JPH05170879A - ポリエステルディスク基板及びその製造法 - Google Patents

ポリエステルディスク基板及びその製造法

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JPH05170879A
JPH05170879A JP3357553A JP35755391A JPH05170879A JP H05170879 A JPH05170879 A JP H05170879A JP 3357553 A JP3357553 A JP 3357553A JP 35755391 A JP35755391 A JP 35755391A JP H05170879 A JPH05170879 A JP H05170879A
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JP
Japan
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dihydroxy compound
general formula
bis
compound represented
carbon atoms
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Application number
JP3357553A
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English (en)
Inventor
Kenji Yao
健二 八百
Mitsuhisa Igarashi
光永 五十嵐
Toshihiro Kushimoto
俊弘 久志本
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸又はそ
のエステル形成性誘導体と、一般式(1) 【化1】 (R1 は炭素数が2から4までのアルキレン基、R2
3 とR5 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル
基、R4 は直接結合又は炭素数が1から5までのアルキ
レン基を表す。また、n1 ,n2 ,n3 は1または2の
整数である。)で表される、主鎖に2つの芳香環と脂肪
族環を有するジヒドロキシ化合物と、一般式(2) 【化2】 (R6 は炭素数が2から4までのアルキレン基、R7
8 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル基、Y
はイオウを含む基を表す。またn4 ,n5 は1または2
の整数である。)で表わされる主鎖に芳香族環とイオウ
を有するジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコールから
なる、ガラス転移温度が90℃以上の芳香族ポリエステ
ルによるディスク基板。 【効果】 複屈折が小さく、透明性が良く、成形性,寸
法安定性に優れ、Tgが90℃以上の、経済的に有利な
ポリエステルディスク基板を供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー光を利用して
大容量の情報を記録,再生する光ディスク用の基板に係
り、光学的には複屈折が小さく、透明性に優れ、また耐
熱性においては90℃以上のガラス転移温度を有し、成
形性が良く、情報の記録、再生に好適で、経済的な透明
性ポリエステルディスク基板に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザー光を用いて大容量の音声,画
像、文字等の情報を記録,再生する光ディスクは近年急
速に用途が拡大している。光ディスクの情報の記録方法
は、ディスク基板に直接ピットと呼ばれる幅,厚さがサ
ブミクロンの小孔を成形するものと、基板上に記録材を
塗布し、その色変化や相変化を用いるものとの2種類に
大分できるが、いずれの場合も基板には良好な成形性,
寸法安定性,高い耐熱性,そして低複屈折性が要求され
る。従来このような光ディスク基板としては、ポリカー
ボネート(PC)、ポリメチルメタアクリレート(PM
MA)、非晶性ポリオレフィン(APO)等のプラスチ
ック材料が使用されている。また、特殊な芳香族ポリエ
ステル共重合樹脂(特開昭57−208645号公報、
特開平1−138225号公報、特開平2−98845
号公報、同2−38428号公報)が提案されている。
【0003】しかし、PCは耐熱性には優れるが、流動
性,成形性が悪く複屈折が小さくない。また、PMMA
は複屈折,透明性において優れているが、吸湿性が高い
ため寸法安定性が悪いという欠点がある。更に、APO
は複屈折が小さく、透明性,耐熱性,寸法安定性におい
ても優れているが、極めて高価である。一方、芳香族ポ
リエステル共重合樹脂を提案した特開昭57−2086
45号公報,特開平1−138225号公報,特開平2
−98845号公報,同2−38428号公報等による
ものは、複屈折が不十分であったり耐熱性が 不足して
いたり、高価な原料を用いていたり、ポリマーの重合が
困難であったりして、必ずしも満足できるものではな
い。従って、低複屈折で、透明性が良く、耐熱性,成形
性,寸法安定性に優れ、経済的に有利な光ディスク基板
の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、既存
のディスク基板の有する上述の諸問題点に鑑み研究を続
けた結果本発明を完成したものであって、その目的とす
るところは、低複屈折で、透明性が良く、成形性,寸法
安定性に優れ、ガラス転移温度が90℃以上の、経済的
に有利な光ディスク基板を提供するにある。本発明の他
の目的並びに効果は以下の説明から明らかにされよう。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上述の目的は、テレフ
タル酸及び/又はイソフタル酸又はそのエステル形成性
誘導体と、一般式(1)
【化3】 (R1 は炭素数が2から4までのアルキレン基、R2
3 とR5 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル
基、R4 は直接結合又は炭素数が1から5までのアルキ
レン基を表す。また、n1 ,n2 ,n3 は1から4まで
の整数である。)で表される主鎖に芳香族環と脂肪族環
を有するジヒドロキシ化合物と、一般式(2)
【化4】 (R6 は炭素数が2から4までのアルキレン基、R7
8 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル基、Y
はイオウを含む基を表す。又、n4 ,n5 は1または2
の整数である。)で表される主鎖に芳香族環とイオウを
持つジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコールからなる
芳香族ポリエステルを射出成形して製造したディスク基
板により達成される。
【0006】また上述のディスク基板は、テレフタル酸
及び/又はイソフタル酸又はそのエステル形成性誘導体
と、一般式(1)で表される主鎖に芳香族環と脂肪族環
を持つジヒドロキシ化合物と、一般式(2)で表される
主鎖に芳香族環とイオウを持つジヒドロキシ化合物と、
脂肪族グリコールを、触媒の存在下で加熱攪拌し、エス
テル化反応又はエステル交換反応し、低縮合物の溶融混
合物を得、次いで更に温度を上げ、高真空の下で特定の
粘度に重合反応させたポリマーを用い、射出成形する製
造法により得られる。
【0007】本発明において、テレフタル酸及び/又は
イソフタル酸又はそのエステル成形性誘導体を用いる
が、イソフタル酸の比率が0.5以下の範囲の場合に良
好な射出成形ができ、0.2以下の範囲がより好まし
い。この比率が0.5よりも大きくなると、ガラス転移
温度が低下し、成形時にバリが出やすく分留まりが低下
し、寸法安定性も悪くなる。
【0008】本発明において、一般式(1)で表される
主鎖に芳香族環と脂肪族環を有するジヒドロキシ化合物
としては、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェ
ニル)シクロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ
エトキシフェニル)シクロブタン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシエトキシフェニル)シクロペンタン、1,1
−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)シクロヘキ
サン、1,1−ビス(4−ヒドロキシプロポキシフェニ
ル)シクロヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシブ
トキシフェニル)シクロオクタン等の如き1,1−ビス
(4−ヒドロキシアルコキシフェニル)シクロアルカン
類,
【0009】1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフ
ェニル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1−(4−
ヒドロキシブトキシフェニル)−3−エチルシクロヘプ
タン等の如き1,1−ビス(4−ヒドロキシアルコキシ
フェニル)モノアルキルシクロアルカン類、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−4,4−ジメ
チルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシブ
トキシフェニル)−3,5−ジエチルシクロヘプタン等
の如き1,1−ビス(4−ヒドキシアルコキシフェニ
ル)ジアルキルシクロアルカン類、1,1−ビス(4−
ヒドロキシエトキシフェニル)−4,4,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシブト
キシフェニル)−3,4,5−トリプロピルシクロヘプ
タン等の如き1,1−ビス(4−ヒドロキシアルコキシ
フェニル)トリアルキルシクロアルカン類、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−4,4,5,
5−テトラメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−
ヒドロキシブトキシフェニル)−3,4,5,6−テト
ラブチルシクロヘプタン等の如き1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシアルコキシフェニル)テトラアルキルシクロア
ルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3
−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシエトキシ−3−メチルフェニル)−4,4
−ジメチルシクロヘキサン等の如き1,1−ビス(4−
ヒドロキシアルコキシ−モノアルキルフェニル)シクロ
アルカン類及び1,1−ビス(4−ヒドロキシアルコキ
シ−モノアルキルフェニル)アルキルシクロアルカン
類、1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−
ジメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−
4,4−ジメチルシクロヘキサン等の如き1,1−ビス
(4−ヒドロキシアルコキシ−ジアルキルフェニル)シ
クロアルカン類及び1,1−ビス(4−ヒドロキシアル
コキシキ−ジアルキルフェニル)アルキルシクロアルカ
ン類が挙げられるが、1,1−ビス(4−ヒドロキシア
ルコキシフェニル)シクロアルカン類が良く、特に1,
1−ビス(ヒドロキシエトキシフェニル)シクロヘキサ
ンが好ましい。
【0010】また、これらは単独でも良く、必要に応じ
て2種以上を組み合わせて用いても良い。本発明におい
て、一般式(2)で表される主鎖に芳香族環とイオウを
有するジヒドロキシ化合物としては、ビス(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)スルフォン、ビス(4−ヒドロ
キシエトキシフェニル)ジスルフォン、ビス(4−ヒド
ロキシエトキシフェニル)ジスルフォキシド、ビス(4
−ヒドロキシエトキシフェニル)スルファイド、ビス
(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)スルフォン、ビ
ス(4−ヒドロキシブトキシフェニル)スルフォン等の
如きビス(4−ヒドロキシアルコキシフェニル)硫化物
類、ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−メチルフェニ
ル)スルフォン、ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3−
エチルフェニル)ジスルフォン、ビス(4−ヒドロキシ
エトキシ−5−プロピルフェニル)ジスルフォキシド等
の如きビス(4−ヒドロキシアルコキシモノアルキルフ
ェニル)硫化物類、ビス(4−ヒドロキシエトキシ−
3,5−ジメチルフェニル)スルフォン、ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシ−3−メチル−5−ブチルフェニル)
スルフォン等の如きビス(4−ヒドロキシアルコキシジ
メチルフェニル)硫化物等が挙げられるが、特にビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォンが好ま
しい。またこれらは単独でも良く、2種類以上を組み合
わせて用いても良い。
【0011】本発明において脂肪族グリコールとして
は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、
1,3−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール
等の如きアルキルグリコール、シクロヘキサンジメタノ
ール、シクロペンタンジメタノール等の如き脂肪族単環
ジメタノール類が挙げられるが、特にエチレングリコー
ルが好ましい。また、これらは単独でも良く、2種以上
を組み合わせて用いても良い。
【0012】本発明において、一般式(1)で表される
主鎖に芳香族環と脂肪族環を有するジヒドロキシ化合物
と、一般式(2)で表される主鎖に芳香族環とイオウを
有するジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコールの組成
比については、一般式(3)、(4)、(5)、(6) 0.05≦x≦0.45 (3) 0.05≦y≦0.45 (4) 0.1≦(x+y)≦0.5 (5) x+y+z=1 (6) (x,y,zはそれぞれ一般式(1),一般式(2)で
表されるジヒドロキシ化合物と脂肪族グリコールの合計
モノマー単位の比率を表す。)で示される範囲であるこ
とが必要である。一般式(1)で表されるジヒドロキシ
化合物の組成(x)が0.05未満では、得られるポリ
エステルディスク基板の複屈折が大きくなる。また、一
般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物の組成(y)
が0.05未満になると、ガラス転移温度が低下し、耐
熱性が不十分になる。一方、一般式(1)で表されるジ
ヒドロキシ化合物と、一般式(2)で表されるジヒドロ
キシ化合物の合計の比率が0.5を越えると、ポリマー
の重合が困難になり、十分な重合度に到達しない。
【0013】また、テレフタル酸及び/又はイソフタル
酸又はそのエステル形成性誘導体と、一般式(1)で表
されるジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコールからな
るポリエステルポリマーを、射出成形して製造したディ
スク基板の複屈折はかなり小さいが、ガラス転移温度が
低く、耐熱性が不足である。一方、テレフタル酸及び/
又はイソフタル酸又はそのエステル成形性誘導体と、一
般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と、脂肪族グ
リコールからなるポリエステルポリマーを射出成形して
製造したディスク基板は、耐熱性は良いが、複屈折はあ
まり小さくない。ところが、テレフタル酸及び/又はイ
ソフタル酸又はそのエステル成形性誘導体と、一般式
(1)で表されるジヒドロキシ化合物と、一般式(2)
で表されるジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコールか
らなるポリエステルポリマーを射出成形して製造したデ
ィスク基板は、ガラス転移温度が高く、更に驚くべきこ
とに、一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物を含
まない場合と比べて、複屈折が大きく低減する。
【0014】本発明において、テレフタル酸及び/又は
イソフタル酸又はそのエステル成形性誘導体と、一般式
(1)で表される主鎖に芳香族環と脂肪族環を有するジ
ヒドロキシ化合物と、一般式(2)で表される主鎖に芳
香族環とイオウを有するジヒドロキシ化合物と脂肪族グ
リコールを用いるが、これらの他に必要に応じてこれら
以外の成分、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカ
ルボン酸類、シクロヘキサンジカルボン酸、水素化−
3,7−ジカルボン酸ジフェニレンオキサイド等の脂肪
族ジカルボン酸類又はそのエステル成形性誘導体、ま
た、4,4′−ビフェノール、ジヒドロキシナフタレン
類、ビスフェノールフルオレン類等の芳香族ジオール類
又はその誘導体、シクロヘキサンジメタノール、水素化
−3,7−ジヒドロキシジフェニレンオキサイド等の脂
肪族ジオール類又はその誘導体、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)−
1,1−ジフェニルエタン等の主鎖及び側鎖に芳香族環
を含むジヒドロキシ化合物等を添加,重合しても良い。
【0015】本発明のテレフタル酸及び/又はイソフタ
ル酸又はそのエステル成形性誘導体と、一般式(1)で
表される主鎖に芳香族環と脂肪族環を有するジヒドロキ
シ化合物と、一般式(2)で表される主鎖に芳香族環と
硫黄を有するジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコール
からなるポリエステル樹脂は、例えば、エステル交換
法,直接重合法等の公知の方法から適宜の方法を選択し
て製造すればよい。また、その際の重合温度,時間,触
媒等の反応条件についても従来通りで良く、公知の方法
を用いることができる。エステル交換触媒については、
酢酸カルシウム,酢酸亜鉛,酢酸マンガン等、重合触媒
については、三酸化アンチモン,酸化ゲルマニウム,チ
タン酸エステル等のよく知られた化合物が挙げられる。
また、残留触媒によるポリマーの着色を防ぐためにトリ
アルキルリン酸エステルを微量加えても良い。
【0016】なお、本発明品の用途は光ディスク基板で
あり、極めて高度な光学特性が要求されるので、塵埃等
の異物の混入を避けなければならない。すなわち、原料
及びその投入工程を始め、重合反応、そのポリマーを冷
媒中に押し出して、ペレット又はシート状にする工程、
それを乾燥し、射出成形する工程では、塵埃の混入を防
ぐ必要がある。このクリーン度はコンパクトディスクの
場合には1000以下であり、更に高度な情報記録用デ
ィスクの場合には100以下である。本発明のディスク
基板用ポリマーの重合度も製品の品質にとって重要であ
るが、一般的な樹脂の用途に比べて低めが適している。
極限粘度で見ると、0.4以上0.8以下の範囲である
が、0.5以上0.7以下がより好ましい。この粘度が
0.4未満であると、成形品の強度が不十分で脆くな
る。また、0.8を越えると、射出成形が困難となる。
ディスクの成形は、通常射出成形により行うが、成形条
件では特に金型表面温度とポリマー溶融温度が重要であ
る。ポリマーの組成により、一概に規定できないが、金
型表面温度は40℃以上100℃以下とし、ポリマー溶
融温度は250以上330以下となるようにする。
【0017】
【発明の効果】以上の方法によって、複屈折が小さく、
透明性が良く、成形性,寸法安定性に優れ、Tgが90
℃以上の、経済的に有利なポリエステルディスク基板を
供給できる。
【0018】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例中「部」とあるは「重量部」を意味する。ま
た実施例におけるポリマーの極限粘度,ガラス転移温
度,成形ディスクの複屈折,光線透過率は次に示す方法
によって測定した。 (1)ポリマーの極限粘度 フェノールとテトラクロルエタンとの混合溶媒(混合比
60:40)を用い、80℃にて溶解後、20℃恒温漕
中にて測定した。 (2)ポリマーのガラス転移温度 示差走査熱量計(理学電機製DSC−8230)に、試
料約10mgを用いて、10℃/minの昇温速度で加
熱して、室温から300℃の範囲で測定を行った。
【0019】(3)ディスクの複屈折 射出成形により成形した厚さ1.2mm、直径120m
mのディスクの中心から半径方向に50mmの位置のレ
ターデーションを、ブレースケーラー式コンペンセータ
ーを装着した偏光顕微鏡(カールツァイス社製AXIO
PLAN)にて、546nmの単色光源で測定した。 (4)ディスクの光線透過率 複屈折を測定したのと同じ位置について、波長400〜
900nmの範囲で自記分光高度計(日立製U−340
0)にて測定し、820nmでの結果を示した。
【0020】実施例1 テレフタル酸ジメチル100部、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)シクロヘキサン18部、ビ
ス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォン9
部、及びエチレングリコール70部を原料とし、触媒と
しては酢酸カルシウム0.1部を用い、これらを反応槽
に投入し、攪拌しながら、常法に従って190℃から2
40℃に徐々に加熱してエステル交換を行った。所定量
のメタノールを系外へ抜き出した後、重合触媒である酸
化ゲルマニウム0.03部と、残留酢酸カルシウムによ
る着色を防ぐためのリン酸トリエチル0.8部を投入し
て、昇温と真空引きを徐々に行い、発生するエチレング
リコールを抜きながら、加熱槽温度を280℃、圧力を
1Torr以下に到達させる。この条件を維持し、粘度
の上昇を待ち、攪拌機にかかるトルクが所定の値に達し
た時点で反応を終了し、水中に押し出してペレットを得
た。
【0021】このポリマーの極限粘度は0.54、ガラ
ス転移温度は91℃であった。また、このペレットを真
空加熱乾燥し、水分率を0.005%以下にした後、金
型温度を60℃、ポリマー温度を280℃になるように
調節し、射出成形機(ダイナメルタ製M−25A II−
D−DM)にて所定のサイズのディスクを成形した。こ
のディスクのレターデーションは19nm、光線透過率
は92%であった。
【0022】実施例2 原料としてテレフタル酸ジメチル100部、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)シクロヘキサン
72部、ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)スル
フォン9部、及びエチレングリコール61部を用い、実
施例1と同様の方法でペレットを得た。このポリマーの
極限粘度は0.58、ガラス転移温度は97℃であっ
た。また、金型温度65℃、ポリマー温度290℃で射
出成形し、得られたディスクのレターデーションは15
nm、光線透過率は92%であった。
【0023】実施例3〜8、比較例1〜6 原料の組成を変えた他は実施例1と同様にしてペレット
を得た後、金型温度60〜80℃、ポリマー温度280
〜300℃で射出成形を行った結果を表1に示す。表1
から比較例1では、レターデーションが大きくなる。こ
れは、製品とした後の信号読み取り、情報書き込み時に
生じるノイズの原因となるため好ましくない。更にガラ
ス転移温度も低くなり耐熱性が悪くなる。比較例2〜3
では、ガラス転移温度は90℃以上であるが、レターデ
ーションが大きくなる。比較例4では、ガラス転移温度
が90℃以下になり、レターデーションも大きく、好ま
しくない。比較例5では、ガラス転移温度は90℃以上
になるが、レターデーションが大きい。比較例6では、
ポリマーの製造において重合反応が進行せず、反応時間
を3倍に伸ばしたが、粘度の上昇が全く見られず、ペレ
ットを得ることができなかった。以上の実施例と比較例
から明らかなように、本発明の光ディスク基板は、複屈
折が小さく、透明性がよく、成形性に優れ、90℃以上
のガラス転移温度である耐熱性の高い、経済的に有利な
光ディスクであることがわかる。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:34 4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸又
    はそのエステル形成性誘導体と、一般式(1) 【化1】 (R1 は炭素数が2から4までのアルキレン基、R2
    3 とR5 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル
    基、R4 は直接結合又は炭素数が1から5までのアルキ
    レン基を表す。また、n1 ,n2 ,n3 は1または2の
    整数である。)で表される、主鎖に2つの芳香環と脂肪
    族環を有するジヒドロキシ化合物と、一般式(2) 【化2】 (R6 は炭素数が2から4までのアルキレン基、R7
    8 は水素又は炭素数が1から7までのアルキル基、Y
    はイオウを含む基を表す。またn4 ,n5 は1または2
    の整数である。)で表わされる主鎖に芳香族環とイオウ
    を有するジヒドロキシ化合物と、脂肪族グリコールから
    なる、ガラス転移温度が90℃以上の芳香族ポリエステ
    ルによるディスク基板。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるジヒドロキシ化
    合物と一般式(2)で表されるジヒドロキシ化合物と脂
    肪族グリコールの組成比が、一般式(3)、(4)、
    (5)、(6) 0.05≦x≦0.5 (3) 0.05≦y≦0.5 (4) 0.1≦(x+y)≦0.5 (5) x+y+z=1 (6) (x,y,zはそれぞれ一般式(1),(2)で表され
    るジヒドロキシ化合物、脂肪族グリコールの合計モノマ
    ー単位あたりの比率を表す。)の範囲である請求項1に
    記載のポリエステルディスク基板。
  3. 【請求項3】 テレフタル酸及び/又はイソフタル酸又
    はそのエステル形成性誘導体と、一般式(1)で表され
    るジヒドロキシ化合物と、一般式(2)で表されるジヒ
    ドロキシ化合物と、脂肪族グリコールとを加熱攪拌し
    て、エステル化反応又はエステル交換反応させて低縮合
    物の溶融混合物を得、次いで更に温度を上げ、触媒存在
    下、高真空のもとで重合反応させたポリエステルを用
    い、射出成形することを特徴とするポリエステルディス
    ク基板の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH08100053A (ja) * 1994-08-05 1996-04-16 Kanebo Ltd ポリエステル重合体及びその成形体
KR20210019893A (ko) * 2019-08-13 2021-02-23 주식회사 엘지화학 폴리에스터 및 이를 포함한 광학 소자

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