JPH0841304A - ポリエステル樹脂成形体及びその製造法 - Google Patents

ポリエステル樹脂成形体及びその製造法

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JPH0841304A
JPH0841304A JP6201360A JP20136094A JPH0841304A JP H0841304 A JPH0841304 A JP H0841304A JP 6201360 A JP6201360 A JP 6201360A JP 20136094 A JP20136094 A JP 20136094A JP H0841304 A JPH0841304 A JP H0841304A
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JP
Japan
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carbon atoms
bis
alkyl group
polyester polymer
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JP6201360A
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Inventor
Mitsuhisa Igarashi
光永 五十嵐
Toshihiro Kushimoto
俊弘 久志本
Taneo Okamoto
種男 岡本
Michiaki Fuji
通昭 藤
Kenji Yao
健二 八百
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】複屈折率が小さく、透明性、耐湿性、機械的強
度、寸法・形態安定性に優れた光ディスク基板を提供す
る。 【構成】芳香族ジカルボン酸またはそのジエステル誘導
体と一般式(1) 【化1】 (R1 は炭素数2から4のアルキル基、R2 、R3 、R
4 、及びR5 は独立に水素または炭素数1から4のアル
キル基)で示されるジヒドロキシ化合物および、炭素原
子数が2から4の脂肪族グリコールからなる実質的に線
上のポリエステル重合体(第一成分)と、芳香族ポリカ
ーボネート(第二成分)との均一なブレンド樹脂組成物
を成形することよりなる光ディスク基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複屈折が小さく、透明
性、耐湿性、機械的強度、寸法・形態安定性に優れ、特
に、情報信号を盤上に記録し、再生するに好適で経済的
な光ディスク基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レ−ザ−光を用いて、ディスク基板上の
微細な信号を検出し、音声、画像、情報を記録・再生す
る光ディスクは、近年急速に用途が拡大している。この
光ディスク基板上の記録はサブミクロンの精度及びその
寸法安定性、更に保存安定性がよいこと等が必要であ
る。また、光学特性として、基板の透明性がよいこと及
び複屈折が小さいことが必要である。記録、再生の際、
斜め入射のレーザー光は、大きな位相差を生じ易く、こ
れが情報の読み出し、書く込みの時エラーを発生する原
因となる。
【0003】従来、このような光ディスク基板として
は、ポリメチルメタクリレ−ト(PMMA)、ポリカ−
ボネ−ト(PC)、非晶性ポリオレフィン(APO)な
どの透明性プラスチック材料が使用されている。また、
特殊な芳香族ポリエステル共重合樹脂(特開昭57−2
08645号公報、特開平2−98845号公報、同2
−38428号公報)が提案されている。
【0004】しかし、PMMAは光学特性の点では良い
特性を示すが、吸湿性が大きくディスク基板が空気中の
水分を吸収してソリがでやすく、寸法安定性がよくない
上、耐熱性が乏しい欠点を有する。また、PCは吸湿性
は低くソリは少ないが、流動性が悪く、成形性が困難と
いう問題があり、かつ複屈折も不十分という欠点を有す
る。さらに、APOはすぐれた光学特性を有している
が、極めて高価である。
【0005】一方、芳香族ポリエステル共重合樹脂を使
用する光ディスク基板として、特開昭57−20864
5号公報、特開平2−98845号公報及び同2−38
428号公報に提案されているが,光学特性が不十分で
あったり、耐熱性が不足したり、高価な原料を用いたり
して、必ずしも満足できるものではない。
【0006】すなわち、透明性がよく、複屈折が小さく
て、成形性のよい、且つ耐熱性に優れ経済的に有利な光
ディスク基板の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
諸問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を
有するポリエステル共重合体とポリカーボネートとのブ
レンド混合物を成形すると優れた光ディスク基板が得ら
れることを見出し、本発明を完成したものであって、そ
の目的とするところは、透明性、耐湿性、機械的強度、
寸法・形態安定性、耐熱性に優れると共に、流動性に優
れた樹脂により成形された、光学的歪み、特に斜め入射
時の複屈折が低減された、読み取りまたは書き込み時の
エラーの少ない光ディスク基板を提供することにある。
本発明の他の目的並びに効果は以下の説明から明らかに
されよう。
【0008】
【問題点を解決するための手段】上述の目的は、芳香族
ジカルボン酸またはそのジエステル誘導体と一般式
(1)
【化3】 (R1 は炭素数2から4のアルキル基、R2 、R3 、R
4 、及びR5 は独立に水素または炭素数1から4のアル
キル基)で示されるジヒドロキシ化合物および、炭素原
子数が2から4の脂肪族グリコールからなる実質的に線
上のポリエステル重合体(第一成分)と、芳香族ポリカ
ーボネート(第二成分)との均一なブレンド樹脂組成物
を成形してなる光ディスク基板により達成される。
【0009】上記のような2つの成分をブレンドして光
学材料用樹脂組成物を構成するが、このブレンドに用い
る芳香族ポリカーボネート(第二成分)の重合度は、固
有粘度(フェノール60重量%、1,1,2,2−テト
ラクロロエタン40重量%の混合溶液中、20℃で測
定)にして、0.2ないし0.7程度、好ましくは、
0.3ないし0.55である。固有粘度がこの範囲未満
の物はディスク基板に成形した時の機械的強度が不充分
である。また、固有粘度がこの範囲を超える場合は、成
形する際の流動性を低下させ、分子配向しやすくなり、
このディスク基板の複屈折は大きくなる。
【0010】また、上記ポリエステル重合体(第一成
分)の重合度は、固有粘度にして、0.3ないし0.8
程度、好ましくは、0.35ないし0.7程度である。
固有粘度がこの範囲未満の場合はディスク基板に成形し
た時の機械的強度が弱い。また、固有粘度がこの範囲を
超える場合は、成形する際の流動性が低下し、成形サイ
クル特性を低下させ、このディスク基板の複屈折は大き
くなり易い。
【0011】本発明の上記光学材料用樹脂組成物は、示
差走査熱量測定(DSC)を行ったとき、好ましくは単
一のガラス転移温度を与える。一般的には、ポリエステ
ル重合体(第一成分)と芳香族ポリカーボネート(第二
成分)に対応する二つのピーク、及び、それ以外のピー
クやショルダーを与える場合があるが、その多くは、透
明性が悪く、熱的に不安定で成形性も悪く、良好な光デ
ィスク基板とはなり難い。
【0012】本発明の上記光学材料用樹脂組成物のガラ
ス転移温度は78℃以上、好ましくは80℃以上が必要
である。ガラス転移温度が78℃未満の場合は、例えば
光ディスク製品を保存中で基盤が変形し、ノイズ発生等
の問題が生じる。
【0013】本発明の上記光学材料用樹脂組成物は、上
記のそれぞれの重合度を持った2成分をブレンドして構
成されるが、そのブレンド率はポリエステル重合体(第
一成分)と芳香族ポリカーボネート(第二成分)の重量
比で、5:95〜90:10、好ましくは10:90〜
80:20の範囲が適当である。ポリエステル重合体
(第一成分)のブレンド率がこの範囲未満では、複屈折
率を低減させる効果が十分でない。
【0014】本発明において、芳香族ジカルボン酸は、
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸
等が挙げられるが、特にテレフタル酸が好ましい。
【0015】本発明において、一般式(1)で表される
ジヒドロキシ化合物は、9,9−ビス−(4−ヒドロキ
シエトキシフェニル)−フルオレン、9,9−ビス−
(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−フルオレン、
9,9−ビス−(4−ヒドロキシブトキシフェニル)−
フルオレン等があるが、特に9,9−ビス−(4−ヒド
ロキシエトキシフェニル)−フルオレンが好ましい。
【0016】9,9−ビス−(4−ヒドロキシエトキシ
フェニル)−フルオレンは、例えば、9,9−ビス−
(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレンにエチレンオ
キサイド(以下、EO)を付加して得られる。この際、
フェノールの両水酸基にエチレンオキサイドが1分子づ
つ付加した2EO付加体(9,9−ビス−(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)−フルオレン)の他に、さらに
数分子過剰に付加した、3EO付加体、4EO付加体等
の不純物が含まれる事がある。3EO、4EOなどの不
純物が多くなると、ポリエステル重合体の耐熱性を低下
させる事になる。このときの2EO付加体の純度は85
%以上有れば良いが、好ましくは95%以上である。
【0017】9,9−ビス−(4−ヒドロキシプロポキ
シフェニル)−フルオレン、9,9−ビス−(4−ヒド
ロキシブトキシフェニル)−フルオレンは、例えば、
9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレ
ンに各々、3−クロロ−プロパン−1−オール、4−ク
ロロ−プロパン−1−オールをアルカリ性条件下で反応
させれば得られる。この際の純度も、85%以上で有れ
ば良く、好ましくは95%以上である。
【0018】本発明において、脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールが挙
げられるが、中でもエチレングリコール、1,4−ブタ
ンジオールが好ましく、特にエチレングリコールが好ま
しい。
【0019】本発明において、芳香族ポリカーボネート
としては、例えば芳香族ジオールとして2,2−ビス−
(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「ビスフ
ェノールA」という)をホスゲンとアルカリ水溶液−塩
化メチレン系で界面重合させて得られるポリカーボネー
トが上げられるが、その他の芳香族ジオールとして、例
えばビス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1
−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1
−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,
2−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,
2−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
2,2−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)イソペン
タン、2,2−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)ヘ
キサン、2,2−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)
イソヘキサン、4,4’−ジヒドロキシトリフェニルメ
タン、4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、
1,1−ビス−(4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン、2,2−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’メチ
ルフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ジメチルフェニル)プロパン、ジヒ
ドロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニル
スルホン、ジヒドロキシジフェニルスルフィドといっ
た、ビスフェノール類及びハイドロキノン、レゾルシ
ン、o−メチルレゾルシン、o−クミルレゾルシンとい
った二価のフェノール化合物から選択される一種または
二種以上を用いても良い。
【0020】上記2成分のブレンド方法としては、押し
出し機、ニーダーなどによる溶融混練方法、あるいは上
記2成分を例えば塩化メチレンなどの共通の良溶媒に溶
解させた状態で混合する溶液ブレンド方法などがある
が、これは特に限定されるものではなく、通常用いられ
るポリマーブレンド方法ならどのような方法を用いても
よい。
【0021】本発明において、芳香族ジカルボン酸また
はそのジエステル誘導体と一般式(1)で示されるジヒ
ドロキシ化合物と炭素原子数が2から4の脂肪族グリコ
ールからなるポリエステル重合体(第一成分)は、例え
ば、エステル交換法、直接重合法等の溶融重合法、溶液
重合法、界面重合法等の公知の方法から適宜の方法を選
択して製造できる。またその際の重合触媒等の反応条件
についても従来通りで良く、公知の方法を用いる事がで
きる。
【0022】本発明において、ポリエステル重合体(第
一成分)の重合は、溶融重合法を用いる場合に特に良好
である。即ち、9,9−ビス−(4−ヒドロキシエトキ
シフェニル)−フルオレンの化合物は、末端基が脂肪族
グルコ−ルと良く似た性質であり、反応性が高い。これ
は9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオ
レンと比べると著しく異なるものである。この為に、酸
クロリドという原料を用いる必要もなく、従って本質的
に塩素が混入しない製造方法が可能であり、高温度での
反応条件で触媒使用量を少なくでき、残留異物が少ない
方法が可能となった。
【0023】本発明において、ポリエステル重合体(第
一成分)を溶融重合法のエステル交換法で製造するに
は、一般式(1)で表わされるジヒドロキシ成分が樹脂
中のグリコール成分の10から95モル%であることが
好ましい。これが、95モル%より多くなると、溶融重
合反応が進まなかったり、十分な重合度に達しない。9
5モル%より多い場合は溶液重合法または界面重合法で
製造する。
【0024】本発明において、ポリエステル重合体(第
一成分)を製造する際に、溶液重合法、界面重合法等を
採用する場合には、一般に酸成分の活性種として酸クロ
ライドを用いたり、溶媒としてメチレンクロライド、ク
ロロホルム等が使用するが、ポリマ−中には副生成物で
ある塩化物や触媒化合物が残留し、このものは一般的に
製品の品質上良くないので、重合工程後に一般に残留異
物を除去せねばならない。
【0025】本発明の光ディスク基板には、反射膜や記
録膜等の金属薄膜を蒸着または、スパッタリング等の方
法で固着されるが、基板内に残留塩素分があると、反射
膜、記録膜を腐食し、光ディスクや光磁気ディスクの寿
命や信頼性を低下させるので、十分な、洗浄、ろ過等の
残留する塩素を除去する工程が必要となる。ポリエステ
ル重合体(第一成分)の重合方法としては塩素が混入し
ないエステル交換法の方が好ましい。
【0026】光ディスク基板の成形には通常射出圧縮成
形機がよく適合し、成形条件では、特に金型表面温度と
樹脂温度が重要である。ジヒドロキシ成分の組成及び重
合度などにより一概に規定できないが、金型表面温度は
50℃以上160℃以下が好ましく、また、この時の樹
脂温度は250℃以上350℃以下となるようにするの
が良い。金型表面温度が50℃未満の場合には、樹脂の
流動性と転写性が共に悪く、射出成形時に応力歪が残っ
て、複屈折率が大きくなる傾向があり、また、成形サイ
クルも延びるので経済的でない。金型温度が160℃を
超える場合には転写性は良いが、離型時に変形し易い。
また、樹脂温度が350℃を超える場合は樹脂の分解が
起こり易く、成形品の強度低下、着色の原因となる。
【0027】本発明の光ディスク基板を成形する場合に
は、原料の投入工程を始め、重合反応、共重合体を冷媒
中に押し出してペレット状またはシート状にする工程で
は塵埃等が入り込まないように留意して行う事が望まれ
る。このクリーン度は、通常コンパクトディスク用の場
合には1000以下であり、更に高度な情報記録用の場
合には100以下である。
【0028】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例中「部」とあるは重量部を、「%」は重量%
を意味する。また実施例におけるポリマ−の固有粘度、
ガラス転移温度、複屈折率及び光透過率は次に示す測定
法によって測定した。
【0029】(1)ポリマ−の固有粘度 フェノール60重量%、1,1,2,2,−テトラクロ
ロエタン40重量%の混合溶液50mlに共重合体0.
15〜0.5gを80℃で溶解後、20℃で粘度を測定
し決定した。
【0030】(2)ガラス転移温度 示差走査熱量計(理学電気DSC−8230)を使い、
あらかじめ約170℃、10分間熱処理した後急冷した
試料約10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で
加熱して測定した。
【0031】(3)複屈折 厚さ1.2mm、直径86mmのディスクの中心から半
径方向40mmの位置のレターデーションを、カールツ
アイス社性偏光顕微鏡にて、セラルモン、ベレック、ブ
レースケラー式コンペンセーターを装着し、546nm
の単色光で測定した。垂直、及び斜め30°の向きにつ
いて測定した。
【0032】(4)光透過率 分光光度計にて波長500nmの光透過率を測定した。
【0033】(ポリエステル共重合体の調製) (成分1−1)テレフタル酸ジメチル 38部、9,9
−ビス−(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−フルオ
レン 35部、エチレングリコール 27部を原料と
し、触媒として、酢酸カルシウム 0.042部を用
い、これらを反応槽に投入し、攪拌しながら常法に従っ
て190℃から230℃に徐々に加熱してエステル交換
反応を行った。所定量のメタノールを系外へ抜き出した
後、重合触媒である酸化ゲルマニウム 0.012部
と、着色を防止するため、リン酸トリメチル 0.03
3部とを投入して、昇温と減圧を徐々に行い、発生する
エチレングリコールを抜きながら、加熱槽温度を280
℃、真空度を1Torr以下に到達させる。この条件を
維持し、粘度の上昇を待ち、2時間経過後反応を終了
し、ポリエステル重合体を得た。
【0034】このポリエステル重合体の固有粘度は0.
55、ガラス転移温度は124℃であった。 1H−NM
Rスペクトルの測定により、このポリエステル重合体の
テレフタル酸成分に対する9,9−ビス−(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)−フルオレン成分の割合は40
%であった。
【0035】(成分1−2)原料組成をテレフタル酸ジ
メチル 26部、9,9−ビス−(4−ヒドロキシエト
キシフェニル)−フルオレン 56部、エチレングリコ
ール 18部とし、酢酸カルシウムを0.028部、酸
化ゲルマニウム 0.009部、リン酸トリメチル
0.022部に変えた他は同様に工程を進行させて、ペ
レットを得た。
【0036】このポリエステル重合体の固有粘度は0.
51、ガラス転移温度は146℃であった。 1H−NM
Rスペクトルの測定により、このポリエステル重合体の
テレフタル酸成分に対する9,9−ビス−(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)−フルオレン成分の割合は80
%であった。
【0037】(成分2)市販の光ディスク用グレードの
ビスフェノールAポリカーボネート樹脂を(成分2)と
して用いた。この樹脂の固有粘度は0.43であった。
【0038】(実施例1)成分(1−1)と成分(2)
を30:70(重合比)の割合で配合し、押し出し機を
用いてペレットを作成した。この樹脂組成物の示差走査
熱量測定(DSC)の結果を図1に示す。単一のガラス
転移温度、134.3℃であった。
【図1】
【0039】この樹脂を、金型温度100℃、樹脂温度
310℃で射出成形してディスク基板を得た。ディスク
のレターデーションは、垂直方向で13nm、傾斜で4
5nm,光透過率は90%であった。
【0040】(実施例2〜3)成分(1−1)と成分
(2)を50:50及び70:30(重量比)の割合で
配合し、押し出し機を用いてぺレットを作成した。(実
施例1)と同様にディスク基板を成形した。測定結果を
表1に示す。
【表1】
【0041】(実施例4)成分(1−2)と成分(2)
を20:70(重量比)の割合で配合し、押し出し機を
用いてぺレットを作成した。(実施例1)と同様にディ
スク基板を成形した。測定結果を表1に示す。
【0042】(比較例2)市販の光ディスク用グレード
のポリカーボネート樹脂(成分2)を、金型温度100
℃、樹脂温度310℃で光ディスク基板を射出成形し
た。測定結果を表1に比較して示す。
【0043】表1での比較から明かな様に、一般に用い
られているポリカーボネート樹脂(比較例1)は光学異
方性が大きいことが分かる。
【0044】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の光ディスク基
板は、透明性、耐熱性、複屈折性に優れ、産業的に有用
なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の樹脂組成物の示差走査熱量測定(D
SC)結果を示す線図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08G 63/197 NNP

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸またはそのジエステ
    ル誘導体と一般式(1) 【化1】 (R1 は炭素数2から4のアルキル基、R2 、R3 、R
    4 、及びR5 は独立に水素または炭素数1から4のアル
    キル基)で示されるジヒドロキシ化合物および、炭素原
    子数が2から4の脂肪族グリコールからなる実質的に線
    状のポリエステル重合体と、芳香族ポリカーボネートと
    の均一なブレンド樹脂組成物を成形してなるポリエステ
    ル樹脂成形体。
  2. 【請求項2】芳香族ジカルボン酸またはそのジエステル
    誘導体と一般式(1) 【化2】 (R1 は炭素数2から4のアルキル基、R2 、R3 、R
    4 、及びR5 は独立に水素または炭素数1から4のアル
    キル基)で示されるジヒドロキシ化合物および、炭素原
    子数が2から4の脂肪族グリコールからなる実質的に線
    状のポリエステル重合体と、芳香族ポリカーボネートと
    の均一なブレンドし、射出成形することを特徴とするポ
    リエステル樹脂成形体の製造法
JP6201360A 1994-08-02 1994-08-02 ポリエステル樹脂成形体及びその製造法 Pending JPH0841304A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4886153B2 (ja) * 2000-06-01 2012-02-29 帝人株式会社 芳香族ポリカーボネート、その組成物および用途
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