形時の流動性が悪く、成形
品の複屈折率が高くなる。
【0030】ポリエステル重合体の製造方法:本発明の
ポリエステル重合体は、式(2)および式(3)の1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸(以下CHDAと略
す)と式(1)のジヒドロキシ化合物とを反応させるこ
とにより、製造することが出来る。
【0031】式(1)で表わされるジヒドロキシ化合物
としては、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]フルオレン(以下BPEFと略す)、
9,9−ビス[3−メチル−4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2
−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレンなどが
挙げられ、これらは単独でも2種類以上を組み合わせて
使用してもよい。これらの中でもBPEFが光学特性の
面で最も好ましい。ジヒドロキシ化合物としては、純度
が高いもの、具体的には純度が95%以上、好ましくは
98%以上のものを使用する。
【0032】式(1)のジヒドロキシ化合物は、例え
ば、ヒドロキシエトキシベンゼン誘導体とフルオレノン
とを脱水縮合反応させることにより、製造することがで
きる。ヒドロキシエトキシベンゼン誘導体とフルオレノ
ンとの脱水縮合反応には、酸(例えば硫酸)とチオール
との混合溶媒を使用することができる。
【0033】BPEFは、例えば、硫酸とチオールを触
媒として用い、フェノキシエタノールとフルオレノンと
を脱水縮合反応させて製造することができる。
【0034】式(2)及び式(3)のCHDAと式
(1)のジヒドロキシ化合物とのエステル重合反応は、
公知のエステル重合法、例えば、エステル交換法、直接
重合法などの溶媒重合法、溶液重合法、界面重合法など
の方法により実施することができるが、本発明において
は、直接重合法によってエステル化反応させることによ
り、ポリエステル重合体を製造することが好ましい。
【0035】直接重合法はエステル交換法のようなアル
コールの留出がなく、触媒を必要とせず、原料にジカル
ボン酸ジエステルよりも安価なジカルボン酸を使用する
ことができるため、エステル交換法よりも優位な点が多
い。通常のポリエステル製造では、エステル交換法が用
いられることが多いが、これは一般に直接重合法を用い
た場合、ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物との溶解性
が悪く、反応が進行しにくいためである。
【0036】しかし、本発明で使用するCHDAと式
(1)で表わされるジヒドロキシ化合物とは溶解性が良
く、直接重合法を用いた場合でも、極めて温和な条件で
エステル化反応が進行する。
【0037】CHDAとBPEFの等モル混合物を原料
として使用した場合、触媒の存在下、1〜30Torr
の減圧下で、200〜300℃、好ましくは210〜2
80℃の温度で反応させることにより、本発明のポリエ
ステル重合体を製造することができる。
【0038】式(2)及び式(3)のCHDAと式
(1)のジヒドロキシ化合物とのエステル化反応は、触
媒を使用しなくても進行する。一般に、無触媒でエステ
ル化反応をより高温で長時間行うことによって、より重
合度の高いポリエステル重合体を製造することができる
が、エステル化反応を高温で長時間行うと、得られるポ
リエステル重合体の着色を引き起こす場合がある。これ
に対し、触媒を使用することによって、より温和な条件
で所定の重合度のものを得ることができ、ポリエステル
重合体の着色を防止することができる。触媒としては、
公知のアンチモン、リチウム、ゲルマニウム、スズ、チ
タン、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、カルシウ
ム、マンガン、コバルトなどの金属化合物を使用するこ
とができる。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は次の通りで
ある。
【0040】・CHDAのtrans型とcis型の分
別:市販のCHDAを使用し、以下に示す方法にしたが
ってtrans型とcis型の分別を行った。
【0041】製造例1:温度計、撹拌器、冷却管を備え
た反応容器に、CHDA1200gと水3600gを仕
込み、内温95℃で2時間溶解した。この結果、容器内
は沈殿物と水層とに分離した。溶解後、得られた沈殿物
を傾斜法によって分別し、乾燥してtrans型98モ
ル%、cis型2モル%から構成されるCHDAを得
た。
【0042】製造例2:前記製造例1の過程において、
沈殿物を分別した残りの水層部分を冷却してCHDAを
析出させ、これを傾斜法によって分別し、乾燥してtr
ans型14モル%、cis型86モル%から構成され
るCHDAを得た。
【0043】・ポリエステル重合体の製造:温度計、撹
拌器、冷却管を備えた2Lの反応容器に、前記製造例1
及び製造例2で得られたCHDA、BPEFの所定量、
及び触媒として、モノn−ブチルスズオキサイドの所定
量を仕込み、10〜30Torrの減圧下、内温240
℃で6時間エステル化反応を行い、ポリエステル重合体
を得た。
【0044】
【実施例】以下実施例、比較例を挙げて本発明を具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0045】実施例1:前記製造例1で得られたCHD
A172g(1モル)[trans型:cis型=9
8:2(モル%)]、BPEF438g(1モル)、及
び触媒として、モノn−ブチルスズオキサイド0.31
gを2Lの反応容器に仕込み、10〜30Torrの減
圧下、内温240℃で6時間エステル化反応を行い、ポ
リエステル重合体561gを得た。
【0046】実施例2:CHDAの仕込量を、前記製造
例1のCHDA155.6gと製造例2のCHDA1
6.4g(合わせて1モル)[trans型:cis型
=90:10(モル%)]とした以外は実施例1と同様
の方法でエステル化反応を行い、ポリエステル重合体を
得た。
【0047】実施例3:CHDAの仕込量を、前記製造
例1のCHDA135.1gと製造例2のCHDA3
6.9g(合わせて1モル)[trans型:cis型
=80:20(モル%)]とした以外は実施例1と同様
の方法でエステル化反応を行い、ポリエステル重合体を
得た。
【0048】比較例1:CHDAの仕込量を、前記製造
例1のCHDA73.7gと製造例2のCHDA98.
3g(合わせて1モル)[trans型:cis型=5
0:50(モル%)]とした以外は実施例1と同様の方
法でエステル化反応を行い、ポリエステル重合体を得
た。
【0049】比較例2:CHDAの仕込量を、前記製造
例2で得られたCHDA172g(1モル)[tran
s型:cis型=14:86(モル%)]とした以外は
実施例1と同様の方法でエステル化反応を行い、ポリエ
ステル重合体を得た。
【0050】比較例3:2,6−デカリンジカルボン酸
226g(1モル)、BPEF438g(1モル)、及
び触媒としてモノn−ブチルスズオキサイド0.33g
を2Lの反応容器に仕込み、10〜30Torrの減圧
下、内温240℃で6時間エステル化反応を行い、ポリ
エステル重合体を得た。
【0051】比較例4:前記製造例1のCHDA73.
7gと製造例2のCHDA98.3g(合わせて1モ
ル)[trans型:cis型=50:50(モル
%)]、BPEF175g(0.4モル)、エチレング
リコール136g(2.2モル)、及び触媒としてモノ
n−ブチルスズオキサイド0.19gを2Lの反応容器
に仕込み、10〜30Torrの減圧下、内温240℃
で6時間エステル化反応を行い、ポリエステル重合体を
得た。
【0052】・ポリエステル重合体の評価:実施例及び
比較例で得られたポリエステル重合体の物性値を下記の
方法により測定した。ポリエステル重合体の組成を表1
に、性能評価を表2に示す。
【0053】(1)分子量:ゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー[東ソー(株)製HLC−8120GP
C]を使用し、溶媒にテトラヒドロフランを使用して測
定した。分子量の値はポリスチレン標準の換算値を示し
た。
【0054】(2)ガラス転移温度(Tg):示差走査
型熱量計[理学電気(株)製TAS−100]を使用
し、昇温速度10℃/分で測定した。
【0055】(3)屈折率・複屈折率:(株)アタゴ製
アッベ屈折計を用い、波長589.3nmのナトリウム
D線でジヨードメタンを接触液として測定した。
【0056】(4)吸水率:直径50mm、厚さ3mm
の円形の試験片を作成して、JIS−K7209に従
い、試験片の元の重量と吸水前後の質量増加分の比から
求めた。
【0057】
【表1】 ポリエステル重合体の組成 (a)1,4−trans−シクロヘキサンジカルボン
酸 (b)1,4−cis−シクロヘキサンジカルボン酸 (c)2,6−デカリンジカルボン酸 (d)9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]フルオレン (e)エチレングリコール
【0058】
【表2】 ポリエステル重合体の性能評価 (注)複屈折率:X,Y,Z軸方向のそれぞれの屈折率
を表わし、これらの数字が同等であれば複屈折率が低
い。
【0059】表2より明らかなように、本発明のポリエ
ステル重合体(実施例1〜3)は、比較例1〜4と比較
して耐熱性、屈折率、複屈折率、及び吸水性において優
れた性質を示した。
【0060】
【発明の効果】本発明のポリエステル重合体は、耐熱
性、透明性及び屈折率が高く、かつ複屈折率及び吸水性
が低いため、光学機器用材料として好適なものであり、
CDピックアップレンズ、フレネルレンズなどの光学レ
ンズ、プロジェクションテレビ用スクリーン、位相差フ
ィルムなどのフィルム、プラスチック光ファイバー、光
ディスク基板などの素材として有用なものである。さら
に、本発明のポリエステル重合体の製造方法は、エステ
ル交換法によらず、直接重合法によるため、経済効果も
大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 秀人 兵庫県明石市立石一丁目1番1号 星光化 学工業株式会社内 (72)発明者 岩泉 国弘 兵庫県明石市立石一丁目1番1号 星光化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4J029 AA03 AB04 AC01 AD01 AD10 AE04 AE05 BF19 CD03 HA01 HB01 JF021 JF131 JF141 JF181 JF221 JF321 JF361 JF371 JF471 JF541 JF571 KD01 KD07 KE03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と一
    般式(1)で表わされるジヒドロキシ化合物とを反応さ
    せて得られるポリエステル重合体であって、前記1,4
    −シクロヘキサンジカルボン酸が、1,4−trans
    −シクロヘキサンジカルボン酸80〜100モル%と
    1,4−cis−シクロヘキサンジカルボン酸0〜20
    モル%とから構成されることを特徴とするポリエステル
    重合体。 【化1】 (R1,R2,R3,R4はH又は炭素数1〜4のアルキル
    基、mは2〜4の整数を示す)。
  2. 【請求項2】一般式(1)で表わされるジヒドロキシ化
    合物が、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
    シ)フェニル]フルオレンである請求項1に記載のポリ
    エステル重合体。
  3. 【請求項3】1,4−trans−シクロヘキサンジカ
    ルボン酸80〜100モル%と1,4−cis−シクロ
    ヘキサンジカルボン酸0〜20モル%とから構成される
    1,4−シクロヘキサンジカルボン酸と、9,9−ビス
    [4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレ
    ンとを直接重合法によってエステル化反応させることを
    特徴とするポリエステル重合体の製造方法。
JP11130968A 1999-05-12 1999-05-12 ポリエステル重合体及びその製造方法 Pending JP2000319366A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11130968A JP2000319366A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 ポリエステル重合体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11130968A JP2000319366A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 ポリエステル重合体及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000319366A true JP2000319366A (ja) 2000-11-21

Family

ID=15046834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11130968A Pending JP2000319366A (ja) 1999-05-12 1999-05-12 ポリエステル重合体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000319366A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS615973B1 (ja) * 1981-12-14 1986-02-22 Fuji Photo Film Co Ltd
JP2006335974A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Kanebo Ltd ポリエステル樹脂組成物および光学部品
JP2007213043A (ja) * 2006-01-16 2007-08-23 Mitsubishi Chemicals Corp 位相差フィルム、液晶パネル及び画像表示機器
US7538176B2 (en) 2003-03-03 2009-05-26 Osaka Gas Co., Ltd. Polyester polymer, its moldings, and production method of the polyester polymer
JP2009155252A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Osaka Gas Co Ltd フルオレン骨格を有するアルコール
JP2009155251A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Osaka Gas Co Ltd フルオレン骨格を有するアルコール
JP2009167269A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Osaka Gas Co Ltd 高分子量ポリエステル系樹脂及びその製造方法
JP2009167267A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 National Institute Of Advanced Industrial & Technology フルオレン含有ポリエステルの効率的製造方法
JP2010284943A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Teijin Dupont Films Japan Ltd 光学用ポリエステルフィルム
JP2011012178A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Daiwa Can Co Ltd ポリエステル樹脂組成物及び成形体
JP2014201736A (ja) * 2013-04-10 2014-10-27 大阪ガスケミカル株式会社 耐湿性向上剤
KR20220058105A (ko) * 2020-10-30 2022-05-09 롯데케미칼 주식회사 폴리에스테르카보네이트 수지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS615973B1 (ja) * 1981-12-14 1986-02-22 Fuji Photo Film Co Ltd
JP2009185299A (ja) * 2003-03-03 2009-08-20 Osaka Gas Co Ltd ポリエステル重合体およびその成形体
US7538176B2 (en) 2003-03-03 2009-05-26 Osaka Gas Co., Ltd. Polyester polymer, its moldings, and production method of the polyester polymer
JP2006335974A (ja) * 2005-06-06 2006-12-14 Kanebo Ltd ポリエステル樹脂組成物および光学部品
JP2007213043A (ja) * 2006-01-16 2007-08-23 Mitsubishi Chemicals Corp 位相差フィルム、液晶パネル及び画像表示機器
JP2009155252A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Osaka Gas Co Ltd フルオレン骨格を有するアルコール
JP2009155251A (ja) * 2007-12-26 2009-07-16 Osaka Gas Co Ltd フルオレン骨格を有するアルコール
JP2009167269A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Osaka Gas Co Ltd 高分子量ポリエステル系樹脂及びその製造方法
JP2009167267A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 National Institute Of Advanced Industrial & Technology フルオレン含有ポリエステルの効率的製造方法
JP2010284943A (ja) * 2009-06-15 2010-12-24 Teijin Dupont Films Japan Ltd 光学用ポリエステルフィルム
JP2011012178A (ja) * 2009-07-02 2011-01-20 Daiwa Can Co Ltd ポリエステル樹脂組成物及び成形体
JP2014201736A (ja) * 2013-04-10 2014-10-27 大阪ガスケミカル株式会社 耐湿性向上剤
KR20220058105A (ko) * 2020-10-30 2022-05-09 롯데케미칼 주식회사 폴리에스테르카보네이트 수지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물
KR102634482B1 (ko) 2020-10-30 2024-02-06 롯데케미칼 주식회사 폴리에스테르카보네이트 수지, 이의 제조방법 및 이를 포함하는 열가소성 수지 조성물

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100529665B1 (ko) 이소소르바이드 폴리에스테르를 포함하는 광학 제품 및그의 제조방법
TWI513730B (zh) 聚酯樹脂及光學透鏡
US6066711A (en) Polyester polymer and its moldings
JP5271142B2 (ja) ポリエステル重合体およびその成形体
TWI466941B (zh) 光學透鏡
JP2000319366A (ja) ポリエステル重合体及びその製造方法
JPH07149881A (ja) ポリエステル重合体
JPH1160706A (ja) ポリエステル重合体およびその製造方法
JPH07198901A (ja) プラスチックレンズ用ポリエステル樹脂
JP2843215B2 (ja) ポリエステル重合体およびその成形体並びに成形体の製造方法
US9234986B2 (en) Polyester resin and optical lens
JP2840211B2 (ja) ポリエステル重合体及びその成形体
JP4602775B2 (ja) 高耐熱非晶性ポリエステル
KR102531698B1 (ko) 광학용 폴리에스테르 수지 및 이로부터 제조된 성형품
JP3509322B2 (ja) ポリエステル樹脂およびそれを含有するフィルム
JP5585999B2 (ja) ポリエステル樹脂組成物及び成形体
JPH09157367A (ja) 液晶ディスプレイのフィルムシート用ポリエステル重合体
KR102614726B1 (ko) 폴리에스테르계 수지 조성물
JP2013049784A (ja) 共重合ポリエステル樹脂及びその成形体
JPH09132640A (ja) 硬化性ポリエステルおよびその製造方法
JP3440168B2 (ja) ポリエステル重合体
JPH0578462A (ja) ポリエステルデイスク基板及びその製造方法
JPH0741572A (ja) 光学材料用フィルム
JP2001261803A (ja) 非晶質ポリエステル及び光学材料用樹脂
JPH06145321A (ja) ポリエステル共重合体及びその製造方法