JP3101453B2 - ポリエステル共重合体 - Google Patents

ポリエステル共重合体

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JP3101453B2
JP3101453B2 JP04341299A JP34129992A JP3101453B2 JP 3101453 B2 JP3101453 B2 JP 3101453B2 JP 04341299 A JP04341299 A JP 04341299A JP 34129992 A JP34129992 A JP 34129992A JP 3101453 B2 JP3101453 B2 JP 3101453B2
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種男 岡本
通昭 藤
三奈 久保
俊弘 久志本
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル共重合体に
係り、更に詳しくは透明性,耐熱性に優れ、光学的異方
性が少なく、成形性に優れており、エンジニアリングプ
ラスチックのみならず、特に光学機器用の素材として好
適なポリエステル共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明で機械的特性に優れている樹
脂はエンジニアリングプラスチックとして、特に光学材
料として多く用いられている。例えば、ポリメチルメタ
クリレート(以下PMMAと略称する)やポリカーボネ
ート(以下PCと略称する),非晶性ポリオレフィンな
どが、コンパクトディスク,レーザーディスク,レンズ
などの光学材料として、又、例えば自動車の透明部品な
どに使用されている。しかし、耐熱性が低かったり、吸
湿性が大きく形態安定性が劣ったり、射出成形等の熱成
形加工の際に応力歪や分子配向が生じて、得られる製品
は複屈折が大きくなる等の問題点があったり、素材が極
めて高価であったり、十分に満足されたものとは言えな
い。更に近年、レーザー光を用いて音声,画像,文字等
の情報を記録,再生する光ディスクが急速に開発され、
より高性能な光学特性を有する基板材料が要望されてい
る。
【0003】かかる欠点の改善を目的とした光学用途材
料としてのポリエステル系重合体として、特開昭57−
20864号公報,特開平2−98845号公報,特開
平2−38428号公報が提案されている。しかしなが
ら、これらの樹脂は耐熱性,光学特性とも不十分であ
り、かならずしも満足できるものではない。
【0004】又本発明の1成分であるジフェン酸誘導体
を用いたポリエステル重合体としては、特開平2−31
27号公報,特開平2−3128号公報,特開平2−3
8428号公報,特開平2−230202号公報が提案
されている。これらの材料はガラス転移温度も十分に高
く、光学的異方性も小さいと報告されている。しかしな
がら成形時の応力歪や分子配向が大きくなる問題があ
り、必ずしも満足できるものではない。
【0005】また、特開平3−168211号公報では
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンと
ビスフェノールAをジオール成分とし、テレフタール
酸,イソフタール酸からなるポリエステル系重合体が提
案されている。かかるポリエステルはフェノール性の水
酸基とカルボキシ基とが直接結合しているため、高温下
或は高温加湿下では加水分解を生じ易く、耐湿性が十分
とはいえない上、成形時に応力歪や分子配向による光学
的な異方性が大きくなるという欠点を有する。
【0006】さらに、特開平3−281524号公報に
酸成分がジフェン酸でビスフェノール成分が9,9−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとビスフェノ
ールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1
−フェニルエタンとからなる芳香族ポリエステルが開示
されている。かかるポリエステルは、光学的異方性が小
さく、熱変形温度が高く、優れた特性を有している。し
かしながら、該ポリマーは上述の如くフェノール性の水
酸基と直接結合したエステル結合を有し、且つ、余りに
もガラス転移温度が高いため、金型のキャビティー内で
の流動性が低下し易く残留応力歪が大きくなり、光学的
異方性が大きくなる等の問題を有する。また、流動性を
良くするため高温にするとポリマーの分解,着色,及び
成型品にひけが生じたり或は金型との離型性が悪い等の
問題点を有し、必ずしも十分とはいえない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、かかる
従来技術の諸欠点に鑑み、鋭意研究を続けた結果特定の
構造を有するポリエステル共重合体を見出し、本発明を
完成したものであって、その目的とするところは、透明
性,機械的,電気的特性に優れており、実用上充分な耐
熱性を有するポリエステル共重合体を提供するにある。
本発明の他の目的は、光学的異方性が小さく、成形性,
寸法安定性に優れ、エンジニアリングプラスチック、特
に光学材料に適合するポリエステル共重合体を提供する
にある。更に他の目的は、工業的生産が容易且つ安価に
製造し得るポリエステル共重合体及びその成形体を提供
するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、上述の目的は、下
記一般式(1)と(2)
【化3】
【化4】 (但し、式(1),(2)中、R及びR’は、炭素原子
数2〜4のアルキレン基を表わす。)で示される繰り返
し単位からなるポリエステル共重合体であって、上記繰
り返し単位(1)と(2)の比が20:80及至10
0:0の範囲からなり、極限粘土が0.3以上であるポ
リエステル共重合体により達成される。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
ポリエステル共重合体は、前述のように上記一般式
(1)と(2)で示される繰り返し単位よりなりこの繰
り返し単位(1)と(2)の比が20:80乃至10
0:0の範囲の実質的に線上のランダム共重合体であ
る。繰り返し単位がかかる範囲内では、光学異方性が充
分に小さく、少なくとも120℃以上のガラス転移温度
を有する耐熱性に優れたものが得られる。しかし、繰り
返し単位(1)の比が20未満の場合は、光学的異方性
が大きくなり、耐熱性も低くなるので好ましくない。一
方繰り返し単位(1)の比が90を越えると、光学特性
や耐熱性特性がほぼ飽和されるうえ、熔融状態での粘度
が高過ぎたり、重合法が限定されたり等の問題が生じる
場合があり、操作性,操業性等の観点から、その比が3
0:70乃至90:10の範囲のものがより好ましい。
【0010】また、上記本発明に係るポリエステル共重
合体の極限粘度はフェノール60重量%、1,1,2,
2,−テトラクロロエタン40重量%の混合溶液中、2
0℃で測定した値であり、該極限粘度は0.3以上であ
ることが必要であり好ましくは0.35以上である。極
限粘度が0.3未満のものは、成形加工品の機械的強度
が不十分で好ましくない。しかし、極限粘度が0.3以
上あれば十分な機械的強度を有する成形品が得られる。
極限粘度が大きくなる程成形時に応力歪や分子配向し易
くなるため、成形品の複屈折が大きくなり易いので例え
ば、光ディスク基板の成形には極限粘度は低めの0.3
5〜0.55を、またブロー成形には0.6〜0.9と
高めのものを用いるなど、目的用途によって適合するも
のを適宜選択し使用すればよい。かかる目的とする極限
粘度を有するポリエステル共重合体は、分子量調節剤,
重合時間,重合温度等の重合条件を調節することにより
容易に得られる。
【0011】本発明の一般式(1)と(2)で表わされ
る繰り返し単位において、その酸成分はジフェン酸であ
り、一般式(1)で表わされるジヒドロキシ成分は、
9,9−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−フ
ルオレン9,9−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフ
ェニル)−フルオレン、及び9,9−ビス(4−ヒドロ
キシブトキシフェニル)−フルオレンであり、これらか
ら選ばれた少なくとも1種以上から構成されたものであ
る。また一般式(2)で表わされるジオール成分は、エ
チレングリコール,プロピレングリコール,及びブタン
ジオールであり、これらから選ばれた少なくとも1種以
上から構成されたものである。目的用途によって異なる
が、R,R’とも炭素原子数が大きい程ガラス転移温度
を低下せしめるため、炭素原子数は2が好ましく、従っ
て、好適なジヒドロキシ化合物は、9,9−ビス(4−
ヒドロキシエトキシフェニル)−フルオレン及びエチレ
ングリコールである。
【0012】かかる一般式(1)で表わされるジヒドロ
キシ成分は、例えば9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−フルオレンにイ)エポキサイドを付加反応せし
めるか、ロ)アルカリ土類金属の存在下ハロゲン化アル
コールを反応せしめることにより容易に得られる。イ)
の場合エポキサイドとしては例えばエチレンオキサイド
(EOと略称)、プロピレンオキサイド(POと略称)
1,2−ブチレンオキサイドなどが挙げられる。ロ)の
場合のハロゲン化アルコールとしては、例えばエチレン
クロルヒドリン、3−クロロプロパノール2−クロロ
−1−メチルプロパノール4−クロロブタノール、エ
ピクロロヒドリンなどが挙げられる。イ),ロ)何れの
方法でもよいが、純度や操作性の良いイ)の方法が好ま
しく用いられる。
【0013】また、特にイ)の場合は、フェノール性両
水酸基にエポキサイド例えばエチレンオキサイドを1分
子づつ付加反応して得られた2EO付加体である9,
9,−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−フル
オレンを得る際、溶媒,触媒等反応条件により、2EO
付加体以外に3EO付加体,4EO付加体、場合によっ
ては1EO付加体,等の不純物が含まれることがある。
この不純物が多くなると、ポリエステル共重合体のガラ
ス転移温度や熱変形温度を低下させるので好ましくな
い。しかし、2EO付加体の純度が85%以上であれば
充分に目的を達成出来、より好ましくは90%以上、更
に好ましくは95%以上である。本発明の上記一般式
(1)で示された繰り返し単位の構造式は、かかる不純
物が15%未満の混合物をも包含していることを示す。
【0014】本発明のポリエステル共重合体は、ジフェ
ン酸又はそのエステル形成性誘導体とジヒドロキシ成分
及びジオール成分を、エステル交換法,直接重合法等の
熔融重合法或は、溶液重合法,界面重合法などの公知の
方法により製造することができ、目的用途により選択す
ることができる。また、その際の重合触媒,重合度調整
剤,熱安定剤等も従来公知のものを使用することができ
る。更に、得られるポリエステル共重合体の諸物性を著
しく損なわない程度にジフェン酸以外のジカルボン酸成
分を共重合したものも包含する。例えば、ジカルボン酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、p,p−
ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸等が挙げられる。
【0015】本発明のポリエステル共重合体を例えばエ
ステル交換法で製造するには、ジフェン酸ジアルキルエ
ステルと一般式(1)と(2)で表わされる構成成分の
ジヒドロキシ化合物及びジオール化合物を触媒の存在下
加熱してエステル交換反応した後、真空下重合をして得
られる。この際、一般式(1)と(2)の繰り返し単位
の比は、20:80〜95:5の範囲であることが好ま
しく、20:80〜90:10の範囲がより好ましい。
この比が95を越えると、重合反応が進まなかったり、
重合時間が著しく長くなる等の問題が生ずる場合があ
る。その比が95を越えた組成のポリエステル共重合体
を得る場合は、溶液重合法又は界面重合法で製造するこ
とができる。
【0016】溶液重合法や界面重合法の場合は、ジフェ
ン酸を酸クロライド化合物とし、溶媒としてメチレンク
ロライド,ジクロロエタン,クロロホルム,ジメチルホ
ルムアミド等、通常、使用される溶剤や塩酸補足剤を用
いて製造することができる。得られたポリマーは溶剤や
重合調整剤と分離した後、残留塩素を充分に水洗し除去
する。
【0017】本発明のポリエステル共重合体は、成形す
る目的用途により、滑剤,耐熱剤,帯電防止材,紫外線
吸収剤,顔料,等を配合することができる。また、本発
明のポリエステル共重合体を光学材料に供する場合は、
原料の投入工程を始め、重合工程,重合体をペレット状
にする工程、射出成形やシート状或はフィルム状に成形
する工程等、塵埃が混入しないように留意することが好
ましい。このような場合は、通常CD用,ハードディス
ク用の場合はクラス1000以下、更に高度な情報記録
様の場合はクラス100以下が好ましい。
【0018】本発明のポリエステル共重合体は、非晶性
であるので、透明性に優れ、またガラス転移温度が12
0℃以上と耐熱性に優れており、更に、優れた熔融粘弾
性特性を有するので成形加工性に優れ、成形加工時に残
留応力歪,分子配向が起りにくいうえ、たとえそれらが
残存していても光学異方性が極めて少ないという特性を
有している。従って、透明性材料や光学材料に極めて有
用で且つ良く適合する樹脂である。
【0019】本発明のポリエステル共重合体の成形体
前述のポリエステル共重合体を、従来公知の成形法、例
えば、射出成形法,射出圧縮成形法,トランスファー成
形法,ブロー成形法,押出し成形法,加圧成形法,キャ
スティング成形法等の方法により得ることができる。成
形に際してはこれらの成形法からより適合する成形法を
選択すれば良く、例えば、光ディスク基板、レンズ,一
般成形部品等は、射出制刑法及び射出圧縮成形法がよく
適合し、フィルム,シート,光ファイバー,繊維等は押
出し成形法がよく適合する。また、ボトル,袋等はブロ
ー成形法が、型付け成形は加圧成形法やトランスファー
成形法がよく適合する。中でも本発明のポリエステル共
重合体の優れた特性である、透明性,低光学異方性,耐
熱性を要望する成形体、即ち、光学用成形体を得るには
射出圧縮成形法,押出し成形法が好ましい。
【0020】光学用成形体の一例である光ディスク基板
特性は、車載用光ディスクとして、耐熱性が100℃以
上必要と言われているが、本発明のポリエステル共重合
体の成形体は、ガラス転移温度が少なくとも120℃以
上を有し、十分な耐熱性を有している。かかる光ディス
ク基板の成形は射出圧縮成形機がよく適合し、樹脂温
度,金型温度,射出速度,保持圧力等の成形条件を適正
に選定することにより、ディスク基板の複屈折が小さく
且つ、ディスク基板径方向の複屈折,厚み,転写性等極
めて均一でソリの無い優れたものが得られる。このよう
な成形条件は、組成,重合度等により一概に規定できな
いが、金型温度は熱変形温度の20℃以下が好ましく、
従って70℃以上130℃以下である。また、樹脂温度
は270℃以上360℃以下が好ましい。270℃未満
では、樹脂の流動性と転写性が悪くなり、成形時に応力
歪が残り複屈折を大きくする。また360℃を越えると
樹脂の熱分解が起りやすく、成形品の強度低下,着色の
原因となったり、金型鏡面やスタンパを汚したり離型性
が悪くなったりすることがあるので好ましくない。
【0021】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のポリエステル
共重合体は透明性,耐熱性がよく、成形性,寸法安定
性,耐薬品性に優れ、光学的異方性の小さいという特性
を有する、光学材料に好適な素材及び成形品を提供で
き、産業的に有用なものである。
【0022】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
る。実施例に於いて、極限粘度,ガラス転移温度,複屈
折率,全光線透過率は以下に示す方法で測定した。
【0023】(1)極限粘土 フェノール60重量%、1,1,2,2,−テトラクロ
ロエタン40重量%の混合溶液100mlに0.3〜1
gの試料を80℃にて溶解後、20℃でウベローデ粘度
にて測定した。
【0024】(2)ガラス転移温度 示差走査熱量計(理学電気DSC−8230)に試料約
10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加熱し
て求めた。
【0025】(3)複屈折率 カールツアイス社製偏光顕微鏡にて、セラルモン,ベレ
ック,プレースケラー式コンベンセーターを装着し、5
46nmの単色光で次の通り測定した。
【0026】(3−a)フィルムでの評価 樹脂塊又はチップを160〜240℃で圧縮成形して、
厚み80〜150μmのフィルムとする。このフィルム
を4X40mmの短冊状に切り、試験片とした。JI
S,K−7121(1987)で定義される補外ガラス転移
温度Tgを測定し、Tg+10℃の恒温炉中で試験片を
加熱し、10%/secの速度で40%延伸して後すぐ
急冷し、延伸フィルムを得た。このフィルムを用いて複
屈折率を測定した。
【0027】(3−b)ディスクでの評価 射出圧縮成形機にて成形した、厚さ1.2mm、直径8
6mm或は120mmのディスクの中心からそれぞれ半
径方向30mm、45mm位置のレターデーションを測
定した表示した。
【0028】(4)全光線透過率 ディスク基板サンプルを用いて、自記分光光度計(日立
U−3400)にて波長400〜900nmの範囲で測
定し、その平均値で示した。
【0029】(5)転写性評価 射出圧縮成形機で、スタンパー(グループ幅0.8、深
さ0.08、トラックピッチ1.6mμ)を用いて成形
し(片面は鏡面)、得られたディスク基板を電子顕微鏡
にて溝形状を観察して評価した。
【0030】以下実施例中の「部」とは、特に記載がな
い限り「重量部」を意味する。(実施例1) ジフェン酸ジメチル54部、9,9,−ビス(4−ヒド
ロキシエトキシフェニル)−フルオレン(純度98.0
%)35部、エチレングリコール27部、触媒として
酸カルシウム0.038部、酸化ゲルマニュム0.00
8部を反応槽に仕込、窒素ガス雰囲気下攪拌しながら常
法に従って、170℃から徐々に230℃に加熱しエス
テル交換反応を行なった。所定量のメタノールを系外に
抜き取った後、リン酸トリメチル0.045部を投入し
昇温と減圧を徐々に行ない、発生するエチレングリコー
ルを系外に抜き出しながら、温度290℃、真空を1t
orr以下にして所定のトルクになるまで反応し、終了
後常圧に戻し、反応物を水中に押出してペレットを得
た。得られたポリマーのガラス転移温度Tgは132
℃、極限粘度I.Vは0.48であった。また、NMR
の分析結果より前記一般式(1)と(2)の繰り返し単
位を有するポリエステル共重合体であることを確認し
た。
【0031】このペレットを乾燥して、230℃でプレ
スし、厚さ120ミクロンのフィルムを得た。次いで、
短冊とし142℃で延伸すると複屈折率は24X10-4
であった。また、金型温度110℃、樹脂温度330℃
で射出圧縮成形して得られたディスクのレターデーショ
ンは10nm、全光線透過率は91%であり、検鏡結
果、転写性も優れていた。
【0032】(比較例1) ジフェン酸ジクロリド40.5部を塩化メチレン675
部に溶解した。一方、2.5Nの水酸化ナトリウム水溶
液650部に9,9,−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−フルオレンを13.2部、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−プロパン25.7部を溶解し、P
−tert−ブチルフェノール0.4部、トリメチルア
ンモニウムクロリド0.17部を添加し、温度10℃に
調整した。激しく攪拌しながら、先に調整した塩化メチ
レン溶液を一度に添加し、4時間反応した。重合完了
後、酢酸で中和しメタノール中へ添加しポリマーを沈殿
させ、水洗、乾燥した。得られたポリマーは、フェノー
ルとテトラクロルエタンの等重量混合溶液中、濃度1g
/100ml、25℃測定した対数粘度が0.53、ガ
ラス転移温度が175℃であった。この全芳香族ポリエ
ステルを一旦ペレットにした後乾燥して、射出圧縮成形
機にて、樹脂温度330℃、金型温度120℃でディス
ク成形をしたが、溶融時の粘度が高く、樹脂性能も固く
脆い性質を有し、連続成形ができなかった。また、成形
時に応力歪、分子配向が大きく、レターデーションは8
0nm以上と劣ったものであった。
【0033】(実施例2) 一般式(1)と(2)で表わされる繰り返し単位の比
が、表1の如くなるように原料仕込組成を変えた以外は
実施例1と同様にして重合をし、各種のポリエステル共
重合体を得た。これらを用いて実施例1と同様に各測定
項目を測定した。結果を表1に示す。
【0034】
【表1】 表1で明らかなように、本発明範囲外のNo.1,2は
光学的異方性が大きく、耐熱性も不充分であった。しか
し、本発明範囲内のNo.3〜7のポリエステル共重合
体は、ガラス転移温度が120℃以上と耐熱性,透明性
に優れ、光学的異方性が小さく、優れた成形性を有して
いた。
【0035】
【実施例3】実施例1と同様の組成で、重合条件のみ変
え、極限粘度0.62のポリエステル共重合体を得た。
このポリマーを25mmスクリューの押出機を用いて、
樹脂温度280℃で熔融し、スリット口金より吐出し、
厚さ1.2mmの透明シートを成形した。このシートは
全光線透過率は91%、レターデーション9nmの優れ
た光学特性を有するものであった。
【0036】以上の事から、本発明のポリエステル共重
合体は、透明性,機械的特性に優れているのはいうまで
もなく耐熱性に優れ、光学的異方性が小さい。また、本
発明のポリエステル共重合体は成形性に優れており、射
出成形等により成形したり、フィルムやファイバーとし
て延伸等の応力を掛けた後でも、残留応力歪や分子配向
が生じにくく、成形性,寸法安定性,耐薬品性に優れ、
光学的異方性が小さい極めて優れた光学材料であること
が判かる。従って、本発明のポリエステル共重合成形体
は、エンジニアリングプラスチック、特に、光ディスク
基板,光学レンズ,光ファイバー等の光学機器用の成形
部品及び製品として好適なものであることが判かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/00 - 63/91 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)と(2) 【化1】 【化2】 (但し、式(1),(2)中、R及びR' は、炭素原
    子数2〜4のアルキレン基を表す)で示される繰り返し
    単位からなるポリエステル共重合体であって、上記繰り
    返し単位(1)と(2)の比が20:80乃至100:
    0の範囲からなり、極限粘度が0.3以上であることを
    特徴とするポリエステル共重合体。
  2. 【請求項2】 成形加工が射出成形機,押出成形機,加
    圧成形機により成形された、ディスク基板,レンズ,シ
    ート,フィルム,チューブ,ファイバーである、特許請
    求の範囲第1項記載のポリエステル共重合体の成形体
JP04341299A 1992-11-26 1992-11-26 ポリエステル共重合体 Expired - Lifetime JP3101453B2 (ja)

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Cited By (1)

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