JPH06145321A - ポリエステル共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル共重合体及びその製造方法

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JPH06145321A
JPH06145321A JP4326116A JP32611692A JPH06145321A JP H06145321 A JPH06145321 A JP H06145321A JP 4326116 A JP4326116 A JP 4326116A JP 32611692 A JP32611692 A JP 32611692A JP H06145321 A JPH06145321 A JP H06145321A
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JP
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bis
polyester copolymer
ester
forming derivative
side chain
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JP4326116A
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English (en)
Inventor
Kenji Yao
健二 八百
Taneo Okamoto
種男 岡本
Michiaki Fuji
通昭 藤
Mitsuhisa Igarashi
光永 五十嵐
Toshihiro Kushimoto
俊弘 久志本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 2,6−ナフタレンジカルボン酸又はそのエ
ステル形成性誘導体と、イソフタル酸又はそのエステル
形成性誘導体との混合組成物と、一般式(1) 【化1】 (ただし式中R1 は炭素数が2から4までのアルキレン
基、R2 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル
基,アリル基,アラルキル基、R3 ,R4 ,R5 は水素
又は炭素数が1から4までのアルキル基を表わし、これ
らは同じでも異なってもよい。l,m,nは1または2
の整数を表す。)で示される主鎖及び側鎖に芳香環を有
するジヒドロキシ化合物と炭素原子数が2から4の脂肪
族グリコールからなる実質的に線状の芳香族ポリエステ
ル共重合体。 【効果】 本発明のポリエステル共重合体は、透明性が
良く、成形性,耐熱性,寸法安定性,耐薬品性に優れ、
経済的に有利な光学材料を提供でき、産業的に有用なも
のである。更に、この材料からなる光ディスク基板は、
複屈折が小さく産業的に有用なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル共重合体及
びその製造方法に係り、更に詳細には、透明性,耐熱
性,耐薬品性に優れ更に複屈折が小さく、寸法安定性に
優れ、光ディスク基板として特に好適なポリエステル共
重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学材料として最も盛んに用いら
れていたのはガラスであるが、ガラスは透明性に優れ、
光学異方性が小さいという長所を持つ反面、成形性が悪
く、重く、経済的でないといった欠点を有する。そこで
近年ポリカーボネート(PC),ポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)等のガラスに代わるプラスチック光学
材料の研究が盛んに行われている。実際に、PC製やP
MMA製のレンズが数多く市販されており、自動車の透
明部品にも軽量化を狙ってPCが用いられることが多く
なった。しかしPCは流動性が悪く、耐薬品性も良くな
い。PMMAは吸水率が高く、寸法安定性が悪い。ま
た、レーザー光を用いて、音声,画像,文字等の情報を
記録,再生する光ディスクは近年急速に用途が拡大して
いる。その基板用材料には、低複屈折性,優れた透明
性,耐熱性等の物性が要求されるため、これらの製品は
かなり高額なものとなっているのが現状である。従来、
このような光ディスク基板としては、PC,PMMA,
非晶性ポリオレフィン(APO)等の透明性プラスチッ
ク材料が使用されている。また特殊な芳香族ポリエステ
ル共重合樹脂(特開昭57−20864号公報,特開平
2−98845号公報,同2−38428号公報)が提
案されている。
【0003】しかし、PCは耐熱性が高く、透明性に優
れているが、成形性が悪く、複屈折が大きいという欠点
を有する。また耐薬品性が悪いのでガラス代替材料とし
ても完全とは言えない。また、PMMAは成形性に優れ
複屈折も小さいが、吸湿性が高く、成形品にしたときに
反り等の変形を起こし易いという欠点がある。APOは
複屈折が小さく、耐熱性,寸法安定性に優れているが、
極めて高価である。一方、報告されている特殊な芳香族
ポリエステル樹脂は、どれも光学特性が不十分であった
り、耐熱性が不足していたり、高価な原料を用いていた
りして、必ずしも満足できるものではない。すなわち、
透明性,耐熱性,成形性,寸法安定性に優れ、且つ耐薬
品性の良好な光学材料の開発、更にそういった材料から
なる、複屈折の小さな光ディスク基板の開発が望まれて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
諸問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有
するポリエステルポリマーが優れた光学特性を有し、更
にこれを用いて優れた光ディスク用基板が得られること
を見いだし、本発明を完成したものであって、その目的
とするところは光学異方性が小さく、透明性,耐熱性,
成形性,寸法安定性に優れ、耐薬品性の良好な光学材
料、更にはそれからなる複屈折の小さい光ディスク用基
板の製造方法を提供することにある。本発明の他の目的
並びに効果は以下の説明から明らかにされよう。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、2,6−
ナフタレンジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体
と、イソフタル酸又はそのエステル形成性誘導体との混
合組成物と、一般式(1)
【化3】 (ただし式中R1 は炭素数が2から4までのアルキレン
基、R2 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル
基,アリル基,アラルキル基、R3 ,R4 ,R5 は水素
又は炭素数が1から4までのアルキル基で、これらは同
じであっても異なっていてもよい。l,m,nは1また
は2の整数を表す。)で示される主鎖及び側鎖に芳香環
を有するジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコールとか
らなる実質的に線状の芳香族ポリエステル共重合体、並
びに2,6−ナフタレンジカルボン酸又はそのエステル
形成性誘導体と、イソフタル酸又はそのエステル形成性
誘導体との混合組成物と、下記一般式(1)で示される
主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒドロキシ化合物と、
脂肪族グリコールとを触媒の存在下で加熱,攪拌して、
エステル化反応又はエステル交換反応を行い、次いで更
に温度を上げて高真空,加熱条件の下で重縮合させた芳
香族ポリエステル共重合体を用い、これを成形加工して
ポリエステル共重合体成形加工品を得る製造方法によっ
て達成される。
【0006】本発明の芳香族ポリエステル共重合体に供
するジカルボン酸の成分は、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸又はそのエステル形成性誘導体とイソフタル酸又
はそのエステル形成性誘導体とを用いるが、その組成比
率は2,6−ナフタレンジカルボン酸成分が80〜98
モル%、イソフタル酸成分が2〜20モル%である。
2,6−ナフタレンジカルボン酸の組成比率が80%以
下になると耐熱性が低下する。又、98%以上になると
成形品の成形性が低下する。
【0007】本発明において、一般式(1)で示される
主鎖及び側鎖にベンゼン環を有するジヒドロキシ化合物
としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシエト
キシフェニル)1−フェニルメタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシエトキシフェニル)1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)1−
フェニル−n−プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シエトキシフェニル)1−フェニル−2メチルプロパ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)
1−フェニル−n−ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)1−フェニル−n−ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)1−
フェニル−n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シエトキシフェニル)1−フェニル−n−ヘプタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチルフ
ェニル)1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシエトキシ−3−tert−ブチルフェニル)1−
フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジ
(tert−ブチルフェニル))1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)1−
(4−メチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)1−(3−チメルフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−
3−メチルフェニル)−1−(3−メチルフェニル)エ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−t
ert−ブチルフェニル)−1−(3−メチルフェニ
ル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)−1−(2,3−ジメチルフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−1
−(2,4−ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−1−(3,5−
ジメチルフェニル)エタン(3−メチルフェニル)エタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチ
ル−6−tert−ブチルフェニル)−1−(3,5−
ジメチルフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシプロポキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−1−フ
ェニル−プロパン等の1,1−ビス(4−ヒドロキシア
ルコキシフェニル)−1−モノフェニルアルカン類、
【0008】1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチルフェニル)−
1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシエトキシ−2−メチルフェニル)−1,1−ジフェ
ニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−
2,6−ジメチルフェニル)−1,1−ジフェニルメタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−te
rt−ブチルフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−2,6−ジ−
tert−ブチルフェニル)−1,1−ジ(3−メチル
フェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエト
キシフェニル)−1,1−ジ(4−tert−ブチルフ
ェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシブトキ
シフェニル)−1,1−ジフェニルメタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシプロポキシ−3−メチルフェニル)
−1,1−ジフェニルメタン等の1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシアルコキシフェニル)−1,1−ジフェニルメ
タン類が挙げられ、これらは単独または2種類以上を組
み合わせて使用してもよい。
【0009】これらの内、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シエトキシフェニル)−1−フェニルアルカン類、1,
1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−1,1
−ジフェニルアルカン類がよく、就中複屈折の低減効果
が顕著で且つ、ガラス転移温度を向上さす1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−1−フェニルエ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)−1,1−ジフェニル−メタン及びその誘導体が好
適である。
【0010】本発明のポリエステルは、かかる一般式
(1)で示される主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒド
ロキシ化合物の少なくとも1種類以上を、全ジカルボン
酸成分に対する比が5〜95モル%、好ましくは10〜
80モル%から構成される。一般式(1)で表される主
鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒドロキシ化合物の組成
が5モル%未満では、光学異方性が大きくなる。また、
95モル%以上になると、ポリマーの製造時に重合反応
が進行し難く、十分な重合度に到達し難い。
【0011】本発明において、脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール、1,3プロパンジオール、
1,2プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオー
ル、1,3−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオ
ール等のジオール類、シクロヘキサンジメタノール、シ
クロペンタンジメタノール等の脂環族ジメタノール類が
挙げられるが、中でもエチレングリコール、1,4−ブ
タンジオールが好ましく、特にエチレングリコールが最
も好ましい。またこれらは単独でも、2種類以上を組み
合わせて用いてもよい。
【0012】本発明の2,6−ナフタレンジカルボン酸
又はそのエステル形成性誘導体と、イソフタル酸又はそ
のエステル形成性誘導体との混合組成物と、一般式
(1)で示される主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒド
ロキシ化合物と、脂肪族グリコールとからなる光学用ポ
リエステル共重合体は、例えばエステル交換法,直接重
合法,溶液重合法,界面重合法等の公知の方法から適宜
の方法を選択して製造できる。またその際の重合触媒等
の反応条件についても従来通りで良く、公知の方法を用
いることができる。本発明の光学用ポリエステル共重合
体のガラス転移温度は100℃以上、好ましくは110
℃以上である。ガラス転移温度が100℃未満の場合に
は熱安定性が悪くなり用途が限定される。本発明のポリ
エステル共重合体から光ディスク基板を成形する場合に
は、原料及びその投入工程を始め、重合反応、そのポリ
マーを冷媒中に押し出してペレット状またはシート状に
する工程、それを乾燥し成形する工程では塵埃等が入り
込まないように留意して行うことが望まれる。このクリ
ーン度は通常コンパクトディスクの場合には1000以
下であり、更に高度な情報記録の場合には100以下で
ある。
【0013】本発明のポリエステル共重合体は光ディス
ク基板,光学レンズ,或いは光源用カバーなどに有用で
あるが、例えば、光ディスク基板を成形する場合には、
該ポリエステルの極限粘度は条件によって異なるが概ね
0.4以上0.8以下の範囲が好ましく、より好ましく
は0.5以上0.7以下である。この極限粘度が0.4
未満であると、成形品の強度が弱く且つ脆くなる。ま
た、0.8を越えると分子が配向しやすくなり、射出成
形後の複屈折が大きくなる。ディスクの成形は通常射出
圧縮成形機がよく適合し、成形条件では、特に金型表面
温度とポリマー温度が重要である。ジカルボン酸成分,
ジヒドロキシ化合物も含めたグリコール成分等の種類,
組成及び重合度等により一概に規定できないが、金型表
面温度は20℃以上100℃以下が好ましく、また、こ
の時のポリマー温度は250℃以上330℃以下となる
ようにするのが良い。金型表面温度が20℃以下及びポ
リマー温度が250℃以下の場合は、ポリマーの流動性
と転写性が共に悪く、射出成形時に応力歪が残って、複
屈折が大きくなる傾向があり、また、成形サイクル時間
も延びるので経済的でない。金型温度が100℃以上の
場合は転写性は良いが離型時に変形し易い。また、ポリ
マー温度が330℃以上の場合はポリマーの分解が起こ
り易く、成形品の強度低下、着色の原因となる。
【0014】
【発明の効果】本発明のポリエステル共重合体は、透明
性が良く、成形性,耐熱性,寸法安定性,耐薬品性に優
れ、経済的に有利な光学材料を提供でき、産業的に有用
なものである。更に、この材料からなる光ディスク基板
は、複屈折が小さく産業的に有用なものである。
【0015】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例中「部」とあるは重量部を意味する。また実
施例におけるポリマーの極限粘度,ガラス転移温度,複
屈折,全光線透過率及び機械強度は次に示す方法によっ
て測定した。 (1)ポリマーの極限粘度 フェノールとテトラクロロエタンとの混合溶媒(混合比
60:40)を用い、80℃にて溶解後、20℃恒温槽
中にて測定した。 (2)ポリマーのガラス転移温度 示差走査熱量計(理学電気DSC−8230)に試料約
10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加熱し
て求めた。
【0016】(3)複屈折 射出圧縮成形機にて成形した厚さ1.2mm,直径12
0mmのディスクの中心から半径方向50mmの位置の
レターデーションを、カールツアイス社製偏光顕微鏡
(セナルモン、ベレック、ブレースケラー式コンペンセ
ーター装着)にて546nmの単色光源で測定した。 (4)全光線透過率 ディスク基板サンプルを用い、自記分光光度計(日立製
U−3400)にて波長400〜900nmの範囲で測
定し、その平均値を示した。 (5)クラック発生率 ディスク基板品100枚につき、中心孔を顕微鏡で観察
し、打抜き衝撃で生じた割れやクラックの発生率を%で
示した。
【0017】実施例1 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部、イ
ソフタル酸ジメチル2部、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シエトキシフェニル)−1−フェニルエタン95部、及
びエチレングリコール52部を原料とし、触媒としては
酢酸カルシウム0.1部を用い、これらを反応槽に投入
し、攪拌しながら、常法に従って190℃から230℃
に徐々に加熱してエステル交換を行った。所定量のメタ
ノールを系外へ抜き出した後、重合触媒である酸化ゲル
マニウム0.03部と、残留酢酸カルシウムによる着色
を防ぐためにリン酸トリエチル0.8部を投入して、昇
温と減圧を徐々に行い、発生するエチレングリコールを
抜きながら、加熱槽温度を280℃、真空度を1Tor
r以下に到達させた。この条件を維持し、粘度の上昇を
待ち、攪拌機にかかるトルクが所定の値に達した時点で
反応を終了し、水中に押し出してペレットを得た。この
ポリマーの極限粘度は0.58、ガラス転移温度は12
0℃であった。またこのペレットを真空加熱乾燥し、水
分率を0.005%以下にした後、金型温度が70℃、
ポリマー温度が300℃になるように調節し、射出圧縮
成形機(ダイナメルタ製M−25A II−D−DM)に
て所定のサイズのディスクを成形した。このディスクの
レターデーションは15nm、全光線透過率は91%で
あった。また、成形したディスク基板を検鏡した結果、
クラック発生率は0%で良好であった。
【0018】実施例2 原料として2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル9
7部、イソフタル酸ジメチル3部、1,1−ビス(4−
ヒドロキシエトキシフェニル)−1−フェニルエタン9
5部、及びエチレングリコール52部を用い実施例1と
同様の方法でペレットを得た。このポリマーの極限粘度
は0.55、ガラス転移温度は115℃であった。また
金型温度60℃、ポリマー温度280℃で射出成形して
得られたディスクのレターデーションは10nm、全光
線透過率は91%であった。また、成形したディスク基
板を検鏡した結果クラック発生率は0%で良好であっ
た。
【0019】実施例3〜7、比較例1〜3 原料の組成を変えた他は実施例1と同様にしてペレット
を得た後、金型温度40℃〜100℃、ポリマー温度2
80℃〜300℃で射出成形を行いディスクを得た。ポ
リマー及びディスクの分析結果を表1に示す。表1から
比較例1の本発明外組成ではガラス転移温度は十分に高
いが、非常に脆いため成形時にクラックを起こし易く好
ましくない。比較例2の本発明外品はガラス転移温度が
不十分である。しかしながら、実施例3〜6で明らかな
ように、本発明のポリエステル共重合体は、耐熱性,透
明性,成形性に優れ、高い熱安定性,寸法安定性を有
し、優れた光ディスク基板を提供することが分かる。
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ナフタレンジカルボン酸又はそ
    のエステル形成性誘導体と、イソフタル酸又はそのエス
    テル形成性誘導体との混合組成物と、一般式(1) 【化1】 (ただし式中R1 は炭素数が2から4までのアルキレン
    基、R2 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル
    基,アリル基,アラルキル基、R3 ,R4 ,R5 は水素
    又は炭素数が1から4までのアルキル基を表わし、これ
    らは同じでも異なっても良い。l,m,nは1または2
    の整数を表わす。)で示される主鎖及び側鎖に芳香環を
    有するジヒドロキシ化合物と炭素原子数が2から4の脂
    肪族グリコールとからなる実質的に線状の芳香族ポリエ
    ステル共重合体。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される主鎖及び側鎖に
    芳香環を有するジヒドロキシ化合物が1,1−ビス(4
    −ヒドロキシエトキシフェニル)1−フェニルエタンで
    ある請求項1記載のポリエステル共重合体。
  3. 【請求項3】 脂肪族グリコールが、エチレングリコー
    ルである請求項1記載のポリエステル共重合体。
  4. 【請求項4】 混合組成物が2,6−ナフタレンジカル
    ボン酸成分が全カルボン酸成分の80〜98モル%と、
    イソフタル酸成分が同じく2〜20モル%とから構成さ
    れたものである請求項1記載のポリエステル共重合体。
  5. 【請求項5】 2,6−ナフタレンジカルボン酸又はそ
    のエステル形成性誘導体と、イソフタル酸又はそのエス
    テル形成性誘導体との混合組成物と、脂肪族グリコール
    と、下記一般式(1)で示される主鎖及び側鎖に芳香環
    を有するジヒドロキシ化合物とを触媒の存在下で加熱,
    攪拌して、エステル化反応又はエステル交換反応を行
    い、次いで更に温度を上昇し高真空の下で重縮合させた
    ポリエステル共重合体を用い、成形加工することを特徴
    とするポリエステル共重合体成形加工品の製造方法。 【化2】 (ただし式中R1 〜R5 及びl,m,nは前記に同じ)
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