JPH06145320A - ポリエステル共重合体及びその製造方法 - Google Patents

ポリエステル共重合体及びその製造方法

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JPH06145320A
JPH06145320A JP4326112A JP32611292A JPH06145320A JP H06145320 A JPH06145320 A JP H06145320A JP 4326112 A JP4326112 A JP 4326112A JP 32611292 A JP32611292 A JP 32611292A JP H06145320 A JPH06145320 A JP H06145320A
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bis
phenyl
reaction
polyester copolymer
hydrogen
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JP4326112A
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English (en)
Inventor
Mitsuhisa Igarashi
光永 五十嵐
Michiaki Fuji
通昭 藤
Kenji Yao
健二 八百
Taneo Okamoto
種男 岡本
Toshihiro Kushimoto
俊弘 久志本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ナフタレンジカルボン酸を主成分とするジカ
ルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、一般式
(1) 【化1】 (ただし式中R1 は炭素数が2から4までのアルキレン
基、R2 は水素又は炭素原子数が1から7のアルキル
基,アリル基,アラルキル基、R3 及びR4 は水素又
は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表しこれらは同じ
であっても異なっていてもよい。R5 は水素,炭素原子
数1〜3のアルキル基、l,m,nは1又は2の整数を
表す。)で表される主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒ
ドロキシ化合物と、炭素原子数が2から4の脂肪族グリ
コールからなる実質的に線状の芳香族ポリエステル共重
合体。 【効果】以上述べた如く、本発明の芳香族ポリエステル
共重合体からなる光ディスク基板は、透明性,耐熱性,
寸法安定性に優れ、且つ複屈折が小さい産業的に有用な
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステル共重合体及
びその製造法に係り、就中複屈折が小さく、透明性で寸
法・形態安定性がよく、情報信号を盤上に記録し、再生
するに優れると共に経済的な透明性ポリエステル光ディ
スク基板に好適なポリエステル共重合体及びその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光を用いて、ディスク基板上の
微細な信号を検出し、音声,画像,情報を記録・再生す
る光ディスクは、近年急速に用途が拡大している。この
光ディスク基板上の記録はサブミクロンの精度及びその
寸法安定性、更に保存安定性がよいこと等が必要であ
る。また、光学特性として、基板の透明性がよいこと及
び複屈折が小さいことが必要である。このためこれらの
製品はかなり高額なものとなっているのが現状である。
従来、このような光ディスク基板としては、ポリメチル
メタクリレート(PMMA),ポリカーボネート(P
C),非晶性ポリオレフィン(APO)などの透明性プ
ラスチック材料が使用されている。また、特殊な芳香族
ポリエステル共重合樹脂(特開昭57−208645号
公報,特開平2−98845号公報,同2−38428
号公報)が提案されている。
【0003】しかし、PMMAは光学特性の点では良い
特性を示すが、吸湿性が大きくディスク基板が空気中の
水分を吸収してソリがでやすく、寸法安定性がよくない
上、耐熱性が乏しい欠点を有する。また、PCは吸湿性
は低くソリは少ないが、流動性が悪く、成形性が困難と
いう問題があり、かつ複屈折も不十分という欠点を有す
る。さらに、APOはすぐれた光学特性を有している
が、極めて高価である。一方、芳香族ポリエステル共重
合樹脂を提案した特開昭57−208645号公報,特
開平2−98845号公報,同2−38428号公報に
よるものは、光学特性が不十分であったり、耐熱性が不
足したり、高価な原料を用いたりして、必ずしも満足で
きるものではない。すなわち、透明性がよく、複屈折が
小さくて、成形性のよい、且つ耐熱性に優れ経済的に有
利な光ディスク基板の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上述の
諸問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を
有するポリエステルポリマーを成型すると優れた光ディ
スク用基板が得られることを見出し、本発明を完成した
ものであって、その目的とするところは、複屈折が小さ
く、透明性,寸法・形態安定性に優れ、耐熱性のよいポ
リエステル光ディスク基板を提供するにある。本発明の
他の目的並びに効果は以下の説明から明らかにされよ
う。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ナフタ
レンジカルボン酸を主成分とするジカルボン酸又はその
エステル形成性誘導体と、一般式(1)
【化3】 (ただし式中R1 は炭素数が2から4までのアルキレン
基、R2 は水素,炭素原子数が1から7までのアルキル
基,アリル基,アラルキル基、R3 及びR4 は水素又は
炭素原子数1〜4のアルキル基を表しこれらは同じであ
っても異なってもよい。R5 は水素,炭素原子数1〜3
のアルキル基、l,m,nは1又は2の整数を表す。)
で示される主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒドロキシ
化合物と、脂肪族グリコールからなる実質的に線状の芳
香族ポリエステル共重合体並びに、
【0006】ナフタレンジカルボン酸を主成分とするジ
カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、脂肪族グ
リコールとを触媒の存在下で加熱して、エステル化反応
又はエステル交換反応を行う工程に於て、反応前,反応
中或は反応完了後の任意の段階で一般式(1)で表され
る主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒドロキシ化合物を
添加混合し、次いで更に温度を上げて徐々に減圧し、高
真空,加熱条件の下で重合縮合せしめて芳香族ポリエス
テル共重合体を得、このポリエステルポリマーを用い、
円盤状に射出成形するポリエステル共重合体の製造方法
により達成される。
【0007】本発明の芳香族ポリエステル共重合体に供
するナフタレンジカルボン酸としては、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,7−ナフタレンジカルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体およびそれらの混合物が挙げられるが、なか
でも耐熱性,成形性の点で2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸が好適である。勿論、上記ナフタレンジカルボン酸
成分以外のカルボン酸成分を物性や特性を著しく損なわ
ない範囲で添加してもよい。ナフタレンジカルボン酸以
外のジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸,イ
ソフタル酸,4,4′−ジフェニルジカルボン酸,2,
2′−ジフェニルジカルボン酸,1,4−ナフタレンジ
カルボン酸,ビス−(4−カルボキシフェニル)エーテ
ル,ビス−(4−カルボキシフェニル)スルホン,2,
2−ビス(4−カルボキシフェニル)プロパン,p−フ
ェニレンジ酢酸,5−ナトリウムスルホイソフタル酸,
trans−ヘキサヒドロテレフタル酸,5−スルホプ
ロポキシイソフタル酸,ベンゾフェノン−4,4′−ジ
カルボン酸,3,3′−ジフェニルジカルボン酸,フェ
ニルテレフタル酸等の芳香族ジカルボン又はそれらのエ
ステル形成性誘導体、マレイン酸,アジピン酸,セバシ
ン酸,デカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン
酸又はそれらのエステル形成性誘導体等が挙げられ、ま
た安息香酸,トリメリット酸,ヒドロキシ安息香酸等ジ
カルボン酸以外のカルボン酸及びそのエステル形成性誘
導体等が挙げられ、必要に応じてこれらの1種以上を用
いることができる。これらの中でも耐熱性の観点から脂
肪族ジカルボン酸よりも芳香族ジカルボン酸の方が好ま
しい。
【0008】本発明において、一般式(1)で表される
主鎖及び側鎖にベンゼン環を有するジヒドロキシ化合物
としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシエト
キシフェニル)1−フェニル−メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)1−フェニル−エ
タン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)1−フェニル−n−プロパン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシエトキシフェニル)1−フェニル−2−メチ
ル−プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ
フェニル)1−フェニル−n−ブタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)1−フェニル−n
−ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)1−フェニル−n−ヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)1−フェニル−n
−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−
3−メチルフェニル)−1−フェニル−エタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−tert−ブチ
ルフェニル)−1−フェニル−エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジメチル−フェニ
ル)−1−フェニル−エタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシエトキシ−3,5−tert−ブチル−フェニ
ル)1−フェニル−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)1−(4−メチル−フェニル)
−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)1−(3−チメル−フェニル)−エタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシエトキシ3−メチルフェニル)
−1−(3−メチルフェニル)−エタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシ−3−tert−ブチルフェ
ニル)−1−(3−メチル−フェニル)−エタン、1,
1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)1−
(2,3−ジメチル−フェニル)−エタン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)1−(2,4−
ジメチル−フェニル)−エタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)1−(3,5−ジメチル−
フェニル)−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエ
トキシ−3−メチル−6−tert−ブチル−フェニ
ル)1−(3,5−ジメチル−フェニル)−エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)1
−フェニル−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシブ
トキシフェニル)1−フェニル−プロパンなどの1,1
−ビス(4−ヒドロキシアルコキシフェニル)1,−モ
ノフェニル−アルカン類、
【0009】1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)1,1−ジフェニル−メタン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチル−フェニル)
1,1−ジフェニル−メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシエトキシ−2−メチル−フェニル)1,1−ジフ
ェニル−メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキ
シ−2,6−ジメチル−フェニル)1,1−ジフェニル
−メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3
−tert−ブチル−フェニル)1,1−ジフェニル−
メタン、1,1−ビス(ヒドロキシエトキシ−2,6−
ジ−tert−ブチル−フェニル)1,1−ジ(3−メ
チル−フェニル)−メタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシエトキシ−フェニル)1,1−ジ(4−tert−
ブチル−フェニル)−メタン、1,1−ビス(4−ヒド
ロキシブトキシ−フェニル)1,1−ジフェニル−メタ
ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシプロポキシ−3−メ
チル−フェニル)1,1−ジフェニル−メタンなどの
1,1−ビス(4−ヒドロキシアルコキシ−フェニル)
1,1−ジフェニル−メタン類が挙げられ、これらは単
独または2種以上を組み合わせて使用しても良い。
【0010】これらの内、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シエトキシフェニル)1−フェニル−アルカン類、1,
1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−フェニル)1,1
−ジフェニル−メタン類が好ましく、就中複屈折の低減
効果が顕著で且つ、ガラス転移温度を向上さす、1,1
−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−フェニル)−1−フ
ェニル−エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキ
シ−フェニル)1,1−ジフェニル−メタンが好適であ
る。かかるジヒドロキシ化合物は、ビスフェノール系化
合物にエチレンオキシド,プロピレンオキシド,クロロ
ヒドリンなどの炭素原子数2〜4の化合物を触媒の存在
下で反応して容易に得られる。
【0011】本発明のポリエステルは、ナフタレンジカ
ルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、一般式
(1)で表される主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒド
ロキシ化合物の少なくとも1種以上とを、全カルボン酸
成分の5〜95モル%、好ましくは10〜80モル%、
更に好ましくは15〜50モル%、及び脂肪族グリコー
ルから構成される。一般式(1)で表される主鎖及び側
鎖に芳香環を有するジヒドロキシ化合物の組成が、5モ
ル%未満では得られるポリエステルディスク基板の複屈
折の値が大きくなり好ましくない。一方、95モル%以
上になると、ポリマーの製造時に重合反応が進まなかっ
たり、十分な重合度に到達しない、或は透明性が不十分
なものしか得られないと言う問題が生じ好ましくない。
【0012】本発明において、脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール,1,3−プロパンジオール,
1,2−プロパンジオール,1,4−ブタンジオール,
1,3−ブタンジオール,1,2−ブタンジオール,
1,5−ペンタンジオール,1,4−ペンタンジオー
ル,1,3−ペンタンジオールなどのジオール類、シク
ロヘキサンジメタノール,シクロペンタンジメタノール
等の脂環族ジメタノール類が挙げられるが、中でもエチ
レングリコール,1,4−ブタンジオールが好ましく、
特にエチレングリコールが最も好ましい。また、これら
は単独でもよく、また2種以上を組み合わせて用いても
よい。また、上記組成を満足するならば、一般式(1)
で表される主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒドロキシ
化合物以外に、他のジヒドロキシ化合物、例えば1,1
−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−プロパ
ン,1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)
−スルホン,1,4−シクロヘキサンジオール,或は
4,4′−ビフェノール,ジヒドロキシナフタレン,
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、
などのエステル形成性誘導体等、少なくとも1種以上を
少量併用することが出来る。
【0013】本発明のナフタレンジカルボン酸を主成分
とするジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
と、一般式(1)で表される主鎖及び側鎖に芳香環を有
するジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコールとからな
るポリエステル樹脂は、例えばエステル交換法,直接重
合法,或は界面重合法,溶液重合法等の公知の方法から
適宜選択して製造できる。またその際の重合触媒につい
ても、例えば、三酸化アンチモン,酸化ゲルマニウム,
チタン酸エステル等のよく知られた化合物が使用するこ
とができる。なお、本発明品は光学的用途に用いられる
ので、塵埃などの異物の混入を避けねばならない。例え
ば、原料およびその投入工程を始め、重合反応、そのポ
リマーを冷媒中に押し出して、ペレット状またはシート
状にする工程、それを乾燥し成型する工程では、塵埃な
どが入り込まない様にしたり、フイルターで濾過する等
の配慮が必要である。このクリーン度は、通常コンパク
トディスクの場合には1000以下であり、さらに高度
な情報記録の場合には100以下とすることが望まし
い。
【0014】本発明のディスク基板を製造する際、ポリ
マー重合度も製品の品質にとって重要な要件の一つであ
るが、一般的樹脂の用途に比べて低めが適しており、極
限粘度で0.4以上0.8以下がよく適合し、更に0.
45以上0.7以下が好適な場合が多い。この粘度が
0.4未満であると、成形品の強度が不十分で脆くな
る。また、0.8を越えると、分子配向しやすくなり、
射出成形が困難であったり、成形品の複屈折が大きくな
る等問題に成ることが多い。一般的に光ディスク基板材
料の耐熱性は90℃以上、好ましくは100℃以上が要
望されているが、本発明の芳香族ポリエステル共重合体
は、組成によって異なるが少なくとも110℃以上のガ
ラス転移温度を有しており、目的用途によっては、12
0℃以上のポリマーを得ることが容易であり、優れた耐
熱性を有するため極めて光ディスク基板に適合した材料
であると言える。ディスクの成形は一般に用いられてい
る成形機が使用できるが中でも射出圧縮成形機が好適で
あり、射出圧縮成形条件は特に金型温度とポリマー溶融
温度が重要である。ポリマー組成及び成形条件により一
概に規定できないが、金型表面温度は20℃以上100
℃以下が好ましく、またこの時のポリマーの温度は25
0℃以上310℃以下となるようにするのがよい。金型
表面温度が20℃以下およびポリマーの温度が250℃
以下の場合は、ポリマーの流動性,転写性共に悪く、射
出成型時の応力歪が残って、複屈折が大きくなる傾向が
あり、成型サイクル時間が伸びて経済的ではない。また
金型表面温度が100℃以上では転写性はよいが離型時
に変形し易い。またポリマーの温度が310℃以上の場
合には樹脂の分解が起こり易く、強度低下及び着色など
の物性低下が起こり好ましくない場合が多い。
【0015】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の芳香族ポリエ
ステル共重合体からなる光ディスク基板は、透明性,耐
熱性,寸法安定性に優れ、且つ複屈折が小さい産業的に
有用なものである。
【0016】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例中「部」とあるは重量部を、「%」は重量%
を意味する。また実施例におけるポリマーの極限粘度,
ガラス転移温度,複屈折及び光線透過率は次に示す測定
法によって測定した。 (1)ポリマーの極限粘度 フェノールとテトラクロルエタンとの混合溶媒(混合比
60:40)を用い、80℃にて溶解後、20℃恒温槽
中にて測定した。 (2)ポリマーのガラス転移温度 示差走査熱量計(理学電気、DSC−8230)に試料
約10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加熱
して求めた。 (3)複屈折 射出圧縮成形機にて成型した厚さ1.2mm,直径12
0mmのディスクの中心から半径方向の50mmの位置
のレターデーションを、カールツアイス社製偏光顕微鏡
にて546nmの単色光源で測定した。 (4)光線透過率 ディスク基板サンプルを波長400〜900nmの範囲
でUV分光光度計にて測定し820nmでの結果を示し
た。
【0017】実施例1 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル100部と、
エチレングリコール64部および触媒である酢酸カルシ
ウム0.1部を攪拌機付き反応槽に投入し、混合しなが
ら常法に従って220℃から240℃に加熱してエステ
ル交換反応を行った。所定のメタノールを系外へ抜き出
したのち、重合触媒である酸化ゲルマニウム0.03部
と、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−フェニ
ル)−フェニル−エタン39部を反応槽に投入し、昇温
と真空引きを徐々に行いながら、発生するエチレングリ
コールを系外へ流出せしめ、更に温度280℃で、真空
度1mmHg以下に到達後引き続きこの条件を維持して
粘度の上昇を待ち、攪拌機の所定トルクに達した時点で
反応を終了し、水中に押しだしてペレットを得た。この
ペレットを真空加熱乾燥し水分率を0.005%とした
後、金型温度を40℃、ポリマー温度を290℃となる
ようにヒーターを調節し、射出圧縮成形機(ダイナメル
タ、M−25A II−D−DM)にてディスクを成型し
た。このディスクの極限粘度は0.60、ガラス転移温
度は122℃、レターデーションは16nm、光線透過
率は91%と優れた光学特性を有していた。
【0018】実施例2 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル110部、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−フェニル)−
1,1−ジフェニル−メタン50部、エチレングリコー
ル65部、酢酸亜鉛0.08部,酸化ゲルマニウム0.
04部を反応釜に投入し、実施例1と同様にエステル交
換反応をし、次いで重合反応を行いポリエステル共重合
体ペレットを得た。次いで乾燥後、実施例1と同様にし
て円形のディスク基板を成型した。このディスクの極限
粘度は0.59、ガラス転移温度は125℃、レターデ
ーションは13nm、光線透過率は91%と優れた光学
特性を有していた。
【0019】比較例1 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル110部、エ
チレングリコール65部,酢酸カルシウム0.08部,
酸化ゲルマニウム0.04部を実施例1と同様に重合反
応し、得られたポリエチレンナフタレートを用いディス
ク基板を成形した。このディスクの極限粘度は0.5
8、ガラス転移温度は120℃、光透過率は88%であ
ったが、レターデーションが80と大きく光学特性が著
しく劣っていた。
【0020】実施例3 原料の組成比を変えた以外は実施例1及び2と同様にし
て、重縮合し次いでディスク基板を成型し諸物性を測定
した結果を表1に示す。同表で明らかなように、本発明
外品(No.1)は複屈折を示すレターデーションが大
きく、製品とした後の光ディスクシステムにおいて、シ
グナルノイズが多く、エラーの原因となり採用できなか
った。しかし、本発明のものは何れも透明性が良く、レ
ターデーション値が小さく、耐熱性に優れた光ディスク
基板であることが解る。
【0021】
【表1】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸を主成分とする
    ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、一般式
    (1) 【化1】 (ただし式中R1 は炭素数が2から4までのアルキレン
    基、R2 は水素又は炭素原子数が1から7のアルキル
    基,アリル基,アラルキル基、R3 及びR4 は水素又
    は、炭素原子数1〜4のアルキル基を表しこれらは同じ
    であっても異なっていてもよい。R5 は水素,炭素原子
    数1〜3のアルキル基、l,m,nは1又は2の整数を
    表す。)で表される主鎖及び側鎖に芳香環を有するジヒ
    ドロキシ化合物と、炭素原子数が2から4の脂肪族グリ
    コールからなる実質的に線状の芳香族ポリエステル共重
    合体。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表される主鎖及び側鎖に
    芳香環を有するジヒドロキシ化合物が1,1−ビス(4
    −ヒドロキシエトキシフェニル)1−フェニル−エタ
    ン、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)
    −1,1−ジフェニル−メタンである請求項1記載のポ
    リエステル共重合体。
  3. 【請求項3】 ナフタレンジカルボン酸が、2,6−ナ
    フタレンジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体
    である請求項1記載のポリエステル共重合体。
  4. 【請求項4】 ナフタレンジカルボン酸を主成分とする
    ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体と、脂肪族
    グリコールを主成分とするジオキシ化合物とを触媒の存
    在下で加熱して、エステル化反応又はエステル交換反応
    を行う工程に於て、反応前,反応中或は反応完了後の任
    意の段階で、下記一般式(1)で表される主鎖及び側鎖
    に芳香環を有するジヒドロキシ化合物を添加混合し、次
    いで更に温度を上げながら徐々に減圧し、高真空,加熱
    条件の下で重合縮合せしめて芳香族ポリエステル共重合
    体を得、このポリエステルポリマーを用い、円盤状に射
    出成形することを特徴とするポリエステル共重合体の製
    造方法。 【化2】 (ただし式中R1 〜R5 及び l,m,nは前記と同じ)
JP4326112A 1992-11-10 1992-11-10 ポリエステル共重合体及びその製造方法 Pending JPH06145320A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2016002607A1 (ja) * 2014-06-30 2016-01-07 本州化学工業株式会社 新規なビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)ジフェニルメタン類
JP2019077672A (ja) * 2017-10-25 2019-05-23 田岡化学工業株式会社 ナフタレン骨格を有するビスアリールアルコール類及びその製造方法

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