JP2865908B2 - 透明性ポリエステルディスク基板 - Google Patents
透明性ポリエステルディスク基板Info
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- Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
Description
を記録・再生する光ディスクの基板に係り、更に詳細に
は複屈折が小さく、透明性で寸法・形態安定性に優れた
透明性ポリエステルディスク基板に関する。
微細な信号を検出し、音声、画像、情報を記録・再生す
る光ディスクは、近年急速に用途が拡大している。この
光ディスク基板上の記録はサブミクロンの精度及びその
寸法安定性、更に保存安定性がよいこと等が必要であ
る。また、光学特性として、基板の透明性がよいこと及
び複屈折が小さいことが必要である。このためこれらの
製品はかなり高額なものとなっているのが現状である。
従来、このような光ディスク基板としては、ポリメチル
メタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(P
C)、非晶性ポリオレフィン(APO)などの透明性プ
ラスチック材料が使用されている。また、特殊な芳香族
ポリエステル共重合樹脂(特開昭57−208645号
公報、特開平2−98845号公報、同2−38428
号公報)が提案されている。
特性を示すが、吸湿性が大きくディスクが空気中の水分
を吸収してソリがでやすく、寸法安定性がよくない。ま
た、PCは吸湿性は低いソリは出ないが、流動性が悪
く、成形性が困難という問題があり、複屈折が小さくな
い。また、製造過程においては危険性の大きなホスゲン
を用いている。さらに、APOはすぐれた光学特性であ
るが、極めて高価である。一方、芳香族ポリエステル共
重合樹脂からなる光ディスクを開示した特開昭57−2
08645号公報、特開平2−98845号公報、同2
−38428号公報によるものは、光学特性が不十分で
あったり、高価な原料を用いたりして、必ずしも満足で
きるのではない。また、特開平1−99001号公報に
おける製法では溶媒を用いる為に重合反応後の精製が必
要であり高価な製造法となっている。すなわち、吸水性
及び複屈折が小さく、流動性及び透明性がよく、経済的
に有利な光ディスク基板の開発が望まれている。
諸問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を
有するポリエステルポリマーを成型すると優れたディス
ク基板が得られることを見出し、本発明を完成したもの
であって、その目的とするところは、吸水性及び複屈折
が小さく、流動性及び透明性がよく、寸法・形態安定性
に優れた経済的なディスク基板を提供するにある。本発
明の他の目的並びに効果は以下の説明から明らかにされ
よう。
タル酸および/又はイソフタル酸よりなるジカルボン酸
及び/又はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリ
コール及び側鎖に芳香族を有する脂肪族ジオール類とか
らなるポリエステルディスク基板により達成される。
はイソフタル酸よりなるジカルボン酸及び/またはその
エステル形成性誘導体を用いるが、テレフタル酸成分に
対してイソフタル酸成分の比率は、0.5以下の範囲の
場合に良好な射出成形ができるが、より好ましくは0.
3以下の範囲である。この比率が0.5よりも大きい場
合には、成形時にバリが出やすく、歩留まり低下など成
形性がよくない。
鎖に芳香族を有する脂肪族ジオール類とからなる混合物
において、エチレングリコールに対する側鎖に芳香族を
有する脂肪族ジオール類の比率は、0.05以上0.4
以下の範囲の場合に良好なディスク基板ができ、より好
ましくは0.1以上0.3以下の範囲である。すなわ
ち、この比率が0.05よりも小さい場合には、成形体
の複屈折が大きく好ましくない。また、0.4より大き
い場合には原料から溶融重合にてポリマーを得る過程に
て、反応速度低下が発生し、実用的な製造が困難とな
る。
族グリコール類としては、1−フェニル−1,2−エタ
ンジオール、2−フェニル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−2−フェニル−1,3−プロパンジオ
ール、2−エチル−2−フェニル−1,3−プロパンジ
オール、2−メチル−2−フェニル−1,4−ブタンジ
オール等があげられるが、特に、1−フェニル−1,2
−エタンジオールが、耐熱性及び反応性の点から好まし
い。
ル酸よりなるジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導
体と、エチレングリコール及び側鎖に芳香族を有する脂
肪族ジオール類のほかに、必要に応じて第三成分、たと
えば、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環
族ジカルボン酸等のジカルボン酸、また芳香族ジオー
ル、脂肪族ジオール、脂環族ジオール等のジオールなど
を、上記目的を本質的に変えない程度に添加又は重合し
てもよい。
および/又はイソフタル酸よりなるジカルボン酸及び/
又はそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコール
及び側鎖に芳香族を有する脂肪族ジオール類とを混合
し、加熱攪拌して、エステル化反応またはエステル交換
反応させて、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート
及び/または低縮合物の溶融混合物を得、次いで重合触
媒の存在下に温度を上げて高真空とし極限粘度を0.4
以上0.8以下の範囲まで重合反応させることで得られ
る。上記重合段階での反応条件は公知のものでよいが、
側鎖に芳香族を有する脂肪族ジオール類の分解反応が併
発しやすいので、実施例で示すように、例えばエステル
交換反応ではポリマーの温度を230℃以下とし、重縮
合反応での温度は260℃以下に低く抑えて、長時間反
応とすることが好ましい。また、重合触媒については有
機チタン化合物、ゲルマニウム化合物等公知のものを用
いることができる。
合反応、そのポリマーを冷媒中に押し出してペレット状
にする工程、それを乾燥し射出成形する工程では、塵埃
などが入り込まない様にして、特に成形する工程ではク
リーンルーム内で行なうことが必要である。このクリー
ン度はコンパクトディスクの場合には1000以下であ
り、さらに高度な情報記録の場合には100以下であ
る。
うが、その条件では、特に金型表面温度とポリマー温度
とが重要である。ポリマーの組成にもより一概に規定で
きないが、金型表面温度は通常20℃以上70℃以下で
あるが、より好ましくは30℃以上60℃以下である。
またこの時のポリマー温度は220℃以上300以下で
あるが、より好ましいポリマー温度は240℃以上29
5℃以下であるようにするのがよい。金型表面温度が2
0℃以下およびポリマーの温度が220℃以下の場合
は、ポリマーの流動性、転写性共に悪く、射出成形時の
応力歪が残って、複屈折が大きくなる傾向があり、成型
サイクル時間が伸びて経済的ではない。金型表面温度が
70℃以上では転写性はよいが離型時に変形し易い、ま
たポリマーの温度が300℃以上の場合には樹脂の分解
が起こり易く、強度低下及び着色などの物性低下が起こ
る。好ましいポリマーの温度は240℃以上295℃以
下である。
屈折が小さくて、成形性のよいポリエステルディスク基
板を供給できる。以下実施例を挙げて本発明を具体的に
説明する。実施例中「部」とあるは重量部を、「%」は
重量%を意味する。また実施例におけるポリマーの極限
粘度、ガラス転移温度、複屈折及び光線透過率は次に示
す測定法によって測定した。
60:40)を用い、80℃にて溶解後、20恒温槽中
にて測定した。 (2)ポリマーのガラス転移温度 示差走査熱量計(理学電気,DSC−8230)に試料
約10mgを用いて、10℃/min.の昇温速度で加
熱して求めた。 (3)複屈折 射出成形機にて成形した厚さ1.2mm、直径120m
mのディスクの中心から半径方向の60mmの位置のレ
ターデーションを、偏光顕微鏡(セナルモン型コンペン
セーターを装着)にて546nmの単色光源で測定し
た。 (4)光線透過率 ディスク基板サンプルを波長400〜900nmの範囲
でUV分光光度計にて測定し820nmでの結果を示し
た。
ル110部および1−フェニル−1、2−エタンジオー
ル30部と触媒である酢酸カルシウム0.3部を攪拌機
付き反応槽に投入し、混合しながら180℃から徐々に
220℃に昇温加熱してエステル交換反応を行なった。
所定のメタノールを系外へ抜き出したのち、重合触媒で
ある酸化ゲルマニウム約0.35部を投入し昇温と真空
引きを徐々に行ない、発生するグリコールを抜きなが
ら、温度250℃、真空度1mmHg以下に到達後引き
続きこの条件を維持して粘度の上昇を待ち、攪拌機の所
定トルクに達した時点で反応を終了し、ポリマーを水中
に押しだしてペレットを得た。このポリマーの極限粘度
は0.48、ガラス転移温度は68℃であった。
率を0.005%とした後、金型温度を40℃、ポリマ
ー温度を290℃となるようにヒーターを調節し、射出
成形機(ダイナメルタ、M−25A II−D−DM)に
てディスクを成形したところ、透明なディスク基板が得
られ、このレターデーションは5nm、光線透過率は9
2%であった。
チレングリコールを125部使用し、エステル交換温度
を230℃、重縮合温度を280℃に設定し、重合触媒
として三酸化アンチモンを0.1部使用した以外は実施
例1と同様にして、ペレットを得た。このポリマーの極
限粘度は0.62、ガラス転移温度は74℃であった。
このペレットから同様にしてディスクを成形したとこ
ろ、レターデーションは55nmであり、また全体的に
白濁し、光線透過率は88%と不十分であった。
ート50部、エチレングリコール95部および1−フェ
ニル−1、2−エタンジオール60部とを用いた他は実
施例1と同様にして得たポリマーの極限粘度は0.5
2、ガラス転移温度は66℃であった。また同様にこの
ペレットからディスクを成形したところ、透明なディス
ク基板が得られ、レターデーションは8nm、光線透過
率は91%であった。
エタンジオール130部を用いた以外は実施例1と同様
にして反応させたが、エステル交換反応中に分解物が多
量に発生し、真空引きも排気管詰まりの為困難で、ペレ
ットを得ることができなかった。
Claims (1)
- 【請求項1】 テレフタル酸および/又はイソフタアル
酸よりなるジカルボン酸及び/又はそのエステル形成性
誘導体と、エチレングリコール及び側鎖に芳香族を有す
る脂肪族ジオール類とからなる透明性ポリエステルディ
スク基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3228692A JP2865908B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 透明性ポリエステルディスク基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3228692A JP2865908B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 透明性ポリエステルディスク基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0543668A JPH0543668A (ja) | 1993-02-23 |
JP2865908B2 true JP2865908B2 (ja) | 1999-03-08 |
Family
ID=16880308
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3228692A Expired - Lifetime JP2865908B2 (ja) | 1991-08-13 | 1991-08-13 | 透明性ポリエステルディスク基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2865908B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5376865B2 (ja) | 2008-08-19 | 2013-12-25 | キヤノン株式会社 | 固体撮像装置及び電子撮像装置 |
-
1991
- 1991-08-13 JP JP3228692A patent/JP2865908B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0543668A (ja) | 1993-02-23 |
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