JP2000119379A - 光学素子 - Google Patents
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Abstract
学的異方性がきわめて小さい光学素子を提供する。 【解決手段】ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘
導体とジヒドロキシ化合物からなるポリエステル重合体
であって、ジカルボン酸が脂環族ジカルボン酸を含み、
ジヒドロキシ化合物が特定の化合物を含むポリエステル
重合体を成形することにより光学素子を得る。
Description
さらに詳細には、透明性及び耐熱性に優れ、光学的異方
性が非常に小さく、且つ成形性に優れた光学素子に関す
るものである。
くから光学材料として幅広く用いられている。しかしな
がら、ガラスは成形性に劣り軽量化が困難という欠点を
備えていることから、最近では、高分子材料から成形さ
れてなる光学素子が使用されている。例えば、ポリメチ
ルメタクリレート(以下PMMAと略する)やポリカー
ボネート(以下PCと略する)等からなるコンパクトデ
ィスク、レーザーディスク、レンズ等の光学素子が知ら
れている。
Aからなる光学素子は、透明性に優れ、光学的異方性も
小さいという点では好ましいが、吸湿性が高く、成形後
に反り等の変形が起り易く形態安定性が悪いという欠点
を有している。一方、PCからなる光学素子は、耐熱性
が高く、透明性に優れているが、複屈折が大きくなる等
の欠点を有している。また、近年レーザー光を用いて音
声、画像、文字等の情報を記録、再生する光ディスクが
急速に開発されており、より低い複屈折を有する光学素
子の開発が望まれている。
材料として提案されている(特公昭57−20864号
公報、特公平2−98845号公報、特公平2−384
28号公報等)。しかし、これらの樹脂は、光学的特性
が不十分であったりして、必ずしも満足のできるもので
はなかった。
本願出願人は、例えば特開平6―49186号公報に開
示されている、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエ
トキシ)フェニル]フルオレンに代表される化合物とテ
レフタル酸及び/又はイソフタル酸からなるポリエステ
ル重合体から成形されてなるディスク、レンズ等の光学
素子を種々提案している。これらの光学素子は、光学的
異方性の小さいものとして提案されている。さらに、1
993年技術情報協会編「最新光学用樹脂の開発、特性
と高精度部品の設計、成型技術」には、環状脂肪族から
ビニル重合で得られる環状オレフィンより成形される光
学素子の複屈折が低いと報告されている。
なる光学素子の複屈折は、ガラスやPMMAと比較する
と、未だ十分に満足できるものとは言えなかった。
鑑み鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成したものであ
って、その目的とするところは、透明性及び機械的、電
気的特性に優れ、さらに光学的異方性が非常に小さく、
且つ成形性並びに寸法安定性に優れた光学素子を提供す
ることにある。
めに、本発明の光学素子は次のような構成をとる。すな
わち、ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と
ジヒドロキシ化合物からなるポリエステル重合体であっ
て、ジカルボン酸が脂環族ジカルボン酸を含み、ジヒド
ロキシ化合物が一般式(1)で示される化合物を含むポ
リエステル重合体から成形されてなることを特徴とする
ものである。
R4 、及びR5 は水素または炭素数1から4のアルキル
基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
なっていてもよい。)
ロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノル
ボルナンジカルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、ま
たはトリシクロデセンジカルボン酸から選ばれる少なく
とも1種の化合物であることが好ましい。
ロキシ化合物は、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル]フルオレンであることが好適であ
る。
ディスク基板、銀塩及びデジタルカメラ用レンズ、記録
媒体用レンズ、計測機器用レンズ、CCDカメラ用レン
ズ、またはファイバーであることができる。
いられるポリエステル重合体は、ジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体とジヒドロキシ化合物からなる
ポリエステル重合体である。そして、このポリエステル
重合体において、ジカルボン酸は、脂環族ジカルボン酸
を含み、ジヒドロキシ化合物は、一般式(1)で示され
る化合物を含むものである。
R2 、R3 、R4 、及びR5 は水素または炭素数1から
4のアルキル基、アリール基、アラルキル基であり同じ
であっても異なっていてもよい。)
キシ化合物とを共重合成分として重合したポリエステル
重合体を成形して光学素子とすることにより、光学的異
方性を低減させ、複屈折がきわめて小さい光学素子を得
ることができるのである。
は定かではないが、上記の一般式で示される化合物に含
まれる微寸オールフルオレンの特殊な分子構造、すなわ
ち2つのフェノール基のある主鎖方向に対してフルオレ
ン基が垂直面に配置された構造に起因していると考えら
れる。また、一般にテレフタル酸やイソフタル酸等の芳
香族ジカルボン酸が主鎖方向に入ると、耐熱性は向上す
るものの、光学的異方性が大きくなることが知られてい
る。そこで、この芳香族ジカルボン酸成分を減らし、脂
環族ジカルボン酸に置き換えることにより、光学的異方
性を低減させることができるのである。
いて成形した成形体における複屈折を測定することによ
り知ることができる。本発明に係る光学素子の複屈折は
ほぼ零である。これは、高密度な記録媒体である光ディ
スク基板、特に光磁気ディスクとする際に特に重要な条
件であり、記録媒体とした後のC/N比(Cはキャリア
ー:記録信号、Nはノイズ:雑音)を大きくできること
になる。さらに、記録媒体用レンズや計測機器用レンズ
とした場合には、レンズの収差が大幅に低くなる。
ル重合体としては、ガラス転移温度が80〜150℃の
範囲内のものを用いることが好ましく、100〜150
℃の範囲内のものを用いることがさらに好ましい。この
点については、脂肪族部分が直鎖状である場合には、そ
の含有量が多くなるとガラス転移温度が低下して成形体
が室温域でも熱変形し易くなるため、構造の固い脂環族
カルボン酸を用いることにより、ガラス転移温度を上昇
させることができている。
おける脂環族ジカルボン酸としては、下記一般式(2)
で表されるシクロヘキサンジカルボン酸等の単環式脂環
族ジカルボン酸、または下記一般式(3)、(4)で表
されるデカリンジカルボン酸、下記一般式(5)、
(6)で表されるノルボルナンジカルボン酸、下記一般
式(7)、(8)で表されるアダマンタンジカルボン
酸、下記一般式(9)、(10)、(11)で表される
トリシクロデセンジカルボン酸等の多環式脂環族ジカル
ボン酸等が挙げられる。
アルキル基、アリール基、アラルキル基であり同じであ
っても異なっていてもよい。aは1から3の自然数であ
る。)
7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり
同じであっても異なっていてもよい。b、cは1から7
の自然数である。)
7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり
同じであっても異なっていてもよい。d、eは1から7
の自然数である。)
7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり
同じであっても異なっていてもよい。f、gは1から7
の自然数である。)
7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり
同じであっても異なっていてもよい。h、iは1から7
の自然数である。)
1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基
であり同じであっても異なっていてもよい。j、kは1
から8の自然数で、lは1から9の自然数である。)
1から7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基
であり同じであっても異なっていてもよい。m、nは1
から8の自然数で、oは1から9の自然数である。)
7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり
同じであっても異なっていてもよい。p、qは1から7
の自然数である。)
7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり
同じであっても異なっていてもよい。r、sは1から7
の自然数である。)
7までのアルキル基、アリール基、アラルキル基であり
同じであっても異なっていてもよい。t、uは1から8
の自然数である。)
成性誘導体としては、通常ポリエステルに用いられるジ
カルボン酸エステル形成性誘導体が挙げられ、例えばジ
メチルエステル、ジエチルエステル等のアルキルエステ
ル等が挙げられる。
はそのエステル形成性誘導体は、それぞれ単独で用いて
もよいし、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
2,6−デカリンジカルボン酸が、合成し易さ、成形
性、光学特性等の点で好ましいが、特にこれに限定され
るものではない。
ル重合体における脂環族ジカルボン酸またはそのエステ
ル形成性誘導体は、ジカルボン酸成分全体を100とし
て1〜99モル%の間で任意に含有させることができ
る。その組成比は、目的とする樹脂や用途によって異な
るが、好ましくは20〜100モル%の範囲内、より好
ましくは30〜100モル%の範囲内、さらに好ましく
は50〜100モル%の範囲内で、脂環族ジカルボン酸
またはそのエステル形成性誘導体を用いることができ
る。また、耐熱性をより一層高めるために、多環式芳香
族ジカルボン酸やビフェニルジカルボン酸とともに用い
る場合には、これらが複屈折を低下させる要因となるこ
とから、各々50モル%以下の含有量とすることが好ま
しい。
しては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、メチルマ
ロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸等の単環式芳香族ジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタ
レンジカルボン酸等のナフタレンジカルボン酸、アント
ラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸等の
多環式芳香族ジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカ
ルボン酸等のビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。
ジヒドロキシ化合物としては、例えば、9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレ
ン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニ
ル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3−エチルフェニル]フルオレン、9,9
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジ
エチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)−3−プロピルフェニル]フル
オレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3,5−ジプロピルフェニル]フルオレン、9,
9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソ
プロピルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−
(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソプロピル
フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)−3−n−ブチルフェニル]フルオレ
ン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−
3,5−ジ−n−ブチルフェニル]フルオレン、9,9
−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブ
チルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−
ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジイソブチルフェニ
ル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)−3−(1−メチルプロピル)フェニル]フ
ルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3,5−ビス(1−メチルプロピル)フェニル]
フルオレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエト
キシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン、9,9−
ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジフ
ェニルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)−3−ベンジルフェニル]フル
オレン、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)−3,5−ジベンジルフェニル]フルオレン、9,
9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニ
ル]フルオレン 9,9−ビス[4−(4−ヒドロキシブトキシ)フェニ
ル]フルオレン 等が挙げられ、これらは単独でも用いても、2種類以上
を適宜組み合わせて用いてもよい。そして、これらの中
でも、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)
フェニル]フルオレンが、光学特性及び成形性の面から
特に好ましい。
キシ)フェニル]フルオレンは、例えば、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンにエチレンオキ
サイド(以下、EOと略する)を付加して得ることがで
きる。この際、フェノールの両水酸基にエチレンオキサ
イドが1分子ずつ付加した2EO付加体(9,9−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレ
ン)の他に、さらに数分子過剰に付加した、3EO付加
体、4EO付加体等の不純物が含まれることがある。ポ
リエステル重合体の耐熱性を向上させるためには、2E
O付加体の純度が85%以上であることが好ましく、9
5%以上であることがより好ましい。
を溶融重合法のエステル交換法で製造するには、上記一
般式(1)で表わされるジヒドロキシ化合物の含有量
を、樹脂中のグリコール成分の10〜95モル%の範囲
内とすることが好ましい。すなわち、この含有量が95
モル%以下であれば、溶融重合反応が進み易く、重合時
間が短いという利点がある。なお、この含有量が95モ
ル%より多い場合であっても、溶液重合法または界面重
合法で製造することにより、短時間で重合することがで
きる。また、このジヒドロキシ化合物の含有量が10モ
ル%以上であると、樹脂のガラス転移温度が高いという
点で好ましい。
ドロキシ化合物としては、通常プラスチックに用いられ
るものが挙げられる。例えば、エチレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオー
ル、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,4−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオ
ール等の脂肪族グリコール類、シクロヘキサンジメタノ
ール、シクロペンタンジメタノール等の脂環族グリコー
ル類、1,4−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼ
ンジメタノール等の芳香族ジオール等が挙げられ、これ
らの中でも、エチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ールが好適で、特にエチレングリコールが耐熱性の面か
ら好ましい。また、これらは単独で用いてもよく、2種
以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−1−フェニ
ルエタン等の主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒドロキ
シ化合物、ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル]スルフォン等の主鎖に芳香環と硫黄を有する化合
物、あるいはその他のジヒドロキシ化合物の少なくとも
1種以上を全ジオール成分の10モル%を限度として併
用してもよい。
合体は、例えば、エステル交換法、直接重合法等の溶融
重合法、溶液重合法、界面重合法等の公知の方法から適
宜の方法を選択して製造することができる。また、その
際の重合触媒等の反応条件についても、従来公知のもの
を用いることができる。
テル重合体を製造する際に、溶液重合法、界面重合法等
を採用する場合には、一般に酸成分の活性種として酸ク
ロライドを用いたり、溶媒としてメチレンクロライド、
クロロホルム等を用いたりするが、このようなポリマー
中には副生成物である塩化物や触媒化合物が残留してい
る。これらは、シート、フィルム、プレート、繊維等の
成形工程での操業性を低下させ、得られる成形体の品質
をも低下させるおそれがある。例えば、高温加熱時に熱
分解が多量に発生するおそれがある。また、光学素子材
料に使用する際には反射膜や記録膜等の金属薄膜をプレ
ートや基板に蒸着、スパッタリング等の方法で固着する
が、塩素分が大量に存在すると反射膜、記録膜等を腐食
し、製品の寿命や信頼性を低下させるおそれもある。従
って、十分な洗浄、ろ過等により残留異物を除去する工
程を設けることが好ましい。
融重合法により製造することが好ましい。すなわち、
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]フルオレン類の化合物は、末端基が脂肪族グルコ−
ルとよく似た性質であり、反応性が高いという特性を備
えている。これは、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレンと比べると著しく異なるものである。
このために、酸クロリドというような原料を用いる必要
もなく、従って本質的に塩素が混入しない製造方法、す
なわち高温度での反応条件で触媒使用量が少なく、残留
異物が少ない製造方法を実現することができるのであ
る。
剤、耐熱剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料等を適宜
配合することができる。そして、光学素子とする際、原
料の投入工程をはじめ、重合工程、重合体をペレット状
にする工程、射出成形あるいはシート状、フィルム状に
成形する成形工程等において塵埃が混入しないように十
分に留意する。コンパクトディスク(以下CDと略す
る)用の場合はクラス1000以下、さらに高度な情報
記録用の場合はクラス100以下であることが好まし
い。
基板、銀塩及びデジタルカメラ用レンズ、記録媒体用レ
ンズ、計測機器用レンズ、CCDカメラ用レンズ、また
はファイバーが挙げられる。具体的には、例えばCD、
MO、MD,LD等の光ディスクの読み取り用に用いら
れる非球面のピックアップレンズや読み取り系の円筒レ
ンズ、ダイクロイックミラー、集光レンズ、結像レンズ
等、またはプロジェクションテレビ用のフィールドレン
ズやカラーレンズ、カメラの撮像系の球面レンズや非球
面レンズ、カメラ用ファインダーレンズ、カメラ用ファ
インダープリズム、望遠鏡用レンズ、光ファイバー用コ
ネクターレンズ、等倍結像素子用レンズアレイやルーフ
ミラーアレイレンズ、プリンターや複写機用のエフシー
ターレンズやポリゴンミラー、液晶用プリズムシートや
導光板、拡散シート、偏光板、輝度向上シート、視野角
制御フィルム、さらにフルネルレンズ、シリンドリカル
レンズ等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
重合体を、従来公知の成形法、例えば、射出成形法、射
出圧縮成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、
押出成形法、加圧成形法、キャステイング成形法等の方
法により成形して得ることができる。成形に際しては、
これらの成形法の中からより適合する成形法を選択すれ
ばよく、例えば光ディスク基板、レンズ、一般成形部品
等には、射出成形法及び射出圧縮成形法が適合し、フィ
ルム、シート、光ファイバー、繊維等には、押出成形法
が適合する。また、ボトル、袋等にはブロー成形法が適
合し、型付け成形には加圧成形法やトランスファー成形
法が適合する。これらの中でも、本発明光学素子に用い
られるポリエステル重合体の優れた特性、すなわち透明
性、耐熱性及び低光学的異方性を十分に活かした光学素
子を得るためには、射出圧縮成形法、押出成形法により
成形することが好ましい。
の成形には、射出圧縮成形法が適合し、樹脂温度、金型
温度、保持圧力等の成形条件を適正に選定することによ
り、光ディスク基板の複屈折がきわめて小さく、且つ光
ディスク基板径方向の複屈折、厚み、転写性等が均一で
ソリの無い優れたものが得られる。このような成形条件
は、組成、重合度等によって異なり一概には規定できな
いが、金型温度は、ガラス転移温度、すなわち80〜1
50℃の範囲内とすることが好ましい。また、樹脂温度
は、240〜320℃の範囲内とすることが好ましい。
樹脂温度を240℃以上とすることにより、樹脂の流動
性と転写性が良好となり、成形時に応力歪が残って複屈
折を大きくするというような問題が完全に解決され、複
屈折をきわめて小さくすることが可能となる。また、こ
の温度を320℃未満とすることにより、樹脂の熱分
解、成形品の強度低下、着色、金型鏡面やスタンパの汚
染、離型性の低下等というような問題発生を確実に防止
することができる。
出圧縮成形法、圧縮成形法、真空成形法等の方法が用い
られるが、量産性の点からは射出圧縮成形法が好まし
く、樹脂温度、金型温度、保持圧力等の成形条件を適正
に選定することにより、光学歪みの小さいプラスチック
レンズを容易に得ることができる。このような成形条件
は、組成、重合度等によって異なり一概に規定できない
が、成形温度を240〜320℃の範囲内とし、金型温
度をガラス転移温度あるいはガラス転移温度よりも約2
0℃低い温度、すなわち60〜150℃の範囲内とする
ことが好ましい。成形されたプラスチックレンズの精度
は、寸法精度と表面特性によって表わされ、これらの精
度が悪いと光学歪みが大きくなる傾向にあるが、本発明
の光学素子として上記の条件により成形することによ
り、光学歪みのきわめて小さいプラスチックレンズを容
易に得ることができる。
する。実施例におけるポリエステル重合体のガラス転移
温度及び複屈折率は以下に示す方法で測定した。
ク、ブレースケラー式コンペンセーターを装着し、54
6nmの単色光で測定した。樹脂を240〜300℃で
溶融、押し出し成形し、直径30mm、厚さ1mmの円
盤状の試験片を作製し、さらにその成形試験片を160
〜240℃でプレス成形することにより、厚み80〜1
50μのフィルムを得た。得られたフィルムを4×40
mmの短冊状に切り出し、測定試験片とした。Tg+1
0℃の温度で測定試験片を20%/secで40%延伸
後、急冷し、延伸フィルムを得た。これらのフィルムの
複屈折率を測定した。
に対して、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]フルオレン0.4モル、エチレングリコ
ール2.2モルを原料とし、触媒として酢酸カルシウム
0.0008モル、酢酸マンガン0.0002モルを用
い、これらを反応槽に投入し、撹拌しながら常法に従っ
て190℃から245℃に徐々に加熱してエステル交換
反応を行った。所定量のメタノールを系外へ抜き出した
後、重合触媒である酸化ゲルマニウム0.012モル
と、着色を防止するためのリン酸トリメチルエステル
0.0018モルとを投入し、昇温と減圧を徐々に行
い、発生するエチレングリコールを抜きながら、加熱槽
温度を290℃、真空度を1Torr以下に到達させ
た。この条件を維持し、粘度の上昇を待ち、所定の攪拌
トルクに到達後(約2時間後)反応を終了し、反応物を
水中に押し出してペレットを得た。
のサンプルを得た後、190℃でプレスし、厚さ100
μのフィルムを得た。131℃で延伸を行うと、複屈折
率は+7×10-4であった。
成形し、偏光板に挟み込み、複屈折を観察したところ、
虹色の光は見られなかった。
樹脂(テレフタル酸ジメチルエステル1モルに対して、
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]フルオレン0.4モル、エチレングリコール2.2
モルより溶融重合)を用いて実施例2と同様のピックア
ップレンズを成形した(比較例1)。また、三菱化学製
のノバレックスAD3を用いて実施例2と同様のピック
アップレンズを成形した(比較例2)。これら2つのピ
ックアップレンズを偏光板に挟み込み、複屈折を観察し
たところ、虹色の光が見られた。
ズにおいては虹色の光は見られず、比較例1及び比較例
2のピックアップレンズにおいては明らかに虹色の光が
見られた。なお、虹色の光の本数は、比較例1のレンズ
の方が、比較例2のレンズよりも少ないことが確認され
た。
定した結果を下表に示す。
複屈折率に比べ、実施例1の複屈折率がきわめて小さい
ことが明らかとなる。
透明性、成形性及び寸法安定性に優れ、且つ光学的異方
性がきわめて小さく、幅広い分野において有用な光学素
子として適用することのできるものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 ジカルボン酸またはそのエステル形成性
誘導体とジヒドロキシ化合物からなるポリエステル重合
体であって、ジカルボン酸が脂環族ジカルボン酸を含
み、ジヒドロキシ化合物が一般式(1)で示される化合
物を含むポリエステル重合体から成形されてなることを
特徴とする光学素子。 【化1】 (R1は炭素数2から4のアルキレン基、R2 、R3 、
R4及びR5 は水素または炭素数1から4のアルキル
基、アリール基、アラルキル基であり同じであっても異
なっていてもよい。) - 【請求項2】 脂環族ジカルボン酸が、シクロヘキサン
ジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ノルボルナンジ
カルボン酸、アダマンタンジカルボン酸、またはトリシ
クロデセンジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種の
化合物である請求項1記載の光学素子。 - 【請求項3】 一般式(1)で示されるジヒドロキシ化
合物が、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル]フルオレンである請求項1または2記載
の光学素子。 - 【請求項4】 光学素子が、ディスク基板、銀塩及びデ
ジタルカメラ用レンズ、記録媒体用レンズ、計測機器用
レンズ、CCDカメラ用レンズ、またはファイバーであ
る請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10296571A JP2000119379A (ja) | 1998-10-19 | 1998-10-19 | 光学素子 |
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